彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救
ったと伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備
え。(戦国時代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした
部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
続・オールバイオマスシステム完結論 ①
超臨界二酸化炭素はその臨界条件の到達のしやすから,現在最もよ
く使われている超臨界流体であり,様々な分野で研究,実用化が進
められている。また,環境問題が人類にとって大きな課題となって
いる現在,超臨界二酸化炭素処理は脱有機溶媒,脱廃水のクリーン
な条件下で反応を行う,環境的に極めて有利な反応プロセスである。
しかも、処理で使用する工業用二酸化炭素は石油精製等の過程で大
気中に放出されるはずだった二酸化炭素を回収したものであり,ま
た,超磁界処理後の二酸化炭素再利用が何度も可能である点でも,
環境に配慮した処理技術であるといえる。
超臨界乾燥システムとは
エアロゲル製造工程
【参考技術情報】
1.木質材料を対象とした超臨界二酸化炭素処理技術の研究動向,
松永正弘, 木材工業 Vol.67. No. 4. 2012
➲超臨界二酸化炭素の利用法
2.1 抽出・分離
超臨界二酸化炭素の溶解特性はヘキサンのよう な無極性溶媒に近
く,分子量が 500以下の比較的 小さい無極性の化合物であればほぼ
完全に溶解す る 2)。また,弱秘性の物質でもかなり高い飽和溶 解
度を有する O ただしその溶解特性は温度と圧力によって大きく変化
しさらにエントレーナ(供 溶媒)としてアルコールや水を少量加える
ことで 極性の高い物質も可溶となる。そのため,温度・圧力・エン
トレーナの組み合わせ次第で, 目的の物質のみを選択的に抽出する
ことが可能となる。この特徴を活用した超臨界二酸化炭素の抽出・
分離技術は,超臨界二酸化炭素処理が工業的に最も成功した利用法
であり,特に食品や香料等の分野 においては既に多数実毘化されて
いる。例えば,コーヒーの脱カフェイン処理や,ビールのホップエ
キス抽出などは. 1970年代末にドイツやアメリカで実用化され,現
在も 10.000~50.000 t/ year規模のプラントが稼働している。
これらのプラントを含め,第2表に示すように,超臨界二酸化炭素を
用いた大小様々なプラントが 国内外で稼働している。また,液体よ
りも高い拡 散係数と低い粘度を持つ超臨界二酸化炭素を移動 相と
して用いた超臨界流体クロマトグラムは既に商品化されており,高
速・高分離分析を可能にしている。
2.オールバイオマスシステム完結論, 2015.02.01 極東極楽
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1.特開2015-123080 バイオマスを原料とする糖化液製造方法及
び糖化液製造装置 川崎重工業株式会社
【概要】
超臨界水又は亜臨界水によってセルロース系バイオマスを加水分解
して糖類とする場合、熱水処理するセルロース系バイオマススラリ
ー中のバイオマス濃度(固形物濃度)が高い方が、同じエネルギー
によって加熱可能なバイオマス量が増加するため、エネルギー効率
が高い。また、バイオマス濃度が高い方がより高濃度の糖化液が得
られるため、発酵工程に供する糖化液を濃縮する際の濃縮負荷も軽
減し得る。通常、バイオマススラリーの固形物濃度は、5~10質量%
に調整される。ところが、エネルギー効率を向上させるためにセル
ロース系バイオマススラリーの固形物濃度を高めると、スラリーの
流動性が低下して、配管を用いてスラリーを輸送することが困難と
なる。
このことは、連続式反応器を用いてバイオマススラリーを連続的に
加水分解する上で大きな障害となる。また、セルロース系バイオマ
ススラリーのバイオマス濃度を高めると、間接熱交換器における熱
伝導率が低下するという問題も生じる。連続式反応器を用いてバイ
オマススラリーを連続的に熱水処理する場合、高温蒸気と十分に撹
拌してバイオマススラリーを十分に加熱すると共に、熱水処理時間
を一定に維持するために、加熱されたスラリーを反応器内部でプラ
グフローとして移動させる必要がある。バイオマススラリーを高濃
度とする場合には、撹拌強度を従来よりも上げなければならないが、
単に撹拌強度を上げるだけではプラグフローが崩れてしまい、未反
応のバイオマススラリー又は糖類の過分解産物が連続式反応器の出
口へと排出されることになる。その結果、糖化率が低下することに
なる。
