嗚呼!人命は地球より重し。
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん 」
【男子厨房に立ちて環境リスクを考える 59】
□ 新ごみ処理施設問題:彦根周辺の5市町の建設問題を地震災害の
視点から考察のもう1つのブログ(地域運動団体)で連載しており、
購入する「家庭用食品・家庭ごみ」の排出量減量(ゼロ・ウエスト運
動)から考察作業を続けているが、ここでもエコビジネスモデル----
例えば、即席ラーメンメーカと食材・加工食品供給メーカや地方自治
地体がタイアップし「ゼロ・ウエスト食品ブランド」を登録事業を展
開すれば解決の一助----先回の「果皮と果実の一体化」に続き、そん
なことを具体的に考えはじめている。
珍しく、ランチは旬の野菜のかき揚げ天ぷら饂飩(湖東JA野菜館で
購入した野菜)。干椎茸パウダーをふりかけ戴きます!
□ 痩せホルモンの効用:メタボが昨今、血圧も気になるにもかかわ
らず仕合わせ太りとはトホホのホ。そこで、内臓脂肪を減らすのに役
立つホルモン7つ(GLP-1(食欲抑制)・アディポネクチン(脂肪燃焼)・
レプチン(食欲抑制)・グレリン(食欲増進)・メラトニン(食欲抑制)・
エストロゲン(脂質代謝)・セロトニン(食欲抑制))が注目されている。
□ アディポネクチン:健康効果として、糖尿病を予防する効果、高
血圧を予防する効果、メタボリックシンドロームを予防する効果、動
脈硬化を予防する効果が期待でき、脂肪細胞から分泌される善玉ホル
モンの一種で、エネルギー代謝に大きく関わり、体の中で血中に存在
し、全身を巡って傷ついた血管を見つけると素早く入りこんで修復す
る、血管のメンテナンス役として働き、また糖の代謝や脂肪の代謝に
関与。脂肪細胞は過剰栄養の貯蔵庫としての役割を持つが、その他に
も様々な生理物質を分泌する内分泌脂肪としての役割を持つことが明
らかとなっており、ここから分泌される生理物質を総称して「アディ
ポサイトカイン」と呼称される。内臓脂肪が蓄積した状態では善玉ア
ディポサイトカインの分泌量が減り、悪玉アディポサイトカインの分
泌量が増え、1996年に人間の脂肪組織から発見される。
・アディポネクチンを増やす方法:アディポネクチンは内臓脂肪の増
加により分泌量が低下するため、内臓脂肪型肥満を解消することでそ
の分泌量は自然と増加する。そのため、緑黄色野菜や海藻類、大豆製
品、青魚などを普段の食生活に取り入れたり、適度な運動を行ったり
することでアディポネクチンを増やせる。
・「長寿ホルモン」といわれるアディポネクチン:長寿の人の血中ア
ディポネクチン濃度は高いといわれ、実際に100歳以上の女性と20歳代
の女性の血中アディポネクチン濃度を比較したところ、100歳以上の女
性の方が約2倍もアディポネクチンの濃度が高いことが分かっている。
❏ Arita Y, Kihara S, Ouchi N, Takahashi M, Maeda K, Miyagawa J, Hotta K,
Shimomura I, Nakamura T, Miyaoka K, Kuriyama H, Nishida M, Yamashita S,
Okubo K, Matsubara K, Muraguchi M, Ohmoto Y, Funahashi T, Matsuzawa Y.
Paradoxical decrease of an adipose-specific protein, adiponectin, in obesity.
Biochem Biophys Res Commun. 1999 Apr 2;257(1):79-83. doi: 10.1006/bbrc.
1999.0255. PMID: 10092513.
□ 作り置きできるおみそ汁「みそまる」
□ 大豆(味噌):コレステロール値を下げる効果、更年期障害の症
状を改善する効果、集中力を高める効果、骨粗しょう症を予防する効
果
□ トマト:動脈硬化の予防・改善効果、ダイエット効果、高血圧を
予防する効果、美肌効果、食欲増進・疲労回復効果、便秘を解消する
効果
□ ワカメ:ダイエット効果、育毛効果、アンチエイジング効果、美白
効果、眼精疲労の予防効果、生活習慣病の予防効果、口腔内の炎症緩
和
作り置きできるおみそ汁「みそまる」
ベースは、味噌(麦・米・豆)にワカメ、干椎茸、干物(鰯・飛び魚)
)、乾燥トマトなどのパウダに様々フレーク(アーモンド・ナッツ・
カカオ)、そして、シジミなどの貝、干肉(牛・豚・鶏)、大蒜、胡
麻、葱類、緑黄色野菜の微塵切り、香辛料、ハーブを和え、製氷皿に
詰め込み冷凍し電子レンジでお湯に入れ解凍・加熱すれば、エコでヘ
ルシーな「ハッピー和風スープ」が提供されるという代物。勿論、非
常食のスープとしても便利な「みそまる」である。
❐ 2022年ロシアのウクライナ侵攻
Title :2022 Russian invasion of Ukraine
▶2022.2.26 17:00 ja.wikipedia
2022年2月24日に開始したロシアによるウクライナへの全面侵攻。攻
撃は、長期にわたる軍事力の増強、ロシアによるドネツク人民共和国
とルガンスク人民共和国の国家承認、続いて2022年 2月21日にウクラ
イナ東部のドンバスへのロシア軍の派遣後に始まった。 2月24日、ウ
ラジーミル・プーチン大統領がウクライナに対して軍事作戦を行うこ
とを発表する演説が各メディアに対して公表された後、首都キエフの
近くを含むウクライナ各地で砲撃や空襲が始まる。
Vladimirovich Putin
□ Humanitarian impact;Total deaths
■ 侵略を非難した国
■ 中立的な立場を維持している国
■ ロシアがNATOの挑発を非難したことを支持する国
■ ロシア ■ ウクライナ
ja.wikipedia
□ 日本も他人事ではない。北海道が危ない
▶ 2022.2.26 17:00 夕刊フジ
ウクライナは「概言令」や「総動員令」を出し、ロシア軍の侵攻に
対峙している。ウラジーミル・プーチン露大統領の決定は、国際法や
国連憲章違反であり、決して許されない。こうしたなか、ウクライナ
出身の評論家、ナザレンコ・アンドリー氏(27)は、祖国への思いや、
東アジアでロシアと向かい合う日本への影響などを激白したと報じた。
ナザレンコ氏は「ウクライナは旧ソ連からの独立後の『ブダペスト覚
書』(1994年)で、核兵器をすべて手放し 軍隊も100万人から大幅に
縮小した。これが間違いだった。いつの時代も、軍事力=抑止力があ
ってこそ自国の平和は得られる。日本も例外ではない」といい、続け
た。「プーチン氏は以前、『アイヌ民族をロシアの先住民族に認定す
る』という考えを示した(2018年12月、モスクワでの人権評議会)。
北方領土への不法占拠が続くなか、今度は北海道が危ない。ロシアが
『アイヌ民族保護』を名目に北海道に乗り込んでくる危険性がある。
ロシアのような独裁国家が今回と同じく、自国民の保護を名目に他国
を力で侵略し、国家承認することがまかり通れば、世界の秩序は完全
に崩壊する。日本を含む国際社会はこれ以上、プーチン氏を増長させ
てはならない」。
ロシアのトーチカ弾道ミサイル(左)、北西部ルガ via jp.wikipedia
❏ ロシア軍、クラスター弾で病院攻撃か 国際人権団体が調査 ⇧
▶2022.2.26 15:49 JIJI.COM
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウオッチ(❏HRW)は25日、ウ
クライナ東部ドネツク州の政府支配下にある町の病院付近をロシア軍
がクラスター弾搭載の弾道ミサイルで攻撃したとする調査結果を明ら
かにした。この攻撃で民間人4人が死亡、医療従事者6人を含む10人
が負傷し病院にも被害が出たという。
