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エネルギーと環境㊿

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彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-



【季語と短歌:11月14日】

       侘助や吾が一生も爆発期  
                    高山 宇 (赤鬼)

※かんむり座T星が爆発すると騒がれている。それも愛でたいと。




⬛ CIS型薄膜太陽電池の光電変換効率向上

11月14日、産総研は希少金属インジウムを含まないCIS型薄膜太陽電池の
光電変換効率を向上させる技術を開発



今回の成果は太陽電池だけでなく,水分解水素生成用光カソードとして光
電気化学セルなどさまざまなエネルギー変換デバイスへの応用も期待でき
る。

 



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2. 特開2024-153730 非水電解液二次電池 株式会社GSユアサ
【要約】下図いのごとく、本発明の一態様に係る非水電解液二次電池は、
正極と、非水電解液と、を備えた非水電解液二次電池であって、上記正極
が硫黄系活物質とメソポーラスカーボンとを複合した硫黄-メソポーラス
カーボン複合体を含み、上記非水電解液がフッ素化溶媒を含み、上記フッ
素化溶媒が、鎖状フッ素化カーボネート、鎖状フッ素化カルボン酸エステ
ル、又はこれらの組み合わせを含む、非水電解液二次電池で、充放電を繰
り返した際の容量保持率が高い硫黄系活物質を含む正極を備えた非水電解
液二次電池を提供する。
図1.非水電解液二次電池の一実施形態を示す外観斜視図
【符号の説明】1    非水電解液二次電池 2    電極体 3    ケース
4    正極端子 41  正極リード 5    負極端子 51  負極リード
20  蓄電ユニット 30  蓄電装置
【概要】リチウムイオン二次電池に代表される非水電解液二次電池は、高
エネルギー密度、高出力密度を有することから、パーソナルコンピュータ、
通信端末等の電子機器、自動車等に多用されている。リチウムイオン二次
電池の正極材料として、LiCoO2、LiNiO2、LiMn2O4、
LiNi1/3Co1/3Mn1/3O2等のリチウム遷移金属複合酸化物が
実用化されているが、これらの材料は質量あたりの容量が限られている。
そこで、より高いエネルギー密度を有する非水電解液二次電池を実現する
ために、リチウム遷移金属複合酸化物に代わる正極材料として硫黄が検討
されている。硫黄は、質量あたりの理論容量が1675mAhg-1であ
り、従来の正極材料の理論容量の6倍以上のエネルギー密度を有する。
【0004】しかし、正極活物質として硫黄を用いた非水電解液二次電池
においては、充放電時に生成する中間生成物である一部の組成のリチウム
ポリスルフィドLi2Sx(4≦x≦8)が非水電解液に可溶であるため、
充放電を繰り返すと、硫黄がリチウムポリスルフィドとして非水電解液に
溶出し、容量が低下する問題があった。これに対し、非水電解液の成分調
整により、容量低下を改善する技術が提案されており、国際公開番号WO
2018/163778には、正極活物質として硫黄を含むリチウムイオ
ン二次電池において、非水電解液に1moldm-3LiTFSI(Lit
hiumbis(trifluoromethanesulfonyl)
imide)/FEC(fluoroethylenecarbonate)
:D2(1,1,2,2-tetrafluoroethyl-2,2,
3,3-tetrafluoropropyl ether)を用いること
が開示されている。上記特許文献1には、細孔体積比(ミクロ孔/メソ孔)
が2.1である炭素材料と硫黄とを含む炭素複合材料を含む正極と、非水
電解液にHF2CCF2CH2OCF2CF2HとFECとを60:40の
組成になるように混合し、これにLiTFSIを1.0モル/リットルの
濃度となるよう添加して得た非水電解液と、を用いた非水電解液二次電池
が開示されている。
【先行技術文献】【非特許文献】【非特許文献1】第58回電池討論会要
旨集、1E16(2017)
【特許文献】【特許文献1】国際公開番号WO2018/163778
本発明の目的は、充放電を繰り返した際の容量保持率が高い硫黄系活物質
を含む正極を備えた非水電解液二次電池を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた本発明の一態様は、正極と、非水電解
液と、を備えた非水電解液二次電池であって、上記正極が硫黄系活物質と
メソポーラスカーボンとを複合した硫黄-メソポーラスカーボン複合体を
含み、上記非水電解液がフッ素化溶媒を含み、上記フッ素化溶媒が、鎖状
フッ素化カーボネート、鎖状フッ素化カルボン酸エステル、又はこれらの
組み合わせを含む、非水電解液二次電池である。
【発明の効果】【0013】
本発明によれば、充放電を繰り返した際の容量保持率が高い硫黄系活物質
を含む正極を備えた非水電解液二次電池を提供することができる。
【図面の簡単な説明】【0014】
【図1】図1は、非水電解液二次電池の一実施形態を示す外観斜視図である。
【図2】図2は、非水電解液二次電池を複数個集合して構成した蓄電装置
の一実施形態を示す概略図である。

