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目には目を連帯には連帯を

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん 」

目次
『青い夜のことば』『飛天の道』『世紀』『九花』『ゆふがほの家』
『太鼓の空間』『鶴かへらず』『あかゑあをゑ』『記憶の森の時間』
『渾沌の鬱』



   ゆふがほの家も今宵はうたげして若きうたよみ叱られてをり

 たいそう幸せなひと・時間である、馬場あき子に直々に叱られると
は。歌集名ともなったくゆふがほの家〉は、岩田正・馬場あき子夫妻
の家を象徴している。この家はふだんは、

  忘れ得ぬ心みたりし春のこと子の椿の葉の照り加えし
                                    「桜花伝承」

  もみぢ美しここは那須にも高雄にもあらざる柿生の丘の樹仰ぐ
                                                                   岩田正「郷心譜」  

  若き女男集ふわが家トイレはた放たれしひとりの思索の場なり
                                                                         (同 上)

 とある、ふたり暮しの静かなすまい。そこに月に何度かは編集会議
や発送等でひとが集まり、床が抜けるやもしれないくらい玄関先に靴
が溢れる。美味しいお料理・住いお酒の数々。しかし何よりの御馳走
は岩田・馬場夫妻のお話、そして歌どちと語らう時間である。
 世阿弥が能楽綸言『花鏡』で述べた言葉、〈離見の見〉(演者が自
らの身体を離れた客観的な目線をもち、あらゆる方向から自身の演技
を見る意識)をふまえ、客観的にみている。
 ゆうがほ。ひとは何を思い浮かべるであろう。朝顔も昼顔もすべて
背景に物語をもつ。秀吉と利休、カトリーヌ・ドムーヴ等。ここに通
底するのは「源氏物語」の匂いであるし、一番ひとのこころをかきた
ててやまないのは、五十四帖における「夕顔」の巻の愛しさであろう。
恋の達引きの因縁噺と気楽な男同士の雨夜の品定めをうけての連続性
と、物の怪にとり殺される怪異譚等、読み手の想像力をいやがおうに
も 刺激してくれる。
<心あてにそれかとぞ見る白露の光そへたる夕顔の花〉をもふまえたこ
の一連は、「若い女性の>歌人と古典和歌を読む会を持っていたこと
が、とても大きな帳合いでした」(あとがき)とあるように、〈若き
うたよみ〉に向けられるとともに、馬場家における勉強会や「かりん」
発送作業の模様をも表しているようである。〈場〉を大事にし場の雰
囲気を〈連〉としてのことば芸能のひとつのなかで尊ぶ気象。一連、
ゆふがほ(タがほ)を五首詠みこむなかで、とり殺されたひとりのお
んなの無念をうたう。それはなべて、芸能全般のなかに埋もれていっ
たおんなの無念・怨嗟の声かもしれない。現代にいきる私たちは、今
更とり殺されはしないだろう。それは幸か不幸か。
 ともあれ、馬場あき子に叱られるという〈幸〉をもった極めて幸福
なひとを歌いつつ、己の古典への立ち位置を、しかと表した一首とい
える。                      (藤室苑子)



● 今朝の健康朝食
椎茸パウダーと大豆とひじき、人参の煮物に黒酢とお~ぃお茶(神パ
ック)



書籍:大豆と人間の歴史
著者:クリスティン・デュボワ
【内容概説】
人類が初めて手にした戦略作物・大豆。その始まりは、日本が支配し
た満州大豆帝国だった。サラダ油から工業用インク、肥料・飼料、食
品・産業素材として広く使われ、南北アメリカからアフリカまで、世
界中で膨大な量が栽培・取引される大豆。大豆が人間社会に投げかけ
る光と影、グローバル・ビジネスと社会・環境被害の実態をあますと
ころなく描く。
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第8章 毒か万能薬か

