彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時
代の軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ。
【岩石鉱物図鑑:ショコラと金鉱】
銀も金も玉も何せむにまされる宝子にしかめやも 山上 憶良
椋鳥を一樹に集め日没前 有山 八洲彦
山上憶良(660~733ころ):奈良前期の官人・歌人。大宝2年(702)渡唐
し、帰国後、伯耆守ほうきのかみ・東宮侍講・筑前守を歴任。思想性・社
会性をもつ歌を詠んだ。万葉集に長歌・短歌・旋頭歌せどうか・漢詩文が
ある。歌集「類聚歌林」の編者。作「貧窮問答歌」「子等を思ふ歌」など。
有山 八洲彦(1924- ):少年の頃、奈良県立商業学校で大國静園(木太刀
同人)に手ほどきを受ける。戦後「金剛」に入会。下村槐太の指導を受け
社中同人。槐太の休俳につき「鶴」に入会。昭和31年「運河」創刊に参画、
編集発刊人。昭和57年「狩」入会。61年、同人。 俳人協会評議員。奈良
県俳句協会理事。
秋風に 彩り揃えぬ ショコラかな 高山 宇
宇
日中の室温が27℃を超え、意識が朦朧を経験を脱し、秋風が涼しくなる。
彩りが欲しくなり、チョコレートコスモスの鉢植えを求めホームセンタに
でかけるも気に入ったものがなく、「楽天ショップ」でクリック注文する。
急変する<季節>のまっただ中に
--------------------------------------------
元素記号Auは、ラテン語で金を意味する aurum に由来する。大和言葉で
「こがね/くがね(黄金: 黄色い金属)」とも呼ばれる。 金を「かね」と
読めば通貨・貨幣・金銭と同義(すなわちお金)である。
金属としての金は「黄金」とも呼ばれ、「黄金時代」は物事の全盛期の比
喩表現として使われる。「金属」や「金物」といった単語に金の字が含ま
れるように、古くから金属全体を代表する物質として見られた。展性・延
性に優れ、最も薄く延ばすことができる金属である。
1グラムあれば数平方メートルまで広げることができ、長さでは約3000メ
ートルまで延ばすことができる。平面状に延ばしたものを「金箔」(きん
ぱく)、金箔を和紙に貼って細く切るなど糸状に装飾しやすくしたものを
「金糸」(きんし)と呼ぶ。華美な衣装を作るために、金糸は綿や絹など
一般的な繊維素材と併用される。逆に大きな展延性が精密加工時や加工後
の製品では、耐久性が悪いという弱点にもなる。かつてよく行われていた
金メダルを噛むという行為は、歯型が付くほどの展延性を持つ金であるこ
とを確かめる行為だったことに由来する(現代の金メダルは純金ではない
ので歯型は付かない)。
金の鉱床(埋蔵量)は、中国・ロシア・アメリカ・カナダ・オーストラリ
ア・インドネシア・ペルー・ウルベスタン・南アフリカとなり。欧米を中
心とした旧植民地に偏在。かってのジャパングは。知恵を絞り、リユース
・代替材料に向けて開発研究に傾注するほかないが、それを「克服・突破」
できる知(略)を備えているはずだと「ショコラと金鉱床」を結ぶ。
出所:経済産業省 2023.03.31
【再エネ革命渦論 175: アフターコロナ時代 176】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング-
特異点真っ直中 ㊿+⑥
超薄型ペロブスカイト光電デバイス
2023年10月05日。東京大学,スイスEPFL,スイスETH Zurichは,世界初の
全ペロブスカイト結晶デバイスによる電源内蔵型の超薄型光脈波センサを
開発。
【要点】
1.世界最高効率(太陽電池にて18.2%、LEDにて15.2cd/A)の超薄型ペロ
ブスカイト光電デバイスの開発に成功
2.このペロブスカイト光電デバイスは非常に高効率なだけでなく、ナノ
粒子LEDの持つ鋭い発光色ピークにより、ノイズの少ない光脈波センシ