図2.非水電解液二次電池を複数個集合して構成した蓄電装置の一実施形態
を示す概要図
【発明を実施するための形態】【0015】
始めに、本明細書によって開示される非水電解液二次電池の概要について
説明する。本発明の一態様に係る非水電解液電池は、正極と、非水電解液
と、を備えた非水電解液二次電池であって、上記正極が硫黄系活物質とメ
ソポーラスカーボンとを複合した硫黄-メソポーラスカーボン複合体を含
み、上記非水電解液がフッ素化溶媒を含み、上記フッ素化溶媒が、鎖状フ
ッ素化カーボネート、鎖状フッ素化カルボン酸エステル、又はこれらの組
み合わせを含む、非水電解液二次電池である。この構成によれば、充放電
を繰り返した際の容量保持率を高めることができる。【0018】
この理由は定かではないが、例えば以下のことが推測される。鎖状フッ素
化カーボネート及び鎖状フッ素化カルボン酸エステルは、フッ素化エーテ
ル等と比べて還元分解しにくい。このため、当該非水電解液二次電池では、
負極におけるフッ素化溶媒の分解を抑制できると考えられる。また、鎖状
フッ素化カーボネート及び鎖状フッ素化カルボン酸エステルは、フッ素化
エーテル等と比べて酸化分解しやすい。このため、硫黄系活物質と非水電
解液との界面に被膜が形成されやすく、リチウムポリスルフィドの溶出を
抑制できると考えられる。さらに、メソポーラスカーボンはミクロポーラ
スカーボンよりも細孔径が大きい。このため、硫黄系活物質の表面に形成
された被膜と非水電解液との接触面積が大きくなり、被膜中のキャリアイ
オンの輸送がスムーズになると考えられる。このような現象によって相乗
効果がもたらされ、充放電を繰り返した際の容量保持率を高めることがで
きると考えられる.
【0031】ここで、上記フッ素化溶媒における鎖状フッ素化エーテルの
含有割合は、0体積%以上15体積%以下であってもよい。
【0032】これにより、充放電を繰り返した際の容量保持率を高める効
果を確実に発揮することができる。
【0033】ここで、上記フッ素化溶媒が鎖状フッ素化エーテルを含み、
上記フッ素化溶媒における鎖状フッ素化エーテルの含有割合が5体積%以
上15体積%以下であってもよい。
【0034】この構成によれば、充放電を繰り返した際の容量保持率を高
めつつ、充放電サイクルの初期における放電容量を高めることができる。
【0035】この理由は定かではないが、例えば以下のことが推測される。
鎖状フッ素化エーテルは、鎖状フッ素化カーボネート及び鎖状フッ素化カ
ルボン酸エステルと比べて、耐酸化性が高く、耐還元性が低い。このため
非水電解液が鎖状フッ素化エーテルを5体積%以上15体積%以下含むこ
とで、耐還元性を大きく損なうことなく、正極におけるフッ素化溶媒の反
応性を適度に下げ、フッ素化溶媒の酸化分解を抑制することができると考
えられる。このようなメカニズムにより、充放電を繰り返した際の容量保
持率を高めつつ、充放電サイクルの初期における放電容量を高めることが
できると考えられる。【0036】以下、本発明の一実施形態に係る非水
電解液二次電池(以下、単に「電池」ともいう。)の構成及び製造方法に
ついて、リチウム二次電池(以下、単に「リチウム電池」ともいう。)を
例に詳述する。なお、各実施形態に用いられる各構成要素の名称は、背景
技術に用いられる各構成要素の名称と異なる場合がある。

