何か強いものを感じた。又吉君うらやましい。 / 山田 詠美
※ 芥川賞受賞を祝福して
● ミュオン検出応用工学
ドクター湯川秀樹ノーベル物理賞受賞した中間子説の科学成果が着々と応用展開され、ミュオ
グラフィが実用段階に入っている。高エネルギー加速器研究機構(KEK)は、筑波大学など
と共同で東京電力福島第一原子力発電所1号機の原子炉内部を透視したミュオン測定装置の小
型化に取り組む。同1号機の燃料は格納容器下部に溶け落ちたと推定され、宇宙から降り注ぐ
ミュオンで観測する場合、地面を掘削して測定装置を設置する必要がある。設置作業の負担を
軽減することで利用増加につなげたい考え。年内をめどに現状の8分の1以下に小型化する計
画を公表(2015.07.15)。
測定装置は2枚以上の検出器などで構成、ミュオンが通過した場所や粒子数をもとに原子炉内
部の状況を推定する。ミュオンの吸収率が物質ごとに異なる性質を利用し、燃料の位置などを
測定する。1辺2・5メートル程度の測定装置を1辺1メートル程度まで小型化する。小型化
すると検出器同士の距離が近づき、測定の分解能は下がるが、ミュオンを検知する物質(シン
チレーター)の設置数を増やすことなどでその低下を抑える。また、捕らえられるミュオンの
量は減るが、観測時間を確保すれば測定精度に影響はないという。
KEKは今年2月から1号機を観測し、圧力容器の炉心部に燃料がないことを確認、東電の推
定結果と一致した。ただし、燃料が溶け落ちたと推定される格納容器下部については観測でき
ていない。KEKの高崎史彦名誉教授によると、小型測定装置は直径1・5メートル程度、深
さ十数メートルの穴に設置すれば測定可能。地中を通ってもミュオンを観測できることを実験
で確認しているという。
構造物内部を把握する従来の方法として、地表に到達する宇宙線ミュオンを観測して内部を透
視する技術が知られている。この技術は、例えば火山またはピラミッドなどの大型で内部への
立ち入りが困難なものに対して好適に利用されてきた。ミュオンを観測して構造物の内部状態
を透視する方法として、(1)ミュオンの粒子束の減衰を測定する透過法および(2)ミュオ
ンのクーロン多重散乱角を測定する散乱法などが知られている。(3)また、散乱法において
は、クーロン多重散乱による軌跡のずれを測定する変位法も知られている。
ミュオンによる透視技術では、透視の対象となる構造物にミュオン軌跡検出器が外設される。
そして、この検出器によりミュオンの飛行軌跡を検出して、軌跡を解析することで構造物内部
のイメージングが行われる。ミュオン軌跡検出器は、ドリフトガスが封入されたドリフトチュ
ーブの配列を多層にして構成。ドリフトチューブは、その中心に陽極ワイヤが張られており、
ミュオンの通過によって封入されたドリフトガスが電離されて電子が発生する。発生した電子
が陽極ワイヤに到達することでミュオンの通過が検出される。そして、電子が陽極ワイヤに到
達するまでのドリフト時間からミュオンの通過位置を求めることができる。
そして、ミュオン軌跡検出器は、ミュオンが通過したドリフトチューブそれぞれの通過位置か
らミュオンの飛行軌跡を検出することができる。なお、アルミ製のドリフトチューブで構成さ
れるミュオン軌跡検出器の場合、空間分解能と角度分解能は典型的には0.5ミリ及び2mr
ad(全値半幅)程度で、ミュオンの検出効率は百%近い。
しかしながら、過酷事故が発生した原子力発電所のような高放射線環境下では、高いガンマ線
量により、ドリフトチューブの壁面の原子とガンマ線との間のコンプトン散乱による誤検出が
増加する。ガンマ線とのコンプトン散乱で発生した電子が、陽極ワイヤに到達してミュオンの
通過として検出されてしまうからである。本来、ドリフトチューブはガンマ線に対する感度が
低く、ガンマ線に由来する電子の発生は無視することができる。しかし、ガンマ線量が高い場
合、ガンマ線とドリフトチューブの壁面の原子とのコンプトン散乱の発生数も増加し、ガンマ
線起因による検出が増加する。
このため、高放射線環境下では、ドリフトチューブのガンマ線起因による検出により、解析対
象となるデータ量が増大し、ミュオン軌跡検出器を安定的に動作させることが困難であった。
本発明はこのような事情を考慮してなされたもので、高放射線環境下で安定的な動作を実現す
るミュオン軌跡検出器及びミュオン軌跡検出方法を提供する。
そこで、上図のごとく、ミュオン軌跡検出器10は、宇宙線ミュオンの通過が検出された際に
