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電気飛行機時代

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   中国船は我々の6倍の大きさで鋼鉄製だ。
         木造漁船の我々がぶっかっていくはずがない。

                                     ホア ベトナム漁船主

  

 

 

● 中国船の蛮行

ベトナム政府は、先月26日に南シナ海・西沙(パラセル)諸島近海でベトナム漁船が中国漁船
に衝突され、沈没した様子を撮影した動画を公表した。中国は「ベトナム漁船から衝突」と主張
しているが、動画では大きな中国漁船がベトナム漁船を追い、体当たりする様子が映っている。
事故が起きたのは、中国が石油掘削をしている場所から南南西約31キロの海上。動画は近くに
いたベトナム漁業監視船の船員が撮影していた。沈没した漁船に乗っていた漁民10人は、泳い
で別のベトナム漁船に救出されたという。

顔などに切り傷を負った漁師のビエンさん(28)は事故直後の朝日新聞の取材に「衝撃であっ
という間に船は沈んだ。救命具をつける余裕もなく海に投げ出された。必死に泳いで逃げた」と
証言。船主のホアさん(38)は「中国船は我々の6倍の大きさで鋼鉄製だ。木造漁船の我々が
ぶつかっていくはずがない」と憤っていた。損害額は2500万円に上るという(朝日デジタル
2015.07.10)。 

 

● 日中食品汚染 11 中国の食品汚染地図 

 

【目次】

 第1章 見えない食品の恐怖
 第2章 中国の食品汚染地図
 第3章 食品汚染のヒトへの影響
 第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
 第5章 重金属汚染という新たな難題
 第6章 日本の食品は安全といえるか


古在豊樹 監修「図解でよくわかる「植物工場のきほん」 から汲み上げた新しい農法の骨格を素
描し終えたので、そのことを踏まえ、今夜からはこの著書から食の汚染の実態を学び、そこから
課題を掬い取り「食の安全」を担保する方法を考察していく。

 

 

  第2章 中国の食品汚染地図

                       中国も日本も抗生物質大国

  中国は日本以上に規制がゆるいのが現状で、中国人自ら「抗生物質大国」と称してはばか
 らない。2012年、中国では抗生物質が21万トン生産され、3万トンを輸出し残りの18
 万トンを国内で消費している。
  ひとり当たりの抗生物質消費量は、アメリカの10倍以上に当たる138グラムだ。飼料
 を含む家畜向けの使用量は9・7万トン。国内消費量全体の半分以上にも相当する多さであ
 る。
  そんな中国だが、危機感を覚えていることも事実だ。そこで政府は近い将来、家畜向けの
 抗生物質の使用を全面的に禁止する方針を打ち出したが、いまだ実現していない。 
  現在、飼料に使用できる抗生物質の種類は数の上で日本を 上回る24種類だ。
  抗生物質を長年飼料に使用した場合、家畜生産物を良べる人体にはどのような影響が出る
 のだろうか? 一般に飼料中の抗生物質は家畜の体内に残留し、やがて間接的に人体に取り
 込まれる。 

  問題は抗生物質が、規制量以上に家畜の飼料に使用されていることだ。その使用制限が、
 中国では飼料Iトン当たり10~15グラムと決められているが、厳格に守られることはほとん
 どないといわれている。あらかじめ決まった飼料成分が入っている配合飼料を使うこともあ
 るが、抗生物質は後から加えられるため、いくらでも入りうる。この点は、農薬の希釈濃度
 が規定通りにされるためしがないのと似ている。少ない場合もあれば、多すぎる場合もある
 のは普通のことだ。

  中国には畜産のための飼料に陵う成分を定めた「飼料原料目録」という規程があり、そこ
 に書かれている成分以外は、使ってはならないことになっている。しかし、現実には201
 3年の3月に、揚子江河口に流れ着いた数千頭の死んだ豚からヒ素が検出されたことが記憶
 に新しい。この例は目録に記された規定が十分に守られていないことを図らずも証明してし
 まった。また別の「飼料添加剤品種目録」という資料には、飼料に添加することが許される
 アミノ酸、酵素、抗酸化剤、着色料、調味剤などの明細とその量が記載されている。本来、
 これ以外の添加物は使用禁止のはずだが、実際には、さまざまな物質や化合物が使用されて
 いる。飼料成分や添加物を法令に従って使用していたとしても、安全を守れるとは限らない。
 農薬や重金属で汚染された飼料を家畜に与えていれば何の意味もないからだ。

