彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。
Anytime Anywhere ¥1/kWh era
【再エネ革命渦論 194 アフターコロナ時代 185】
● 技術的特異点でエンドレス・サーフィング
シリカガラスの詳細な原子構造を明らかに
11月16日、日本原子力研究開発機構とAGCは,機械学習を応用してシリカガラス
の原子配列を高精度に再現する原子シミュレーション技術を開発し,これまで謎
とされてきたシリカガラスの詳細な原子構造を明らかにした。
【要点】
1.シリカガラスは光ファイバー、半導体製造、太陽電池など様々な分野で用い
られ、現代の社会基盤を支える素材として重要な役割を果たしています。しか
しながら、シリカガラスの原子レベルの構造は物質科学の大きな謎の一つとな
っていた。
2.そこで、本研究では機械学習を応用した高速・高精度な原子シミュレーショ
ン手法を用いることで、シリカガラスの原子レベルの詳しい構造を明らかにす
ることに成功した。
3.そして、一見無秩序に見えるシリカガラスの原子構造に隠れている原子のネ
ットワーク構造を詳細に調べ、その構造が材料の圧縮に伴って変化する機構を
解明した。
4.ガラス材料の特性は、原子レベルの構造と密接に関係していることから、今
回開発した解析手法は、今後の新しいガラス材料の研究開発において欠かせな
いものになる。
[背景]
ガラスはスマートフォンやタブレット、車のウィンドウなど、私たちが日常的に
使用する数多くの製品に使用され、現代の社会基盤を形作る主要素材の一つと位
置づけられます。しかし、ガラスの詳しい構造については、実験で直接観察する
ことが困難なため、未解明な部分が多くある。なかでも、原子レベルで顕在化す
る中距離の秩序構造は、応用と理論の両方において重要な未解明の問題であり、
多くの研究者が解明にチャレンジ。
本研究で対象としたシリカガラスは、最も代表的なガラス物質の一つとして広く
研究されてkぃた材料。中でも中性子およびX線回折実験において観測される
0.4ナノメートル程度の波長領域に現れる鋭い回析ピークはFSDP(First Sharp
Diffraction Peak)と呼ばれ、中距離の秩序構造を反映したものと考えられている
が、FSDPを生み出す中距離の秩序構造の詳細については、多くのモデルが提案
されてきたものの、原子配列の立体的配置そのものを中性子回析やX線回析では
直接得ることができないため、どのような原子配列がFSDPを生み出しているのか
を解明することは困難と考えられていた。
[方法]
最新の原子シミュレーション技術である機械学習分子動力学法----原子に働く力
を、人工ニューラルネットワーク(artificial neural network)を用いて学習する----
を活用し、シリカガラスにおける中距離の秩序構造を原子レベルで解明する研究
を行った。研究対象としたFSDPは、高密度化や熱処理により大きな影響を受ける
ことが知られている。そこで、高密度シリカガラスにおけるFSDPの変化と原子配
置の変化を詳細に解析した。シリカガラスの中距離の秩序構造は、熱的特性や光
学的特性と関連しており、本研究の成果は新しいガラス材料の研究開発に貢献が
期待されている。
図2.低温圧縮と高温圧縮でのシリカガラスの構造因子(実験1[参考文献1]、
実験2[参考文献2])。
【成果】
コンピュータ上に精確なシリカガラスの構造を再現するためには、高精度な原子
シミュレーション手法が必須となる。その手法は、量子力学に基づく第一原理計
算があり、計算コストが大きく、扱える原子数も制限があるため、シリカガラス
における中距離の秩序構造を調べる研究には適していない。従って、第一原理計
算の精度を保ち、計算コストを大幅に削減することが必須となる。そこで、高精
度と低計算コストを両立可能な機械学習分子動力学法を採用。機械学習分子動力
学法では、原子に働く力を、人工ニューラルネットワーク(※4)を用いて学習す
る。一度学習すれば、機械学習モデルは立ちどころに答えを出力することができ
