ぼくは全体制的なんですよ。全体制的っておかしいですけど、否定するなら
全部否定するわけです。つまり反体制も否定するわけです。
つまり開かれた反体制だというふうに、ぼく自身はそう思っているわけです。
だからそこの問題で、ひとつは、ぼくはあらゆる人と対立してしまう。
「僧侶--そのあり方を問い直す」/1988.01『仏教』
Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar, 2012
※ この原理を押さえておけば、彼此岸にまたがるの矛盾の陥穽(かんせい)が
わかるというもの。だが実際は生易しいものではなく矛盾することも多い。
【百名山踏破:悪沢岳(荒川岳)を追加計画】
昨日に続いて、複数選択肢を準備する(理由:うかうかすると1座も踏破できない可能性があり、
チャンスがあればすぐに実行するため)。今回は悪沢岳。
荒川岳は別名荒川三山とも呼ばれ、南アルプス中央部にある前岳、中岳、東岳の3つの山の総称、
そのうちの東岳が悪沢岳――荒川三山という名称は、中岳と前岳を別の山とするのは無理で、三山
と呼ぶのは妥当性を欠き、深田久弥の『日本百名山』での古い記録には「赤石山ハ絶頂三岐シ、荒
川・鍋伏・赤石岳ノ三連峰ヨリ成レル」とあり、このうち「鍋伏」が悪沢岳に、「赤石岳」が赤石
岳に、「荒川」が前岳・中岳に当る。これに従えば、現在の荒川三山は二つの山として数えること
なる。つまり、東岳を別格扱いし悪沢岳と呼んでいるらしいる。荒川岳一帯には氷河によって削ら
れた地形であるカールが数多くみられ、上部は森林限界のハイマツ帯で、非常に多くの高山植物が
自生しライチョウの生息地となっている。
カールの中腹や底は、いずれも大規模な高山植物のお花畑となっており、特に中岳、前岳から荒川
小屋に下る斜面では、規模の大きなお花畑の真ん中を登山道が通っているため、盛夏には花の絨毯
に囲まれながらの登山を楽しむことができる。
南アルプスは、海底の隆起により形成され現在も隆起し続けている。そして、荒川前岳は赤石(山
体の一部がプランクトンを含む堆積岩の赤色のラジオリヤチャート岩盤に由来)山脈の主稜線上に
あり、そこから西に延びる尾根に荒川中岳、悪沢岳(東岳)、丸山、千枚する岳がある。千枚岳か
らは東にマンノー沢頭を経由して大井川の河畔にある二軒小屋ロッジ方面へと尾根が延び、南に千
枚小屋、駒鳥池、蕨段、清水平を経て椹島ロッジ方面へ延びる尾根がある。
駐車場まで車でそこから椹島ロッジまではシャトルバス、ロッジから反時計回りで、滝見橋→千枚
小屋(1泊)→丸山→悪沢岳→千枚小屋→椹島ロッジ→駐車場のピストン。千枚小屋付近は天候が
よければ大きく雄麗な富士山を見ることができるので、気象予想を見て素早く行動することが第一
と心得る。
● TMEICが塩害対策仕様の空調機レスPCSを供給
22日、東芝三菱電機産業システム(TMEIC)は、米国ハワイのメガソーラー(大規模太陽光発電
所)から、塩害対策仕様のPCS(太陽光発電用パワーコンディショナー)を受注したと発表。受注し
たメガソーラーは、ハワイ州オアフ島に立地、再生可能エネルギー発電事業者のユーラスエナジー
ホールディングスのEurus Energy America社が開発。16年秋頃に運転開始。出力1.667MWの「SOL
AR WARE 1667」を17台、納入する。供給するPCSの合計出力は、27.6MWとなる。ハワイ州は、再エ
ネを積極的に導入している地域として知られる。島という立地上、メガソーラーの用地は、沿岸部から近い
場合が多く、塩害対策として、PCSは空調機付きのエンクロージャ(屋外用筐体)に収めて設置してい
たが、今回採用されたのは、こうした塩害対策が要求される島嶼や沿岸地域向けに開発した機種で、
耐環境性能を向上させた。ヒートパイプと冷却ファンの併用によるハイブリッド冷却方式によって、
空調機レスを実現している(下図ダブクリ参照)。
【要約】
電力変換装置(1)は、発熱源(31)を含む電気回路(3)と、発熱源(31)を冷却し、冷媒
