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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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AIとPORTER

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝
えられる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の
軍団編成の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ<



PORTER(黒麦酒・彦根麦酒株式会社)と無花果のタルト(アンデケン彦根
店)を頂く。驚く程のベストマッチ(勿論、ピザも合う)。


   


【再エネ革命渦論 185 アフターコロナ時代 185】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
   特異点真っ直中 ㊿+⑯


AIでX線自由電子レーザー(SACLA)の輝度を大幅増
人による調整では到達できない性能を実現 
10月27日、理化学研究所(理研)は,人工知能(AI)を用いてX線自由電子
レーザー(XFEL)施設「SACLA」のビーム調整を自動的に行なうことにより
輝度を大幅に向上させることに成功。
【概要】
SACLAは2012年の共用開始以降さまざまな利用実験にXFELを提供し、数多くの
研究成果が創出されている。同じXFELを用いる実験であっても、重要となる
X線のパラメータは異なる。例えば、原子レベルのイメージングを行う回折実
験では単純な(積分)レーザー強度が実験の精度を決定するが、物質の機能
や性能を調べる分光実験では使用する中心波長におけるレーザー強度(スペ
クトル輝度)が重要となる。今回、新たに導入した高分解能スペクトロメー
タを用いて、AIによるスペクトル輝度の自動調整に挑みた。 SACLAでは高度
化の一環として、利用機会拡大を目指した複数ビームラインの高速振り分け
運転[4]、注2)や、SACLAから大型放射光施設「SPring-8」への電子ビーム
入射によるグリーン化などを進めてきました。一方で、これらの高度化によ
り加速器の制御や調整はこれまで以上に高度で複雑なものとなりました。共
同研究グループでは、複雑化する運転に対して、AIの一つである機械学習手
法を用いた自動調整を開発することでビーム調整の合理化、効率化を進めて
きました。

図1.AIを用いたレーザー強度の自動調整の例
SACLA立ち上げ直後のXFEL調整の例。16時前からの波線内がAIによる自動調整。
これまで何時間もかかっていた調整が1時間ほどでできるようになった。

【成果】
SACLAではSASE(自己増幅自発放射)方式[7]という手法を用いてXFELを発生
している。この方式では、電子ビームを加速するとともに、電子密度が高い
"小さな"ビームにする必要がある。具体的にはまず、最上流の熱電子銃から
放出される超低エミッタンスビームを、その超低エミッタンスを保ちながら
入射部の7種類の大電力高周波のタイミングとバンチ圧縮器を用いて進行方向
(時間方向)に約100万分の1倍に圧縮し、数フェムト秒(1フェムト秒は
1,000兆分の1秒)程度の電子ビームを生成。その他、電子ビーム収束系のマ
ッチングやアンジュレータ]での電子ビームとX線の重なりなど多数のパラメ
ータを適切に調整することで、大強度のXFELが得られる。この複雑な多数の
パラメータの最適化に対して、本研究ではAI、機械学習手法の一つであるガ
ウス過程回帰を用いたベイズ最適化による自動調整システムを開発、構築し
た(図1)。
スペクトル輝度の最適化を目的としたビーム調整のために、新開発の高分解
能スペクトロメータを導入しました。例えば、光子エネルギー10keVのXFELの
典型的なスペクトル幅(半値全幅[13])はおよそ40eVですが、ビーム調整に
利用可能なリアルタイム型のスペクトロメータの分解能はこれまでおよそ
100eVでした。新開発の高分解能スペクトロメータは数eVの分解能を持ち、
十分な精度でリアルタイムにXFELのスペクトル幅を測定することができる
(図2)。



図2 新旧のスペクトロメータで得られたX線スペクトル 黒三角が既設、
赤丸が新設されたスペクトロメータ。新スペクトロメータの分解能は数eVと
高性能なため、XFELの通常のバンド幅約40eVが適切に測定できている。

この新設のスペクトロメータを用いて、XFELパルスごとのスペクトル幅、お
よび、中心波長の変動幅を測定することにより実効的なスペクトル幅を計算し、
レーザー強度との比をスペクトル輝度と定義しました。このスペクトル輝度
を、前述のAIを用いた自動調整システムで最適化を行った結果が図3です。自
動調整により、ピーク波長におけるスペクトル輝度を約1.7倍と大幅に増大
することに成功。  


図3 調整前後のX線自由電子レーザーの平均スペクトル
黒が調整前、赤が調整後。AIを用いたスペクトル輝度の自動調整により、ピ
ーク波長でのスペクトル輝度は1.7倍改善した。

【展望】
今回開発したAIを用いた自動調整技術は、多数のパラメータから成る複雑な
加速器を効率的に調整・運転することができる技術です。本件では新開発の
高分解能スペクトロメータを導入して適切な性能指標の最適化に応用した。
今後、電子ビームのサイズや形状、バンチ長(進行方向の長さ)など、適切
な性能指標を用意することで、さまざまな電子ビームやXFELに合わせた最適
化が可能となることが期待される。また近年、著しく発展するAI、機械学習
などの新手法を、今回開発した自動調整フレームワークに導入することでさ
らに高い性能をより効率的に最適化できるようになることが期待される。
【掲載記事】
・"Spectral-brightness optimization of an X-ray free-electron laser by machine-learning-
  based tuning", Journal of Synchrotron Radiation,
・  10.1107/S1600577523007737

どこでもいつでも無線で電⼒伝送可能な技術
新たなメタサーフェスの実現と無線電⼒伝送技術への有効性の確⽴
10月26日、九州大学の研究グループは,新たなメタサーフェスを開発し,小型化さ
れた無線電力伝送(WPT)システムに導入することで,元の伝送効率を維持しなが
ら,最大300%まで伝送距離を向上させることに成功する。

【要点】
1.従来型無線電⼒伝送システムには伝送効率、伝送距離、ミスアラインメントで電
 ⼒伝送ができない問題がある
2.新たなメタサーフェスを開発し、それらを⽤いて 磁場の制御に成功
3.タブレット、携帯などを机に置くだけで充電可能な技術である


【概要】
スマートフォンや医療機器などの⼩型デバイスの普及に伴い、充電の⽅法が有線
から無線へと移⾏している。このようなシステムでは、無線電⼒伝送(※1)が不可⽋
だが、WPT システムを⼩型化することで電⼒伝送効率が低下し、遠距離での電⼒
伝送に制約が⽣じる。また、受信機と送信機の位置のずれにより、電⼒伝送が妨
げられる問題も存在しました。本研究では、新たなメタサーフェス(※2)を開発し、⼩
型化されたWPT システムに導⼊することで、元の伝送効率を維持しながら、最⼤
300%まで伝送距離を向上させることに成功。
具体的には、メタサーフェスを導⼊する前の40mm の伝送距離での伝送効率が8%
だったものが、メタサーフェスを応⽤することで78%まで向上しました。さらに、受信
機と送信機の位置ずれによるミスアラインメント(※3)の問題も、開発したメタサーフ
ェスの応⽤により⼤幅に改善されました。このような新たなWPT システムの性能向
上は、当該分野においては画期的な成果となりました。 九州⼤学⼤学院システム
情報科学研究院Ramesh Pokharel(ポカレル ラメシュ)教授のグループと共同研究
者のMohamed Aboualalaa(モハメド アブアララー)外国⼈特別研究員が、メタサーフ
ェスの設計を⾏い、無線電⼒伝送システムの送信器と受信器の間の磁場を制御す
ることにより、無線電⼒伝送距離およびミスアラインメント問題が解決されることを明
らかにした。
【掲載論文】
・IEEE Transactions on Instrumentation and Measurement 
Reliable Multiple Cascaded Resonators WPT System Using Stacked Split-ring Meta
 material Passive Relays

