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Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
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沸騰大変動時代(五十九)

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彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」

【季語と短歌:夏の歌会猛特訓⑧】

          水無月や香典返し不在メ-ル 
                                  水無月や生より濃ゆき人の没後    長谷部朝子

雨上がりの夜の吉祥寺が好きだ 街路樹に鳴く鳥が見えない  
                           枡野浩一『歌』コーヒーの湯気を狼煙に星びとの西荻窪は荻窪の西       
                佐藤弓生「世界が海におおわれるまで』

ひと日燃え秋暮れかかる治郎坂にとんぼが落とすぎんいろの羽根  
                      永井陽子『樟の木のぅた』

秋風の曾曾木の海に背を向けてわれは青天よりの落武者 
                        塚本邦雄『天資の書』

たつぶりと真水を抱きてしづもれる昏き器を近江と言へり 
                          河野裕子『桜森』
春浅き大堰の水に漕ぎ出だし三人称にて未来を語る   
                         栗木京子『水惑星』

階段を二股跳びして上がりゆく待ち合わせのなき北大路駅海
                       梅内美華子「横断歩道」

四万十に光の粒をまきながら川面をなでる風の手のひら
                      俵万智『かぜのてのひら』

「ずつと一緒」のずつととはどのあたりまでとりあへず次は部原名岬
                       佐藤モニカ『夏の領域』  

❏ 高速変調可能なマイクロ偏光熱光源を開発研究では、カーボンナノチューブ配向膜を用いた偏光熱光源の高偏光度化、高効率化に成功し、偏光板等を用いることなく、マイクロサイズでの高性能な偏光光源を実現。開発した高性能のカーボンナノチューブ配向膜を用いた偏光熱光源は、シリコンチップ上に集積可能で超微小なマイクロサイズの新しい偏光光源となることから、従来技術では実現できない新しいセンシングや光デバイス、分析技術を創出することが可能であり、科学技術から産業応用まで、幅広い分野で活用されることに期待
【掲載論文】 “Efficient Emission of Highly Polarized Thermal Radiation from a Suspended Aligned Carbon Nanotube Film” ;  ACS Nano, doi: https://doi.org/10.1021/
acsnano.4c02447

  【わたしの経済論⑮:為替と円安】本当は、省いても好かったのだが、「丁寧に」と「20数年前で忘れている」と「新しい財務科学技術論を記載したい」ことがあり書き始めたが余
りにも遅いことに苛立つ。ここは忍の一文字!
第4章 為替と物価のキホンのキマネタリーベースとマネーストックの違い
為替の説明でマネタリーベースについて述べたが、これはマネースト
ックとは違う。言葉の意味を理解していないと両者の違いがわかりに
くい。かみくだいて説明しよう。マネタリフベフスは簡単で、ざっく
りいうと世の中に流通しているお札(日本銀行券)と貨幣、そして各
金融機関が日銀に開設している当座預金の合計金額だ。
22年12月の平均残高でいうと、お札が約123兆円、貨幣が4・8兆
円、日銀当座預金が約489兆円で、合計は約617兆円。これが現
在のマネタリーベフスだ。日銀当座預金もお金として勘定する理由は
座預金があれば金融機関がその分だけおても、マネーストックが増え
ないこともある。
マネーストックがマネタリーベースの何倍かを示す比率を「信用乗数」
という。了不タリーベースを増やすことはできるが、マネーストック
は意図的に増やせないから信用乗数は変動する。