     何事もできうる限り単純化しなければならないが、必要以
     上に単純化してはならない。

          作曲家ロジャー・セッションズ(アルバート・
          アインシュタインの言葉を言い換えたも言葉

大豆の効果を単純化してはならない
 人間の食べ物として、大豆にはとかく評判がある。あるいは、さま
ざまな賛否両論があると言うべきか。情報源によるが、大豆を食べる
と心臓病や乳がん、前立腺がんのリスクを減らす素晴らしい物質だと
いう。他にも、歯周病や骨租但症、慢性の肺機能障害や、二型糖尿病、
肥満、更年期のほてり、感染症、血栓、他にもアルツハイマー病やル
ー・ゲーリック病(筋萎縮性側索硬化症一ALS)のような神経変性
疾患にも効果があるという。あるいはまた、逆に、大豆を食べること
によって、乳がんやアルツハイマー病、男性不妊症、勃起不全、攻撃
的行動、服従的行動、引きこもり、抑影状態、アレルギー反応、月経
不順、胃腸障害、肝臓病、カルシウム吸収不良の他、腎臓や胆嚢、膠
臓、甲状腺、中枢神経系の疾患の危険性が増加するとも言われている。
大雑把に言って、大豆は理想的な食物と表現されるか、はたまた私た
ちの食生活に浸人してきたひどく有害なものとして扱われるかだ。グ
-グルーで「大豆と健康」を検索するとほぼ5300万もの項目がみつか
る。これほどの不協和音をどうすればいいのだろうか。

 このような場合、一歩下がってこの喧騒状態を判断するのがよい,
まずは、人間とは自分たちの行動に対して何重にも意味を重ねて読み
こむものだということを思いだそう。そして食べることは生存にとっ
て非常に基本的なことであるため、特に強い意見を呼び起こすのだ。
加えてこうした見地からすると、大豆はアジアで長い歴史を持ってい
るが、世界の他の多くの食習慣から見ると新しいものであるという点
に気がつく。古代から食べ物であれば、本能的にごく普通のものとし
て、あるいはほとんど神秘の光の中で、賢い祖先からの贈り物として
見るだろう。新しくて、しかも高度に加工された食品の場合には、そ
の成分は現代科学の奇跡が生んだ材料であるか、あるいは何も疑わな
い人々のための怪しい添加物と考えられても不思議ではない。いかな
る食品も、古代からあるものでも、新しいものでも、象徴的な連想が
きっとたっぷりと備わっているに違いない。

大豆の食べる量をどうするかという最初の課題を通じて、大豆がさま
ざまな人にとってそれぞれに多くの意味を持ったものであると知るこ
とになる。そして、それをたった一つの役割に心理的に割り当てるこ
と----は、象徴的な意味で整然としていて満足できると感じられたと
しても、単純化しすぎなのだ。大豆に関して健康上の意見を評価する
にあたっては、その根拠に疑問を持だなければならない。さまざまな
分野の人間、会社、メディアや組織はそれぞれの主張の中で何を問題
としているのか。名声か。会員数の増加か。売り上げの増加なのか。
彼らは大豆食品に関して完璧な証拠を伝えているか。自分に敵対して
いる者の主張することは、なんでも自動的に間違いだとみなしてはい
ないか。対立する者の立場を感情的な言葉で描いてはいないか。結論
に飛びついてはいないか。注意深く証拠を検証しているか。提示され
た証拠に関してどれぐらいの人が同意見なのか。「一致した意見」と
いうのは、何度も同じ意見を繰り返してきた人々のエコーチェンバー
現象〔訳注一閉じたコミュニティーで、同じ意見の人々とのコミュニ
ケーションを繰り返すことで、自分の意見が増幅、強化されること〕
ではないのか、これらは難しい問題だ。大豆食品についての議論のた
だ中にいる全員が、ある種の証拠を援用しているからだ。それらは、
質の違いを整理するのに時間がかかり、混乱を招きかねないようなも
のだ。動機は微妙なのかもしれないし、あるいは意図的にわかりにく
くされているのかもしれない。本章では人間の食べるものとしての大
豆を三つの面から検証することによって、こうした問題をはっきりさ
せる。①豆の本来的な性質、②遺伝子組み換え技術、そして③栄養不
足の人々のための大豆という三つの面だ。
※囲み数字及び背景色(黄色)、下線、太字などを任意に加筆してい
る。。

