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デジタルアース工学立国

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    いまは思い立ったらすぐ実行できるスピードがないと勝てません。

                                                   高田 明

 

 


● いまこそ地震予知工学の確立

リモートセンシングのおかげで、スパイ衛星が民生化され、高分解能衛星画像が取得できるよ
うになり、40センチメートルの地上分解能の画像が宇宙から取得できる。雨天でも夜間でも
地上を探査できるレーダー技術も、1メートルの分解能の画像が得られる。たとえば、地震前
後のレーダー画像を利用すれば、センチメートルオーダーで地震による地盤の変動を検知でき
る干渉レーダー技術も確立されている。

地理情報システム(GIS)は、いまや政府や自治体の行政を効率的に行う上で必須になり、宅
配会社、運送業、配送会社では効率的な荷物の積み下ろしになくてはならない技術。GISとGNS
Sと組み合わせれば、バスやタクシーの運行情報をスマホに配信することも可能だ。災害時の
避難に役立つハザードマップは、GISなしでは描けない。

Digital Earth(電子地球)という構想は、1998年、当時の米国のゴア副大統領が提唱したもの。
地球上の地理空間データ・情報をデジタル化→データベースを広く国民に開放→「いつでも」
「誰でも」「どこでも」利用できる社会の構築をめざす。地理空間データや情報を流通させる
ためには、地理空間データの標準化が必要となり、国際標準機関(ISO)を中心に標準化が進
められた。地理空間データを高度に利用して豊かな社会を築くことを、「G空間社会の構築」
と呼ぶ。ここでGは地理空間情報(Geo-spatial Information)の略である。これを契機として、
様々な国でNational Spatial Data Infrastructure(国土空間基盤データ)を活用する法律(略称し
てNSDI法と呼ばれる)が制定され、日本では、9年後の2007年「地理空間情報活用推進基本法」
が議員立法で制定。

この「地理空間情報活用推進基本法」のおかげで、国土地理院は2万5千分の1の地図(基本
図と呼ばれる)をネット上で無料公開し「電子国土」を推進する。これを地震予知に生かせな
いかと、村井俊治東京大学名誉教授は考えた。国土交通省国土地理院は、1994年から現在までに、
全国で約1300ヵ所に「電子基準点」を有するこの「電子基準点」は、5メートルのタワー
に支えられたGNSS受信機を設置したもの。「電子基準点」は、配置の平均間隔は25キロメー
トルで、東海地方は15キロメートル。これだけの数と密度は世界一で、世界有数の地震国に
は、貴重なインフラ、つまり、「電子基準点」は地震予測の強力な切り札になると。

2002年には、公共測量に「電子基準点」データを公開することが決められ、その利用が広く進
んだ。測量には多くの場合、リアルタイムのデータが有効となる。その一方で、1週間程度を
要する精密歴を利用した正確な「電子基準点」データ(最終解の意味でF3データと呼ばれる)
も極めて有効だ。この正確な「電子基準点」データは、2週間ほどの遅れで公開されている。
ここでは、7日分のF3データが、毎週月曜日にホームページ上で公開され、無料でダウンロ
ードできる。この点で日本は、世界一サービスのよいシステムが完成している。このF3デー
タを地震予測に使う発想が誕生する。一見、無謀とも思われた地震予測への挑戦が始まった。 

  


特開2004-226388 地震・噴火予知方法

村井教授らは、これらをの既存技術を利用する。例えば、上図3はのA点、B点、C点はそれ
ぞれ、任意に選ばれた地表上の3つの観測点である。X軸、Y軸、Z軸はそれぞれ地心座標系
の3軸である。A点のXY投影面への投影点をAxy,同様にB点のXY投影面への投影点を
Bxy,C点のXY投影面への投影点をCxyとする。同じようにA点のXZ投影面への投影
点をAxz,同様にB点のXZ投影面への投影点をBxz,C点のXZ投影面への投影点を
Cxzとする。さらにA点のYZ投影面への投影点をAyz,同様にB点のYZ投影面への投
影点をByz,C点のYZ投影面への投影点をCyzとする。

ここでAxy、Bxy、Cxyの3点で構成される三角形の面積をSxyと定義し、Axz、
Bxz、Cxzの3点で構成される三角形の面積をSxzと定義する。同様に、Ayz、Byz
Cyzの3点で構成される三角形の面積をSyzと定義する。今、時刻tにおける面積Sxy
をSxy(t)、時刻tよりΔt時間経過した時の面積SxyをSxy(t+Δt)とすれば
時刻tからt+Δtの間の三角形面積変動率Rxyは、着目する観測時の三角形面積Sxy
(t+Δt)から前回観測時の三角形面積Sxy(t)を差し引き、前回観測時の三角形面積
Sxy(t)で割った値で算出される。即ちRxy=(Sxy(t+Δt)-Sxy(t))
/Sxy(t)で算出される。同様な方法でSxz、Syzに対して、Rxz、Ryzが算出
される。

