彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる"招き猫"と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え。(戦国時代の軍団編成
の一種で、あらゆる武具を朱塗りにした部隊編のこと)の兜(かぶと)を合体さ
せて生まれたキャラクタ「ひこにゃん」。
⌚ 日本のロケット「H3」の2号機が打ち上げに初めて成功
17日午前、JAXA=宇宙航空研究開発機構によると、2号機は補助ロケットや1段
目のエンジンを切り離しながら上昇を続け、午前9時40分ごろ、ロケットの2段
目のエンジンの燃焼が停止し目標の軌道に到達する。その後、搭載した2つの超
小型衛星を切り離して軌道に投入したほか、アルミ製の模擬衛星の分離動作も確
認するなど計画どおりに飛行し、打ち上げに初めて成功。
尚、「H3」は去年3月に打ち上げた初号機では2段目のエンジンが着火せず打ち
上失敗し、JAXAなどはおよそ1年かけて対策を講じ、17日の打ち上げに臨んだ。
について、およそ半年間にわたって原因の究明を進めた。ロケットは1段目と2
段目の分離まで計画どおり飛行し、その後に2段目のエンジンが着火しなかった
ことが分かっていて、飛行データを分析し、同じ現象を再現する試験などに取り
組む。
3つの対応:①2段目のエンジンに搭載された機器の一部に損傷が発生したこと
が原因、②損傷要因を大きく3つに絞り込みこむ。③このうち2つは運用中の「
H2Aロケット」の共通部品が、製造時の部品のずれや打ち上げ時の振動などに
よって着火直後に点火装置でショートが発生、④点火装置の内部にある電気の流
コントロールするトランジスターが、地上の点検などで過度の電圧に耐えられな
くショートした。④ 一方、残る1つは「H3」だけに搭載された機器で、2段
を制御する部品の一部が故障しショートした。⑤ショートの原因となりうる機器
設計を一部変更。一部の対策については去年9月に打ち上げられた「H2Aロケ
ット」47号機とことし1月に打ち上げられた48号機にも取り入れられ、問題
がないことを確認する。
低軌道衛星向けペロブスカイト太陽電池
これに先立つ月面着鯥に成功した日本は、太陽電池の位置と太陽入射軌道の不具
合が生じた。そのとき考えたのがペロブスカイト太陽電池の使用と太陽光集光宇
宙バルーンの開発であったが、おりしも今月の16日、米国のメリダ・エアロス
ペース社が、低軌道宇宙向けペロブスカイト太陽電池を開発(添付写真参照)し
新聞が入る。うたい文句はこうだ。「地球低軌道衛星用のペロブスカイト太陽電
池を開発。ペロブスカイト太陽従来の太陽電池よりも費用対効果が高く、効率的
選択肢になる」と。フロリダに本拠を置くメリダ・エアロスペースは、宇宙用途
向けにカスタマイズされたペロブスカイト太陽電池を開発。これは低軌道衛星向
けにの性能と経済性を向上できる。同社のペロブスカイト太陽電池はガリウム砒
素ソーラーの代替品となる。また、柔軟性・汎用性に優れ、自己修復効果により、
宇宙環境下での高エネルギー放射線に対する驚くべき再生力を発揮する(担当責
任者のアンドレア・マルケス氏談)。「ペロブスカイト結晶の配列は、空間温度
の影響を受け、光吸収能力を高め、より豊富、よりクリーンな持続可能エネルギ
ー技術として世界的シフトに貢献する」という。因みに、四百兆円規模の世界の
宇宙開発競争がヒートアップするとともに20数年前私(たち)が構想した「ネ
オコンバーテック産業新興構想」が現実のものとなっている。
ダイヤモンドMOSFET相補型パワーインバーター開発
100kHzでの高速動作を検証
Power Diamond Systems(PDS)は、pチャネル型のダイヤモンドMOSFETとnチャネ
ル型のSiC-MOSFET/GaN-HEMTを組み合わせた相補型パワーインバーターの開発に
着手した。トランジスタの動作周波数を高速化することで構成部品を小型化でき
インバーター自体もさらなる小型化と軽量化が可能となる。
インバーターは、直流電流を交流電流に変換するための電源回路。応用機器では
省エネの実現に向け、小型軽量で効率が良いインバーターの要求が高まっている。
インバーターの高速動作に向けては、ワイドバンドギャップ半導体の活用や、n
