彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。
Anytime Anywhere ¥1/kWh era
【再エネ革命渦論 195 アフターコロナ時代 185】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
Power Delivery(PD) 対応・小型で高性能な充電器
通常、充電器(battery charger)とは、二次電池を充電するために使用する機器で
化学電池のうち、使用後に外部から電力を供給する事によって逆反応を起こし、
使用する前の状態に復帰する事が可能なものを二次電池と呼び、この操作を二次
電池の充電と呼ぶ。その充電をするための装置のこと。 二次電池の種類ごとに異
なった充電器がある。 その構造はさまざまで、単純な例では、たとえば自動車の
バッテリー用の充電器は、変圧器と整流器と電流計成り立つている。最近のリチ
ウムイオン二次電池用の充電器では、商用電源から充電用の直流電力を作り出す
電源装置と、電池の充電を制御する充電制御回路からな構成されているが、スマ
ートフォン向けの急速充電器市販されている。
また、現在,市販されているEV には2つの充電方法があり、普通充電は,家庭用
電源のコンセントから100Vまたは200Vで充電するもので,EVの電池容量により12
時間~ 24時間程度の充電時間を要する。急速充電は,専用の急速 充電器でEVの
電池に直流で充電する方法で,50kW出力の急速充電器では5分間で40km程度、10
分間で60km 程度の走行分が充電できる(2011年時点)。そもそも「急速充電」の
定義は定まっておらず、適用装置・機種・業種で変わり、そもそも、急速充電と
普通充電は「おもな利用タイミング」が違っている。EVの充電を充電器の設置場
所で分類すると、自宅で行う「家充電」と、外出先で行う「外充電」の2種類に
分けられ、急速充電器には規格があり、代表的な規格は世界で4種類です。この
うち世界96カ国でおよそ5万基2)の充電器が設置されている国際規格が「CHAde
MO(チャデモ)方式」。このほかの規格としては、中国が主体となっている「
GB/T方式」や欧米主導の「CCS」、テスラ社の独自充電規格「スーパーチャージャ
ー」などがある。日本ではCHAdeMO方式が採用されており、さまざまな充電器メー
カーからCHAdeMO方式に対応している充電器が発売されている。
ところで、ここででは、"RE100エネルギー" を電源として、分散した様々な電気
器機装置・部品(パワーデバイス)に超高性能な急速充電器を接続する実現可能
な持続可能な事業を構想をする。それはさておき、高出力で電力をデバイスに供
給できる充電器。特に、USB Type-CポートはUSB PDに対応するさまざまなスマー
トフォンの急速充電に利用できる。
窒化物半導体エピタキシャルウェハとは
窒化物半導体を用いたパワーデバイスは、これからの低炭素社会を支えるグリー
ンデバイスとして期待されている。NTT-ATは窒化物半導体エピタキシャルウエ
ハの製造技術により、省エネルギー化の早期実現に貢献する窒化ガリウム(GaN
)に代表される窒化物半導体は、現在広く用いられているSiパワーデバイスの限
界を超えた高出力、高耐圧、高周波、低損失の動作が可能な次世代パワーデバイ
スとして大きく期待されている。
例えば、シリコン(Si)、サファイア(Al2O3)、シリコンカーバイト(SiC)、
窒化ガリウム(GaN)基板上に結晶成長する技術を有しており、窒化物系に使われ
るすべての基板に対応できます。複数の基板種を用いた開発検討を併行して進め
られ、大切な時間を無駄にしない。 適用例 USB小型急速充電器/ LED街路灯/携
帯基地局用パワーデバイス/ 車載用パワーデバイス/ 家電用パワーデバイス/
耐環境デバイス
電子機器を持ち歩くとなると、どうしても給電・充電が必要です。しかし、機器
