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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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沸騰大変動時代(五十七)

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)
と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。


【季語と短歌:夏の歌会猛特訓⑦】

【蕎麦文化の高度化と事業①】




【わたしの経済論⑭:為替と円安】
第4章 為替と物価のキホンのキ
業物価が上がってもすぐインフレにはならない原材料や子不ルギー価格が上がっているのは間違いないが、コストア
ップ要因になっていて、通常の最終消費者には転嫁できず、おまけに
企業のなかでも、川下にいくにつれて転嫁しづらくなっている。そん
な企業段階でコストアップが溜まっていく状態を表しているにすぎな
い。
最終的には、消費者に転嫁できないと詰まってしまい、経済が動きに
くくなる。こういうときには多少インフレになるが、消費者物価を上
げるレベルで緊急経済対策などを行い、消費者のところで転嫁できる
くらい所得を上げる対策が、本当は求められている。
しかし、いまの状況では「インフレになるのは嫌だ」ということで対
応しないだろう。だから米国のほうが健全だ。インフレになるほうが
経済はいいので、失業率は低い状態を保てる。米国の雇用統計も市場
の予想よりいい。経済が強いから雇用も強いのだ。
最悪なのは失業して所得がなくなることだが、米国は最悪の状況を回
避できている。
「失業とインフレのどちらを選ぶか」といわれたら、実はインフレを
選ぶべきなのだ。そのほうがマクロ経済的には影響が小さい。
こういうことは金融政策の基本であり、だから筆者は「金融政策匹雇
用政策」だと繰り返し述べている。安倍元首相はそれを完全に理解し
ていたがヽほかの政治家はほとんどわからないようだ。
日本の失業率は22年11月で2・5%だからそこそこいいのだが、半年
から1年くらいのスパンで見ると少し上がってくるだろう。いまは雇
用調整助成金で抑えているので、名目上も下がっている状態だからだ。

金融政策に着目してデフレ脱却を目指す「リフレ政策」
金融政策の一つに「リフレ政策」というものがある。リフレとはリフ
レーションのことで、デフレからは抜け出したが、本格的なインフレ
には達していない状態のこと。筆者をはじめとしたリフレ派は、デフ
レはまずいという立場で、デフレの要因をとりわけ金融政策に着目し
て説明するのが特徴だ。

裏を返せば、デフレの要因を金融政策に着目せず説明する人が案外多
い。もちろん財政の要因もあり、リフレ派はそれも考慮している。金
融政策とは簡単な話で、お金を多く刷るか刷らないかだ。お金を刷る
と物価が上がる。これを「貨幣数量理論」という。なぜお金を刷ると
物価が上がるのかといえば仕組みは単純で、物とお金の量の比で価格
が決まるからだ。

たとえば、A商品が100個で価格100万円だとすると、―個当た
り1万円になる。それが、世の中のお金が増えて100個が1000
万円になったとすると、A商品はI個10万円になる。そんな感じで、
物の量が決まっていたら、お金の量を増やすと価格は上がるのだ。
日銀がお金を刷れば、金融機関を経由して市場に出回る。日銀は刷っ
たお金で何でも買えるが、ちまちましたものを買っても仕方がない。
だから、どかんと大きなものを買う。そのなかでも一番便利で世の中
に多くあるのが国債で、金融機関はみんな持っている財政当局が国債
を発行するからだ。

金融機関は国債を買い、お金を財政当局に渡している。お金を渡す代わりに国債を持っているともいえる。その国債を日銀は白分か刷った
お金で買うという仕組みだ。
だから、日銀が刷ったお金の量と、日銀が買った国債の量はほぼ同じ
になる。もっとお金を刷るためには、もっと国債を買えばいい。日銀
が国債を買う量が少ないからお金の量も少ないのだ。
国債はまだ民間金融機関に400兆円くらいあまっている。国債全体
は1000兆円くらいあるが、前に日銀が600兆円買った残りだ。

日銀は金融緩和といっている割には、国債を買うのを渋っていた。も
っとお金を刷って国債を買えばいい。FRBの議長だったペン・バー
ナンキは、「国債を買いまくって、世の中から国債がなくなってしま
えばいい」と筆者に言っていた。
もし日銀がすべての国債を持つとしたら、世の中の金融機関から国債
がなくなるから財政問題がなくなる。政府の子会社がすべての国債を
持つということは、実は財政負担がゼロということだ。現状そうなって
いないのは、民間金融機関が国債をすべて持っていてお金に換えよう
としないからだ。