特開2006-68606に開示されている処理設備は、反応器出口のスラリ
ーに糖化液を混合するため、反応器出口の閉塞は防止できても、高
濃度のバイオマススラリーを反応器内でプラグフローさせるための
構成を備えていない。特開2012-22に開示されている処理装置も 高
濃度のバイオマススラリーを反応器内でプラグフローさせるための
構成を備えていない。ここで、反応器から取り出された高温高圧の
バイオマススラリーは、すぐに亜臨界状態以下の温度に冷却しなけ
れば、糖類が有機酸に過分解され、糖類の収率が低下してしまう。
国際公開第2008/50740の糖化分解方法及び糖化分解装置はバッチ式
であるが、本発明者等は、セルロース系バイオマススラリーの固形
物濃度を高めた場合、フラッシュタンク入口にある減圧弁が目詰ま
りしやすくなることを確認した。従ってセルロース系バイオマスス
ラリーの固形物濃度を高めることは高温高圧スラリーをフラッシュ
蒸発によって冷却する際にも問題を引き起こす。特開2006-68606及
び 特開2012-22には、フラッシュ蒸発による高温高圧スラリーの冷
却は、開示されていない。
本発明は、連続式反応器によってセルロース系バイオマスのスラリ
ーを超臨界状態又は亜臨界状態で熱水処理することにより糖化スラ
リーを得る糖化液製造方法であって、スラリーのプラグフローを維
持しつつ、熱水処理後に高温高圧スラリーをフラッシュ蒸発させる
際に減圧弁の目詰まりが起こりにくい製造方法の提供を目的とする。
本発明はまた、そのような製造方法の実施に適した糖化液製造装置
の提供も目的とする。
図2のごとく、セルロース系バイオマスのスラリーを連続式反応器
によって連続的に熱水処理する際に、連続式反応器の前段部では強
力に撹拌し、後段部分では推進力の弱い撹拌装置によって撹拌し、
プラグフローを維持する。糖化スラリーは、好ましくは糖化液を用
いて希釈した後、破砕装置によって固形物を破砕し、フラッシュ蒸
発させ、連続式反応器によってセルロース系バイオマスのスラリー
を超臨界状態又は亜臨界状態で熱水処理することにより糖化スラリ
ーを得る糖化液製造方法であって、スラリーのプラグフローを維持
しつつ、熱水処理後に高温高圧スラリーをフラッシュ蒸発させる際
に減圧弁の目詰まりが起こりにくい製造方法、また、そのような製
造方法の実施に適した糖化液製造装置を提供する。
図2.実施例の糖化液製造装置の模式図
【符号の説明】1,21:連続式反応器 2:連続式反応器の入口
(投入口) 3,33:回転軸 4:撹拌装置(スクリュー) 5:
連続式反応器の出口(取出口) 6,10,26:経路 7:減圧弁
8:フラッシュタンク 9:フラッシュ経路 11:固液分離装置
22:撹拌装置(ピン羽根) 23:破砕装置 24:スクリーン
25:破砕刃 27:糖化液供給配管 28:糖化スラリー供給配管
31:混合室 32:撹拌装置 34:糖化スラリー入口 35:糖化
液入口 36:破砕装置の出口 37:回転軸支持部材 41:間接加
熱型シェルアンドチューブ型反応器 42:原料スラリー加熱チュー
ブ 43:間接加熱型シェルアンドチューブ型反応器の入口(投入
口) 44:間接加熱型シェルアンドチューブ型反応器の出口(取
出口) 45:蒸気入口 46:凝縮水出口 51:前段部 52:前
段部の出口 53:移送経路 54:後段部の入口 55:後段部
56:連続式反応器 57:回転軸 M,M1,M1a,M1b,
M2:モータ
2.特開2021-169080 微細気泡生成方法及び装置、並びに試料の
微細化方法及び装置 株式会社HotJet
【概要】
下図3のごとく、水が亜臨界状態にあり、気体が超臨界状態にある
気液混合流体を冷却して気液混合流体の温度を前記気体の臨界温度
未満にすることによって、気液混合流体中に微細気泡を発生させる。
その後、気液混合流体を加熱して気液混合流体の温度を前記気体の
臨界温度以上にすることによって、気液混合流体中に微細気泡を溶
解させる。これらの処理を交互に繰り返すことにより、気液混合流
体中で微細気泡を繰り返し発生させ、臨界水を用いて微細気泡を発
生させる微細気泡生成方法及び装置、並びにその微細気泡を用いて
試料を微細化する試料の微細化方法及び装置を提供する。
図3.微細気泡の発生及び消滅を説明するための説明図
3.特許7179304 発泡樹脂成形体及びその製造方法 株式会社カミ
ーノ他
【概要】
図1のごとく、発泡樹脂成形体が、バイオマス粒子と熱可塑性樹脂
を含み、この発泡樹脂成形体に対するこのバイオマス粒子の含有量
が1~70質量%の範囲であり、表面が波紋状又は樹木の年輪状の
外観を呈し、この発泡樹脂成形体の変形量が、発泡成形直後のこの
発泡樹脂成形体の5%以下である。バイオマス粒子と熱可塑性樹脂