大豆の基本的な知識
 ほとんど誰もが次のことには同意してくれるだろう。大豆には、栄
養のある成分と、生では健康に悪い成分との両方が合まれているとい
うことだ。大豆はたんぱく質と繊維が豊富だ。また多くの種類の必須
ビタミンとミネラルも合まれている。ビタミンB6、ビタミンK、葉
酸、チアミン、リボフラビン、コリン、カルシウム、カリウム、銅、
鉄、マグネシウム、リン、セレン、亜鉛である。大豆油はかなり心臓
によい。しかし、生のままだと大豆のある種の成分が、消化酵素トリ
プシンと化学結合し、食物中のたんぱく質の分解を阻害する。このよ
うに大豆はそれ自身たんぱく質が豊富だが、皮肉にも生で食べるとた
んぱく質の適正な吸収を妨げる。
 大豆に合まれるトリプシン阻害物質には不安を感じる人もいる。し
かし、これは簡単に改善できる。適切に加熱すれば、阻害成分の90八
-セントが不活性化される。この割合は大豆が良質のたんぱく質源と
なるのに十分だ。豆の外皮を取りのぞいて加熱することで、大豆のフ
ィチン酸を不活性化する。そうしなければ大豆に合まれる有益なミネ
ラルの吸収を阻害する成分だ。加熱することと外皮をはずすことは動
物や人の食物として大豆を調理する苓の通常の作業だ。追加乃加工は
伝統的なやり方でも現代的なやり方ても、腸内ガスを発生させる大豆
の成分を取り除くために行われる。
 また、大豆にはイソフラボンが含まれている。これにホルモンのエ
ストロゲンの弱い働きをする化合物で、非遺伝子組み換え大豆に関す
る論争の大部分がここにある。エストロゲンは男性でも女性でも自然
に体内に発生するが、閉経前の女性にはより高いレベルで存在する。
女性の生殖作用を調節するものだ。エストロゲンという言葉と大豆の
関連は、インターネット上に派手に書き立てられて、近年では特に性
別を意識したイメージを大豆に与えている。大豆を食べると女性化す
るという認識の中で、大豆の持つ危険性も利点も理解されている。
大豆に関する

三大論争----精子減少・循環器系疾患・乳がん
 遺伝子組み換え作物の問題に取りかかる前に、非遺伝子組み換え大
兄に問する三人論争について、その詳細をいくらか検証しておくこと
は意味があるだろう。第一に、男性性の喪失に問する、こんな当惑す
るような見出しを、私たちはどう判断したらいいのだろう。たとえば、
「科学者は精子数の危機を警告する。
 史上最大規模の研究によって、男性のリプロダクティブ・ヘルスが
劇的に低下していることが明らかに」
「男性は精子数に関して心配していない。だが、心配すべきである」
「精子が質量ともに低下しているとの論証が次々に」
「大豆、精子数、生殖能力の問題」
「大豆食品で。精子数が減少」
「大豆を食べると精子数が大幅に減少する」

 大豆を食べるべきでないのかどうかと男性が問うのも当然だ。父親
になりたいと思っている男性もいれば、精子が衰える原因となりうる
という食品はそれ以外の身体機能にも害を及ぼすのではないかと考え
る者もいる。
 大豆問題を語る前に、精子数はそもそも減少しているのかどうかを
問わなければならない。生物学と同様に、その答えは複雑であるし、
この場合にははっきりしたことはわからない。1930年代以降のデータ
を調べて鳴り物入りで公表された1982年の研究は警鐘を鳴らしたのだ
が、のちにその結論に対して疑問が投げかけられた。精液の採取方法
究もいくつか発表された。なかでも、2万6000人を超えるフランス人
男性から採取した精液を調べた研究で、1989年と2005年では、はっき
りと精子数が減少していたことが明らかになった。欧米諸国の40年分
の精液サンプルを調べた2017年の分析もまた、同様に著しい減少を明
らかにした。
 ところが、精子数にまったく変化がないという研究もあり、増加し
たという結果を出した研究もあるのだ。