るため、高速な計算が可能となり、中距離の秩序構造を捉えるのに十分な規模の
原子集団のシミュレーションが可能になる。しかしながら、その計算精度は機械
学習モデルの精度に左右される。
高精度な機械学習モデルを実現に、二酸化ケイ素を対象とする数万通りもの小規
模な第一原理計算を行うことで、人工ニューラルネットワークに学習させる教師
データを作成。このように構築された機械学習分子動力学法を用いて、二酸化ケ
イ素の各種結晶相、液相、ガラス状態に対する高精度かつ大規模な計算を短時間
でシミュレーション可能となった。圧縮により高密度化されたシリカガラスのFS
DPを計算の対象とした。シリカガラスにおける中距離の秩序構造を反映するFSDP
は圧縮や熱処理といった高密度化のプロセスに依存して減少または発達すること
が知られている。しかも、シリカガラスの秩序構造は屈折率や光ファイバーの光
損失と深く関連しており、圧縮や熱処理による秩序構造の制御が、新しいガラス
材料の開発に直結する重要課題と考えられている。開発した機械学習分子動力学
法により低温圧縮と高温圧縮による構造の変化を高精度に再現可能であることを
確かめした(図2)。特に、高温圧縮におけるFSDPの発達は、従来の近似的な計
算手法では再現が困難でしたが、本研究によって初めて再現されました(図2(b))。
これまで、FSDPを生み出すシリカガラスにおける中距離の秩序構造の起源に関し
ては、数多くの理論やモデルが提唱されてきた。シリカガラスにおいては、ケイ
素-酸素共有結合によって形成されるネットワーク構造の中で、図3(a)のように、
特定の幅を持った構造が頻繁に現れるのが原因であるという考えが提唱されてい
る。その幅と同程度の波長をもった中性子やX線が強く反射されることで、結果
としてFSDPが観測されるというのが、現在の一つの有力な説明となっている。共
有結合ネットワークは、図3(a)の黄色囲みに示されるような、ケイ素-酸素か
ら構成されるリングを最小単位としています。私たちは、このリングの形状やそ
の配列を解析することにより、ネットワーク構造の中に現れる中距離の秩序構造
がFSDPを生み出す、という説の検証に成功しました。また、高密度シリカガラス
における秩序構造の変化のメカニズムを明らかにするために、圧縮時のリング構
造の変形挙動、特にリングのアスペクト比に注目しました。これは図3(b)の差し
込み図のように、リングの短辺と長辺の比率 l_2/l_3で表される量です。その結
果、低温圧縮では、全てのリングのアスペクト比が変化するのに対し、高温圧縮
では、大きなリングのアスペクト比がより大きく変化して細長くなることが分か
ります(図3(b))。この結果、高温圧縮ではリングの短辺の長さスケールが、
小さなリングから大きなリングまで揃うことになり、リングの幅が均一化するこ
とで、ケイ素-酸素共有結合のネットワーク構造中の周期性がより顕著になり、F
SDPの発達に寄与していることが明らかになった。
図3..(a): シリカガラスの構造因子におけるFSDPとケイ素-酸素の共有結合ネッ
トワーク中に現れる中距離の秩序構造。黄色で囲まれた部分は、ネットワークを
形成する最小単位、すなわちリング構造を示しています。(b): 圧縮に対するリ
ングの変形挙動。
[掲載論文]
・Scientific Reports (16 Nopvember 2023)
・“Machine Learning Molecular Dynamics Reveals the Structural Origin of the
First Sharp Diffraction Peak in High-Density Silica Glasses”
・ Keita Kobayashi, Masahiko Okumura, Hiroki Nakamura, Mitsuhiro Itakura,
Masahiko Machida (原子力機構)Shingo Urata (AGC株式会社) Kentaro
Suzuya (J-PARCセンター)
・DOI:10.1038/s41598-023-44732-0.
