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エネルギーと環境51

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彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:11月14日】

       侘助や吾が一生も爆発期  
                    高山 宇 (赤鬼)

※侘助椿は、15世紀の茶人「侘助」が好んだ椿、茶席にしばしば活けら
 れ、厳冬に花を半開させる姿が、茶人たちに侘びの精神を象徴された。
 薄田泣菫がは著書「侘助椿」の中で「この花には捨てがたい侘がある」
 と評した。

⬛ 先端半導体は「2ナノ」へ TSMCの独走

2025年、先端半導体の最大のトピックは2nm世代へ移行
米Apple(アップル)が2026年に「iPhone」へ搭載するのを皮切りに、
米NVIDIA(エヌビディア)や米AMD(アドバンスト・マイクロ・デバイ
セズ)などが採用する見通しだ。これらAI(人工知能)銘柄の需要を総取
りする台湾積体電路製造(TSMC)の独走が続くか、競合の米Intel(イン
テル)や韓国Samsung Electronics(サムスン電子)が一矢報いるかが注
目されている。また、データセンターのGPU(画像処理半導体)やCPU(
中央演算処理装置)、スマートフォンのCPUなどに使われるロジック(演
算用)半導体が、現行の3nm世代から2nm世代へ移行する。生成AI向けな
どで求められる高い演算能力に応える。

米IBMは業界初の2nm世代のテストチップを2021年5月に発表した(出所:IBM)

 ⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖

リチウム二次電池の安全工学的考察 ⑥

2. 特開2024-153730 非水電解液二次電池 株式会社GSユアサ⓶

【要約】下図いのごとく、本発明の一態様に係る非水電解液二次電池は、
正極と、非水電解液と、を備えた非水電解液二次電池であって、上記正極
が硫黄系活物質とメソポーラスカーボンとを複合した硫黄-メソポーラス
カーボン複合体を含み、上記非水電解液がフッ素化溶媒を含み、上記フッ
素化溶媒が、鎖状フッ素化カーボネート、鎖状フッ素化カルボン酸エステ
ル、又はこれらの組み合わせを含む、非水電解液二次電池で、充放電を繰
り返した際の容量保持率が高い硫黄系活物質を含む正極を備えた非水電解
液二次電池を提供する。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
【0094】R3及びR4の少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原
子がフッ素原子に置換されているフッ素化された炭化水素基である。R3
及びR4は、R3のみがフッ素化された炭化水素基であってもよく、R4の
みがフッ素化された炭化水素基であってもよく、いずれもがフッ素化され
た炭化水素基であってもよい。
【0095】この鎖状フッ素化カーボネートとしては、例えば、2,2-
ジフルオロエチルメチルカーボネート、エチル-(2,2-ジフルオロエ
チル)カーボネート、ビス(2,2-ジフルオロエチル)カーボネート、
2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネート、エチル-(2,2,
2-トリフルオロエチル)カーボネート、ビス(2,2,2-トリフルオ
ロエチル)カーボネート等が挙げられる。
【0096】式(1)及び式(2)でのフッ素化された炭化水素基におい
て、置換するフッ素原子の数は特に限定されず、1個以上であればよい。
また、置換するフッ素原子の数が少ないと、耐酸化性が低くなり、耐還元
性が高くなり、正極で被膜を形成しやすく、負極で還元分解しにくくなる
と考えられる。このような観点から、置換するフッ素原子の数は6個以下
であるのが好ましく、5個以下であるのがより好ましく、4個以下である
のがさらに好ましく、3個以下であるのがよりさらに好ましい。フッ素原
子が結合する炭素は特に限定されず、炭化水素基の末端に位置する炭素で
あってもよく、末端以外の炭素であってもよい。
【0097】式(1)及び式(2)において、R1、R2、R3及びR4の
炭化水素基は、好ましくは炭素数1~8であり、より好ましくは炭素数1
~5であり、よりさらに好ましくは炭素数1~3である。炭素数をこれら
の値とすることで、鎖状フッ素化カルボン酸エステル又は鎖状フッ素化カ
ーボネートの粘度を低くすることができる。
【0098】R1、R2、R3及びR4がフッ素化された炭化水素基でない
有機基の場合、これらの有機基はアルキル基又はアルケニル基であること
が好ましく、アルキル基であることがより好ましい。これらの有機基は直
鎖状でもよく、分岐状でもよい。
【0099】上記アルキル基としては、CH3-、CH3CH2-、CH3
CH2CH2-等、上記アルケニル基としては、CH2=CH-、CH2=
CHCH2-、CH2=C(CH3)-等が挙げられる。
【0100】非水電解液における鎖状フッ素化カルボン酸エステル及び鎖
状フッ素化カーボネートの合計含有割合の下限は、20体積%以上である
と好ましく、30体積%以上であるとより好ましく、40体積%以上であ
るとさらに好ましく、50体積%以上であるとよりさらに好ましい。上限
は、100体積%以下であり、90体積%以下であってもよく、80体積
%以下であってもよく、70体積%以下であってもよい。これにより、充
放電を繰り返した際の容量保持率を高める本発明の効果を、より確実に発
揮することができる。
【0101】この理由は定かではないが、例えば以下のことが推測される。
非水電解液に含まれる鎖状フッ素化カルボン酸エステル及び鎖状フッ素化
カーボネートは、正極で酸化分解し、硫黄系正極活物質の表面に被膜を形
成すると考えられる。この被膜によって、硫黄系活物質と非水電解液とが
直接接触する面積が減少し、リチウムポリスルフィドの非水電解液への溶
出が抑制されると考えられる。ところが、硫黄系活物質は充放電に伴う体
積変化が大きいため、充放電を繰り返すと被膜に割れが生じ、リチウムポ
リスルフィドが非水電解液に溶出する虞がある。ここで、非水電解液にお
ける鎖状フッ素化カルボン酸エステル及び鎖状フッ素化カーボネートの合
計含有量が20体積%以上であると、被膜に割れが生じても新たな被膜が
形成されやすい。これにより、リチウムポリスルフィドの溶出を確実に抑
制できるため、充放電を繰り返した際の容量保持率をとができると考えら
れる。
※漏洩・地下浸透の環境汚染の心配が残件するが、どうだろう?
【0102】フッ素化溶媒における鎖状フッ素化エーテルの含有割合の下
限は0体積%であり、0体積%超であると好ましく、5体積%であるとよ
り好ましく、7体積%であるとさらに好ましい。フッ素化溶媒における鎖
状フッ素化エーテルの含有割合の上限は20体積%以下であり、18体積
%以下であると好ましく、15体積%以下であるとより好ましく、10体
積%であるとさらに好ましい。フッ素化溶媒における鎖状フッ素化エーテ
ルの含有割合を上記の値とすることで、充放電を繰り返した際の容量保持
率を高めることと、充放電サイクルの初期における放電容量を高めること
とを両立することができる。
【0103】この理由は定かではないが、例えば以下のことが推測される。
鎖状フッ素化エーテルは、鎖状フッ素化カーボネート及び鎖状フッ素化カ
ルボン酸エステルと比べて、耐酸化性が高く、耐還元性が低い。このため、
非水電解液が鎖状フッ素化エーテルを上記含有割合となるよう含むことで、
非水電解液の耐還元性を大きく損なうことなく、正極におけるフッ素化溶
媒の反応性を適度に下げ、フッ素化溶媒の酸化分解を抑制することができ
ると考えられる。このようなメカニズムにより、充放電を繰り返した際の
容量保持率を高めつつ、充放電サイクルの初期における放電容量を高める
ことができると考えられる。
【0104】フッ素化溶媒における鎖状フッ素化エーテルは、例えば、式
(3)で示される鎖状フッ素化エーテルを含んでもよい。式(3)  R5-
O-R6【0105】式(3)中、R5及びR6はそれぞれ独立で1価の有
機基である。R5及びR6で示される有機基としては、R5及びR6で例示
したものと同様の有機基等が挙げられる。
【0106】R5及びR6の少なくとも一方は、少なくとも一つの水素原