【0037】<非水電解液二次電池>
本発明の一実施形態に係る電池は、正極と、負極と、非水電解液とを備える。
【0038】(正極)
正極は、正極基材と、当該正極基材に直接又は中間層を介して配される正
極合剤層とを有する。
【0039】正極基材は、導電性を有する。正極基材の材質としては、ア
ルミニウム、チタン、タンタル、ステンレス鋼等の金属又はこれらの合金
が用いられる。これらの中でも、耐電位性、導電性の高さ、及びコストの
観点からアルミニウム又はアルミニウム合金が好ましい。正極基材として
は、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの観点から箔が好ましい。したがっ
て、正極基材としてはアルミニウム箔又はアルミニウム合金箔が好ましい。
アルミニウム又はアルミニウム合金としては、JIS-H-4000(2
014年)に規定されるA1085P、A3003P等が例示できる。
【0040】正極基材の平均厚さの下限としては、5μmが好ましく、10
μmがより好ましい。正極基材の平均厚さの上限としては、50μmが好ま
しく、40μmがより好ましい。正極基材の平均厚さが上記下限以上であ
ることで、正極基材の強度を高めることができる。正極基材の平均厚さが
上記上限以下であることで、電池の体積当たりのエネルギー密度を高める
ことができる。「平均厚さ」とは、任意の十点において測定した厚さの平
均値をいう。他の部材等に対して「平均厚さ」を用いる場合にも同様に定
義される。【0041】
中間層は、正極基材と正極合剤層との間に配される層である。中間層は、
炭素粒子等の導電性を有する粒子を含むことで正極基材と正極合剤層との
接触抵抗を低減する。中間層の構成は特に限定されず、例えば、樹脂バイ
ンダ及び導電性を有する粒子を含む。「導電性」を有するとは、JIS-
H-0505(1975年)に準拠して測定される体積抵抗率が107Ω
・cm以下であることを意味し、「非導電性」とは、上記体積抵抗率が
107Ω・cm超であることを意味する。
【0042】正極合剤層は、正極活物質を含む。正極合剤層は、必要に応
じて、導電剤、バインダ(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
【0043】本発明の正極には、硫黄系活物質とメソポーラスカーボンと
を複合した硫黄-メソポーラスカーボン複合体が含まれる。なお、ここで
いう複合とは、導電性材料から硫黄系活物質が離脱しない程度に、導電性
材料の表面に硫黄系活物質を固定化することをいう。
【0044】硫黄系活物質としては、単体硫黄、金属硫化物、及び有機硫
黄化合物等を挙げることができる。金属硫化物としては、Li2Sx(1
≦x≦8)、MSx(M=Ni,Co,Cu,Fe,Mo,Ti、1≦x≦4)
等を挙げることができる。有機硫黄化合物としては、有機ジスルフィド化
合物等を挙げることができる。
【0045】本明細書において、メソポーラスカーボンとは、メソ細孔容
積がミクロ細孔容積よりも大きい多孔性カーボンを意味する。メソ細孔容
積及びミクロ細孔容積はガス吸着法により算出される。具体的には以下の
とおりである。多孔性カーボンの試料を120℃で一晩乾燥する。その後、
この試料の77Kにおける窒素ガスの吸脱着等温線を測定する。測定した
吸脱着等温線の脱着側等温線から、BJH法及びMP法により細孔分布を
計算する。BJH法による計算結果から得られる、直径2nm以上50nm
以下の細孔に由来する細孔容積をメソ細孔容積とする。MP法による計算
結果から得られる、直径2nm未満の細孔に由来する細孔容積をミクロ細
孔容積とする。

