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エネルギーと環境52

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彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-



【季語と短歌:11月15日】

        秋愁い忽然と愛し面影 
                高山 宇 (赤鬼) 

※暑い🏹寒いの端境季は、ホルモン分泌も狂い、愛しき日々の友垣の面
 影が釣り綸を引くよう顕れ嗚咽・感謝・懐かしむこと多し。

 ⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖

リチウム二次電池の安全工学的考察 ⓻                    

3.特開2024-150335 リチウムイオン二次電池、及びリチウムイオン二次電
  池の製造方法 株式会社カネカ
【要約】下図2のごとく、正極及び負極10、11は、被覆活物質粒子130
を含む、活物質層が形成された集電体20、120を、活物質層付き集電体
として含み、前記被覆活物質粒子は、Liイオンを含む被膜35で、活物質
粒子30が、被覆されてなり、前記正極の前記被膜である正極被膜の前記Li
イオンの平均濃度である正極被膜Liイオン平均濃度が、前記負極の前記被
膜である負極被膜の前記Liイオンの平均濃度である負極被膜Liイオン平
均濃度と、異なる、リチウムイオン二次電池とすることで、電解媒体分解に
よるガスの発生の抑制ができ、かつ、特性に優れたリチウムイオン二次電池
及びその製造方法を提供する。


【符号の説明】【0209】
1  Liイオン二次電池    2  活物質層    21  正極活物質層    3  外装体
5  電極積層体    6  電解媒体(電解液)  10  正極部  11  負極部  12
セパレータ  13  正極用取出部材  14  負極用取出部材  20  正極用集電
体120  負極用集電体  30  活物質粒子130  被覆活物質粒子(Liイ
オン二次電池用被覆活物質粒子)  35  被膜  36  コアシェル粒子  40  
正極活物質粒子140  負極活物質粒子  41  シェル膜  42  緩衝部  60  
海状部  61  島状部  70  バインダー  80  導電ネットワーク  81  浸透
性細孔ネットワーク