子がフッ素原子に置換されているフッ素化された炭化水素基である。R5
及びR6は、R5のみがフッ素化された炭化水素基であってもよく、R6
のみがフッ素化された炭化水素基であってもよく、いずれもがフッ素化さ
れた炭化水素基であってもよい。
【0107】この鎖状フッ素化エーテルとしては、例えば、CF3CF2
CH2OCH3、HCF2CF2OCH2CF2CF2H、HCF2CF
2CH2OCF2CHFCF3、CF3CF2CH2OCF2CHFCF
3、CF3CF2CH2OCF2CF2H、HCF2CF2OC2H5、
HCF2CF2OC3H7、HCF2CF2OC4H9、CF3CHFC 
 F2OC2H5、CF3CH2OCH2CH2OCH3等が挙げられる。
【0108】式(3)のフッ素化された炭化水素基において、置換するフ
ッ素原子の数は1個以上であればよい。上限は特に限定されないが、例え
ば11個以下であってもよい。フッ素原子が結合する炭素は特に限定され
ず、炭化水素基の末端に位置する炭素であってもよく、末端以外の炭素で
あってもよい。
【0109】式(3)において、R5及びR6の炭化水素基は、好ましく
は炭素数1~8であり、より好ましくは炭素数1~5であり、よりさらに
好ましくは炭素数1~4である。炭素数をこれらの値とすることで、鎖状
フッ素化エーテルの粘度を低くすることができる。
【0110】R5及びR6がフッ素化された炭化水素基でない有機基の場
合、これらの有機基はアルキル基又はアルケニル基であることが好ましく、
アルキル基であることがより好ましい。これらの有機基は直鎖状でもよく、
分岐状でもよい。
【0111】非水電解液は鎖状溶媒と環状溶媒とを含むことが好ましい。
非水電解液における鎖状溶媒と環状溶媒との混合割合は、体積比で、30
:70から70:30の範囲とすることが好ましい。これにより、非水電
解液の粘度を下げることと、非水電解液のイオン伝導度を高めることと
を両立することができる。
【0112】非水電解液に含まれるフッ素化溶媒の含有量の下限は、非水
電解液の全体積に対して、60体積%であってもよく、63体積%である
と好ましく、65体積%であるとより好ましく、68体積%であるとさら
に好ましく、70体積%であるとよりさらに好ましい。非水電解液に含ま
れるフッ素化溶媒の含有量の上限は、非水電解液の全体積に対して100
体積%であり、99体積%であってもよく、98体積%であってもよく、
97体積%であってもよく、95体積%であってもよい。これにより、充
放電を繰り返した際の容量保持率を高くすることができる。
【0113】フッ素化溶媒は鎖状フッ素化溶媒と環状フッ素化溶媒とを含
むことが好ましい。フッ素化溶媒における鎖状フッ素化溶媒と環状フッ素
化溶媒との混合割合は、体積比で、30:70から70:30の範囲とす
ることが好ましい。これにより、非水電解液の粘度を下げることと、非水
電解液のイオン伝導度を高めることとを両立することができる。
【0114】非水電解液に含まれる環状溶媒における、環状フッ素化溶媒
の含有割合は、50体積%以上100体積%以下であると好ましい。これ
により、充放電を繰り返した際の容量保持率を高めることができる。
【0115】フッ素化溶媒は、環状フッ素化カーボネートを含むことが好
ましい。これにより、電解質塩の解離を促進して非水電解液のイオン伝導
度を高めることができる。
【0116】環状フッ素化カーボネートとしては、フルオロエチレンカー
ボネート(FEC)、4,4-ジフルオロエチレンカーボネート、4,5
-ジフルオロエチレンカーボネート、トリフルオロプロピレンカーボネー
ト(4-(トリフルオロメチル)-エチレンカーボネート)、4-フルオ
ロ-4-メチルエチレンカーボネート、4-フルオロ-5-メチルエチレ
ンカーボネート、4-(フルオロメチル)-エチレンカーボネート等が挙
げられる。これらの中でも、フルオロエチレンカーボネート、4,4-ジ
フルオロエチレンカーボネート及び4,5-ジフルオロエチレンカーボネ
ートが好ましく、フルオロエチレンカーボネートがより好ましい。
【0117】非水電解液は、非フッ素化溶媒を含むことが好ましい。非水
電解液が非フッ素化溶媒を含むことで、充放電を繰り返した際の容量保持
率をさらに高めることができる。この理由は定かでは無いが、例えば、非
フッ素化溶媒がリチウムポリスルフィドと反応しやすく、硫黄系活物質の
表面に被膜を形成しやすいことが、充放電を繰り返した際の放電容量の保
持率を高くできる理由として推測される。
【0118】非フッ素化溶媒は特に限定されないが、分子構造中にC=O
二重結合を含む化合物を含むことが好ましい。このような非フッ素化溶媒
としては、カーボネート、エステル、アルデヒド、ケトン等が挙げられる。
このような非フッ素化溶媒を用いることで、充放電を繰り返した際の放電
容量の保持率を高くすることができる。
【0119】非フッ素化溶媒における、分子構造中にC=O二重結合を含
む化合物の含有割合は、50体積%以上100%以下であると好ましく、
60体積%以上100%以下であるとより好ましく、70体積%以上10
0%以下であるとさらに好ましく、80体積%以上100%以下であると
よりさらに好ましい。これにより、より確実に充放電を繰り返した際の放
電容量の保持率を高くすることができる。
【0120】非フッ素化溶媒として用いることができるカーボネートは、
環状カーボネートでもよく、鎖状カーボネートでもよい。環状カーボネー
トとしては、例えば、エチレンカーボネート(EC)、プロピレンカーボ
ネート(PC)、ブチレンカーボネート(BC)、ビニレンカーボネート
(VC)、ビニルエチレンカーボネート(VEC)、クロロエチレンカー
ボネート、カテコールカーボネート、1-フェニルビニレンカーボネート、
1,2-ジフェニルビニレンカーボネート、スチレンカーボネート、1-
フェニルビニレンカーボネート、1,2-ジフェニルビニレンカーボネー
ト等が挙げられる。これらの中でも、エチレンカーボネートとプロピレン
カーボネートが好ましく、酸化・還元されにくいエチレンカーボネートが
より好ましい。鎖状カーボネートとしては、例えば、ジメチルカーボネー
ト、ジエチルカーボネート、ジ-n-プロピルカーボネート、ジイソプロ
ピルカーボネート、n-プロピルイソプロピルカーボネート、エチルメチ
ルカーボネート、メチル-n-プロピルカーボネート、n-ブチルメチル
カーボネート、イソブチルメチルカーボネート、t-ブチルメチルカーボ
ネート、エチル-n-プロピルカーボネート、n-ブチルエチルカーボネ
ート、イソブチルエチルカーボネート、t-ブチルエチルカーボネート等
が挙げられる。中でも、ジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、
ジ-n-プロピルカーボネート、ジイソプロピルカーボネート、n-プロ
ピルイソプロピルカーボネート、エチルメチルカーボネート、メチル-n
-プロピルカーボネートが好ましく、ジメチルカーボネート、ジエチルカ
ーボネート、エチルメチルカーボネートが特に好ましい。
【0121】非フッ素化溶媒として用いることができるエステルとしては、
例えば、γ-ブチロラクトン、γ-バレロラクトン等の環状カルボン酸エス
テル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、プロピオン酸メチル(M
P)、プロピオン酸エチル等の鎖状カルボン酸エステルなどが挙げられる。
【0122】非水電解液に含まれる非フッ素化溶媒の含有量の下限は、非
水電解液の全体積に対して、1体積%としてもよく、2体積%が好ましく、
3体積%がより好ましく、5体積%がさらに好ましい。非水電解液に含ま
れる非フッ素化溶媒の含有量の上限は、40体積%としてもよく、35体
積%が好ましく、32体積%がより好ましく、30体積%がさらに好まし
い。これにより、充放電を繰り返した際の容量保持率を高くすることがで
きる。
【0123】非水電解液は、上述したもののほかに公知の非水溶媒を含ん
でもよい。非水溶媒としてはカルボン酸エステル、リン酸エステル、スル
ホン酸エステル、エーテル、アミド、ニトリル等が挙げられる。非水溶媒
として、これらの化合物に含まれる水素原子の一部がハロゲンに置換され
たものを用いてもよい。
【0124】電解質塩としては、公知の電解質塩から適宜選択できる。電
解質塩としては、リチウム塩、ナトリウム塩、カリウム塩、マグネシウ
ム塩、オニウム塩等が挙げられる。これらの中でもリチウム塩が好ましい。
【0125】リチウム塩としては、LiPF6、LiPO2F2、LiB
F4、LiClO4、LiN(SO2F)2、LiAsF6、リチウムジフ
ルオロオキサレートボレート(LiFOB)等の無機リチウム塩、LiS
O3CF3、LiN(SO2CF3)2、LiN(SO2C2F5)2、Li
N(SO2CF3)(SO2C4F9)、LiC(SO2CF3)3、Li
C(SO2C2F5)3等のハロゲン化炭化水素基を有するリチウム塩等が
挙げられる。これらの中から選択される少なくとも一種を用いてもよく、
二種以上を組み合わせて用いてもよい。これらの中でも、電気伝導度の観
点からLiPF6、LiBF4、LiN(SO2F)2、LiN(SO2C
F3)2が好ましく、さらにカチオン解離度の観点からLiN(SO2F)
2、LiN(SO2CF3)2がより好ましい。
【0126】非水電解液における電解質塩の含有量の下限としては、
0.1Mが好ましく、0.3Mがより好ましく、0.5Mがさらに好まし
く、0.7Mが特に好ましい。電解質塩の含有量の上限としては、例えば、
2.5Mが好ましく、2Mがより好ましく、1.5Mがさらに好ましい。
【0127】非水電解液は、添加剤を含んでもよい。なお本明細書におい
ては、添加剤とは非水電解液における含有量が20質量%よりも小さいも
のを意味する。添加剤としては、例えば、リチウムビス(オキサレート)
ボレート(LiBOB)、リチウムビス(オキサレート)ジフルオロホス
フェート(LiFOP)等のシュウ酸エステル基を有する塩;ビフェニル、
アルキルビフェニル、ターフェニル、ターフェニルの部分水素化体、シク
ロヘキシルベンゼン、t-ブチルベンゼン、t-アミルベンゼン、ジフェ
ニルエーテル、ジベンゾフラン等の芳香族化合物;2-フルオロビフェニ
ル、o-シクロヘキシルフルオロベンゼン、p-シクロヘキシルフルオロ
ベンゼン等の前記芳香族化合物の部分ハロゲン化物;2,4-ジフルオロ
アニソール、2,5-ジフルオロアニソール、2,6-ジフルオロアニソ
ール、3,5-ジフルオロアニソール等のハロゲン化アニソール化合物;
メチルビニレンカーボネート、エチルビニレンカーボネート、無水コハク
酸、無水グルタル酸、無水マレイン酸、無水シトラコン酸、無水グルタコ
ン酸、無水イタコン酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物;亜硫酸エチ
レン、亜硫酸プロピレン、亜硫酸ジメチル、プロパンスルトン、プロペン
スルトン、ブタンスルトン、メタンスルホン酸メチル、ブスルファン、ト
ルエンスルホン酸メチル、硫酸ジメチル、硫酸エチレン、スルホラン、ジ
メチルスルホン、ジエチルスルホン、ジメチルスルホキシド、ジエチルス
ルホキシド、テトラメチレンスルホキシド、ジフェニルスルフィド、4,
4’-ビス(2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチオラン、4-メチ
ルスルホニルオキシメチル-2,2-ジオキソ-1,3,2-ジオキサチ
オラン、チオアニソール、ジフェニルジスルフィド、ジピリジニウムジス
ルフィド、パーフルオロオクタン、ホウ酸トリストリメチルシリル、リン
酸トリストリメチルシリル、チタン酸テトラキストリメチルシリル、モノ
フルオロリン酸リチウム等が挙げられる。これら添加剤は、1種を単独で
用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
【0128】非水電解液全体に対するこれらの添加剤の含有割合の下限と
しては、0.01質量%が好ましく、0.1質量%がより好ましく、0.2
質量%がさらに好ましい。添加剤の含有割合の上限としては、10質量%
が好ましく、7質量%がより好ましく、5質量%がより好ましく、3質量
%がさらに好ましい。添加剤の含有割合を上記範囲とすることで、高温保
存後の容量保持性能又は充放電サイクル性能を高めることや、安全性を高
めることができる。
【0129】当該非水電解液二次電池は、固体電解質を備えてもよい。
【0130】固体電解質としては、チウム、ナトリウム、カルシウム等の
イオン伝導性を有し、常温(例えば15℃~25℃)において固体である
任意の材料から選択できる。固体電解質としては、例えば、硫化物固体電
解質、酸化物固体電解質、及び酸窒化物固体電解質、ポリマー固体電解質
等が挙げられる。
【0131】硫化物固体電解質としては、リチウム二次電池の場合、例え
ば、Li2S-P2S5系等が挙げられる。硫化物固体電解質としては、例
えば、Li2S-P2S5、LiI-Li2S-P2S5、Li10Ge-
P2S12、等が挙げられる。
【0132】当該非水電解液二次電池の形状は特に限定されるものではな
く、例えば、円筒型電池、パウチ型電池、角型電池、扁平型電池、コイン
型電池、ボタン型電池等を挙げることができる。図1に角型電池の一例を
示す。セパレータを挟んで巻回された正極及び負極を有する電極体2が角
型のケース3に収納される。正極は正極リード41を介して正極端子4と
電気的に接続されている。負極は負極リード51を介して負極端子5と電
気的に接続されている。