が封入されたヒートパイプ冷却器(9)と、冷媒が凍結しているか否かを判定する凍結判定手段(
25)と、凍結判定手段(25)により冷媒が凍結していると判定された場合、出力を制限する出
力制限手段(22)とを備える。
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尚、同社製PCSの従来からの特長である、電力変換効率99.0%といった高効率性、高信頼性に加
え、空調機レスにすることで導入コストと運用コストを抑え、売電収益の最大化に寄与することが
期待される。
● 世界初!反転層型ダイヤMOSFETの動作実証に成功
電気を効率的な利用に、発電から消費に至るまで多段に亘る電力変換(交流・直流変換、周波数変
換)が行われ、多数の半導体パワーデバイスが用いられている。これら半導体パワーデバイスにお
ける電力損失を低減化することは、省エネルギー化に向けた重要なカギとなる。
さて、ダイヤモンドは、半導体材料として広く用いられているシリコンに対し、ワイドバンドギャ
ップで、融点、熱伝導率(Siの14倍)、耐絶縁破壊性(Siの百倍)、キャリア速度限界、硬度・
弾性定数、化学的安定性や耐放射線性が高く、電子デバイス材料、特に半導体パワーデバイスの形
成材料として、極めて高いポテンシャルをもっているが、ダイヤモンドは、他の半導体材料に対し
て行われているイオン注入法等による不純物ドープが困難で、n型不純物ドープ領域の選択的形成
に課題があり、目的に応じたデバイス設計ができなという問題があった。
今回、研究グループは独自の手法で母体となるn型ダイヤモンド半導体層および酸化膜とダイヤモ
ンド半導体層界面の高品質化に成功しました。それらを用いた反転層チャネルダイヤモンドMOSF
ETを作製し、その動作実証に成功する。将来、ダイヤモンドパワーデバイスが自動車や新幹線飛行
機、ロボット、人工衛星、ロケット、送配電システムなどに導入されることで、ダイヤモンドパワ
ーエレクトロニクスの道を切り開き、省エネ・低炭素社会への貢献が期待されている(下図及び特
許参照)。これは面白い!
特開2016-103651 ダイヤモンド半導体装置及びその製造方法
1.特許5454867 単結晶ダイヤモンド基板
2.特許5152836 ダイヤモンド薄膜積層体
3.Inversion channel diamond metal-oxide-semiconductor field-effect transistor with normally off character-
istics Scientific Reports 6, Article number: 31585 doi:10.1038/srep31585
【帝國のロングマーチ 28】
● 折々の読書 『China 2049』46
秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」
ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。
【目次】
序 章 希望的観測
第1章 中国の夢
第2章 争う国々
第3章 アプローチしたのは中国
第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
第5章 アメリカという巨大な悪魔
第6章 中国のメッセージポリス
第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
第8章 資本主義者の欺瞞
第9章 2049年の中国の世界秩序
第10章 威嚇射撃
第11章 戦国としてのアメリカ
謝 辞
解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
元防衛大臣)
第10章 威嚇射撃
百聞不如一見――百聞は一見にしかず
『漢書』趙充国伝
※ 百聞不如一見、兵難遙度、臣願馳至金城、図上方略(百聞は一見に如かず。軍事