【発明の詳細な説明】【0006】
  全固体LIBについては、固体電解質が活物質、特に、正極活物質と直接
接触した状態での充放電繰り返しで酸化劣化し易い「固体電解質酸化劣化」
が知られており、長寿命化(例えば、サイクル特性向上)の観点から、固
体電解質の劣化防止のための工夫が必要であり、バルク型と薄膜型とに大
別でき、大容量化観点から活物質絶対量を多くできるバルク型が有利である。
 バルク型全固体LIBの電極材料として、これらのことから、小伝導率第
一イオン伝導層(1×10-6 S/cm以上)にて、大伝導率活物質(1×10-4 S/cm
以上)の二次粒子を被覆すると共に二次粒子を構成する一次粒子間間隙を
充填することで、全一次粒子を充放電に直接寄与せしめ、また、第一イオ
ン伝導層で被覆された二次粒子を、第一イオン伝導層と異なる物質である
中伝導率第二イオン伝導層(1×10-5 S/cm以上)で積層被覆することで充
放電の繰り返しによる二次粒子の破砕「活物質二次粒子破砕」抑制を図っ
た材料が提案されている。
【0009】
 LNMOは、作動電圧がLi金属の析出電位基準で4.7Vであり、正極
活物質材料として使用されている従来のLiインサーション材料(例えば
、コバルト酸リチウムは4V)に比べて高く、高エネルギー密度化に向け
て期待されている。
【0010】
  ところで、LIBでは、Liイオン挿入脱離時に活物質の結晶構造が変化
し歪みが発生することで不安定化「構造変化歪み不安定化」する場合があ
り、その結果、正極活物質では結晶構造の構成遷移金属イオンの溶出「遷
移金属溶出」を伴って、  正極近傍では、当該遷移金属との結合が切れた
「酸素脱離」が生じて、酸素ガスとして発生したり、電解媒体と反応して
二酸化炭素ガスが発生したりする「ガス発生」の問題が、また、負極近傍
でも、電解媒体が還元され水素ガス等が発生する「還元水素ガス発生」の
問題があり、これら「ガス発生の抑制」が求められている。
【0011】
  例えば、非水電解液を電解媒体として用い、正極活物質を後述するLNM
OとしたLNMO正極非水電解液LIBでは、作動電圧が高く正極近傍は
酸化雰囲気下で反応が進行するため、「ガス発生」が顕著になるという問
題がある。
【0012】
 ここで、「酸素脱離」抑制の観点からは、LiFePO4(LFP)に代
表されるポリアニオン材料で正極活物質を被覆することが考えられ、当該
材料構成の遷移金属と酸素との結合を強化する「ポリアニオン遷移金属酸
素結合強化」の結果として、「酸素脱離」は抑制されるが、ポリアニオン
の低導電性に由来して生じる抵抗の増大「ポリアニオン高抵抗」という問
題が新たに発生じてしまう。
【0013】
  また、高ニッケル濃度のリチウム遷移金属複合酸化物の正極活物質の使用
により、高エネルギー密度LIBとなるが、充放電サイクル等起因の「酸
素脱離」により生成する不活性NiOのLiイオン伝導阻害「不活性NiO
伝導阻害」起因の出力低下が報告されている。
【先行技術文献】【特許文献】【0014】
【特許文献1】 特開2021-051987号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
  「不活性NiO伝導阻害」起因の出力低下については、活物質表面を表面
炭素担持Li系ポリアニオンで被覆した正極材料にて電解液との直接接触
