彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救った
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。
【季語と短歌:9月17日】
本復や愛し千振長火照り
高山 宇(赤鬼)
歌集 極圏の光 中沢直人
言葉淡き地上にあれば手は常に強く握れと教えられたり
【今日の短歌研究:シュルレアリスム】 ラストベルト
中沢直人(未来・かばん)
騙し方の上手な順に手品師の名を並べゆく開票速報
負け組が敗者を責める東京よラストベルトのように疲れて
かといって正論で食べて行けますか姿勢よく立つ剥製の朱鷺
夢の中に知事の虫歯を削りおりアラブ髭濃き歯科医師として 今頃になって気づいたように言う(彼は危ない) メディア殆し
ミシガン湖うつろに光るホームレスを遠ざけるため鵞鳥は飼われ 起業家に問い詰められる翁見ゆ撤退を決めるのはあなただ
特集 シュルレアリスムとは何か
解放すること、自分に帰ること
鈴木俊晴
アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」から百年となる今年、
京都、東京、三重を巡回した「シュルレアリスムと日本」展は展覧会じ
たいもさることながら、充実のカタログは最新の研究を踏まえつつさま
ざまな枝葉にも目配せがなされ、この領域に関心のある方であれば座右
に備えておくべき一冊となっていと鈴木俊晴氏が述べ(「総論 シュル
レアリスムとは何か」角川短歌 2024.9)、「全体について、具体的に
論じる」という題目は無理があり、「機能や有用性」に目を向けるべき
とし、シュルレアリスム(1920年代のパリで集団的・集中的に取り組ま
れた芸術運動。第一次世界大戦によって決定的にとなった近代文明の行
き詰まりと非人間性の反動として、先行するダダとともに世界的な広が
りを見せ、文学や美術の領域のみならずひろく今日の芸術のあり方を方
向づけ日本にもいくつか記憶すべき詩面が生み出されたがm1930年代後
半の全体化を生き延びることができず、1841年、シュルレアリスムの唱
導者であった瀧口修造と福沢一郎が治安維持法で検挙され美術史の変節
を記録される。
シュルレアリズムは、いま日本の夜の中へ、溶 解の一途を辿つて
ゐるのかも知れぬ。それは超現実が一つの純粋性に達する一形式で
もあるからだ。それはたしかに可笑しな言ひ方ではある。やがて超
現実といふ言葉は、滑稽とか不思議とか、また「今日は」といった
日用語の中へ入ってしまふかも知れない。いや現に入りつつある。
そうして、さりげない瞬間に、明日にでも一つの新しい形で私達を
動かすであらう。
瀧口修造「シュルレアリズムの十年の記」
「アトリエ」 1940年1月号
日本でシュルレアリスムの解放する力が再び求められたのは、あるい
は本質的に機能しえたのは、戦後、1950年代だったと見る向きもある。
岡本太郎が戦前の絵画をふたたびやり直そうとし、現実に即そうとする
ルポルタ-ジュ絵画はそれゆえにむしろシュルレアリスムを拠り所とし
漫画家の水本しげるの「鬼太郎」の妖怪にマックス・エルンストらの絵
画表現を指示すると。塚本邦雄「『魚歌』うたまくら」『先駆的詩歌論』
圧縮された詩型である短歌において現実と超現実は隣り合わせに、とい
うより、定型詩あってはほとんど一体となって現れ、超現実を介し「解
放」した後、「早く、自分に帰りたい」と反復していると結ぶ。
【完全循環水電解水素製造技術概論 ⑤】
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
世界で電力を使えない人は6億7500万人です。環境リスク本位制時代にあっては、完全循環利用が設計理念となる。
再生可能エネルギーシステム・燃料電池・蓄電池・脱二酸化炭素及びメ
タネ-ションシステム・電気自動車・水素燃料製造システム・水(海水
電解システム)など開発・生産段階から織り込んだ設計(経済の社会へ
の埋め込み政策)をシリ-ズで考察していく。今回は、4日目。
-----------------------------------------------------------【鍵語】海水電解 水素製造 カ-ボンゼロ
1.特開2024-099995 水電解装置 トヨタ自動車株式会社
【要約】図1のごとく電解セルが積層された水電解スタックと、水電解