情勢は離れたところから推測しがたいので、わたしは金城に駆けつけ、上策を図
りたい)
A program to improve analytic methods related to strategic forces
中国は日本を悪者扱いするために、日本の富と、アジアでのアメリカの主要な同盟国という
立場は、第二次世界大戦から不正に得た利益の産物だというメッセージを送った。ロンドン・
スクール・オブ・エコノミクスのアルネ・ウェスタッド教授は、この現象を「国の認可を受け
た、敵意に満ちた新手の反日ナショナリズム」と呼ぶ(注37)。「儒教圏一にある国々は、中
国のリーダーシップを当然のものとして受け入れ、占い帝国を復活させたり、アメリカなど異
質の覇権国と協調したりしないというのが中国の見方だ(注38)。2013年8月に行われた、
中国と日本の国民が互いの国をどう見ているかという調査の結緊を見れば、論点がよりはっき
りするだろう(注39)。
中国日報と日本のシンクタンク「言論NPO」の委託によるこの調査は、日本人1805人
と中国人1540人に、互いの国に対する考えを間いた。その結果、90パーセント以上の中
国人回答者が日本を好意的に見ておらず、その割合は前年の62パーセントから驚くほど増加
していた。同様に、日本人回答者の90パーセントは中国に対して好意的でないか、どちらか
と言えば好意的ではなく、やはり前年の84・3パーセントより増えていた。敵対心はそれま
での9年間に毎年行われてきた調査の中で、最高レベルに達した。敵対心が著しく増した理由
を尋ねられると、中国人回答者の77・6パーセントと日本人回答者の53・2パーセントが
尖閣釣魚諸島問題が理由だと答えた。
それに続くもっとも一般的な理由は、歴史に関する怒りだった。中国人の63・8パ-セン
トが「中国を侵略したことについて日本がきちんと謝罪しておらず、自責の念を示していない
こと」を、日本を否定的に見る理由の1つとして挙げた。だが、今回の調査結果の中で、最も
不百に思えるのは、中国人の52・7パーセントと日本人の23・7パーセントが、いずれ日
中の軍事衝突が起きると考えていることだ。中国が日本に対して自己主張を強めることは、中
国のマラソン戦略の長期的目標にとっては、逆効果かもしれない。中国が今なおアメリカとい
う覇権国を恐れているのであれば、用心深く戦略的な中国の指導者が、近隣にあるアメリカの
友好国を刺激するとは思えない。ある意味、日本との戦いは、アメリカに対する密かな代理戦
争なのかもしれない,もし、中国が日本を衰退させることができれば、衰えつつある覇権国を
さらに弱体化させることができるだろう。
2013年、ますます横暴になっていく中国に対抗するために、アメリカと日本は安保体制
の強化に合意した,「アメリカは今後も環太平洋地域で重要な国でありつづける」という決意
を表明するためだ,この合意により、米海軍の偵察機が日本に送られ、尖閣諸島一帯をパトロ
ールすることになった。アメリカのジョン・ケリー国務長官とチャック・ヘーゲル国防長官は
自ら東京を訪れ、合意書に署名した。アメリカは尖閣諸島を巡る諭争でどちらかに見方するこ
とを拒んでいるが、日米安全保障条約は日本が攻撃された場合、その防衛に協カすることを誓
っており、それが尖閣諸島にも適応されることをオバマ政権は保証する、とヘーゲル国防長官
は明言した。
日本の指導者たちは、平和憲法の改正について率直に語った。日本国憲法は国際紛争を解決
する手段としての軍隊を禁じており、日本は国家を守るための必要最小限の軍隊だけを許可し
ている。普段は慎重な日本人が、中国との戦略的競争と、その地域で中国が危険なほど主張を
強めていることについて、はっきりと語った。中国は日本の軍事増強の可能性に激しく反応し
た。第一次世界大戦に先立つ、英・独海軍の軍拡競争が再現されるのを恐れたのだ。もっとも、
注日すべきは、日本の軍事情勢について中国が常に否定的な見方をしてきたわけではないとい