  精子数の変化の傾向は調査地によることは明らかだ。データからわ
かることは、たとえば、フランスのある地域で、生活スタイルや環境
の変化が精子に影響を与えていても、イタリアのような土地で同様に
当てはまるわけではない。こちらでは精子は増加しているようなのだ。
 精子数が減少傾向にある場所に、その原因はいくつもある。環境有
害物質、経口避妊薬の残留物が水遠水に混入すること、日常の食事の
変化、大豆食品の摂取、性感染症、座っていることの多い生活スタイ
ル、タイトな服装、ストレス、ズボンの前ポケットに入れた携帯電話
など、すべてが原因とされている。
 大豆食品との関係は根拠があるとはとうてい言えず、憶測にもとづ
いている。イソブラボンを多く食べさせた齧歯菌のオスに生殖異常が
現れたという。いくつかの研究(すべての研究でない)によって提出
されたデータ、それと、2008年年のハーバード大学のヒトを対象にし
た研究だ,後者の研究は、少人数グループの男性被験者の大豆食品の
摂取量と精子数減少との間の相互関係を明らかにしたとする。筆頭執
筆者のジョージ・チヤヴァロはこの結果を予備段階のものだと言う。
 それ以前の注意深くコントロールされた研究では、人間の男性や霊
長類のオスについて、精子数と大豆の間に何の関係も出ていないと、
注意を喚起する研究者もいる。さらに、何百万というアジアの男性は
2008年の調査の時よりもいっそうたくさん大豆食品を常用しているの
に、生殖に問題は起きていない。最近の研究から言えることは、精子
数の真の問題は過剰体重だ。脂肪組織はエストロゲンを生成する。可
能性として言えるのは、子どもを欲しいと思う肥満男性は、すでに高
値にあるエストロゲンをほんのわずかも増加させないために、大豆食
品を避けるべきだということか。しかし、いくら権威ある研究機関に
よる推奨でも、裏づけがあるわけではない。明らかに度を越した大豆
食品の摂取だけがデマの見出しとなるわけだ。
 大豆についての二番めの栄養学上の議論は、循環器系疾患を中心と
するものだ。閉経前の女性の体の中でエストロゲンが心臓を保護して
いると考えられていたため、大豆のイソフラボンが同様に役に立つの
かどうかが研究されたのである。この研究を⑳年にわたって分析した
のち、1999年、アメリカ合衆国食品医薬品局(FDA)は、大豆摂取
によって男性女性を問わず心臓の健康は明らかに増進するという結論
を出した。それゆえ、FDAは大豆を多く含んだ食品の包装に、「一
日に25グラムの大豆たんぱく質を飽和脂肪とコレステロール値の低
い食事の中で摂取することにより、心臓病のリスクが下がる可能性が
ある」と表示することを認可した。しかし、その後2000年にはアメリ
カ心臓協会(AHA)の検証では、心臓の健康に大豆はほとんど無視
しうるほどの影響しか与えないということが示された。これらの世界
的に高く評価されている情報源からの研究成果の間の矛盾は、さらな
る研究に火をつけることになった。 