電気信号を出力するドリフトチューブ11を配列し、少なくとも3層に配置させたドリフトチ
ューブ検出器12と、一定時間内に電気信号が出力されたドリフトチューブ11の中から一直
線上に位置するものを選別するドリフトチューブ選別手段15と、選別されたそれぞれのドリ
フトチューブ11に対応する電気信号の立ち上がり時間に基づいてドリフトチューブ11内に
おける宇宙線ミュオンの通過位置を計算する通過位置計算手段19と、計算された通過位置を
用いて宇宙線ミュオンの飛行軌跡を導出するミュオン軌跡導出手段20と、を備えることで、
高放射線環境下で安定的な動作を実現するミュオン軌跡検出器及びミュオン軌跡検出方法の東
芝の新規考案である。
また、下図は、有限空間内に,ミュオン検出機能と時計と通信機能を有するノードを多数配置
し、そのノードの一部の座標値を既知とし、各ノードで検出した飛来イベントの時刻情報をノ
ードIDと共に測位サーバに伝達蓄積する。蓄積された情報と既知のノード座標値を基に、ミ
ュオンの軌跡を算出し、さらにそれを基に可動ノードの座標値を算出することで、 電波、光、
超音波もしくは音波が遮蔽、反射、回折、屈折しうる環境においても、測位可能とし、高確度
な座標値を算出できる日立製作所の測位システムの新規考案である。
このように、ミュオン検出器の精度とロバスト性(耐久性)、手のひらまでダウンサイジング
できれば、火山観測、マグマだまり観測、地震観測などのデジタルアース工学を飛躍的に高め
ることができる。これは実に面白い。また、ひとつ新規事業が誕生する。
● 日中食品汚染 13 中国の食品汚染地図
【目次】
第1章 見えない食品の恐怖
第2章 中国の食品汚染地図
第3章 食品汚染のヒトへの影響
第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
第5章 重金属汚染という新たな難題
第6章 日本の食品は安全といえるか
古在豊樹 監修「図解でよくわかる「植物工場のきほん」 から汲み上げた新しい農法の骨格を素し終え
たので、そのことを踏まえ、今夜からはこの著書から食の汚染の実態を学び、そこから課題を
掬い取り「食の安全」を担保する方法を考察していく。
第2章 中国の食品汚染地図
養殖ワカメを襲う工場排水
日本が中国から輸入している魚介類はウナギだけではない。海産物としてワカメやアサ
リ、エビやナマコなど、非常に多くの品目が輸入されている。以下はワカメの汚染状況で
ある。日本のワカメ輸入先は中国と韓国。2011年、中国から73位円、韓国から43位円
を輸入している。中国産が多いのは、中国が世界一のワカメ生産国だからでもある。日本
のワカメ生産戟は水産庁によると約3400トンだ。また、ワカメの国内消費を金額換算
すると約150億円程度だから、日本の国産ワカメは明らかに劣勢だ。輸入に依存するし
かないが、安心して食べていいものなのだろうか。
両国から輸入されるほとんどのワカメは養殖ワカメで、その多くは日本のワカメの原藻
を養殖し、日本に逆輸出しているものだ。
そのワカメや昆布などの海藻類が、ヒ素によって汚染されていると報じたのは2004
年の新華社の報道だったが、今なおその汚染は解消されていない。むしろ、海藻類を養殖
する遼寧省の黄海あたりの海水の汚染はさらに進んでいる。一向に改善されていないどこ
ろか、逆に深刻さを増しているのだ。
背景には、中国のあらゆる地方の海岸から、海や揚子江などの大河へ放出される工場排
水や生活雑排水、汚染排水の顕著な増加がある。工場などからの排水の廃棄量は年々増え
続け、次の表5のように2011年には660億トン、2005年の525億トンを約2
6%も 上回った。この数字は日本の数百倍、いや数千倍にも相当する。年平均の増加率
は4・3% 約20年で2倍に達するスピードだ。このペースでいけば2030年頃には
1300億トンという膨大な廃水が海へ流されると推定される。これは、中国の水資源総
量2兆3257億トンの5・5%にも相当する。
203O年頃には、酸化炭素排出量は世界一の約72億トンだが、陸と空から世界一多
い汚染物質を垂れ流しているのが中国だ。
排水は、あらゆる随順のエ場排水、汚水を含む生活雑排水、農薬汚染水や重金属汚染水
を含む。2011年の排水の中には、ナマリ15万5200キログラム、水銀2800キロ
グラム、カドミウム3万6000キログラム、ヒ素14万7000キログラム、六価クロ
ム10万6000キログラムなどが含まれている。、
これだけ入りの汚染衣が陪年のように流されている限り、沿岸のどの海産物が汚染され