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驚異的なエネルギー密度をもつナトリウムイオン電池の創製
2023年11月13日、東京理科大学らの共同研究グループは、ナトリウムイオン電池
やカリウムイオン電池用の新たな負極材料である「ZnO鋳型ハードカーボン(HC-Z
n)」を合成することに成功しました。このHC-Znを負極に使用したナトリウムイ
オン電池は、現行の商用リチウムイオン電池に匹敵するほど高いエネルギー密度
を示した。
[2.結果及び考察]
4.ナノポアテンプレートとしての ZnOの希釈と濃縮
ZnO テンプレートのサイズと分布は、Na貯蔵容量を高めるための重要な要素であ
ると予想される。したがって、追加の炭素源としてグルコース (Glc) を導入し
Zn Gluの追加のテンプレート源として酢酸亜鉛 (Zn(OAc)2) を導入により、ZnO
テンプレートHCの容量に対するテンプレートの希釈と濃縮の影響を調査した。
文献によると、不活性ガス雰囲気下であっても Zn(OAc)2 の熱分解後には ZnOの
みが残り、酢酸イオン中の C原子はCO2またはアセトンとして除去される。した
がって、Zn Gluと Zn(OAc)2 の混合物から得られる予熱された前駆体中の ZnOの
量は、PRE-Zn中のZnOの量よりも多いことが合理的に予想された。
出発物質は、Glc、Zn、Glu、および Zn(OAc)2を凍結乾燥によって均一に混合する
ことにより調製された (詳細はサポート情報参照)。サンプルはPRE-Zn[x-y-z]、
wPRE-Zn[x-y-z]、または HC-Zn[x-y-z] として指定される。ここで、Glc、Zn Glu、
およびZn(OAc)2の混合モル比は x :yで表される。z、「Zn.」の後に付加される。
比較のために純粋な Zn Glu には凍結乾燥プロセスが採用された。 したがって、
HC-Zn[0-100-0] のサンプル調製条件は、両方とも純粋なZn Glu に由来するにも
かかわらず、HC-Znのサンプル調製条件とはわずかに異なる。
未洗浄および洗浄前駆体、ならびに HC の XRD パターンを図 S10 (サポート情
報) に示す。 ZnO回折ピークの強度と幅の変化を除いて、パターンに大きな違い
がなく、HCの合成プロセスは一貫しているように見えた。 図S5(サポート情報)
に示すのと同じ方法で計算した、PRE-Zn[x-y-z]およびwPRE-Zn[x-y-z]のZnOの結
晶子サイズは、表S1(サポート情報)にまとめられている。ナノ細孔のテンプレ
ートとして利用できる ZnO ナノ粒子に由来するブロードな回折ピークを持つシ
ェラー方程式から計算された ZnOの結晶子サイズは、原料の混合比が異なっても
大きな変化はなかった。テンプレートの量が増加しても、HC の STEM-EDS マッ
ピングで証明されるように、ZnOが還元され、生成した Zn金属が後熱処理中に揮
発したため、最終製品であるHCでは Zn残留物はほとんど検出されず。図S11の[0
-75-25] (サポート情報)。 Glc Glu、Zn(OAc)2を100:0:0の割合で混合したサン
プルにはZnが全く含まれていないが、正式には「HC-Zn[100-0-0」と表記される]"
簡単にするために。 図S12 (サポート情報) に示されている PRE-Zn[100-0-0] お
よび HC-Zn[100-0-0] の XRDパターンは、サンプル中に結晶質 ZnO が存在しな
いことを確認している。
図4aは、Glc、Zn Glu、および Zn(OAc)2 の比率が異なる凍結乾燥混合物から合成
された HCの初期充電および放電曲線を示す。 図 aでは、Zn Glu へのGlcの添加に
よるテンプレートの希釈により、容量が減少した。逆に、25% Zn(OAc)2 を添加
してテンプレートを強化すると、可逆容量が最大 464 mAhg-1 (不可逆的な Na 挿
入がないと仮定した場合の NaC4.8 生成に相当) と91.7 という高い初期クーロン
効率が効果的に向上した。HC-Zn[0-75-25]の場合は%。HC-Zn[0-75-25] のナトリウ
ム化電位は Naめっき電位に近いですが、図S13 (サポート情報) に示すように、
HC-Znおよび以前に報告されたMgOテンプレートHCのそれに匹敵した。
図4
a) Na 半電池における HC-Zn[x-y-z] の初期充放電曲線。 b) Na 半電池における