・DOI:10.1109/TIM.2023.3324672

低毒な太陽電池材料の短時間探索装置を開発
10月25日、大阪大学の研究グループは,協働ロボットを用いた自動評価装置で有
毒元素を含まない次世代太陽電池材料をスピーディーに探索し,その性能向上に
成功。
【概要】
ペロブスカイト太陽電池は実用化に近づいているが,有毒元素である鉛を含むとい
う課題がある。一方で,比較的低毒なビスマスやアンチモンといった元素から構成
される次世代太陽電池の開発も進められている。 しかし,その溶液塗布プロセスで
は元素組成,添加剤,熱処理温度など多くのプロセスパラメータを検討する必要が
あり,加えて太陽電池素子作製には多くの時間とコストがかかるため,研究開発は
あまりすすんでいなかった。 そこで研究グループは,協働ロボットを用いた自動評
価装置を独自開発し,大幅な測定時間の短縮(従来比約1/6)と高精度化(従来比
5倍)に成功した。この装置はマイクロ波伝導度測定に加え,太陽電池薄膜の物性
として重要な光吸収と発光スペクトルの測定,および薄膜表面の形態を観察できる
光学顕微鏡測定も組み込んだ。

図2. (a) 自動測定システムの概略図。(b)自動測定で得られた光物性(光吸
収、発光)、マイクロ波伝導度および光学顕微鏡写真の例。


図3. (a) 作製したCs-Bi-Sb-I太陽電池薄膜(石英基板上に塗布で作製)の写
真(約500枚)。(b)比較対象と新プロセスの変換効率の比較

【成果】
測定した光学顕微鏡写真は,濃淡のヒストグラム解析,高速フーリエ変換解析,粒
子解析などを自動的に行なうことで,1つの薄膜試料から多くの高精度で均一な実
験データを取得できる。 この自動評価装置を用いて,セシウム・ビスマス・アンチモ
ン・ヨウ素(Cs-Bi-Sb-I)からなる非鉛太陽電池の組成,添加剤,熱処理温度を検討
した。

12種類の組成比,4種類の添加剤,3種類の添加剤濃度,および4種類の熱処理
温度の組み合わせで576条件(=12×4×3×4)の薄膜試料を作製した。 自動測定の
結果を基に,このうち40条件の太陽電池を作製して変換効率を評価したところ,添
加剤なしで低い熱処理温度で作製した比較対象の素子の変換効率0.35%を,新た
に探索した材料プロセス条件で2.36%へと向上した。 さらに,得られた太陽電池変
換効率と自動化測定データを機械学習と統計解析で検討した結果,マイクロ波伝
導度の信号と光学顕微鏡で得られた濃淡ヒストグラムの標準偏差が,高効率材料
プロセスを探索する指針となることを見出した。 実際,高効率な鉛ペロブスカイト太
陽電池薄膜を自動評価したところ,この探索指針と合致することが分かり,提案し
たモデルの妥当性を実証したとする。 今回得られた変換効率2.36%は,元素の種
類を変えたり,溶液プロセスをより広く探索することで,さらに高効率化できる余地
を多く残している。

【掲載論文】
タイトル:“Exploration of Solution-Processed Bi/Sb Solar Cells by Automated Robotic
Experiments Equipped with Microwave Conductivity”
著者名:Chisato Nishikawa, Ryosuke Nishikubo, Fumitaka Ishiwari and Akinori Saeki
DOI:https://doi.org/10.1021/jacsau.3c00519

【今夜の一冊:プラズモニクス―基礎と応用】



基礎から応用までをまとめた入門的専門書。これから研究を始める人も、すでに
研究をしている人も、プラズモニクス研究のバイブルとしてぜひ1冊。

1.はじめに
2.表面プラズモンとは
3.平面波とエバネッセント波
4.金属の誘電率
5.伝搬型表面プラズモン
6.局在型表面プラズモン
7.プラズモニック結晶
8.数値計算法
9.プラズモニクスの化学・生物・材料科学への応用
10.エレクトロニクスへの応用
11.メタマテリアルと超解像