いまは金融機関がお金をいくら持っていても、貸出先が少ないのだろ
う。銀行が儲けるためには、現金をたくさん持っていても意味がない。
どこかに貸し出して利息収入を得ないといけないが、その貸出先をな
かなか探せない。金融機関としては情けない話だ。
国債が500兆円あるといっても、ポートフォリオというかたちで保
有しており、売り買いにあまり出さないから店頭にはほとんどない。
商店の奥のほうから商品を持ち出すような感じになり、民間金融機関
も積極的に国債を売りたがらない。
財政出動すれば、日銀もより国債を買いやすくなる。財政出動したと
きに発行した国債は「新発国債」といい、発行直後はさまざまな金融
機関で取引される。そのときは日銀も国債を買いやすいのだ。
それがだんだん取引されなくなると金融機関のポートフォリオに沈ん
でいく。つまり、それぞれの金融機関の金庫に入る。そうするとなか
なか取引されなくなる。このように、金融政策というのは抽象度が高
くて理解するのが難しい。財政の話のほうが簡単だから、リフレ派へ
の批判は金融政策を知らない人がするだけだ。財政出動と金融政策は
密接な関係にあり、両方を理解していないと議論にならない。

「インフレ目標2%」は失業率低下が目的
アベノミクスで政府は「インフレ率2%」を目標に掲げた。これに対
して「あれだけ金融緩和したのに、まだ目標を達成していないではな
いか」という批判もあった。こうした批判は的外れで、2%に達して
いないからこそ国債が買える。つまり、インフレ目標に達するまでは
財政出動しても財政が悪くならないという点でいいことなのだ。
別に2%に届かなくても大した話ではない。2%「まで」いいのだか
ら、2%より下でも問題ない。
中央銀行がたくさん国債を買えば、インフレ率はおのずと上昇する。
それとともに失業率が下がる。景気がよくなれば物価が上がりやすく
なる一方で、雇用も増えるからだ。だから何らかの政策を実行すると
きは、財政出動や金融緩和をすれば、物価が上がりやすくなる一方で
失業率は下がりやすくなる。これが「フィリップス関係(曲線)」だ。


このインフレ率と失業率の関係は知られていて、大学の経済学部では
必ず習う。どの国でもそれは同じで、グラフにすれば失業率が高いと
きにはインフレ率が低くなり、失業率が低いときにはインフレ率が高
いという反比例の曲線を描く。言い換えれば、景気が悪くなるとイン
フレ率が低くなり、失業率は上がる。ただし、どんな国でも失業率が
ゼロになることはない。必ず失業する人はいるからだ。
これは不幸な話だが、自分の適性と仕事は完全にはマッチしない。だ
から失業率はどんなに低くてもI~2%にはなる。
一番低くなる数値は国によって違っていて、日本はだいたい2%ちょ
っと。どう頑張ってもこれより失業率は下がらない。
米国では少し前まで下限が4%くらいだったから、22年12月現在の
3・5%というのは、かなり人手不足の状態というのがわかる。
金融緩和すればインフレ率がどんどん上がって失業率が下がっていき
下限までいくとそれ以上は下がらず、インフレ率しか上がらなくなる。
そう考えると、日本なら失業率を下げるときに許容できるインフレ率
は、2%までということになる。
このインフレ率を上昇させない失業率のことを、経済理論では「NA
IRU(non-increasing innation rate of unemployment)」と呼ぶ。
だから「2%に達しなければならない」ではなくて、「2%に達する
までに失業率が下がればいい」というのが目標の本来の意味だ。
インフレ率が上がれば給料も同じように上がる。日本でも最近、多く
の企業が数パーセントの賃上げをすると報じられた。
ただ、インフレ率がたとえば10%などになってくると、年中値札を替
えないといけないし、いろいろと面倒になる。
いまの状況であれば、もっと金融緩和しても構わない。新型コロナウ
イルスショックでインフレ率がマイナスになり、最近になってようや
く多少は上がってきているとはいえ、まだ緩和の余地はあるからだ。
失業率とインフレ率の関係を見ながらコントロールするのが、金融政
策の基本だが、こういう話をするときは、とにかく失業率だけを見て
おけばいい。インフレ率ばかり気にしている人は視点を間違えている
のだ。バーナンキも「失業率が下がればそれでいい」と言っていた。
ちなみに、失業率はGDP成長率とは直接関係ない。もちろんGDP
が上がればインフレ率も上昇し、一方で失業率は下がる傾向にあるか
ら少しは関係するが、GDP成長率を見て政策を決めるわけではない。
失業率とインフレ率の背景にはGDPがあるというだけだ。
                                                  この項つづく