スタックに水を供給する給水側経路と、水電解スタックから生じた水素
を回収する水素側経路と、を有し、給水側経路には、水電解スタックに
水を供給する動力源であるポンプと、ポンプと水電解スタックとの間に
配置されるイオン交換器と、イオン交換器を通すことなくポンプからの
水を水電解スタックに流す経路であるバイパスと、バイパスに流れる水
の量を調整する弁と、弁の調整をする制御器とを備えたる水電解セルの
劣化を抑えつつも給水側経路の負荷を減らすことができる水電解装置を
提供する。
【符号の説明】 10…水電解装置、11…水電解セル、20…水電解ス
タック、21…タンク、22…ポンプ、23…冷却器、24…イオン交
器、25…気液分離器、26…弁、27…圧力計、28…気液分離器、
29…水素タンク、30…制御器
図1.電解装置10の構成を説明する概念図
【発明の効果】本形態の水電解装置50によれば、制御により、ポンプ
やイオン交換器への負担を抑えつつも、できるだけ水をイオン交換器に
通して可能な限り、水がイオン交換器に通る頻度を上げることができる。
一方、ポンプ22は過負荷である状態となることが抑制されるため、装
置の不具合回避や、必要以上に高い能力のポンプを用いることを回避す
ることもできる。
図2.水電解セル11の層構成を説明する断面図 1.1.水電解スタック
水電解スタック20は、上記したように複数の水電解セル11が積層さ
れ、その両端のそれぞれに配置されたエンドプレートで挟み込むように
構成されている。
上図2には1つの水電解セル11において水電解が行われる部位の断面
の一部を示した。水電解セル11は図2よりわかるように複数の層によ
る積層構造を有している。その層構成は公知の通りであり特に限定され
ることはないが、例えば図2に表れているように、水電解セル11は、
電解質膜12の一方側に水素極触媒層13、水素極拡散層15、水素極
セパレータ17が積層され、電解質膜12の他方側に酸素極触媒層14、
酸素極拡散層16、酸素極セパレータ18が積層されている。 水素極
セパレータ17は当該断面において波形状であり、水素極拡散層15と
の間に溝状の水素極流路17aを形成し、この水素極流路17aを水素
及び随伴水が流れて水素側経路に排出される。一方、酸素極セパレータ
18も当該断面において波形状であり酸素極拡散層16との間に溝状の
酸素極流路18aを形成する。給水側経路から酸素極流路18aに水が
供給されるとともに、酸素極流路18aから酸素及び残りの水が給水側
経路に排出される。
水電解スタック20の両極間に電源線を介して電源19が接続されてい
る。この電源19から水電解スタック20に電圧が印加されることで水
電解セル11で水電解が行われる。ここで電源19は公知の通りであり
水電解に用いられる通常の電源を適用することができる。 1.2.給水側経路(酸素側経路)
給水側経路(酸素側経路)では、市水をイオン交換器に通す等して純水
にしてタンク21に貯水し、純水を水ポンプ22で冷却器23及びイオ
ン交換器24を通して水電解スタック20に供給する経路を有する。水
電解スタック20から出た酸素と水は気液分離器25に戻されて気液が
分離され、気体(酸素)は排出、液(水)は再度水電解に利用されるめ
21に戻される。これらの各部材は配管により連結され、必要な経路で
水及び酸素が流動できるように構成されている。 1.4.制御器による制御 1.5.効果、その他
本形態の水電解装置10によれば、制御により、ポンプの動力性能を最
大限に活用して可能な限り、水がイオン交換器に通る頻度を上げること
ができる。一方、ポンプ22は過負荷である状態となることが抑制され
るため、装置の不具合回避や、必要以上に高い能力のポンプを用いるこ
とを回避することもできる。2.水電解装置の構成及び制御(形態2) 以下省略
【特許請求範囲】【請求項1】水電解セルに水を供給するとともに電圧を付加して水素及
び酸素を得る水電解をする装置であっ前記水電解セルが積層された水電
解スタックと、前記水電解スタックに水を供給する給水側経路と、前記
水電解スタックから生じた水素を回収する水素側経路と、を有し、前記
給水側経路には、前記水電解スタックに水を供給する動力源であるポン
プと、前記ポンプと前記水電解スタックとの間に配置されるイオン交換