なお、多孔性カーボンの試料を、非水電解液二次電池を解体して取り出し
た正極から回収する場合には、次の手順により準備する。まず、非水電解
液二次電池を0.05Cの電流で定電流充電する。定電流充電は、正極の
電位が3V(vs.Li/Li+)となる電圧まで行う。次に、電流値が
0.02Cに減少するまで定電圧充電する。その後、非水電解液二次電池
を解体し、正極を取り出す。取り出した正極をDMC(ジメチルカーボネ
ート)で洗浄し、室温にて一昼夜の乾燥後、正極合剤を回収する。この正
極合剤を水で洗浄することで、硫黄-多孔性カーボン複合体を取り出す。
この硫黄-多孔性カーボンを200℃で加熱処理することで、測定に供す
る多孔性カーボンの試料を得る。
【0046】硫黄-メソポーラスカーボン複合体における硫黄系活物質の
含有割合は、50質量%以上95質量%以下であることが好ましい。これ
により、硫黄-メソポーラスカーボン複合体のエネルギー密度を高めつつ
、電子伝導性を高めることができる。
【0047】メソポーラスカーボンの単位質量あたりの全細孔容積は、硫
黄系活物質の放電状態における体積密度の1倍以上2倍以下であることが
好ましい。例えば、硫黄系活物質として充電時における体積密度が0.9
cm3g-1である単体硫黄を使用し、硫黄-メソポーラスカーボン複合
体における単体硫黄の含有割合を50質量%とする場合、単位質量あたり
の全細孔容積は0.9cm3g-1以上1.8cm3g-1以下とすること
が好ましい。これにより、硫黄-メソポーラスカーボン複合体のエネルギ
ー密度を高めつつ、硫黄を細孔内に十分に保持することができる。
【0048】メソポーラスカーボンの単位質量あたりのメソ細孔容積は、
0.50cm3g-1以上2.0cm3g-1以下であると好ましく、
0.60cm3g-1以上1.8cm3g-1以下であるとより好ましく、
0.70cm3g-1以上1.5cm3g-1以下であるとさらに好ましい。
これにより、硫黄-メソポーラスカーボン複合体のエネルギー密度を高め
つつ、正極合剤のかさ密度の低下を抑制することができる。
【0049】メソポーラスカーボンの単位質量あたりのミクロ細孔容積は、
0.18cm3g-1以上0.50cm3g-1以下であると好ましく、
0.24cm3g-1以上0.44cm3g-1以下であるとより好ましく、
0.30cm3g-1以上0.38cm3g-1以下であるとさらに好まし
い。これにより、硫黄-メソポーラスカーボン複合体のエネルギー密度を
高めつつ、正極合剤のかさ密度の低下を抑制することができる。
【0050】メソポーラスカーボンのミクロ細孔容積に対するメソ細孔容
積の比は、下限が1.0以上であればよく、1.5以上であるとより好ま
しく、2.0以上であるとさらに好ましい。これにより、硫黄-メソポー
ラスカーボン複合体における、硫黄系活物質の表面に形成された被膜と、
非水電解液との接触面積を大きくすることができる。ミクロ細孔容積に対
するメソ細孔容積の比の上限は特に限定されないが、例えば10以下であ
ってもよい。これにより、硫黄-メソポーラスカーボン複合体における硫
黄系活物質の電子伝導性を高めることができる。
【0051】メソポーラスカーボンは、log微分細孔容積分布において、
1.0nmから6.0nmの範囲にピークを有することが好ましい。これ
により、細孔内への電解液の浸透性を高めつつ、細孔内に担持される硫黄
系活物質粒子の大きさを小さくすることができる。
【0052】メソポーラスカーボンは、log微分細孔容積分布における
ピークが単一であることが好ましい。これにより、これにより、硫黄-メ
ソポーラスカーボン複合体中の硫黄系活物質粒子の粒子径が均一となり、
硫黄系活物質の利用率を高めることができる。
【0053】メソポーラスカーボンは、log微分細孔容積分布における
ピークの半値幅が、1.0nm以上2.5nm以下であると好ましい。こ
れにより、硫黄-メソポーラスカーボン複合体中の硫黄系活物質粒子の粒
子径が均一となり、硫黄系活物質の利用率を高めることができる。
【0054】メソポーラスカーボンの平均細孔径は、0.5nm以上15
nm以下であると好ましく、0.7nm以上10nm以下であるとより好
ましく、1.0nm以上6.0nm以下であるとさらに好ましい。なお、
ここでいう平均細孔径とは、BJH法により算出した全細孔容積をBET
比表面積で除した値を意味する。平均細孔径をこれらの下限以上とするこ
とで、硫黄-メソポーラスカーボン複合体に含まれる硫黄系活物質粒子の
大きさが小さくなり、イオン伝導性及び電子伝導性を高めることができる。
平均細孔径をこれらの上限以下とすることで、硫黄-メソポーラスカーボ
ン複合体の細孔内への非水電解液の浸透性を高めることができる。