【0133】<蓄電装置の構成>
当該非水電解液二次電池は、電気自動車(EV)、ハイブリッド自動車(
HEV)、プラグインハイブリッド自動車(PHEV)等の自動車用電源、
パーソナルコンピュータ、通信端末等の電子機器用電源、又は電力貯蔵用
電源等に、複数の非水電解液二次電池1を集合して構成した蓄電ユニット
(バッテリーモジュール)を、さらに集合した蓄電装置として搭載するこ
とができる。この場合、蓄電装置に含まれる少なくとも一つの非水電解液
二次電池に対して、本発明の技術が適用されていればよい。図2に、電気
的に接続された二以上の非水電解液二次電池1が集合した蓄電ユニット20
をさらに集合した蓄電装置30の一例を示す。蓄電装置30は、二以上の
非水電解液二次電池1を電気的に接続するバスバ(図示せず)、二以上の
蓄電ユニット20を電気的に接続するバスバ(図示せず)を備えていても
よい。蓄電ユニット20又は蓄電装置30は、一以上の非水電解液二次電
池の状態を監視する状態監視装置(図示せず)を備えていてもよい。

【0134】<非水電解液二次電池の製造方法>
当該非水電解液二次電池蓄電素子の製造方法は、公知の方法から適宜選択
できる。当該製造方法は、例えば、電極体を準備する工程と、非水電解液
を準備する工程と、電極体及び非水電解液を容器に収容する工程と、を備
える。電極体を準備する工程は、正極及び負極を準備する工程と、正極及
び負極を、セパレータを介して積層又は巻回することにより電極体を形成
する工程と、を備える。
【0135】非水電解液を容器に収容する工程は、公知の方法から適宜選
択できる。例えば、容器に形成された注入口から非水電解液を注入した後、
注入口を封止すればよい。