ングが可能である。
3.室内光といった限られた光量環境でも発電が可能であるため、今後、
超薄型ペロブスカイト光電デバイスを用いた、室内環境で駆動する電源
内蔵型ウェアラブル機器の開発につながる。
図1.超薄型ペロブスカイト太陽電池の構造図(左)及び太陽電池特性(
右超薄型ペロブスカイト太陽電池として世界最高効率の18.2%を実現
【概要】
このペロブスカイト光脈波センサは、1.5㎛という薄型のプラスチック基板
上へ作製されており、非常に柔軟・軽量であるため肌へ高い密着性を示し
ます。作製されたペロブスカイト太陽電池は、超薄型プラスチック基板上
において世界最高効率の18.2%を示しており、室内光を用いてペロブスカ
イトLEDの駆動に十分な電力を発電できる。さらに、ペロブスカイトナノ
粒子を発光層へ用いたペロブスカイトナノ粒子LEDにおいても、世界最高
効率である15.2cd/Aを達成した。ペロブスカイトナノ粒子LEDは半値幅(
)22nmという非常に鋭い発光スペクトルを持つため、超薄型プラスチ
ック基板上であっても、基板の機械変形に対して発光色の変わらない超薄
型LEDを実現。作製したペロブスカイトナノ粒子LEDは、バンドパスフィル
タを用いることで、98.2%の選択制を持つ脈波信号の検出に成功。全ペロ
ブスカイト超薄型光脈波センサは、将来の室内光で駆動可能なセンサとし
て、モノのインターネットやウェアラブル機器への応用が期待される。
図2.超薄型ペロブスカイトナノ粒子LED発光スペクトルのシミュレーシ
ョン結果 ➲超薄型有機LEDの解析結果(左)では周期的な発光スペクト
ル歪みが見られる一方、超薄型ペロブスカイトナノ粒子LED(右)では、
鋭い発光スペクトルにより周期的な発光スペクトル歪みを抑えることがで
きている。
図3.全ペロブスカイト超薄型光センサの駆動時写真、太陽シミュレータ
光(左)室内光(右)
【関係技術情報】
〈雑誌〉Advanced Materials(9月1日付、オンライン版)
〈題名〉Indoor Self-Powered Perovskite Optoelectronics with Ultraflexible Monoch
-romatic Light Source
〈著者〉Hiroaki Jinno, Sunil B Shivarudraiah, Rasmussen Asbjörn, Gianluca Vagli-,
Tommaso Marcato, Felix Thomas Eickemeyer, Lukas Pfeifer, Tomoyuki Yokota,
Takao Someya, Chih-Jen Shih*
〈DOI〉10.1002/adma.202304604
〈URL〉https://onlinelibrary.wiley.com/doi/10.1002/adma.202304604
【最新特許事例】
1.特開2023-96785 リチウムイオン二次電池用負極スラリー及びその
製造方法
【要点】 リチウム二次電池用負極スラリーは、負極活物質としてのリチ
ウムドープされた酸化ケイ素と、溶媒としての水と、バインダーと、ガス
吸着材として機能する単層カーボンナノチューブと、を含み、スラリーの
pHは10以上である。スラリー中に発生する水素ガスをガス吸着材に吸
着させることによってスラリーの安定性を改善することができるリチウム
二次電池用負極スラリー及びその製造方法を提供。
図1.水素ガス発生量の経時変化を示すグラフ
【概要】
【発明を実施するための形態】
以下、本発明の実施形態を説明するが、本発明は以下の実施形態に限定さ
れるものではない。
本願全体にわたって、特に断らない限り、「平均粒径」とは、レーザー回
折散乱法により測定した体積基準の粒度分布における積算値50%での粒
径、すなわちメジアン径(D50)を意味する。また、記号「~」は、当