HC-Zn[0-75-25] のサイクル性能。 c) 原料混合比と対応する HC の比容量との関
係。 d) HC-Zn[x-y-z]のSAXSパターン。 e)Na5/6Ni1/3Fe1/6Mn1/6Ti1/3O2//HC-Z
n[0-75-25]フルセルの充放電曲線。 f) この研究における NIB 間の重量エネル
ギー密度の比較。NIB は 2011 年に参考文献で報告しています。 [3] および
LiFePO4 とグラファイトからなる LIB。 図 4b は、HC-Zn[0-75-25] 電極が 200
サイクルにわたって良好な長期サイクル安定性を示し、200 サイクル後の容量保
持率が初期容量の 93% であったことを示しています。 図 3 に示すように、HC-
Zn (418 mAh g-1) と比較して容量が 48 mAh g-1 増加しても、サイクル性能は
損なわれませんでした。 -1 は近年報告されていますが、[13、14、16、17、49]、
十分なサイクル安定性、高い初期効率 (>90%)、および最小の電位ヒステリシスを
すべて備えた HC に関する報告は他にない。 MgO テンプレート HC を除けば、高
いエネルギー効率を実現します。[15] 実際のフルセル動作には高い初期クーロン
効率が必須の要件であるため[50]、テンプレート合成方法はNIBフルセルのエネ
ルギー密度を高めるのに非常に効果的であると考えられている。
Glc を含む混合物に由来する HC も、単一ピークに満足に適合できない SAXS パ
ターンを示しました。 私たちの分析では、HC-Zn[75-25-0]、HC-Zn、[50-50-0]
、および HC-Zn[25-75-0] のパターンに適合する 2 つのショルダー ピークの仮
定が必要です (「 図 S14a ~ c、サポート情報)。 ただし、Glc フリーの HC-
Zn[0-100-0] および HC-Zn[0-75-25] では、実験データと一致する単一のピーク
が観察されました (図 S14d、e、サポート情報)。 層間距離 d002、擬似黒鉛ド
メイン Lc の結晶子サイズ、XRD データから計算された積層数、細孔サイズ DSA
XS などの HC-Zn[x-y-z] の構造パラメーターは、表 S2 (サポート情報) にまと
められています。 HCに関する私たちの経験と最近の研究によると、高度に無秩
序なフレームワークに加えて、擬似グラファイトドメインの拡張中間層とナノ細
孔を区別するのが難しいため、これらのパラメーターとNa貯蔵容量の間の直接的
な関係を決定することは依然として困難です。 したがって、これらのパラメー
タは互いにほぼ相関しています。[24] ただし、一般的な傾向として、今回の大容
量 HC は次のような特徴を持っています。 1) d002 が大きく、Lc が小さいため
、積層数 n が少ない。 2)SAXSによって観察されるように、それらのサイ
ズ分布は非常に均一であり、平均細孔サイズは比較的大きい。 この傾向は、図
S15 (裏付け情報) に示すように、HC-Zn[25-75-0] および HC-Zn[0-75-25] の集
束イオンビーム処理 (FIB)-STEM 観察によっても裏付けられました。 HC-Zn[25-
75-0] の高倍率 STEM 画像では、約 5 nm のボイド状構造をもつ不均一構造が確
認できますが、HC-Zn[0-75-25] サンプルは緻密な構造をしています。 高い均一
性。 HC-Zn[25-75-0]の STEM 画像で観察される 5 nm スケールの細孔様構造は、
HC-Zn[25] の SAXS パターンの low-q ピークから計算された 4.34 nm の細孔直
径と一致しています。 -75-0] (表 S2、サポート情報を参照)。 したがって、原
料の混合比を最適化し、Na クラスタリングに適したサイズのナノ細孔の均一な
分布を達成することで、ZnOテンプレート カーボンの能力が最大化されると結論
付けています。 この考察は、Na 貯蔵容量を制御する際には平均細孔径よりも細
孔径分布の方が重要であるという Stratford らの最近の議論と一致しています。
負極材料として優れた可逆容量を示すHC-Zn[0-75-25]とNa含有層状遷移酸化物Na5
/6Ni1/3Fe1/6Mn1/6Ti1/3O2からなるNaイオンフルセル 正極材料として [51]、0.
