彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる "招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。
(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編
のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。愛称「ひ
こにゃん 」
【ポストエネルギー革命序論 417: アフターコロナ時代 227】
現代社会のリスク、エネルギー以外も「分散時代」
● 3Dプリントでナノスケール二重螺旋構造マグネット
3月23日、ケンブリッジ大学キャヴェンディッシュ研究所を中心とし
た研究チームが、先端的な3Dプリンティング技術を使って、強磁性コ
バルトのナノスケール二重螺旋(double helix)構造マグネットを作
成し、今までに観察されたことのない磁壁構造を示すことを発見。電
荷のかわりに磁場を使って保存データの高速アクセスを可能にするレ
ーストラックメモリ技術など、次世代の3次元磁気デバイスの発展に
繋がる。
図像.(上)作成されたナノスケール磁気二重螺旋構造マグネット、
(下)実験的およびシミュレーションにより観察された高度に結合し
た磁壁構造
【概要】磁気システムにおける複雑で競合する効果の設計は、非線形
相互作用の導入、または3次元形状のパターン化を介し、新しい機能
を実現の新たな行程である。特に、3次元の形状と曲率の設計により、
異方性やキラリティーなどの構造内特性を直接制御でき、3次元のキ
ラルなどの多くの新しい物理学や機能を実現。スピン状態、超高速キ
ラルドメイン壁動態、および新しいスピントポロジーを備えたスピン
テクスチャ。ここで、3次元での構造内特性の制御を超えて、隣接す
る磁気構造の静磁気結合を調整。これにより、漂遊磁場で複雑なテク
スチャ生成できる構造間特性が得られ、直接書き込みナノファブリケ
ーション技術を摘要し、曲率、ねじれ、キラリティー、および磁気結
合が共同で利用、絡み合ったナノ磁性コバルト二重らせんを作成。軟
X線磁気ラミノグラフィーを使用し二重らせんの3次元ベクトル磁気状
態を再構築し、隣接するらせんに高度に結合されたロックされた磁壁
ペアの規則的な配列の存在を識別する。マイクロマグネティックシミ
ュレーションは、磁化構成が磁気誘導の複雑なテクスチャの配列の形
成につながることを明確した。これは、磁化の渦と自由空間の反渦で
構成され、これらが一緒になって効果的なB磁場クロスタイウォールを
形成する。複雑な3次元磁場ナノテクスチャの設計と作成は、スマー
トマテリアル、型破りなコンピューティング、粒子トラッピング、お
よび磁気イメージングの新しい可能性を開く。
図1.強磁性二重螺旋構造
a、b、らせんのピッチpHと半径rHは、曲率半径rc =1/κとシステムの
ねじれτを決定。さまざまなpHとrH(2rHが示される)、およびナノワ
イヤの直径が約70〜80nmの強磁性二重らせんナノ構造。ナノ構造を維
持し、X線顕微鏡実験を容易にするために、追加の真っ直ぐなコバルト
ピラーが含まれる。e、磁気状態は、3次元イメージング用のラミノグ
ラフィーセットアップを使用し、STXMおよびXMCDを使用してプローブ
され、X線方向に平行な磁化のナノスケール投影を提供(fの紫色の矢
印で示されている)。 f、g、成長したままの状態では、両方の二重
らせんは、2つの完全に黒と白の螺旋で構成。これは、逆平行に磁化
された単一ドメインの螺旋に対応する。h、i、螺旋の長軸を横切る飽
和場を適用した後、二重螺旋Aは逆平行状態(h)に戻るが、二重螺旋B
は、個々の螺旋内の明るい領域と暗い領域を交互に繰り返すことで識
別するマルチドメイン状態のである。 (i)黒と白の矢印は、各画像
の磁化の方向を示す。 a.u.、任意単位。
● 水素動力源とする電気化学システムで
空気中の二酸化炭素を90%回収
