彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編のこと)
と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。
【わたしの経済論④:為替と円安】
「われわれはいつから資本主義の船に乗ったままなのか、いつになっ
たら資本主義の船から降りられるのか」という問いを経糸にしながら、
貨幣とマネーの意味論、帳簿やオークションや市場や株式会社の変遷
史、20世紀から21世紀へと君臨し続けてきた経済学、グローバリズム
と自由資本主義がもたらす危機などを横糸に編み込んだ充実の一冊。
第4章 グローバル資本主義の蛇行グローバル資本主義の限界をあらゆる角度から問題提起する。ストレ
ンジは制御不能なマッドマネーに警鐘を鳴らし、投資家のソロスは資
本主義の“合理性”には、必ずや「ゆらぎ」「誤謬」が巣くっている
ことを見抜いた。世界を反転させるのはマルチチュードか、脱構築か、
マルクスの再来か。
1358夜 マンフレッド・スティーガー 『グローバリゼーション』1352夜 スーザン・ストレンジ 『マッド・マネー』1332夜 ジョージ・ソロス 『グローバル資本主義の危機』1353夜 金子勝 『反経済学』1388夜 鈴木謙介 『〈反転〉するグローバリゼーション』1390夜 パオロ・ヴィルノ 『ポストフォーディズムの資本主義』1391夜 アレックス・カリニコス 『アンチ資本主義宣言』
第3章 海を渡りつつ、悪例になるな
1万ドルの水準を超えられない「中所得国の罠」
実際、この「1万ドルの水準」に直面して跳ね返された国は多い。逆
にいえば、その水準を突き抜けた国はほとんどなく、韓国とサウジア
ラビアくらいしかない。サウジアラビアは資源があるからだろうし、
韓国は社会の仕組みが自由主義だったからといわれている。一方で、
ロシア、アルゼンチン、トルコ、ブラジルなどはみな1万ドルの天井
に跳ね返された。
日本の場合、戦後の高度成長時に天井を突き抜けている。勤勉な国民
性など、普通の経済テキストに書かれているような、そのための条件
を満たしていたからだ。
一瞬だけ水準を超える国はいくつかあるが、20~30年にわたって1万
ドルの水準を超え続ける国は、実はほとんどない。
中国がたまたま好調だったのはちょうど1万ドルだったからで、これ
から10年後を考えたときに、いままでのように順調に成長するかは不
透明だ。
経済成長しているとバブルは起こりやすいが、中国の場合はその際の
統計数字をごまかすことができる。日本でも昔、高度成長の最後にバ
ブルが起こったが、当時は不良債権なんて存在しないとみんなが口を
揃えていた。中国では不良資産があるかどうかを認定できるのは政府
だけだから、つまり、指数が6より小さい非民主主義国では経済成長
と民主主義が無相関で、6より大きい民主主義国では経済成長と民主
主義が正の相関にある。したがって、民主主義でないと経済成長しな
いという推察が可能だ。ちなみにこれは、経済成長すれば民主化する
という意味ではない。
グラフの上部にあるドットは産油国だ。ここは例外で、原油という金
のスプーンがあるからGDPが高い。産油国以外は民牛王義が経済成
長に関係するといえる。
これは米国の経済学者ミルトン・フリードマンが、60年ほど前に述べ
た「経済活動には自由が必要だ」というところに帰結する。その一つ
に資本移動の自由がある。自由がないと資金調達コストが高くなり、
イノベーションが起こらないといったデメリットがある。
民主主義指数が低いというのは、つまり共産圏のことを指しているが、
自由がないからイノベーションは起こらないし、資金調達コストと金
利が高くなることも含まれている。筆者もこれは20年ほど前から研究
していて、中国がこれからどうなるのか関心がある。
中国は習近平政権の3期目に入って、悪いことがいろいろと出てきて
いるから、この理論の妥当性がますます高まっている。
統計が当てにならない共産主義国の分析をするには、オークンの法則
などの経済理論を使う。出てきた数字だけを見て議論しても、肝心の
数字がほとんどインチキなのだから意味がない。だったら誰も否定で
きない経済原理を使って議論すればいいのだ。
筆者は中国政府に呼ばれたとき、「経済原理には逆らえない」と先方
に伝えたことがある。さすがに米国で大学院までいき、英語も話せる
ような中国人だったからそれを否定しなかったが、「中国には中国の
やり方がある」と返された。独裁体制だから、その人にいろいろアド
バイスしても意味がないと思ったし、中国政府関係者が筆者の意見に
同調するのもまずいだろう。
ちなみに、「政治と経済は別物だ」と主張する人もいるが、結局のと
ころ経済は政治の影響を受けざるを得ない。たとえば、21年に米国は
ウイグルからの製品輸入をすべてやめてしまった。こうなると綿だけ
でなく、そこで作られたほかのものまで輸出できなくなって、ウイグ
ルの経済に大打撃を与える。
こういうとき経済安全保障の話が最初に出てくるが、安全保障で敵対
していれば通商にも影響を与える。戦略物資や技術の供与が禁止され
るからだ。国家体制が違えば、安全保障の面でも対立しやすくなる。
これは米ソ冷戦の時代から同じだ。安全保障の諸を忘れると、政治と
経済が一体に見えるかもしれない。
だが、ひとたび安全保障の話が出れば経済はそちらにくっつくからデ
カップリング(分離)し、その勢いが増した結果、いまの米国のよう