該記載が示す範囲の両端を含む意味で使用される。例えば、「1~2」と
の記載は「1以上2以下」を意味する。また、特に断らない限り、明細書
中に記載の各種パラメータは室温(25℃)で測定されたものである。
[リチウムイオン二次電池用負極スラリー]
本発明の一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極スラリーは、少
なくとも、負極活物質としてのリチウムドープされた酸化ケイ素と、溶媒
としての水と、バインダーと、ガス吸着材として機能する単層カーボンナ
ノチューブと、を含み、そのスラリーのpHは10以上である。他の実施
形態では、スラリーは後述の他の成分を更に含み得る。以下、スラリーの
各成分について説明する。
(負極活物質)
<1.リチウムドープされた酸化ケイ素>
本発明のリチウムイオン二次電池用負極スラリーは、負極活物質として、
酸化ケイ素を含む。酸化ケイ素は、一般式SiOxで表され、ここで、x
は、0<x<2であり、例えば、一酸化ケイ素SiO(x=1)であり得
る。一酸化ケイ素は、特に膨張率が低いために好ましい。酸化ケイ素は、
例えば、アモルファスの酸化ケイ素のマトリックス中にSi微粒子が微結
晶又はアモルファスの形態で分散した構造を有し、その平均組成が一般式
SiOxで表されるものとなり得る。酸化ケイ素は、特定のxの値を有す
るSiOxのみを含んでもよく、xの値が異なる2種以上のSiOxの混
合物であってもよい。
酸化ケイ素は、予めリチウムドープされる。リチウムは酸化ケイ素の粒子
の表面及び/又は内部にドープされる。酸化ケイ素にリチウムをドープさ
せる方法は特に限定されない。例えば、熱ドープ法を用いる場合、酸化ケ
イ素の粒子とリチウム原料(金属リチウム又はリチウム化合物(LiH等
))を混合し、不活性雰囲気(アルゴン雰囲気や窒素雰囲気等)中におい
て高温(例えば、350℃~900℃程度)で焼成することによって、酸
化ケイ素にリチウムがドープされる。代わりに、酸化還元反応法や電気化
学的方法を用いて、酸化ケイ素にリチウムをドープすることもできる。
ドープされたリチウムは酸化ケイ素と反応して、リチウムシリケート(Li
2Si2O5、Li2SiO3、Li4SiO4、Li4SiO4等)を形成し
得る。ドープされるリチウムの含有量は、最終的な負極活物質(つまり、
リチウムドープ後の酸化ケイ素)の総質量を基準として、例えば、1%~
20%又は1%~10%となり得る。ドープされるリチウムの含有量が高
くなるほど、初期効率が改善される。リチウムドープされた酸化ケイ素は、
粒子状であり得て、その粒子の平均粒径(D50)は、特に限定されないが
例えば、0.1μm以上10μm以下、特に、1μm以上9μm以下、1
μm以上2μm以下ともなり得る。
<2.黒鉛系材料>
本発明の他の実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極スラリーは、
負極活物質としてのリチウムドープされた酸化ケイ素に加えて、負極活物
質としての黒鉛系材料(つまり、黒鉛系負極活物質)を更に含み得る。黒
鉛系材料は、人造黒鉛と天然黒鉛のうちの少なくとも一方を含む。
人造黒鉛は、コークス、コールタールピッチ等の易黒鉛化性炭素材を高温
(例えば、2800℃程度)で焼成(つまり、黒鉛化)することによって
工業的に生産される黒鉛である。例えば、人造黒鉛としては、メソカーボ
ンマイクロビーズ、メソカーボンファイバー、塊状人造黒鉛(マッシブア
ーティフィシャルグラファイト)等が知られているが、本発明において使
用可能な人造黒鉛は特に限定されない。一般的に、人造黒鉛は、天然黒鉛
と比較して硬質であり、リチウムイオン二次電池の負極における使用時に
おいては天然黒鉛よりも充放電による膨張が少ないことが知られている。
天然黒鉛は、黒鉛鉱石を採掘し、選鉱、精製等の処理をすることによって
