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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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沸騰大変動時代(二十四)

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)
と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。

【今日の季語と短歌:夏の歌会に向けて①】
現代短歌の革命家といえば、正岡子規と俵万智。いま俵万智の特集が
短歌研究で掲載されているので、ピックアップ掲載している。今夜は
次の二首を掲載(『固有名詞の妙』小佐野弾 選)。

   大きければいよいよ豊かなる気分東急ハンズの買物袋
                       『サラダ記念日』

   カラスミのパスタ淫らにブルネロディモンタルチーノで
                      口説かれている
                      『チョコレト革命』

※ブルネッロ・ディ・モンタルチーノは、サンジョヴェーゼ・グロッ
ソ100%で造られる。サンジョヴェ―ゼ・グロッソは「ブルネッロ」と
も呼ばれるサンジョヴェーゼのクローンで、通常のサンジョヴェーゼ
に比べ、粒が大きく果皮が厚いことが特徴。単一品種で造られること
で、ワインはテロワールの個性をより明確に反映できる。ブドウの果
皮が厚いと聞くとタンニンが強いと想像されそうだが。これはイタリ
アで最長である5年間の熟成が必要です。木樽でゆっくりと時間をか
けて熟成が行われることで、ワインの味わいはまろやかで芳醇なスタ
イルに仕上がるとか。


❏ トヨタが2026年から米国で新型EV生産トヨタ自動車は、米国インディアナ州の生産拠点Toyota Motor Manu
facturing, Indiana(TMMI)に14億ドル(約2184億円、1ドル156円
換算)を投資し、2026年から電気自動車(EV)を生産すると発表した。
生産するのは、3列シートのSUVで新型車となる。今回の投資により、
TMMIへの投資総額は80億ドルに達した。同時に今回の投資で、TMMIに
電池パックの生産ラインを新設する。2025年に稼働開始予定のToyota 
Battery Manufacturing, North Carolinaで生産したリチウムイオン
電池セルをTMMIで電池パックにし、新型3列シートEV-SUVに搭載する。TMMIは7500人以上の従業員を雇用しており、トヨタ「Sienna」「Hig
hlander」「Grand Highlander」、レクサス「TX」を生産している。
新型EVや電池パックの組立ラインが稼働すると、最大340人まで新規
雇用する予定。同社は、ケンタッキー州のToyota Motor Manufactur
ing, Kentucky(TMMK)でも3列シートのEV-SUVを2025年から生産する
計画だ。このため、TMMIは米国で2番目のEV生産工場となる。
❏生成AIで「すでに数十億ドルの収益」
mazonの1~3月期は営業利益が過去最高4月30日、米Amazon.comは、2024年1~3月期の決算を発表。売上高は前年同期比13%増の1433億1300万ドル(約22兆6200億円)、
本業のもうけを示す営業利益は同3.2倍となる153億700万ドルで増収
増益だった。四半期の営業利益は前の四半期に続いて過去最高を更新
した。1株当たり利益は0.98ドル(前年同期は0.31ドル)で市場予想
を上回った。同日の株価は時間外取引で当日終値から一時5%程度、
上昇した。純利益は前年同期比3.3倍となる104億3100万ドルとなった。
売上高成長率が最も高かったのは、好調が続く広告事業だった。売上
高は前年同期比24%増の118億2400万ドル。売上高ベースでは直営通
販事業、サードパーティー手数料事業、AWSに次ぐ第4の事業に成長し
た。
❏ 「セレン化タングステン」で新たなコヒーレント振動励起過程
従来の振動励起過程とは異なり、和周波過程によって励起横浜国立大学の草場哲助教や武田淳教授、カリフォルニア工科大学の
Haw-Wei Lin氏やGeoff Blake教授らによる研究グループは2024年4月、
遷移金属ダイカルコゲナイド半導体の一種である「セレン化タングス
テン(WSe2)」に、広帯域テラヘルツパルスを照射したところ、コヒ
ーレントな振動が励起されることを発見。遷移金属ダイカルコゲナイドは層状物質の一種。組成や構造によって
バンドギャップや伝導特性が大きく変わる。このため、次世代のエレ
クトロニクス材料やバレートロニクス*)材料として注目されている。
*)バレートロニクス:電子のバレー自由度を活用して情報処理を行
うことを目的とした、新しい技術。
図.テラヘルツ和周波過程により励起された格子振動
【展望】移金属ダイカルコゲナイドをはじめさまざまな材料について、
今回の研究成果を活用し超高速応答を明らかにしていく。さらに、今
回明らかになった励起過程などを活用しながら、二次元物質の物性を
制御する手法を確立していく。
 