2 vol% 炭酸ビニレンを添加した 1 mol dm-3 Na(PF6)0.8(FSA)0.2/EC:PC (1:1
v/v) 溶液を使用して作製しました。 HC-Zn[0-75-25]の可逆容量は HC-Mgの可逆
容量よりわずかに小さいですが、[50-50-0]参考文献の最適化されたMgOテンプレ
ートHC、[15]のシミュレートされた放電曲線 図S16 (サポート情報) に示すよう
に、完全なセルはほぼ同一です。これは、前者の方が後者よりも優れた初期クー
ロン効率を示すことが部分的に理由です。 NIBの充放電曲線を図 4eに示し、100
サイクルにわたる容量保持率を図 S17a (サポート情報) に示します。 正極質量
に基づいて 113 mAh g-1 (負極質量に基づいて 373 mAh g-1に相当) の比容量が
初期サイクルで実証され、その後の 100 サイクルにわたって満足のいくサイク
ル性能が達成された。 NIBフルセルの放電速度能力は、図 S17b (サポート情報)
に示されています。 容量とセルの分極は、電流率を 0.1 C から 1 Cに増加して
もほとんど変化せず、劣化します。10C の高いレートでも、セルは 0.1C の場合
と比較してその容量の約 76% を保持し、フルセルの堅牢なレート能力を実証し
ました。
研究で製造された NIBセルの放電曲線と重量エネルギー密度、2011年の研究 [3]
の放電曲線と重量エネルギー密度、および LiFePO4 (LFP) とグラファイトから
なる従来の LIB の放電曲線と重量エネルギー密度は、以下に示すように、同等
のテスト条件下で実験的に比較された。 図4f。この研究で作製したNIBのエネル
ギー密度は312Wh kg−1に達した。 この値は、2011年に報告された O3 型層状
NaNi0.5Mn0.5O2//Kureha の HC Na イオンセルの値よりも 1.5 倍大きくこれは
a 金属電極を含まない NIB の最も初期の実証の1つであり広く商品化されてい
るLFP型LIBのエネルギー密度に匹敵する。フルセルの長寿命化やNiフリー高容量
正極などの課題は残るが、大容量かつ初期クーロン効率の高いHC-Zn[0-75-25]材
料の開発に成功した。 これにより、NIB は LIB と同等以上のエネルギー密度を
持つことができる。
5. KIB負極への適用
ZnO テンプレート HC は、KIB の負極としてさらに適用されました。 K 半電池
の充電曲線と放電曲線 (それぞれカリウムの挿入と抽出に対応) を図 5a に示し
ます。 電位変動と可逆性は以前に報告された HC へのカリウム挿入の場合と類
似しているため [6、39、40]、酸化還元活性は可逆的な電気化学的カリウム挿入
によって引き起こされたと考えられます。 これらの ZnO テンプレート HC では、
K セルの比容量は Na セルの比容量と一致する傾向をたどりました。 たとえば
、Na 半電池で最大の容量を示す HC-Zn[0-75-25] は、K 半電池でも 381mAh g-1
という大きな容量を示しました。この可逆容量は、電極を通過するすべての電荷
が K挿入のために消費されると仮定すると、KC5.8 の形成に対応。K 濃度はステ
ージ 1 KC8 の濃度よりも高く、Li 濃度はステージ 1 LiC6 の濃度よりも高かっ
た。 高い K 貯蔵能力と相関する HC の高い Na 貯蔵能力の傾向は、セルロース
[39]、スクロース [6]、およびフェノール樹脂 [40] に由来する従来の HC で一
般的に観察されます。 50 サイクルにわたる HC-Zn[0-75-25] の高い可逆性 (図
5b) は、K 金属のめっき/剥離ではなく、炭素構造への可逆的な K 挿入に起因す
ると考えられる。
図5.