を含む発泡樹脂成形体の製造方法が、バイオマス粒子を含有する熱
可塑性樹脂組成物を溶融混練する工程と、溶融混練された熱可塑性
樹脂組成物と超臨界流体を混合する工程と、射出成形工程を含み、
金型のゲートと発泡樹脂成形体の寸法が特定の条件を満たす、美麗
な外観を有し、成形後の変形が抑制されている熱可塑性樹脂発泡体
とその製造方法を提供する。
図1 発泡樹脂成形体の製造に用いる射出成形装置の一実施態様を
示す説明的断面図
【符号の説明】 11・射出成形装置、13・金型、29・キャビテ
ィ、32・スプルー、 33・ゲート、34・ランナー
4.特表2020-522590 ナノセルロース材料の製造プロセス エスエー
ピーピーアイ バイオケムテック ビーヴィ
【概要】
セルロースは、植物材料などの再生可能な資源から広く入手できる
材料である。セルロースは、緑色植物の一次細胞壁において繊維と
して存在し、通常、ヘミセルロース、リグニン、ペクチン及びその
他の物質との混合物の形態で見られる。セルロース繊維自体は、結
晶領域と非晶領域のみからなり、結晶領域は、セルロースナノ繊維
(CNF)とナノ結晶性セルロース(NCC)として知られ、両方
とも非晶領域から分離でき、材料用途と、CNF又はNCCのゲル
が、例えば、ゲルとして化粧品などにおいて有用であるその他の用
途において、強化用に非常にふさわしくする機械的特性を発揮する。
しかしながら、木材パルプなどのセルロース系材料からセルロース
ナノ繊維(CNF)又はナノ結晶性セルロース(NCC)のいずれ
かの製造は、技術的に厳しく多大のエネルギーを要し、それが、セ
ルロースナノ繊維(CNF)又はナノ結晶性セルロース(NCC)
のいずれかを製造する分野において、最低限の有害化学物質を実際
に含む簡単かつエネルギー効率の良い両方法に絶え間ない要望があ
る理由である。
EP2712364には、モルホリン、ピペリジン又はこれらの混
合物の水溶液におけるセルロース系前駆体材料の膨潤により、水性
モルホリン及び/又はピペリジンの膨潤剤特性に応じて、セルロー
ス系前駆体からナノセルロース材料を剥離するのに必要な微細流動
化工程数を削減することにより、エネルギー消費量を削減できるこ
とが提案されている。しかしながら、得られたナノセルロースの水
性懸濁液は、再分散可能なナノセルロース粉末をもたらすために、
さらに処理しなければならず、技術的に困難を伴うことがある。例
えば、前記プロセスを介して得られたナノセルロースが超臨界流
体を用いて乾燥すべき場合には、モルホリンとピペリジンとは事前
に除去されなければならないが、その理由は、それらが二酸化炭素
などの最もよく使われる超臨界流体と化学的に反応する傾向があり、
別の不活性処理流体と置換しなければならないからである。加えて
モルホリンとピペリジンとは、十分注意して取り扱わなければなら
ない有害物質であり、商品化前、特に、ナノセルロースの医薬品用
途又は食品用途向けの商品化前には、ナノセルロース材料から完全
に除去しなければならない。
Green Chem.,2015,17,3401-3406には
シルヴィオ(Silvioe)らにより、微細流動化前に、膨潤剤として、
塩化コリン/尿素による木材セルロースの前処理により、前処理さ
れた木材セルロースからナノ繊維化セルロース(NFC)を剥離す
ることが記載されている。しかしながら、微細流動化前に、前処理
された木材セルロースは、まず、前処理後に深共晶溶媒を除去する
ために、脱イオン水により洗浄し、その後にしか、このようにして
得られた前処理された木材セルロースの水性懸濁液を微細流動化で
きない。このようにして得られたナノ繊維化セルロース(NFC)
の水性懸濁液は、その後、凍結乾燥してさらなる分析用試料を調製
する。凍結乾燥によるナノセルロースからの水分の除去によって、
しかしながら、容易には再分散できないかつレオロジー特性が劣る
ナノセルロースをもたらすことになる。 このように、好ましくは、
有害化学物質に頼らずに、全エネルギーを削減できるナノセルロー
スの簡易化された製造プロセスを提供が望ましい。
下図1のごとく、原料としてセルロース系繊維状材料から非誘導体
化又は誘導体化ナノセルロース材料の全製造プロセスのエネルギー
消費を削減でき、かつ使用される処理液が原料のより安全な処理を
可能にし、さらにまた、超臨界流体と除去すべき液体との間の化学
反応なしに、よく使われる超臨界流体によるその後の噴霧乾燥を可
能にするプロセスを提供する。前記プロセスは、例えば、水性溶液
中に容易に再分散できる固体微粒子材料などの固体状のナノセルロ
ース材料をもたらし、ナノセルロース材料の均質分散液をもたらす
ことにより、例えば、液体又はゲルを形成し、その分散液は、レオ