生成された黒鉛である。天然黒鉛としては、鱗片状、塊状、土状のもの等
が知られているが、本発明において使用可能な天然黒鉛は特に限定されな
い。黒鉛系材料の平均粒径(D50)は、例えば、3μm以上30μm以下、
好ましくは5μm以上25μm以下、又は15μm以上20μm以下であ
り得る。
黒鉛系材料とリチウムドープされた酸化ケイ素の両方を負極活物質として
使用する場合、その負極活物質中の黒鉛系材料とリチウムドープされた酸
化ケイ素の質量比は、黒鉛系材料に対するリチウムドープされた酸化ケイ
素の膨張率及び容量を考慮して選択され得て、例えば、黒鉛系材料とリチ
ウムドープされた酸化ケイ素の質量比(黒鉛系材料:リチウムドープされ
た酸化ケイ素)は、98:2~50:50、98:2~70:30、又は
90:10~80:20となり得る。
【負極活物質としてリチウムドープされた酸化ケイ素のみを使用する場合、
スラリー中の負極活物質(つまり、リチウムドープされた酸化ケイ素)の
含有量は、スラリー中の固形分の総質量を基準にして、例えば、70%~
99%、好ましくは80%~98%となり得る。負極活物質としてリチウ
ムドープされた酸化ケイ素及び黒鉛系材料の両方を使用する場合でも、ス
ラリー中の負極活物質(つまり、リチウムドープされた酸化ケイ素及び黒
鉛系材料)の含有量は上記と同じ範囲(70%~99%)内の量となり得
るが、両物質の膨張率及び容量を考慮して、リチウムドープされた酸化ケ
イ素のみを使用する場合よりも多くなり得て、例えばスラリー中の固形分
の総質量を基準にして95.5%となり得る。
(溶媒)
本発明のリチウムイオン二次電池用負極スラリーは、溶媒として水を含む
。水は、純水、特に脱イオン水であることが好ましい。溶媒は、スラリー
の固形分(つまり、溶媒以外の成分)の含有量が30~85質量%、好ま
しくは60~70質量%、一例において65質量%となるような量で含ま
れ得る。
(バインダー)
バインダーは、活物質と導電材との結合や集電体との結合等を促進する成
分として添加される。本発明の溶媒が水であるため、本発明のバインダー
は水溶性の水系バインダーである。水系バインダーとしては、例えば、ス
チレン・ブタジエンゴム(SBR)、ポリビニルアルコール(PVA)、
ポリアクリロニトリル、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、アクリ
ルアミド、ポリイミド、フッ素ゴム、ウレタンゴムなどが挙げられ、これ
らのうち1種又は2種以上の混合物が用いられ得るが、これらに限定され
るものではない。好ましくは、環境負荷低減、電池特性向上、低コスト化
等が特に実証されているスチレン・ブタジエンゴム(SBR)が使用され
る。
バインダーの含有量は、スラリーの固形分の総質量を基準として0.1%
~30%であり得て、好ましくは0.5%~20%であり、さらに好まし
くは1%~10%以下となり得る。バインダーの含量が上記の範囲を満足
するとき、電池の容量特性低下を防止しながら、電極内の十分な接着力を
付与することができる。
(ガス吸着材)
本発明のリチウムイオン二次電池用負極スラリーは、ガス吸着材として機
能する単層カーボンナノチューブ(SWCNT)を含むことを特徴とする。
上述のように、リチウムドープされた酸化ケイ素を負極活物質として用い
るスラリーでは、リチウムが水と反応して水素ガスが発生する。
この反応は、2Li+2H2O→2LiOH+H2と表される。ガス吸着材
は、この水素ガスを吸着するためのものである。スラリー中に発生する水
素ガスがガス吸着材に吸着されることによって、スラリーの安定性が維持
され、スラリーの製造から時間が経過してもスラリーの粘度が一定に保た
れる。
単層カーボンナノチューブは、一層のグラフェンシートが円筒状に巻かれ
た特異的な中空構造を有するものであって、比表面積が大きく、各種のガ