面積低減し、不活性NiOの生成抑制した場合、特に、Li系ポリアニオ
ンとしてLMPを用いた場合に、Mn3+PO4のMn3+でのヤーンテラ
ー効果に基づき生じるポーラロンホールによる「移動電荷トラップ」、及
び、MnPO4/LMP「界面ミスマッチ」による電荷移動ポテンシャル障
壁が上昇「電荷移動ポテンシャル障壁上昇」が発生し、これらによる界面
高抵抗化が過電圧印加に繋がり、結果、劣化を早めることとなる不具合が
報告されている。対策として、Ni含有Li遷移金属複合酸化物の第1正
極活物質表面を、表面炭素担持のオリビン型の第2正極活物質、及びCN
Tを含む被覆層にて被覆した複合体が報告されているが、カーボンコート
したLi系ポリアニオンは、第1の正極活物質からのLiイオンの電解媒
体への流通経路としてはそのイオン伝導度が不十分と考えられる。
【0016】
  ところで、ポリアニオン材料は、上述した「ポリアニオン遷移金属酸素
結合強化」作用を有するだけでなく、強固な結晶構造にて高温高電圧時に
も酸素を放出しにくい正極活物質として、ポリアニオン系正極材料は「強
固結晶少酸素放出ポリアニオン」作用を有し、例えば、オリビン型Fe(
LFP)や類似結晶構造のオリビン型Mn(LMP)等が検討されている
が、LFPは低作動電圧にて低エネルギー密度で、LiMnPO4は作動
電圧が4.1V、理論容量が160mAh/gで、現状一般的に使用され
ているLIB正極のLiCoO2よりも高いエネルギー密度が期待される
が、材料自身が高抵抗「LMP高抵抗」に起因し低出力密度であるとの報
告がある。
【0017】
  そこで、本発明は、電解媒体分解によるガスの発生の抑制ができ、かつ、
特性に優れた、リチウムイオン二次電池を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】【0018】
 上記した課題を解決するための本発明の一つの様相は、外装体内に、電解
媒体を挟んで互いに対向する正極及び負極を有した電極積層体が封入され
た、リチウムイオン二次電池であって、前記正極及び前記負極は、被覆活
物質粒子を含む、活物質層が形成された集電体を、活物質層付き集電体と
して含み、前記被覆活物質粒子は、Liイオンを含む被膜で、前記活物質
粒子が、被覆されてなり、前記正極の前記被膜である正極被膜の前記Li
イオンの平均濃度である正極被膜Liイオン平均濃度が、前記負極の前記
被膜である負極被膜の前記Liイオンの平均濃度である負極被膜Liイオ
ン平均濃度と、異なる、リチウムイオン二次電池リチウムイオン二次電池
である。
【0019】本様相によれば、電解媒体分解によるガスの発生の抑制がで
き、かつ、特性に優れた、リチウムイオン二次電池となる。
【0020】 好ましくは、前記被膜が、前記活物質粒子側から、前記活物
質粒子がコアを構成し、連続するシェル膜がシェルを構成する、コアシェ
ル構造を有するコアシェル粒子の前記シェル膜、及び前記コアシェル粒子
の外表面である前記シェル膜の外側面の全面に亘り形成された緩衝部であ
って、前記全面の全領域において、非形成領域を含んでもよく、形成領域
に形成された、緩衝部からなり、記正極の前記シェル膜である正極シェル
膜の前記Liイオンの平均濃度である正極シェル膜Liイオン平均濃度が、
 前記負極の前記シェル膜である負極シェル膜の前記Liイオンの平均濃度
である負極シェル膜Liイオン平均濃度と、異なる。