2月3日、水素を動力源とする新しい電気化学システムを用いて、空
気中にある二酸化炭素の99%を効果的に回収する方法を実証。同研究
グループは、現在使用されている酸をベースとする従来の燃料電池に
代わる、経済的で環境に優しい水酸化物交換膜型燃料電池(HEMFC)の
改良に取り組んできたが、HEMFCには空気中の二酸化炭素に極めて弱い
欠点があり、燃料電池の性能と効率が最大20%低下、ガソリンエン
ジンと同程度になる。同グループは、数年前に、この欠点が二酸化炭
素除去の解決策になると気づく。そこで、この燃料電池は入ってきた
二酸化炭素のほぼ全てを回収し、反対側に二酸化炭素を分離する能力
が非常に高いことが判明。この「セルフパージング(自己除去)」プ
ロセスを燃料電池スタック上流にある別のデバイスが利用できれば、
そのデバイスを二酸化炭素の分離装置に変えることができる。そして、
電気化学技術用電源を分離膜の中に埋め込み内部で短絡(ショート)
させた。この方法で、小さな体積で大きな表面積を持つ、小型のらせ
ん形モジュールを作ることができる。このモジュールは、一方の端に
ある2つの入口からそれぞれ水素と空気を取り込み、触媒コーティン
グされた大面積の短絡膜2枚を通過させた後に、反対の端にある2つ
の出口から二酸化炭素と二酸化炭素を含まない空気をそれぞれ放出。
このデバイスに水素を供給すると、水素は二酸化炭素除去プロセスの
電力源となる。この電気化学デバイスは、ガスを分離するための通常
のろ過膜のように見えるが、空気中から微量の二酸化炭素を連続して
捕捉する。
今回の研究では、25平方センチメートルの短絡膜を使用する電気化
学駆動CO2分離装置(EDCS)が、流量2000標準立方センチメートル毎分
の空気に含まれる二酸化炭素の99%以上を450時間連続して除去できる
ことが示された。また、らせん形EDCSモジュールでは、流量1万標準
立方センチメートル毎分の空気をろ過し、98%以上の二酸化炭素を除
去。自動車用にスケールアップすると、このデバイスは1ガロン(約
3.8リットル)の牛乳容器程度の大きさになるという。他にも、宇宙船
や潜水艦のように継続的なろ過が不可欠な場所で、より軽量かつ効率
の良い二酸化炭素除去装置が将来的に可能になるかもしれない。さら
に、水素を動力源としているため、水素経済が発展するにつれて、省
エネ対策として空気の再循環が求められる航空機や建物でも利用でき
る。
❏ Short circuit for big impact, EurekAlert! Science News Releases
● 健全なり!ムーアの法則だが
これらの2つのグラフは、1970年から2100年までのトランジスタ数の
指数関数的増加を対数スケールで示している。特定の年に市販されて
いるマイクロチップの既知のトランジスタ数の最大値は青色で示され
ている。差し迫った減速の懸念にもかかわらず、ムーアの法則は今日
も健在であり、全体的な傾向は続いているが、それが長期的に維持で
きるかどうかは不明。ムーアの法則が十分長く続くと、今世紀後半の
ある時点で技術的「特異点」が出現し、社会や世界全体が根本的に変
化する可能性があるとの推測がる。2022年の時点で、AppleのM1 Ultra
は、1,140億個のトランジスタを最も多く含む消費者向けCPUである。
これは、1971年に発売されたIntel4004の5000万倍。
出典:
1.Transistor count, Wikipedia:https://en.wikipedia.org/wiki/Transistor_count
2.Apple unveils M1 Ultra, the world's most powerful chip for a personal c
omputer, Apple: https://www.apple.com/newsroom/2022/03/apple-unveils
-m1-ultra-the-worlds-most-powerful-chip-for-a-personal-computer/