に人権の話が出てくる。
00年以降、中国はウイグルと南シナ海、香港まで進出したが、残るは
台湾と尖閣諸島だ。これらは海洋進出するための欠かせないパーツだ
から、安全保障面でバッティングする。だから日米と中国では、経済
と政治のデカップリングが進むだろう。
この項つづく
※参考|フリードマン自身が好んで「キャピタフ」と略称している『
資本主義と自由』の第2章「自由社会における政府の役割」の章末に
、次の14項目のリストが出ている。フリードマン提案の「政府に委
ねるべきではない施策リスト」
①農産物の買取り保証制度。
②輸入関税と輸出制限。
③産出規制(農作物の作付面積制限、原油の生産割当てなど)。
④全面的な家賃・物価コントロール、賃金コントロール。
⑤最低賃金制、価格の上限設定。
⑥産業規制、銀行規制。
⑦ラジオとテレビの規制。
⑧社会保障制度(とくに老齢・退職年金制度)。
⑨事業免許制度、職業免許制度。
⑩公営住宅、住宅建設奨励のための補助金制度。
⑪平時の徴兵制。
⑫国立公園。
⑬営利目的での郵便事業。
⑭公有公営の有料道路。
「さよーならまたいつか!」
作詞/作曲/唄:米津玄師
どこから春が巡り来るのか
知らず知らず大人になった
見上げた先には燕が飛んでた
気のない顔で
もしもわたしに翼があれば
願う度に悲しみに暮れた
さよなら 100年先でまた会いましょう
心配しないで
いつの間にか 花が落ちた
誰かがわたしに嘘をついた
土砂降りでも構わず飛んでく
その力が欲しかった
誰かと恋に落ちて
また砕けて やがて離れ離れ
口の中はたと血が滲んで 空に唾を吐く
瞬け 羽を広げ 気儘に飛べ どこまでもゆけ
100年先も憶えてるかな 知らねえけれど
さよーならまたいつか!
しぐるるやしぐるる町へ歩み入る
そこかしこで袖触れる
見上げた先には何も居なかった
ああ居なかった
したり顔で 触らないで
「地球儀」以来約8か月半ぶり、配信限定シングルとしては「月を見て
いた」以来約9か月半ぶりの新曲リリースとなった。3月25日には楽曲
の公開にさきがけ、山田智和によるアーティスト写真が公開された。
写真にはレッドオレンジ色のパワーショルダーを着た三つ編み姿の米
津が写されている。 4月1日、「虎に翼」初回放送のオープニング映像
にて楽曲が解禁(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E8%99%8E%E3%81%A
B%E7%BF%BC)。
※
❏ マルチフェロイック光触媒で有機染料を分解 東京工業大学の研究グループは,マルチフェロイックAuBiFeO3光触媒
ナノ粒子の作製に成功し,可視光および近赤外線照射下で高効率な
メチレンブルー有機染料の分解を達成した。
【要点】
1.簡易な水熱プロセスによりマルチフェロイックAu-BiFeO3光触媒ナ
ノ粒子を作製
2.太陽エネルギー(可視光)を利用して有毒な有機染料を高効率に
分解
3.ナノ粒子は磁石により容易に回収・リサイクル可能
4.リーンエネルギーとグリーンテクノロジーによりSDGsの達成に貢献
図1.(a) 純BiFeO3ナノ粒子、(b) 0.5 wt% Au-BiFeO3ナノ粒子、(c)
1.0 wt% Au-BiFeO3ナノ粒子、(d) 1.5 wt% Au-BiFeO3ナノ粒子の走査
型電子顕微鏡画像。(e) 1.0 wt% Au-BiFeO3ナノ粒子の高解像度透過型
電子顕微鏡画像および (f) 元素分析マッピング。
【概要】
東京工業大学らの研究グループは、マルチフェロイック[用語1]Au-Bi
FeO3光触媒ナノ粒子の作製に成功し、可視光および近赤外線照射下で
高効率なメチレンブルー有機染料の分解を達成した。BiFeO3は可視光
から近赤外まで吸収できる無毒の光触媒であり、金(Au)ナノ粒子と
の統合により有機染料の分解能力がさらに向上することを確認した。
さらに、Au-BiFeO3光触媒ナノ粒子は強磁性[用語2]を備えているため
容易にリサイクルでき、環境の二次汚染を防ぐことが可能と考えられ
る。安全な水の確保や、それに向けた廃水処理技術の向上はSDGsの重要な
目標であり、特に環境中の残留性有機汚染物質(POPs)[用語4]の除
去にとって重要な課題である。本研究で作製したAu-BiFeO3光触媒ナノ
粒子はグリーンエネルギーである太陽光で駆動することが可能であり、
持続可能性の高い材料と言える。太陽光においては可視光と赤外線が
エネルギー分布の90%超を占めており、それらを活用できるマルチフ
ェロイックAu-BiFeO3光触媒ナノ粒子の作製成功は、「持続可能な世界
」の実現に大きく貢献すると考えられる。図1.(a) 純BiFeO3ナノ粒子、(b) 0.5 wt% Au-BiFeO3ナノ粒子、(c)
1.0 wt% Au-BiFeO3ナノ粒子、(d) 1.5 wt% Au-BiFeO3ナノ粒子の走
査型電子顕微鏡画像。(e) 1.0 wt% Au-BiFeO3ナノ粒子の高解像度透過
型電子顕微鏡画像および (f) 元素分析マッピング。
【掲載論文】
ACS Applied Nano Materials
論文タイトル : Tunable Photocatalytic Properties of Au-Decorated BiFeO3 Nano structures for Dye Photodegradation
DOI : 10.1021/acsanm.4c01702