ス、特に水素ガスを多量に吸着して貯蔵することができる。水素ガスは単
層カーボンナノチューブの内部空間と外側表面(外壁)に吸着される。更
に、複数(例えば、6本~20本、一例では12本)の単層カーボンナノ
チューブが束(ナノチューブバンドル)を形成している場合には、カーボ
ンナノチューブ同士の間の隙間空間(interstitial site)にも水素ガスが吸着さ
れる。
単層カーボンナノチューブは、その内部への水素の吸着を促進するため、
真空中での加熱(例えば600℃~1000℃の間の温度での加熱、一例
として700℃での加熱)によって、カーボンナノチューブの先端を開く
開端処理されたものとなり得る。このように、本発明における単層カーボ
ンナノチューブは、ガス吸着材として特に機能するように構成されたもの
となり得る。
単層カーボンナノチューブの平均直径は、例えば、0.6~10nm、好
ましくは0.8~5nm、より好ましくは0.8~3nm、例えば1.2
nm、1.9nm等となり得る。また、単層カーボンナノチューブの平均
長さは、0.5~20μm、好ましくは0.5~10μm、より好ましく
は0.5~5μmとなり得る。単層カーボンナノチューブの平均直径及び
平均長さは、走査型電子顕微鏡(SEM)で撮影して測定されたものであ
り得て、例えば、SEM像中で測定された10本~100本のカーボンナ
ノチューブについての値の平均値である。
単層カーボンナノチューブ同士は相互作用により凝集する傾向にあるため、
過度な凝集体の形成を防止するために、単層カーボンナノチューブを適切
に分散させて保持することができる単層カーボンナノチューブ分散液とし
て提供され得る。カーボンナノチューブ分散液は、単層カーボンナノチュ
ーブと、分散剤と、溶媒(例えば、水)を含む。溶媒として水を用いる場
合には、単層カーボンナノチューブ水分散液となり、その水はスラリー用
の溶媒としてもそのまま使用可能である。分散剤としては、例えば、ポリ
ビニルピロリドン(polyvinylpyrrolidone)、ポリアクリル酸ヒドラジド
(polyacrylic acid hydrazide)、ポリ‐N‐ビニル‐5‐メトキサゾリ
ドン(poly‐N‐vinyl‐5‐methoxazolidon)、N‐アルキルポリイミン
(N‐alkyl polyimine)、N‐アセチルポリイミン(N‐acetyl polyimine)
、ポリアクリルアミド(polyacrylamide)、ポリ‐L‐リジンヒドロブロ
マイド(poly‐L‐lysine hydrobromide)、ベンジル‐ドデシル‐ジメチ
ルアンモニウムクロライド(benzyl‐dodecyl‐dimethylammonium chlori
de)、ポリエチレンイミン(polyethylenimine)が挙げられ、これらのう
ち一種又は二種以上の混合物として使用され得る。分散液中の単層カーボ
ンナノチューブの含有量は、特に限定されないが、例えば、カーボンナノ
チューブ分散液の総質量を基準に0.01%~5%、好ましくは0.01
%~3%、より好ましくは0.1%~2%、さらに好ましくは0.1%~
1%、一例として0.4%等となり得る。
単層カーボンナノチューブは、スラリー中に発生する水素ガスを十分有効
に吸着することができる量で含まれ、基本的には単層カーボンナノチュー
ブの量が増えると共により多量の水素ガスを吸着することができるように
なる。負極活物質としてリチウムドープされた酸化ケイ素のみを使用する
場合、スラリー中の単層カーボンナノチューブの含有量は、スラリー中の
固形分の総質量を基準にして、例えば、0.1%~10%、0.1%~5
.0%、0.1%~2.0%となり得る。負極活物質としてリチウムドー
プされた酸化ケイ素及び黒鉛系材料の両方を使用する場合には、リチウム
ドープされた酸化ケイ素の割合が減るにつれて、発生する水素ガスの量が