                             ホルモン剤投与の問題

  家畜や家禽の飼養に院われ、生産物の自然な組成や備えるべき栄養素に影響を与え、人体
 にとっても決してよいとはいえない成長ホルモン剤の投与もまた、一睡の食品汚染 しかし
 もっとすさまじいのは、ホルモン剤を注射されて、強制的に若さを維持させられることだ。
 そして妊娠産乳と励むよう仕向けられるのだ。そんなにしてまで搾られた牛乳は、はたして
 健全といえるだろうか,このような牛乳を原材料とした粉ミルクの一部が、子を持つ親から
 汚染されていると敬遠され、やがて脱脂粉乳やチーズ、バターの原材料、あるいは飼料の一
 部になっていく。日本では、こういうことを思いつく農民はまず皆無であろう。

  中には病死した牛、豚、羊などを解体処理して他の精肉に混ぜ、あるいはそのまま売る「
 死肉商売」もあるという。これらがモジュール食品の原材料の一部として輸出されていたと
 しても、決して不思議ではない。
  豚は本当は清潔好きな動物で、細菌やウイルスには弱い体質を持っている。獣医師が少な
 い中国農村ではよく病気になったり、運悪く死ぬ場合も少なくない。わたし自身畜舎の日陰
 に転がる豚の死骸を見たことが何度となくある。それを素人目にはわからないように偽装し、
 巧みにビジネスとして成をさせている,こうした肉が市場などで売られているのが専門家に
 見破られ、大きなニュースになることもある。発覚すれば厳重な処罰を受けるが、実際に見
 つかるのは氷山の一角ともいわれている。


                                         ずさんな解体から生じるBSEリスク

  最後に、肉牛の解体の仕方の日中の差について、簡単にまとめておきたい。
 BSEが発見されたのは1980年代、イギリスにおいてであった。当初は原因不明とされ
 たが、後に原因はプリオンという蛋白質にあると診断された。そのブリオンをもっとも多く
 含むとされているのが、脊柱など特定の部位だ。
  2013年5月時点の農水省のデータによると、日本は25カ国あるBSE清浄国のひとつ
 である。これにはアメリカ、イタリア、デンマークなどが含まれる。次にリスクが低い「管
 理されたリスク」として27カ国’地域があり、イギリス、カナダ、ドイツ、スイス、フラン
 スなどと並んで、アジアでは韓国、台湾の2つが含まれるだけだ。中国は国連加盟国中残り
 100カ国のうち「不明のリスク」の部類に属し、危険性が否定できない国のひとつである,

  BSEの清浄国に認定された日本では、牛の脊柱など危険部位の除き方や脱骨場所、管理
 方法を厳格に定め、食肉センターや流通関係者などに徹底した規定の順守を指導している,
  ところが中国では、豚肉と比べると牛肉そのものが大衆化していないことや、牛肉の生産・
 流通・保存管理などの面で経験が浅く、十分な仕組みができ上がっていない。とはいえ、牛
 の飼養頭数は2011年時点で1億360万頭と回帰の規模だ。ちなみに豚は、これを上回
 る4億7000万頭である,ロ本の牛の飼養頭数は乳牛と肉用牛合わせて約410万頭(2
 013年)にすぎない。中国は、日本の25倍の規模である。天文学的な頭数規模の牛の解体
 管理がいかに難しいか。日本の比ではないことは明らかであろう。

  この数字が.ボすように、牛肉需要は年々高まっておりそれに応じて国産牛の生産・供給
 体制が徐々にでき上がりつつあろとはいえ、牛の解体というBSE対策でもっとも肝心な点
 に関する取り組みは非常に弱いといわざるをえない。

                                    この項つづく 

 