a) K ハーフセルにおける HC-Zn[x-y-z] の初期充放電曲線。 b) K 半電池にお
ける HC-Zn[0-75-25] のサイクル性能。 c) 異なるカリウム化状態におけるHC-
Zn の ex situ SAXS パターン。 d)K2Mn[Fe(CN)6]//HC-Zn[0-75-25]フルセ
ルの充放電曲線。
いくつかのサンプルが、Kセル内のグラファイトの理論容量 (KC8 化学組成の場合
279 mAh g-1) をはるかに超える大きな可逆容量を示したことを考慮すると [52]、
K 貯蔵サイトはかなり高い温度で K 原子を収容できると結論付けるのは合理的
である。これは、K-GIC で通常見られる KC8 の面内配置よりも高い濃度です。
最近の研究では、HC 材料の閉気孔内に準金属 K クラスターが形成される可能性
が示唆されています [53, 54]。アルカリ金属クラスター化に適した閉気孔のサ
イズは、アルカリ金属種に依存することが示唆されています。 Na のクラスタリ
ングには Li の細孔サイズよりも大きな細孔サイズが必要です [26]。 実際、図
S18 裏付
け情報) に示すように、この研究で開発された HC は、Na および K 半電池より
も Li 半電池の方が容量が小さくなっています。 K 挿入のメカニズムを解する
ために、ex situ SAXS 測定が実行されました。 図 5c は、元の状態、カリウム
添加された HC-Zn、および脱カリウム添加された HC-Zn の ex situ }SAXS パタ
ーンを示しています (図 S19、サポート情報の初期充放電曲線を参照)。 未処理
のサンプルと脱カリウム化されたサンプルの同一の SAXS パターンは、K 挿入が
完全に可逆的であることを示しています。 対照的に、カリウム添加サンプルのパ
ターンは、広い q 範囲にわたって散乱強度の減少を示しています。 ナトリウム
添加サンプルのパターン (図 3c) と同様に、ショルダー ピーク強度の減少は、
ナノ細孔と炭素マトリックス間の電子密度コントラストの減少を示していRU。
したがって、さまざまな HC の Na と K貯蔵容量の相関関係[6, 39, 40] と ZnO
テンプレート HC。化学量論的な KC8 組成を明らかに超えていTU。 負極としてグ
ラファイトまたは HC-Zn[0-75-25] を使用した仮想の KIB フルセルのエネルギー
密度の比較を図 S20 (サポート情報) に示しす。 グラファイトとHC-Zn[0-75-25
]の平均脱カポテンシャルはK+/Kに対してそれぞれ0.37と0.41Vであるため、HC-Z
n[0-75-25]は不利な作動電位を持っている。ただし、負極の重量あたりの仮想フ
ルセルのエネルギー密度は、異常に大きい容量のため、HC-Zn[0-75-25]の方がグ
ラファイトよりもはるかに高くなりる。
ZnO テンプレート HC が KIB の負極としてより大きな容量を提供することが判
明したことを考慮すると、1 mol dm-の K2Mn[Fe(CN)6] と HC-Zn[0-75-25] から
なる KIB フルセル 3 K(PF6)0.8(FSA)0.2/EC:PC 溶液[55] + 0.2 vol% ビニレン
カーボネートを、正極と負極に最適な質量比 2.0:1 で製造しました。 充放電曲
線とサイクル性能をそれぞれ図 5d と図 S21 (サポート情報) に示します。
KIB は、プレサイクルなどの電解液と電極の前処理を行わずに、平均放電電圧3.3
