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エイアール・インベージョン

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        植物としての人間は、緑が多いほうがいい。
        動物としての人間は、行動しやすくできている社会のほうがいい。
        人間としての人間は、より良い社会を考える能力がある。
        環境問題はこの3つを総合して考えなくてはいけない。


                                                                                           
                              Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012  

 

 

●エイアール・インベージョン:ポケモンGO旋風

20年前に、いまある第3次産業から画像産業が第4産業として分離誕生していくことを吉本隆明が予言。
それを受け、第5次産業革命である『デジタル革命渦論』として世界の社会構造の分析をわたし(たち)
がはじめて行くことになる。その1つの技法として「拡張現実」(Augmented Reality:AR)――現実世界
の物事に対してコンピュータ通信で情報を付加された世界――がある。拡張現実は、仮想現実(バーチャ
ルリアリティ)と対比される。仮想現実は、現実にはないものをコンピュータによってあたかもそこにあ
るかのように知覚させる技術で、これに対し、拡張現実は、現実に存在するものに対してコンピュータが
情報をさらに付与し、さらに強い・深い知覚を可能にするもの。iPhoneアプリ「セカイカメラ」が登場し、
一般公開されたことなどにより、拡張現実は広く知られる概念になる。いわば、これは現実空間と仮想空
間がコンピュータ通信を通して縄のように絡み合い、螺旋成長していく社会現象と言える。

今月6日、スマートフォンアプリ「ポケモンGO」がアメリカ、オーストラリア、ニュージーランドで配信
されるとリリース後わずか5時間でダウンロードチャート1位に上り詰めるとう驚異の記録を打ち出すが、
交通事故に死体発見、強盗など、人気に火がつけばつくほど恐ろしい事件も生じ、中にはそんなポケモン
GOを通しポジティブな影響も広がる。その1つか景気への影響。19日には、任天堂株の終値は、前週末
比3990円高の3万1770円。米国などでポケモンGOの配信が始まった今月6日の終値(1万43
80円)から2倍以上に急騰するという日本で「ポケノミクス」が盛り上がり。しかしこれは、今の株式
市場にはポケモン以外にこれといった話題がなく、ハゲタカやハイエナによるマネーゲームの様相を呈し
過熱しているだけという冷めた見方もある。ところで、関連銘柄もすごい。子会社がポケモンのアニメを
制作しているイマジカ・ロボットHD株のきのうの終値は、ストップ高の903円(前週末比150円高)。
子会社がポケモンのエンタメ施設を運営しているサノヤスHD株も、ストップ高の517円(同80円高)
と反応する。

その一方、日本での配信で提携すると報じられている日本マクドナルドホールディングスはサービス開始
以降19%上昇。関連銘柄では、菓子パンの「ポケモンパン」を販売する第一屋製パンが21%上昇、テ
ーマパークの「ポケモンEXPOジム」を運営するサノヤスホールディングスは242%上昇。ポケモン
のアニメを製作するオー・エル・エムを最近買収したイマジカ・ロボット ホールディングスは、74%上
昇している。

また、古着屋では看板に「ポケストップ 入ってポケボールといけてる服をゲットだぜ」との表記。この
ようにアパレルのみならず、コーヒーショップ、や『ポケモンGO』を使いピザ屋が売上アップなどが、ポ
ケストップを有効的に活用し、売上を着実に上げている。中には、ニューヨークで売りげを75%アップ
させた店もあり、ポケモンGOは新たなビジネスチャンスとなっている。また犬の保護施設で、「卵を孵化
させたり、レアポケモンをゲットしながら犬の散歩をしよう!」というもの。内容はいたってシンプルで
ポケモンGOをプレイしながら施設の犬と一緒に散歩し。里親も多く見つかり、このイベントは大きな反響
を呼んでいる。このように引きこもりがちだった人が進んで外出するようになり、普段から運動不足だっ
た人にとっても運動不足解消や、人との交流でゲームを通し楽しさを満喫できるといったポジティブな側
面も報じられている