【今夜最新作:村上春樹】

 Part 1 Chapter 11

    ぼくらは地下鉄の駅近くの、小さな公園で待ち合わせている。前にも
 何度か待ち合わせたことのある場所だ。小さな子供たちのためのいくつ
 かの遊具があり、水飲み揚があり、藤棚の下にベンチがある。ぼくはそ
 のベンチに座ってきみを待つ。しかし約束の時刻になってもきみは現れ
 ない。それは珍しいことだ。きみはそれまでコ院も遅刻したことがなか
 ったから。というか、きみはいつだってぼくより早く待ち合わせの場所
 に来ていた。ぼくが約束の時刻より三十分早くそこに行くと、きみは既
 にそこでぼくを待っていた。
  「いつもそんなに早く来るの?」と尋ねたことがある。
  約束の時刻より四十分遅れてきみは姿を見せる。そして何も言わずに、
 ベンチのぼくの隣に腰を下ろす。遅れてごめんねとか、そんなことも一
 切口にしない。ぼくも何も言わない。ぼくらは口を閉ざしたままそこに
 並んで座っている。小さな女の子が二人、ブランコに乗っている。どち
 らが大きくブランコを漕げるか競っている。きみの息遣いはまだ荒く、
 額にうっすらと汗も浮かんでいる。たぶんここまで走ってきたのだろう。
 呼吸をするたびに、胸が盛り上がったり引っ込んだりする。
  きみは丸襟の白いブラウスを着ている。ぼくが電車の中で思い浮かべ
  たのとほぼ同じ、飾りのないシンプルなブラウスだ。そこにはぼくがさ
  っき(想像の中で)外したのと同じような小さな ボタンがついている。
 そして紺色のスカートをはいている。ぼくが先 べた思い浮かべたものと
  違う者のさこそ少しばかり違うものの、おおよそ同じ見かけの紺のスカ
 ートだ。きみがぼくの想像したのと----妄想したという方が近いだろう
 か----ほとんど同じ服装をしていることにぼくは驚き、言葉を失ってし
 まう。そして同時にやましさのようなものを感じずにはいられない。で
 もそれ以上のことを思い浮かべないようにぼくは努力する。いずれにせ
 よ、簡素な白いブラウスと無地の紺色のスカートという身なりのきみは、
 日曜日の公園のベンチでまぶしく美しく見える。

 「あなたが来るのをこうして一人で待っているのが、なにより楽しいの」
 ときみは言う。
 「待っていることが?」
 「そうよ」
 「ぼくと会うことそのものより?」
 きみはにっこり笑う。でもその質問には答えない。ただこう言うだけだ。
 「だって、こうして待っているあいだは、これからなにが起こるか、こ
 れからなにをするか、可能性は無限に聞かれているもの。そうでしょ?」
  そのとおりかもしれない。実際に会ってしまえば、そんな無限の可能
 性は避けがたく、ひとつきりの現実に置き換えられていく。きみにはそ
 れがつらいのだろう。きみの言おうとすることは、理解できる。しかし
 ぼく自身はそんな風には考えない。だって可能性はただの可能性に過ぎ
 ない。
  実際にきみの隣にいて、きみの身体の温かみを肌に感じ、手を握った
 り、物陰でこっそり口づけしたりすることの方がずっと良い。
  でも約束の時刻から三十分経過しても、まだきみは姿を見せない。ぼ
 くは腕時計の針にひっきりなしに目をやりながら、不安に襲われる。き
 みの身に何か普通ではないことが起こったのではあるまいか? 心臓が
 乾燥した不吉な音を立てる。きみは急な病に倒れたか、それとも交通事
 故に遭ったかしたのだろうか? きみが救急車で病院に運ばれていくと
 ころを想像する。救急車のサイレンに耳を澄ませる。      ,
  あるいはきみは、ぼくがその朝の電車の中できみについて性的な想像
 に耽っていたことをどのようにしてか見当はつかないがI察知し、そん
 なみっともない真似をするぼくにもう会い


風蕭々と碧い時












IMAGINE John Lennon 

● 今夜の寸評:


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