【0021】好ましくは、前記正極の前記緩衝部である正極緩衝部の前記
Liイオンの平均濃度である正極緩衝部Liイオン平均濃度が、前記負極
の前記緩衝部である負極緩衝部の前記Liイオンの平均濃度である負極緩
衝部Liイオン平均濃度と、異なる。
【0022】好ましくは、前記非形成領域/前記全領域の比率の前記活物
質粒子の個数平均が、0.001以上、0.3以下である。
【0023】好ましくは、前記シェル膜が、Fe、Mn、Si、及びAl
からなる群から選ばれる1以上の金属を含んだリン酸イオン含有リチウム
化合物である。
【0024】好ましくは、前記負極の前記活物質粒子は、チタン酸リチウ
ムを含み、高安全性LIBとなる。
【0025】好ましくは、前記正極の前記活物質粒子は、リチウムニッケ
ルマンガン酸化物を含み、より高出力のLIBとなる。
【0026】上記した課題を解決するための本発明の一つの様相は、上述
のリチウムイオン二次電池の製造方法であって、順に、前記集電体上に、
正極活物質粒子を含む正極活物質層を形成して正極活物質層付き集電体A、
及び負極活物質粒子を含む負極活物質層を形成して負極活物質層付き集電
体Aを製造する活物質層付き集電体A製造工程、少なくとも1組の前記正
極集電体A、及び前記負極集電体Aを対向させ、電極積層体Aを製造する
電極積層体A製造工程、前記電極積層体Aを、電解液B中に浸漬し、条件
Bで、前記緩衝部の一部である緩衝部Bとして、正極緩衝部Bを含む正極
活物質層付き集電体B、及び負極緩衝部Bを含む負極活物質層付き集電体
Bを形成して、緩衝部Bを含む電極積層体Bを製造する電極積層体B製造
工程、前記電極積層体Bを、電解液C中に浸漬し、条件Cで、前記緩衝部
の一部である緩衝部Cとして、正極緩衝部Cを含む正極活物質層付き集電
体C、及び 負極緩衝部Cを含む負極活物質層付き集電体Cを形成して、緩
衝部Cを含む電極積層体Cを製造する電極積層体C製造工程を含み、前記
正極、前記負極の各々の前記緩衝部である、正極緩衝部、負極緩衝部につ
いて、前記正極緩衝部における前記正極緩衝部Bの厚さ:前記負極緩衝部
における前記負極緩衝部Bの厚さ、及び前記正極緩衝部における前記正極
緩衝部Cの厚さ:前記負極緩衝部における前記負極緩衝部Cの厚さ、で表
される、前記正極及び前記負極についての前記緩衝部の各々の条件で形成
される厚さが、条件間で、各々、前記正極、前記負極の、一方に厚く、他
方に薄く、偏って形成されることで、10:5未満、又は、5未満:10
である、リチウムイオン二次電池用電極積層体の製造方法である。
【0027】本様相によれば、電極積層体B製造工程、電極積層体C製造
工程の内、一方は正極緩衝部を、他方は負極緩衝部を、主に形成する製造
方法となるので、各々に適した緩衝部が形成できるので、電解媒体分解に
よるガスの発生の抑制ができ、かつ、特性に優れた、リチウムイオン二次
電池が製造できる。
【発明の効果】
  本発明のリチウムイオン二次電池は、電解媒体分解によるガスの発生が
抑制され、かつ、特性に優れる。
【0029】本発明のリチウムイオン二次電池の製造法によれは、電解媒
体分解によるガスの発生が抑制され、かつ、特性に優れたリチウムイオン
二次電池ができる。
【図面の簡単な説明】【0021】
  好ましくは、前記正極の前記緩衝部である正極緩衝部の前記Liイオンの
平均濃度である正極緩衝部Liイオン平均濃度が、前記負極の前記緩衝部
である負極緩衝部の前記Liイオンの平均濃度である負極緩衝部Liイオ
ン平均濃度と、異なる。
【0022】好ましくは、前記非形成領域/前記全領域の比率の前記活物
質粒子の個数平均が、0.001以上、0.3以下である。
【0030】【図1】本発明の第1実施形態のリチウムイオン二次電池を
概念的に示した説明図であり、(a)はリチウムイオン二次電池の斜視図
であり、(b)は(a)のA-A断面図であり、(c)は(a)のB-B
断面図である。【図2】図1の正極部及び負極部の電極部の説明図であり、
(a)は電極部の断面図であり、(b)は被覆活物質粒子の断面図である。
【発明を実施するための形態】【0031】
  以下、本発明の実施形について詳細に説明する。
【0032】  (リチウムイオン二次電池(LIB)1)
  本発明の第1実施形態のリチウムイオン二次電池(単にLIBともいう)
1は、図1のように、外装体3内に電極積層体5が収容された電池組立体
2を有し、電池組立体2の外装体3内に電解媒体6を満たして封止したも
のである。
【0033】リチウムイオン二次電池1は、電解媒体6が非水電解液の非
水電解液LIBであってもよいし、電解媒体6が固体電解質の全固体LI
Bであってもよいし、電解媒体6がポリマー電解質のポリマーLIBであ
ってもよく、非水電解液LIBであることが好ましい。
【0034】以下の説明では、リチウムイオン二次電池1が非水電解液
LIBである場合について説明する。