器と、前記イオン交換器を通すことなく前記ポンプからの水を前記水電
解スタックに流す経路であるバイパスと、前記バイパスに流れる水の量
を調整する弁と、前記弁の前記調整をする制御器と、を備え、前記制御
器は前記ポンプの吐出圧又は前記ポンプと前記イオン交換器との間の配
管内の圧力に基づいて前記弁の開度を調整する制御を行う、水電解装置。
【請求項2】水電解セルに水を供給するとともに電圧を付加して水素及
び酸素を得る水電解をする装置であって、前記水電解セルが積層された
水電解スタックと、前記水電解スタックに水を供給する給水側経路と、
前記水電解スタックから生じた水素を回収する水素側経路と、を有し、
前記給水側経路には、前記水電解スタックに水を供給する動力源である
ポンプと、前記ポンプと前記水電解スタックとの間に配置されるイオン
交換器と、前記イオン交換器を通すことなく前記ポンプからの水を前記
水電解スタックに流す経路であるバイパスと、前記バイパスに流れる水
の量を調整する弁と、前記弁の前記調整をする制御器と、を備え、前記
制御器は前記水電解スタックに供給される水に含まれるイオン量に基づ
いて前記弁の開度を調整する制御を行う、水電解装置。
【請求項3】前記制御器は前記水電解スタックに供給される水の導電率
を取得し、前記導電率の閾値に基づいて前記弁の開度の調整を行う、請
求項2に記載の水電解装置。
【請求項4】前記制御器は前記イオン交換器を挟んで上流側と下流側と
で水の導電率差を取得し、前記導電率差の閾値に基づいて前記弁の開度
の調整を行う、請求項2に記載の水電解装置。
2.特開2024-103338 水電解システム及びその制御方法 株式会社日
立製作所3.特開2024-110487 反応器およびカーボンリサイクルシステム 三菱
重工業株式会社
4.特開2024-101685 電解合成装置 株式会社日阪製作所5.特開2024-101171 気体貯蔵放出化合物 大成建設株式会社6.特開2024-093404 水素製造装置 株式会社デンソー 他
【壁面、窓など期待が高まる「ペロブスカイト」】
DBJ、ペロブスカイト太陽電池の将来性を考察 リポート発行
8月20日、日本政策投資銀行(DBJ/東京都千代田区)は、ペロブスカイト太
陽電池の将来性についてまとめた調査リポートを発行。リポートでは、
普及や日本メーカーの競争力強化の観点から、同太陽電池の動向を整理
する。
太陽光発電は、発電コストの優位性などから、今後においてもさらなる
拡大が期待される。一方で、現在主流のシリコン系太陽光電池は、設置
適地の減少や系統混雑の増加や製造サプライチェーンの中国依存といっ
た課題に直面している。こうした状況の中、「ペロブスカイト」と呼ば
れる結晶構造を持つ化合物を用いたペロブスカイト太陽電池に注目が集
まっている。同太陽電池は、従来のシリコン系と比べて、柔軟性・軽量性・
透過性などに優れ、理論上の変換効率も高いことから、これまで耐荷重
や形状の問題から設置が難しかった場所への導入や設置面積当たりの発
電量増加が見込まれる。特に、電力需要地である住宅やオフィス・工場の
屋根・壁面・窓への導入と電力自家消費が増加すれば、系統混雑の緩和、
系統全体のコスト抑制につながる。
また、ペロブスカイト太陽電池は主原料たるヨウ素を始めとした関連部
材についても日本企業が競争力を有する技術であり、サプライチェーンの
中国依存も少ない。これは日本政府が掲げる、CN実現と日本の産業競争
力の強化を両立させるというGX戦略の考え方にも合致し、製造コストについ
ても、中長期的にはシリコン系と比較して低減が期待できる。
GX実現におけるペロブスカイト太陽電池の重要性に鑑み、日本政府によ
る政策的支援の枠組みも整いつつある。政府は2023年、30年を待たずに
GW級の量産体制を構築する方針を示し、量産技術の確立・生産体制整
備・需要の創出によって、ペロブスカイト太陽電池の国内サプライチェー
ン構築と社会実装に取り組む方針を示した。
現在は、グリーンイノベーション基金(G湛金)による技術開発支援「次世
代型太陽電池の開発プロジェクト」、GX経済移行債を用いた量産体制整
備に対する設備投資支援「GXサプライチェーン構築支援事業」などの支援
策に加え、需要創出に向けて、FIT ・ FIP制度の枠組の中でペロブスカ
イト太陽電池を念頭に置いた新たな発電設備区分の創設についての検討
が進んでいる。