  2006年、AHAはその後の研究にもとづいて、大豆には心臓の健康
に対して大きな効果はないようだと繰り返し述べている。しかし、一
般的に大豆製品は心臓に好ましい油脂やビタミン類、ミネラル類、食
物繊維を含んでいるとつけ加えた。したがって、あまり健康的ではな
い食物の代わりとして、大豆は心臓の健康には良い選択肢と言える--
--その他の栄養価の高い食品ほどすぐれているというわけではないが、
カロリーは高いが栄養はないおやつよりもはるかに健康的だ。一方、
FDAは以前からの判断基準によって、大豆が豊富に含まれた食品に
栄養強調表示をつけることを認めている。しかしFDAは科学的な研
究を精査しながら方針転換の可能性も視野に入れている。
 大豆食品をめぐる第三の議論は乳がんに関するものだ。およそ80パ
ーセントの乳がんはエストロゲン受容体陽性だ。これは、このホルモ
ンががん細胞にしっかり取りついてその細胞内にとどまるということ
だ。がん細胞はエストロゲンに反応して、通常なら体を守る制御機能
を抑えて成長を続ける。科学者やあらゆる職業や社会的地位の誰もが、
大豆の弱いエストロゲンがこうしたプロセスにどんな効果を待ってい
るのか、知りたいと思うのは当然だ。
 ここまでのデータには矛盾がある。たとえば閉経前の女性がいて、
彼女はまったく気づいていないが、乳房にエストロゲンに反応するご
く小さな腫揚があるとしよう。大豆食品を好んで、ほとんど毎日のよ
うに食べている。食品中の弱いエストロゲンが危険な小さな腫瘍に届
いて、エストロゲン受容体にとりつく。こうすることで、この女性の
身体が自然に生成する、それよりも強いエストロゲンが、とりつく先
の腫瘍組織の多くを見つけることができないようにしている。受容体
がすでに占領されているからだ。したがってがんはほとんどが弱いエ
ストロゲンを受容して、そのためがん細胞は成長するだけの刺激を受
けられない。
 女性自身の免疫システムでも、この障害となる小さな腫瘍は取りの
ぞくことができるかもしれない。あるいはまた、癌細胞が問題となる
までの時間を大豆食品が稼いでくれるのかもしれない。いずれにして
も大豆食品は有効なのだ。これが、大豆食品と乳がんの間の反応に関
する1つの理論であり、これを論証する証拠もいくつかあるようだ。
疫学上の研究によれば、日本と韓国の女性はそれ以外の先進国の女性
よりもはるかに多くの大豆たんぱく質を摂取しており、先進国の中で
乳がんの発症率が最も低いことは明らかだ。
 では今度は、乳房にエストロゲンに反応する小さな腫瘍があるが、
すでに閉経している別の女性の場合を考えてみよう。彼女の身体が作
るエストロゲンは減少している。つまり、体内の腫瘍に届く天然のエ
ストロゲンからの刺激は多くない。しかし、若い女性と同様に彼女も
また大豆食品を頻繁に摂取して、腫瘍はそれによってエストロゲンを
受け取る。腫瘍の成長が非常に遅い場合でも、通常の場合よりも結局
多くのエストロゲンを受け取ることになる。出産可能年齢の女性の体
内を自然に循環するのと同じ量のエストロゲンは、どこからも受け取
ることはないが、この女性が弱い植物性のエストロゲンをまったく摂
取していなかった場合よりも多い量になるのだ。このシナリオでは、
閉経期を過ぎた女性で、特に乳がんのリスクが高い人や、すでに乳が
んと診断されている人は、大豆食品を大量に摂取することは避けた方
がよいことになる。この理論に関する根拠としては、しばしば言及さ
れる2004年の研究がある。それによると、閉経後のラットに乳がんを
発症させて、大豆から取ったイソフラボンの一種を餌で与えていると、
イソフラボンを与えられていない同様のラットよりも腫瘍はその重量
が増加したという。
 若い女性の乳房の成長におけるイソフラボンの役割を考えれば、全
体像はさらに複雑なものとなる。東アジアの女性の乳がん罹忠幸が低
いのは、幼いころからの頻度の高い大豆摂取によって乳房の構造が変
化したからだと考える研究者もいる。上海で実施された大規模な研究
では、閉経前の乳がん発症率は、青年期と成人期の両方の時期に最も
多く大豆食品を摂取した女性が最も低いことが示された。こうした女
性たちの乳房は、将来がんになるのを防ぐように成長しているように
見えた。また他の研究では、青年期に多量の大豆の摂取をした女性が
乳がんに罹ると、がんは大豆を食べていない女性よりも軽度だという。
                         この項つづく
✔ なるほど・・・・・・。




✺ タンデムペロブスカイト型PERC / POLO太陽電池で21.3%
ドイツの研究グループは、タンデムセル型の産業用の主流のPERC技術
と互換性のあるプロセスフローによって製造される。その作成者によ
ると、このデバイスは、ペロブスカイトの厚さとバンドギャップを調
整することで、29%を超える効率も可能だという。
2022.2.25 pv magazine International


図1 a)ペロブスカイト-POLO-PERCタンデム太陽電池の断面図およ
び b)約1cm2の活性領域を備えた上面写真。タンデムデバイスの c)
下部セルおよびd)上部セルの走査型電子顕微鏡(SEM)画像。(c)
では、倍率が小さいため、POLOフロントジャンクションと リアサイ
ドパッシベーション層は見えない。.