HRWによると、攻撃があったのは24日。HRWが病院の医師らか
ら聞き取りを行い、病院スタッフから提供を受けた写真などを検証し
たところ、ロシア軍が使用したのは9N123クラスター弾❏を弾頭に
搭載したトーチカ弾道ミサイル⇧とみられることが判明した。
クラスター弾は多数の子弾を広範囲にまき散らす殺傷力の高い爆弾。
HRWは「ロシア軍はクラスター弾の使用を中止し、無差別に殺傷す
る兵器を用いた違法な攻撃をやめるべきだ」と訴えたと報じている。
□ ウクライナで一般市民による火炎瓶の自作爆発的増加
▶ 2022.2.24 GIGAZINE
【ポストエネルギー革命序論 410: アフターコロナ時代 220】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散時代」
□ スプレーで植物を改変-簡便な非遺伝子組換え植物改変法
理化学研究所らの共同研究チームは、開発した担体と核酸をスプレー
で噴霧することで、植物を簡便に改変する手法の開発に成功。植物の
形質改変は、食糧問題や環境問題を解決し、社会にさまざまな豊かさ
をもたらします。しかし、植物ゲノムへの外来DNAの導入を基盤とし
た遺伝子組換えによる植物の改変は、工業規模では時間とコストがか
かり、また人体や環境への安全性に懸念がある。機能性ペプチドを担
体とした遺伝子導入による植物の改変法を開発してきた。機能性ペプ
チドによる改変は簡便かつ低コスト、また特定の細胞小器官を標的と
した改変が可能な手法だが、小さな植物体や葉の一部など小さな規模
での導入に限られていた。スプレーによる噴霧処理は、農場などの大
きな規模でも対応可能な技術であることから、共同研究チームは今回、
スプレー噴霧による機能性ペプチドを利用した植物への遺伝子導入法
の開発を試た。
図1 噴霧後の葉におけるCPPの細胞透過と転流。 (a)葉の細胞構造
および噴霧後の異なる葉の細胞層へのCPPの可能な取り込みメカニズム。
(b-e)異なるテトラメチルローダミン(TAMRA)標識CPPの、噴霧後の
さまざまな時点でのシロイヌナズナの葉の上部表皮細胞(b、c)およ
び柵状葉肉細胞(d、e)への保持および転流。各TAMRA-CPPに対して
2つの独立した実験(実験ごとに2つのリーフ)が実行され、1つのリ
ーフの2つの関心領域(ROI)がCLSMによって観察された。噴霧後の
さまざまな時点における葉の8ROI(n = 8)の平均蛍光強度は、上部
表皮細胞(b)と柵状葉肉細胞(d)のヒートマップとして示されてい
ます。植物細胞におけるTAMRA蛍光シグナルの分布を図S2に示しました。
色付きのバーは、ヒートマップの蛍光強度の範囲を任意の単位(A.U
.)で表します。 (c、e)スケールバー=50μm。 (f)3つの商業的
に重要なダイズ品種(5週齢)の植物特性。スケールバー= 15cm。(g
)TAMRA標識CPPを噴霧した後の、異なる時点でのダイズ葉の表皮細胞
におけるTAMRA蛍光強度。植物細胞におけるTAMRA蛍光の分布は、8つ
の異なる関心領域からの箱ひげ図として表される(葉ごとに2つのROI、
実験ごとに2つの葉、2つの独立した実験、n = 8)。黒いバーは中央
値を示す。
まずスプレーによる核酸の導入に適した「細胞透過性ペプチド(CPP)」
を選定。そして、選定したCPPと導入したいDNAの複合体を作製し、液
体に懸濁した状態で植物の葉にスプレーで噴霧した。その結果、モデ
ル植物であるシロイヌナズナ、農作物であるトマト、ダイズの葉にお
いて、DNAが細胞内に効率的に取り込まれ、さらに取り込まれたDNAか
らレポーター遺伝子GUS(β-グルクロニダーゼ)が発現していること
を確認(図1A、B)。次に、CPPとsiRNAの複合体を形成し、蛍光タンパ
ク質を発現している遺伝子組換えトマトやシロイヌナズナの葉に噴霧
したところ、RNA干渉によって蛍光タンパク質(GFPやYFP)の発現を
抑制することに成功した(図1C)。共同研究チームはさらに、異なる
ペプチドを用いることでこの手法を発展させ、核酸を細胞小器官の葉
緑体に送達することに成功した。葉緑体特異的に送達されるペプチド
のKH-AtOEP34とCPP、DNAからなる複合体を作製し、シロイヌナズナの