ロジー特性の面から、新しく(つまり、未乾燥の)調製されたナノ
セルロース分散液とほとんど同一である。このことは、低転移温度
混合物(LTTM)である膨潤剤を用いて、例えば、処理溶媒に可
溶である深共晶溶媒を形成するようにし、処理溶媒が、原料として
使用するセルロース系繊維状材料と、誘導体化又は非誘導体化ナノ
セルロース材料の両方に非可溶性であることにより、達成できる。
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図1.パルプ濃度1重量%の再分散ナノセルロースの2つの試料に
対するせん断速度に応じたせん断応力を示すグラフ
塗りつぶし記号が本発明による乳酸エチルにおいてナノセルロース
の懸濁液から噴霧乾燥された再分散ナノセルロースを示し、塗りつ
ぶしなしの記号がナノセルロースの水性懸濁液から噴霧乾燥された
際の再分散ナノセルロースを示す。
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本発明の目的は、セルロース系繊維状材料から非誘導体化又は誘導
体化ナノセルロース材料を製造するプロセスであって、
a)膨潤剤と処理溶媒とを含む非水処理液の連続相に、セルロース
系繊維状材料の懸濁液を供給する工程と、
b)セルロース系繊維状材料を膨潤させて、非水処理液の連続相に
おいて、膨潤セルロース系繊維状材料の懸濁液を形成するようにす
る工程と、
c)非水処理液の連続相において、前記膨潤セルロース系繊維状材
料の懸濁液を任意に精製して、膨潤セルロース系繊維状材料の純度
を高める工程と、
d)処理液から膨潤剤を除去して、処理溶媒の連続相において、セ
ルロース系繊維状材料の懸濁液を形成するようにする工程と、
e)膨潤かつ任意精製セルロース系繊維状材料に高せん断粉砕を施
して、膨潤かつ任意精製セルロース系繊維状材料から非誘導体化ナ
ノセルロース材料を剥離し、処理溶媒の連続相において、非誘導体
化ナノセルロース材料の分散液を形成するようにする工程と、
f)処理溶媒の連続相においての非誘導体化ナノセルロース材料の
分散液と、超臨界流体と、を接触させて、処理溶媒を除去し非誘導
体化ナノセルロース材料を単離するようする工程と、ここで、好ま
しくは、前記超臨界流体が、超臨界二酸化炭素又はアンモニアであ
る工程と、を含み、膨潤剤が、低転移温度混合物(LTTM)及び
特に深共晶溶媒であり、前記低転移温度混合物及び特に前記深共晶
溶媒が処理溶媒に可溶であり、処理溶媒がセルロース系繊維状材料
と非誘導体化ナノセルロース材料とに対して非可溶性であることを
特徴とする、プロセスを提供することである。
✔本件の特徴は「セルロースアスペクト比100」が鍵語になってい
ることである。
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5.特表2017-517596 油成分を沈殿させることなくpHを調整す
るプロトンポンプとして水と臨界未満/超臨界の二酸化炭素を
用いた解乳化及び原料とその画分からの生化学物質の抽出 サウ
ジ アラビアン オイル カンパニ
【概要】
原油とその画分は、様々な化学品を生産するための供給原料として
用いられている。将来、様々な高価値が付加された生化学物質も、
水の存在下での原油とその画分のバイオプロセスから商用的に生産
可能である。油田の原油は、多くの場合、水とエマルジョンを形成
する。
エマルジョンは、通常は混合することのできない2つ以上の液体の
混合物であって、一つの相が他の連続相中に不連続的に分散してい
る。油/水エマルジョンは様々なタイプがあり、油中水型(W/O)
エマルジョン(水が分散相で油が連続相)と、水中油型(O/W)
エマルジョン(油が分散相で水が連続相)や、水中油中水型(W/
O/W)エマルジョンと油中水中油型(O/W/O)エマルジョン
のようなより複雑なエマルジョンがある 。大抵、油田で生成する
エマルジョンはW/Oエマルジョンである。
これらのエマルジョンの中に、粘性をもたらすいくつかの表面活性
物質が存在する。さらに、水中に存在するイオン(H+、OH-、
Cl-など)と相互作用する電荷を有する油相からの多くのタイプ
の界面活性成分(基、COOHなど)が存在することにより、耐久
性のあるフィルムが原油/水の界面において通常は形成される。
原油とその画分におけるエマルジョンは、固有の成分から形成され
る。
原油中に存在し或いは形成又は産出される、高価値の生化学物質は
多種多様の用途を有しており、それには制癌剤用途、掘削流体、美
容外科、飲用水からの重金属の除去がある。しかし、原油とその画
分などの基質で産出されるこれらの固有の生化学物質は、高度に界