それだけではなく、ポケモンGOがメートル法を採用しているが、日本人には予想もしなかった理由で――
 ――アメリカはヤードポンドヤードポンドが単位で、リアルに外を歩き、アイテムやポケモンを手に入
れるゲーム内で採用されているのはメートル法。ポケモンの卵を孵化させるため、歩かなくてはいけない
距離は約2キロメートル、5キロメートル歩く場合は珍しいポケモンの可能性がある。この仕様に多くの
アメリカ人が「1キロメートル何マイル?」と戸惑っているが、このゲームを通し「度量均衡の統一」が
促進という側面で――アメリカ社会に大きな影響を与えているという。


しかし、陰の側面もある。サンディエゴでは、男性2人がポケモンを追いかけていて崖から転落。男性は、
21歳と22歳。怪我の程度は公表されていない。事件が起きたのは深夜1時過ぎ、ひとりの男性は飲酒
していたと推測されている、浜辺だったので死亡事故につながらなかった。また、ワイオミングでは、ゲ
ームを楽しんでいた19歳の女性が川沿いでポケモンを追いかけていたところ、橋の近くで死体を発見し
ている。ミズーリの警察が、銃で武装した4人の泥棒を逮捕。逮捕されたのは午前2時で、彼らはポケモ
ンGOの位置情報機能を活用してターゲットを定め、駐車場や裏道などひとりでいるプレーヤーを襲った
事件が起きる。

ところで、「ジム」は、ゲーム上でポケモンと闘う場所のひとつ。通常は、地図上の公園や教会などの建
物に設定されるものが、間違って個人宅がジムに設定されてしまいました。被害を受けている。被害者の
自宅は古い教会を改装したもの、どうもポケモンGOが古い地図を使っていたとみられ、ひっきりなしに自
宅前に人が集まり、近所迷惑にもなっている。

11日、インテル セキュリティはなりすました不正アプリを確認したとして、ユーザーに注意を呼び掛け
ている。同社によると、不正アプリは正規アプリに似せたタイトルが付けられ、サードパーティーが運営
するAndroidアプリの配布サイトで公開。不正アプリには「DroidJack」(別名 SandroRAT)という遠隔操
作ツールが埋め込まれている。攻撃者はこれを悪用してSMSのメッセージや通話履歴、電話帳、ブラウザ
の閲覧履歴、位置情報、インストールアプリの一覧などの情報を盗むほか、カメラの撮影や録画、通話の
録音、SMS送信といった任意のコマンドをリモートから実行できるといい、解析から不正アプリがトルコ
にあるサーバと通信し、アプリの起動情報が定期的に通知されることも分っている。

犯罪だけでなく、外交にも大きな反響を呼ぶ。中国(≒政府)は、ポケモンGOで中国軍は壊滅すると警戒
する。開発・販売がアメリカの企業のためて中国のネットでは中国軍に対抗するための日米の陰謀だとす
る(香港・東網)。グーグルマップに基づいて運営、日米陰謀説を唱える中国のネットユーザーは、「日
米はさまざまな場所にモンスターを配置し、ユーザーの捕獲状況を基に一般人が入れない区域を分析。中
国軍の基地の場所を突き止めることもできると主張。さらに、戦争が勃発した際、日米は中国側のミサイ
ルの場所を簡単に割り出すことができる。中国は日米のゲームにより壊滅するのだと指摘する。

また、20日のインタファクス通信によると、ロシア下院の共産党議員は、同ソフトは、最先端の戦争で
米国を利するために使われ、利用者のスマホの撮影情報がスパイに悪用され得ると主張。連邦保安局(F
SB)に対し国内配信を禁止するよう文書で要求。FSBの元将校もロシアメディアに対し、特殊機関に
とっては、怪しまれずに情報を集められる「理想的な計画」だとの見方を示す。このように、米国の特殊
機関がスパイ活動のために開発したと見なし、国家の安全保障を揺るがす恐れがある“陰謀”だとして、
禁止を求めるている。しかし、中国も、ロシアも「高度消費社会」という社会産業的側面では、遅れた国
の国家主義社会(もっとも、アメリカは未だに、「二丁拳銃のカウボーイ」という野蛮な國だが)、当然、
このように過剰反応する。

7月20日、日本政府は異例の注意喚起を行った。内閣サイバーセキュリティーセンタは、公式Twitter上
に「ポケモントレーナーの みんなへおねがい♪」と題する画像を投稿。また菅官房長官も同ソフトについ
て「トレーナー登録するときは、本名とは違う いかしたニックネームをつけよう」「歩きスマホはバツで
すよ」「危険な場所には立ち入らない」「スマホの電池がなくなっても連絡できるように、テレホンカー
ドをもとう」など、ゲームプレイするうえでの注意点がまとめられている。

ポケモンだけではなく、今後も、コンピュータ通信ソフトは様々な産業社会とリンクさせながら、「拡張
現実」を螺旋成長させていくだろう。因みに、スクウェア・エニックスは、Apple Watch 専用の新作RPG
『コスモスリングス』を今年年夏に配信することを発表。本作は、世界初となるApple Watch 専用のRPG
(ロール・プレイング・ゲーム)。デジタルクラウンを用いた“時間遡行システム”や、日々の歩数に応
じて届くさまざまなメッセージなど、Apple Watch ならではの体験を味わえる。引き続き、ファミ通Appで
は『コスモスリングス』の続報を届けとしている。

  The Beatles "Help" Live 1965

60年代「ブリティッシュ・インベーション」という言葉――ある一時期に集中して数々のイギリスのア
ーティストがアメリカをはじめ世界中でヒットを放ってブームを巻き起こし、その後の音楽業界に大きな
影響を与えた現象―――が流行ったが、そのアメリカのポピュラー音楽史上のことではなく、コンピュー
タ通信史上の現象であり、前者が「ブリティッシュ・インベーション」と言うなら、後者は「エイアール・
インベーション」(コンピュータアプリケーションをもじって)とわたし(たち)は呼ぶことにしよう。

 


【ストップ・ザ・温暖化:へーリオスの快走 Ⅲ】

 

● 蓄電池は太陽光のパートナー 分散電源が電力市場変える 

今年で9年目を迎える太陽光発電関連で北米最大規模の総合イベント「Intersolar North America(北米イン
ターソーラー)」が、米国カリフォルニア州サンフランシスコで開催。今回のイベントは、蓄電池および
エネルギー貯蔵システムの展示会である「ees (electrical energy storage) North America」と同時開催となっ
た。背景には、太陽光発電の大量導入で論議を呼んでいるネットメータリング制度の改正・廃止など、太
陽光を巡る大きな環境変化がある。

イベントのキーワードは、「蓄電池と太陽光発電を含む分散型電力資源(Distributed Energy Resource)の
系統への統合化。米国エネルギー貯蔵システム協会(Energy Storage Association)でディレクターを務める
Jason Burwenは、「米国蓄電池市場は21年には2ギガワットを超え、15年より9倍に拡大する」と語っ
た。米国の調査会社Navigant Research 社が、発電・送電事業用のエネルギー貯蔵向けの先端蓄電池市場の
展望を発表。太陽光発電など再生可能エネルギーによる発電所を、より多く送電網に連系させるために、
送電網に出力の変動を調整するためのエネルギー貯蔵システムを導入する動きが加速している。調査によ
ると、この需要を背景に、発電・送電事業向けのリチウムイオン電池や他の化合物による畜電池の市場は、
14年の年間412メガワットアワーから、23年には年間5万1200メガワットアワー(51.2ギガ
ワットアワー)に達する。この間、年間平均71%増で成長。急拡大する需要に応えるため、リチウムイ
オン電池メーカーは、生産能力の拡充を急いでいる。生産能力が増えることで、リチウムイオン電池のコ
ストダウンも進む。今後10年間で、最も伸び率が高く、かつ、最大の消費地となるのは、アジア太平洋
となる。元々、送電網の整備が十分ではない国や地域が多く、分散型の電源である再生可能エネルギーの
導入によって、送電網の整備が進んでいく地域と分析している。

