Quantcast
Channel: 極東極楽 ごくとうごくらく
Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

エネルギーと環境 58

$
0
0

彦根市ひこにゃんイラスト に対する画像結果
彦根藩二代当主である井伊直孝公をお寺の門前で手招き雷雨から救ったと
伝えられる招と、井伊軍団のシンボルとも言える赤備え(戦国時代の井伊
軍団編成の一種、あらゆる武具を朱りにした部隊編成のこと)と兜(かぶ
と)を合体させて生まれたキャラクタ-

【季語と短歌:11月23日】      

           風呂に入り勤労感謝、回復す 
                  高山 宇 (赤鬼)

日曜の奉仕の痛み、日々の眼精疲労、荒天候に経験の無い悪不調。ならば
入浴に回復を細かく気を配れば、「正解!」。明日は十一月場所千秋楽。

✳️ 日本の水素技術に熱視線、石炭依存のポーランドが脱炭素で大転換

発電や産業、運輸、暖房など様々な分野で化石燃料への依存度が高いポー
ランドでは今、カーボンニュートラルの実現に向けてエネルギーの大転換
期を迎えている。エネルギー転換への鍵として、同国が普及に力を入れる
次世代エネルギーが水素だ。多額の投資が集まる中、これまで同国になじ
みがなかった日本企業にとっても、技術を売り込む千載一遇の好機が到来
しつつあるという。(2024.11.22  日経クロステック)

図1 PESAの水素機関車「SM42-6Dn」

図1 PESAの水素機関車「SM42-6Dn」
動力を持たない車両の入れ替え作業や機器の運搬を行うための機関車、旅
客用ではない。最高速度は90km。最高出力180kWのトラクションモータ
ーを4つ搭載。

水素機関車は、水素を燃料として発電する燃料電池と、発電した電気をた
めるリチウムイオン2次電池(LIB)を搭載し、電動モーターで駆動する(
上図)。走行時に排出されるのは水のみ。二酸化炭素(CO2)を一切排出
しないため、鉄道部門における脱炭素化の切り札になると見て、ポーラン
ドでは既存のディーゼル機関車からの置き換えを進めようとしている。ポ
ーランドにおける鉄道の電化率は約55%。非電化の路線の多くは利用者数
が少ないため、架線建設に必要な投資に対して消費エネルギーやCO2の削
減効果が見合わない。水素機関車は、こうした運行本数の少ない路線への
導入が期待されている。


図2. SM42-6Dnの内部構造
カナダBallard Power Systems製の出力85kWの燃料電池を2基搭載する。
電池容量は167kWhで、東芝製のLIB「SCiB」を採用した。充填圧力350M
Paで175kgの水素を貯蔵できるタンクを備え、約500kmの航続距離を確保
した。約20時間の連続作業が可能。

✳️ ガラスアンテナと太陽光発電で景観と環境に配慮した5G基地局

「景観配慮型サステナブル基地局」と呼ぶ基地局システムだ。太陽光発電
に対応するBIPV(Building-Integrated PhotoVoltaics、建材一体型太陽光
発電ガラス)と蓄電池、RU(Radio Unit)、ガラスアンテナから成る。
BIPVとガラスアンテナを窓ガラスの内側に設置し、屋外に通信エリアを形
成する実証実験にNECとAGCが入る。(2024.11.22 日経クロステック)

NECとAGCが有効性を実証した「景観配慮型サステナブル基地局」の外観

NECとAGCが有効性を実証した「景観配慮型サステナブル基地局」の外観


⬛ 失速「EV」相次ぐ火災事故で広がる不信の連鎖     
  リチウム二次電池の安全工学的考察 ⑩



試作した「軽量Li-SPAN/樹脂箔パウチセル」と、HAPSへの応用イメージ
 出所:ADEKA

◾重量エネルギー密度は最大552Wh/kg、釘を刺しても発火せず
  ADEKA、軽量Li-SPAN/樹脂箔パウチセルを開発
ADEKAとうるたまは、次世代二次電池向け正極材「SPAN」と樹脂箔で構
成される正極を用いた二次電池「軽量Li-SPAN/樹脂箔パウチセル」の試
作に成功。軽量で安全性や実用性を兼ね備えた二次電池を実現できるため、
ドローンやHAPS、eVTOLなどへの応用が期待される。(202411.12 EETIMES)

次世代二次電池向け正極材「SPAN」と樹脂箔で構成される正極を用いた
二次電池「軽量Li-SPAN/樹脂箔パウチセル」の試作に成功したと発表。
軽量で安全性や実用性を兼ね備えた二次電池を実現できるため、ドローン
やHAPS(成層圏通信プラットフォーム)、eVTOL(電動垂直離着陸機)
などへの応用が期待できる。



左は試作した9Ah級パウチセルの外観、右は典型的なリチウム-硫黄(Li-S)
二次電池と今回開発した新型Li-SPAN二次電池の構造模式図 出所:ADEKA

ADEKAは、産業技術総合研究所(産総研)や豊田自動織機が開発した製
造方法をもとに、硫黄系活物質の1つである「SPAN(硫化ポリアクリロニ
トリル)」を、「アデカアメランサ SAMシリーズ」という名称で量産化
する計画である。さらに、うるたまやソフトバンク、KISCO、産総研など
と連携し、次世代二次電池の技術開発と市場開拓にも取り組んでいる。