面活性な化合物であり、それらは通常は、破壊(すなわち、解乳化
)が非常に困難な水-油系の頑強なエマルジョンを作り出す。した
がって、混合物から生化学物質を抽出するのは困難である。これら
の場合の多くにおいて、従来の抽出(解乳化)法は、系の高い粘性
と界面活性剤の強い両親媒性特性のために、役に立たない。
さらに、原油の解乳化のためのいくつかの方法があるが、これらの
方法は通常はアスファルテン-油中の表面活性巨大分子の一種-の
沈殿を招き、設備の機能不全を招く。特に、アスファルテンの沈殿
は、パイプラインとポンプにアスファルテンの沈着を引き起こし、パ
イプラインを減らして無価値にし、ポンプを損傷させる。したがっ
て、アスファルテンの沈殿を避けることが望まれる。
それゆえに、高価値の生化学物質の抽出と、さらにアスファルテン
の沈殿を避けるという両者に効果的な解乳化法が必要とされている。
本発明は、原油とその画分での生化学反応の結果として生じる場合
に、原油とその画分の界面活性な生化学製品(例えば、ラムノリピ
ド)を抽出するための方法を対象とする。より詳細には、本発明は、
pHを調整するプロトンポンプとして臨界未満/超臨界のCO2を
用い、アスファルテンの沈殿も避ける、解乳化法に関する。
本発明において、臨界未満から超臨界のCO2は、油-水相の界面
と、最終的には水相の中に容易に拡散するように、原油エマルジョ
ン(例えば、水中油型、油中水型、水中油中水型、又は油中水中油
型エマルジョン)の中に導入され、それによって、系の温度と圧力
に応じた大きなpHの低下を引き起こす。注入されたCO2は、つ
ぎにエマルジョンのフィルムの界面を含む水相の至るところで水分
子と相互作用することにより水相で炭酸を形成する。系のエマルジ
ョンの界面でのpHの低下は、エマルジョンの界面における界面活
性分子(例えば、アスファルテン、レジン酸、ナフテン酸、ラムノ
リピド)と水の間の電荷分布のバランスを変化させ、分子の表面活
性が非活性化する。この非活性化は、界面活性成分が水分子への親
和性を失うため、エマルジョンの界面膜を弱くすることになる。
下図1のごとく、プロトンポンプとして臨界前/超臨界のCO2を
用いた生化学品の生産時に供給原料として用いられるときの、原油
とその画分から界面活性生化学物質を抽出するための解乳化方法。
方法はpH調整ステップも含み、それによって、解乳化と生化学物
質の水相への沈殿を生じさせ、しかし、原油又は生物資源を由来と
するレジン様溶媒の先天的な添加によって、アスファルテンの析出
を防ぐ。生化学物質は、つぎに水相から温度変化又はいくつかのそ
の他の技術を経由して抽出される。
原油は、つぎに穏やかに撹拌又は混合され、それによりエマルジョ
ンが凝集する。エマルジョンが凝集すると、それらのサイズは、重
力が油と水(水性)の画分を分離する臨界点に達する。このシナリ
オにおいて、ラムノリピド分子は、水相に移動し、プロトンポンプ
として作用する水系における加圧されたCO2の存在が維持される。
凝集によって油と水相が分離されると、ラムノリピドは、温度変化
や水の蒸発によって水相から集めることができる。アスファルテン
の沈殿は、混合物中のアスファルテンに対する芳香族レジンの比を
臨界値よりも高い値に維持することでこの方法においては避けられ
、それは、解乳化工程の前か最中に原油のエマルジョンに油レジン
の補給剤(アスファルテン巨大分子の溶解剤として配備される)を
導入することで達成される。
□.特表2017-503651 二酸化炭素抽出法による抽出補助材を含むグ
リース基材からのパーフルオロ化ポリエーテル油の回収 ザ ケマー
ズ カンパニー エフシー リミテッド ライアビリティ カンパニー
【概要】
本開示は、パーフルオロポリエーテルの抽出方法に関する。この方
法は、(a)抽出ゾーンで、液体又は超臨界の二酸化炭素を含む溶
媒を増粘剤、抽出補助材、及びパーフルオロポリエーテルを含む潤
滑グリースと接触させ、抽出されたパーフルオロポリエーテルを含
む抽出液を生成する工程と、(b)抽出されたパーフルオロポリエ
ーテルを抽出液から回収する工程とを伴い、回収後の抽出されたパ
ーフルオロポリエーテルは、約2重量%以下の増粘剤を含む。
6.特開2020-189947 セルロース多孔質体の製造方法 本田技研工
業株式会社他
【概要】
セルロースナノファイバー(以下、「CNF」と略記することもあ
る)は、セルロース系原料であるパルプから、化学処理、粉砕処理
等により製造される繊維である。セルロースナノファイバーは、植
物由来の材料であるため、廃棄時等の環境負荷が小さく、また、軽
量、高強度、透明性、チクソ性、ガスバリア性、熱安定性等に優れ
ていることから、各種用途への活用が期待されている。一般にセル
ロースナノファイバーを含む多孔質体は、セルロースナノファイバ
ーを分散した水分散体を乾燥することで得られる。しかしながら、
蒸発乾燥では、乾燥時に働く表面張力により、セルロースナノファ
イバー同士が凝集するため、得られる材料は非多孔質の高密度材料
となっていた。そこで、乾燥時の凝集を抑制する方法として、セル
ロース微細繊維を含む水分散体を急速凍結させた後に乾燥させて、
セルロース微細繊維の多孔質体を作製する方法が提案されている(
特開2003-082535)。また、セルロース微細繊維を有機溶媒に膨潤
または分散させた状態で乾燥させる方法も提案されている(特開201
2-001626)。また、カルボン酸塩型の基を有するセルロースナノフ
ァイバーの水分散液に酸を添加することで物理ゲルを調製し、得ら
れた物理ゲルから水を乾燥除去することで、流体として空気を含む
エアロゲルを得る方法も提案されている(特開2012-001626参照)。
この方法によれば、高比表面積のセルロース多孔質体が得られる。
特開2012-001626文献においては、まず物理ゲル中の水を、水より
も低沸点の有機溶媒に置換し、その後、置換した有機溶媒を除去す
る。置換に用いる溶媒としては、水と相溶可能なアルコール類であ
る、メタノール、エタノール、1-プロパノール、iso-プロパ
ノール、tert-ブタノールが挙げられている。
【課題】
しかしながら、特許文献1に記載された、水分散体を急速凍結乾燥
させる方法においては、セルロース微細繊維を含む水分散体を金属
板に噴霧してから乾燥させるため、得られる多孔質体の形態は粒子
状となり、用途が限られていた。また、特許文献1に記載された、
有機溶媒に膨潤または分散させた状態で乾燥させる方法においては、
分散媒である水を一度エタノールに置換して、その後にさらにt‐
ブチルアルコールに置換するため、分散媒の置換操作が煩雑となっ
ていた。また、特許文献2に記載された、物理ゲル中の水を有機溶
媒に置換した後に有機溶媒を除去する方法では、溶媒を置換する工
程を複数回実施する必要があった。そして、全ての置換工程を完了
させるまでには、何日も必要となっていた。このため、製造コスト
と製造時間が莫大となることが予想され、産業レベルで実施するこ
とは難しい状況と思われる。本発明は上記の背景技術に鑑みてなさ
れたものであり、その目的は、より簡易な方法によって、短時間で
セルロースナノファイバーを含む多孔質体を製造する方法を提供す
ることにある。
図1のごとく、特定の有機溶媒を含むセルロースナノファイバーゲ
ルを作製し、当該ゲルから有機溶媒を除去する。具体的には、常温
常圧で液体であり、臨界温度が200℃以下である超臨界乾燥溶媒
とセルロースナノファイバーとを含む、常温常圧で存在可能なゲル
体を、超臨界状態にして、超臨界乾燥溶媒を除去してセルロース多
孔質体を得る、より簡易な方法によって、短時間で、セルロースナ
ノファイバーを含む多孔質体を製造する方法を提供する。
図1.実施例1で得られたセルロース多孔質体の写真
------------------------------------------------------------
<第1実施形態>
以下、本発明の第1実施形態に係るセルロース多孔質体の製造方法
について説明する。第1実施形態に係るセルロース多孔質体の製造
方法は、セルロースナノファイバーと超臨界乾燥溶媒とを含むゲル
体を、超臨界状態にして、超臨界乾燥溶媒を除去してセルロース多
孔質体を得る、超臨界乾燥工程を有する。このとき、超臨界乾燥溶
媒は、常温常圧で液体であり、臨界温度が、セルロースナノファイ
バーの耐熱温度である200℃以下であり、ゲル体は、常温常圧で
存在可能であることを特徴とする。第1実施形態に係るセルロース
多孔質体の製造方法によれば、より容易に、かつ短時間で、セルロ
ースナノファイバーを含む多孔質体を得ることができる。また、超
臨界乾燥溶媒を除去する前のゲル体の取り扱いが容易であることか
ら、作業性も良好となる。
[超臨界乾燥工程]
本発明のセルロース多孔質体の製造方法は、超臨界乾燥工程を有す
る。超臨界乾燥工程では、セルロースナノファイバーと超臨界乾燥
溶媒とを含むゲル体を、超臨界状態にして、超臨界乾燥溶媒を除去
することにより、セルロース多孔質体を得る。 さらに具体的には、
超臨界乾燥工程においては、セルロースナノファイバーと超臨界乾
燥溶媒とを含むゲル体を、超臨界乾燥溶媒の臨界点以上の温度、圧
力に上昇させることで超臨界乾燥溶媒を除去し、これにより、セル
ロース多孔質体を形成する。
[セルロースナノファイバー]
本発明で用いるセルロースナノファイバーは、主として植物の細胞
壁に由来するセルロースからなる繊維である。パルプ等の木材のみ
ならず、各種バイオマスから作製することができる。例えば、針葉
樹系パルプ、広葉樹系パルプ、コットンリンターやコットンリント
等の綿系パルプ、麦わらパルプやバガスパルプ等の非木材系パルプ、
バクテリアセルロース、ホヤから単離されるセルロース、海草から
単離されるセルロース等を例示することができる。
なお、本発明で用いるセルロースナノファイバーは、化学処理(改
質)したセルロースナノファイバーを含む。また、1種単独のみな
らず、2種類以上の異なるタイプのセルロースナノファイバーを併
用してもよい。
本発明で用いセルロースナノファイバーの数平均繊維径は、1~1
00nmの範囲内であることが好ましい。より好ましくは、1.5
~50nmであり、特に好ましくは、2~10nmである。数平均
繊維径が1nm未満では、ナノファイバーの単繊維強度が弱いため
網目状構造体を形成することが困難となる。100nmを超える場
合には、得られる多孔質体の透明度や断熱性能が低いものとなる。
[超臨界乾燥溶媒]
本発明に用いられる超臨界乾燥溶媒は、常温常圧で液体であり、臨
界温度が200℃以下のものである。本発明においては、このよう
な超臨界乾燥溶媒を用いることにより、より容易に、かつ短時間で、
セルロースナノファイバーを含む多孔質体を得ることができる。
このような超臨界乾燥溶媒としては、例えば、ジエチルエーテル、
ハイドロフルオロカーボン(HFC)等が挙げられる。本発明に用
いられる超臨界乾燥溶媒は、中でも、無色透明な液体であることが
好ましい。無色透明な超臨界乾燥溶媒であれば、得られるセルロー
ス多孔質体が無色透明となる。このため、適用できる製品が拡大し、
様々な分野に展開可能となる。
さらに、本発明に用いられる超臨界乾燥溶媒は、中でも、フッ素系
溶媒であることが好ましい。フッ素系溶媒のハイドロフルオロカー
ボン(HFC)、ハイドロフルオロエーテル(HFE)等は臨界圧
力が低い溶媒であるため、超臨界乾燥に必要なエネルギーを小さく
することができ、また、乾燥時間をより短くすることができる。
さらには、本発明に用いられる超臨界乾燥溶媒は、ハイドロフルオ
ロエーテルであることが好ましい。ハイドロフルオロエーテルは、
常温常圧で液体であり、臨界温度が200℃以下であり、無色透明
であり、臨界圧力が低く、また、安全性も高い。ハイドロフルオロ
エーテルとしては、例えば、スリーエム社製ノベック(登録商標)
AGC社製アサヒ クリン(登録商標)等が挙げられる。
[ゲル体]
本発明のセルロース多孔質体の製造方法に適用されるゲル体は、セ
ルロースナノファイバーと超臨界乾燥溶媒とを含むゲル状の物質で
あり、常温常圧で存在可能なものである。常温常圧で存在可能であ
ることにより、取り扱いが容易となり、生産性向上に起因する。
なお、本発明のセルロース多孔質体の製造方法においては、ゲル体
は、主としてセルロースナノファイバーを含んでいればよく、その
他の繊維等を含んでいてもよい。また、セルロースナノファイバー
は、1種単独のみならず、2種類以上の異なるタイプのセルロース
ナノファイバーを含んでいてもよい。
ゲル体は、セルロースナノファイバーが形成する三次元的な網目構
造の間に、流体として超臨界乾燥溶媒が存在する「オルガノゲル」
となっている。本発明のセルロース多孔質体の製造方法においては、
ゲル体を超臨界状態にして、超臨界乾燥溶媒を除去する。このため、
得られるセルロース多孔質体は、セルロースナノファイバーが形成
する三次元的な網目構造の間に、流体として空気が存在する「エア
ロゲル」となる。
ゲル体の製造方法は、セルロースナノファイバーと超臨界乾燥溶媒
とを含むゲルとなれば、特に限定されるものではない。例えば、カ
ルボン酸塩型の基を有するセルロースナノファイバーを水系溶媒に
分散させてセルロースナノファイバー水分散液を調製し、得られた
セルロースナノファイバー水分散液に酸を加えることで、基をカル
ボン酸塩型の基をカルボン酸型の基に置換することで、セルロース
ナノファイバーと水とを含む水ゲル体を作製し、その後に、水ゲル
体に含まれる水を超臨界乾燥溶媒に置換する方法が挙げられる。
[セルロース多孔質体]
本発明のセルロース多孔質体の製造方法によって得られるセルロー
ス多孔質体は、上記の通り、セルロースナノファイバーが形成する
三次元的な網目構造の間に、流体として空気が存在する「エアロゲ
ル」である。本発明において、超臨界乾燥溶媒として無色透明の液
体を用いた場合には、得られるセルロース多孔質体も無色透明とな
る。このため、適用用途が拡大する。
なお、セルロース多孔質体の物性は、超臨界状態とする条件や、用
いる超臨界乾燥溶媒の種類に影響を受ける。セルロース多孔質体の