【超高齢社会論 Ⅱ: 下流老人とはなにか】

秋葉原通り魔事件が、"ワーキングプアー" に象徴される、過剰競争と自己責任の原理がもたらす格差
拡大社会の歪みとして発生したように、まもなく、日本の高齢者の9割が下流化する。本書でいう下
流老人とは、「生活保護基準相当で暮らす高齢者、およびその恐れがある高齢者」である。そして今、
日本に「下流老人」が大量に生まれている。この存在が、日本に与えるインパクトは計り知れないと
指摘したように、神奈川県小田原市を走行中の東海道新幹線で焼身自殺した事件――71歳の林崎春
生容疑者による「下流老人の反デフレテロ」ではないかとブログ掲載(極東極楽 2015.07.02)。
『下流老人』の著者である藤田孝典は、「東京都杉並区の生活保護基準は、144,430円(生活
扶助費74,630円+住宅扶助費69,800円【特別基準における家賃上限】)である。資産の状
況やその他の要素も検討しなければならないが、報道が事実だとすれば、年金支給額だけでは暮らし
が成り立たないことが明白だといえる。要するに、生活保護を福祉課で申請すれば、支給決定がされ
て、足りない生活保護費と各種減免が受けられた可能性がある。月額2万円程度、生活費が足りない
(家賃や医療費などの支出の内訳にもよる)。生活に不安を抱えどうしたらいいか途方に暮れる男性
の姿が思い浮かぶ。」と語っている(YAHOO!ニュース「新幹線火災事件と高齢者の貧困問題ー再発防
止策は「貧困対策」ではないか!?」 2015.07.02)を受け、近々、『下流老人』を読み、その感想を
掲載するつもりでいたが、今夜から連載していく。まずは、巻頭の「はじめに」から入る。

 目次

 はじめに
 第1章 下流老人とは何か
 第2章 下流老人の現実
 第3章 誰もがなり得る下流老人―「普通」から「下流」への典型パターン
 第4章 「努力論」「自己責任論」があなたを殺す日
 第5章  制度疲労と無策が生む下流老人―個人に依存する政府
 第6章 自分でできる自己防衛策―どうすれば安らかな老後を迎えられるのか
 第7章 一億総老後崩壊を防ぐために
 おわりに


 第1章 下流老人とは何か

                                        下流老人とは、いったい何か

  わたしは埼玉県さいたま市で、生活困窮者支援を目的としたNPO法人を運営している。
 NPOには毎日のように、貧困にあえぐ高齢者からの悲痛な叫びが寄せられる。わたした
 ちは、そのような方たちが、必要なサービスや社会福祉制度を受けられるように支援を続
 けているが、ここ最近「下流老人」の問題が顕著に浮かび上がってきている。
 
  想像してみてほしい。
 
  朝、薄明かりのなかで目を覚ます。カーテンの隙間から差し込んだ朝日が、衣類やチラ
 シが散乱したほこりっぽい6畳一問の部屋を映し出す。体が重く、思うように動けない。
 15分かけてようやくシミで汚れた布団から起き上がり、顔を洗う。鍋からよそった昨日
 の残りのご飯を少し食べ、たくさんの薬を飲む,持病があるため薬は欠かせない,しかし、
  薬代が高く頻繁には病院にかかれないため、もらった薬を半分にして飲んでいる。
  朝食のあと着替えると、自宅近くにある公園に向かう。そこのベンチで一日を過ごす。
 目の前を若い学生や予ども連れの家族が通り過ぎていく。誰にも話しかけられることはな
 い。予どもはおらず、配偶者も数年前に他界した。親族とも連絡は取っておらず、今どこ
 にいるのかさえわからない。

  夕方になると帰宅し、買い置きしておいた安い米と見切り品の惣菜一品で夕食を済ます。
 たまにできる贅沢は、同じく見切り品の傷んだカットフルーツを食べることくらいだ。節
 約のため電気はつけず、テレビの明かりだけ。先月、貯金が20万円を切った。年金はも
 らっているが、十分な額ではない。このままいけばあと数か月で底をつくだろう。その先
 どうすればいいかは、わからない。
  夜9時になると、早々に布団に入る。静かな部屋に、時計の秒針を刻む音が響く。とき
 どき「早く迎えにきてくれよ」と思う。そして、また眠りにつく。