【0136】<その他の実施形態>
尚、本発明の非水電解液二次電池は、上記実施形態に限定されるものでは
なく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加えてもよい。
例えば、ある実施形態の構成に他の実施形態の構成を追加することができ、
また、ある実施形態の構成の一部を他の実施形態の構成又は周知技術に置
き換えることができる。さらに、ある実施形態の構成の一部を削除するこ
とができる。また、ある実施形態の構成に対して周知技術を付加すること
ができる。
【0137】上記実施形態では、非水電解液二次電池がリチウム二次電池
として用いられる場合について説明したが、非水電解液二次電池の種類、
形状、寸法、容量等は任意である。本発明は、リチウム二次電池以外の種
々の非水電解液二次電池にも適用できる。

【実施例】【0138】
以下、実施例によって本発明をさらに具体的に説明する。本発明は以下の
実施例に限定されない。【0139】
[実施例1](硫黄-メソポーラスカーボン複合体の作製)
硫黄と、メソポーラスカーボン(CNovel(クノーベル))(東洋炭
素株式会社製)とを質量比77:23で混合した。メソポーラスカーボン
の物性は、平均細孔径5nm、ミクロ細孔容積0.34ccg-1、メソ
細孔容積1.02ccg-1、全細孔容積1.7ccg-1、比表面積15
00m2g-1であった。この混合物を、密封式の電気炉に入れた。1時間
のアルゴンフローを行った後、昇温速度5℃/分で150℃まで昇温し、
5時間保持した後、硫黄が固化する温度である80℃まで放冷し、その後、
再び5℃/分で300℃まで昇温し、2時間保持する熱処理を行った。以
上の手順により、実施例1の硫黄-メソポーラスカーボン複合体を得た。

【0140】(非水電解液二次電池の作製)
硫黄-メソポーラスカーボン複合体、導電助剤としてのアセチレンブラッ
ク、及びバインダとしてのCMC/SBRを80:10:10の質量比で
混合し、水を分散媒とするスラリーを調整した。CMCとSBRとは質量
比で1.2:2.1となるよう混合した。調整したスラリーを集電体に塗
布し、乾燥して電極を作製した。作製した電極を正極とし、金属Liを負
極とし、酢酸2,2,2-トリフルオロエチル(TFEA)とフルオロエ
チレンカーボネート(FEC)との混合溶媒に、1Mのリチウムビス(ト
リフルオロメタンスルホニル)イミド(LiTFSI)を溶解させた非水
電解液を備える電池を作製した。TFEAとFECとの混合比は、体積比
で50:50とした。上記電池は、アルミラミネートフィルムで覆い、パ
ウチ型セルとした。

【0141】[実施例2]
溶媒として2,2,2-トリフルオロエチルメチルカーボネート(TFE
MC)とFECとの混合溶媒を使用したこと以外は、実施例1と同様の電
池を作製した。
【0142】[実施例3]
溶媒としてビス(2,2,2-トリフルオロエチル)カーボネート(FD
EC)とFECとの混合溶媒を使用したこと以外は、実施例1と同様の電
池を作製した。
【0143】[実施例4]
溶媒として3,3,3-トリフルオロプロピオン酸メチル(FMP)とF
ECとの混合溶媒を使用したこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
【0144】[比較例1]
溶媒として1,1,2,2-テトラフルオロエチル-2,2,3,3-テ
トラフルオロプロピルエーテル(TFETFPE)とFECとの混合溶媒
を使用したこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
【0145】[実施例5]
溶媒としてTFEAとFECとを体積比70:30で混合した混合溶媒
を使用したこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
【0146】[実施例6]
溶媒としてTFEMCとFECとを体積比70:30で混合した混合溶媒
を使用したこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
【0147】[実施例7]
溶媒としてFDECとFECとを体積比70:30で混合した混合溶媒を
使用したこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
【0148】[実施例8]
溶媒としてFMPとFECとを体積比70:30で混合した混合溶媒を使
用したこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
【0149】[比較例2]
溶媒としてTFETFPEとFECとを体積比70:30で混合した混合
溶媒を使用したこと以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
【0150】[実施例9乃至実施例18]
溶媒として、表2に示す組成の混合溶媒を使用したこと以外は、実施例1
と同様の電池を作製した。なお、表中のEMCはエチルメチルカーボネー
トのことを指す。
【0151】[実施例19及び実施例20]
溶媒として、表3に示す組成の混合溶媒を使用したこと以外は、実施例1
と同様の電池を作成した。
【0152】[比較例3]
実施例1のメソポーラスカーボンに代えて、ミクロポーラスカーボン(C
NovelMH、東洋炭素株式会社製)を使用したこと以外は、実施例1
と同様の手順により、硫黄-ミクロポーラスカーボン複合体を作製した。
ミクロポーラスカーボンの物性は、平均細孔径5nm、ミクロ細孔容積0.
40ccg-1、メソ細孔容積0.25ccg-1、比表面積1800m2
g-1であった。実施例1の硫黄-メソポーラスカーボン複合体に代えて
硫黄-ミクロポーラスカーボン複合体を使用したこと、及び溶媒としてT
FEMCとFECとを体積比50:50で混合した混合溶媒を使用したこ
と以外は、実施例1と同様の電池を作製した。
【0153】式(4)から式(8)にTFEA、TFEMC、TFDEC、
FMP、TFETFPEの構造をそれぞれ示す。

000005000006

000007000008

000009


【0154】<試験例1>(10サイクル目容量保持率)
実施例1乃至実施例8、比較例1及び比較例2の各電池について、以下の
条件にて充放電サイクル試験を行った。25℃で1Vまで0.1Cの定電
流放電を行った。放電後に25℃で3Vまで0.2Cの定電流充電を行っ
た。これら放電及び充電の工程を1サイクルとして、このサイクルを12
サイクル繰り返した。なお、放電後及び充電後には25℃にて10分間の
休止を設けた。放電、充電及び休止ともに25℃の恒温槽内で行った。充
放電サイクル試験が終了した電池について、3サイクル目の放電容量に対
する12サイクル目の放電容量の比率を「10サイクル目容量保持率」と
した。以下の表1に、実施例1乃至実施例8、比較例1及び比較例2の結
果を示す。
【0155】【表1】

000010
【0156】表1から、鎖状フッ素化カルボン酸エステルであるTFEA
又はFMPを含む実施例1、4、5、及び8の電池では、鎖状フッ素化カ
ルボン酸エステルを含まない比較例1及び比較例2の電池に比べて高い容
量保持率を示すことが分かる。
【0157】また、鎖状フッ素化カーボネートであるTFEMC又はFD
ECを含む実施例2、3、6、及び7の電池では、鎖状フッ素化カルボン
酸エステルを含む実施例1、4、5、及び8の電池と同様に、高い容量保
持率を示すことが分かる。
【0158】FDECを用いた実施例3及び7に比べ、TFEA、TFE
MC、又はFMPを用いた実施例は高い容量保持率を示した。TFEA、
TFEMC、又はFMPは、FDECに比べて結合したフッ素原子の数
が少ないことから、耐還元性が高く、より高い容量保持率を示したと考え
られる。
【0159】実施例1乃至4と、実施例5乃至8とを対比すると、非水電
解液における鎖状フッ素化カルボン酸エステル又は鎖状フッ素化カーボネ
ートの含有量を変えた場合であっても、高い容量保持率を示すことが分かる。
【0160】非水電解液に鎖状フッ素化カーボネート及び鎖状フッ素化カ
ルボン酸エステルを含まず、鎖状フッ素化エーテルであるTFETFPE
を50体積%以上含む比較例1及び比較例2は容量保持率が低かった。こ
れは、鎖状フッ素化エーテルの耐還元性が、鎖状フッ素化カーボネート及
び鎖状フッ素化カルボン酸エステルよりも低く、負極で還元分解されるた
めと考えられる。
【0161】以上の結果から、硫黄-メソポーラスカーボン複合体を含む
正極を備えた非水電解液二次電池においては、鎖状フッ素化カーボネート、
鎖状フッ素化カルボン酸エステル、又はこれらの組み合わせを含む非水電
解液を備えることにより、高い容量保持率を得ることができるといえる。

【0162】<試験例2>(100サイクル目容量保持率)
実施例9乃至実施例18の各電池について、充放電サイクル数を12サイ
クルから102サイクルに変えたこと以外は、上述した充放電サイクル試
験と同様の試験を行った。充放電サイクル試験が終了した電池について、
3サイクル目の放電容量に対する102サイクル目の放電容量の比率を「
100サイクル目容量保持率」とした。表2に、実施例9乃至実施例18
の結果を示す。
【0163】【表2】
000011

【0164】表2から明らかなように、非水電解液に、鎖状フッ素化カー
ボネート又は鎖状フッ素化カルボン酸エステルと、非フッ素化溶媒である
EMC又はECとを含む実施例11乃至実施例18は、100サイクル目
容量保持率が100%となり、充放電を繰り返した後の容量保持率に特に
優れた非水電解液二次電池を実現し得ることが確認された。
【0165】<試験例3>
(サイクル初期放電容量、10サイクル目容量保持率)
実施例2、実施例19及び実施例20の各電池について、以下の条件にて
充放電試験を行った。25℃で1Vまで0.1Cの定電流放電を行った。
放電後に25℃で3Vまで0.1Cの定電流充電を行った。これら放電及
び充電の工程を1サイクルとして、このサイクルを12サイクル繰り返し
た。放電後及び充電後には25℃にて10分間の休止を設けた。放電、
充電及び休止ともに25℃の恒温槽内で行った。充放電サイクル試験が終
了した電池について、3サイクル目の放電容量を「サイクル初期放電容量」
とした。3サイクル目の放電容量に対する12サイクル目の放電容量の比
率を「10サイクル目容量保持率」とした。表3に、実施例2、実施例
19及び実施例20の結果を示す。
【0166】【表3】

000012
【0167】表3から明らかなように、実施例2、実施例19及び実施例
20の電池は、いずれも容量保持率が優れていた。中でも実施例19の電
池は、容量保持率が高いだけでなく、初期放電容量も高いことが確認され
た。
                           この項つづく
 今日の楽曲  映画音楽 『キンムダム』
            キングダム 運命の炎 
            宇多田ヒカル「Gold ~また逢う日まで~」

 今日の言葉:


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