今回試作した軽量Li-SPAN/樹脂箔パウチセル「LiLiSPRing-model ADET
AMA」は、電池容量が9Ahで、大きさは名刺サイズである。正極活物質に
はアデカアメランサ SAMシリーズを用いた。SPAN正極の集電体には、
KISCOとソフトバンクが共同で開発している樹脂箔を採用した。セルの構
成を検討したのはADEKAで、設計はADEKAとうるたまが共同で行った。
また、樹脂箔へのタブ溶接はKISCOとソフトバンクが、セル作製はうるた
まが、それぞれ担当した。


SPANの外観と部分推定構造(充放電前)および、試作した9 Ah級パウチ
セルの充放電特性  出所:ADEKA

研究グループは、試作したセルの充放電試験をソフトバンクの次世代電池
Lab.で行った。重さが25.2gという試作セルを用い、25℃、0.05Cという条
件で放電した時の容量(9.27Ah)と電圧(1.50V)のデータから、重量エ
ネルギー密度は最大552Wh/kgと算出した。鉄くぎを刺す安全性試験でも、
発煙や発火が起こらないことを確認した。

ADEKAは現在、相馬工場(福島県相馬市)においてアデカアメランサ SA
Mシリーズの量産化を進めている。既に年間100kg以上の合成に成功して
いるが、2026年度にはこれを年間数トン規模まで引き上げていく計画。


⬛ リチウムイオン電池向けマンガン系正極材料
三井金属は2024年11月、レアメタル新溶液材料「iconos(イコノス)」
を活用し、リチウムイオン電池に向けたニッケルマンガン酸リチウム正極
材料(LiNi0.5Mn1.5O4/LiMn2O4)を開発。

◾レアメタル新溶液材料「iconos(イコノス)」を活用
ニッケルマンガン酸リチウム(LNMO)は、高出力で高いエネルギー密度
を実現できる正極材料である。しかし、高電位領域における電解液との副
反応によって、⓵正極成分からマンガンが溶出したり、②ガスが発生した
りする可能性がある。これらが、実用化に向けて課題となっていた。

三井金属はこれまで、iconosを活用しニッケルマンガン酸リチウム正極材
料への応用を検討してきた。そして今回、P-Taで正極材料を被覆すれば、
高電位領域における従来の課題を解決できることを突き止めた。この技術
を用いると、LiNi0.5Mn1.5O4の他、LiMn2O4正極材料においても、その
効果が得られることを確認した。
【脚注】
1. P-Ta水溶液を被覆したLiNi0.5Mn1.5O4正極の電池特性

iconosを活用し被覆処理を施したニッケルマンガン酸リチウム正極材料の外観[クリックで拡大] 出所:三井金属

   心豊かになるクラシック音楽
       『弦楽のためのアダージョ /  Adagio for Strings Op.11』 
                    作曲:サミュエル・バーバー


人間の未来 AIの未来

人間の未来 AIの未来 講談社(2018/02発売) まえがきにかえて 羽生善治から山中伸弥さんへ
第1章 iPS細胞の最前線で何が起こっていますか?
第2章 なぜ棋士は人工知能に負けたのでしょうか?
第3章 人間は将来、AIに支配されるでしょうか?
第4章 先端医療がすべての病気に勝つ日は来ますか?
第5章 人間にできるけどAIにできないことは何ですか?
第6章 新しいアイデアはどこから生まれるのでしょうか?
第7章 どうすれば日本は人材大国になれるでしょうか?
第8章 十年後、百年後、この世界はどうなっていると思いますか?
あとがきにかえて 山中伸弥から羽生善治さんへ
----------------------------------------------------------------------------------
『人間の未来AIの未来』連載第3回

✳️ なぜ研究者は「隠したがる」のか
将棋の世界は、オープンソースを土台にみんなでアイデアを出し合うとい
う、インターネット社会のメリットを最大限に生かしてソフトを進化させ
てきたわけですね。しかし、僕がいる生命科学の世界は、研究の競争が激
しくて、みんな隠匿し、論文発表で初めて世に出すという感じだと山中氏。

論文を発表するプロセスは、まず『ネイチャー』とか『サイエンス』とい
うジャーナル編集部に自分の論文を送ります。そこから「ピアレビュー」
(査読)と言って、同じような研究をしている研究者数人が、ほとんどの
場合匿名でそれを評価する。「ここは変えたほうがいい」という彼らの指
摘に従って、やり直す。そう、いちばんひどいときは「この研究は箸にも
棒にもかからない」と拒否されるケース。これがけっこう多い。いちばん
いいときは「この研究は素晴らしいから、すぐ載せます」と1ヵ月後に掲
載される。そういうことも稀にはありますが、滅多にないと話す。

つまり、修正に1年、2年かかることもあり、生命科学の分野では、今取り
組んでいる研究が世に出るまで早くても2、3年かかってる。リアルタイ
ムに世に出す仕組みが必要ではないかと考える人が少しずつ増えてはいる
が、なかなか進まない。過去百年以上、僕たちはそうやって論文発表を目
標に研究してきたから。でも今の生命科学の発表の仕方では、そういう情
報はほとんど世に出ない。結果、無駄な研究をすることになっている。

✳️ 「伝統」を変えられるか
そもそも論文やジャーナルは、研究の発展を推進するためのはずが、逆に
ブレーキになってしまっているところがあり、そこからパテント(特許権)
も発生するので、守るところは守らないとだめなんですけれども。

 

 今日の言葉:

 


Viewing all articles
Browse latest Browse all 2435

Trending Articles