葉にスプレーで噴霧したところ、葉緑体において導入したレポーター
遺伝子(ルシフェラーゼ)の発現を確認した(図2A)。また、同様の
手法でsiRNAを葉緑体に送達した結果、遺伝子組換えによって葉緑体
内で発現させていた蛍光タンパク質の発現を抑制することにも成功し
た(図2B)。
図2.スプレー後の植物細胞へのプラスミドDNA / CPP複合体のトラン
スフェクション。 (a)トランスフェクション分析のために植物に異
なるCy3標識pBI221 / CPP複合体をスプレー塗布。 Cy3-pBI221 / CP
P複合体は、5つの異なるBP100由来のCPPを使用して形成され、葉に噴
霧された。トランスフェクトされた細胞のCy3蛍光シグナルは、スプ
レー後2時間でCLSMによって観察された。 (b)異なるCy3-pBI221 /
CPP複合体を噴霧してから2時間後のYFPを過剰発現するトランスジェ
ニックシロイヌナズナの葉細胞におけるCy3の蛍光強度。各処理につ
いて、4つの実験的な独立した葉(葉ごとに5つのROI、実験ごとに1
つの葉)から収集された20のCLSM画像におけるCy3信号の分布が箱ひ
げ図として示されている。黒いバーは分布の中央値を示す。各データポ
イントはマゼンタのドットで表す。(c–h)噴霧後2時間で異なるCy3-
pBI221 / CPP複合体を噴霧した後の、YFP過剰発現シロイヌナズナ葉
細胞(黄色)におけるCy3-pBI221(シアン)の内在化。スケールバー
=5μm。白い矢印は、(i–l)に示すCy3およびYFP蛍光プロファイルの
検出軌跡を示しています。 (m)異なるCy3-pBI221 / CPP複合体を噴
霧した後の大豆葉細胞におけるCy3蛍光の箱ひげ図(n = 3つの独立し
た実験からの12ROI、実験ごとの葉あたり4 ROI)。(n)Cy3-pBI221
/ CPP複合体を噴霧した後のGFPを過剰発現するトランスジェニックト
マト葉細胞におけるCy3蛍光の箱ひげ図(n = 3つの独立した葉から収
集された15のROI、実験ごとに葉ごとに5つのROI)。箱ひげ図の異な
る文字は、p = 0.05でのテューキーのHSD検定を使用した一元配置分
散分析によって分析された6つの処理間の平均の有意差を示しされる。
--------------------------------------------------------------
原題:植物核および葉緑体への核酸/ペプチド複合体のスプレー送達
による非トランスジェニック遺伝子調節
❏ Non-transgenic Gene Modulation via Spray Delivery of Nucleic Acid/Pe-
ptide Complexes into Plant Nuclei and Chloroplasts Chonprakun Thagun,
Yoko Horii, Maai Mori, Seiya Fujita, Misato Ohtani, Kousuke Tsuchiya,
Yutaka Kodama, Masaki Odahara, and Keiji ,umataACS Nano Article ASA
P DOI: 10.1021/acsnano.1c07723
❏ Yoshizumi, T., Oikawa, K., Chuah, J.-A., Kodama, Y. & Numata, K.
Selective gene delivery for integrating exogenous DNA into plastid and mito-
chondrial genomes using peptide-DNA complexes. Biomacromolecules 19,
1582-1591 (2018).
Chuah, J.-A. & Numata, K. Stimulus-responsive peptide for effective deliver-
y and release of DNA in plants. Biomacromolecules 19, 1154–1163 (2018).