SHOGUN
と伝えられる招き猫と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時
代の軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜
(かぶと)を合体させて生まれたキャラクタ-。ひこにゃんのお誕生日
は、2006年4月13日。
【季語と短歌:9月17日】
本復や愛し千振長火照り
高山 宇(赤鬼)
歌集 極圏の光 中沢直人
言葉淡き地上にあれば手は常に強く握れと教えられたり
【今日の短歌研究:シュルレアリスム】 ラストベルト
中沢直人(未来・かばん)
騙し方の上手な順に手品師の名を並べゆく開票速報
負け組が敗者を責める東京よラストベルトのように疲れて
かといって正論で食べて行けますか姿勢よく立つ剥製の朱鷺
夢の中に知事の虫歯を削りおりアラブ髭濃き歯科医師として 今頃になって気づいたように言う(彼は危ない) メディア殆し
ミシガン湖うつろに光るホームレスを遠ざけるため鵞鳥は飼われ 起業家に問い詰められる翁見ゆ撤退を決めるのはあなただ
特集 シュルレアリスムとは何か
解放すること、自分に帰ること
鈴木俊晴
アンドレ・ブルトンの「シュルレアリスム宣言」から百年となる今年、
京都、東京、三重を巡回した「シュルレアリスムと日本」展は展覧会じ
たいもさることながら、充実のカタログは最新の研究を踏まえつつさま
ざまな枝葉にも目配せがなされ、この領域に関心のある方であれば座右
に備えておくべき一冊となっていと鈴木俊晴氏が述べ(「総論 シュル
レアリスムとは何か」角川短歌 2024.9)、「全体について、具体的に
論じる」という題目は無理があり、「機能や有用性」に目を向けるべき
とし、シュルレアリスム(1920年代のパリで集団的・集中的に取り組ま
れた芸術運動。第一次世界大戦によって決定的にとなった近代文明の行
き詰まりと非人間性の反動として、先行するダダとともに世界的な広が
りを見せ、文学や美術の領域のみならずひろく今日の芸術のあり方を方
向づけ日本にもいくつか記憶すべき詩面が生み出されたがm1930年代後
半の全体化を生き延びることができず、1841年、シュルレアリスムの唱
導者であった瀧口修造と福沢一郎が治安維持法で検挙され美術史の変節
を記録される。
シュルレアリズムは、いま日本の夜の中へ、溶 解の一途を辿つて
ゐるのかも知れぬ。それは超現実が一つの純粋性に達する一形式で
もあるからだ。それはたしかに可笑しな言ひ方ではある。やがて超
現実といふ言葉は、滑稽とか不思議とか、また「今日は」といった
日用語の中へ入ってしまふかも知れない。いや現に入りつつある。
そうして、さりげない瞬間に、明日にでも一つの新しい形で私達を
動かすであらう。
瀧口修造「シュルレアリズムの十年の記」
「アトリエ」 1940年1月号
日本でシュルレアリスムの解放する力が再び求められたのは、あるい
は本質的に機能しえたのは、戦後、1950年代だったと見る向きもある。
岡本太郎が戦前の絵画をふたたびやり直そうとし、現実に即そうとする
ルポルタ-ジュ絵画はそれゆえにむしろシュルレアリスムを拠り所とし
漫画家の水本しげるの「鬼太郎」の妖怪にマックス・エルンストらの絵
画表現を指示すると。塚本邦雄「『魚歌』うたまくら」『先駆的詩歌論』
圧縮された詩型である短歌において現実と超現実は隣り合わせに、とい
うより、定型詩あってはほとんど一体となって現れ、超現実を介し「解
放」した後、「早く、自分に帰りたい」と反復していると結ぶ。
【完全循環水電解水素製造技術概論 ⑤】
エネルギーをみんなにそしてクリーンに
世界で電力を使えない人は6億7500万人です。環境リスク本位制時代にあっては、完全循環利用が設計理念となる。
再生可能エネルギーシステム・燃料電池・蓄電池・脱二酸化炭素及びメ
タネ-ションシステム・電気自動車・水素燃料製造システム・水(海水
電解システム)など開発・生産段階から織り込んだ設計(経済の社会へ
の埋め込み政策)をシリ-ズで考察していく。今回は、4日目。
-----------------------------------------------------------【鍵語】海水電解 水素製造 カ-ボンゼロ
1.特開2024-099995 水電解装置 トヨタ自動車株式会社
【要約】図1のごとく電解セルが積層された水電解スタックと、水電解