【多死社会と家族①】
高齢独居者は2割、2040年に死亡者数は25%増
日本は、高齢化に伴って死亡者が増加する「多死社会」化の途上にあ
る。国立社会保障・人口問題研究所の将来推計によれば、40年の同死
亡者数は26%増加して、157万人となる。
人生の最終段階では、①病院への同行などの「日常生活支援」や、②
病院や介護施設に入る際の「身元保証」、③葬儀や家財の片付けなど
の「死後対応」が必要になる。従来こうした支援は家族などが担って
きた。しかし現在、高齢者の約2割は独居であり、身寄りのない人も増
えている。多死社会の中で、家族に頼れない高齢者は、これまで家族
が提供してきた支援をいかに確保するかが課題となる。
高齢者定義「65歳→70歳」引き上げで起こる"困惑"
岸田総理が主宰する経済財政諮問会議で、高齢者の定義を5年引き上
げ、70歳にしようという話が持ち上がる。
高齢者への年金を減らしたい
故人を円滑に葬送できるように     
❏ 「系統連系待ち」太陽光と蓄電池、合計2000GW超
2024年4月、米エネルギー省(DOE)の研究所であるローレンス・バー
クレー国立研究所(LBNL)が、「2024年版・送電網に系統連系を申請す
る発電所の特性」と題する分析レポートを発表した。これは、2023年
度末時点における、特別高圧送電線への系統連系(接続)に関する発
電所の情報を調査・分析LBNLによると、現在、記録的な容量の太陽光
発電を含むゼロカーボン発電とエネルギー貯蔵設備(系統用蓄電池)
が系統連系を申請している。実際、電力連系への接続認可待ちの新規発電所とエネルギー貯蔵設備
の合計出力(累積)は2598GW(2.598TW)に達する(図1)。ちなみに、1
690GW(1.69TW)は2023年初頭に既に申請済み・接続待ち、そして、
残りの908GWは、2023年中に接続申し込みを行った設備となっている。
レポートによると、太陽光発電とエネルギー貯蔵設備は、接続待ちの
中で最も急速に導入が加速している設備であり、合計すると、2023年
に接続申請した新規容量の80%以上を占める。それとは反対に、接続
を申請された化石燃料発電の容量ははるかに少なく、現在天然ガス火
力が79GW、石炭火力が1.5GWに留まっている

図1 系統連系を申請中の設備規模の推移
(注:青色=2023年初頭に既に申請済み・接続待ち容量、黄色=2023
年中に接続申し込み容量、出所:LBNL)
発電所の「接続待ち」は合計1570GW(1.57TW)を超え、そのうち、太
陽光発電が1086GW(1.086TW)、風力発電366GWに達し、太陽光が全体
の69%も占める(図2)。さらに、現在1023GW(1.023TW)ものエネル
ギー貯蔵設備も接続待ちとなっていて、この3つのテクノロジーを合わ
せると、接続待ち全ての95%も占める。

太陽光とエネルギー貯蔵のハイブリッド増加太陽光とエネルギー貯蔵設備のハイブリッド(併設)発電所の容量は
年々増加しており、こうしたハイブリッド案件は、太陽光の接続待ち
(1086GW)のうち571GWを占めている。つまり、接続待ち太陽光の53%
はハイブリッドということになる(図4)。その内訳は、エネルギー貯
蔵設備に併設される太陽光発電所が548GW、「エネルギー貯蔵設備+風
力発電所+太陽光発電所」が12GWとなっている。
【関連情報】



❏● 今日の寸評:環境リスク本位制と自由と民主主義
        好戦的で専制主義国家では地球を救済でない。




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