【0055】メソポーラスカーボンのBET比表面積は、1000m2g
-1以上4000m2g-1以下であると好ましく、1500m2g-1以
上3500m2g-1以下であるとより好ましく、2000m2g-1以上
3000m2g-1以下であるとさらに好ましい。これにより、硫黄系活
物質とメソポーラスカーボンとの接触面積を大きくすることができる。ま
た、硫黄-メソポーラスカーボン複合体に含まれる硫黄系活物質と非水電
解液との接触面積を大きくすることができる。
【0056】メソポーラスカーボンは、メソ細孔容積がミクロ細孔容積よ
りも大きい多孔性カーボンであればよく、形状及び大きさは特に限定され
ない。【0057】なお、本発明の一実施形態における正極は、硫黄系活
物質に加えて、硫黄系活物質以外の活物質を備えていてもよい。このよう
な活物質としては、公知の正極活物質の中から適宜選択できる。具体的に
は、リチウム遷移金属複合酸化物、遷移金属酸化物、ポリアニオン化合物
等を挙げることができる。
【0058】
(任意成分)
正極合剤層は導電剤を含んでもよい。導電剤を含むことで、正極合剤層の
電子伝導性を高めることができる。導電剤は、導電性を有する材料であれ
ば特に限定されない。このような導電剤としては、例えば、黒鉛;ファー
ネスブラック、アセチレンブラック等のカーボンブラック;金属;導電性
セラミックス等が挙げられる。導電剤の形状としては、粉状、繊維状等が
挙げられる。これらの中でも、電子伝導性及び塗工性の観点よりアセチレ
ンブラックが好ましい。
【0059】正極合剤層における導電剤の含有量の下限としては、1質量
%が好ましく、3質量%がより好ましい。導電剤の含有量の上限としては、
15質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。導電剤の含有量を上
記範囲とすることで、電池の電気容量を高めることができる。
【0060】硫黄-多孔質カーボン複合体を用いる場合、多孔質カーボン
は導電剤としても機能する。このため、硫黄-多孔質カーボン複合体を用
いることで、正極合剤層に上述した導電剤を含まない場合であっても、良
好な電子伝導性を発揮できることが期待される。なお、硫黄-多孔質カー
ボン複合体と導電剤とは併用してもよい。
【0061】多孔質カーボンと導電剤とを併用する場合、正極合剤層にお
ける多孔質カーボン及び導電剤の合計の含有量の上限としては、40質量
%が好ましく、30質量%がより好ましい。
【0062】正極合剤層におけるバインダとしては、正極活物質等を固定
でき、かつ使用範囲で電気化学的に安定であるものが通常用いられる。バ
インダとしては、水系バインダを用いてもよいし、非水系バインダを用い
てもよい。
【0063】水系バインダは、水に分散又は溶解するバインダである。中
でも、20℃において、水100質量部に対して1質量部以上溶解するバ
インダが水系バインダとして好ましい。水系バインダとしては、例えば、
ポリエチレンオキサイド(ポリエチレングリコール)、ポリプロピレンオ
キサイド(ポリプロピレングリコール)、ポリビニルアルコール、ポリア
クリル酸、ポリメタクリル酸、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、
スチレンブタジエンゴム(SBR)、ポリエチレン(PE)、ポリプロピ
レン(PP)、ポリエチレンイミン(PEI)、ニトリル—ブタジエンゴ
ム、セルロース等が挙げられる。
【0064】非水系バインダは、N-メチルピロリドン(NMP)等の非
水溶媒に分散又は溶解するバインダである。中でも、20℃において、N
MP100質量部に対して1質量部以上溶解するバインダが非水系バイン
ダとして好ましい。非水系バインダとしては、例えば、ポリフッ化ビニリ
デン(PVDF)、フッ化ビニリデンとヘキサフルオロプロピレンとの共
重合体(PVDF—HFP)、エチレンとビニルアルコールとの共重合体、
ポリアクリロニトリル、ポリホスファゼン、ポリシロキサン、ポリ酢酸ビ
ニル、ポリメタクリル酸メチル(PMMA)、ポリスチレン、ポリカーボ
ネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリアミドイミド、セルロースとキト
サンピロリドンカルボン酸塩との架橋重合体、キチン又はキトサンの誘導
体等が挙げられる。
【0065】バインダを用いる場合、バインダが水系であれば水を分散媒
とするペーストを形成し、バインダが非水系であれば非水溶媒を分散媒と
するペーストを形成する。形成したペーストは、正極基材に塗布・乾燥し、
正極合剤層を形成する。ここで、硫黄の昇華する温度は180℃程度であ
ることから、ペーストの分散媒には沸点が180℃よりも低い溶媒を用い
