過去を知るものだけに、未来がある。 / ヴィルヘルム・フォン・フンボルト
【再生エネルギー百パーセント時代: 断熱圧縮空気蓄電システムの開発】
● 長寿命で信頼性・環境性に優れる「断熱圧縮空気蓄電システム」
神戸製鋼所らが共同で、「断熱圧縮空気蓄電システム」は、電力を圧縮空気と熱の形で貯蔵し、必要に応
じて貯蔵された圧縮空気と熱を使って発電するシステムの開発に着手する(同社プレスリリース 2015.06.
18)。汎用機器で構成されているため信頼性が高い、長寿命、希少物質を使用せず廃棄が容易、出力とエ
ネルギー貯蔵量の組合せが自由、といった特長をもつ。今回の開発は、再生可能エネルギー(特に風力発
電)の出力変動の抑制や電力需要のピークシフト等の平滑化・平準化を目的としている。これは、国立研
究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)の「電力系統出力変動対応技術研究開発事業」
の一環として実施するもので、開発対象技術の一つとして「断熱圧縮空気蓄電システム」が採用された。
2016年度にMWクラスの実証機の試運転を行い、2017年度以降の実証運転の継続と商品化を目指す。
蓄電システムは、家庭・業務・自動車用向けにリチウムイオン二次電池や空気ー金属二次電池などのコン
パクトで高密度の蓄電池の実用開発が熾烈に行われている中、(1)超伝導フライホイール、(2)超伝
導エネルギー貯蔵コイル、(3)氷蓄熱システム、(4)ヒートポンプ(熱電変換素子)、そして、(5)
断熱圧縮空気蓄電などがあるが、現段階では(3)のみ実用化済みである。また、本件の「断熱圧縮空気
蓄電システム」(Compressed Air Storage system)は、欧米の技術開発が先行する情勢下にある今回の公表
である。
※ http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/iten/service/kankyo/pdf/tikuene.pdf
すでに、lightsail社では下図の、風力発電の支柱内に、この断熱圧縮空気蓄電システム」(Compressed Air
Storage system:CAS)を組み込んだ風力発電システムの新規提案がなされている(詳細は図の上をダブ
ルクリック)。とは言え、 神戸製鋼は、1915年に国産初の高圧空気圧縮機を製作して以来、100年の歴史
を有する圧縮機総合メーカー、神戸製鋼の圧縮機は国内外を問わずあらゆる産業に利用されている。今回
の実証実験では、オイルフリータイプのスクリュー圧縮機、スクリュー発電機、熱貯蔵タンク、空気貯蔵
タンク等からなる機器製造を担当するというが、このシステムのハードウエア上の"肝"にあたる。なお、
発電装置部には、タービンあるいはエアーエンジンの2+α方式が考えられこれの機能技術も重要であろ
う。念のため、CASシステム技術とエアーエンジン技術の特許も紹介しておこう。
US 139024458 B2 ”Energy storage system utilizing compressed gas”
US 9054559 "Method and system for distributing energy"
US 9045982 "Self-pressure-regulating compressed air engine comprising an integrated
active chamber"
3D animation of screw compressor working principle
【デジタルアース工学立国論 Ⅱ: 地震・噴火予知】
『デジタルアース工学立国』(2015.06.15)で、「いまこそ地震予知工学の確立予知」で「いまの解析デ
ータは2次元(平面)解析データでこれに鉛直軸の3次元(立体)データで、さらに、リアルタイムに3
次元解析データで日本列島周辺を網羅できれば高確度の解析が可能だ。そのためにはスーパーコンピュー
タシステムが不可欠だ。また、これらの新規考案には海底の変動解析が出来ていないが、海底電子基準点
にアンカーを打ち込み何らかの形で、観測衛星に位置変動データを送る事が出来れば飛躍的に予知能力は
高まる。(1)その上で、防災情報を編集し利用できる。(2)さらに、予知能力が高まれば、予備災害
処置システムの開発段階に入ることができ、映画『ザ・コア』のようなことに成功するかもしれない。そ
うすれば、米国でのイエローストーンでの隆起メカニズムとその将来予測とその予備災害処置が実現し、
世界的激震火山災害を回避できるかもしれない。そのように考えれば、年間数十億円程度の空間情報地震
予知工学への投資は微々たるものであろう。頑張ろう、ニッポン!と掲載した。そこで、村井俊治著『地
震は必ず予測できる』(電子ブック版)を手にする余裕ができたので、読み進めることでその可能性を探
る。
目次
序 章 なぜあのと序き「予測」を公表できなかったのか―3・11への悔恨
第2章 日本列島はどこもかしこもゆがんでいる
第3章 「予知」は無理でも「予測」はできる
おわりに
序章 なぜあのとき「予測」を公表できなかったのか―3・11への悔恨
同じ過ちは繰り返さない
巨大地震の前兆をとらえていたのに、それを公表しなかった――。3・11のその大きな後悔から、
私は決意した。どんな壁があろうと、これからは人々のために少しでも前向きな地震予測をしていこ
うと,
私は地震学の専門家ではない。私はもともと測量工学の学者で、地震学に関しては門外漢であった。
そんな私がなぜ地震予測などという畑違いの学問に携わることになったのかについては、次の章で詳
しく語ることにしよう,
最初にお断りしておきたいのは、私が携わっている地震予測の方法論は、従来、地震学者がやって
きたものとはまったく異なるということだ。
私が地震予測のベースにしているのは、GPSデータである。GPSに関しては、いまやスマホや
カーナビでお馴染みだろう。人工衛星を利用して位置情報を測定するシステムのことだ。このGPS
データを測定するために、国土地理院は全国約1300ヵ所に「電子基準点」を設置している。GP
Sはアメリカの衛星潮位システムをいい、ロシアのGLONASSなども含めていまは一般名称とし
てGNSS(グローバル・ナビゲーション・サテライト・システム)が使われている。しかしここで
は、一般の人に馴染みが深いGPSという名称を使うことにする。
電子基準点がどういうものかは詳しく後述するが、我々が考え出した方法は、この電子基準点から
得られる位置情報から、「地殻の微小な変動」を読み解き、分析して、地震発生の危険度を予測する
ものだ。
私のこの研究に関しては、これまで長いあいだ、「本来の地震学から外れている」「占いのような
ものだIなどと言われ、無視され続けてきた。
しかし、そんな逆風の中にあっても、私がこの研究を続け、2013(平成25)年2月に民間で
の予測サービスに踏み出したのは、学者としての信念もあるが、ひとえに3・11のときのような、
同じ過ちは繰り返すまいという思いからである。GPSデータを使った地震予測の研究が具体的な活
動として実を結んだのが、株式会社地震科学探査機構(JESEA)で行っている登録会員向けのメ
ールマガジン「週刊MEGA地震予測」の提供である。私は現在、JESEAの顧問として活動して
いる。
皆さんは普段の生活でさほど意識していないかもしれないが、地球の表面は常に動き続けている。
地球というのは驚くほど軟らかく、これまでも、隆起・沈降や地殻変動を繰り返してきており、内部
の構造を単純に説明するのはまことに難しいものである。地震学者でさえ手を焼き、ときに白旗を掲
げた地震予測の分野に、私は新しい工学的なアブローチから挑戦し、いままでにない成果を手にする
ことができた。
この項つづく
● 今夜の1つの先端技術: フェーズドアレイ気象レーダによる3次元観測
近年頻発している局地的大雨(ゲリラ豪雨)や竜巻による突発的・局所的気象災害が社会問題となって
いる。大型のCバンド気象レーダ観測網に加え、都市域の雨をより細かく観測できる小型のXバンドM
Pレーダが整備されてきているが、従来のパラボラアンテナによるレーダは、地上付近の降雨観測に1分
程度、3次元降水観測には5分以上の時間を要すため、10秒毎の3次元観測によるゲリラ豪雨が10分
前に予測可能となる次世代ドップラー技術のフェーズドアレイ気象レーダーを使った3次元降雨観測を期
待されていたが、理化学研究所のスーパーコンピュータ「京」を利用した解析実証試験も大詰めを迎え、
いよいよ実用化の段階に入ってきた。
● 今夜のアラカルト
世界一の超高齢社会と無形文化遺産の和食と植物性高タンパクのが相まって、世界で ”Tofu ”の料理が
ブーム。そのなかでも、パイ生地・タルト(皿状の焼菓子)生地で作った器の中に、卵、生クリーム、ひ
き肉やアスパラガスなど野菜を加えて熟成したグリュイエールチーズなどをたっぷりのせオーブンで焼き
上げた――ロレーヌ風キッシュでは、クリームとベーコンにナッツ類を加える場合もある――ドイツ語の
クーヘンを語源とすキッシュが人気。
そこで、簡単な豆腐キッシュのレシピ(上写真)――準備に15分、調理に1時間半、菜食主義でグルテ
フリーなキッシュを紹介。(1)材料:ジャガイモ、植物性バターとオリーブオイル、塩と胡椒、軽くた
たき完走させた絹ごし豆腐、ナチュラル酵母シーグニング、フムス(ひよこ豆のクリーム)、みじん切り
ニンニク、スライス乾燥ネギ、チェリートマト、刻みブロッコリー。(2)作り方:230℃に予熱した
オーブンに、溶融したオリーブオイル植物性バター、塩・胡椒を注ぎ、振り掛けけた薄切りジャガイモを
盛った230ミリ程のパイ皿を入れ、キツネ色になるまで加熱し、パン皮に供す。→次に、ニンニクと準
備した野菜にオリーブオイルと塩・胡椒を注ぎ振りかけ和える。→先ほどのパン皮をオーブンからとりだ
し、400℃程で焼き色がつくまで20~30分加熱する。→充填する豆腐にナチュラル酵母シーグニン
グ、フムス(ひよこ豆クリーム)、塩・胡椒を加えフードプロセッサーに入れペーストにする。→オーブ
ン加熱した野菜を取り出し、豆腐ペーストとを和え、ジャガイモのパン皮に敷き詰める。→約190℃で
30~40分加熱すれば完成。
● 今夜の一枚
沖縄慰霊の日: 戦後70年不戦の誓い
沖縄が返還されて47年の月日が経つ。復帰運動のさなか沖縄の米軍基地で行われた集会で、上原康助全
軍労委員長の「戦争で生活することを拒否する」との発言で、不覚にも落涙したことを思いだした。冷戦
が終わっても何も変わっていない現況に、悲しみを押さえ切れず、申し訳なさで一杯である。
合掌