彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救っ
たと伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦
国時代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと
)と兜(かぶと)を合体させて生まれたキラクタ「ひこにゃん」。
太陽神アポロンに恋をした水の妖精クリュティエが朝から日没まで天
を駆けるアポロンを見つめ続け、ついにひまわりになってしまった。
📚 最新海水淡水化システム・装置技術①
『革新的な海水淡水化プロセスのコア技術を開発し、成長を続ける
水インフラ事業(100兆円規模)において主導権を握りましょう!』
( NEDO.2021)という見出しで驚くが「海洋資源開発」が課題であれ
ば宜なり。と序文掲載。「世界の人口増加や経済発展、異常気象等に
よる水不足が深刻な社会問題になっている。一方で、水インフラ市場
は100兆円規模であり、更なる成長も期待できるため大きなビジネス
チャンスでもある。海水を淡水に変える技術は社会に導入されている
ものの環境負荷低減の技術が求められている。こうした背景から、本
事業では、水不足の課題や淡水化技術の環境負荷の低減を同時に解決
することを目指し、液体金属技術を応用した革新的な海水淡水化・資
源回収システムを開発する事である。マッチングサポートフェーズで
はプラントシステムの成立に不可欠な開発項目として、新しい淡水生
産方法の原理を明らかにし、淡水の品質評価、海水内溶存有価資源の
分離回収機構の技術的な検証を行う。以上の研究成果に基づき、共同
研究フェーズでは企業と共同で小型の試験装置を用いた動的な有価資
源回収実証実験を実施するとともにパイロットプラントの工学設計を
完了させ、早期の社会実装実現を目指す。」と断りを加筆する。
海水の脱塩方法は先回の様な革新的な膜処置法の環境配慮型実用を備
えれば問題解決できるが、ここでは「液体金属流体を用いた革新的な
海水淡水化技術」を考察しシリーズに終止符、実用化の事業論に移り
たい、
出所:「液体金属流体を用いた革新的な海水淡水化技術」堀川虎之介氏
図2のごとく今後の技術開発や市場価値の上昇次第で海水からの回収
意義を見出せる有価資源として、マグネシウム(Mg)、ナトリウム
(Na)、リチウム(Li)等が関心を集めている(図2(b))。こうし
た掘らない資源の回収は持続的発展可能な社会実現への糸口となる可
能性を秘める。
【関連特許技術】
1.WO2012105654A1 海水の淡水化装置 ナノミストテクノロジーズ
株式会社
【要約】極めて少ないエネルギー消費で多量の海水を効率よく淡水化
する。
【解決手段】海水の淡水化装置は、海水をミストに噴霧する複数の噴
霧孔を有する噴霧器1と、この噴霧器1から噴霧されるミストを移送
する搬送気体を供給する気体の供給機構9と、噴霧器1から噴霧され
るミストを静電気で微細な粒子とする霧化電極2と、この霧化電極2
と噴霧器1とに接続されて霧化電極2と噴霧器1とに高電圧をかけて
噴霧器1から噴射されるミストを微細な粒子とする高圧電源3と、霧
化電極2で霧化されたミストに含まれる微細なミストを分離するミス
ト分級器4と、このミスト分級器4から排出されるミストを回収して
淡水を得るミスト回収器5とを備えている。
【符号の説明】
1 噴霧器 2..霧化電極 2A..金属リング 2B..金網 3...高圧電源
4..ミスト分級器 5..ミスト回収器 6..静電霧化器 7..噴霧ケース
9..供給機構 10..噴霧ユニット 11..放電突出部 12..微細噴霧孔
13..キャピラリーチューブ 14.ノズルブロック 14A...本体部 14B...
プレート部 14a.フランジ 14b.段差部 14c.筒部 14d.雄ネジ
14e.連結孔 14x.貫通孔 15..パッキン 16.挟着プレート 16x.貫通
孔 17.給水栓ソケット 18.連結ボルト 20..固定部 21.噴霧チャン
バー 22.空気チャンバー 23 区画壁 24..吹き出し孔 25.ポンプ
26.海水タンク 28.送風機 29.移送ダクト 30.円筒 30A.テーパー部
31.流入口 32.排液口 33.排気口 34 天板 35.排出ダクト 36.回
収槽 37.排液トラップ 37A.U曲部 38..流入ダクト 39.天板 40..
固定部 41..冷却用熱交換器 42..熱交換パイプ 43..フィン 45..
