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文化遺産とスピノザ

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       キルケゴールは「試練」というものを、試みられたとか、ああひどい目にあったとかという意味あい
              にとらないで、試練という学問がありうるかどうかという問いにしているわけです。そこがキルケゴ
              ールは偉大な人だなとぼくらが思うところです。「試練学」というのを誰かがつくればいいと思いま
              す。試練学会というのをです。キルケゴールはそこまでいっちゃうわけです。

       自分の最後の倫理観が納得しなかったら、「ここは違う」といいきっちゃったほうがいいと思います。
       また、そういうふうに自分の心の振る舞い方の輪郭を決めていくのがほんとうだとぼくには思えます。

                                    「苦難を超える――『ヨブ記』をめぐって」1996.1.13

 
                                                                                           

                                  Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012 

 

 

 ● 熊本地震速報

2016.04.26 15:10:50

 

 

 

 

【最新太陽電池製造講座 Ⅰ】

さて、今夜から「量子ドット太陽電池製造ラインの新設」に向けて、事例研究を開始しよう。受光有効面積1平方メートル
当たりの変換効率をシリコン単結晶パネルの3倍以上/工場出荷価格を同等以下を目標(但し、出荷量及び歩留まりなどは
製造プロセス決定後決める)を前提として1年当たりの出荷生産額、年間稼働率85%、設備投資額(地代別、上下水の使
役設備別、電力は自家発電)として、保全費・減価償却費・金利・労務費などの基本条件は後日、製造プロセス決定後の試
算時に明示する。そのことを前提として、当面、製造プロセスのスケッチを行うための、まず、第一に、関連製造技術の最
先端課題として、参考特許事例を考察する。




(1) 最適カルコパイライト構造サイズとは

「特開2016-063181 光電変換素子、太陽電池及びこれらの製造方法」の実施形態によれば、変換効率の高い光電変換素子(
太陽電池)の構造・構成は、下図のように、下部電極と、下部電極上に、Ib元素と、Ⅲb元素と、Ⅵb元素とを含むカル
コパイライト構造を有する半導体薄膜を光吸収層として備え、光吸収層の平均結晶粒径が1.5マイクロメートル以上であり、
Ⅲb族元素は、GaとAlのどちらかまたが両方から構成される。

【符号の説明】

1…基板、2…下部電極、3…光吸収層、3a…p型半導体層、3b…n型半導体層、4…透明電極、5…上部電極、6…
反射防止膜、100…光電変換素子、200…光電変換素子


(2)集電配線の銅の拡散防止で変換効率向上

下図「特開2016-063069 半導体装置とその製造方法」のように、アルミニウム層12と、p型シリコン層14と、n型シリ
コン層16と、シリコン窒化物層18とが下から順次積層された構造体のシリコン窒化物層18上に、エッチング剤24を
所定のパターンで塗布し、エッチング剤24を加熱してシリコン窒化物層18に開口部を形成するとともに、カーボンブラ
ックを含有する銅拡散バリア層20を開口部内に形成する。なお、エッチング剤24は、リン酸とカーボンブラックとを含
有する。その後、銅拡散バリア層20上に銅電極22を形成することで、結晶シリコン太陽電池などの半導体装置で、シリコン窒化物層
に開口部を形成するとともに、同時にその開口部内に銅拡散バリア層を形成することで、変換効率上げる。

【符号の説明】

10 結晶シリコン太陽電池 12 アルミニウム層 14 p型シリコン層 16 n型シリコン層 18 シリコン窒
化物層 20 銅拡散バリア層 22 銅電極 24 エッチング剤 S 構造体


(3)構成層間の剥離を防ぎ変換効率向上

下図「特開2016-062964 光電変換素子および光電変換素子の製造方法」のように、受光面に電極を形成した場合、電極で太
陽光の反射や吸収のため電極の面積分だけ入射する太陽光の量が減少し裏面のみに電極を形成した太陽電池の開発が進めら
れているが、反射層123は、銀(Ag)、アルミニウム(Al)、銅(Cu)、白金(Pt)、金(Au)やチタン(Ti)
からなる群から選ばれた金属から形成されるているため、水素を含むn型のアモルファスシリコンからなるn型非晶質半導
体層112との密着性が悪く、反射層123が剥離することが多かった。これにより、従来においては、反射層123の剥
離に伴って、反射層123からp電極141が剥離しやすい問題があるが、

光電変換素子は、第1導電型または第2導電型の半導体基板1と、半導体基板1の一方の側に設けられた第1導電型または
第2導電型の非晶質シリコン膜3,5と、非晶質シリコン膜に接する電極11,12とを備えている。電極は、リチウム、
ナトリウムおよびカリウムからなる群から選択された少なくとも1つのアルカリ金属を含み、電極は、電極の二次イオン質
量分析法による分析において、電極の最表面11a,12aから垂直方向に50nmよりも深い領域におけるアルカリ金属
の二次イオン強度が103カウント/秒以上である部分を有していることで、非晶質シリコン膜に接する電極の非晶質シリコ
ン膜からの剥離を抑制できる光電変換素子および光電変換素子の製造方法提案せある。

【符号の説明】

1 半導体基板、1a 凹凸、2 第1のi型非晶質半導体膜、3 第1導電型非晶質シリコン膜、4 第2のi型非晶質半導
体膜、5 第2導電型非晶質シリコン膜、6 第3のi型非晶質半導体膜、7 第2導電型非晶質半導体膜、8 第1の反射防
止膜、9 第2の反射防止膜、11 第1電極、11a 最表面、12 第2電極、12a 最表面、21,23 エッチングマ
スク、22 窪み、110 半導体基板、111 i型非晶質半導体層、112 n型非晶質半導体層、113 第1の導電層、
114 第2の導電層、115 第3の導電層、116 第4の導電層、120 絶縁層、121 i型非晶質半導体層、122
p型非晶質半導体層、123 反射層、124 溝、131 IP積層体、132 IN積層体、133 積層体、141 p電
極、142 n電極。


(4)色素柄散乱多孔質半導体の孔径を規定し変換効率向上

下図「特開2016-058717 光電変換素子およびその製造方法、ならびに多孔質電極形成用分散液」によれば、光散乱層を含む
多孔質半導体層と、半導体層に吸着した色素分子とを含む光アノードと対極との間に設けられた、酸化還元物質を含む電解
質媒体で構成された光散乱層が、孔径が50nm以上である複数のマクロ孔で、複数のマクロ孔の平均孔径は0.5μm以
上10μm以下で、酸化還元物質の波長380nmから800nmにおけるモル吸光係数εの最大値は、3000Lcm-1
mol-1以下であれば変換効率が高くできるというもの。

【符号の説明】

12 基板  14 透明導電層 15 光アノード  16 半導体層  16s 光散乱層  16a 低光散乱層  22 電解
質媒体(電解質溶液)  32 基板  34 酸化物導電層(透明導電層)  35 対極  36 金属層(白金層)  100
光電変換素子


※ TEMPO(4-ヒドロキシ-2,2,6,6-テトラメチルピペリジン-1-オキシル)である、

今夜この辺にしておこう。

さて、太陽電池パネルメーカの世界トップ10から日本のメーカが消えた。半導体では日米経済協議の結果、日本のメーカ
が消滅寸前 家電メーカもシャープ、パナソニックなどの凋落が甚だしい。「経営は原因、労働は結果」とは吉本隆明の名言。
これ以上書くこともない。「和して同ぜず」でなく「和(合議)して動(垂範)ぜず」である。

※『論語・子路』で孔子が「子曰く、君子は和して同ぜず、小人は同じて和せず」に基づく。

【ビートルズ・ラブ・ソングス Ⅱ】

● 恋する二人 

64年に発表されたビートルズのイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ビートルズがやって来るヤァ!ヤァ!ヤァ!』 収録
曲。レノン&マッカートニーの作で実質的にはジョン・レノンの傑作曲。フォークロック調でハーモニカを伴奏、ジョンの
ダブルトラック、サビ部のファルセットのメロディラインに加え、映画シーンの列車で移動中の貨物置場の檻の中で歌われ、
ラストのコンサートシーンでも再び歌われ――ジョージ・ハリスンの12弦ギターとジョン・レノンのアコースティック・
ギターのコンビネーション、ジョージの間奏シーンでの内股ステップなど―――とビートルズ・パワーすべてがここに演出
されている。 

歌詞は、ロックに乗せ女性の自意識を二百パーセント昂揚させる"たらし"なジョンの奇才がひかる。

I should have known better with a girl like you
That I would love everything that you do
And I do, hey, hey, hey, and I do

Whoa, whoa, I never realised what a kiss could be
This could only happen to me
Can't you see, can't you see?
That when I tell you that I love you, oh
You're gonna say you love me too hoo hoo

Hoo, hoo, oh
And when I ask you to be mine
You're gonna say you love me too ......

                                           “ I Should Have Known Better ”

 

【ジャジーな風に吹かれて:デイヴ・ホランド】

デイヴ・ホランド(Dave Holland, 1946.10.10 - )は、イングランド出身のジャズ・ベーシスト。65年からロンドン・ギル
ド・ホール音楽演劇学校でオーケストラ、室内楽を学びながらロンドン・ジャズ・シーンに参加して行く。ジョンースティ
ーヴンス、エヴ″ン・パーカー、ジョン・サーマン等と演奏していたが、エレーヌ・デルマーのバックで口ニー・スコ。ト・
クラブに出演していた時、マイルス・デイウィスの"Come with me”の呟きに渡米を決意し、69年に彼のバンドに参加。
『イン・ア・サイレント・ウェイ』や『ビッチェズ・ブリュー』のアルバムに参加。70年にはアンソニー・ブラクストン
とチック・コリア、バリー・アルトシェルと「サークル」を結成。70年代初期にはスタン・ゲッツやセロニアス・モンク、
サム・リヴァーとも共演。75年にはジョン・アバークロンビーとジャック・ディジョネットとゲイトウェイを組む。当時
多くの実験的ミュージシャンとの共演が多い。ソロ・アルバムでは『エメラルド・ティアーズ』や、バッハの無伴奏チェロ
の世界を思わせる名演『ライフ・サイクル』(共にECM)もある。上のアルバム『ワンズ・オール』は全作品の中で最も
オーソドックスなジヤズの世界を表現している。

  McCoy Tyner & Dave Holland - jazz baltica 2010

● ジャズ・ロック/ジャズ・サンバ/ボサノバ/クロスオーバーとュージョン

60年代の米国は、富と自由の理想国家を標榜。実際は人種問題、政治問題等多くの問題を抱えていたが、豊かな経済的上
昇気運にのって文化を誇る新生アメリカのイメージを国内外に定着させることに努めていた。そんな中でビート族、ファン
キー・ブーム、黒人解放運動の激しい波、ウッドストックに象徴されるヒッピー反戦運動等が、大手レコード産業の什掛け
と交錯した。アメリカ文化の多様性と拡大に比例するようにジャズも変化した。60年初頭には、ブラジルのニューミュー
ジック、ボサノヴ。がアメリカ社会に注目されはしめた。チャーリー・バード、ハービー・マン等のミュージシャンがブラ
ジルに向かったのもこの頃だ。60年欧州生活を終えて帰国したクール・テナーの大物スタン・ゲッツは、C・バードとの
吹き込み『ジャズ・サンバ』をヒットさせ、その後もG・マクファ-ランドと組んで作ったビッグ・バンドによるボサノヴ。
『黒いオルフェ』、ルイス・ボンフ″との共作『ジャズ・サンバ・アンコール』、そして六三年「ゲ。ツ・ジルベルト』と
いう爆発的ヒ。トを生み出す。ブラジルの海岸地方の若者によってはしまったボサノヴァは、素朴でシンプルなメロディが
ゆったりとくつろぐリズムに溶け合うモダンな雰囲気の音楽だが、ジャズの繊細なシンコペーションとの融合は新しい粋な
都会的センスの音楽世界を作った。60年代半ば頃は、ビートルズが米国で大成功をおさめ、ロック市場が拡大され、大
手レコード会社はジャズ市場をビジネスの対象から除外しはじめた。急進的な方向性を進むジャズは影が薄くなる中で、大
半の若者はポップス、少数派は即興演奏を重視するブルース・口ックやプログレッシヴ・ロックに向かった。クリーム、ジ
ェファーソン・エアプレーン、グレートフル・デッド、ドアーズ、レッド・ツェッペリン等かそれである。ロック・ミュー
ジシャンはジャズヘの憧憬を持っている者が少なくなく、ジャズを取り入れたグループが出現、またロックの雰囲気に違和
感のないジャズが若者に支持され始める(「ジャズCDの名盤」PP.274-275 文春新書 2004.07.20.)。

● 文化遺産とスピノザ

環境問題を仕事ととして生活として、ボランティアとして関わってきて、またこれからも、積極的関わっていくことを決め
ているのだが、その方向性(ベクトル)との差異を嫌というほど見てきている。例えば、嫌煙権とか美化運動などもその1
つなのだが、ヒステリックな完璧症とか潔癖症(個人ならともかく)と思われる倫理主義的集団である。つまり、事案には
適正範囲がありそれを排除する考え方には不同意――こういった考えについては、不純だとか、だらしないとかの側面があ
るだろうが、半導体が適度な汚れがなければ機能しないのと同じ――なのだが、世界文化遺産・日本文化遺産(その社会の
歴史のなかで長期間にわたって維持継承されてきた文化要素の総体。そのなかには、(1) 物質文化 (道具、機械、建築物、
道路、上下水道など) 、(2) 精神文化 (哲学,芸術,科学技術,社会思想など) 、(3) 制度的文化 (習俗、慣習、制度、法
律など) が区別される)や地方創生(地方創生の理念は「まち・ひと・しごと創生」のキーワードによって具体化され、政
府による「まち・ひと・しごと創生本部」の設置、および「まち・ひと・しごと創生法案」の検討などの形で取り組みが進
められている。主要な柱として、東京一極集中の解消、地域社会の問題の解決、地域における就業機会の創出などが据えら
れている)の運動の推進にも違和感がある。この2つの事例も「主体転倒」の危険性を常にはらんでいることである。前者
はレガシー維持の負担(イタリア観光での現地ガイドの「このままでは遺産で国家破産してしまう!」との話を体験。これ
は数字を追っていけばわかることだが)の配慮規定を明確にする課題が残件し、後者は中央集権過剰とポートフォリオ政策
弱さ――ブログ掲載している(1)消費税(応益税)の地方自治体への完全移譲と法人税の逆累進制(生産性の低い自治体
ほど税が低い)への税制変更なのである。いかなる制度も、バールーフ・デ・スピノザの「規定性とは否定性」から逃れる
ことができなぬと肝に命じておこう。 

  

 


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