用途等に応じて、適宜、所望の物性を発現させればよい。
(用途)
本発明によって得られるセルロースナノファイバーを含む多孔質体
の用途は、特に限定されるものではなく、例えば、断熱材、吸音材、
吸着剤、機能性フィルター、電子デバイス材料、再生医療材料等、
様々な分野に展開することができる。
以下、割愛(後略)。
この項つづく
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
特異点真っ直中 ㉞
2028年ディスプレーデバイス市場,16.6兆円
7月19日、富士キメラ総研は,TFT LCD,OLED,マイクロLEDといっ
たディスプレーデバイスの世界市場について調査し,その結果を「
2023ディスプレイ関連市場の現状と将来展望」にまとめた。2022年
はTVやPCモニター,ノートPCなどの販売が低迷したことから,市場
は前年比減少。2023年はTV向けが回復しているほか,HMD向け,車載
向けなどは堅調に伸びている一方で,IT機器向けパネルは需要縮小
が続いているとして,市場は15兆5,838億円を見込む。タイプ別では
TVやPCモニターなど大型用途において主力であるa-Si TFT LCDのウ
ェイトが高いが,前年に続き減少するとみるほか,ハイエンドTV,
ハイエンドノートPCで採用が多いW-OLEDやOxide TFT LCDの落ち込み
が大きいとみるものの,ハイエンドスマートフォンにおけるRGB蒸着
プラスチックOLEDの採用増加により,市場は前年比微増に留まると
みる。今後はハイエンドTVで採用されるQD-OLEDやスマートフォンの
最上位機種で採用が進むRGB蒸着フォルダブルOLED,スマートグラス
での採用増加が期待されるマイクロOLED,次世代ディスプレーとし
て注目されるマイクロLEDなどの増加を予想する。
図1.電解発生酸(EGA)がアミンモノマーとアルデヒドモノマーの縮
合反応を促進し、電極表面において共有結合性有機構造体(COF)の
膜が形成される。
共有結合性有機構造体を温和に合成・薄膜化
7月21日、東京工業大学は,多孔質材料である共有結合性有機構造
体(Covalent Organic Framework:COF)を電気化学的に合成すると
同時に電極表面に固定化する手法を開発。COFは,有機分子からなる
モノマー同士の共有結合により形成される二次元もしくは三次元状
の結晶性材料。軽元素で構成されるため軽量であることに加え,規
則的に分子が配列した多孔質構造由来の大きな表面積を有している。
【要点】
1.多孔質有機材料の合成と、電極上での薄膜化を一段階で達成
2.温和な条件下、酸触媒の発生と有機モノマーの重合の時空間制御
に成功
3.電極材料やデバイス応用のプロセス技術としても期待
【概要】
COFは、熱的・化学的安定性に優れるため、ガスの吸着・分離材料や
触媒、電極材料などへの応用が期待されている。しかしながら、従
来の合成法では、生成したCOFが不溶・不融なバルク状粉末として得
られるため、成型・加工性が乏しいという課題があった。
常温・常圧の温和な条件で電気化学的に酸を発生させ、この電解発
生酸(Electrogenerated Acid: EGA)[用語2]を触媒としてモノマー[用
語3]の縮合反応を行うことにより、電極近傍でCOFを合成することを
着想した。実際に、1,2-diphenylhydrazine由来の酸を発生させ、その
発生量や場所を簡便に制御することが可能であることを実証した。
さらに、アミンモノマーおよびアルデヒドモノマーを原料としたCOF
合成実験を行ったところ、電極近傍で形成したCOFが電極表面に析出
し、薄膜状の多孔質材料を一段階で得ることに成功した。本研究手
法は、COFの薄膜合成やその形態制御といった研究展開を可能にする。
特に、COF膜を電極上に直接固定化できることは、電極材料やセンシ
ング材料等のデバイスに応用する際のプロセス技術としても有望で
あると期待されている。
【展望】
常温・常圧の温和な条件下、DPH由来の電解発生酸がアミンモノマ
ーとアルデヒドモノマーの縮合反応によるイミン結合形成を促進し
、対応するCOF膜を電極上に直接的に作製し、固定化できることを実
証した。本手法は、電解発生酸の生成を時空間的に制御することが
可能であることから、従来法では不可能とされてきた、COFの電極上
での薄膜合成やその形態制御といった、研究展開が可能である。特
に、COF膜を電極上に直接固定化できることは、電極材料やセンシン
グ材料等のデバイスに応用する際のプロセス技術としても有望であ
ると期待される。
風蕭々と碧いの時
John Lennon Imagine
【POPの系譜を探る:2021年代】