● 産業用太陽光も20年までにグリッドパリティに到達

太陽光がグローバル市場で主要なエネルギー源に――米調査会社が予測

太陽光がグローバル市場でカギとなるエネルギー源となるべく、いよいよ成熟しつつある――。米国の調
査会社であるFrost & Sullivan 社は20日、太陽光発電のコストが産業用と住宅用の両方で20年までにグ
リッドパリティに達し、その後も分散電源として普及が拡大するとの市場予測を発表。太陽光発電の市場
が拡大を続ける要因として、環境面での目標、エネルギーの自給自足、分散電源といった点に加え、固定
価格買取制度(FIT)の導入が極めて重要な役割を果たしてきたと指摘。

環境規制や優遇策とともに、FITが太陽光発電の均等化発電原価(LCOE)を低減させてきたとする。規模
の経済がより強く作用するため、住宅用とメガソーラー(大規模太陽光発電所)といった産業用の両方の
分野で太陽光発電システムのコストが20年までにグリッドパリティに達すると見込む。その後も、分散
電源として太陽光発電の市場拡大が継続すると見ている。同社の発表した報告書「Global Solar Power Market
―2016 Update」では、15年の市場収益は11377億5000万ドル、年複利成長率(CAGR)9.5%
で市場が成長し、20年には1791億3000万ドルに達するとの分析。設置容量ベースでは、同期
間に8.6%のCAGRで5万780メガワットから7万6600メガワットまで市場が成長する。地域的に
はアジアで太陽光の大幅な拡大が続くと見込み、経済成長や都市化、電化の拡大が後押し。アジアの市場
シェアは20年までに64.1%まで増加し、その80%以上を中国、インド、日本が占める。

北米でも太陽光は底堅く成長が続くと見る。19年まで継続されることが決まった投資税額控除(ITC)が
米国の太陽光市場をけん引するという。この地域では、20年までに2000万軒のプロシューマーが出
現すると予測する。経済的な優遇策、技術の進歩と太陽光向けの新しいリースなどが後押しすると見込む。
一方、欧州市場では補助金や優遇策の中止や終了により太陽光が伸び悩むとする。過剰な製造能力が太陽
光パネルの価格下落とあいまって、太陽光パネルのサプライヤーは利益を出すために悪戦苦闘する。南米
やアフリカといった新興市場においては、系統インフラへの投資、特に遠隔地などにおけるオフグリッド
などが需要を活発化させるとみる。

Frost & Sullivanでエネルギー・環境分野のリサーチアナリストを務める Pritil Gunjanは 「太陽光発電のサ
プライチェーンを形成する事業者が、新しい技術を開発し、コスト低下や系統インフラへの太陽光の統合
をもたらすと見込んでいる。革新的なビジネスモデルも、スマートメーター化やデマンドレスポンス、余
剰売電などの分野で事業機会を切り開くだろう」と述べている。 

米オバマ政権は19日に太陽光発電の新しい普及イニシアチブ「Clean Energy Savings for All」を発表。同
イニシアチブでは、太陽光発電に興味があってもコストや資金などの点で、これまで導入できなかった低
所得から中間所得層の世帯を対象とし、20年までに1GWの導入を目指す。ホワイトハウスの発表した文面
では、今回発表した太陽光の普及目標は、従来の「Climate Action Plan」で定めていた百メガワットから
10倍に増やしたとしている。目標のハードルが上がった分は、革新的な手法を導入することで、太陽光
を導入する世帯が資金を調達しやすくすることで達成する意向る。 

具体的には、企業の実施するESCO事業と同様に、各世帯が太陽光パネルを導入することで電気料金が安く
なる分を原資として融資を受けられるようにする仕組みや、地域社会に設置して住宅で利用したと見なす
「コミュニティ・ソーラー」のコンテストの実施、州政府や各地域の協力を促すなど様々な施策を挙げて
いる。米政府内でもエネルギー省(DOE)だけでなく、住宅都市開発省(HUD)、農務省(USDA)、環境保
護庁(EPA)など関連する複数省庁の連携を強化することで、太陽光と省エネルギーを低所得から中間所得
層の世帯にも普及させる。  

かくして、「オールソーラーシステム」はまたしても米国でいち早く採択され、実現されることとなった。
頑張ろう!日本。

 

 


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