彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ。
Richard Feynman 谷口 紀男 Kim Eric Drexler
ナノテクノロジー (nanotechnology) は、物質をナノメートル (nm, 1 nm=10s9m
の領域すなわち原子や分子のスケールにおいて、自在に制御する技術のことであ
る。ナノテクと略される。そのようなスケールで新素材を開発したり、そのよう
なスケールのデバイスを開。ナノテクノロジーは非常に範囲が広く、半導体素子
を分子セルフアセンブリ法という全く新たなアプローチで製造することや、ナノ
スケールのナノ素材と呼ばれる新素材を開発することまで様々な技術を含む。
ところで、物質を原子レベルの大きさで制御しデバイスとして使うという考えは、
リチャード・P・ファインマンがアメリカ物理学会のカリフォルニア工科大学での
会合で1959年12月29日におこなった講演 "There's Plenty of Room at the Bottom" に
すでにみられている。その中でファインマンは、スケールを小さくしていくにあ
たって様々な物理現象を利用することになるとした。例えば重力は対象が小さく
なるにつれて重要ではなくなっていき、表面張力やファンデルワールス力が強く
働くようになる。スケールが小さくなれば並列性が増し、短時間に多数の素材な
りデバイスなりを作成できると考えられ、この考え方は有効と思われた。かつて
はメゾスコピックと呼ばれていた研究分野である。「ナノテクノロジー」という
用語は1974年に元東京理科大学教授の谷口紀男が提唱した用語。谷口は「ナノテ
クノロジーは主に、原子1個や分子1個の単位で素材を分離・形成・変形するプロ
セスから成る」と表現している。このような定義を1980年代にさらに発展させた
のがK・エリック・ドレクスラーで、彼はナノスケールの現象やデバイスの技術的
重要性を説き、『創造する機械 - ナノテクノロジー』(1986) や Nanosystems: Mol-
ecular Machinery, Manufacturing, and Computation といった本を出版、それにより「
ナノテクノロジー」という用語が世界的に使われるようになる。1980年代にはナ
ノテクノロジー分野の2つの重要な研究が行われた。1つはクラスターの研究で、
もう1つは走査型トンネル顕微鏡 (STM) の発明である。これにより1985年にはフ
ラーレンが発見され、数年後にはカーボンナノチューブが発見された。また、半
導体のナノ結晶の特性や合成の研究が進み、そこからさらに金属および金属酸化
物のナノ粒子や量子ドットの研究へと発展した。STMの6年後には原子間力顕微鏡
(AFM) が発明された。
いまだに一部の新素材やコンピュータのプロセッサに応用されている程度の段階
だが、将来はこの技術によりナノサイズのロボットで治療を行ったり、さらには
自己増殖能を持たせて建築に利用することができるようになると予想されている。
21世紀をかけて大きく発展する分野と考えられている。ナノテクノロジーの将来
については議論もある。ナノテクノロジーによって様々な便利な新素材やデバイ
スが生まれることが期待される一方で、環境や人体への影響が懸念されている。
また世界経済への影響やナノマシンが制御不能となる危険性なども懸念されてい
る。このため、ナノテクノロジーに対する特別な規制の要否についても議論が続
いている。
物質をナノメートルレベルで制御する利点は幾つかある。例えば、現在コンピュ
ータなどで利用されている電子回路のトランジスタは、だいたい数十nm程度の大
きさであるが、これを1/10にすることができれば、コンピュータを現在よりもず
っと小型化し、必要な電力や発熱を抑えることが可能となる(ダウンサイジング)。
同様に、記憶装置などでも小型化・高機能化が期待される。また、物質を数ナノ
メートルの大きさにすると、量子効果と呼ばれる特殊な現象が発現する。例えば、
近年の電子デバイスで利用されている、電子の閉じこめによるエネルギー準位の
離散化があらわれる大きさや、トンネル効果があらわれる距離は、ナノメートル
の領域である。電子材料以外にも、ドラッグデリバリーシステムに代表されるよ
うな医療への展開もさかんに試みられている。
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