❏ Chonprakun Thagun, Jo-Ann Chuah, Keiji Numata, "Targeted gene delivery
into various plastids mediated by clustered cell-penetrating and chloroplast-
targeting peptides", Advanced Science, 10.1002/advs.201902064
2018.7.20
(左から)宮城雄、堀井陽子、沼田圭司、及川和聡
理化学研究所・奈良先端科学技術大学
✔ 細胞膜を透過して細胞内へ移行できる細胞透過性ペプチド(CPP:
CPPはCell-Penetrating Peptide)がまた日本から生まれた。面白い。
❏ 網にLEDライトを点けるだけで海洋生物の保護と網回収効率アップ
▶ 20217.2.27 Gigagine
巻き網漁や刺し網漁といった網を利用した漁では、食用の魚と同時に
食用でない魚やウミガメなども大量に捕獲してしまう「混獲」が生じ
、生態系への悪影響や選別にかかる時間の増加などの問題が指摘され
ているが、そんな網を使った漁について「網にLEDライトを取り付ける
ことで混獲を減らすことが可能だという。つまり、網を使った漁では、
サメなどの食用でない魚やウミガメ・海洋哺乳類・海鳥などの絶滅危
惧種に指定された生物も水揚げしてしまうという問題が存在しており
この問題によって生態系に影響が出ていることが指摘されている。ア
リゾナ州立大学のジェシー・センコーらの研究チームは、混獲の解決
法を開発するべく、刺し網漁に用いられる網にLEDライトを取り付け、
その効果を検証し、LEDライトを取り付けた網を用いてメキシコのバハ
・カリフォルニア・スル州で刺し網漁を行った結果、混獲を63%削減
することに成功。このうち、サメやエイは95%、アメリカオオアカイ
カは81%、ナガスクジラは48%削減することができ、また、LEDライト
を取り付けた網の回収にかかった時間は、通常の網の半分ほどだった
とのこと。この結果から研究チームはLEDライトを網に取り付けること
は漁業業者にとって具体的なメリットがあつたと報じている。
✔ デジタル革命渦下のLED惑星系形成され
✺ 誘電体ナノキューブでリチウムイオン電池充放電時間 大幅短縮
2月21日、岡山大学と産総研の研究グループは、リチウムイオン電池に
チタン酸バリウム(BTO)から成るナノサイズの立方体結晶(以下「ナ
ノキューブ」)の誘電体を使用することで、充放電時間を従来と比較し
て4分の1に短縮。正極活物質のコバルト酸リチウム(LCO)にBTOナノ
キューブを凝集なく固定化すると、LCOへのリチウムイオンの挿入と脱
離が加速し、リチウムイオン電池の充放電時間が飛躍的に短縮した。
図.誘電体チタン酸バリウム(BTO)ナノキューブ (左図、K. Mimura,
J. Ceram. Soc. Jpn., 124, 848-854 (2016) から一部改訂して転載) とこれ
を正極活物質コバルト酸リチウム(LCO)上に凝集なく固定化した微構
造 (右図、掲載雑誌より引用)
❏ Ultrafast Ion Transport via Dielectric Nanocube Interface: Takashi Teranishi、
Ryoji Yamanaka, Ken-ichi Mimura, Mika Yoneda, Shinya Kondo, First
published: 13 December 202, https://doi.org/10.1002/admi.202101682
【要点】
1.リチウムイオンを引き寄せる誘電体ナノキューブを用いた正極活物質を
開発
2.ナノキューブ、活物質、電解液の界面の密度を高くすることで従来
よりも高速な充放電が実現
3.超高速な充放電を可能とする次世代電池の実現に貢献
4.今後はナノキューブの粒子サイズ制御ならびに固定化プロセスや被覆率
の制御の最適化などによる高速大容量化に向けた取り組みを進め、次世
代の高速・大容量電池への適用を目指す。
【概要】
誘電体であるチタン酸バリウム(BTO)について、ナノサイズで高い結晶性を
持つ単結晶立方体ブロック(ナノキューブ)の水熱法による精密合成に成功
。また、ナノキューブの規則的な配列が、高い誘電特性を発揮することを明