ることが好ましい。沸点が180℃よりも低い溶媒としては、融点が低く、
扱いが容易な水を用いるのが特に好ましい。このような事情から、バイン
ダには水系バインダを用いるのが好ましい。
【0066】正極合剤層におけるバインダの含有量の下限としては、1質
量%が好ましく、3質量%がより好ましい。バインダの含有量の上限とし
ては、15質量%が好ましく、10質量%がより好ましい。バインダの含
有量を上記範囲とすることで、活物質を安定して固定することができる。
【0067】増粘剤としては、例えば、カルボキシメチルセルロース(C
MC)、メチルセルロース等の多糖類高分子が挙げられる。増粘剤がリチ
ウム等と反応する官能基を有する場合、予めメチル化等によりこの官能基
を失活させてもよい。
【0068】フィラーは、特に限定されない。フィラーとしては、ポリプ
ロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン、シリカ、アルミナ、ゼオラ
イト、ガラス、アルミナシリケイト等が挙げられる。
【0069】正極合剤層は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非
金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典
型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo
、Zr、Nb、W等の遷移金属元素を正極活物質、導電剤、バインダ、増
粘剤、フィラー以外の成分として含有してもよい。
【0070】
(負極)
負極は、負極基材と、当該負極基材に直接又は中間層を介して配される負
極合剤層とを有する。中間層の構成は特に限定されず、例えば上記正極で
例示した構成から選択することができる。
【0071】負極基材は、導電性をする。負極基材の材質としては、銅、
ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼、アルミニウム等の金属又は
これらの合金が用いられる。これらの中でも銅又は銅合金が好ましい。負
極基材としては、箔、蒸着膜等が挙げられ、コストの観点から箔が好まし
い。したがって、負極基材としては銅箔又は銅合金箔が好ましい。銅箔の
例としては、圧延銅箔、電解銅箔等が挙げられる。
【0072】負極基材の平均厚さの下限としては、3μmが好ましく、5
μmがより好ましい。負極基材の平均厚さの上限としては、30μmが好ま
しく、20μmがより好ましい。負極基材の平均厚さが上記下限以上とす
ることで、負極基材の強度を高めることができる。負極基材の平均厚さが
上記上限以下とすることで、電池の体積当たりのエネルギー密度を高める
ことができる。
【0073】負極合剤層は、負極活物質を含む。負極合剤層は、必要に応
じて導電剤、バインダ(結着剤)、増粘剤、フィラー等の任意成分を含む。
導電剤、バインダ、増粘剤、フィラー等の任意成分は、上記正極で例示し
た材料から選択できる。
【0074】負極合剤層は、B、N、P、F、Cl、Br、I等の典型非
金属元素、Li、Na、Mg、Al、K、Ca、Zn、Ga、Ge等の典
型金属元素、Sc、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Mo
、Zr、Ta、Hf、Nb、W等の遷移金属元素を負極活物質、導電剤、
バインダ、増粘剤、フィラー以外の成分として含有してもよい。
【0075】負極活物質としては、公知の負極活物質の中から適宜選択き
る。リチウム二次電池用の負極活物質としては、通常、リチウムイオンを
吸蔵及び放出することができる材料が用いられる。負極活物質としては、
例えば、金属Li;Si、Sn、Sb等の金属又は半金属;Si酸化物、
Ti酸化物、Sn酸化物等の金属酸化物又は半金属酸化物;ポリリン酸化
合物;炭化ケイ素;黒鉛(グラファイト)、非黒鉛質炭素(易黒鉛化性炭
素又は難黒鉛化性炭素)等の炭素材料等が挙げられる。
【0076】これらの材料の中でも、作動電位が低い材料が好ましい。特
に金属Liを用いるのが好ましい。また本実施形態において、負極活物質
として黒鉛等のLiを含まない材料を用いる場合、正極及び負極いずれか
にリチウムイオンを挿入する工程が必要となる。これに対し、負極活物質
として金属Liを用いれば、上記リチウムイオンを挿入する工程を省ける
ことからも、金属Liが好ましい。負極合剤層においては、これら材料の
1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0077】なお、「黒鉛」とは、充放電前又は放電状態において、X線
回折法により決定される(002)面の平均格子面間隔(d002)が0.
