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多剤耐性遺伝子とは

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● 多剤耐性細菌感染症ってなんだ 

ほとんどの抗生物質が効かなくなる「GES-5」と呼ばれるタイプの「多剤耐性遺伝子」が国内で
初めて大阪府内の病院の複数の患者から検出され、専門家は、早期発見のための検査態勢を早急に整
える必要があることを公表(NHK  2014.10.14)――それによると、大阪府立公衆衛生研究所がこ
とし1月に明らかになった府内の病院での院内感染の患者11人を詳しく調べた結果明らかになった。
患者はいずれも緑膿菌(りょくのうきん)と呼ばれる細菌に感染し、菌からは、ほとんどの抗生物質
が効かなくなる「GESー5」と呼ばれる多剤耐性遺伝子が国内で初めて検出。「GESー5」は、
院内感染の原因となるさまざまな細菌に入り込み、抗生物質に強い耐性を示す「多剤耐性菌」に変化
させる力がある遺伝子のことで、数年、ヨーロッパや南米で頻繁に院内感染のケースが報告され、ギ
リシャで同定――単離した化学物質が何であるかを決定――され、各国の専門機関が警戒を呼びかけ
ていたもの。



「GES(guiana extended spectrum の略)ー5」と同じようにほとんどの抗生物質が効かなくなる 多剤
耐性遺伝子は、国内ではこれまでに5種類が確認され、検査態勢が整えられているという。耐性菌に
詳しい名古屋大学の荒川宜親教授によれば「国内のほかの病院でもすでに広がっている可能性もある。
早期に院内感染に気づき対策を取れるよう各地の衛生研究所などで検査態勢を早急に整えるべきだ」
と指摘しているが、普通の「緑膿菌」は環境や人・動物などありとあらゆるところに生息しているが、
「多剤耐性緑膿菌」は日常的に抗菌薬を使用している病院などにのみ分布するといい、対策としては
病院内の感染対策と抗菌薬の適正な使用が主となる一方、日常生活においてはこの多剤耐性緑膿菌と
の接触がないために感染のリスクはほとんどなく、仮に通院等で病院に行きこの菌と接触したとして
も、自然に排除され問題とはならないという。このため、普通に生活していれば恐れる必要は全くな
いという。

 

ということは入院しなければ問題ないというレベルのものらしいが、不気味ながするのはこのわたし
だけというのだろうか。もう少し掘り下げて考えてみたいということで、ほぼ終日に渡り、ネット検
索に入りお陰で眼精疲労などがピークに達する――GESが、guiana extended spectrumの略で、ESB
Lが、Extended-spectrum β -lactamases の略で基質特異性拡張型βラクマターゼの意。βラクマターゼ
って言うのは、βラクタム系抗生物質っていうのを分解して無毒化するタンパク質で、よく知られて
いるのはペニシリン。 薬剤耐性菌は、このβ-ラクマターゼを合成し、抗生物質を無毒化するが、問
題のGESは、β-ラクマターゼが分解できる抗生物質の種類が増え、パワーアップした遺伝子とタン
パク質――超強力な(いろんな種類の菌を殺せる)カルパペネムという抗生物質を分解する能力を獲
得――抗生物質は効かなる。今回死者を出した緑膿菌はもともとペニシリンが効きにくい上にカルパ
ペネムも効かない。つまり、本人の免疫力頼みとなるが、対処方法はそれだけかとなると、どうも、
それだけではないらしい。

 

つまり、多剤耐性(multiple drug resistance)は、ある微生物が作用機序の異なる2種類以上の薬剤に
対する耐性を示し、多剤耐性の発生機序としてはかつては突然変異によってのみ起こると考えられて
いたが、現在では薬剤に対する耐性の遺伝子をもったプラスミドの伝達もその要因の一つであると考
えられるようになってきた(なお、作用機序が同一の薬剤による耐性は1種類の耐性とみなす。多剤
耐性を起こした菌に対しては、従来使用されていた薬剤が治療効果を失うため、医学上問題となる)。
したがって、多剤耐性菌の蔓延の要因の一つとして抗生物質の不用意な使用が問題になっている。こ
れは平均寿命と健康寿命との関係性に看られるようであり、あるいは、"偏重思考"(柔軟性を失い、
凝り固まった精神状態)に陥らぬような生活スタイルが求められている。 

因みに、現段階で耐性菌の種類は17種類――(1)メチシリン耐性黄色ブドウ球菌(MRSA)(2)バ
ンコマイシン耐性黄色ブドウ球菌(VRSA)(3)バンコマイシン低度耐性黄色ブドウ球菌(VISA)(4)バ
ンコマイシン耐性腸球菌(VRE)(5)多剤耐性緑膿菌(MDRP)(6)多剤耐性結核菌(MDR-TB)(7)
ペニシリン耐性肺炎球菌(PRSP)(8)ラクタマーゼ陰性アンピシリン耐性インフルエンザ菌(BLNAR)
(9)広範囲薬剤耐性結核菌(XDR-TB)(10)ペニシリナーゼ産生淋菌(PPNG)(11)薬剤耐性HIV
(12)アマンタジン耐性インフルエンザウイルス(13)タミフル耐性インフルエンザウイルス
(14)クロロキン耐性マラリア(15)多剤耐性アシネトバクター(MRAB)(16)ニューデリー・メタ
ロベータラクタマーゼ(NDM-1)(17)カルバペネマーゼ(OXA48型)産生能獲得、肺炎桿菌と大腸菌
がある(※この他に「交差耐性」という1種類だけでなく同時に別の種類耐性を獲得することがある
の要注意)。

【参考】

http://glycoforum.gr.jp/science/glycomicrobiology/GM05/GM05E.html
http://www.ncbi.nlm.nih.gov/pmc/articles/PMC3414013/
http://www.chemotherapy.or.jp/journal/jjc/06103/061030287.pdf
http://ac.els-cdn.com/S092485790800054X/1-s2.0-S092485790800054X-main.pdf?_tid=121935a4
-5457-11e4-861e-00000aab0f01&acdnat=1413369547_205e5deb9a989fb877dfb39ee13c048e

http://www.dspace.up.ac.za/bitstream/handle/2263/14075/Weldhagen_GES(2006).pdf?sequence=1
http://scialert.net/fulltext/?doi=jm.2007.486.490
http://www.infectiologie.com/site/medias/enseignement/2010/2010-BLSE-SPILF-SFHH-SFM-worldwide_Epidemiology_Glupczynski.pdf
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%A4%9A%E5%89%A4%E8%80%90%E6%80%A7
http://www.mhlw.go.jp/bunya/kenkou/kekkaku-kansenshou19/multidrug-resistant-bacteria.html
http://www.iph.pref.osaka.jp/news/vol26/news26_2.html
http://www.goldshield1.com/index.php/fields-of-use/institutional-a-industrial
http://www.nih.go.jp/niid/ja/diseases/sa/condyloma/392-encyclopedia/433-mdr-pa.html

 




● 不倒不屈の稲の開発

実りの秋は台風の季節。近年多発している大型台風に耐えられる作物の育成は重要な課題。最強のイ
ネで知られる倒れにくい品種「リーフスター」の遺伝変異を調べ、低リグニン性と茎が強い性質を併
せ持つ謎を、東京農工大学大学院農学研究院の大川泰一郎准教授らが解明した。倒伏しにくい強稈性
の作物の品種づくりに道を開く成果。名古屋大学、富山県農林水産総合技術センター、農業生物資源
研究所との共同研究で、英科学誌「Scientific Reports」オンライン版に公表(2004.10.09)。

それによると、地球温暖化で集中豪雨や大型台風が最近増え、風雨による倒伏被害が拡大している。
茎が強くて倒れにくいイネの品種改良が世界中で必要になってきた。大川准教授らは2008年、食味が
良いコシヒカリと旧中国農業試験場(広島県福山市)で育成された中国117号をかけあわせて、強風で
も倒れない新品種リーフスターを作った。この新品種は茎が強くて長いにもかかわらず、茎の強度を
高めるリグニンが少なかった。リグニンが少ないのに、なぜ茎が強いのか謎だったもの。

 

解析結果、リーフスターではリグニン合成酵素の遺伝子が変異していた。茎が太い中国117号よりもリ
グニン含有量がさらに低い理由がわかる。このリグニン合成酵素の変異は中国117号から引き継がれた
ものでなく、選抜する過程でコシヒカリの遺伝子に偶発的に生じた変異に由来。リーフスターの茎の
構造を蛍光顕微鏡や走査型電子顕微鏡で観察した。細胞壁を構成するセルロースとヘミセルロースの
密度が高く、茎の外周部に位置する皮層繊維組織が発達し、二次壁がよく肥厚していた。内側にある
柔組織細胞の一次壁も厚かった。このような形質が低リグニンでも茎の強度を高める原因となってい
た。この形質は中国117 号ではなく、茎が細く強度が弱くても皮層繊維組織がよく発達するコシヒカ
リから受け継がれたことも確かめたという。この成果は、フィリピンなどでもスーパー台風の被害が
増えており、猛烈な強風でも倒れないイネの品種がこれからは必要になっている。リーフスターが備
える特性は、茎を強くする方法を示している点で有利であり、リーフスターよりもさらに茎が太くて
強いイネ品種を作るころで、かのイネ科植物の育種の新しい指針にもなるという。

 


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