らかにした(図1)。岡山大学は、リチウムイオン電池の正極材料と電解液の
間に誘電体のナノ粒子を導入することで、誘電体ナノ粒子の表面にリチウ
ムイオンが選択的に吸着し、リチウムイオンの移動が加速されるという現象
を見いだしている。 今回、これらの知見をもとに、リチウムイオン電池の充放
電時間を短縮する技術を開発。
図1 BTOナノキューブ
(K. Mimura, J. Ceram. Soc. Jpn., 124, 848-854 (2016)から一部改訂して転載)
【成果】
チタン酸バリウム(BTO)は、リチウムイオンを引き寄せる性質を持つ誘電体
であり、そのナノキューブを水熱法により合成した。ナノキューブの合成や分
散を精密に制御することにより、LCO上にBTOナノキューブを凝集なく吸着
させ、さらに熱処理で、LCO上にナノキューブを高分散に固定化することが
できた。得られた材料でコインセル型のリチウムイオン電池を作成し、3分間
の高速充放電試験を行った。その結果、LCO正極のみを使用した場合より
も4.3倍の放電容量が得られたことから、充放電時間を1/4以下とすることが
できた。BTOナノキューブをリチウムイオン電池に導入した場合、リチウム
イオンは図2に示すような、BTOナノキューブ、正極活物質(LCO)、電解液
の三相が交わる界面 (三相界面、以下「TPI」)の付近から正極活物質内に
挿入される。誘電体の誘電特性が高いほどリチウムイオンを引き寄せやす
く、誘電特性 は誘電体の結晶性に大きく依存する。一方、誘電体はリチウ
ムイオンを通さないため、正極活物質上の誘電体の被覆率が低く、TPI密度
(1 mm2あたりのTPIの長さで定義)が高いほど、リチウムイオンの移動がよ
り短時間に起こり、高速に充放電できる。BTOナノキューブは従来法により
作製したナノ粒子よりも高い結晶性を有し、サイズがそろっており、均一に分
散可能であるので、正極活物質上へ凝集なく固定できた。これに加え、立方
体形状であることから、通常の球状のナノ粒子と比較して電極表面との密着
性が高いため、少ない被覆率であってもTPI密度が大幅に向上したことなど
が充放電時間の短縮の要因である(図3)。
図2 リチウムイオンがナノキューブ表面を 図3 従来の誘電体ナノ粒子被覆法とナノ
高速で移動する模式図:(掲載雑誌より引 キューブの被覆率とTPI密度の比較
用し、和文説明を加えた。参考文献3 岡山
大学プレスリリースから引用)
❏ 脳磁計向け光ポンピング磁気センサ 浜ホト
2月24日浜松ホトニクスは,極微弱の磁気を計測できる超伝導量子干渉素
子(Superconducting Quantum Interference Device:SQUID)と同等の超高感
度ながら,液体ヘリウムで冷却する必要のない長寿命の光ポンピング磁気
センサ(Optically Pumped Magnetometer:OPM)モジュールを開発。
尚、OPMは,感度領域内の偏光の度合いを検出し磁場を計測する超高感
度の磁気センサ。
脳の神経疾患の診断では,脳で発生する微弱な磁場を計測する脳磁計
が利用されている。脳磁計では現在,地磁気の約10億分の1と極微弱の
磁気を計測できる磁気センサであるSQUIDが用いられているが,液体ヘ
リウムによる冷却装置が必要で脳磁計全体が大型になる。また,液体
ヘリウムの定期的な補充などランニングコストの課題もあり,診断現
場での普及が進んでいない。
風蕭々と碧い時代
曲名:ヴィヴァルディ「四季」より「冬」
ヴィヴァルディ「四季」より『冬』(L'Inverno/リンヴェルノ)は、
ヴァイオリン協奏曲集『和声と創意の試み』(1725年)における第4番
の楽曲。第1楽章では、厳しい寒さで歯がカチカチと鳴る様子が描かれ、
第2楽章では、暖炉のある暖かい部屋の中でゆったりと過ごす時間が描
写されているといわれている。
● 今夜の寸評:沸騰する欲望と対峙する知恵
微妙なバランスの上で仕事をしているのです。
通学道にいまにも崩壊しそうな家が放置され小学生の生命が
危険にさらされというので現場確認急行し現場写真をとる。
なるほでど、子どもだけではないが、登校児童に自転車から
マスク越しに挨拶をするも小さな声で挨拶がかわされる。ソ
シアルディスタンスと不審な大人への警戒なのだと、彼女と
話をかわす。"そうよ"と返事。大人がはやく解決しなくちゃ
と思いながら、この日誌をまとめているのです。