ごとに異なるACアダプターを持ち歩くとなると、重いし荷物も多くなってしまう。
通勤や旅行などで、困ったことはありませんか? そんなお悩みを解決するのがNT
T-ATの次世代半導体技術の窒化ガリウム(GaN)エピタキシャルウェハ製FETを搭載
した小型急速充電器。USBポートに対応しており、この1台で、スマートフォン・
タブレット端末・ノートパソコンなどを素早く充電可能。ノートパソコンの充電
には、ノートパソコンが Power Delivery(PD) 対応であることが必要。 スイッチ
部にNTT-ATのGaN技術を採用、従来のシリコン充電器に比較しエネルギー効率に優
れ、高出力を維持したまま小型軽量化を実現した。窒化ガリウムに代表される窒化
物半導体は、これからの低炭素社会を支えるグリーンデバイスとしてとして、大き
く期待されている。
【関連特許事例】
特開2020-17551 株式会社エネルギー応用技術研究所 他
【概要】
図1のごとく、急速充電制御手段が備えるパワー半導体23は、サファイア基板
23aと、サファイア基板上に形成された窒化ガリウムパワートランジスタ23
1とを備えており、窒化ガリウムパワートランジスタ231の素子外面には、急
速充電制御手段における電力変換によって生ずる熱を放出させる放熱手段232
が接合されることで、急速充電器を著しく小型化することが可能な蓄電モジュー
ルおよびこの蓄電モジュールを急速充電するための蓄電モジュール急速充電シス
テムを提供する。
図1、本発明の実施の形態1に係わる蓄電モジュールの概要を示す配線図
【符号の説明】
1 蓄電モジュール 1A 蓄電モジュール(電気自動車用蓄電モジュール) 1B
蓄電モジュール(パーソナルコンピュータ用蓄電モジュール) 1C 蓄電モジュ
ール(スマートフォン用蓄電モジュール) 1D 蓄電モジュール(電動工具用蓄
電モジュール) 1E 蓄電モジュール(携帯用蓄電モジュール) 2A 蓄電モジ
ュール急速充電システム(電気自動車急速充電システム) 2B 蓄電モジュール
急速充電システム(パソコン急速充電システム) 2C 蓄電モジュール急速充電
システム(スマートフォン急速充電システム) 2D 蓄電モジュール急速充電シ
ステム(電動工具急速充電システム) 2E 蓄電モジュール急速充電システム(
携帯用蓄電装置急速充電システム) 2F 蓄電モジュール急速充電システム 10
第1の蓄電手段 20 第1の急速充電制御手段 23 パワー半導体 231 窒化
ガリウムパワートランジスタ 23a サファイア基板 232 放熱手段 26 人
工知能 30 冷却ユニット 40A 電力貯蔵装置(電気自動車の急速充電用電力
貯蔵装置) 40B 電力貯蔵装置(電気機器の急速充電用電力貯蔵装置) 42
第2の蓄電手段 50 車両(電動式移動体) 60 パーソナルコンピュータ(通
信用移動体) 70 スマートフォン(通信用移動体) 80 電動工具 90 電気
機器 90A 空調服
【特許請求範囲】
【請求項1】 第1の蓄電手段と、 電力変換用のパワー半導体を有し、外部から
供給される電力に対して電力変換を行って前記第1の蓄電手段の急速充電を行う
第1の急速充電制御手段と、 を備えた蓄電モジュールであって、 前記パワー半
導体は、サファイア基板と、前記サファイア基板上に形成された窒化ガリウムパ
ワートランジスタとを備え、前記窒化ガリウムパワートランジスタの素子外面に
は、前記第1の急速充電制御手段における電力変換によって生ずる熱を放出させ
る放熱手段が接合されている、蓄電モジュール。
【請求項2】 前記パワー半導体は、分極超接合を採用したパワー半導体である、
請求項1に記載の蓄電モジュール。 【請求項3】 前記放熱手段は、前記窒化ガ
リウムパワートランジスタの素子外面におけるソース領域とドレーン領域の少な
くともいずれかに接続され、前記サファイア基板に対して遠ざかる方向に延びて
いる、請求項1または2に記載の蓄電モジュール。