33nm以上0.34nm未満の炭素材料をいう。黒鉛としては、天然黒
鉛、人造黒鉛が挙げられる。安定した物性の材料を入手できるという観点
で、人造黒鉛が好ましい。
【0078】「非黒鉛質炭素」とは、充放電前又は放電状態においてX線
回折法により決定される(002)面の平均格子面間隔(d002)が0.
34nm以上0.42nm以下の炭素材料をいう。非黒鉛質炭素の結晶子
サイズLcは、通常、0.80~2.0nmである。非黒鉛質炭素として
は、難黒鉛化性炭素や、易黒鉛化性炭素が挙げられる。非黒鉛質炭素とし
ては、例えば、樹脂由来の材料、石油ピッチ由来の材料、アルコール由来
の材料等が挙げられる。
【0079】ここで、「放電状態」とは、負極活物質として炭素材料を含
む負極を作用極として、金属Liを対極として用いた単極電池において
、開回路電圧が0.7V以上である状態をいう。開回路状態での金属Li
対極の電位は、Liの酸化還元電位とほぼ等しいため、上記単極電池にお
ける開回路電圧は、Liの酸化還元電位に対する炭素材料を含む負極の電
位とほぼ同等である。つまり、上記単極電池における開回路電圧が0.7
V以上であることは、負極活物質である炭素材料から、充放電に伴い吸蔵
放出可能なリチウムイオンが十分に放出されていることを意味する。
【0080】「難黒鉛化性炭素」とは、上記d002が0.36nm以上
0.42nm以下の炭素材料をいう。難黒鉛化性炭素は、通常、非黒鉛質
炭素の中でも、3次元的な積層規則性を持つ黒鉛構造が生成し難い性質を
有する。
【0081】「易黒鉛化性炭素」とは、上記d002が0.34nm以上
0.36nm未満の炭素材料をいう。易黒鉛化性炭素は、通常、非黒鉛質
炭素の中でも、3次元的な積層規則性を持つ黒鉛構造が生成し易い性質を
有する。【0082】
負極合剤層における負極活物質の含有量の下限としては、60質量%が好
ましく、80質量%がより好ましく、90質量%がさらに好ましい。負極
活物質の含有量を上記下限以上とすることで、電池の電気容量を高めるこ
とができる。負極活物質の含有量の上限としては、99質量%が好ましく
98質量%がより好ましい。負極活物質粒子の含有量を上記上限以下とす
ることで、負極の製造が容易になる。
【0083】
(セパレータ)
セパレータは、公知のセパレータの中から適宜選択できる。セパレータと
して、例えば、基材層のみからなるセパレータ、基材層の一方の面又は双
方の面に耐熱粒子とバインダとを含む耐熱層が形成されたセパレータ等を
使用することができる。セパレータの基材層の材質としては、例えば、織
布、不織布、多孔質樹脂フィルム等が挙げられる。これらの材質の中でも、
強度の観点から多孔質樹脂フィルムが好ましく、非水電解質の保液性の観
点から不織布が好ましい。セパレータの基材層の材料としては、シャット
ダウン機能の観点から例えばポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレ
フィンが好ましく、耐酸化分解性の観点から例えばポリイミドやアラミド
等が好ましい。セパレータの基材層として、これらの樹脂を複合した材料
を用いてもよい。
【0084】耐熱層に含まれる耐熱粒子は、大気下で500℃にて重量減
少が5%以下であるものが好ましく、大気下で800℃にて重量減少が5
%以下であるものがさらに好ましい。重量減少が所定以下である材料とし
て無機化合物が挙げられる。無機化合物として、例えば、酸化鉄、酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、チタン酸バリウム、酸化ジルコニ
ウム、酸化アルミニウム-酸化ケイ素複合酸化物等の酸化物;窒化アルミ
ニウム、窒化ケイ素等の窒化物;フッ化カルシウム、フッ化バリウム、硫
酸バリウム等の難溶性のイオン結晶;シリコン、ダイヤモンド等の共有結
合性結晶;タルク、モンモリロナイト、ベーマイト、ゼオライト、アパタ
イト、カオリン、ムライト、スピネル、オリビン、セリサイト、ベントナ
イト、マイカ等の鉱物資源由来物質又はこれらの人造物等が挙げられる。
無機化合物として、これらの物質の単体又は複合体を単独で用いてもよく、
2種以上を混合して用いてもよい。これらの無機化合物の中でも、酸化ケ
イ素、酸化アルミニウム、又は酸化アルミニウム-酸化ケイ素複合酸化物
が好ましい。【0085】
セパレータの空孔率は、強度の観点から80体積%以下が好ましく、放電
性能の観点から20体積%以上が好ましい。ここで、「空孔率」とは、体
積基準の値であり、水銀ポロシメータでの測定値を意味する。【0086】
セパレータとして、ポリマーと非水電解質とで構成されるポリマーゲルを
用いてもよい。ポリマーとして、例えば、ポリアクリロニトリル、ポリエ
チレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリメチルメタアクリレート、
ポリビニルアセテート、ポリビニルピロリドン、ポリフッ化ビニリデン等
が挙げられる。ポリマーゲルを用いると、電池の漏液を抑制する効果があ
る。セパレータとして、上述したような多孔質樹脂フィルム又は不織布等
とポリマーゲルを併用してもよい。
【0087】
(非水電解液)
非水電解液は、フッ素化溶媒を含む非水溶媒と、この非水溶媒に溶解され
ている電解質塩とを含む。非水電解液は、フッ素化溶媒として鎖状フッ素
化カルボン酸エステル、鎖状フッ素化カーボネート、又はこれらの組み合
わせを含む。
【0088】非水電解液は、例えば、式(1)で示される鎖状フッ素化カ
ルボン酸エステルを含む。
【化1】
000003
【0089】式(1)中、R1は水素又は1価の有機基であり、R2は1価
の有機基である。R1及びR2で示される有機基としては、例えば、炭素
数が1~10のアルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、アリール
基等の炭化水素基や、これらの基の水素原子の一部又は全部がハロゲン原
子(塩素、フッ素、臭素、ヨウ素原子等)、オキシアルキレン基、スルホ
基、チオール基、アルデヒド基、シアノ基、アミド基等の官能基で置換さ
れた炭化水素基、これら炭化水素基において、-O-、-NH-、-N(
CH3)-、-SO2-、-CO-、-COO-等が介在した基等を挙げ
ることができる。【0090】
R1及びR2の少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原子がフッ素原
子に置換されているフッ素化された炭化水素基である。R1及びR2は、
R1のみがフッ素化された炭化水素基であってもよく、R2のみがフッ素
化された炭化水素基であってもよく、いずれもがフッ素化された炭化水素
基であってもよい。
【0091】この鎖状フッ素化カルボン酸エステルとしては、例えば、2,
2-ジフルオロ酢酸メチル、2,2,2-トリフルオロ酢酸メチル、2,
2,2-トリフルオロ酢酸エチル、3,3,3-トリフルオロプロピオン
酸メチル、3,3,3-トリフルオロプロピオン酸エチル、酢酸トリフル
オロメチル、酢酸2,2-ジフルオロエチル、酢酸2,2,2-トリフル
オロエチル、プロピオン酸トリフルオロメチル、プロピオン酸2,2,
2-トリフルオロエチル、3,3,3-トリフルオロプロピオン酸2,2
,2-トリフルオロエチル等が挙げられる。【0092】非水電解液は、
例えば、式(2)で示される鎖状フッ素化カーボネートを含む。
【化2】
000004
【0093】
式(2)中、R3及びR4はそれぞれ独立で1価の有機基である。R3及
びR4で示される有機基としては、R1及びR2で例示したものと同様の
有機基等が挙げられる。
                     この項つづく 【脚注】
1. メソポーラス材料: mesoporous material) は、細孔の直径が 2nm
ら50nmの多孔質材料である。多孔質材料は細孔の大きさに応じていくつ
かの種類に分類される。IUPACの表記によると、細孔の直径が 2 nm 未満
のものはミクロポーラス材料 (microporous material) 、50 nm より大き
いものはマクロポーラス材料 (macroporous material) とされ、メソポー
ラス材料はその中間にあたる。メソポーラス材料の代表例として、同じよ
うな大きさの微細なメソ細孔を持つ二酸化ケイ素メソポーラスシリカ
酸化アルミニウムが挙げられる。メソポーラスな、ニオブタンタル
チタンジルコニウムセリウムスズの各酸化物も報告されている。
IUPACによると、メソポーラス材料には、秩序立ったメソ構造を持つもの
もあれば、無秩序なメソ構造を持つものもある。イオン結晶の物質では、
メソポーラスな構造は単位格子の数を著しく制限するため、固体の化学的
性質を大きく変化させる。例えば、電気活性物質にメソポーラス材料を使
った電池の性能は、そうでないものと比べ、大きく異なっている。


窒素含有規則性メソポーラスカーボン (nitrogen-containing ordered
mesoporous carbon, N-OMC) の電子顕微鏡画像。 (a) はチャネル細孔に
沿った方向から、 (b) は、チャネル細孔と垂直な方向から見たもの。
2.  特許6,182,901 カーボン硫黄複合体の製造方法 東レ株式会社    今日の楽曲  映画音楽 『ONE OK ROCK - Delusion:All』  

 今日の言葉:


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