すごく長い目で見ると、比例的にマネタリーベースとマネタリ-スト
ックは結構同じ比率になりやすい。ただ、短期的には両者の動きは異な
る。お金の増減率とインフレ率には高い相関がある。世界各国のデー
タをとると、相関係数はO・7程度だ。とくにインフレ率と関係があ
るのは、マネタリーベースのほうだ、ただし、これも長い目で見れば、
マネタリーベースもマネーストックも大きくなると、インフレ率は多
少上がるという程度(※要注意)。長い目というのは10年スパンくら
いだ。だから毎月のデータを切り取ってみてもわからない。データを
10年分眺めてみてようやくわかるレベルだから、両者の関係を一発で
解き明かせるような簡県な公式というものは存在しない。
「アベノミクスでマネタリーベースは上がったが、インフレ率は上が
らなかった」というような話をときどき間くが、そんなのはよくある
ことだから別に驚くようなことではない。インフレ率自体はどうでも
よくて、失業率さえ下がればいい。そして失業率が下がっていたから
こそ、「アベノミクスは成功だった」という評価ができる。
お金を刷れば失業率が下がる。これを簡単に理解するのは難しいかも
しれないが、泄の中のいろいろなところにお金があって、それを得る
ために人は商売したくなる。そうなると人を雇うから失業率が下がる。
長い目で見ると、マネタリーベースの増加がそういうところで効いて
くる。時間を経るほど効果が出てくるのだ。    
お金の伸び率がビリで経済成長率もビリに
筆者の昔からの研究対象の一つに、世間に出回るお金の伸び率がある。
グラフを使って説明しよう。まずは図a-1に目を向けてほしい。横
軸にある国についての「お金の伸び率」をとる。毎年の伸び率をとっ
てもいいが、1年ごとだとわかりにくいから、10年くらいの伸び率の
平均値をとって横軸に書く。縦組には「名目GDP成長率」をとる。
これも同じ期間で平均的な伸び率をとる。 一つの国で10年くらい見
ると、お金の伸び率と名目経済成長率の平均的な数字が出る。1つの
国で1個のドットができるから、これをたくさんの国、おおむね20
0カ国を抽出して散布図を作成する。 さすがにデータのない国もあ
るから、そういう国は省略して両方ともデータがある国だけを抽出す
ると150~160カ国に絞り込まれる。それだけの数のドットを打
っていくのは大変な作業に思えるが、いまは表計算ソフトで簡単に作
成できる。だから筆者が教えている大学の講義では、いつもこれを学
生に課題として出している。時代ごとにいろいろなデータのとり方が
あるから、課題としてちょうど出しやすいのだ。
そうやって横幅にお金の伸び率、縦軸に成長宰をとるとだいたい右上
がりでドットが集まる散布図になる。
ここからは少し専門的になるが、成長率というのは経済変数(GDP
データに対応する変数)であり、お金の伸びは人為的に動かせるから、
「お金を伸ばしたら成長率が伸びる」と因果関係で説明する人もいる。
ある程度はそういえるが、この図は別に因果関係を示してはいない
単に「お金の伸び率が高い国には成長率の高い国が多い」という相関
関係を説明している。



では日本の位置はどこか。またGDPが大きい米国や中国の位置はど
こか。それを各年代で調べたグラフがある。
84~93年の、いわゆる日本のバブル経済の前までをとった図a-2で
日本の位置を見ると、米国とかなり近くて先進国のなかでもいい位置
にいる。もちろん、当時の中国は発展途上国だったから、かなり右の
ほうにある。発展途上国はみんな右のほうにいく。
ところがバブル経済後の「失われた20年」の図a-3を見ると、右ト
がりのドットは同じだが、日本は一番左下にある。これは日本が世界
でお金の伸び率、成長率ともにビリだったということの表れだ。
筆者もさすがに20年間ビリだと知ったときは焦った。アベノミクスが
始まった13年からのデータ(図a―I)をとってみたら少し戻してい
るが、まだ以前ほどではない。さすがに2度も消費増税したから戻り
きらないのも当然で、ここ数十年の日本の歩みはかなりつらいものだ
った。 ただし、あと10年くらい適切な政策をとれば、元に.尻せる
自信が筆者にはある。アベノミクスのおかげで、失われた20年で転落
していたビリの位置は況しているからだ。
このデータなら説得力は高いし、日本が成長しなかった原因は、お金
の伸び率が足りなかったからという仮説の証明にもなる。
日本が経済成長しない理由について、みんないろいろな理屈をつけて
論じているが、お金の伸び率を見たら簡単に説明できる。よく「少子
化で成長しない」などと主張する人もいるが、そもそもずっと以前か
ら少子化だし、右に少子化の数値をとって同じグラフを作ってみたら、
経済成長と少子化は全く関係ないことがすぐにわかる。
試しに横軸にいろいろなデータをとってみたが、お金の伸び率以外に
経済成長率との相関関係を説明できるものはなかった。
ちなみに「中国のデータは当てにならない」という意見をよく見聞き
する。たしかにそれも一理あるが、ものすごく乖離した数字というわけでもないから傾向はそこまで違わないだろう。多くの国のデータが
あるから、仮に中国だけが実態と大きくかけ離れていても、全体とし
ての傾向は変わらない。
お金の伸び率と経済成長率には関係がある。逆にいえば、お金の伸び
率を低くすると経済成長率も下がりそうだという仮説が成り立つ。お
そらくそれは間違っていない。
図a-1から3を政府関係者に見せるとみんな驚くが、一方で学者の
なかには「そうではない」という意見も多い。だから、みんなそちら
に引っ張られる。この論が浸透するのは、筆者がこの世からいなくな
ってからだろう。学問というのはそういうものだ。
お金の量を規定するのは日銀と財務省。共謀した彼らの政策がひどか
ったから、失われた20年が起きてしまったのだ。
※ここまで、高橋教授の説明に異論はない。経済分野はデジタル革命
の影響をうけ、「データ・サイエンス学部」として増強され現象解析
も急速進化し、わたしも経済成長と科学技術進歩の寄与度を調査した
が、「ム-ア則」によるコストダウンと技術・文化進歩による富の増
大の恩恵寄与度と高度分業総労働力と寧ろ逆相関にあり、「社会の持
続可能性を前提とした『富』算出評価法」の必要性を痛感している。
これについてはこの小冊子を読み終えたときにコメントしたい。
※次回は「『マンデル・フレミングモデル』で説明できる経済成長」
から                      この項つづく  



 
● 今日の寸評:

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