彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備
え。(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
Image: Sumitomo Corporation
日本の膨大な風力・太陽光資源
2050年カーボンニュートラルの達成に向けて、日本は化石燃料の排
出量のほぼすべてを化石燃料から排出する必要がある。幸いなこと
に、日本には、太陽光、風力、揚水発電の形で、エネルギー自給自
足するために必要なものがすべて揃っている。
2023年6月19日 国際太陽エネルギー学会; via PV Magazine
図 1: 世界の純新規発電容量 画像: 国際太陽エネルギー協会
史上最速のエネルギー変化が進行中である。太陽光発電と風力発電機
は、2023年の世界の発電容量増設の4分の3を占める(図 1)。これは、太
陽光と風力が化石燃料発電よりも安価であるという 説得力のある市場ベ
ースの証拠となっている。ソーラーは2016年以来主要な技術であり、2023
年には新世代容量の60%に達する見込みである。
日本のエネルギー
日本は風力と太陽光からすべての電力を86ドル/110MWhで生産でき、こ
れは現在の市場価格と競争力がある。これには、100%再生可能電力との
バランスをとるために必要な送電と貯蔵のコストが含まれる。日本は世界
に模範を示めす。日本の排出量のほとんどは、交通、暖房、産業の電化
と組み合わせ、太陽光と風力によるゼロエミッション 電力により2050年前
に削減できる。これを達成するために、現在の日本の電力量を2倍にする
必要がある。
Fig. 4. Offshore wind score map. Extent: Japan's exclusive economic zone.
Area enclosed by the black line represents preferable wind sites that has a s
uitability score above 0.6. Resolution: 300 m*300 m. Basemap credit: Esri,
USGS | Esri, HERE, Garmin, FAO, NOAA, USGS.
日本には膨大で質の高い洋上風力資源があり、日本は排他的経済水
域から供給される洋上風力を利用し、現在の消費量の約50倍の電
力を発電でき、これは、最高風速を利用し、コストと環境への影響
を最小限に抑え、日本は洋上風力発電所の立地場所は慎重に選択で
きることを意味する。日本の太陽光発電ポテンシャルも大きい。屋
上に設置され、内陸水域に浮かび、農業と組み合わせて展開される
ソーラーパネルから、現在の消費量の125倍を生み出す可能性がある。
日本の人口1億2.500万人は、2050年までに18%減少して1億200万人に
なると予測されており、現在の農地の18%、つまり、8,000km2が解放
され、太陽エネルギーよる日本のエネルギー需要を十分に満たせる。
大規模な太陽光と風力の電気エネルギーの貯蔵は、バッテリー(数秒
から数時間の貯蔵)と揚水エネルギー貯蔵(夜間および長期間)の
形で解決される問題である。ANU の世界揚水水力地図には、日本国
内に 2,400か所の優良サイトがあり、合計 53TWh の貯留可能性があ
ることが示されており、100% 再生可能エネルギーシステムをサポー
トするには、わずか数十のサイトで十分である。 ANU の世界揚水水
力地図には、日本国内に2,400 か所の優良サイトがあり、合計 53
TWh の貯留可能性があることが示されている。 100%再生可能エネル
ギー システムをサポートするにはわずか数十のサイトで可能になる。
Figure 2: Japan has thousands of pumped hydro energy storage sites. Image:
International Solar Energy Society
日本は遅れている
日本はかつて世界の再生可能エネルギーのリーダーであった。悲しい
ことに、日本は現在、新しい再生可能エネルギーの一人当たりの年
間展開の点で、後進国に大きく遅れをとっている有様。オランダ、
スウェーデン、オーストラリア、フィンランドは日本の5倍の速さ(
一人当たり)で太陽光と風力を設置しており、中国、スペイン、ドイ
ツ、米国は2倍の速さで太陽光と風力を設置。
日本政府のクリーンエネルギー戦略中間報告書は、世界的な脱炭素
化における太陽光と風力の重要な役割についての明確な認識を欠い
ており、代わりに、 原子力エネルギー、輸入水素、炭素回収・貯蔵
(CCS)を推進している。 これが良い選択ではない。
世界の原子力発電容量は、2010年以来約 400 GW で横ばい。 2022
年の太陽光発電の導入率は200ギガワットで、毎年急速に増加。これ
は原子力が太陽光発電と競争できないことを示す有力な証拠である
う。二酸化炭素回収・貯留 (CCS) は、電力業界では商業的な成功を
収めていおらず、太陽光発電と風力は、新しい発電所の配備が優勢
であることからも明らかなように、CCSを使用しない化石燃料発電よ
りもすでに魅力的な経済的優位性を持つ。化石燃料発電所からの電
力はCCSの資本コストと寄生エネルギーコストが大きいため、CCSを
装備するとさらに競争力が低下。エネルギー生産のためのクリーン
水素の輸入(オーストラリアなど)は、エネルギーの約4分の3が圧縮、
輸送、貯蔵、変換で失われ、実効エネルギーコストが3倍になるため、
高価。日本にとって、クリーンな水素を輸入するよりも、風力や太
陽光から独自の電力を生産する方が安価である。
10年には、水素を動力源とする2023万台と比較して、約20,000万台
の電気自動車が販売され。日本の輸出自動車産業は、活況を呈して
いる電気自動車市場向けの競争力のあるモデルの開発に焦点が当て
られていないため、危険にさらされている。
未来のエネルギー
北ヨーロッパとオーストラリアのパスファインダー諸国は、太陽光と
風力を介して電力システムを大幅に脱炭素化することは簡単である。
日本は、今世紀半ばまでに脱炭素化のために、風力と太陽光の展開
のペースを10倍に上げる必要があるだろう。適切な政策があれば、
日本は石油、石炭、ガス、ウランを輸入しなくなる持続可能な未来
を期待することができます。無制限のエネルギーは、屋上のソーラ
ーパネル、ソーラーファーム、洋上風力タービンから供給できる。
これにより、パンデミック、戦争、貿易の混乱に直面しても、高度
なエネルギー自給性と回復力が得られます。 工業用前駆体化学品、
アンモニア、プラスチック、合成ジェット燃料、その他多くの材料
に必要な重要な要素は、水素、炭素、酸素、ナトリウム、塩素、窒
素。これらは海水と空気からどこでも利用可能です。日本の化学産
業は実質的に自給自足可能であり、駆動エネルギーは固有の風力と
太陽光から供給される。 ほとんどの建物には、独自のソーラーパネ
ル、エネルギー貯蔵、電気スペースと給湯器、電気自動車がある。
これにより、温室効果ガスの排出、自動車の排気ガス、スモッグ、
油流出、石炭火力発電所の排気ガス、灰の投棄、原子力事故、核廃
棄物処理が排除される。日本は安価でクリーンで信頼性の高い永久
エネルギーを固定することができる。化石の古い確実性は急速に衰
退している。世界は、デジタル写真によるフィルムカメラの置き換え
と同じ速度で太陽光と風力に移行しており、うまくいけば、日本に
は独自のコダックの瞬間はない。
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【脚注】
国際太陽エネルギー学会ISESは、1954年に設立された国連認定の会
員制NGOです。それは、すべての人に100%再生可能エネルギーが効率
的かつ賢く使用される世界に向けて取り組んでいる。
【関連論文】
※100% renewable energy in Japan , Energy Conversion and Management
2022/03/01/ RE100 Group, School of Engineering, Australian National
University, Canberra, Australia
【再エネ革命渦論 141: アフターコロナ時代 140】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
特異点真っ直中 ㉔
ここ数年の科学技術進展に驚く昨今。今日も気になる事例を摘出。