● 高精度で実用的な量子アニーリングマシン実現へ
世界で初!多ビット化の基本ユニット動作に成功
3月17日、NECは、量子コンピュータの一種である量子アニーリングマ
シンの実現に向けて、高精度な計算を可能とする超伝導パラメトロン
を用いて、多ビット化が容易な方式の基本ユニットを世界で初めて開
発し、アニーリング動作の実証に成功。本成果により、量子アニーリ
ングマシンの実現に向けてさらに前進したことを公表。
図1:動作実証に成功した基本ユニットの写真(左、一部加工)と、多
ビット化時の模式図(右)
複雑な社会課題の解決には、膨大な選択肢から最適な組合せを導出
する組合せ最適化が重要です。NECは1999年にゲート型の量子コンピ
ュータに用いる超伝導量子ビットを開発し、その技術を応用して組合
せ最適化問題を高速・高精度に解くことができる超伝導パラメトロン
を用いた量子アニーリングマシンの研究開発を行っている。NECは 独
自の超伝導パラメトロンと回路結合技術を活用して多ビット化が容易
なLHZ方式(注3)の基本ユニットを開発し、小規模ながら組合せ最適化
問題を量子アニーリングにより解くことに世界で初めて成功。また、
タイル状に並べて配置した各基本ユニットと外部の機器を効率的に接
続するための3次元構造技術も開発し、本構造での超伝導パラメトロン
の動作を世界で初めて実証。
図2.3次元構造の概略図
開発した基本ユニットをタイル状に敷き詰めることで、高精度に計
算できる超伝導パラメトロンの特徴を維持しながら多ビット化が容易
に可能となり、大規模で複雑な組合せ最適化問題を高速に解くことが
できる量子アニーリングマシンの実現に向けて前進。 NECは、国立研
究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の委託事業と
して、超伝導パラメトロン素子を用いた量子アニーリングマシンの開
発に取り組んでいる。2023年までの量子アニーリングマシンの実現を
目指し、現在は全結合状態の超伝導パラメトロンの集積度向上などの
研究開発を行っている。同社は本成果を足掛かりとして量子コンピュ
ータの開発をさらに加速していくとのこと。
※1.量子アニーリングマシン:量子力学の法則を活用してコスト関
数の最小エネルギー状態を探索する計算機。最小エネルギー状態が組
合せ最適化問題の解に相当する。エネルギーを徐々に下げながら最小
エネルギー状態を模索する様が金属の焼きなまし(アニーリング)処理
に似ているため、量子アニーリングマシンと呼ばれる。量子アニーリ
ングでは最適な組合せを探す試行の回数を、量子重ね合わせの原理に
よって圧倒的に増やせるので、他の解法と比べて圧倒的な速度で組合
せ最適化問題を解けると言われている。計算を行う最小単位である量
子ビットの数が増え量子ビット間の結合が全結合に近づくほど、より
大規模で複雑な組合せ最適化問題を解くことができる。
※2.超伝導パラメトロン:ジョセフソン素子とキャパシタで構成さ
れる超伝導共振回路。回路を共振周波数の約2倍の周波数で変調するこ
とにより、0またはπの位相で発振する。これらの位相の異なる発振状
態の重ね合わせを量子ビットとして使用することができる。磁束量子
ビットと比較して量子ビットの寿命(高速演算が可能な時間の上限を決
める)が桁違いに長いため、一定時間内における計算精度の向上が見込
める。
□ 高効率・高速処理を可能とするAIチップ・次世代コンピューティ
ングの技術開発
● トランジスタゲートの長さはわずか 0.3 ナノメートル
グラフェンと二硫化モリブデンを使用して、デバイスの垂直面を利
用して、わずか0.3ナノメートルの長さのトランジスタゲートを作成。
これは、たった1つの炭素原子に相当する。1959年、ベル研究所の科
学者は、金属-酸化物-半導体電界効果トランジスタ(MOSFET)を発明
しました。これにより、コンピュータプロセッサを含む幅広いアプリ
ケーション向けのトランジスタが大量生産された。
Intel 4004は、1971年にデビューし、10,000 nm(10μm)の製造プ
ロセスを使用して、シングルチップ上に2,250個のトランジスタを搭
載した最初の商用マイクロプロセッサ。それ以来、MOSFETは歴史上最
も広く製造されたデバイスになった。小型化の大幅な改善で、最新の
プロセッサには現在1,140億個のトランジスタが搭載され、Intel4004
よりも5,000万倍強力になった。しかし、この技術はそれ自体の成功
の犠牲になりつつあるという。今日のトランジスタは想像を絶するほ
ど小さいので、多くの業界アナリストは、基本的な物理的限界に近づ
いていると信じている。例えば、量子トンネリングは7ナノメートル
(nm)以下で問題にとなる。これは、電子が障壁を通過して電子を阻
止する現象。これは、次のGIFアニメーションで見ることができる。
ここでは、右側の幽霊のようなスポットがトンネル電子を表す。研
究者は、新しい材料とアーキテクチャを使用し、この問題やその他の
問題に対処するための回避策を開発してきた。ゲート長が1nm以下の
トランジスタは、すでに実験室で実現されている。昨年、科学者たち
は長さがわずか0.65nmのデバイスを作製。現在、中国の清華大学のグ
ループは、単一の炭素原子のサイズである0.34nmという小さな寸法の
トランジスタゲートを構築した。トランジスタは、「ソース」から「
ドレイン」に電流を送ることによって機能するが。その流れは、印加
された電圧に応じてオンとオフを切り替えるゲートによって制御され、
前述の量子トンネル効果により、シリコンはソースからドレインへの
電子の流れを制御できなくなる。このため、炭素原子の単層からなる
グラフェンを含む二次元材料を実験してきた。この新しい研究は、単
層グラフェンエッジゲートを使用し、硫黄原子の2つの層の間に挟ま
れたモリブデン原子のシートでできている二硫化モリブデン(MoS2)
と組み合わせました。二硫化モリブデンの下には、電気絶縁性の二酸
化ハフニウムの薄層がある。
このアプローチでは、化学蒸着で成長させた大面積のグラフェンと
二硫化モリブデン(MoS2)フィルムを使用して、2インチウェーハ上に
側壁トランジスタを製造する。シミュレーション結果は、MoS2側壁の
有効チャネル長がオン状態で0.34 nm、オフ状態で4.54 nmに近づくこ
とを示す。この作業は、次世代電子機器のトランジスタのスケールダ
ウンに関するムーアの法則を促進する可能性がある。このデバイスは
まだ初期のコンセプト段階であり、自社の方法をスケールアップでき
ることを実証する必要がある。これにより、数千億、さらには数兆の
トランジスタが問題なく動作し、単一のプロセッサに結合できるよう
になるが、二硫化モリブデンのような材料は、依然として高価であり、
2次元での開発が困難。世界最小のゲート長トランジスタを実現した
が、次の目標は、1ビットCPUを作ることであり、さらに多くの研究が
必要だが、この画期的な進歩は、0.34nmトランジスタが少なくとも技
術的優れており、さらなる改良とコストの削減により、スマートフォ
ン、ラップトップ、およびその他の家電製品のトランジスタ数の指数
関数的増加は、この10年間、場合によってはそれ以降も続く可能性が
ある。しかし、その後の世代は、小型化という点で真に乗り越えられ
ないハードルに直面する。結局のところ、トランジスタ寸法は単一の
原子よりも小さくできるのだろうか。レイ・カーツワイルなどの未来
派によれば、デバイスサイズの歴史的な傾向に基づいて、ピコテクノ
ロジーが50年ほどで可能になると推測。しかし、そのような進歩には、
物理学の根本的に新しい理解が必要である。
❏関連論文:Vertical MoS2 transistors with sub-1-nm gate lengths, Wu, F.,
Tian, H., Shen, Y. et al. Vertical MoS2 transistors with sub-1-nm gate lengths.