❏ リチウムイオン電池鉄系正極材料、高容量で高サイクル寿命
5月01日、北海道大学と東北大学、名古屋工業大学の研究グループは、
鉄を主成分とする「リチウムイオン電池正極材料」を開発、高容量で
高サイクル寿命を両立させることに成功した。


レアメタルフリーで高性能化:
正極材料の高性能化にはシリコンやリンの導入が有効リチウムイオン電池の正極材料にはこれまで、コバルトやニッケルと
いったレアメタルが用いられてきた。これらの材料は今後、資源の枯
渇や価格のさらなる高騰が懸念されている。近年は、リン酸鉄リチウ
ム(LiFePO4)を用いたリチウムイオン電池なども製品化されているが、
車載用途などでは新しいレアメタルフリー正極材料の開発要求も高ま
っている。研究グループはこれまで、鉄を主成分とするリチウム鉄酸化物(Li5F
eO4)の材料開発に取り組んできた。この材料は逆蛍石構造であり、
鉄と酸素のレドックス反応の両方を利用できることから、LiFePO4に
比べて2倍以上の可逆容量が得られるという。ただ、充電時に進行す
る酸素脱離反応で、サイクル特性が悪くなるという課題があった。研究グループは、Li5FeO4における酸素脱離反応を抑制するため、新
たな元素を導入することにした。pブロック元素と呼ばれる13~18族
の中でも、特に13~16族の元素は酸素と強く共有結合し、Li5FeO4の
LiやFeと容易に置換することが可能である。そこで今回、Li5FeO4に
ついてFeの一部をアルミニウム(Al)やシリコン(Si)、ゲルマニウ
ム(Ge)、リン(P)および、硫黄(S)に置換した材料を合成するこ
とに成功した。

図1.10サイクル充放電後における酸素レドックス反応の容量維持率

合成した材料のサイクル特性を評価した。繰り返し10回目における酸
素レドックス反応の容量維持率は、Li5FeO4の50%に対し、Siを導入
した材料では90%まで向上することが分かった。鉄のレドックス反応
も合わせた正極全体のエネルギー密度では、PやGeを導入した材料が
高い性能を示した。


図2.リンドープによる酸素脱離反応の抑制挙動
❏ ペロブスカイト型ニオブ酸ルビジウムを高圧で合成
新たな強誘電体開発の鍵に
浦工業大学は、ファインセラミックスセンターや東北大学、学習院大
学、東京大学と共同で、高圧法により「直方晶ペロブスカイト型のニ
オブ酸ルビジウム」を合成

ペロブスカイト型構造にセシウムイオンを取り込むことも可能現在、ほとんどのコンデンサーにはチタン酸バリウムが用いられてい
る。ところが、120℃以上になると特性が低下するといった課題もあ
る。これを解決するため、新たな物質を合成する研究が進んでいる。山本教授らはこれまで、高圧合成法を用いて新物質の開発に取り組ん
できた。物質を高温高圧の状態から急冷すれば、高圧相を常圧下にも
取り出すことが可能となるからだ。今回は、常圧相ニオブ酸ルビジウ
ムを「4万気圧、900℃、30分」という条件で熱処理し、直方晶ペロブ
スカイト型のニオブ酸ルビジウムを合成することに成功した。
図2 ペロブスカイト型ニオブ酸ルビジウムを加熱した時に生じる
結晶構造の変化

実験では、ペロブスカイト型ニオブ酸ルビジウムについて、-268~8
00℃という温度範囲における構造の変化を、X線回折法を用いて調べ
た。この結果、室温以下では構造変化はなかった。そして、220℃以
上では「正方晶ペロブスカイト」に、300℃以上ではより縦に伸びた
形の「第2正方晶ペロブスカイト」に変化し、420℃以上になるとペロ
ブスカイトではない常圧相に戻ることを確認した。一連の相転移は、
第一原理計算により予測された構造安定性で説明できるという。特に
第2正方晶は、負の圧力を与えた計算で得られた結晶構造と一致した。今回得られた高圧相は、ニオブ酸カリウムと同じような強度の第2高
調波発生が観察されたことから、極性を持つ構造であることを確認し
た。比較的高い比誘電率が得られることも分かった。誘電率について
は、試料密度を高めていくとニオブ酸カリウムと同等かそれ以上の値
を実現できるとみている。また、高圧合成法を応用すれば、ペロブス
カイト型構造にセシウムイオンを取り込むことも可能だという。

✺ 今夜の寸評:異常気象の常態化と凶暴化が進行してきている。

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