スタックに水を供給する給水側経路と、水電解スタックから生じた水素
を回収する水素側経路と、を有し、給水側経路には、水電解スタックに
水を供給する動力源であるポンプと、ポンプと水電解スタックとの間に
配置されるイオン交換器と、イオン交換器を通すことなくポンプからの
水を水電解スタックに流す経路であるバイパスと、バイパスに流れる水
の量を調整する弁と、弁の調整をする制御器とを備えたる水電解セルの
劣化を抑えつつも給水側経路の負荷を減らすことができる水電解装置を
提供する。
【符号の説明】 10…水電解装置、11…水電解セル、20…水電解ス
タック、21…タンク、22…ポンプ、23…冷却器、24…イオン交
器、25…気液分離器、26…弁、27…圧力計、28…気液分離器、
29…水素タンク、30…制御器
図1.電解装置10の構成を説明する概念図
【発明の効果】本形態の水電解装置50によれば、制御により、ポンプ
やイオン交換器への負担を抑えつつも、できるだけ水をイオン交換器に
通して可能な限り、水がイオン交換器に通る頻度を上げることができる。
一方、ポンプ22は過負荷である状態となることが抑制されるため、装
置の不具合回避や、必要以上に高い能力のポンプを用いることを回避す
ることもできる。
図2.水電解セル11の層構成を説明する断面図 1.1.水電解スタック
水電解スタック20は、上記したように複数の水電解セル11が積層さ
れ、その両端のそれぞれに配置されたエンドプレートで挟み込むように
構成されている。
上図2には1つの水電解セル11において水電解が行われる部位の断面
の一部を示した。水電解セル11は図2よりわかるように複数の層によ
る積層構造を有している。その層構成は公知の通りであり特に限定され
ることはないが、例えば図2に表れているように、水電解セル11は、
電解質膜12の一方側に水素極触媒層13、水素極拡散層15、水素極
セパレータ17が積層され、電解質膜12の他方側に酸素極触媒層14、
酸素極拡散層16、酸素極セパレータ18が積層されている。 水素極
セパレータ17は当該断面において波形状であり、水素極拡散層15と
の間に溝状の水素極流路17aを形成し、この水素極流路17aを水素
及び随伴水が流れて水素側経路に排出される。一方、酸素極セパレータ
18も当該断面において波形状であり酸素極拡散層16との間に溝状の
酸素極流路18aを形成する。給水側経路から酸素極流路18aに水が
供給されるとともに、酸素極流路18aから酸素及び残りの水が給水側
経路に排出される。
水電解スタック20の両極間に電源線を介して電源19が接続されてい
る。この電源19から水電解スタック20に電圧が印加されることで水
電解セル11で水電解が行われる。ここで電源19は公知の通りであり
水電解に用いられる通常の電源を適用することができる。 1.2.給水側経路(酸素側経路)
給水側経路(酸素側経路)では、市水をイオン交換器に通す等して純水
にしてタンク21に貯水し、純水を水ポンプ22で冷却器23及びイオ
ン交換器24を通して水電解スタック20に供給する経路を有する。水
電解スタック20から出た酸素と水は気液分離器25に戻されて気液が
分離され、気体(酸素)は排出、液(水)は再度水電解に利用されるめ
21に戻される。これらの各部材は配管により連結され、必要な経路で
水及び酸素が流動できるように構成されている。 1.4.制御器による制御 1.5.効果、その他
本形態の水電解装置10によれば、制御により、ポンプの動力性能を最
大限に活用して可能な限り、水がイオン交換器に通る頻度を上げること
ができる。一方、ポンプ22は過負荷である状態となることが抑制され
るため、装置の不具合回避や、必要以上に高い能力のポンプを用いるこ
とを回避することもできる。2.水電解装置の構成及び制御(形態2) 以下省略
【特許請求範囲】【請求項1】水電解セルに水を供給するとともに電圧を付加して水素及
び酸素を得る水電解をする装置であっ前記水電解セルが積層された水電
解スタックと、前記水電解スタックに水を供給する給水側経路と、前記
水電解スタックから生じた水素を回収する水素側経路と、を有し、前記
給水側経路には、前記水電解スタックに水を供給する動力源であるポン
プと、前記ポンプと前記水電解スタックとの間に配置されるイオン交換
器と、前記イオン交換器を通すことなく前記ポンプからの水を前記水電