【請求項4】 前記第1の急速充電制御手段は、前記第1の蓄電手段との一体設計
によって前記第1の蓄電手段の充電特性を考慮した急速充電のための電圧および
電流の制御が可能であるように構成されている、請求項1ないし3のいずれか
1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項5】 前記第1の蓄電手段は、少なくともリチウムイオン電池と、電気二
重層キャパシタと、リチウムイオンキャパシタのいずれかを含む、請求項1ない
し4のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項6】 前記第1の急速充電制御手段は、前記第1の蓄電手段の充電履歴に
基づき前記第1の蓄電手段の充電条件を最適に制御する人工知能を有している、
請求項1ないし5のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項7】 前記第1の蓄電手段と前記第1の急速充電制御手段は、少なくと
も車両を含む電動式移動体または携帯電話器を含む通信用移動体に組込まれるよ
うに構成されている、請求項1ないし6のいずれか1項に記載の蓄電モジュール。
【請求項8】 前記第1の蓄電手段から出力される直流電力の電圧を調整して出
力する電力変換器をさらに備える、請求項1ないし7のいずれか1項に記載の蓄
電モジュール。
【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか1項に記載の蓄電モジュールと、前
記蓄電モジュールと電気的に接続可能な第2の蓄電手段を有する電力貯蔵装置で
あって、前記蓄電モジュールが接続された状態では前記第2の蓄電手段から前記
蓄電モジュールへの電力供給が可能なように構成されている電力貯蔵装置と、を
備えた蓄電モジュール急速充電システム。
【請求項10】 前記電力貯蔵装置の前記第2の蓄電手段は、前記第1の蓄電手
段よりも蓄電容量が大であり、前記第2の蓄電手段から出力される直流電力に
よって複数の前記蓄電モジュールを同時に充電することが可能である、請求項9
に記載の蓄電モジュール急速充電システム。
【請求項11】 前記電力貯蔵装置に貯蔵される電力は、再生可能エネルギーに
よって発電された電力である、請求項9または10に記載の蓄電モジュール急速
充電システム。
※ 電源のワイヤレス送受電システムの分散信用によるこの種の事業は「SDGs」
として全国・世界展開されることが約束されている。
SDGs事業に欠かせないもう1つの新興技術
光バイオ触媒でアンモニアと水素を同時合成
11月12日、九州大学グループは,従来のシアノバクテリアの生体機能の一部の代
謝系を,光触媒を用いて代替することと,生成したアンモニアの代謝を抑止するこ
とにより,常温,常圧下で窒素と水からアンモニアと水素の合成に成功。
【要点】
1.肥料の合成やグリーン⽔素の輸送媒体としてアンモニアが期待されているが
アンモニアの 合成時に厳しい反応条件下での合成となり、多くのCO₂の発⽣を
伴う。⼀⽅で、バイオ触媒 では温和な条件で合成できるが、⽣成速度が遅い。
2.当該研究では⽣体触媒の機能の⼀部を光触媒と電⼦伝達系を組み合わせるこ
とで、改善し、 光バイオ触媒による常温常圧での窒素と⽔からアンモニアと
⽔素の合成に成功した。
3今回の成果は、再⽣可能エネルギーの普及に貢献し、カーボンニュートラル・
エネルギー社 会の実現に寄与するとともに、⾷糧⽣産に必要不可⽋な肥料の
価格の低下などに寄与し、持 続可能な社会の実現に貢献できる。
【概要】
アンモニアは肥料や工業原料として広く使われる有用な化学薬品で,近年はグリ
ーン水素の運搬の媒体としても期待されているが,400℃,200気圧以上という高
温,高圧下で,窒素と水素を用いて合成されており,エネルギー多消費のプロセ
スだった。 一方で,ニトロゲナーゼという酵素では,常温,常圧下で空気中の窒
素を活性化し,アデノシン三リン酸(ATP)をエネルギー源として水からアンモニ
