彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)
と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。
春の雪
戯れの詞無しとぞ。深深と帽子を被りゐる貴顯には
勝ち逃げの人生? 青き血脈に連なる君が返す、腫を
斑雪あまりに淡し。こゝろでは文に淫して武に死ぬ覚悟
當て付けに遊君を落籍す。薔彼女の華燭の典の荒れた翌朝
己が生命を賭祿に。愛なんか永遠に得られなくたっていいさ
叛乱に死なり。失意の青春のはかなき雪の夜の激情に
白妙の蝶蝶たちまち雪と化す。夢の直路はもう春だのに
歌舞伎座の西の桟敷でこぐらかる(心ごゝろの)苧環の絲
夕さりて雪とはなりぬ。何時だって約束はたやすく破られる
待ちませう。喪服の君と(次の世の)湿布の下で巡り逢ふ日を
いしい・たつひこ:1952年横浜生まれ。視覚的効果をも考慮した実験
的な文体を使用。著書に『ローマで犬だった』『あけぼの杉の竝木を
過ぎて』『現代詩としての短歌』などがある。昨年末にはアメリカで
英訳歌集Bathhouse and Other Tankaka が出版された。
4月の新作短歌集
※青々としたジャングルの沼で足を囚われる思いだが「夏」「冬」ま
で分け入ろう。
沸騰大変動時代(十七)
❏ スズゲルマニウムベースで~31.49%ペロブスカイト太陽電池吸収体にスズとゲルマニウムを組み込んだ混合陽イオンペロブスカイ
ト太陽電池をシミュレーション。ペロブスカイト層の厚さを調整する
ことで、24.25% ~ 31.49% の範囲の効率を達成
❏ 窒素ヨウ化カルシウムをベースにした効率31%のペロブスカイト
太陽電池国際チームは、無機ヨウ化カルシウム窒素 (Ca3NI3) ペロブスカイト
を利用したペロブスカイト太陽電池を実証し、この吸収材料が調整可
能なバンドギャップや耐熱性などの利点を備えていることを発見した。
このデバイスは 81.68% のフィルファクターを達成した。【掲載論文】
・New highly efficient perovskite solar cell with power conversion efficiency
of 31% based on Ca3NI3 and an effective charge transport layer,” published
in Optics Communications.
❏ 新しい蒸着技術によりペロブスカイト太陽電池の商業化が加速す
る可能性がある米国を拠点とするチームは、連続プロセスで 5 分以内に優れた全無機
ペロブスカイト薄膜を製造する蒸着技術を開発しました。 提案された
アプローチの採用により、ペロブスカイト太陽電池の電力変換効率も
向上する可能性がある。
【掲載論文】
・“Continuous flash sublimation of inorganic halide perovskites: overcoming
rate and continuity limitations of vapor deposition,” published in the Journal
of Materials Chemistry A.