減るので、それに応じてスラリー中の単層カーボンナノチューブの含有量
を減らしてもよく、スラリー中の単層カーボンナノチューブの含有量は、
スラリー中の固形分の総質量を基準にして、例えば、0.01%~1.0
%、又は0.01%~0.5%となり得る。
(導電材)
一部実施形態では、リチウムイオン二次電池用負極スラリーは導電材を更
に含んでもよい。導電材は、化学変化を誘発しない電気伝導性材料であれ
ば、特に制限されない。導電材の例としては、カーボンブラック、アセチ
レンブラック、ケッチェンブラック、デンカブラック、サーマルブラック、
チャンネルブラック、ファーネスブラック、ランプブラック等のアモルフ
ァス炭素系材料(負極活物質としての黒鉛系材料とは別途添加される炭素
系材料);アルミニウム、スズ、ビスマス、シリコン、アンチモン、ニッ
ケル、銅、チタン、バナジウム、クロム、マンガン、鉄、コバルト、亜鉛、
モリブデン、タングステン、銀、金、ランタン、ルテニウム、白金、イリ
ジウム等の金属粉末や金属繊維;酸化亜鉛、チタン酸カリウム等の導電性
ウィスカー;酸化チタン等の導電性金属酸化物;ポリアニリン、ポリチオ
フェン、ポリアセチレン、ポリピロール、ポリフェニレン誘導体等の導電
性高分子等が挙げられ、これらのうち1種又は2種以上の混合物が用いら
れ得るが、これらに限定されるものではない。
導電材の含有量は、スラリー中の固形分の総質量を基準として0.1%~
30%であり得て、好ましくは0.5%~15%であり、より好ましくは
0.5%~10%となり得る。導電材の含量が上記の範囲を満足するとき、
十分な導電性を付与することができ、負極活物質の量を減少させないため
電池容量を確保できる点で有利である。
(増粘剤)
一部実施形態では、リチウムイオン二次電池用負極スラリーは増粘剤を更
に含んでもよい。具体的に、増粘剤はセルロース系化合物であり得る。セ
ルロース系化合物としては、カルボキシメチルセルロース(CMC)、メ
チルセルロース(MC)、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、メ
チルヒドロキシプロピルセルロース(MHPC)、エチルヒドロキシエチ
ルセルロース(EHEC)、メチルエチルヒドロキシエチルセルロース(
MEHEC)等が挙げられ、これらのうちいずれか一種又は二種以上の
組み合わせが使用され得る。増粘剤の含有量は、スラリー中の固形分の
総質量を基準として、例えば0.1%~10%、0.5%~10%とな
り得る。
リチウムイオン二次電池用負極スラリーのpHは、スラリー中の各成分の
組成や量によって決まり、リチウムのようなアルカリをドープしていない
ケイ素系材料や黒鉛を活物質として用いる場合には7から8程度の中性で
ある。リチウムをドープした酸化ケイ素を活物質として用いる場合、ド
ープされるリチウムの量が増えると共にpHが増加して、10以上の高い
値を有するようになる。
[リチウムイオン二次電池用負極スラリーの製造方法]
次いで、上記リチウムイオン二次電池用負極スラリーを製造するための方
法を説明する。本発明に係るリチウムイオン二次電池用負極スラリーの製
造方法は、原材料の投入順序を特徴とし、具体的には、負極活物資として
のリチウムドープされた酸化ケイ素を製造段階のできるだけ後半において
投入することを特徴とする。これにより、製造段階の前半ではリチウムド
ープされた酸化ケイ素を欠く固形分濃度が低い状態で混錬が行われて、リ
チウムドープされた酸化ケイ素が製造段階の後半において投入されること
により、リチウムと水の反応による水素ガスの発生を極力抑制することが
できる。
一実施形態に係るリチウムイオン二次電池用負極スラリーの製造方法では、
スラリーは、負極活物質としてのリチウムドープされた酸化ケイ素と、溶
媒としての水と、バインダーと、ガス吸着材として機能する単層カーボンナ