アを合成するが,反応速度が非常に遅く,⻑時間の反応を⾏なうことができない。
今回,無機光触媒としてのチタニア(TiO2)と電子伝達系としてのメチルビオロ
ゲン(MV)を用いて,光触媒の光励起で発生した電子を,MVを通してシアノバク
テリアというバクテリアの細胞内のニトロゲナーゼに直接,伝達することで,大
気中の窒素と水から従来の生体システムに比べ82倍という高い速度で,常温,常
圧下において水素とアンモニアの合成を行なうことができることを見出した。
この生成速度は,従来の報告と比べても40倍以上の生成速度になる。さらに,シ
アノバクテリアの培養条件を最適化し,ニトロゲナーゼを含むヘテロシスト細胞
を増加させたことで,比較的,早い反応速度でのアンモニアと水素の合成を実現
することができた。 今回は,シアノバクテリアという生きている細胞内の酵素へ
,光触媒で発生した電子を直接,MVの電子伝達系を用いて伝達することで,100
時間以上の長期にわたり反応を行なうことができた。新しいアンモニアと水素の
人工光合成の手法として期待される。
【展望】
今後は,アンモニアの生成速度をさらに向上させることを目的に,他のタイプの
ニトロゲナーゼの応用と長期安定性の向上,電子伝達系の高速化,無機光触媒の
可視光応答化による太陽光エネルギー変換効率の向上などを行なうとしている。
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【⽤語解説】
(※1) ニトロゲナーゼ リゾビウム (Rhizobium) 属(根粒菌)など窒素固定を⾏
う細菌が持っている酵素。⼤気中の窒素をアン モニアに変換する反応を触媒する。
N2 + 8H+ + 8e- + 16 ATP → 2NH3 + H2 + 16ADP + 16Pi 極めて酸素に弱く、酸
素に触れると数分間で不可逆的に失活する。そのため、本酵素を有する⽣物には
それぞれ空気中の酸素からニトロゲナーゼを隔離する機構が⾒られる。
(※2) シアノバクテリア 酸素を発⽣する光合成(酸素発⽣型光合成)を⾏う原核
⽣物。 酸素発⽣型光合成は、植物の光合成と基 本的に同じものである。 シアノ
バクテリアの祖先は30〜25 億年前に地球上に出現し、初めて酸素発⽣ 型光合成
を始めた。
(※3)光触媒 光を照射することにより触媒作⽤を⽰す物質の総称。TiO2 などが
代表的な光触媒で、光により、電荷分 離した電⼦とホールによる還元および酸化
反応を⾏う。
(※4) アンモニア 分⼦式が NH3 で表される無機化合物。常圧では無⾊の気体
で、特有の強い刺激臭を持つ。 ⽔に良く溶けるため、⽔溶液(アンモニア⽔)
として使⽤されることも多く、化学⼯業では基礎的な窒 素源として重要である。
歴史の複雑さとは何か
後期19世紀 - 1920:
起源 1920 - 1948:イギリスによるパレスチナの委任統治
「パンとワイン」紛争 パレスチナ分割
1948 - 1967:中東戦争
1967 - 1993:第一次インティファーダ
1993 - 2000:オスロ和平プロセス
2000 - 2005:第二次インティファーダ
2005 - 2008:アッバース時代のはじまり
2008 - 2009:ガザ紛争
2010 - 2017:パレスチナ側の手詰まりと米トランプ政権発足
2018 - 2021:「繁栄に至る平和」と「アブラハム合意」
2018年1月3日、米国のトランプ大統領はTwitterで「(和平)協議の一番難しい
部分のエルサレムを議題から外した。だが、パレスチナ人には和平を協議する意
志がない。今後、膨大な支援額を支払う理由などあるだろうか」と、パレスチナ
に対する報復を示唆した[121]。
1月14日、パレスチナのアッバース大統領はファタハ中央委員会で演説し、「トラ
ンプ大統領の和平案は『世紀のびんた』だ」と非難した。アラビア語で「合意案」
と「びんた」の発音が似ていることから来た表現で、それほど侮辱的な内容とい