  これは想像上の話だけではない。このような生活を送る高齢者は、実際に存在する。
  たとえば、夏場の署いなか、電気代を気にして、エアコンもつけずに室内で熱中症を起
 こしてしまう人。頼れる家族や友人もおらず、日中は何もせず、年中ひとりでテレビを見
 ている人,インスタントラーメンや卵かけご飯のような粗末な食事しかロにできなかった
 り、3食まともに取れない人。築年数40年のボロボロの家に住みながら、住宅の補修がで
 きずに、すきま風や害虫、健康被害に苦しんでいる人。持病があっても、医療費が払えな
 いため、痛みに苦しみながら自宅療養をしている人。孤独をまぎらわすため、少額のお金
 を持って、一日、競艇場や競輪場に居続ける人。家賃が払えず、近所の公園で生活せざる
 を得ない人。コンピニで弁当を3個盗み、「刑務所へ行かせてほしい一と空腹に苦しみ泣
 きながら懇願する人………

  わたしは現場の実状を知るまで、高齢期というものは、これまでの数々の努力が報われ
 る時明だと考えていた,家族や友人など多くの関係性に恵まれ、余生を旅行や趣味に費や
 し、豊かで温かく、人生の終結に向かっていく……。
  しかし、このイメージと現実には、相当に大きなギャップがあると言わざるを得ない。
  だからこそ、この下流老人の問題をできる限り多くの人に知ってもらいたい,この問題
 を放置すれば、社会が持続可能ではなくなってしまう。それほど重大な「社会問題」だと
 確信しているのだ。

  では、下流老人とは、いったい何か?
  わたしは下流老人を「生活保護基準相当で暮らす高齢者およびその恐れがある高齢者」
 と定義している。 要するに、国が定める「健康で文化的な最低限度の生活」を送ること
 が困難な高齢者である。
  では具体的に、どのような生活レベルの人を下流老人と呼ぶのか よりイメージしやす
 いよう、まずはその指標ともなるべき実像を捉えていこう。


 下流老人の具体的な指標3つの「ない」

  多くの生活相談を受けるなかで見えてくるのは、下流老人には以下の3つが「ない」と
 いうことだ。

  ①収入が著しく少「ない」

  まず、ド流老人の特徴は、世帯の収入が著しく低く、その収入では普通の暮らしが営め
 ないことだ。その生活水準は、生活保護レベルか、それより低い状況にある。
  ここでいう「生活保護レベル」とは、「生活扶助費」と「住宅扶助費」をへ合わせた金
 額を指す。生活保護費は、自治体や世帯員などの状況や程度によっても支給額が異なる。
 たとえば、生活扶助費と住宅扶助費の2つの合計額は、首都圏に住む一人暮らしの高齢者
 の場合、月額18万円くらいだ。年額にすると150万円前後。2人暮らしや3人暮らし
 だとさらに増額される。

  加えて生活保護では、医療や介護などの必要なサービスも、医療扶助費や介護扶助費と
 して別に現物支給される,生活に必要な最低限度のサービスが、すべて国から現物で支給
 されるうえ、所得税や住民税などの税金の支払いも減免される。そのため、それらの現物
 給付や控除などを実際の収人として換算すると、額面よりも支給額は高くなる。

  以上が生活保護の人伜だが、この生活保護基準は「ナショナルミニマム]とも言える。
 ナショナルミニマムとは、一国が定める国民の健康で文化的な最低限度の暮らしに必要な
 費用や生活水準を定めたもの」である.。憲法にも定められている、国民の生活の″"最
  低ラインを規定する重要な指標であると言えるだろう。

  要するに、年金などを含めた収入がこのラインと同程度であれば、生活保護で受けられ
 る収入となんら変わらない。つまり。保護を必要とするレベル’なのだ。むしろ年金など
 の収入が、額面上、生活保護と同レベルなら、実際の生活はそれ以下と言えるだろう。収
 入が著しく低いことは、下流化する最大のリスク要因となる。


  ここで言う収入が著しく低い状態というのは、「相対的貧困率」がひとつの目安となる。
 一般に「相対的貧困」とは、対象者が属する共同体(国や地域)の大多数に比べて、貧し
 い状態にあることを指し、「相対的貧困率」とは、統計上の中央値の半分に満たない所得
 しか得られない人の割合をいう。
  経済協力開発機構(OECD)の発表によると、日本は全世帯のうち、約16・1%(
 2012年)が相対的貧困とされている。
  また、2013年の国民生活基礎調査では、一人暮らしの場合、12年の等価可処分所
 得の中央値(244万円)の半分(122万円)未満が、貧困状態ということになる。2
 人世帯では約170万円、3人世帯では約210万円、4人世帯では約245万円に相当
 する。その基準以下の収入しかない場合、日本では「貧困」に分類される。下流老人の所
 得も、織ねこの辺りが目安となる。

  このレベルになると「普通の家庭にあるべきものがない」ケースが増えてくる。前述の
 ように、健康的な食嘔がとれない、十分な医療や介護を受けられないだけにとどまらず、
 洗濯機やエアコンが壊れているとか、壁に穴が空いたままになっている、月に一度の外食
 もできないなど、生活に必要な物やサービスを享受できなくなる。要するに、人間らしい
 暮らし(健康で文化的な生活)の水準を下回るレベルでの生き方を強いられるようになる
 のだ。

  注目したいのは、高齢者世帯の相対的貧困率は、一般世帯よりも高いことだ。内閣府の
 「平成22年版男女共同参画自書」によれば、65歳以上の相対的貧困率は22・o%である。
  さらに、高齢男性のみの世帯では38・3%、高齢女性のみの世帯では52・3%にも
 およぶ。つまり、単身高齢者の相対的貧困率は極めて高く、高齢者の単身女性に至っては
 半分以上が貧困下で暮らしている状況なのだ。
 このように、広く知られている相対的貧困率の指標を用いてみても、一般獣帯よりも高齢
 者世帯の方が貧困状態にある人々が多いと言える。一般に思われがちな「高齢者はみな金
 持ち」というイメージは、明らかに誤りだと.一昌えるだろう。

  ②十分な貯蓄が「ない」

  二つ目に下流老人は貯蓄が少ないか、あるいはまったくない。
 ①のように、収入が少ないなら、生活費などはこれまでの貯蓄に頼らざるを得ない,
 わたしたちも支援を行ううえで、まず、相談に来られる方々の貯蓄額を聞くようにしてい
 るが、「すでに貯金を使い果たしてしまった」「あと50万円程度しかない」など、切迫し
 た状況であることがほとんどだ。

  このように十分な貯蓄がない状態では、健康で文化的な生活を維持できない恐れが高い
 ばかりか、突然の事故や病気、介護などの生活上のトラブルに襲われたときに、たちどこ
 ろに生活が破綻してしまう。そのような予想外の支出は、高齢明にはよくあることだ。
  たとえば、脳梗塞のような大きな病気をわずらい、自宅を離れ、有料老人ホームに人居
 しなければならなくなったとしたら、その際の入居金や必要経費を払えるだろうか。ある
 いはそのような病気がなくとも、旅行や趣味を謳歌して、文化的に楽しく暮らしたいなら、
 相応の蓄えが必要となろう。思い描いた理想の老後、もしくは「普通の余生」を過ごした
 ければ、決して少なくない額の貯蓄が必須な社会にわたしたちは生きているのだ。

  では現実的に、老後の生活にはどれくらいのお金が必要になるのだろうか。
  平成26年総務省「家計調査報告」によれば、高齢期の2人暮らしの場合の1か月の生活
 費平均は、社会保険料などをすべて込みで約27万円。
  つまり65歳になった時点で、仮に年金やその他の収入が月約21万円あったとしても、
 貯蓄額が300万円では約4年で底をつくことになる(不足分6万円切り崩し×50か月)。
 仮に1000万円あっても、14年弱しかもたず、最終的に貧困に陥る可能性があるのだ。


さて、生活実態の報告が次回もつづくことになるが、新幹線焼身自殺事件が起きた同日、厚生
労働省から昨年度の生活実態調査結果――国民生活:「苦しい」過去最多62.4%――を報
告しているがこれは偶然としても、何かしら因縁めいたものを感じたが、この現状を抜本的に
変えることができるのが心配の種である(下図、ダブルクリック)。





                                                                      この項つづく

 

   ● 今夜の一品

 Airbus’s First Electric Plane Crosses English Channel

いやはや、電気飛行機時代の開幕ですね。トヨタも参入するのかな?

  

 


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