うことだ。1970年代、中国は日本に対して、防衛費をGNPの1パーセントから3パーセ
ントに増やすよう助言した,1978年、郵小平は日本からの代表団に「日本の自衛隊の増強
に賛成」だと語った(注40)。当時の中国は、ソピエトに対抗するために、新しい同盟国を探
していたのだ(注41)。しかし、10年後、勢は変わり、1988年、国家安全に関する郵の
助言者である宦郎は、日本を激しく非難した(注42)。
日本の民主主義はぐらつくのではないか、という疑念が中国には根づいている。多くの中国
人学者は、現在では日本の右派の大半は「日本国憲法を修正し、古い天皇制を復活させたがっ
ている一と考えている。中国人アナリストは、日本の政治家が靖国神社に参拝することを繰り
返し批判する。靖国神社は1867年から1951年までに亡くなった戦没者を祀る神社で、
第二次世界大戦の戦犯も多く祀られている。アナリストたちは、参拝は「中国への侵略を進め
るために日本人の精神を一つにまとめる」目的で利用されている、と書く(注43)。多くの中
国の戦略家は、日本が軍事力を増強すれば「制御できなくなる」と主張する(注44)。
将来、日本が軍国主義になることを中国は危惧している。1988年に、おそらく中国で最
も有名な超ナショナリストの著述家で李鵬首相の助言者でもある何新が、日本は資源を略奪す
るために中国を「植民地化一しようとするだろうと予測し、こう言い足した。
「19世紀以来、日本は、古くからある世界戦略の目標を決して捨てなかった(中略)同様に、
戦略の布石として、日本は中国を完全に分割し、孤立させようとするだろう(注45)」
その後、1995年11月に中国は、沖縄の米軍基地の閉鎖を要求し冷戦が終わった現状に
あって、日米間の相互陥力と安全保障条約は必要なのか、と疑問を投げかけた(注46)。中国
国家防衛戦略研究所の研究員である陸廣業は次のような警告まで発した。
「北大西洋条約機構(NATO)圏と日米の軍事同盟は、悪事を働く暴君を手助けするニつの
暴力組織になりさがった(注47)」
党の歴史あるシンクタンクである現代国際関係研究所の副所長、陸忠偉は、「アジアの外交
の歴史において、強い中国と強い日本が共存したことはない」と指摘する(注48)。中国社会
科学院の高恒も、アメリカの占領は日本の軍国主義を根絶しなかった。と見ている。さらに高
恒は、アメリカは占領時にソビエト連邦、北朝鮮、中国に対抗するために日本を利用したかっ
たので、「日本の国内機構と軍事機構(名称は変わったが)のすべてを存続させた」と主張す
る(注49)。中国の学者たちは、「日本は中国の所領政策を妨害し、南沙(スプラトリー)諸
島と釣魚(尖閣)諸島の領有権に干渉している」と言いつづけてきた(注50)。いわゆる「宮
沢ドクトリン」は、欧州安全保障協力会議を手本としてアジアの安全保障上の問題を話し合う
フォーラムを作ることを提言したが、中国の封じ込めを薄衣で覆ったものにすぎない、と中国
の著述家たちから非難された。1993年にニューヨーク・タイムズは、中国の高官からの情
報として、日本本の軍事力に対抗する5ヵ年計画にあてるための追加予算を軍部が要求した、
と報じた(注51)。
中国にとって目下の気がかりは、日本がアメリカと協力して対弾道ミサイル防衛システムを
開発・配備することだ。日本が核兵器と航空母艦を獲得しようとしているとの詳細な情報も流
れている(注52)。また、中国の軍事アナリストは、日本はすでに「航空母艦の機能を持つ」
輸送艦を所持していると主張する(注53)。核兵器についても、将来、日本はインドと同様に
核保有国になると予測するアナリストもいる。「日本に核爆弾を作る能力があることは間違い
ない……日本は、国際的な監視をかいくぐって、核兵器の秘密研究を進めることができるはず
だ」と中国軍事科学院が発行する定期刊行物『ワールドーミリタリー・トレンド』に丁邦泉は
書いた(注54)。
今回もコメントなしで次節へ。
この項つづく