う意味である[122][123]。
1月16日、アメリカ合衆国国務省は、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)
に対して1月上旬に支払う予定だった拠出金1億2500万ドル(約138億円)のうち
6500万ドルを凍結すると発表した。国務省のナウアート報道官は「(凍結は)誰
かを罰することを狙ったものではない」「UNRWAの資金が最善の使い方をされて
いるか確認する必要がある」と主張した[124]。
3月、イスラエルのテレビ局『Channel 10 News』によると、サウジアラビアのム
ハンマド皇太子はニューヨークのユダヤ人指導者との会合に出席し、パレスチナ
に対して「(米国の)和平案の受け入れを開始するか、"黙っている "べき」と
の見解を示した。また、「過去40年間、パレスチナ指導者は何度も何度も機会を
逃し、与えられたすべての申し出を拒否してきた」と非難し、パレスチナ問題よ
りもイラン対策の方が緊急の課題であるとの見解を示した[125]。この発言は、前
年12月の『ニューヨーク・タイムズ』の報道を裏付ける内容で、アラブの指導者
がイスラエル寄りに舵を切ったことを示していた[126]。
3月30日、ガザ地区で、パレスチナ難民の帰還を求める大規模なデモが行われた。
数万の群衆がイスラエル軍と衝突し、パレスチナ側は少なくとも16人が殺害され
た。イスラエル軍は、パレスチナ側が先に発砲したと主張した[127]。
4月15日、アラブ連盟は、イスラエルによるエルサレムの首都宣言を「無効で違
法」と批判した。しかし、米国の名指しは避け、具体的な制裁なども決議されな
かった[128]。
5月9日、イスラエル国防軍は「ユダヤ・サマリア[注 9]」に命令1797を布告した[
129]。これは、イスラエル軍が「違法」と判断した新築建造物(未完成または竣
工6ヶ月以内または居住30日以内の建造物)を、従来の司法手続きを省略して、
96時間以内に異議申立が無ければ一方的に破壊できる内容である。軍律自体は、
ユダヤ人入植者も対象となるが、パレスチナ人住民の建築許可が困難な現状で、
パレスチナ人を主要な標的にした内容であると『ハアレツ』のアミラ・ハス記者
は指摘した[130]。
5月14日、米国は在イスラエル大使館をエルサレムに移転した[131]。ガザ地区で
はパレスチナ人による大規模な抗議集会が暴動に発展し、イスラエル軍が発砲し
た。パレスチナ側によると、5月15日時点で55人が殺害され、約2700人が負傷し
た[132]。
5月18日までに、パレスチナ側の死者は61人にのぼり(3月30日 - 5月13日の死者
を含めると、118人)[133]、2014年のガザ侵攻以来、1度の衝突では最多の死者と
なった。 パレスチナのアッバース大統領は、「本日またしても、我が民に対する
虐殺が続く」とイスラエルを非難し、3日間の服喪を発表した。国連のフセイン
人権高等弁務官は、「イスラエルの発砲で何十人が死亡し、数百人が負傷したの
は、衝撃的だ」と、「甚だしい人権侵害」を非難した。一方、イスラエルのネタ
ニヤフ首相は「テロ組織ハマスは、イスラエル破壊の意図を宣言し、この目的達
成のため国境フェンス突破を目指して何千人を送り込んでいる。我々は自分たち
の主権と市民を守るため、引き続き断固たる行動をとる」と主張した。米ホワイ
トハウスのラージ・シャー報道官は、「大勢が悲劇的に死亡した責任のすべては
、ハマスにある」とイスラエル支持を表明した。クウェートは、国連安保理での調
査を要求したが、米国の反対で採決はできなかった。
6月16日、イスラエル国防軍は、ガザ地区から風船爆弾(正確には「風船焼夷弾」
)を飛ばした集団を攻撃したと発表した。ガザ地区を実効支配するハマースの治
安当局によると、ドローン(小型無人機)の攻撃を受け、2人が負傷した。イスラ
エル南部消防当局によると、発火物を取り付けた風船や凧による火災は、3月30日
以降だけ約300件を超えるという[134]。