Nature 603, 259–264 (2022). https://doi.org/10.1038/s41586-021-04323-3
via jp.wikipedia
※レイ・カーツワイル(Ray Kurzweil,1948年2月12日(74歳)は、人
工知能 (AI) 研究の世界的権威、特に技術的特異点(technological
singularity、シンギュラリティ)に関する著述で知られる。発明家と
しては、オムニ・フォント式OCRソフト、フラットベッド・スキャナー、
文章音声読み上げマシーン(カーツワイル朗読機)、自らスティービ
ー・ワンダーとともに立ち上げたカーツウェル・ミュージック・シス
テムズ社で "Kurzweil" ブランドのシンセサイザー「K250」などを開
発している。
書籍:大豆と人間の歴史
著者:クリスティン・デュボワ
【内容概説】
人類が初めて手にした戦略作物・大豆。その始まりは、日本が支配し
た満州大豆帝国だった。サラダ油から工業用インク、肥料・飼料、食
品・産業素材として広く使われ、南北アメリカからアフリカまで、世
界中で膨大な量が栽培・取引される大豆。大豆が人間社会に投げかけ
る光と影、グローバル・ビジネスと社会・環境被害の実態をあますと
ころなく描く。
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第8章 毒か万能薬か
遺伝子組み換え作物のリスク二つのケース
このように、医療上の利点が多いため、遺伝子が組み換えられる場
合、人間の健康に貢献する大きな可能性を秘めているのである。
しかし、またここでリスクの話にもどる。GE作物が商品として発
売されていたら被害が発生していただろうというニアミスも、すでに
起きている。注目すべきは二つのケースだ。最初のケースは1995年。
パイオニア・ハイブレッド社は、たんぱく質を作る遺伝子をブラジル
ナッツから取りだして大豆に挿入し、動物の飼料を改善しようとした。
ブラジルナッツは人体に対してアレルゲンとなることが知られていた
が、動物実験の給果にもとづいて、生みだされるたんぱく質はアレル
ギーを起こさないと作物学者たちは確信していた。しかし、ブラジル
ナッツにアレルギーを持っている被験者の血液サンプルを保持してい
たネブラスカ大学と組んで、この推論を検証したところ、血液はこの
新種の大豆に対してアレルギー反応を示し、料学者たちを落胆させた。
そしてこの研究は終丁とされた。農場やサイロで、また輸送中に、飼
料として設計されたこのGE大豆が人の食用となる大豆に混入する可
能性があり、食料供給の安全を脅かすという結論をパイオニア・ハイ
ブレッド社が出したからだ。
このエピソードから言えることは、バイオテクノロジー企業は、ア
レルギー反応を起こさせることがはっきりしている食品のいかなる一
部も、遺伝子の組み換えに利用してはならないということだ。収益性
や宣伝活動、倫理、責任の問題などのすべてが、パイオニア・ハイブ
レッド社の不運を企業経営者が胆に銘じておくべき物語に変えたので
ある。こうして食物中のすでにわかっているアレルゲンを企業側が隠
すかもしれないという恐怖を反GE活動家たちはかきたて、現実離れ
した企業方針を推し進めさせた。利益を追求する企業はどこも作物の
遺伝子組み換えに既知のアレルゲンを使わなくなり、実際、国際基準
もこれを禁止して仲裁に使用されるので、企業側もこのガイドライン
を重視している。
しかし、すでに知られているアレルゲンを避けるために細心の注意
をもってしても、未知のアレルゲンに対する防御としては十分とは言
えない。GE推進派からも反GE派からもアレルギーの驚きの現象に
ついてたびたび言及される、2005年のオーストラリアの研究が議論を
呼んでいる。やや人工的な条件下だが、マウスを使った実験で、遺伝
子組み換えによって、アレルギーを引き起こさないたんぱく質からは
っきりとした免疫反応を誘発するたんぱく質へと変化する可能性のあ
ることが初めて示されたのだ。さらに、この予期しない免疫反応は、
それ以前にはマウスに反応を起こさなかった他の普通のたんぱく質に
対して起きたものであることは明らかだった。この発見によって、オ