てもまったく不思議ではない。
中国でも報道され始めた加工食品汚染
食品のモジュール化は高度な加工食品によって起こると述べた。ここでは、加工食品を
わたしなりに、「農林畜水産物または食品を原材料とし、別の食品にすること」としたい。
食品は形や味、色彩などに共通のものが存在せず。万華鏡のように変わりうる。つまり最
終の完成品というものがが存在しない。最終良品のはずだったものが、簡単に別の良品を
作るための原材料になってしまうことがある。これを前提に話を進めていくことにしよう。
中国政府が現在もっとも神経を使っているのは、この加工良品である。もし重大な事件
が起これば国民の健康問題に直結するし、貿易黒字の源泉を失うという国家的損害に発展
しかねないからだ。
従来は正義感あふれる新聞記者や研究者によるリークめいた報道以外、表には出にくか
った。ところが習近平政権が誕生してから、PM2・5の報道からもわかるように水汚染
や土壌汚染などの環境問題や食品汚染問題がせきを切ったように報じられるようになった
感がある。
加工時に使う食品添加物あるいは異物の混入、賞味期限過ぎの肉類を原料とした肉加工
品などはましなほうだ。悪質なのは、意図的にあるいは違法に過剰な添加物を入れたワイ
ン、マオタイ酒、ウインナー、ハム、鶏の足、菓子類、ザリガニの油いため、干し豆、乳
製品、白身魚の練りもの、果汁、人造卵、ピータン、乳製品、漂白万頭や染色削入りの精
肉、ネズミ肉入り羊肉ミンチ、毒血豆腐、果物や野菜、過剰眼球菌入りピーフジャーキー、
コンビーフ、ザーサイ、落花生、フライドチキン、蒲焼、加工の際の地溝油使用などだ。
挙げ始めたらきりがない。異物混入の例では、昆虫入り粉ミルク、基準オーバーの細菌が
入ったミネラルウオーター、醤油などが知られている。
ネズミの肉は市場で売られているほか、ネット通販でも買うことができる。多くは竹鼠
や肉鼠というもので、高いものだと1キログラム200元、日本円で3200円くらいす
るものもある,値段が豚肉や牛肉よりも高いものもあり、ネズミ肉は睡煩によっては高級
肉の煩に属する。これも国や地方によって特徴がある食文化の一部分といえる。
羊肉ミンチにネズミ肉が入っていても特別に驚くことではないが、混ぜ物という意味で
は悪質だ。このほか、加工時あるいは調理時に使う染色剤を染み込ませたり、洗浄しない
俎板や着色箸を使う例などがあり、街角の食堂では、腐敗材料が使われていたり、食器煩
が汚染されている危険性が高い。以上のように、中国国内で報道されたり現地で耳にした
事例を並べただけでもその数は多い,
こんな汚染の事例を日本の講演などで話すと、決まってされる質問は、政治家や指導者
は、庶民と同じものを食べているのか、というものだ,わたしの答えは、彼らは安全なと
ころで 作ったものしか食べないである。
中国には政府や共産党の指導者向けの食品「特供食品」がある。当初は中央政府の高級
官僚だけが食べていた安全な食品を指すことが多かったが、その後、省やその下の地方幹
部までが真似るようになり、庶民の批判の的になった。
最近、習近平は政府や党幹部が豪華な宴会をしたり贅沢な中華料理を食べることを慎む
よう号令を出したとされ、この特供食品制度についても意識しているふしがあるが、全面
的に止めることは難しいだろう。かわいそうなのは、何も知らないでいる一般庶民だ。
未発達のコールドチェーン
中国の流通制度やハード面の後進性から生まれている汚染もある。生産者、加工者から
末端の消費者までの間には多数のチャネルがあり、さまざまなアクターが利益を求めて介
在している。この点は日本も同じだが、中国には中国らしい問題がある。
そのひとつは、食品の品質保持のためのコールドチェーンが十分に発達していないこと
だ,目本では、収穫後あるいは出荷を迎えるまでの間、生鮮品は予冷庫に保管、その後冷
蔵躯や冷凍車に乗せて卸売市場や集配センター、物流倉庫などに移管する。そして一定量
を量販店や大口需要者の冷蔵・冷凍倉庫に移し、やがてそれらは店頭に並び、最後に消費
者の冷蔵庫に収まるという経緯をたどるのが一般的だ。
宅配はその究極の姿だが、この仕組みを効率よく動かすロジスティクスが日本では発達
している。効率のよい三温度帯物流(冷蔵・冷凍・その他)が実現できている。だから腐
敗しないし鮮度も維持され、食品ロスも最小限に抑えられている。
しかし、中国の場合、自前の予冷庫を持っている生産者は少なく、冷蔵・冷凍施設のあ
るJAのような組織はないので、常温のまま、あるいは凍らせたペットボトルを箱の下に
しのばせたり、マイナス気温になる冬には凍ってしまわないようにトラックにフトンをか
けたり、それなりの工夫をして輸送している。しかしその程度のエ夫ではどうにもならな
い。生鮮食品の腐敗率は数十%に達し、結局は農民の所得を削り、消費者物価を押し上げ
るマイナスの影響を及ぼす。
危機感を覚えた国家の中枢機関、発展改革委員会は、ようやく2010年6月「農産品
コールドチェーン物流発展計画」を策定し、日本や欧米に追い付くための施策を始め。わ
たしはその前から、中国の生鮮品物流の問題に関心を持ち注目してきた。この計画が打ち
出されて3年以上になるが、事態は一向に改善されていない。
伝統的な中国式のやり方でとくに問題はなかったのだからこのままでいい、という保守
的な態度があるからだろう。もちろん金銭的な理由も大きいが、むしろ改革心の希薄さが
蔓延していることが問題だ。
そのため魚介類や肉類などの鮮度を守ろうとして、さまざまな処理が施されるという問
題が起こる。典型的な事件が注水肉と呼ばれる、食肉処理したばかりの豚や牛肉に注射で
水を注入する方法だ。一種の分量ごまかしと見せかけの鮮度維持策だ。真水だけでなく、
鮮度維持のための防腐削や染色剤、その他さまざまな薬剤等が注入されるケースもあると
いう,同様の手法は野菜や果物でも行われており、色だけが妙にいいトマトやキユウリな
どもある。
ある卸売市場で、真っ赤なので完熟トマトに違いないと数個買って食べたところ、固く、
何の香りも味もしなかった経験がある。これなどは、育成中に染色剤を艇から吸い上げさ
せたものと思われる。こういった肉や青果物は国内向けに作られており、そのまま日本に
輸出されることはめったにない。しかし、エキスやスープ、その他の加工食品に使われて
いる可能性は高い。原形がまったくわからない姿になるため、問題はないかのように見え
てしまうのだ。
すべてはコストを下げるため
流通の一翼を担ういわゆる中間業者組織も複雑で、個人経営のブローカーや代理商が現
金を持って買い付けに飛び回り、買い付けた農産物を自前の無蓋トラックで運ぶのが一般
的なスタイルになっている。また、そういった簡素な装備で数千キロ先の消費地に運ぶこ
とも少なくない。たとえばウルムチのリンゴを広州市に運ぶには、600Oキロを数日間
かけて走り通さないと、鮮度が維持できない。中国の陸上輸送業は競争が激しく、いかに
コストを下げるかが生き残りに関わってくる。結局は、運転手の待遇節約でなんとかしよ
うということになる。炎天下、数日間も運転し続ける運転fの中には、途中の町で逃げ出
す者も現れる始末だが、GPSによる運行管理が未発達の中国では、この方面の管理はほ
とんどできていない。
中国のスーパーに行くと、わたしは食品売り場をのぞくが、いつも思うのは、野菜、肉、
魚の鮮度の悪さだ。氷の上に無造作に並べられた魚はどれもふやけたようにだらしなく寝
ころび、カットされたものも包装されたものも、鮮度が明らかに悪い。果物や野菜も同じ
で、シヤキッとした商品は非常に限られている,
日系のスーパーはよいほうだが、鮮度維持策は小売業者がいくらがんばっても限界があ
り、やはり日本の店舗に並ぶ商品と比べると落ちる,これは、産地から小売店舗までの物
流システムに問題があるためだ。
この項つづく
● 安保法案強行採決雑感
15日の衆議院特別委員会で、民主党などによる抗議が行われる中、安全保障関連法案は可決
された。そして、本日午後に行われた衆院本会議では、大きな混乱はなく、民主党や維新の党
など野党が退席する中、安保関連法案は可決された。この法案に対しては「勇み足」と既にコ
メントしている。また、急ぐとすれば、岡田民主党々首の提案していた「離島主権侵犯対処法」
に限定すべきであった。わたし(たち)の考えは「城内平和主義」(=護憲派)とも、武断的
積極的平和主義(=征韓論遺制派)とも異なる、積極的平和主義(=ソフトパワー主義)であ
ることをブログ掲載してきた。ところで、安部首相が二人の日本人の惨殺を許したイスラム国
による日本人々質事件で、戦闘モードスイッチが入ると危険であることに気付いてから、倒閣
運動を覚悟する。
台風11号が上陸した。深夜から夜明けまで緊張がつづく。
● 追憶の一枚
2008.01.25 撮影
ここにきて月日の早さに驚く。今日でY君の月命日を迎える(万中陰が住んでいないからその
ように呼称していいものかどうかわからないが)。集合写真をデスクに置き作業をつづけてい
る。それにしても、本当に涙もろくなったものだ。おかしいのかな?