ノチューブに加えて、更に、導電材と、粘着剤を含む。この製造方法は、
導電材と増粘剤を混合して第一混合物を形成するステップと、次いで、第
一混合物に水と単層カーボンナノチューブを投入して混錬し、第二混合物
を形成するステップと、次いで、第二混合物にリチウムドープされた酸化
ケイ素を投入して混錬し、第三混合物を形成するステップと、次いで、第
三混合物にバインダーを投入して混合し、リチウムイオン二次電池用負極
スラリーを形成するステップとを含む。
他の実施形態に係る製造方法では、スラリーは、負極活物質としてのリチ
ウムドープされた酸化ケイ素と、溶媒としての水と、バインダーと、ガス
吸着材として機能する単層カーボンナノチューブに加えて、更に、負極活
物質として黒鉛系材料と、導電材と、粘着剤を含む。この製造方法は、負
極活物質として黒鉛系材料と導電材と増粘剤を混合して第一混合物を形成
するステップと、次いで、第一混合物に水と単層カーボンナノチューブを
投入して混錬し、第二混合物を形成するステップと、次いで、第二混合物
にリチウムドープされた酸化ケイ素を投入して混錬し、第三混合物を形成
するステップと、次いで、第三混合物にバインダーを投入して混合し、リ
チウムイオン二次電池用負極スラリーを形成するステップとを含む。
増粘剤を併用しないバインダーを用いる場合には、第一混合物を形成する
ステップにおいて増粘剤の代わりにバインダーの一部を投入してもよい。
[負極の製造]
リチウムイオン二次電池用負極スラリーを負極集電体に塗布した後、乾燥
及び圧延することにより、負極集電体上に負極活物質層が形成された負極
が製造され得る。負極用スラリーの塗布の前に、塗布を容易にするため固
練り後のスラリーに溶媒を更に加えた上で、塗布を行ってもよい。
他の方法として、例えば、上記の負極用スラリーを別の支持体上にキャス
トした後、その支持体から剥離して得られたフィルムを負極集電体上にラ
ミネートすることで負極が製造されてもよい。また、その他の任意の方法
を用いて負極活物質層を負極集電体上に形成してもよい。
上記負極製造における乾燥、圧延、キャストの工程において加熱を行っても
よい。
(負極集電体)
上記負極に使用される負極集電体は、電池に化学的変化を誘発せず、かつ、
導電性を有するものであれば、特に制限されない。例えば、負極集電体と
して、銅、ステンレス鋼、アルミニウム、ニッケル、チタン、焼成炭素、
アルミニウム‐カドミウム合金、銅又はステンレス鋼の表面を表面処理し
たもの(炭素、ニッケル、チタン、銀等で表面処理される)、等が使用さ
れ得る。 負極集電体は、3μm~500μmの厚さを有し得る。負極集
電体の表面上に微細な凹凸を形成して負極活物質との接着力を高めること
もできる。負極集電体は、例えば、フィルム、シート、箔、ネット、多孔質
体、発泡体、不織布体等多様な形態を有し得る。
[リチウムイオン二次電池]
リチウムイオン二次電池は、上記負極の他に、正極、負極と正極との間に
介在するセパレータ、及び非水電解質を含む。負極以外の構成要素は、当
該分野において周知なものであるので、詳細な説明を省略する。
以下、実施例及び比較例により、本発明をより詳細に説明するが、本発明
はこれらの例に限定されるものではない。
[実施例1]
平均粒径7μmでリチウム含有量が9質量%であるリチウムドープしたS
iOの負極活物質(以下「AM」と表記)、導電材としてのカーボンブラ
ック(「CB」と表記)、ガス吸着材としての単層カーボンナノチューブ
(「SWCNT」と表記。固形分が0.4質量%の単層カーボンナノチュ
ーブ水分散液を使用)、バインダーとしてのスチレンブタジエンゴム(「
SBR」と表記)、及び、増粘剤としてのカルボキシメチルセルロース(
「CMC」と表記)をこれら固形分の質量比(AM/CB/SWCNT/
SBR/CMC)が89.0%/3.3%/0.1%/3.6%/4.0