<外装体3>
  外装体3は、電解媒体(電解液)6に対し化学的に安定、特に非水電解
液6に対し安定かつ十分な水蒸気バリア性のものであれば適宜選択でき、
最終的に電極積層体5が電解媒体6を収容した密閉内部空間を形成し得る
ものである。
【0035】外装体3に用いる材料、形態としては、アルミニウムや、鉄、
ステンレスを、主材とした缶、ラミネート樹脂を含むラミネートフィルム
等が挙げられ、ラミネート樹脂を用いた外装体3については、非水電解液
二次電池の場合、アルミニウム、シリカをコーティングしたポリプロピレ
ン、ポリエチレン等のラミネートフィルムを用いることもできるが、汎用
性やコスト等の観点から、アルミニウムラミネートフィルムを用いること
が好ましく、好ましい外装体3としては、2枚の金属製のラミネートフィ
ルムの接着接着することで形成されることが好ましい。

<電極積層体5>
  電極積層体5は、図1のように、正極部10と、負極部11と、セパレ
ータ12と、正極用取出部材13と、負極用取出部材14を有している。
(正極部10、負極部11)
  正極部10、負極部11は、図1(b)のように、正極集電体20、負
極集電体120の少なくとも一方の主面上に正極活物質層21、負極活
物質層121が積層されたものであり、Liイオンが挿入・脱離が可能
なインターカレーション電極である。
【0036】 本実施形態の正極部10、負極部11は、図2(a)のよ
うに、正極集電体20、負極集電体120の両主面上に正極活物質層21、
負極活物質層121が積層されている。
(正極集電体20、負極集電体120)
正極集電体20、負極集電体120は、導電性を有する板状体又は状体で
あり、導電性を有するものであれば特に限定されるものではなく、例えば、
アルミニウムやアルミニウム合金が使用できるが、正極反応雰囲気下及び
負極反応雰囲気下で安定であることから、アルミニウム又はアルミニウム
合金であることが好ましく、JIS規格1030、1050、1085、
1N90、1N99等に代表される高純度アルミニウムであることがより
好ましく、金属の表面に正極の電位で反応しない金属を被覆した被覆体が
使用できる。
(活物質層2(正極活物質層21、負極活物質層121))
  活物質層2(正極活物質層21、負極活物質層121)は、Liイオン
伝導性活物質の粒子30を含んで構成されており、他に、バインダー70、
導電ネットワーク80、及び浸透性細孔ネットワーク81から構成され、
集電体20、120上に形成され、好ましくはSEI構造を含み、好まし
くは図2(a)の拡大図のように、海島構造を有した海島構成膜であり、
断面形状が海状部60と島状部61を備えている、所謂バルクの膜である。

【0037】正極活物質層2は、重量比率では被覆活物質粒子30が多
く占めるが、体積比率ではバインダー70と導電ネットワーク80が電
子顕微鏡でも確認できる程度を占める。
(被覆活物質粒子30)
  被覆活物質粒子30は、図2(b)のように、活物質粒子40、負極活
物質層121をコアとし、シェル膜41をシェルとするコアシェル構造を
有するコアシェル粒子36を備えている。すなわち、コアシェル粒子36
は、正極活物質粒子40の外面をシェル膜41が覆っている。
【0038】また、本実施形態の被覆活物質粒子30は、シェル膜41の
外表面の一部又は全部に緩衝部42をさらに備えている。すなわち、本実
施形態の被覆活物質粒子30は、正極活物質粒子40の表面に被膜35が
覆っており、被膜35は、シェル膜41と緩衝部42の多層膜となって
いる。
【0039】そして、より高性能のLIBとする観点から、正極活物質粒
子130のシェル膜41に含まれるLiイオンの濃度である正極シェル膜
Liイオン濃度は、負極活物質粒子130のシェル膜41に含まれるLi
イオンの濃度である負極シェル膜Liイオン濃度と、異なっていることが
好ましく、より好ましくは、高速充電が要求されるLIBと、高速放電が
要求されるLIBとで、区別して設計製造することであり、これらの濃度
は、膜中の平均濃度であり、また、前述のシェル膜41/緩衝部42の多
層膜においては、緩衝部42緩衝部42は、Liイオンを含まない酸化物
及び/又は有機物を含み、全体としてLiイオンを含んで構成されること
から、正極多層膜Liイオン濃度と負極多層膜Liイオン濃度とが異なる
LIBとすることで、より高性能とLIBとすることができ、好ましく、
より好ましくは、高速充電が要求されるLIBと、高速放電が要求される
LIBとで、区別して設計製造することである。
(活物質粒子40、140)
  活物質粒子40、140は、リチウム遷移金属複合酸化物粒子であり、
リチウムイオンを挿入及び脱離が可能となっている。
【0040】  その粒径は、特に限定されないが、メジアン径d50が5
μm以上であることが好ましく、10μm以上であることがより好ましく、
20μm以上であることがさらに好ましく、100μm以下であることが好
ましく、80μm以下であることがより好ましく、50μm以下であるこ
とがさらに好ましく、30μm以下であることが特に好ましい。

【0041】  <正極活物質粒子40>
  正極活物質粒子40は、Liの脱離及び挿入の平均電位がLi金属の析
出電位に対して(vs.Li+/Liとも示す)、4.5V以上5.0V
以下であることが好ましい。すなわち、正極活物質粒子40は、単体での
Li金属基準での作動電位が4.5V以上5.0V以下であることが好ま
しい。

