彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと伝えら
れる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の軍団編成の一
種、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)と兜(かぶと)を合体させて生
まれたキラクタ「ひこにゃん」。
【観桜会:御題~千秋楽にさくらを詠う(壱)】
❏願わくは花の下にて春死なん その如月の望月の頃 西行
❏散りぬべき時知りてこそ 世の中の花も花なれ人も人なれ 細川ガラシャ
❏明日ありと思ふ心の仇桜 夜半に嵐の 吹かぬものかは 親鸞聖人
❏ことしより春しりそむるさくら花 ちるといふ事はならはざらなむ 紀貫之
❏世の中にたえてさくらのなかりせば 春の心はのどけからまし 在原業平
❏あだなりとなにこそたてれ桜花 年にまれなる人もまちけり よみ人しらず
❏ちりぬればこかれどしるしなき物をけふこそ桜をらばをりてめ よみ人しらず
❏をりとらばをしげにもあるか桜花いざやどかりてちるまでは見む よみ人しらず
❏さくらいろに衣はふかくそめてきむ 花のちりなむのちのかたみに 紀有朋
❏まてといふにちらでしとまる物ならば なにを桜に思ひまさまし よみ人しらず
❏のこりなくちるぞめでたき桜花ありて 世の中はてのうければ ) よみ人しらず
❏桜ちる花の所は春ながら 雪ぞふりつつ きえがてにする 承均法師
❏花ちらす風のやどりはたれかしる 我にをしへよ行きてうらみむ 素性法師 ❏春風は花のあたりをよぎてふけ 心づからやうつろふと見む 藤原好風
❏花見れば心さへにぞうつりける いろにはいでじ人もこそしれ 凡河内躬恒
❏桜花咲きかも散ると見るまでに 誰れかもここにえて散り行く 柿本人麻呂
❏花の色はうつりにけりないたづらに わが身世にふるながめせしまに 小野小町
❏桜花咲きにし日より吉野山 空もひとつにかほる白雪 藤原定家
<❏いざ子ども山べにゆかむ桜見に 明日ともいはば散りもこそせめ 良寛
❏乙女子が袖ふる山に千年へて ながめにあかじ花の色香を 豊臣秀吉
❏咲く花を散らさじと思ふ御吉野は 心あるべき春の山風 徳川家康
❏清水へ祇園をよぎる桜月夜 今宵逢ふ人みなうつくしき 与謝野晶子 ❏さくらさくらさくら咲き初め咲 き終わり何もなかったような公園 俵万智
ひさかたの 光のどけき春の日に しづ心なく花の散るらむ 紀友則
❏深山木のその梢とも見えざりし 桜は花にあらはれにけり 源頼政
❏から山の風すさふなり古さとの 墨田の櫻今か散るらん 子規
❏夕光(ゆふかげ)のなかにまぶしく花みちて しだれ桜輝きを垂る 佐藤佐太郎
❏いやはてに鬱金ざくらのかなしみの ちりそめぬれば五月はきたる 北原白秋
❏ちる花はかずかぎりなしことごとく 光をひきて谷にゆくかも 上田三四
❏満開の桜ずずんと四股を踏み われは古代の王として立つ 佐々木幸綱
❏さくら花幾春かけて老いゆかん 身に水流の音ひびくなり 馬場あき子
❏桜咲くころ感情は静かならず 亡き人亡き犬亡き小鳥たち 馬場あき子
❏桜ばないのち一ぱいに咲くからに 生命をかけてわが眺めたり 岡本かの子
❏ほれぼれと桜吹雪の中をゆく さみしき修羅の一人となりて 岡野弘彦
❏人々の嘆きみちみつるみちのくを 心してゆけ桜前線 長谷川櫂
❏葉桜を愛でゆく母がほんのりと 少女を生きるひとときがある 笹井宏之
※当日は、花見期間は非予約制でオープンシステムで、食事時間は11:00に記名いたします。列席者は四名+α(送迎車の必要な方はご連絡下さい)。
幹事敬白
計算機リソグラフィを生成AIで大幅高速化
3月18日、NVIDIA は本日、TSMCと Synopsys が、次世代の高度な半導体チップの製造を加速し、物理学の限界を押し上げるために、NVIDIA のコンピュテーショナル リソグラフィ プラットフォームを使用して生産を開始すると発表。
TSMCとSynopsysは,「NVIDIA cuLitho」を同社のソフトウェア,製造プロセス,およびシステムと統合してチップ製造を高速化し将来的には最新世代のNVIDIA
lackwel
アーキテクチャGPUをサポートするという。
NVIDIAはまた,GPUアクセラレーテッド コンピュテーショナル リソグラフィ用ライブラリである「cuLitho」を強化する新しい生成AIアルゴリズムを導入し現在のCPUベースの方法に比べて半導体製造プロセスを大きく改善したとする。
コンピュテーショナル リソグラフィは,半導体製造プロセスの中で最も計算負荷
の高いワークロードであり,CPUで年間数百億時間を費やす。チップ用の一般的なマスクセット(製造における重要なステップ)には 3,000万時間以上のCPU 計算時間がかかることもあり 半導体ファウンドリ内に大規模なデータセンタが必要になる。
アクセラレーテッド コンピューティングにより,350台の「NVIDIA H100」システムで40,000個のCPUシステムを置き換えることができるようになり,コストスペース,電力を削減しながら生産時間を高速化するとしている。
TSMCは昨年の導入以来,「cuLitho」により,新たなパターニングテクノロジを開発。共有ワークフローでテストしたところ曲線フローで45倍 より伝統的なマンハッタン・スタイルのフローでは60倍近い高速化を実現した。 これら2つのタイプのフローは異なり,マスクの形状が曲線で表されるがマンハッタンのマスクの形状は水平または垂直のいずれかに制約されるという。新しい生成AIワークフロー,「cuLitho」によるプロセスの高速化に加えて,さらに 2倍のスピードアップを実