%となるように準備した。次いで、カーボンブラックとカルボキシメチル
セルロースを混合し、単層カーボンナノチューブ水分散液と水を投入して
十分に混錬し、これにリチウムドープされたSiOを投入して混錬した。
最後にスチレンブタジエンゴムを投入して混合することによって、リチウ
ムイオン二次電池用負極スラリーを製造した。このときスラリーのpHは
12.5であった。
- 中 略 -
[実験例:ガス発生量の経時変化の測定]
実施例1~9、比較例1~3で製造したリチウムイオン二次電池用負極ス
ラリーをそれぞれ10グラム計量し、アルミニウムラミネート製のポーチに
入れて減圧密封し、アルキメデス法により体積を測定した。その後24時
間毎に一週間にわたって同じ方法で体積を測定した。実施例1~5及び比
較例1の測定結果を以下の表1及び図1に示し、実施例6~9及び比較例
2、3の測定結果を以下の表2、図2及び図3に示す。
図2.水素ガス発生量の経時変化を示すグラフ
図3.水素ガス発生量の経時変化を示すグラフ
【表1】
【表2】
表1、表2、図1、図2、図3に示されるように、単層カーボンナノチ
ューブを用いていない比較例1及び比較例2と比較して、実施例1~9
においては体積の増加変化が顕著に抑制されており、これは、発生した
水素ガスがスラリー中の単層カーボンナノチューブに吸着されているこ
とを実証している。また、実施例1~5をそれぞれ比較し、同様に実施
例6~9をそれぞれ比較すると、単層カーボンナノチューブの量が増え
るほど、体積の増加変化がより抑制され、つまりは、より多量の水素ガ
スが吸着されていることが実証されている。
図3に示されるように実施例8と比較例3を比較すると、また、スラリ
ー作成時に、リチウムドープした酸化ケイ素を黒鉛やカーボンブラック
とともに最初に投入して混練した比較例3では、スラリー中にリチウム
ドープした酸化ケイ素が存在する時間が長くなるとともに、固形分濃度
が高い状態で混練すると酸化ケイ素の表面が物理的にダメージを受けて
粒子内のリチウムが溶出しやすくなり、ガス発生量が多くなっている。
したがって、実施例8のようにリチウムドープした酸化ケイ素は固形分
濃度が高い状態の混練が終了したのちに、固形分濃度が低い状態で投入
し、表面のダメージを受けることなく短時間で混練することによりガス
発生を抑制することが可能となることが実証されている。
この項了
わたしは何なの ⑩
ここでは、アルゴリズミカルな人類社会を人工知能(AI)の脅威を描いた
SF映画より考察してみよう。
AI vs.人類の壮絶戦争映画『ザ・クリエイター』
2023年度注目映画の一つである、ジョン・デヴィッド・ワシントン主演の
SF映画『ザ・クリエイター』の予告編が解禁。
人類のために誕生したはずのAI(人工知能)が、ロサンゼルスに核弾頭を
投下してから10年後…。
人類とAIの間で起きた核戦争によって、世界は荒廃の地と化していた。妻
・マヤの失踪に打ちひしがれる元特殊部隊員ジョシュア(ジョン・デヴィ
ッド・ワシントン)は、「クリエイター(創造主)」と呼ばれる人物を追い
詰めて殺害するという任務にスカウトされる。クリエーターとは、戦争と
人類を終わらせるという謎の兵器を開発したAIの設計者であり、ジョシュ
アは精鋭工作員たちで組まれたチームと共にAIが占領した地域へ向かうこ
とになる。しかし、そこでジョシュアが目にしたのは、見た目が人間の子
供で「アルフィー」と呼ばれるロボットだった。
果たしてジョシュアは無事に任務を完了させ、この悲惨な戦争を終わらせ
ることが出来るのか?
AIと人類、どちらに勝利の女神が微笑むのか…?
壮絶な戦いが今、始まろうとしている――。
風蕭々と碧い時
John Lennon Imagine
アルバム『終わりなきこの愛』 2019年4月24日
夢の中のウエディング
MARIAGE D'AMOUR
RICHARD CLAYDERMAN