❏ 酸化物/不動態化エミッター上の工業用p型多結晶シリコンとリア
セルシリコンボトムセル技術を使用して製造されたモノリシックペ
ロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池

【概要】 ペロブスカイトトップセルを従来の不動態化エミッターお
よびリアセル(PERC)シリコンボトムセルと組み合わせて、モノリシ
ックに統合されたタンデムデバイスは、シリコン単一接合技術の電力
変換効率(PCE)を高める経済的に魅力的なソリューション。多結晶
シリコンオンオキシド(POLO)フロントジャンクションとローカルア
ルミニウム-p +接点を備えたPERCタイプの不動態化リアサイドを備え
た高温安定ボトムセルを使用した概念実証ペロブスカイト/シリコン
タンデム太陽電池が報告されている。このPERC / POLOセルには、産
業用の主流のPERCテクノロジと互換性のあるプロセスフローが実装さ
れている。上部と下部のセルは、スズをドープした酸化インジウム再
結合層を介して接続されている。下部セルのPOLOフロントジャンクシ
ョンでの再結合層の形成は、堆積後のアニーリングとスパッタ損傷の
軽減によって最適化される。ペロブスカイトトップセルは、p-i-n接
合デバイスアーキテクチャにモノリシックに統合される。概念実証タ
ンデムセルは、最大21.3%のPCEを示す。実験結果とサポートする光
学シミュレーションに基づいて、プロセスと層の最適化による主要な
パフォーマンスの向上が特定され、PERCのようなボトムセル技術を備
えたこれらのペロブスカイト/シリコンタンデム太陽電池のPCEポテン
シャルは29.5%と推定される。


図2.a)200および300℃で堆積およびアニールされた、スパッタさ
れたITO(100 nm、再結合接合)を備えたPERC / POLO / ITO / Agボ
トムセルデバイスのJ-V曲線。ここで、挿入図に示すように、300℃
は最高のFFおよびVOCを提供する。b)ITO再結合接合の標準およびソ
フトスパッタリングを使用した3PタンデムデバイスのJ-V曲線。ソフ
トスパッタリングがデバイスのVOCとFFを増加させることを示す。

原題: Monolithic Perovskite/Silicon Tandem Solar Cells Fabricated
Using Industrial p-Type Polycrystalline Silicon on Oxide/Passivated Emitter
and Rear Cell Silicon Bottom Cell Technology, Silicon on Oxide/Passivated
Emitter and Rear Cell Silicon Bottom Cell Technology
 ・Mariotti - - Solar RRL -Wiley Online Library,、08 February 2022,
・https://doi.org/10.1002/solr.202101066

✔ 変換効率が29%を超えるかどうかは、実ラインでの作り込まな
ければわからないが期待したい。



河出書房新社(2021/09発売)
サイズ 46判/ページ数 320p/高さ 20cm
商品コード 9784309228303 NDC分類 345.1 Cコード C0022
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第10章 アメリカ南北戦争の本当の理由
        南部州の人びとは、北部州の利益のために税金を徴
        収されるばかりではない。支払ったその税金の四分
        の三が、北部のみで使われてしまうのだ。そのため
        ----南部の都市は田舎町にとどまっている。南部都
        市は停滞している----北部都市の郊外に過ぎないの
        である。
                  サウスカロライナ州の人びとの、
                   集会での奴隷州に向けた演説

北部対南部----関税戦争の30年
  しかし、まもなく1842年になるころ、またしても北部の産業界から
保護を要求する声が上がりはしめた。ヘンリー・クレイを始めとする
関係者は、イギリスとの競争に打ち勝つことができないという主張を
蒸し返した。1842年、ブラック関税法案が下院および上院で、たった
一票差で可決した。南部州は、関税率が合意によって定められた20%
に達するまで、すでに九年持っていた。ところが、関税率が1828年の
「唾棄すべき関税」に近いレベルにまで引き上げられた。当然ながら、
南部州は猛烈に抗議した。
 「革命になるだろう」とサウスカロライナ州民のロバート・レット
はいった。アラバマ州民ならば北部の奴隷になるよりも「血まみれの
墓」のほうを選ぶだろう、とアラバマ州民のウィリアム・ペイン。保
護貿易政策はアメリカに内戦をもたらし、「連邦の存続を危うくする」
と、ヴァージニア州民のルイス・スティ-ンロッドも語った。輸入関
税は40%近くに引き上げられ、特定の品目についてはそれぞれれに税
率が定められた。もっとも税率が高かったのは鉄だった。たとえば、
鉄釘の関税は100%を超えていた。貿易活動はたちまち停滞した。外国
からの輸入はほぼ半減した。ニューヨーク州民のモーゼス・レナード
にいわせれば、これは「自由かつ聡明な市民に対してアメリカ合衆国
議会が行なってきた著しく公平を欠く所業の一つだった。
 しかし、このときも危機は回避された。1844年のアメリカ大統領選
挙戦でヘンリー・クレイを破ったジェイムズ・K・ポークが、新政権
の四人指標のIつとしてブラック関税減税を挙げたのだ。そして、新
任の財務長官のロバート・ウォーカーがその仕事に取りかかることに
なった。
 ウォーカーは、関税率を25%に引き下げたうえで一律化する(どの
品目にも同じ税率を適用する)ことを提案した。彼は、税率を下げれ
ば貿易を活性化することができ、結果的に政府の収入が増加すると主
張した。地元でつくる商品を世界の市場で売りたい北部州と西部州は、
南部州と手を組んだ。こうして、新しい関税法が1846年に成立した。
ウォーカーの主張したとおりだった。税宰は低くとも、3000万ドルだ
った関税収入が185年には50%増の4500万ドルになっていた。
 もちろん、南北の敵対は関税問題のみを理由にするわけではなかっ
た。奴隷制もまた対立の種になっていた。そして1850年、サウスカロ
ライナ州は、米墨戦争後にアメリカに加わった各州での奴隷の地位を
めぐり、ふたたび連邦離脱をちらつかせた。それらの州が奴隷制を違
法とすれば、南部州は議会において少数派になり、政治力を弱めるこ
とになった。さらに、いわゆる自山州が増え、奴隷解放の機運がいっ
そう高まれば、国内で暴動が発生する危険もまた高まった。連邦離脱
は、サウスカロライナ州での奴隷制の維持を確実にし、綿花生産者の
富を保護する手段になるのだった。1851年10月に行なわれた選挙は、
事実上の件の賛否を問うための住民投票に等しかった。連邦離脱派は
手痛い敗北を喫した。協調派が投票数の58.5%を獲得して当選したの
だ。奴隷制の問題のみでは、民意を連邦離脱の方向に勤かすことはで
きなかった。サウスカロライナ州でそうなのだから、その他の南部州
となればなおさらのことだった。とくに、当時はたいへん景気がよか
った。
 1950年代、アメリカは好景気に沸いていた。南部州にしてみれば、
不満はほとんどなかった。1857年に成立した関税法で、関税率はさら
に引き下げられた----1816年に「臨時の」関税が導入されたときと同
じ、約15%とされたのである。だがその後、1857年恐慌がやってきた。