現する。生成AIを適用すると 光の回折を考慮したほぼ完璧な逆マスクまたは逆解
を作成できる。その後 最終マスクが導出され,光近接効補正(OPC)プロセス全体が2倍高速化されるという。現在,ファブプロセスの多くの変更はOPCの改訂が必要となり,必要なコンピューティング量が増加しているが,これらのアクセラーテッ
ドコンピューティングと生成AIによって軽減されるとしている。
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※ NVIDIA について:1993年の創業以来、NVIDIA(https://www.nvidia.com/ja-jp/) (NASDAQ: NVDA)はアクセラレーテッドコンピューティングのパイオニア。同社が 1999年に発明、 GPUは、PCゲーム市場の成長を促進し、コンピューターグラフィックスを再定義して、現代の AIの時代に火をつけながら、メタバースの創造
を後押し。NVIDIAは現在、業界を再形成しているデータセンター規模の製品を提供するフルスタックコンピューティング企業。 詳細はこちらのリンクから
https://nvidianews.nvidia.com/
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特集|ギ酸からの発電システム
2023年10/月20日、産総研らの共同研究グループは、フロー式によるギ酸からの発
電システムを開発している。将来のエネルギー問題を改善するために、水素供給源の一つとしてギ酸が期待されています。ギ酸はバイオマスや二酸化炭素などからも得られ、主に家畜飼料の添加剤などに使われる化合物です。ギ酸から水素を製造する技術を社会実装するためには多くの課題があり、国内でも実証例がごくわずかです。本技術では、ギ酸から水素をつくる触媒を見直し、ポリエチレンイミンをイリジウム錯体触媒と未配位のビピリジンで架橋した固定化触媒を設計・合成しフロー式による“連続”水素製造プロセスを開発。
【要点】
1.フロー式によって“連続”してギ酸から水素に高効率で変換する技術を開発
2.ギ酸から得られた水素を使って安定した発電を実証
3.得られる水素は、発電以外のさまざまな用途に展開可能
図.フロー式によるギ酸からの“連続”水素製造プロセス
【概要】水素キャリアとしてのギ酸の実用性を実証するためには、1)バッチ式からフロー
式へのプロセス転換、2)ギ酸由来の水素による燃料電池発電試験での実証が必要
でした。まず、1)のバッチ式からフロー式へのプロセス転換には、ギ酸水溶液に
容易に溶出してしまう従来の錯体触媒を、触媒活性を維持したままで固定化する技術が必要でした。そこで、産総研が開発してきた世界最高の圧力発生能を達成したイリジウム錯体触媒をポリエチレンイミンに固定化し(図1)、“フロー式”によるギ酸からの“連続”水素製造プロセスを開発した。
※動画1 バッチ式によるギ酸からの水素生成: 反応が進むたびにギ酸水溶液を添
加する必要があり、反応液が蓄積すると最後は容器からあふれてしまう。
※動画2 フロー式によるギ酸からの水素生成:ギ酸水溶液を連続して注し、水素を連続して取り出すことが可能。
これまでの研究から、錯体触媒の失活は、水素製造時に錯体が配位子から外れることに原因があることを明らかにしてきました。そこで今回の開発では、錯体触媒をポリマー(ポリエチレンイミン)の中に組み込み、配位子を外れにくくしました。さらに、配位子から外れても別の配位子が錯体を再び捉えることで活性を維持し、触媒の長寿命化を実現しました。加えてポリエチレンイミンはギ酸を選択的に吸収する特徴があるため、触媒の高活性化にも寄与している(下図2)。
図2 水素製造用の固定化触媒の特徴開発した固定化触媒は、①従来の触媒と同等あるいはそれ以上の活性を示しつつ、熱安定性・耐久性が向上しました。そして、②錯体(イリジウム)の溶出がほとんどなくなりました(固定化触媒1 gあたりのイリジウム溶出量は40 μg以下)。この固定化触媒を用いてフロー式連続水素製造プロセスを構築し、2,000時間以上の連
続運転を実証しました(図3)。さらに、得られた水素に含まれる一酸化炭素含有
量は0.1 ppm以下と、燃料電池自動車用水素燃料の品質規格(ISO14687-2、0.2 ppm)以下でした。次に2)のギ酸から製造した水素を用いて、固体高分子形燃料
電池(一般財団法人日本自動車研究所製標準セル)で発電試験を行いました。その結果、5時間以上出力が下がることのない、安定した発電ができることを確認した(図4)。【掲載論文】
掲載誌:ChemSusChem
論文タイトル:Iridium Catalyst Immobilized on Crosslinked Polyethyleneimine for Continuous Hydrogen Production Using Formic Acid
著者:Keito Sawahara, Shinji Tanaka, Tetsuya Kodaira, Ryoichi Kanega, Hajime
Kawanami
DOI:https://doi.org/10.1002/cssc.202301282
● 今夜の寸評価
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