8月24日、米国国務省高官によると、トランプ政権はパレスチナへの約2億ドル(
約222億円)の経済支援を撤回し、他の用途に資金を振り向けることを明らかにし
た[135]。
8月31日、米国のナウアート報道官は、UNRWAへの資金拠出を停止すると発表した。
従来、UNRWA予算の1/3~1/4程度を米国が負担していたが、1月に行った拠出額の
削減に留まらず、それが全く途絶えることになった。ナウアートはUNRWAの運営に
「修復不可能な欠陥」があると指摘し、パレスチナ難民の子供達に対しては「国
連機関を通じない直接支援などを検討する」と表明した。UNRWAは、パレスチナ難
民を、1948年のイスラエル建国当時の難民及びその子孫と定義しており、その数
は2017年1月現在で534万人に上る。米国はこの中から、子孫を難民から外すよう
に主張していた。子孫を外せば、いずれ難民は全員死亡して居なくなるからであ
る。これはイスラエルの意向を反映したものだが、UNRWAは応じていなかった。
UNRWAの予算は当面、EU、日本など約40ヶ国の拠出金の増額で凌ぐことになった。
9月11日、米国国務省は在パレスチナ総代表部の閉鎖を発表した。ジョン・ボル
トン大統領補佐官は、9月10日の講演で「米国は常に、友人で同盟国のイスラエ
ルの側に立つ」「パレスチナがイスラエルとの意味ある直接交渉への一歩を拒否
し続ける限り、総代表部を開くことはない」と主張していた]。
9月12日、国連貿易開発会議(UNCTAD)は、2017年にパレスチナ自治区の失業率
が27%を超え、農業生産も11%減ったとの報告書をまとめた。国際援助の減少やイ
スラエルによる経済封鎖が理由としている。パレスチナの失業率は、世界最悪水
準にあるという。また、ガザ地区では2008年からのガザ侵攻で生産的資本蓄積の
6割が失われ、2014年のガザ侵攻では、残っていた生産的資本の85%が失われた。
世紀の変わり目(2001年)と比較して、実質所得は3割減り、2018年初めの電力
供給は、1日平均2時間であった[142][143]。 一方、この間のイスラエルの経済
成長は順調だった。2000年の第二次インティファーダ勃発当初こそ国内総生産(
GDP)は0.2%pointのマイナス成長を記録したが、2006年のレバノン侵攻、2009年
と2014年の2度のガザ侵攻は、イスラエルの経済に大きな影響は与えず、国内総
生産は3-5%point前後の成長を続けた[144][145][146]。治安対策による検問強化な
どで、パレスチナ人のイスラエルでの就労は減少したが、中国などからの出稼ぎ
労働者で補うことができた。他方、パレスチナの対外貿易の8割はイスラエルで
占められ、紛争下においてもむしろイスラエルからの輸入は増えた。こうした事
情で、イスラエルでは経済面においても、パレスチナと和平の必要がなく、パレ
スチナはイスラエルに依存せざるを得ないという認識が浸透していった[147]。
2018年の1年間では、パレスチナ側は290人(うち、子供56人)、イスラエル側は
14人(うち、子供0人)が紛争で殺害された[148]。
2019年2月13日 - 2月14日、米国主催でポーランドで中東の安保問題を協議する
閣僚級会議が開催された。主としてイラン包囲網を策したもので、イスラエルと
アラブ諸国が一堂に会する異例の機会となった。パレスチナは「(米国和平案に
よる)パレスチナの大義を終わらせようとする試み」を警戒し、アラブ諸国に
ボイコットか、少なくとも派遣する代表の格下げを呼びかけた[149]。イスラエ
ル首相府は協議後、アラブ首長国連邦、バーレーン、サウジアラビアの出席者の
オフレコ発言をYouTubeに公開した。公開は手違いであるとしてすぐに削除され
たが、シリア駐留のイラン軍に対するイスラエルの攻撃を「自衛権の行使」と擁
護したり、イスラエル・パレスチナ問題より、イランをより大きな脅威という前
提で、イスラエルとより近い関係にあるといった発言があった[150][151]。 3月