❏ 新しい量子太陽電池材料は190%の外部量子効率を約束
この新材料は、ゲルマニウム、セレン、硫化スズを組み合わせたヘテ
ロ構造で構成されており、ゼロ価の銅の原子も組み込まれている。
開発者らによると、平均80%を超える光起電力吸収が特徴で、太陽電池
がShockley-Queisser効率限界を突破するのに役立つ可能性があるとい
う。
【要約】
原子的に薄い二次元GeSe/SnSヘテロ構造の界面にある固有のファンデ
ルワールスギャップにCuなどのゼロ価原子をインターカレートするこ
とで得られる量子材料の新世代が設計されており、その光電子特性が
次世代太陽光発電用途に向けて研究されている。
高度なab initioモデリングにより、多体効果がサブバンドギャップ
(約0.78電子ボルトおよび1.26電子ボルト)を持つ中間バンド(IB)
状態を誘発し、次世代太陽電池デバイスに理想的であることが明らか
になり、ショックレー・クワイサー限界である約32%eVボルトを超え
る効率が期待できます。ヘテロ接合を横切る電荷キャリアは、エネル
ギー的にも自発的にも空間的に閉じ込められ、非放射再結合が減少し、
量子効率が向上します。 この IB 材料を太陽電池プロトタイプに使
用すると、近赤外から可視光の範囲での吸収とキャリア生成が強化さ
れます。
活性層の厚さを調整することで、600 nmを超える波長での光学活性が
増加し、広い太陽光波長範囲にわたって最大190%の外部量子効率を達
成し、先進的な太陽光発電技術におけるその可能性を強調しています。
図1.CuxGeSe/SnS の構造と電子特性。
(A) CuxGeSe/SnS の結晶構造における電荷密度の違い。青 (赤) で描
かれた正 (負) 電荷を示す。(B) 多体の自己無撞着準粒子グリーン関
数とスクリーンされたクーロン相互作用の電子バンド構造と合計 イ
ンターカレーション誘起のミッドギャップ状態を示す状態密度(DoS)、
(C) 電子 (青) と正孔 (灰色) で色分けされた中間バンド (IB) 半導
体の概略バンド図。
図2 CuxGeSe/SnS の低エネルギー励起子損失スペクトル L。L は、
Γ − X (x 方向) および Γ − Y (y 方向) 方向に沿った (A) GeSe/
SnS および (B) CuxGeSe/SnS の GW-BSE で得られる。 「P」はプラ
ズモンピークを示す。
図3.CuxGeSe/SnSを活性層とした太陽電池のアーキテクチャとデバイ
ス特性を設計。
(A) 活性層として CuxGeSe/SnS を備えた薄膜太陽電池の概略図、(B)
全反射と全透過からなる層依存の励起子吸収スペクトル、(C) 光励起
励起子の生成速度 太陽の波長とデバイス内の位置の関数、および (D)
最適な活性層の厚さを組み込んだソーラーデバイスの太陽放射の波長に
対する EQE の依存性のプロファイル。 (D) の挿入図は、基本的な活
性層の厚さによる太陽電池の EQE を示す。 近赤外線および可視スペ
クトルにわたる重要な太陽波長範囲内での EQE の一貫した性質に注
目のこと。【掲載論文】
・Chemically tuned intermediate band states in atomically thin CuxGeSe/SnS
quantum material for photovoltaic applications
・Science Advances 10 Apr 2024 Vol 10, Issue 15
・DOI: 10.1126/sciadv.adl6752
❏ 光 触媒 メタンの変換:現状 アート、課題、そして将来の展望⑨
【要約】
3. メタン光変換性能を向上させる戦略
3.1. 半導体の設計
3.1.2. ヘテロ原子ドーピング
3.1.3. ファセットエンジニアリング
3.2. 助触媒の修飾
3.3. 電子スカベンジャーの利用
さまざまな電子スカベンジャーの添加と比較して、H2O2 のその場で
の生成と分解は、環境に優しく、キャリアの分離を促進する低コスト
の方法。一方、生成された・OHまたは・OOHはメタン変換反応を促進
する可能性があるが、H2O2 のその場での生成と分解は C3N4 ベース
の光触媒に限定される。将来の研究では、2e- 経路を介して H2O を
H2O2 に酸化できる光触媒の探索を検討する必要があります。さらに、
H2O2 には生成物の選択性という 2つの側面があるため、H2O2 の量を
制御する必要がある。全体として、このレビューでは、形態制御、ヘテロ原子ドーピング、
ファセットエンジニアリング、助触媒修飾、電子スカベンジャーの利
用など、メタン変換効率と選択性を向上させるための典型的なエンジ
ニアリング戦略を紹介します。 これらの戦略の助けを借りて、合理
的な材料設計を通じてメタン変換の活性と選択性を向上させることが
できる。表 1 に示すように、使用した光触媒、反応条件、および上
記の光触媒メタン変換システムの具体的なデータの概要を示す。
【関連論文】
・Title:Photocatalytic Conversion of Methane: Current State of the Art,
Challenges, and Future Perspectives, in PMC
この項了
風蕭々と蒼い時代