恐慌から保護貿易主義ヘ
ヨーロッパでは、クリミア戦争の影響で農業生産が停止していた。農
産物の不足を満たしたのはアメからの輸入は減った。イギリスのアメ
リカからの小麦輸入量は90%の減少だった。商品全般の価格にしても、
35%も下落した。農業事業に多額の投資を行なっていたオハイオ生命
保険信託会社が破綻すると、金融恐慌が発生した。商品の輸送量が減
ったことで、鉄道事業者も打撃を受けた。何千人もの失業者が出た。
投資家は資本を失った。ニューヨーク行きの蒸気船セントラルアメリ
カ号は、カリフォルニアのゴールドラッシュで採択された金3万ポン
ドを積んでいたことから「黄金の船」と呼ばれたが、巨大なハリケー
ンに巻きこまれて沈没した。大量の金が失われたことで、人びとの経
済、とりわけ銀行への信頼は揺らいだ。 
 これが1857年恐慌だった。
 南部もたしかに打撃を受けたが、北部や西部ほどではなかった。綿
花の価格は下がったが、すぐにもとの水準に戻った。銀行の破綻も比
較的少なかった。むしろ、南部は1857年恐慌によって自信を取り戻し
た。綿花は世界貿易に欠かせない主要商品であるという確信をいっそ
う深めたのだ。空前の好景気に沸いていた北部および西部は、ここへ
来て深刻な景気後退に見舞われた。南部はこの事態にそれほど動じず
にいられた。
 しかし、恐慌の発生をきっかけに浅はかな法律が制定された例は、
いったいどれだけあるのだろう?
 ペンシルヴエニア州民のヘンリー・ケアリーは、おそらく当時もっ
とも世間に名前を知られた、影響力を持った経済学者だった。彼は、
保護貿易主義はアメリカの産業の成長を促すための方策であると見て
いた。また、1857年の金融危機のおもな原因は1857年関税であると考
えていた。その熱い主張は広く行きわたり、大きな牽引力を持つに至
った。人びとはかつての高い関税率の復活を求め、熱心に運動を行な
った。結成されて問もなかった共和党はケアリーの意見を取りこみ、
党創設者の一人であるジャスティン・スミス・モリルは、披から助言
を受け、新たな関税法案の作成にあたった。税率を1846年の水準に引
き上げることが目標だと主張していたが、実際の税率はもっと高くな
った。
 モリル関税法案はおよそ二年のあいだ大きな政治的争点になってい
たが、結晶1860年5月に下院を通過した。南部州からの賛成票は一票
のみであった。
 共和党党首のエイブラハム・リンカーーンはいついかなるときにも
関税に賛成していた。「私は内陸開発と保護関税貿易を推進したい。
これが私の意見であり、政治方針である」と、1832年に行なった最初
の政治声明でも語っている。これらの方針は変わらなかった。「この
件に関して、私の見解は大きく変わってはいない」とて1860年にも述
べているのだ。「政府が関税を取るのは、家族が食事をとるのと同じ
だ」。


Henry Seward, Sr. (May 16, 1801 - October 10, 1872)

リンカーン、大統領に就任  
 共和党の大統領候補指名をめぐる争いで、ウィリアム・H・スワー
ドはリンカーンの最大のライバルであり、当初は党候補選出の最有力
と見なされていた。スワードは奴隷制をはっきり批判しており、1850
年の「合衆国憲法より優先する法がある」という声明によって有名に
なっていた。しかし、奴隷制をそのように見ていない人びとは多かっ
た。老桧な政治家であったリンカーンは、できるだけ多くの票を集め
るため、この問題への言及を避けていた。個人的には奴隷制を忌み嫌
っていたかもしれないが、公の場では戦略として「唇をかみしめ、黙
っていた」。共和党の予備選に勝利できたのは、とりわけペンシルヴ
ェニア州で、保護関税への賛意を表明したことが要因だった。
 大統領選挙本選で、リンカーンのおもなライバルは宿敵である民主
党候補のスティーヴン・A・ダダラスだった。だが民主党支持者の粟
は割れ、北部州の人びとはダダラスを、南部州の人びとはジョン・ブ
レッキンリッジを指名した。リンカーンが勝利するには、北部州での
得粟散がダダラスを上回りさえすればよかった。そしてダグラスおよ
び民主党は、北部州では不人気たった反関税の立場を取っていた。
 リンカーンは単純な作戦を選んだ。奴隷制問題への言及を少なくし、
保護貿易主義を前面に打ちだしたのだ。これは効果的だった。歴史学
者のデイヴィッド・M・ポッターによれば、共和党綱領のうち「もっ
とも大きな歓声を受けたのは関税の項目だった」。ペンシルヴェニア
州は「喜びを爆発させた……この州の代表の全員が立ち上がり、帽子
や杖を振りまわした。」
                        この候つづく

✔ なかなか読書が進まないのは時間がないとは言え、この本は実に
 面白い。

風蕭々と碧い時代

 
● 今夜の寸評:沸騰する欲望と対峙する知恵

今日も一日微妙なバランスの上で仕事をしています。


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