22日、米トランプ大統領はTwitterで、「今こそ米国は、ゴラン高原のイスラエル
の主権を認める時が来た」と表明した。従来は米国を含め、ゴラン高原はシリア
領と認識し、イスラエル領有を公認した国家・政権は存在しなかった[152][153]。
3月25日、米国は、ゴラン高原をイスラエル領と正式に承認した[154]。
米国・トランプ政権では、2017年11月から、トランプの娘婿であるジャレッド・
クシュナー大統領上級顧問が中心になって、ディナ・ハビブ・パウエル大統領副
補佐官、デービッド・フリードマン駐イスラエル大使らと共に、新たな和平案の
腹案を練っていた[155]。クシュナーらはいずれも親イスラエルで知られ、従っ
てイスラエルに有利な案が取り沙汰された。これまでに報道された和平案の内容
も、それを裏付けるものだった。一方、クシュナーの相談を受けた、元外交官の
アーロン・デービッド・ミラー(英語版)によると、クシュナーは「イスラエル
人とパレスチナ人にも歴史の話をするなといった」と述べ、白紙で一から和平案
を作る考えを示した[156]。
6月25日 - 26日、米国主催でバーレーンで行われた会議「繁栄に向けた和平(繁
栄に至る平和)」で、まず「経済部分」の素案が発表された。パレスチナ・エジ
プト・レバノン・ヨルダンへの約500億ドルの投資を目玉としたが、出資者が誰
になるかは、アラブ諸国の出資に期待するとした。パレスチナ側は「パレスチナ
に国家樹立を諦めさせるための買収劇である」として出席をボイコットした。イ
スラエル側は直接の出席はしなかったが、代わりに民間のビジネスマンを出席さ
せた[157]。 同日、クシュナーは「アルジャジーラ」の取材に応え、トランプ政
権は従来と「異なる」アプローチをしており、その一つがパレスチナの財政的コミ
ットメントの優先だと説いた。また、アラブ諸国は2002年に採択された「アラブ
和平イニシアティブ」をパレスチナ問題の基本線としていた。これは原則として
、安保理決議242に基づく要求である。しかしクシュナーは、それは不可能だと主
張し、イスラエルの立場との妥協をすべきだと主張した。また、エルサレムをイ
スラエルの首都と公認したことを、「主権国家であるイスラエルには、首都を決
める権利がある」と改めて擁護した[158]。
11月4日、ヨルダン川西岸の、150以上のユダヤ人入植地を管理するイェシャ評議
会の次期委員長に、デイビッド・エルハヤニ(ヘブライ語版)が選出された。エ
ルハヤニは「併合の時が来るまでに、パレスチナ人によるC地区の乗っ取りを防ぎ
(我々の)インフラ改善要求を、積極的に行う必要がある」と、入植地の早期の
イスラエル併合を主張した[159]。占領地のC地区は本来、パレスチナに移管され
るはずであったが、イスラエルでは固有の領土という認識の元、永続的な支配が
公然と主張されるようになっていた。
11月6日、UNRWAのクレヘンビュール事務局長が、職権濫用の疑いで事実上の辞職
に追い込まれた[160]。 11月18日、米国のマイク・ポンペオ国務長官は記者会見
で、ヨルダン川西岸のイスラエル入植地は、国際法に反しているとは認識しない
との見解を示した。これは従来の政府見解を変更するものであるが、ポンペオは1
981年にレーガン元大統領が示した見解を正当としたと述べた[161]。イスラエルの
ネタニヤフ首相は、米国の方針転換を「歴史の過ちを正す」ものだと歓迎した。
PLOのアリカット事務局長は、「世界の安定と安全、平和」を危険にさらすものと
批判した[162]。
12月1日、イスラエルのナフタリ・ベネット国防相は関係当局に、ヘブロンの内側
にあるユダヤ人入植地を拡大するよう指示した。このことで、ユダヤ人入植者を
800人から倍増させるとしている[163]。
via jp.Wikipedia この項つづく
※ 兎にも角にも「吐き気をもよおしなが画像(大量殺人)とニュースをこなし
理解しようと考えつづけているが...
● 今夜の寸評: