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最新原子層集積技術

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  EUとユーロはドイツが一人勝ちするシステムだ。 /  エマニエル・トッド 


 



● 最新原子層集積技術


 原子層集積装置がいよいよ普及実用化される時代を迎えている。原子層堆積法(Atomic Layer
Deposition:ALD)は、反応容器中に置かれた金属や半導体、セラミックス、プラスティックなど、
様々な材料基板表面において、次の4ステップからなる操作により単一原子・分子層を形成する
技術。原理は、(1)反応容器に原料分子ガスを導入し、容器内壁および基板を含むすべての内
表面に吸着・表面反応を行わせる。通常、基板表面は原料分子と反応するOH基などで活性化処
理され、基板との間に金属酸化物や窒素化物の結合が生じる。(2)次に、この表面反応により
生じる反応生成物と余剰の原料分子を、反応容器外にパージする。この時、原料分子にアルキル
基など疎水性構造をもつものを選択することにより、原料分子の二層以上の吸着を防ぎ、(1)
のプロセス後の基板表面には単一分子層が固定される。(3)次に、基板表面に吸着した原料分
子のアルキル基と反応するガスを導入し、(1)(2)のプロセスで表面に固定された原料分子
の表面を、OH基などに変化させる。(4)最後に、この反応による生成物と余剰反応ガスとを
パージする。この段階で、基板表面は金属酸化物や窒素化物、金属などの単一分子・原子層で被
覆され、最表面はOH基などをもう。次のサイクルで再び(1)~(4)を実行するというもの。

 

ALDの特徴hは、上図のごとく、他の成膜方式に比べ、高いアスペクト比をもつ構造体へのコ
ンフォーマル特性(Conformal:精緻な表面再現性)は、原料分子の表面吸着・表面反応において、
反応ガスにH2O(水)やO2(酸素),NH3(窒素),H2(水素)などの非イオン、中性分子
を用いる結果、深い溝構造などへの廻りこみ拡散ができる事に起因する。このとき、ALDサイ
クルの中で原料ガスとH2Oなどの反応ガスのパージ時間が、反応空間に至るすべての内壁温度
により支配される。たとえば酸化アルミニウムのALDでは、反応ガスとして用いるH2Oのパ
ージ時間を20~60秒に抑えるために、容器を含む壁全体の温度を130℃以上に保持する必
要があり、パージが不完全の場合、容器壁から再放出される原料分解生成物質分子やH2Oが、
微粉末形成などの膜質の欠陥を引き起こす。その対策として、下図の特許は、反応容器の気密を
Oーリングの最適配置することで高め、同容器のパージを短時間で完全に行えるように改良して
いる。


このような装置は、『デジタル革命渦論』の基本特性沿った、ハードウエア分野――半導体・太
陽電池・有機/無機エレクトロニク・ルミネセンス・半導体レーザー・薄膜表示器・発光ダイオ
ード(下図参照)などの進化に欠かせないプロセス工学の1つなりつつある。そのためには、ロ
ール・ツー・ロールによるスループット(高速化)とコンフォーマル(緻密再現性)が鍵になる。
10数年かかって、わたし(たち)が考えていた「ネオコンバーテック」という事業概念が結実
しつつある。

【説明図】発光素子が搭載される樹脂を含む基材で構成されるパッケージを用意する工程と、パ
ッケージの表面を透光性と絶縁性をもつ被覆膜で覆う工程と、被覆膜に部分的に通気性の高い部
分を設ける工程とを備え、耐久性を高め、パッケージの変色を抑制する発光装置とその製造方法
を提供するもの。
 尚、 被覆膜40は、従来知られている薄膜形成法によって形成できるが、薄膜形成法としては、
CVD(Chemical Vaper Deposition)法やスパッタリング法があるが、特に、被覆膜40の緻密
性を向上させたい場合には、CVD法のうちこのALD法が好適である。 

    

 

 【デジタルアース工学立国論 12: 地震・噴火予知】   

デジタルアース工学立国』(2015.06.15)で、「いまこそ地震予知工学の確立予知」で「いま
の解析データは2次元(平面)解析データでこれに鉛直軸の3次元(立体)データで、さらに、
リアルタイムに3次元解析データで日本列島周辺を網羅できれば高確度の解析が可能だ。そのた
めにはスーパーコンピュータシステムが不可欠だ。また、これらの新規考案には海底の変動解析
が出来ていないが、海底電子基準点にアンカーを打ち込み何らかの形で、観測衛星に位置変動デ
ータを送る事が出来れば飛躍的に予知能力は高まる。(1)その上で、防災情報を編集し利用で
きる。(2)さらに、予知能力が高まれば、予備災害処置システムの開発段階に入ることができ、
映画『ザ・コア』のようなことに成功するかもしれない。そうすれば、米国でのイエローストー
ンでの隆起メカニズムとその将来予測とその予備災害処置が実現し、世界的激震火山災害を回避
できるかもしれない。そのように考えれば、年間数十億円程度の空間情報地震予知工学への投資
は微々たるものであろう。頑張ろう、ニッポン!と掲載した。そこで、村井俊治著『地震は必ず
予測できる』(電子ブック版)を手にする余裕ができたので、読み進めることでその可能性を探
る。  

  目 次     

 序  章  なぜあのと序き「予測」を公表できなかったのか―3・11への悔恨
 第 1 章  3・11前から観測されていた前兆現象
 第 2 章  日本列島はどこもかしこもゆがんでいる
 第 3 章  「予知」は無理でも「予測」はできる
 おわりに  
  

      

 第2章 日本列島はどこもかしこもゆがんでいる 

                        山形・秋田は一度隆起して沈降へ

  今度は東北地方の日本海圖、秋田と山形を見てみよう。3・11の地震のときは、東北地
  方全体が傾斜したかのように、太平洋側が沈んで山形や秋田の日本海側が隆起していた,と
  ころがいまは、沈降の現象を見せ始めている.。つまり、宮城とは逆の現象が起きていると
 いうことなのだが、すべて沈降しているかというとそうではない。
  とくに山形は顕著で、酒田市の有人島・飛島は隆起しているのに、山形の内陸部、新山な
 どは沈降している。このまちまちな動きが、新たなひずみを引き起こしているのである。
 (図23「山形県の隆起・沈降」)

 

                                           青森と連動している北海道

  青森県と北海道が連動する動きを見せていることは、2014(平成26)年7月に起き
 た石狩南部地震の解説で述べた。青森と函館一帯の動き方が非常に似ており、石狩南部の地
 震の前は肖森県に異常変動が現れていた。石狩南部の地震の後も、津軽t島、下北半島に異
 常変動が見られ、さらに対岸の北海道・道南のじ飯で瓦センチ以上の変動があったので、メ
 ルマガでは注意を呼びかけている。
 (図24「北海道道南の隆起・沈降」)
 (図25「青森県の隆起・沈降」)

 

                                  ドカンと沈んで隆起している茨城県も要注意

  震災以降、茨城県、干葉県も大きな地震が多発している地域だ。茨城も宮城と同じパター
 ンで、ドカンと沈んで、その後隆起している場所である。
 (図26「茨城県の隆起・沈降」)

 

  震災以降の傾向でいえば、一番沈んだ場所が一番速いスピードで隆起を開始しているのだ
 が、その中で隆起をせず逆に沈降する部分があるということは、そこにまた新たなひずみが
 生じる,繰り返しになるが、常にL下左右に動いている地表が「正常な位置に戻る」という
 ことはない。茨城で大きな地震が多発しているのも、大震災によって沈んだ地表が一定では
 ない、不安定な隆起・沈降の動きの中で新たな地震のエネルギーをためているからである。
  愛媛は大洲に注目、兵庫は淡路島の西淡が急激に隆起・沈降愛媛県と兵庫県は、2014
 (平成26)年の7月あたりから、危険な動きが加速している地域と見ている。
 (図27「愛媛県の隆起・沈降」)
 (図28「兵庫県の隆起・沈降」)

 


  2012年1月を基点として、愛媛県の大洲が5センチ以上の隆起を見せている。怖いの
 は、このすぐ近くに伊方原発があることだ。いまは休止しているが、稼働をしていなくても
 原発には核物質がある。大きな地震が起こればどんな事故につながるか、それこそ予測でき
 ない。
  そして、我々が注目した地域が、兵庫県だ。とくに淡路島の西淡は2014年の7月あた
 りから急激な隆起を見せ、対岸の神戸北では異常な沈降を示した。果たして8月26日に最
 大震度3の大阪湾地震(震源は淡路島東岸)が起きた。9月に入ると西淡は急激な沈降をし、
 神戸北は隆起をしてもとに戻ったので、この時点で要警戒を解いた。予測より規模は小さか
 った。

  2013年4月13日、我々がJESEAのメルマガ配信を始めてすぐに、淡路島付近で、
 マグェチュード6・3の地震が発生している。兵庫県淡路市で震度6弱、南あわじ市で震度
 5強を観測した地震だが、この地震の2、3ヵ月前から、和歌山県の広川が異常な隆起、沈
 降の乱高下を示していたことで、我々はこの地域周辺に地震への注意を促していた。淡路島
 はこの広川から50キロメートル圏内にある。このころは、まだ解析方法がいまほど充実し
 ていなかったが、震源近くで最も敏感に動く地点の地盤の乱高下から、地震を予測したわけ
 である,
  日本列島全体から見てみると、淡路島を中心に、その近辺、和歌山県、徳島県、播磨灘、
 豊後水道あたりまで、一斉に異常な動きがあり隆起・沈降の傾向があるので、今後もこの一
 帯を注意深く見守っていきたい。
  
                                                                  この項つづく

 

  ● 今夜の一冊


ギリシャがユーロ離脱するかしないかはわたし(たち)が想定したものとは随分乖離しているの
でコメントできないが、リーマンショックの考察を済ませている。「ギリシャ最適再建」のイメ
ージはこのブログで掲載済みだが、日本でも、田中厚史『世界かわら版』のように考えているひ
とたちもいる。これは心強いことだ。


 フランスの歴史学者エマニエル・トッドは近著「『ドイツ帝国』が世界を破滅させる」(文
 春文庫・堀茂樹訳)で「EUとユーロはドイツが一人勝ちするシステムだ」。表現は挑発的
 だが、筆者も同感するところが多い。ドイツが一人勝ちするユーロというシステムを継続さ
 せたいなら、搾り取られる側に所得移転する政策がなければ持続的ではない。EUで優秀な
 人材は職を求め繁栄する都市に流れる。単一市場はカネと人材を強者が吸い上げ、域内の格
 差を広げる。均衡のとれた発展を望むなら、財政を含めた統合を進め、弱い国に資金が循環
 する仕組みを作るしかない。

           「追い詰められたギリシャがユーロ離脱へ暴走すると何が起こるか」
           田中厚史『世界かわら版』/ダイヤモンドオンライン、2015.07.02

 

 

 

 

 

 


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