冷却機構 46..コンプレッサ 47..凝縮器 48.膨張弁 49.加熱用熱
交換器 50..冷却回収器 52.排液口 55.冷却機構 56.回収槽 57.排
液トラップ 57A.曲部 61..噴霧チャンバー 66.静電霧化器 67.噴霧ケ
ース 70.サイクロン 70A..サイクロン 70B.サイクロン
2.特開2016-165676 海水淡水化装置 国立研究開発法人産業技術総
合研究所 ナノミストテクノロジーズ株式会社
【要約】下図1のごとく海水を静電霧化機1でミストとし、ミストを
キャリアガスでセパレータ3に移送して、セパレータ3で塩分濃度の
高い大粒ミストを除去し、大粒ミストの除去されたキャリアガスを吸
着器4に搬送し、キャリアガスの微細ミストと水蒸気の両方からなる
水分を吸着器4の親水性吸着剤5に吸着し、液化して回収することで海水に気化熱を与えて蒸発させることなく海水から効率よく淡水を得
る。
図1.海水淡水化装置の概略構成図
【符号の説明】
1…静電霧化機 2…送風機 3…セパレータ 4…吸着器 5…親水性
吸着剤 5A…棒状セラミック 5B…粒状セラミック 6…加温装置
7…加温装置 8…水槽 10…噴霧器 11…噴霧ユニット 12…噴
霧ケース 13…キャピラリーチューブ 13a…噴霧孔 14…ノ
ズルブロック 14A…本体部 14B…プレート部 14a…フラ
ンジ 14b…段差部 14c…筒部 14d…雄ネジ 14x…貫
通孔 15…パッキン 16…挟着プレート 16x…貫通孔 17
…給水栓ソケット 18…霧化電極 19…高圧電源 21…蒸
発器 22…コンプレッサ 23…膨張弁 24…凝縮器 24A…凝縮
器 24B…凝縮器 30…デミスター 31…多孔板 32…透過 孔
40…外装ケース 41…通気性の袋 90…放熱手段 92…減圧容器
93…フラッシュ蒸発手段 94…霧取り手段 95…凝縮器
【特許請求の範囲】
【請求項1】海水を霧化する静電霧化機(1)と、前記静電霧化機(1)に
よって生成したミストをキャリアガスで搬送する送風機(2)と、前記
送風機(2)で搬送されるキャリアガスに含まれるミストを粒径で分離し
て、設定粒径よりも大きな大粒ミストを除去するセパレータ(3)と、
このセパレータ(3)から排出されるキャリアガスを通過させる親水性
吸着剤(5)を内蔵する吸着器(4)とを備え、前記セパレータ(3)で大粒ミ
ストの除去されたキャリアガスを前記吸着器(4)に通過させて、キャ
リアガスに含まれる水分を前記親水性吸着剤(5)に吸着し、液化して
回収することを特徴とする海水淡水化装置。
【請求項2】請求項1に記載される海水淡水化装置であって、前記セ
パレータ(3)をデミスターとすることを特徴とする海水淡水化装置。
【請求項3】請求項2に記載される海水淡水化装置であって前記デミ
スターが、キャリアガスの送風する通路に、複数のパンチングメタル、
網材、不織布の何れかからなる多孔板を配置しており、送風されるキ
ャリアガスに含まれる大粒ミストが多孔板に衝突してキャリアガスか
ら分離されるようにしてなる海水淡水化装置。
【請求項4】請求項1ないし3のいずれかに記載される海水淡水化装
置であって、前記セパレータ(3)が分離するミストの設定粒径を100
nm以上であって10μm以下とすることを特徴とする海水淡水化装
置。
【請求項5】請求項1ないし4のいずれかに記載される海水淡水化装
置であって、前記前記静電霧化機(1)から排出されるキャリアガスを太
陽熱のエネルギーで加温する加温装置(6)を有することを特徴とする海
水淡水化装置。
【請求項6】請求項5に記載される海水淡水化装置であって、前記加
温装置(6)が海水を加熱する温度が80℃以下とすることを特徴とする
海水淡水化装置。
【請求項7】請求項1ないし6のいずれかに記載される海水淡水化装
置であって、前記吸着器(4)から排出されるキャリアガスの熱エネル
ギを回収するヒートポンプ式の加温装置(7)を備え、この加温装置(7)
でもって、前記静電霧化機(1)から排出されるキャリアガスと、前記
静電霧化機(1)に供給されるキャリアガスと、前記静電霧化機(1)に供
給される海水の少なくともひとつを加温することを特徴とする海水淡
水化装置。
【請求項8】請求項1ないし7のいずれかに記載される海水淡水化
装置であって、
前記親水性吸着剤(5)が、全体を多孔質とし、あるいは、表面に200
μm以上の厚さを有する多孔質層を有していることを特徴とする海水
淡水化装置。
【請求項9】請求項8に記載される海水淡水化装置であって、前記親
水性吸着剤(5)が、多孔質または多孔質層の表面の平均孔径を10nm
あ以上であって1000nm以下とし、かつ比表面積を1.98m2/