型とpチャネル型のトランジスタを組み合わせた相補型パワーインバーターが提案
されている。
図.相補型パワーインバーターの回路ブロックと入出力波形の一例
ところがSiCやGaNでは、nチャネル型トランジスタと同等性能を備えたpチャネル
型トランジスタを作製することが極めて難しかったという。そこで、ダイヤモン
ド半導体デバイスの研究開発を行うPDSは、pチャネル型ダイヤモンドMOSFETを開
発し、nチャネル型トランジスタと同等性能を実現。今回は、このpチャネル型ダイヤモンドMOSFETと、nチャネル型SiC-MOSFET/GaN-
HEMTを組み合わせた相補型パワーインバーターを開発し、100kHzでの高速動作を
検証した。今後は、外部パートナーとの連携を加速し、性能の改善やインバータ
の開発に取り組む計画である。
ダイヤモンド格子中に鉛原子と空孔からなる量子光源(PbV中心)を形成
ダイヤモンド中の発光中心は優れた発光およびスピン特性から,量子ネットワーク
を構築するための固体量子光源として期待されている。IV族元素と空孔からなるII
V族—空孔中心のうち,重いIV族元素であるスズ(Sn)やPbを用いた光源では希釈
冷凍機を必要としない温度で優れたスピン特性が期待できるが,効率的な量子も
つれ生成のためには,発光線幅が物理限界である自然幅に近い発光特性も必要と
なる。
しかし,IV族元素のうち安定かつ最も重たいPbを用いた量子光源の鉛—空孔中心Pb
V中心)では,自然幅での発光は観測されていなかった。研究グループは,ダイヤ
モンド基板へのPbイオンの注入および2,000℃を超える高温加熱で形成したPbV中
心で,自然幅に近い発光線幅を観測した。PbV中心の構造からはCピークおよびD
ピークと呼ばれる2本の発光線が主に観測される。まず,作製したPbV中心の線幅
の限界を決める励起状態寿命について,パルスレーザーを用いた手法で評価した。
結果として,励起状態寿命として4.4nsが得られ,これは自然幅として約36MHzに
対応する。次に,PbV中心のCピークの線幅を発光励起分光法(PLE法)を用いて測定した。測
定温度約6Kにおいて線幅約39MHzと自然幅に近いスペクトルを得た。測定を繰り返しところ,このPbV中心の発光ピークの位置に大きなずれは見えず,
時間的に安定した発光波長を観測した。一方,もうひとつの発光線であるDピーク
の線幅は発光スペクトルにおいて400GHz以上となり,Cピークと比べ線幅が4桁大きい。今回の研究では,格子振動であるフォノンの影響によってDピークが太くなり,
2つのピークの線幅の差はIV族元素の種類によって変化することを明らかにした
。さらに,PbV中心では基底状態でのフォノン吸収が抑制されており,10K以上に
おいてもCピークに関して自然幅に近い発光線幅を得た。約16Kにおいても自然幅の1.2倍程度の線幅に留まっており,窒素—空孔中心や他の
ダイヤモンド量子光源よりも高い温度においても狭線幅が達成できることを示し
た。研究グループは,今後,量子状態を保存するためのスピン特性の計測と合わ
せることで,PbV中心を用いた量子ネットワークノードの構築が期待できるとして
いる
論文情報
掲載誌 : Physical Review Letters
論文タイトル : Transform-limited photon emission from a lead-vacancy center
in diamond above 10 K
著者 : Peng Wang, Lev Kazak, Katharina Senkalla, Petr Siyushev, Ryotaro
Abe, Takashi Taniguchi, Shinobu Onoda, Hiromitsu Kato, Toshiharu Makino,
Mutsuko Hatano, Fedor Jelezko, Takayuki Iwasaki
DOI : 10.1103/PhysRevLett.132.073601
風蕭々と碧い時間
2000年10月18日
愛のカケラ Every Little Thing
作詞・作曲/持田香織、多胡邦夫
● 今夜の寸評 : 鈍すれば貧する
賢明でなければ豊かになれない。