若いうちの苦労は買ってでもしろといいますが、無理
難題を体験すればするほど底力がついてくる。
孫 正義
モノシリコン(単層結晶シリコン)系はn型からp型にシフトする中、ドイツのソーラーワー
ルド社は、PERC型(裏面不動態化放電セル:Passivated Emitter and Reare Cell)で世界最高変換
効率を記録したと発表(上図/上をダブルクリック)。この太陽電池はセル裏面のシリコンと
アルミニウム電極界面で起こる再結合によるエネルギー損失を不動態膜を形成することで低減
している。一般的には、この不動態膜はプラズマ科学気相法(RECVD)や原子層堆積法(ALD)
法が採用されている。同社は今年後半の300ワットのソーラーモジュールを出荷すると話す。
このように、単層結晶シリコン系の変換効率はモジュールレベルでも25%到達前夜ににあり、
『時代は太陽道を渡る Ⅲ』で紹介したように、今世紀半ばに25%超時代が到来すれば、太陽光発電
の占める割合は40%→55%超、1キロワットアワー3セント以下(円換算では約4円)が現実し、同時
に省エネ、デジタル革命の進展で、エネルギー社会主義社会段階に突入しているかもしれない(従っ
て、原油価格も下洛する)。
※ Maximizing cell performance How REC’s use of Passivated Emitter Rear Cell technology improv-
es the capture of light and optimizes cell REC , 2014.09.18
上図のような、水圧で動くシリンダ20の動きに合わせて軸回りに回転する第1軸部材30と、
第1軸部材の回転に合わせ、軸回りに回転する第2軸部材38で、第2軸部材38の軸方向に
交差して側方へ延出する支持部材46と、これの端部に取り付けた太陽光パネル48で構成さ
れ、太陽光パネル48は、46に固定した第1枠部材50と、50に重ね南側に位置する側縁
部にヒンジ部材52を介し取り付け、50に対し、上方に開閉可能な第2枠部材54を構成し、
50に南北方向に沿い、水平に取り付けた、第2軸部材38の軸方向の回転に合わせ、軸回り
に回転する第3軸部材58で構成。58には、その軸方向に交差して側方へ延出する傾斜支持
部64を構成することで、安価な水道水の水圧を使用し、太陽光パネルを太陽の一日の移動に
合わせて2方向に制御できる太陽光パネル架台が提案されている。
※ 強風対策などの気象変化にどれほど安全係数を見積もるかは不詳だが、面白い新規考案だ。
静岡県西伊豆町で動物よけの電気柵付近で7人が感電し、うち2人が死亡した事故で、川遊び
をしていた男児が左手に大やけどを負い指を断裂する重傷を負ったという。県警は、男児が電
気柵に接触した際に電線の一部が断線して川につかり、助けに向かった人々が次々に感電した
とみて調べている。また、電気柵の電源が、近くにある農機具小屋の家庭用コンセント(電圧
100ボルト)だったことも判明。ぬれると皮膚の電気抵抗が大幅に下がるため、電気保安協
会の関係者によると、100ボルトの電気に接した場合は、ショック死する可能性があるとい
う。電気柵はアジサイの花壇を鹿から守るために近隣の男性が設置。静岡県によると、30ボ
ルト以上の電源を使用する電気柵を人が簡単に立ち入る場所に設ける場合は漏電遮断器を設置
するよう義務付けられているという(産経新聞 2015.07.21)。
感電は数ミリアンペアの電流でも身体の中心部を流れると死亡する、最近は、このような、鹿、
猪、猿などの野生動物が田畑に侵入しようとして、裸電線に触れると衝撃電流を野生動物に与
える電気柵が通信販売で簡単に手に入るというから、漏電対策などの不備があれば、起こりうる事
故で、法的整備の見直し点検が必要だと思われる。そこで、漏電遮断装置(器)の技術レベル
がどのようなものか調べてみた(下記参照)。
漏電遮断器には、(1)回路遮断器の内部に漏電検出機能を追加したものと、(2)漏電検出
機能を外部に分離させ、回路遮断器と接続したものとがあり、(1)は外部引外し式の漏電遮
断器と呼ばれ、(2)は漏電検出引外しユニットと呼ばれる。また、回路遮断器は、(1)一
端側に電源端子部が、(2)他端側に負荷端子部があり、両端子部間に、(3)接点部と、引
外し機構部と、接点部のオン・オフを行うハンドル機構部とで構成されるか、接点部が引外し
機構部で引外された際に発生するアークを消弧するグリッド部で構成される。
一方、漏電検出引外しユニットは(1)漏電検出回路、(2)電路となる主回路バー、(3)
漏電検出信号により回路遮断器の引外し機構部に働きかける引外し駆動部を備えている。さら
に、漏電の検出には零層変流器(Zero phase Current Transformer)が使用され、このZCTに主
回路バーが通さ、例えば3相4線の場合、ZCTに4本の主回路バーが通される。通電時には、
ZCTを通過する往路と復路の電流の差分が検出する。(1)漏電が生じていない場合、差分
がゼロ、(2)漏電が生じた場合、往路と復路の電流に差分が発生し、差分を増幅して電路を
遮断する。主回路バーが電線の代替となって、バーの一端側が回路遮断器の接続端子部に端子
ねじで固定され、他端側が端子板を介して漏電検出引外しユニットの負荷端子部に端子ねじで
固定される。
ところで、(2)の外部引外し式の漏電遮断器は、通電時の回路遮断器接続端子部の温度上昇
より、回路遮断器の接続端子部付近のカバーの温度上昇が大きくなる傾向にある(この対策に
下図のような筐体に通気口を付加したものがある)。
さて、下図に示すような順序で動作する従来の漏電遮断器は、零相変流器(Zero-phase-sequence
Current Transformer; ZCT)により漏電信号が検出されると、検出された漏電信号は増幅器により
増幅されるが、増幅された漏電信号はレベル判別器により所定の基準電圧と比較され、漏電信
号が基準電圧より大きい場合、トリップ信号発生器でトリップ制御信号をトリップ機構に送り、
開閉機構がトリップ位置(=自動回路遮断位置)へ作動→電気回路を遮断→人体を保護する。
しかし、従来の漏電遮断器では、ノイズや歪みのない線形負荷が接続される回路は誤動作が発
生しないが、交流電源を使用する電子及び電気機器は、交流(AC)自体を使用するのではな
く、交流(AC)を直流(DC)に変換して使用し、効率向上のためにスイッチング素子を用
いているが、スイッチング作用でノイズが発生し交流信号を歪める――つまり、スイッチング
ノイズと信号歪みの高調波成分が、漏電信号の発生しなくても交流信号に相間不平衡(unbala-
ncing among phases)を発生させるので、漏電信号と同様に零相変流器により検出され、レベルの
み比較される従来技術では、基準電圧より大きいノイズや高調波成分によりトリップし、電気
回路を自動遮断する誤動の原因となることがある。
この対策として、(1)回路トリップ(遮断)するための電磁力を発生できるトリップコイル
(2)回路で漏電信号を検出する検出、(3)漏電信号に追従して判別信号を生成する信号生
成部、(4)判別信号と基準信号とを比較し、(5)漏電信号にノイズが含まれているか否か
を決定し、(6)トリップコイルの動作を制御する機能を構成することで誤動作を防止する新
規考案が提案されている(上図参照)。
※ 特開2014-183755 電気柵用の通電線 森本 重男 他
● 福井、京都、滋賀をぐるっと周回高速道路
琵琶湖一周にさらに、敦賀・綾部・大山崎を結ぶ琵琶湖外周高速道路、3百キロ(時速60キロメートル
にすると約5時間)が、これは、京都府にを南北貫く京都縦貫自動車道が18日午後2時に全線開通し
たことによる。これにあわせて、周遊観光の強化を狙い福井県と京都府、滋賀県と高速道路会社など
でつくる「京都・若狭・琵琶湖周回高速道路の活用協議会」は同日から、周回高速道路の定額乗り放題
キャンペーンを始めている。乗り放題キャンペーンは昨年に続き実施。自動料金収受システム(ETC)
搭載車に限り連続する3日間、周回区間の料金が普通車5900円、軽自動車は4900円で乗り放題
となるという。
さて、わたし(たち)は実はその次を構想していた。それは、「多賀-伊勢縦貫高速道路」。これで日本
海-太平洋が結ばれると言うわけだが、さらに、敦賀起点として敦賀-米原-大阪(梅田)、、敦賀-
米原-名古屋の新幹線延長を構想し、すでに双方ともブログ掲載済みである。