【0042】 Liイオン挿入・脱離反応の電位(以下、電圧ともいう)(
vs.Li+/Li)は、例えば、正極活物質粒子40を用いた動作極、
Li金属を対極とした半電池の充放電特性を測定し、プラトー開始時、
及び終了時の電圧値を読み取ることによって求めることができる。プラ
トーが2箇所以上あった場合は、もっとも低い電圧値のプラトーが4.5
V(vs.Li+/Li)以上であればよく、もっとも高い電圧値のプラ
トーが5.0V(vs.Li+/Li)以下であればよい。
【0043】正極活物質粒子40は、特に限定されないが、下記式(1)
で表されるスピネル型のリチウムマンガン系酸化物が好ましい。
【0044】
  Li1+xMyMn2-x-yO4・・・(1)
  前記式(1)中、x、yはそれぞれ0≦x≦0.2、0<y≦0.8を
満たし、MはAl、Mg、Zn、Ni、Co、Fe、Ti、Cu、及び
Crよりなる群から選ばれる少なくとも1種であり、後述する「アセト
ニトリル溶出金属イオン負極析出SEI損傷還元分解促進影響」にも注
意を払うべきである。
【0045】
  上記式(1)の中でも、MがNiであるリチウムニッケルマンガン酸化
物(LNMO)が好ましいが、上述の「酸素脱離不活性NiO拡散阻害」
への対策が必要となる。
(負極活物質粒子140)
  負極活物質粒子140は、リチウム析出が起きにくく安全性が向上する観
点からチタン酸リチウムを使用することが好ましい。
【0046】
  負極活物質粒子140は、チタン酸リチウムの中でも、リチウムイオン
の挿入・脱離の反応における活物質の膨張収縮が小さい点から、スピネル
構造のチタン酸リチウムが特に好ましい。
【0047】
  チタン酸リチウムには、例えば、Nbなどのリチウム、チタン以外の元
素が微量含まれていてもよい。
(シェル膜41)
  シェル膜41は、活物質粒子30の表面形状を緻密に覆った連続した層
構造を有する膜であり、元素としてリンを含有したLiイオン伝導性化合
物を含んで構成された被膜であり、単独で正極活物質として機能するイン
ターカレーション材料で構成されていることが好ましい。
【0048】
  シェル膜41は、リン酸イオンを含み、さらにFe、Mn、Si、及び
Alからなる群から選ばれる1種以上の金属を含むリン酸イオン含有Li
化合物を有している。
【0049】
  このようなリン酸イオン含有Li化合物としては、オリビン型の結晶構
造をもつリン酸マンガンリチウム(以下、LMPともいう)やリン酸鉄Li
(以下、LFPともいう)、NASICON型の結晶構造をもつリン酸チ
タンアルミリチウム(以下、LATPともいう)、リン酸リチウム(以下、
LPともいう)などのリチウムリン酸化合物であることが好ましく、LM
P、LFP、LATPなどのリチウム遷移金属リン酸塩が好ましい。
【0050】
  LPとしては、Li3PO4-a-bXaYb(Xは、N、S、B、及びSi
からなる群より選ばれる1種、Yはハロゲン原子の何れかである。)で示
されるLi含有化合物であってもよく、LIB内に存在するLiの消費を
抑制しつつ、高容量低抵抗LIBとなり、酸素原子の一部がX、Yで置換
された構造を有し、X導入によりLi導電性は向上するが電気的絶縁性が
低下するので、Yを適量導入することで電気的絶縁性を確保したものであ
ると報告されてる。
【0051】

              
                           この項つづく

 今日の楽曲  昭和歌謡曲 『 いでも夢を』
             吉永小百合/橋幸雄

              ※ 歌謡曲のよさは、日本語の詩歌が明確でしたね。


 今日の言葉:2024年は史上最も暑い年になる見通し
欧州の気象当局はこのほど、猛烈な熱波や多くの犠牲者につながった嵐が
世界各地を襲った2024年が、統計開始以来で最も気温の高い年となること
が「ほぼ確実」となったとの見通しを発表。( 2024年11月8日 BBC



◾国連 “世界の平均気温 今世紀末までに最大3.1度上昇”(NHK 24.10.25




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