ーストラリア連邦科学産業研究機構は、10年も続けてきたゾウムシ
耐性のエンドウマメを作る研究から手を引いた。
オーストラリアの研究者たちは自分たちのGEエンドウマメに対し
て非常に慎重だったのだ。エンドウマメは実験用マウスに本格的なア
レルギー反応を誘引したわけではなかったし、人間に対して何らかの
反応を起こすかどうかに間するデータもなかったが、研究所はこの研
究を中止した。このGEエンドウマメに対してマウスに通常を超える
免疫反応が出なかったという2013年のオーストラリアの研究にもかか
わらず、研究所は研究を再関していない。このようにして、科学的安
全装置は遺切に機能している。科学的な創造性は取り入れられており、
その後に予防的な行勤もとられていた。
GE作物は伝統的手法の品種改良作物に比べていっそう厳密に試験
が行われてはいるものの、他方でエンドウマメに対して行われている
のと同じように、すべてのGE試験が徹底的であるというわけではな
い。豆の実験の予測しなかった結果はいまだに十分に説明のつかない
ものであり、そ乃先へぱ躊躇させるものがある,遺云子組み換えによ
って新しいアレルギー誘因タンパク質を食品の中に取り込んでしまう
ことがあり、現状の試験ガイドラインでは、このような問題を検出す
るのは不完全あるということは想像に難くない。リスクは低い----海
外から新しい食品(たとえばキウイフルーツ)を国内に導入すること
に比べて実際にずっと低いのだ,なぜなら、よくある普通の食品に組
みこまれて導入された数種類のたんぱく質と比較して、食品全体には
はるかにたくさんのたんぱく質がより多くの分量で含まれているから
だ。しかし、それでもリスクというものは存在するのである。
オーストラリアのエンドウマメについて解説をする人は、一般的に
以下の二つのうちの一方の見方をとる。
重要な作物をやっかいな害虫から守るのにふさわしい動機を研究
者は持っていた。こうした動機にもかかわらず、責任感から食料供
給に対する潜在的な問題を避けることを優先した。
あるいは、
そもそも科学者が潜在的な問題を生みだしておいて、我々の食品
を巻きこんで混乱させているのは危険なことだ。
この項つづく
米陸軍試作のカノン砲、70キロ先の目標に命中
今年1月18日、米国陸軍は、試作段階のカノン砲で43マイル(約70
キロ)先の目標に精密誘導弾を命中させる実験に成功。この時の映像
も公開している。実験はアリゾナ州にある陸軍のユマ試験場で実施さ
れた。飛翔体として用いられたのは誘導砲弾「エクスカリバー」(M98
2)で、拡張射程カノン砲(ERCA)の試作機から発射された。実験の結
果、カノン砲の射程が今年3月の前回実験から3マイル延伸したこと
が示されたという。(米Raytheon、誘導砲弾「Excalibur」で射程距
離新記録を達成, fabcross for エンジニア、2022.3.22)
米海軍、太平洋で新型レーザー兵器の実験成功 無人機を破壊
▶ CNN.co.jp 2020.5.23
香港(CNN) 米海軍太平洋艦隊は22日、飛行中の航空機も破壊出
来る高エネルギー性能の新たなレーザー兵器の実験を艦船が実施し、
成功したとの声明を発表。実験した詳しい海域には触れなかったが、
太平洋上で今月16日に実施したことは明らかにした。
✔1960年以前に後退したプーチン思考に驚くというわけでなく、毎日
の悲惨なシーンに彼女もわたしもが感情が安定しない。しかたがない
ので、最近の兵器技術をネットサーフし、最新カノン砲(カノン砲ロ
シアでつくられた)と新型レーザー兵器をチョイスするも途中でやめ
る。
風蕭々と碧い時代
● 今夜の寸評:
二軒隣の児玉文男様が午後11時45分ごろ他界された。享年八十九
(行年九十)ご冥福をお祈り申し上げます。彦根東高校をでられ日本
通運に勤められ、大日本スクリーンの装置機器の輸送依頼の関係でお
世話になった。穏やかな口調は紳士然として趣味のゴルフや囲碁など
がお好きであったが、定年後暫くして体調を崩されていて自宅で療養
されていたが、体調が急変しご自宅に駆けつ人工蘇生を試みるも帰ら
ぬ人となった。親父会や班会の酒宴の席では囲碁の御指南をお願いし
ていたがそれも叶わぬこととなった。いまは在りし日の良き思い出が
偲ばれる。 合掌