● エネルギーハーベスティング "水道発電"
エネルギーハーベスティング技術とは、周りの環境から微小なエネルギーを収穫(ハーベスト)して、電力に
変換する技術のこと。「環境発電技術」と呼ばれているもの。光・熱(温度差)・振動・電波など様々な形態
で環境中に存在するエネルギーを電力に変換するエネルギーハーベスティング技術は、充電・取り替え・燃料
補給なしで長期間エネルギー供給が可能な電源として、「いつでも、どこでも、誰でも、何でも」ネットワーク
につながるユビキタスネット社会や、モノのインターネットには必須技術。
たとえば、発電方法がクリーンなだけでなく、低炭素社会の実現に向けて、スマートグリッドや物流管理など
各種環境情報の計測・可視化や省エネ制御のための環境埋め込み型センサーネットの電源への適用。また、自
動車の安全性や燃費向上のためのタイヤ空気圧センサー用電源やウェアラブル機器の電源、医療用途の機器や
コンタクトレンズ型センサーの電源など様々な応用展開が考えられている。
いま、中野製作所(上写真)が開発した『流体モーター(仮)』を利用すると、家庭の水道を使い電気を生み
出すことができると話題になっているので、今夜もネットサーフィング。さて、使い方は、水道の蛇口に取り
付け放水し、その流体圧力を利用し発電――お風呂一杯(約200リットル)の量で発光ダイオードライトを10
分程度点灯することができるという。このような小型流体圧力発電機は20年前からも提案――例えば、圧電
素子や小型タービン方式があるが、(1)水道の圧力程度の低い圧力では発電できない、(2)できても起電
力が小さい、(3)構造が複雑などの理由から実用化できていなかったが、それに比べ、回転翼(フィン)が
がなく、内部構造が非常にシンプルで分解が簡単でメンテナンスがしやすい構造となっている。
この小型マグネット式流体圧力発電機の構成と原理(上図)は、 樹脂製のハウジングにネオジム磁石(右)を入れ
固定。そこにもう1つのネオジム磁石(左)を入れ、相互が反発する状態にして配置。磁石(左)を水道水の
流体圧力によって磁石(右)に接近させると、磁石(左)が回転運動を始め、この回転エネルギーを出力軸で
受けとめ、水道水の流体圧力は最小でも0.2MPa、受けとめた回転エネルギー(回転数2000rpm)を直接ダイナ
モに伝えて発電する。
2つの磁石は、近づけば近づくほど回転数が上がるが、限界を超えると磁石が相互に吸着するので、微妙な限
界点まで接近させ、流体を逃がす許容間隔をつくる。この距離が1~2ミリメートル。試作品は、長さが手の
ひらサイズで、重量は百グラム以下と軽く、主要部品もわずか10点。これは面白!
※ 比較参考特許
・圧電素子型 特開1995-269456 流体管系内の圧力変動を電気エネルギーに変換する装置
・小型回転翼型 特開2003-065203 流体回転機および流体発電機
【新再エネ立国論 奥州編Ⅰ】
● 東北最大級のバイオマス発電が2016年7月に開始
秋田県秋田市の向浜で、東北地方最大級となるバイオマス発電計画が進められている。最大出力は20メガワ
ットで、年間の発電量は約3万8千世帯分を見込む。秋田県の豊富な森林資源や未利用材を活用し、地域雇用
の創出にも貢献。投資会社のくにうみアセットマネジメントは、ユナイテッド計画が計画する木質バイオマス
発電事業に4億円を出資。同事業は秋田県秋田市向浜で計画される最大出力約20MW(メガワット)の発電事業
で発電所としては東北地方最大級のもの、総事業費は約125億円。2016年7月の運転開始を予定。宮崎森林発電
所(宮崎県川南町 宮崎県川南町 宮崎県川南町 )に次ぎ22件目となる(「新再エネ立国九州論 Ⅲ」,『進
撃のヘーリオス Ⅱ』2015.04.04)。
秋田県はスギ人工林の保有資源量が全国第1位であり、豊富な森林資源を有し、また県南部では、積雪の影響
を受けた曲がり材などが多く、間伐などによる林地残材も未利用のままのものが大量にある。これらの地元の
未利用材をバイオマス発電事業に活用することで、適正な森林管理にもつながる。さらに発電所で25人の新
規雇用があるだけでなく、関連するチップ工場での新規雇用など、幅広い範囲で地域経済の活性化効果も見込
まれているという。
今回のバイオマス発電事業への出資は、事業を主体に進めるユナイテッドリニューアブルエナジー(SPC)に対
し、ユナイテッド計画が5億円、くにうみアセットマネジメントが4億円、レノバ(東京都千代田区)が4億円
を出資。さらに環境省管轄であり「地域低炭素化出資事業」の基金法人であるグリーンファイナンス推進機構
が7億円を出資する(優先株)。融資に関しては、地元金融機関を中心に複数の金融機関から約74億円、秋
田県のふるさと融資から31億円を受ける予定。また、発電所には住友重機械工業のボイラーが使用され、稼
働後はSPCが中心となり発電設備の運転・維持管理・保守を行う予定。発電した電力は特定規模電気事業者)や
東北電力へ売電される。なお、この事業による二酸化炭素削減効果は年間7万7,088トンを想定している。
九州だけでなく奥州を今夜は紹介することとなったが、大切なことは、実積をコツコツと積み上げていくこと
だろう。そうして普及すればコスト削減も量産効果で自然と逓減していくはずだと確信している。頑張ろう!
秋田。
グリッドパリーティが達成し、デジタル革命渦論のロジック通りの展開となって来ているが、第2目標の1キ
ロワット当たり7年を早期達成すべく、高効率変換型太陽電池である量子ドット系光電変換素子の最新技術を
米国特許庁でネット検索してみた。まず、「リンインジウム強制ドーピングによる高密度量子ドット太陽電池
の製造方法」(下図クリック)が提案されている。なお、理論上の変換効率で43%の高い出力が見込まれる
事案である。
下図の事案では、量子井戸構造をもった従来の薄膜太陽電池では、入射光の透過時に経路中で光子吸収が阻害
される。面内光トラップを介し光電流を発生増大させる横への導波散乱させる物理的機構が提案されているる。
デバイス構造に低エネルギーギャップの高屈折率材料の障壁をを挿入すると多くの場合低電圧動作となり変換
効率が低下する。ヘテロ接合のエミッタ拡張ワイドバンドギャップのⅢ-Ⅴ族材料のインジウムガリウムヒ素
の量子井戸導波路の採用で電圧出力を高める。Ⅳ族の光特性解析からダイオード暗電流となる再結合成分の減
少がわかった。発光再結合成分を取りのぞき単接合セルで30%以上の変換効率を実現する経路について提供
されている。
一日の作業で斜め読みしたものを参考に上のように掲載しておく。また、 「US 8936830|Apparatus and method for co-
ntinuous powder coating 」は量子ドット太陽電池とは直接には関係しないが、検索上、製造プロセスでたまたま、引っか
かったものだが、8年前?に静岡大学で知ったパウダー噴霧塗工技術であるが興味を惹き掲載する。
フィリップスが、スマートフォンで操作可能なスマート照明「Hue」のモバイルバージョン「Hue Go」を発表。
バッテリーを内蔵し、フル充電には約1.5時間必要だ。フル充電した後に、約3時間ぐらい連続使用可能。
スマートフォンからの操作のほか、本体にボタンも搭載しているので、スマートフォンがなくても 開閉した
り光の色を切り替えたりすることができる。