従来の技術においては、平面は測地座標系、高さは標高を利用してきたが、本発明においては
衛星観測の直接出力である地心座標系を用いることで、座標変換に伴う誤差要因を排除した。
複数の衛星観測点における連続的あるいは定期的な観測を、同時期または略同時期、および同
位置地点で実施し、上記の三角形面積の観測時間間隔における変動率Rxy、Rxz、Ryz
を算出し、その変動を監視し、解析することで、地震・噴火の予知を行という数式を考案する。

 


特開2015-052578| 地震予知方法および地震予知システム


特開2010-203914| 地震予知方法および地震予知システム

いまの解析データは2次元(平面)解析データでこれに鉛直軸の3次元(立体)データで、さ
らに、リアルタイムに3次元解析データで日本列島周辺を網羅できれば高確度の解析が可能だ。
そのためにはスーパーコンピュータシステムが不可欠だ。また、これらの新規考案には海底の
変動解析が出来ていないが、海底電子基準点にアンカーを打ち込み何らかの形で、観測衛星に
位置変動データを送る事が出来れば飛躍的に予知能力は高まる。(1)その上で、防災情報を
編集し利用できる。(2)さらに、予知能力が高まれば、予備災害処置システムの開発段階に
入ることができ、映画『ザ・コア』のようなことに成功するかもしれない。そうすれば、米国
でのイエローストーンでの隆起メカニズムとその将来予測とその予備災害処置が実現し、世界
的激震火山災害を回避できるかもしれない。そのように考えれば、年間数十億円程度の空間情
報地震予知工学への投資は微々たるものであろう。頑張ろう、ニッポン!

                                      

  

   

【日本の政治史論 34:政体と中枢】    

 

「古賀の乱ってなんだ  "I am not ABE  "」(『進撃のヘーリオス Ⅱ』2015.04.04)で 触発され
るように、積んでおいた本を取り出し読みはじめた。そして、この国の政体を考えみよう。その
結果、どのようになろうとも未来志向できる手がかりを明らかにしたという動機から掲載してい
きたい。まずは第5章から読み進める。      

  福島のメルトダウンは必然だった…政府閉鎖すら起こる2013年の悪夢とは!?家族の
 生命を守るため、全日本人必読の書。「日本の裏支配者が誰か教えよう」。経産省の現役幹
 部が実名で証言。発電会社と送電会社を分離する発送電分離。このテーマについて本気で推
  進しようとした官僚が何人かいた。あるいは核燃料サイクルに反対しようとした若手官僚も
  いた。しかし、ことごとく厚い壁に跳ね返され、多くは経産省を去った。私も十数年前、発
 送電分離をパリのOECDで唱えたことがあるが、危うく日本に召喚されてクビになるとこ
 ろだった。その理由とは何だったのか――。(「序章」より)。改革が遅れ、経済成長を促す
 施策や産業政策が滞れば、税収の不足から、政府を動かす資金すらなくなる。そう、「政府
 閉鎖」すら起こりかねないのだ。いや、そうした危機感を煽って大増税が実施され、日本経
 済は奈落の底へと落ちていくだろう。タイムリミットは、ねじれ国会を解消するための参議
 院議員選挙がある2013年、私はそう踏んでいる。(「まえがき」より)

                           古賀 茂明 著『日本中枢の崩壊』  

    目 次     

  序 章 福島原発事故の裏で
  第1章 暗転した官僚人生
  第2章 公務員制度改革の大逆流
  第3章 霞が関の過ちを知った出張
  第4章 役人たちが暴走する仕組み
  第5章 民主党政権が躓いた場所
  第6章 政治主導を実現する三つの組織
  第7章 役人―その困った生態
  第8章 官僚の政策が壊す日本
  終 章 起死回生の策
  補 論  

 

   Sisyphos

 

  終章 起死回生の策

                                               中国人経営者の警句

  産業構造転換があまり進まない大きな理由の一つに、製造業偏重がある。戦後、日本は技
 術立国を日指し、モノ作りに精を出して未曾有の復興を遂げ、世界有数の経済大国になった。
 いまだにその幻影が日本を覆っており、産業政策も製造業偏重が続いている。 
 「労働者に生きかいを与えて一生懸命働かせるために、『汗水たらして働くことか尊い」と
 教えるのは当然だが、経営者が同じことをしていたら競争に負ける。労働者の生活も結局は
 良くならない。中国人と同じ給料で働けということになる」

 「日本人は何をするにもみんなで寄り集まって夜まで議論して結局決まらない。中国の経営
 者は即断即決。いかに効率的に儲けるかを考えている。これでは日本は勝負にならない。経
 営か悪いから、日本の労働者は、一生懸命働いてもどんどん生活を切り下げるしかなくなる
 のだ。ただ働くことが尊いという考えからいつ抜け出せるかが日本復活の鍵だ」

  中国は、いまは先進国モデルを追いかければ良い時代。ただモノマネをして働けば成長で
 きる段階にある。しかし、その中国人に、日本人は頭を使うことより足を勣かすこと、拘束
 されることを優先しているといわれている。
  日本人の勤労精神は笑徳であり、今後も大事にしていくべきだが、いま日本に求められて
 いるものは、なるべく無駄な労力を費やさず、頭を使って効率よく稼ぐという姿勢である。
 日本の労働力は年々減っているのだから、なおさら生産性を高めるために知恵を使わなけれ
 ばならない。

  13億の民がいる中国と、少子化で人口か年々減っている日本が労働力で戦おうとすれば、
 勝てるわけがない。裏を返せば、日本人がいまそこはかとなく、中国に抱いている恐怖は、
 勤勉であれば競争には負けないという神話が崩れつつあることに起因している。頭を使うこ
 とが すべてと発想を転換すれば、中国に対する不安や恐怖もなくなる。
  そして、リスクを恐れず、全面的に国際化に踏み切る。本来、自由貿易の発想は、お互い
 か得意な分野に特化して国際分業すれば、一国で完結するより最適化され、全体として効率
 が上がり、それぞれがメリットを享受できて、ウィン・ウィンの関係になるはずという前提
 に立つ。
  いまは産業単位ではなく、企業単位で考える時代だ。モノ作りだから尊いという考えをや
 めて、どれだけ知恵が集約されたサービスか、商商品か、企業か、という考え方に変えてい
 かなければならない。


ここにくると、何となく言いたいことは分かるが雑さは拭えない。例えば、ここで言う「モノ作
り」とは、ハードウエアに限定しているのか、プログラミングのようなソフトウエアやノウハウ
(企業技術)を含んでいるか明確ではない。また、「意志決定の遅さ」 といういうことであれ
ば、経営責任の話しだし、大きくいえば企業風土ということになるが、わたしの経験から言うと
問題を個別的に、多角的に考えていくしかないが、商品の国際競争コストというなら、為替レー
トや政府間の政策などが大きく関係すると考えるし、コスト削減に絞るなら、徹底的に考え、そ
の結果、中国との競合に勝てないなら降りたら良いことで、わたしならそうする。ここでの指摘
は極めて限定的なことだと考える。



                   「死亡時精算方式」と年金の失業保険化で

  経済を逞て直すには、もちろん、労働力の減少を食いとめる努力も必要だ。長期的には少
 子化対策が必要だが、これは短期間で解決できる問題ではない。労働力の減少を和らげる当
 面の策としては、外国人労働者の導入、もしくは女性・高齢者の活躍に期待するしかない。
  高齢者はどんどん増える。元気な高齢者も然りだ。外国人労働者を一挙に増やすのが嫌な
 ら、女性が働きやすい環境作りとともに、高齢者が働ける環境作りが鼓大のテーマになる。
 現在の高齢者は、収めた何倍もの額の年金をもらっている。日本人の資産の大半を持ってい
 るのも、65歳以上の人たちだ。高齢者の年余はもう少し削り、現役世代の負担を軽くして
 もいい。

  その代わり、高齢者が本気で働ける仕組みを作る。
  いまは、元気で働く意欲があっても働き口がないので、おぱちやんたちに嫌がられながら
 地域のボランティア活動に参加したり、映画館に行って暇を潰したりしている高齢者が少な
 くない。もちろん、それまで働きづめだった人たちが余暇を楽しむことは決して悪いことで
 はない。しかし、もう少し余裕のある暮らしをしたいとか、まだまだ仕事をしていたいと思
 っていても、ちょうど良い仕事がないという人も冬いだろう。