V および実質的な比容量 107 mAh (K2Mn[Fe(CN)6] の g)-1 を示した。これらの
結果は、大容量 HC が適切な正極と組み合わせた場合に KIB と互換性があり、KI
B 負極のグラファイトの有望な代替品であることを裏付けています。[56] 新しい
シリーズのテンプレート型多孔質炭素材料は、NIB や KIB などの次世代電池の活
物質としての可能性を秘めており、将来のエネルギーデバイスの電池や酸化還元
系に応じて合理的な設計によって強化される可能性があると考えている。
3.結論
Na および KIB に適した負極として、大容量、高い初期クーロン効率、低い作動
電位を特徴とする新しい ZnO テンプレート HC が開発されました。 Mg Glu、Zn
Glu、および Ca Glu から誘導される前駆体および HC の体系的な特性評価と電気
化学的評価により、ZnO テンプレート炭素が MgO テンプレート HC に匹敵する有
望な NIB 負極であることが示唆されました。 適切な混合比の Zn GluとZn(OAc)2
の混合物から誘導された ZnO テンプレート HC は、464 mAh g-1 の最大容量を示
しました。 異なる混合比の Glc-Zn Glu-Zn(OAc)2 混合物から得られたさまざま
なサンプルの構造と電気化学的特性に関する包括的な実験に基づいて、最適化さ
れた ZnO テンプレート HC の大容量は、その好ましい細孔サイズと均一性による
ものであると考えられました。 Na クラスタリングの細孔分布。
ZnO テンプレート HC を備えた NIB フルセルは、LFP ベースの LIB に匹敵する
300 Wh kg-1 を超えるエネルギー密度を提供し、Na の重い原子量と高い標準電極
電位に伴う課題を克服します。 Na+/Naの。 さらに、ZnO テンプレートHC では前
例のない大きな K 貯蔵容量も見つかり、プレサイクル処理を行わずにZnOテンプ
レート HC を使用した KIB フルセルの実証に成功しました。 この発見は、HCが
黒鉛の代替として KIB負極の有望な候補であることを証明している。この研究が
NIBとKIBのエネルギー密度をLIBを超えた新たなレベルに改善するきっかけとな
ることを期待している。
黒の革命
1980年にダウン・タウン・ファイティング・ブギウギ・バンド
1981年12月31日に解散。"日本語ロック"の起点となったキャロルの後をうけ"日
本語ロックブーム"を決定付けたバンド。 1973年に宇崎竜童を中心に結成され同
年12月にメジャー・デビュー。1980年にダウン・タウン・ファイティング・ブギ
ウギ・バンドと改名する。1981年12月31日に解散。
「アズ・タイム・ゴーズ・バイ」(As Time Goes By)は、1931年にハーマン・フ
ップフェルドが、ブロードウェイ・ミュージカル『エブリバディズ・ウェルカム
』(Everybody's Welcome)のために作詞・作曲した曲。この劇中では、フランシ
ス・ウィリアムズ(Frances Williams)が歌っていた。 この曲が有名になったの
は、1942年制作のアメリカ映画『カサブランカ』のテーマ曲として採用されたこ
とによる。映画の中では古い流行歌として取り上げられているが、前述のとおり
、この映画のために作られた曲ではない。映画では印象的なシーンで効果的に使
われ、ドーリー・ウィルソンによって歌われている。ピアノはスタジオ・ピアニ
ストの、ジャン・ヴィンセント・プラマーが演奏している。
● 今夜の寸評: