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超界面工学の此岸

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       日本のいわゆる知識人たちは、奈良朝以降のことでもってしか、「日本国」や「日本人」
       のことを考えないんです。それは、当然、「おかしい」ということになるわけです。

 

                                          
                               Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012                                           


【超界面工学の此岸:人工電磁】 

June 2, 2016

 Metalens works in the visible spectrum, sees smaller than a wavelength of light

例の「超薄膜レンズの衝撃-メタレンズ」(『超薄膜レンズの衝撃』2016.06.07)で、翻訳作業がぞっと増え、疲
労と混乱が尾を引く。まず、言葉の混乱。”Metasurface”日本語では「メタサーフェス」と表記され、Wikipwdiaで
は ”Electromagnetic_metasurface”  ――任意の補助波長厚みと電磁気特性をもつ人工薄板材料の種類に包含されるが
天然素材を利用する3次元空間の構成パラメータ(独立変数項)と言うより、「特定の境界条件を介し電磁波の挙
動を調整する人工物質(メタマテリアル:Metamaterial)」で2次元的特徴として仕切られる。従って、その定義
も、(1)補助波長周期性を有する1次元と2次元プラズモニックアレイ――光の波長より小さな磁気共振器を3
次元的に配列・集積化し、光には個々の共振器は見えない集団的な電子の振動(プラズモン)が、電場,磁場を作
り出す機構(プラズモニック・メタマテリアル)――を扱う、操作波長に比較し無視できる程度の厚さに、このメ
タサーフェス(単位セル構成要素の近接場光増幅)」は入射光の振幅と位相の両方に劇的な変化を強制する不連続
の界面であり、(2)その周波長サイズに比べ、微小な構造単位を繰り返し配列させて認識できものであり、(3)
この薄膜メタサーフェスは天然素材では発生せず、その初期事例として、回折限界を超える薄膜金属スーパーレン
ズ(Metalenses)を挙げ定義される。



しかし、当初、メタサーフェスがそのようなものとは最初は了解できず、「超界面」として受け取り、(1)自動
車ボディに使う「超撥水」などを取り扱う物理化学的側面、(2)あるいは、スーパーアーミンング酵母のような
タンパク修飾や遺伝子改変といった細胞・生物工学的毒面、(3)「ムーアの法則」で代表される半導体微細加工
サイズさらなるシュリンク(縮小)にみられるナノテクノロジーを包含するネオコンバーテック的側面と考えてい
たが、「メタマテリアル」(人工材料・素材・物質)なる用語がにぶち当たることになり、頭の中を整頓する必要
に迫られる。有り体に言えばこのような「人工物質」はいまや数え切れないほど多く存在するのだが、このような
"超物質"の中にあっても「自然界にない光学特性を示す人工物質であるメタマテリアルは,製作の困難さから光の
波長における製作例は少ない、一方リソグラフィ技術の進展により、平面的な金属構造を容易に製作でき、特に金
属ナノ構造で生じるプラズモン共鳴などの応答を自在制御し、極薄の光学素子形成の研究開発が進展してきている」
(岩見健太郎東京農工大学准教授)。

  Artificial media with unusual electromagnetic properties

● メタマテリアルとは

67年、ロシアの科学者ヴィクトル・ヴェセラゴは負の屈折率を持つ物質が存在するのではないかと考える。普通
の物質は正の屈折率をもつので光を下図の①のように屈折させる、負の屈折率を持つ物質は光を②のように「く」
の字型に屈折させる。もし、このような 物質があれば、光学の常識を超えて、光を自由に操ることができるよう
になるが、そのような物質は見つからずにいた。その後、米カリフォルニア大学のデビッド・R・スミスにより、
00年頃、人工誘電体と人工磁性体の単位素子を組み合わせた「左手系」メタマテリアルの構成に初めて成功し注
目を集め多くの研究者が研究開発に取り組んでいる。



近年、物質をnm(ナノメートル、10-9 m)スケールで扱う技術ナノテクノロジーが発展し、メタマテリアルとい
う負の屈折率を持つ人工物質が開発。メタマテリアルは食塩の塊や鉄の塊のような物質ではなく、微小な構造単位
を繰り返し配列させた人工的な構造物で、光に対し均質な物質として振る舞う。このようのに光の磁場の波と相互
作用する人工物質として電磁メタマテリアルが登場で、さまざまな屈折率を持つ物体が作れるようになった。「メ
タ」とは「超越した」という意味であり、「電磁メタマテリアル」は、「従来の光学の常識を超越した物質」とい
う意味である。その実現には、光の波長よりも小さなナノスケールのコイルを物質中に無数につくることなどが必
要となる。光を用いて金属をナノスケールで3次元に加工する技術や、ダストプラズマが自己組織化する性質を利
用したナノレベルの微粒子アセンブリー技術によって散逸構造生成される電磁メタマテリアルの登場が期待されて
いる。

02年、ジョン・ペンドリー教授たちが「もし屈折率が負の物質があれば、無限に小さなものを光で観察できる」
と主張する論文を発表が契機となり、光の波長よりも小さな構造の情報を持った光、近接場光を増幅すれば、従来
の光学顕微鏡の限界を超えた、光の波長以下のサイズの物体を見ることが可能である主張。光学や短波長の電磁波
において特徴的な性質を示し、分解能の限界や回折限界の突破が可能とされ、超高分解能レンズ、光ファイバー、
バンドパスフィルタ、新種のレンズ・アンテナ、透明化技術(光学迷彩)などへの応用、また、CGの画像を電磁
メタマテリアル上に表示する技術が、コンピュータ支援外科などの分野を中心に発展。マイクロ波制御技術や波長
限界を超えた分解能をもつ「スーパーレンズ」の開発と、それに伴う半導体製造技術の微細化、光ファイバー、光
通信、光ディスク、遮蔽装置、光学迷彩などに応用、また、07年には米国防高等研究計画局(DARPA)がメタ
マテリアルの発展形である「アシンメトリック・マテリアル」(asymmetric material)により、姿の隠蔽・実弾から
の保護と内部からの攻撃を両立させる技術の開発していることが報じられたている。

● メタマテリアルの応用と作成法

(1)スーパーレンズ(2)光クローキング(3)マイクロ波メタマテリアルの作成方法(4)可視メタマテリア
  ルの作成方法

● メタマテリアルからメタサーフェスへ

人工電磁的超界面(metasurfaces)の研究は、その初期の1902年、 ロバート・ウィリアム・ウッドが、サブ波
長の金属格子の反射スペクトルが暗い領域があることを発見。 この珍しい現象は「ウッドの異常」という名前と
表面プラズモンポラリトン(SPP)の発見につながる。特定電磁波が、金属表面で励起した後、別の重要な現象レ
ビ・チビタの関係、サブ波長(1/2λ、1/4λ)の厚さの薄膜は、電磁境界条件の劇的変化をもたらすと主張。
一般的に、このようなメタサーフェス(metasurfaces)は、このようないくつかの周波数選択性表面として、マイク
ロ波スペクトルの伝統的な概念(FSS)、インピーダンスシート、さらにはオーミックシートを包含する。 表皮深
さは、高導電性金属の非常小さい、マイクロ波領域で、厚さは、(例えば、波長の1/1000)動作波長よりもはるか
に小さい。 近年、超広帯域のように、完璧な吸収コヒーレント現象として実証。 結果は、0.3ナノメートルの厚
さのフィルムは高周波、マイクロ波全体の電磁波、さらにはテラヘルツ周波数を吸収する驚く特徴をもち、光学用
途では、反射防止コーティング:単純なメタサーフェスがあり、その他に(1)プラズモン(2)幾何学的位相、
(3)インピーダンスシートなどのメタサーフェスが考えられている。以下、上記関連分野の特徴・作製・応用の
項目を掲載と近日の講習会事例、さらには特許事例を掲載する。

● メタサーフェスのと特徴的な光応答

(1)ナノホール配列と異常透過
(2)ナノスリットアレイの光透過
(3)ナノ粒子・ナノロッドの光応答
(4)プラズモニックナノアンテナ
(5)プラズモン共鳴/アンテナ共鳴
(6)電磁誘起透明化

● メタサーフェスの設計・製作法

(1)電磁場シミュレーション(FDTD法RCWACOMSOL
(2)リソグラフィとリフトオフ
(3)トップダウン加工法
(4)ボトムアップ加工法

● メタサーフェスの応用

(1)メタサーフェス光学素子:レンズ、プラズモン収束レンズ、偏光子と逆偏光透過、光アイソレータ、位相子・
               波長板、ベクトルビーム生成、ホログラフィ
(2)可変メタサーフェ:透過強度変調、カラーフィルタ、可変レンズ、位相変調器 

 

● 特許事例:特開2016-051911 金属スリットアレー

【背景】

誘電率・透磁率がともに負の媒質に光が入射すると、負の屈折が起こることがベセラゴにより示され、透磁率およ
び誘電率が負になる人工的な構造が提案された。この透磁率および誘電率が負になる人工的な構造は、原子より十
分大きく光波長のスケールより小さい構造物の集合体からなり、メタマテリアルといわれている。負屈折媒質であ
るメタマテリアルを用いると、平面構造とされた完全レンズを作成することができる。完全レンズでは、回折限界
を超えた微細なものまで観察可能であり、近接場(エバネッセント波)まで忠実に再現できる。

メタマテリアルは、最近注目されているテラヘルツ電磁波用のレンズに適用することができる。テラヘルツ電磁波
は、周波数が0.1~10THz(波長が30μm~3000μm)の電磁波とされており、波長が遠赤外~ミリ
波領域とほぼ一致し、「光」と「ミリ波」に挟まれた周波数領域に存在している。このため、テラヘルツ電磁波は、
光と同様に高い空間分解能でものを見分ける能力と、ミリ波と同様の物質を透過する能力を併せ持っている。テラ
ヘルツ波帯はこれまで未開拓電磁波であったが、この周波数帯の電磁波の特徴を生かした時間領域分光、イメージ
ング及びトモグラフィーによる材料のキャラクタリゼーションへの応用などが検討されてきている。テラヘルツ電
磁波の発生は、物質透過性と直進性を兼ね備えるためX線に替わる安全かつ革新的なイメージングや、数100Gbps級
の超高速無線通信を可能である。

特に、テラヘルツイメージングは、X線に代わる安全、安心かつ高精度な可視化技術の1つとして大きな魅力をも
つ。回折限界を突破した近接場によるテラヘルツナノイメージングや、1.4THzで分解能400nm(1波長
/540)が得られることが報告されている。また、共鳴トンネルダイオードを用いた0.3THzでのイメージ
ングも報告されている。メタマテリアルは負の屈折率n=-1に設計することができ、エバネッセント成分となる
近接場光を離れた場所で復元し、回折限界を超えた平板完全レンズを実現できる。

このようなメタマテリアルの一例としては、カットを持つ大小二つのリングを組合せた負の透磁率を示す分割リン
グ共振器と、負の誘電率を示す金属ワイヤーとからなる単位セルをマトリクス状に並べたメタマテリアルが知られ
ている。この場合、大小二つのリングのカットの位置は、例えば逆の位置とされるがこれに限られるものではない。
この単位セルを、勾配屈折率を有するように1つの軸に沿って配置するようにして負の屈折を実現できる。


ところで、金属板を所定間隔離隔して平行に配置した金属平行平板においては、カットオフ周波数以下の周波数
において負の誘電率を示す。また、誘電体共振器は共振周波数の近傍において負の透磁率を示すことが知られて
いる。そこで、金属平行平板内に円板状の誘電体共振器を装荷して、金属平行平板により負の誘電率を、誘電体共
振器により負の透磁率を実現する。これにより、円板状の誘電体共振器を装荷した金属平行平板では、所定の周波
数において負の屈折が実現され、TEモードの電磁波が伝播するようになる。


誘電体共振器が共振周波数において負の透磁率を示すように、分割リング共振器も共振周波数の近傍において負の
透磁率を示す。そして、分割リング共振器と金属ワイヤーとからなる単位セルによりメタマテリアルを実現するこ
とは行われていた。また、金属平行平板と誘電体共振器とを組み合わせることは行われていた。従来は実現されて
いなかったマイクロコイルを平行平板内に装荷した金属スリットアレーによりメタマテリアルを実現を目的とする。

 特開2016-051911 金属スリットアレー 国立大学法人茨城大学

【概要】

上記目的を達成に、請求項1にかかる発明は、金属製の平板状とされた上壁と、該上壁に所定間隔を持って対面す
るよう配置された金属製の平板状とされた下壁とからなる平行平板と、該平行平板内に装荷されたマイクロコイル
とからなる単位アレーを備え、該単位アレーが、同じ平面内に所定間隔で複数配置されて金属スリットアレーが構
成されており、前記平行平板による誘電率が負の誘電率を呈するテラヘルツ波帯の周波数において、前記マイクロ
コイルによる透磁率が負となることを最も主要な特徴としている。また、請求項2にかかる発明は、請求
項1にかかる発明において、前記周波数の波長をλとしたときに、前記上壁と前記下壁の一辺の長さが約
0.06λ~約0.07λとされていることを主要な特徴としている。

請求項1,2にかかる発明によれば、金属製の平板状とされた上壁と、該上壁に所定間隔を持って対面するよう配
置された金属製の平板状とされた下壁とからなる平行平板と、該平行平板内に装荷されたマイクロコイルとから単
位アレーが構成され、該単位アレーが、同じ平面内に所定間隔で複数配置されて金属スリットアレーが構成される。
そして、平行平板による誘電率が負の誘電率を呈するテラヘルツ波帯の周波数において、マイクロコイルによる透
磁率が負となることから、金属スリットアレーがメタマテリアルとして機能するようになる。これにより、本発明
にかかる金属スリットアレーは、負の屈折率を実現することができる。

金属製の矩形状とされた上壁金属板11および下壁金属板12が対向配置されて平行平板を構成している。上壁金
属板11と下壁金属板12との間には1つの金属製のマイクロコイル10が配置されて単位アレー1が構成されて
いる。この単位アレー1を、平面内に所定間隔で配置することで金属スリットアレーを構成する。金属スリットア
レーでは、平行平板による誘電率が負の誘電率を呈するテラヘルツ波帯の周波数において、マイクロコイル10に
よる透磁率が負となることから、金属スリットアレーがメタマテリアルとして機能する(上図1ダブクリ参照)。

以上、大急ぎで、新しい事業分野開発のための素描を試みてみた。ここまでの作業で2つ確認しておこう。その1
つは、「メタマテリアル」「メタサーフェス」を『超界面工学』に包括し各論を仮想展開し事業開発を素描してい
くため事業対象が相当大きくなるということである。つぎに2つめは、具体的な事業開発対象は、あくまでも、「
メタレンズ」と「量子ドット・ナノスケール光電(熱電)変換素子」との結合した変換効率40%超のオメガ集光
型太陽電池の設計とその製造方法である。

 

 

 

  ● 今夜の一枚

イチロー、ピーと・ローズの大リーガー記録4257安打を破る。サンディエゴ、ペトコパークでおこなわれたパ
ドレス戦に「1番・ライト」で先発出場。第5打席にパドレスの守護神、ロドニーからツーベースヒット。一気に
4257本目を打ち記録を更新。ここから打撃鬼才伝説イチローが誕生する。おめでとう。

 


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