解スタックに流す経路であるバイパスと、前記バイパスに流れる水の量
を調整する弁と、前記弁の前記調整をする制御器と、を備え、前記制御
器は前記ポンプの吐出圧又は前記ポンプと前記イオン交換器との間の配
管内の圧力に基づいて前記弁の開度を調整する制御を行う、水電解装置。
【請求項2】水電解セルに水を供給するとともに電圧を付加して水素及
び酸素を得る水電解をする装置であって、前記水電解セルが積層された
水電解スタックと、前記水電解スタックに水を供給する給水側経路と、
前記水電解スタックから生じた水素を回収する水素側経路と、を有し、
前記給水側経路には、前記水電解スタックに水を供給する動力源である
ポンプと、前記ポンプと前記水電解スタックとの間に配置されるイオン
交換器と、前記イオン交換器を通すことなく前記ポンプからの水を前記
水電解スタックに流す経路であるバイパスと、前記バイパスに流れる水
の量を調整する弁と、前記弁の前記調整をする制御器と、を備え、前記
制御器は前記水電解スタックに供給される水に含まれるイオン量に基づ
いて前記弁の開度を調整する制御を行う、水電解装置。
【請求項3】前記制御器は前記水電解スタックに供給される水の導電率
を取得し、前記導電率の閾値に基づいて前記弁の開度の調整を行う、請
求項2に記載の水電解装置。
【請求項4】前記制御器は前記イオン交換器を挟んで上流側と下流側と
で水の導電率差を取得し、前記導電率差の閾値に基づいて前記弁の開度
の調整を行う、請求項2に記載の水電解装置。
2.特開2024-103338 水電解システム及びその制御方法 株式会社日
立製作所3.特開2024-110487 反応器およびカーボンリサイクルシステム 三菱
重工業株式会社
4.特開2024-101685 電解合成装置 株式会社日阪製作所5.特開2024-101171 気体貯蔵放出化合物 大成建設株式会社6.特開2024-093404 水素製造装置 株式会社デンソー 他
【壁面、窓など期待が高まる「ペロブスカイト」】
DBJ、ペロブスカイト太陽電池の将来性を考察 リポート発行
8月20日、日本政策投資銀行(DBJ/東京都千代田区)は、ペロブスカイト太
陽電池の将来性についてまとめた調査リポートを発行。リポートでは、
普及や日本メーカーの競争力強化の観点から、同太陽電池の動向を整理
する。
太陽光発電は、発電コストの優位性などから、今後においてもさらなる
拡大が期待される。一方で、現在主流のシリコン系太陽光電池は、設置
適地の減少や系統混雑の増加や製造サプライチェーンの中国依存といっ
た課題に直面している。こうした状況の中、「ペロブスカイト」と呼ば
れる結晶構造を持つ化合物を用いたペロブスカイト太陽電池に注目が集
まっている。同太陽電池は、従来のシリコン系と比べて、柔軟性・軽量性・
透過性などに優れ、理論上の変換効率も高いことから、これまで耐荷重
や形状の問題から設置が難しかった場所への導入や設置面積当たりの発
電量増加が見込まれる。特に、電力需要地である住宅やオフィス・工場の
屋根・壁面・窓への導入と電力自家消費が増加すれば、系統混雑の緩和、
系統全体のコスト抑制につながる。
また、ペロブスカイト太陽電池は主原料たるヨウ素を始めとした関連部
材についても日本企業が競争力を有する技術であり、サプライチェーンの
中国依存も少ない。これは日本政府が掲げる、CN実現と日本の産業競争
力の強化を両立させるというGX戦略の考え方にも合致し、製造コストについ
ても、中長期的にはシリコン系と比較して低減が期待できる。
GX実現におけるペロブスカイト太陽電池の重要性に鑑み、日本政府によ
る政策的支援の枠組みも整いつつある。政府は2023年、30年を待たずに
GW級の量産体制を構築する方針を示し、量産技術の確立・生産体制整
備・需要の創出によって、ペロブスカイト太陽電池の国内サプライチェー
ン構築と社会実装に取り組む方針を示した。
現在は、グリーンイノベーション基金(G湛金)による技術開発支援「次世
代型太陽電池の開発プロジェクト」、GX経済移行債を用いた量産体制整
備に対する設備投資支援「GXサプライチェーン構築支援事業」などの支援
策に加え、需要創出に向けて、FIT ・ FIP制度の枠組の中でペロブスカ
イト太陽電池を念頭に置いた新たな発電設備区分の創設についての検討
が進んでいる。
SHOGUN