  働きたいのに、働けないのは、本人にとっても不幸せだし、国にとっても損失である。
  働いて社会に関われば、高齢者の生きがいにもつながる。精神的にも肉体的にも健康にな
 り、財政に重くのしかかっている医療費も少しは軽減されるし、所得税も国に入ってくる。
  平均寿命が男79歳、女86歳にまでなった。年金支給開始年齢は段階的に65歳に引き
 上げられることになっている。しかし、65歳から15年、20年と、働かないで生活を保
 障するというのが本当にいいことなのか。そして、少子化のなかで持続可能なのか。そうし
 た視点で、現在の年金制度の見直しをはかるべきだろう。

  年金は長生きしたときの備えではなく、長生きしても「働けない」人のための保険という
 考え方に変えてはどうか。つまり、何歳になっても勘こうとすることを前提にする。働けな
 い人、仕事がない人、働いても十分な給与まではもらえない人、これらの人に対する保険と
 い考え方にすべきではないか。

  つまり、失業保険と生活保護の合体型だ。失業保険の部分は保険、生活保護の部分は税金
 による分配という考え方。働けるけど働きたくない人には支給しないということにすれば良
 い。80歳を過ぎたら全員に支給するという妥協をしても良い。こうすれば、働こうという
 インセンティブにもなる。
  生活の安心という意味では、年を取ったら年金ではなく、働けなくなったら年金があると
 いうことで十分ではないか。働けるけど働かない人、ただ年金で楽をしようという人まで国
 は面倒を見なくてもいいだろう。

  年金財政が苦しくなるから支給額を減らそうとする考えもあるが、一律で支給額を下げる
 と、貧しい人でなくてもかなり不安になる。自分はもしかしたら百歳まで生きるかもしれな
 い、そう思うと一切お金を使いたくないということになり、資産を保有している高齢者まで
 ますます萎縮して、所得を貯蓄に回すようになり、消費に悪影響を及ぼし、日本経済を傷め
 る結果になる。

  そういうデメリットを考えれば、年金制度に「死亡時精算方式」を取り入れるのがいいの
 ではないか。たとえば高齢者が亡くなり、その人は生涯で1000万円の年金給付を受け、
 総額500万円を支払っていたとしよう。500万円は超過分だから、相続財産から優先的
 に国に返してもらう。
  年金などのもらいすぎで、その子供たちか豊かになるというのは、公平の観点からも問題
 がある.単純に相続税を上げるという議論もあるが、それでは真面目に働いて貯めた分も年
 金などで貯金した分も同じ扱いになり、公正とはいえないのではないか。

 それには、一日も早くく国民番号制を導入し、個々人の口座で年金、健康保険、介護保険の
 支払いと受給か管理されるようにすることだ。医療、介護も含めて、生涯を通してもらい過
 ぎた分は国に返納するという制度にしたほうかいい。
  65歳を過ぎて年金の受給が始まった、生活に困らないだけの額をもらっていろ受給者に
 とって、おカネを椋いで貯蓄に回すインセンティブは、子供に残すぐらいだ。もらい過ぎた
 分は国に返さなければならないとなると、子供たちに遺産を残したい人は、働こうかとなる。


ここも概ね賛同できるもの「森をみて、木をみず」ではないが、「年金などのもらいすぎで、そ
の子供たちか豊かになる・・・・・・」の件のように、親の年金があるからこそ、子供達が低賃金で苦
しんでいる勤労国民の家庭で、仕事がなく、つねに失職の恐怖に耐えている子女を家族的経済支
援を行っている現況とどうオーバーラップするのか疑問が残る。
                                    この項つづく 

 
● 今夜の一曲

  Don’t be love feat.

 

   揺れない 見せない 譲れない 心はきっと

   生きるあたしのルールだもの

   くだらない 要らない 感じない ありふれたメッセージ

   分かってるわ自分の車くらい

   ノラ猫は足下でダンス

   仮面を外せない

   そんなあたしが馬鹿なの?

   恋なんて もう似合わない

   愛なんて もう頼らない

   Don't be love  Don't be love Don't be love

   恋なんて そうまやかしよ
 
   愛なんて そう窮屈よ

   Don't be love  Don't be love  Don’t be love

 


                                     " Don't be love feat " (愛さないで)
                                                            唄          シシド・カフカ
                             作詞 斎藤和義  シシド・カフカ
                             作曲                    斎藤和義      

           

■        

かつて同僚の急な訃報が土曜に入り通夜に列席。退職前は、仙台の次世代大形液晶製造プロセス開
発と、長尺二流体ノズル開発のチームメイトであった彼だ。惜しい、誠に惜しい友だった。
蓋うに、企業にとって人は宝である。享年51。

                                                           合掌 

 

 

 


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