g以上としてなることを特徴とする海水淡水化装置。
【請求項10】請求項8または9に記載される海水淡水化装置であっ
て、前記親水性吸着剤(5)の多孔質または多孔質層が、チタニアとシ
リカの両方を有することを特徴とする海水淡水化装置。
【請求項11】請求項8ないし10のいずれかに記載される海水淡水
化装置であって、前記親水性吸着剤(5)が、最表面では4mol%以
上、かつ最表面より深さ方向に150μmの地点において1mol%
以上のチタン原子を有していることを特徴とする海水淡水化装置。
3.特開2024-1944( 溶媒駆動装置および溶媒駆動モジュール 株式
会社アシュマラボラトリーズ
【概要】近年、地球温暖化、人口増加にともなう水需要の高まりから
海水淡水化技術を用いた水の生産が急拡大している。現在実用化され
ている海水淡水化技術には、大別すると、熱を利用する蒸発法と、半
透膜を利用する逆浸透(RO:Reverse Osmosis)法との2つの方式が
ある。これらのうち、エネルギー効率の点から、後者のRO法が主流
となっている。RO法では、浸透圧差以上の高圧で、正浸透とは逆向
きに強制的に水を押し出すため多くの外部エネルギーが必要となる。
そこで、より省エネルギーとなる方式として、浸透圧差に基づいた自
発的な水の移動現象を利用する正浸透(FO:Forward Osmosis)法が注
目されている。
FO法の典型的な例は、半透膜を介して海水から淡水を引き出す駆動
媒体に駆動溶液と呼ばれる液体を使用している。ここで、上述したよ
うに、FO法は浸透圧差に基づいた自発的な水の移動現象であるが、
FO法において「駆動溶液」と呼ばれる理由は、あたかも、駆動溶液
が海水から水を引き出しているように見えるためである。 図11は、
駆動溶液を用いた海水淡水化システムの概略構成図である。図11に
示す海水淡水化システムにおいて、駆動溶液811には海水L1に対
して浸透圧が十分高くなるように設計された高濃度の溶質粒子(駆動
微粒子)を含む溶媒が使用されている。この駆動溶液811で満たさ
れた半透膜モジュール814cが装着された処理槽815に、前処理
槽816でゴミ、夾雑物等の不要物が除去された海水L1が供給され
ると、海水L1と駆動溶液811との浸透圧差に基づき、半透膜813
を介して海水側(低浸透圧側)から駆動溶液811側(高浸透圧側)
に水の移動(浸透)が行われる。
図11.駆動溶液を用いた海水淡水化システムの概略構成図
【符号の説明】1A…溶媒駆動装置(その1)1B…溶媒駆動装置(
その2)1C…溶媒駆動装置(その3)10…駆動ゲル 10a上面
10b…下面 11…3次元網目構造体 12…水13…駆動微粒子
14…補強部材 20…半透膜 100A…溶媒駆動モジュール(そ
の1) 100B…溶媒駆動モジュール(その2) 110…ケース
111…上側支持板 112…下側支持板 112h…貫通孔 11
3…内枠 113h…網目 115…網目部 500A…溶液処理シ
ステム(その1) 500B…溶液処理システム(その2) 500
C…溶液処理システム(その3) 515…処理槽 516…前処理
槽 518…処理水保管タンク 519…処理水受け部 519a…
底部 519b…枠部 520…ポンプ 811…駆動溶液 812
a…吸水性駆動ゲル 812b…膨潤した吸水性駆動ゲル 813…
半透膜 814c,814d…半透膜モジュール 815…処理槽
816…前処理槽 817…駆動溶液調整/分離槽 818…処理水
保管タンク D1…第1方向 L1…海水 L10…食塩水 L2,
L20…浸透水 PW…外部刺激 h1,h2…高さ
【0006】この浸透水L2は駆動溶液811に吸収されるため、淡
水として水を利用するためには、別途、駆動溶液調整/分離槽817
を設置し、駆動溶液811から淡水を分離して処理水保管タンク818
に溜める。分離方法として、溶解度、熱、電気・磁気等を利用する種
々の方法が提案されている(例えば、特許文献1、非特許文献1参照
)。また、最近、吸水性ゲルを駆動媒体(駆動ゲル)として利用する
新規な正浸透法が提案されている(非特許文献2)。図12は、駆動
ゲルを用いた海水淡水化システムの概略構成図である。図12に示す
海水淡水化システムの吸水性駆動ゲル812aは、吸水性高分子から
なる駆動ゲルである。この吸水性駆動ゲル812aを備えた半透膜モ
ジュール814dが装着された処理槽815に、前処理槽816でゴ
ミ、夾雑物等の不要物が除去された海水L1が供給されると、吸水性
駆動ゲル812aの吸水力により、半透膜813を介して海水L1側
から吸水性駆動ゲル812a側に水が引き出され移動する。
図12.駆動ゲルを用いた海水淡水化システムの概略構成図
この項つづく
●今日の寸評: