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高精細化する半導体発光装置

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 「1999年、7の月」は何事もなく過ぎた 時間は実体化できないから、予言は不可能だ。

                    「ノストラダムスの大予言”は単なるバカ話だ!」

                             PENTHOUSE 1999年11月

                                   
                             Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar,2012 

 

 ● 今夜のアラカルト

Pearl Onions in Cream Sauce

【クリームソースパールオニオン】

ことしは天候不順で玉ねぎは不作で高騰。ところで、玉ねぎは、ねぎと同じユリ科の仲間で日本に
は明治時代に入ってきたが、いまでは、米国に次ぐ世界第2の玉ねぎ生産国、国内での収穫量は大
根、キャベツに次いで第3位だ。今夜は、そのなかのパールオニオンで一品調理しよう。パールオ
ニオンは真珠のような光沢をもつ皮に包まれた小さな白玉ねぎで、細かくきざんでいためものなど
の香りづけに使う。大きさは収穫時期や栽培方法の違いから、1~2センチほどのものからピンポ
ン玉大のものまで、国産と米国の輸入品がある。

作り方:①水を沸騰させパールオニオンを入れ皮を剥く、②剥けたら氷水に入れ排水後皮を剥きカ
    ット、クリーム、月桂樹の葉、イタリアンパセリ、ニンニク、ナツメグ、塩、コショウと
    一緒に鍋に入れ、③弱火で、数回攪拌し10分間蓋をして煮つめる。④蓋を取り、チキン
    ストックを入れ、パールオニオンが柔らかくなるまで5分以上煮込む。濃厚なクリームソ
    ースが好きならコーンスターチ小さじ2杯水で溶き混ぜ煮込み、お好みでニンニク、塩、
    コショウを追加すれば風味豊かなクリーミーなソース仕立てのパールオニオンが完成。所
    要時間、準備に15分、調理15分の合計30分。

尚、巻頭の写真は、無花果とグリーンサラダ。先回のアラカルトの続編?として掲載。


   

【量子ドット工学講座 20:高精細化する半導体発光装置】

ヘッドマウントディスプレイ、ヘッドアップディスプレイ、AR(拡張現実:Augmented Reality)
グラス、プロジェクタなど拡大投影用途のマイクロディスプレイの市場が成長している。マイクロ
ディスプレイの性能向上を目的とした半導体装置の開発が著しく、アレイ化したLED(Light Emi-
tting Diode)と、薄膜トランジスタ(Thin Film Transistor:TFT)とを配置し、アクティブマトリクス
駆動する半導体発光装置の高精細化が望まれていたが、直近、株式会社東芝が下図の半導体デバイ
ス構造・構成特許を公開する。

 JP 2016-154213 A 2016.8.25

【符号の説明】

10…第1発光領域、10a…第2発光領域、10b…第3発光領域、11…第1半導体層、11
a…主面、11p…凸部、12~18…第2~第8半導体層、20…第1トランジスタ、21…第
1アモルファス半導体層、22…第2トランジスタ、23…第1配線、24…第2配線、25…第
3トランジスタ、26…第4トランジスタ、27…第2アモルファス半導体層、28…第5トラン
ジスタ、30…絶縁層、31…平坦化層、32…アンダーコート層、33…ゲート絶縁層、34…
エッチング保護層、35…パシベーション層、36…ゲート保護層、40…第1層(支持基板)、
41…第1面、42…第2面、50…バリアメタル、60…接合メタル、70…裏面電極、80…
領域、110~111…半導体発光装置、111a…半導体発光装置、112~115、116…
半導体発光装置、D1…第1ドレイン電極、G1…第1ゲート電極、G2…第2ゲート電極、S1
…第1ソース電極、L1…発光光、L2…漏れ光、L3…反射光、PVDD…高電位端、PVSS
…低電位端、Px1…第1画素、Px2…第2画素、cn1、cn2…制御線、e1…第1電極、
e2…第2電極、i1、i2…電流密度、r1~r5…第1~第5領域、sg1…信号線

----------------------------------------------------------------------------------------

構造・構成を事細かに書いても仕方ないので、上図ダブクリ参照で割愛するとして、ここで、第1
半導体層11は、第3半導体層13と第1蛍光体層121との間、及び、第5半導体層15と第2
蛍光体層122との間に設けられ、これらの蛍光体層の平均粒子径は、50μm以下。重要なこと
は、画素を高精細化するには、蛍光体の粒子径や膜厚を画素サイズ程度に小さくし、画素のぼやけ
を低減でき、ナノ粒子系の蛍光体や量子ドットを用いることができることである。これら蛍光体の
粒子径は、1um以下。これらの蛍光体層は、画素毎にパターニングできることである。

こうして、第5次産業革命は、デジタル革命渦論は進化する。さすが、東芝。

   

【帝國のロングマーチ 35】   

           

 ● 折々の読書  『China 2049』52       

                      秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」  

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。 

【目次】       

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   

 

         

   第11章 戦国としてのアメリ力   

                              釜底抽薪――釜底の薪を抽く

                            『兵法三十六計』第十九計   

把柴火从锅底抽掉,才能使水止沸。比喻从根本上解决问题(お湯が沸いている釜の底から薪を抜け
ば、釜の湯はいずれ冷める。そうなれば簡単に処理できるという理)。   

   extracting the firewood from under the cauldron   

 【第12段階】中国のタカ派と改革派(修正主義者)の議論を監視し支配する


  話すうちに、中国の政治局内の分裂について彼がどう考えているかが、少しずつ見えてきた。
 タカ派はアメリカとミャンマーのつながりを面前に遣る危機と捉えているが、改革派は一般に、
 そのつながりに関して緊張しておらず、むしろミャンマーの経済開発に関心を寄せている、と
 いうのが絃とわたしの共通の認識だった。例えば、改革派はエネルギー投資、とりわけエーヤ
 ワディー川に水力発電用のダムを建設するために、ミャンマーの安定を求めていた。これは、
 アメリカは囲碁をしているというタカ派の見方とは正反対であり、アメリカ政府にとっては望
 ましい見方だ。

  わたしはミャンマーの指導者が中国の長期戦略をどう見ているかに興味をひかれた。西洋の
 多くの指導者と同じように、中国を、国際社会で平和的に台頭しようとする資本家かぶれと見
 なしているのだろうか。
  ミッチェルによれば、ミャンマーの知識人たちは、元シンガポール首相で、アジアで極めて
 尊敬されている指導者リー・クアンユー(訳註*2015年、91歳で死去)の哲学を学んで
 いるということだった。シンガポールの奇跡の父と称えられるリーは、西洋で幅広い支持を得
 てきた。リチャード・ニクソンはかつてリーをチャーチル、ディズレーリ、グラッドストン
 (注54)にたとえ、ピル・クリントンとジョージ・H・W・ブッシュを含む多くの人が、リー
 を先見の明ある指導者と称賛した。しかし不思議なことに、西洋人の多くは、リーが中国をど
 う見ているかに関心を寄せようとしなかった,

  ミャンマーの役人が、ヤンゴンの五つ星ホテル、ストランドで売られているリーの思想をま
 とめた新刊書のことを教えてくれた。ストランドは、大英帝国時代に建てられたビクトリア様
 式の邸宅を利用したホテルで、衰退した西洋の帝国の名残を今に伝えている。
 「リーは、中国の台頭を、他のどの傍観者やアナリストよりはっきりと予測していた」と、そ
 の本の編集者であるハーバード大学教授のグレアム・アリソンとロバート・プラックウィルは
 書いている(注55),わたしはその本に目を通し、リーが西洋のほとんどの人よりずっと昔か
 ら、数十年にわたって中国を注意深く観察し、その長期戦略を明確に理解していたことを知っ
 た。

 「中国の目的は世界.の大国になることだ。そして、西洋の名誉会員としてではなく、中国と
 して受け入れられることであり{中略)彼らの思考の中心にあるのは、植民地化とそれがもた
 らした搾取や屈辱より前の、彼らの世界である」とリーは明言している。中国政府は国民の願
 望を巧みに利用した、とリーは続ける。
 「中国に何らかの民主主義革命が起きると信じているのなら、それは問違いだ(中略)中国の
 人々が求めているのは復活した中国である」

 では、どうやって世界一こになるのかと、インタピュアーに聞かれたリーは、「中国の大きな
 強みになるのは軍事的影響力ではなく、経済的影響力だ(中略)。それはアメリカの影響力を
 越えていくらでも成長できる」と答えている(注56)。
 リーはマラソン戦略で最も重要な要素が何であるかを確信していたようだが、中国が支配する
 時期を、数十年先と考えていた。
 「中国人は(自ら言うところの)『平和的台頭』を続け、経済的かつ技術的にトップの座を争
 えば、負けるはずはないと自負している]とリーは書いている。
 「アメリカのような、より強力で技術的に優れた超大国に(真正面から)挑めば、中国の平和
 的台頭は頓挫するだろう。中国は共産党が制作した自国のテレビ番組『大国崛起』と同じ方法
 をとっている(中略)中国の首脳部は、総合的軍事力でアメリカと張り合えば負けることを知
 っている。自滅してしまう,したがって、それを避け、頭を垂れ、微笑みながら40年から5
 0年を過ごすことにした(注57)。

  本書でわたしは彼ほどうまく伝えられなかったが、少なくともひとり同志がいることをこの
 時知った。独統制を敷いたものの、リー・クアンユーは卓越した政治手法を世界から賞賛され
 た。しかし、中国に関する彼の冷静な予測は、西洋の中国政策の専門家に批判された。その理
 由の3つある。1つ目は、批判者たちが、中国はいずれ崩壊するか、欧米風の民主主義国にな
 るという希望的観測か間違った推測をしていたこと。2つ目は、中国が懸命に控えめなふりを
 し、その成長の見通しを低く偽ってみせていたこと。3つ目つ目は、中国の脅威が目前に迫っ
 ているという誤報があまりにも多く流されていたことだ。

  リー・クアンユーにならって、2049年に中国がどれほど強くなっているかについて、わ
 たしの考えを述べよう。2049年までに、先に提示した12の段階を遂行する時間はト分ある、
  と述べておきたい。
   たいていの場合、中国に関する話題は、中国による世界征服や軍事的支配をセンセーショナ
 ルに警告するが、そのどちらも近い将来には起こりえない。ハーバード大学の政治学者、ジョ
 ゼフ・ナイは、的を射た忠告をする。
 「われわれが抱える最大の危険は、中国を過大評価し、中国に自らを過大評価させることだ,
 実際のところ、中国はまだアメリカのレベルには達していない。であるにもかかわらず、中国
 を過大評価してアメリカを怯えさせ、中国をうぬぼれさせるのは最も危険である(注58)。

  傲慢で攻撃的な態度で近隣諸国を挑発し、考えを同じくする国々と連携している中国は、長
 い目で見れば、アメリカを手助けしていることになる。ナポレオン・ボナパルトの有名な言葉
 のように、「敵が間違いを犯している時は、邪魔をするな」。だが、何もするな、というわけ
 ではない。
  長期にわたって中国政府と張り合うには、中国の野望を見極め、国際基準の境界を中国が踏
 み越えそうになったら、その動きを非難する必要がある。それには、中国の戦国時代の教えが
 役立つはずだ。それらの教えには、中国の戦略思考の特質と独自性が凝縮しているからだ。先
 に説明した12の段階が中国との衝突を引き起こすことは否めない。わたしは周囲の人々から、
 厄介な中国を批判しないようにと始終警告されている。だが、そのような姿勢は、「批判を避
 けるのは簡単だ。「何も言わず、何もせず、存在を消せばよいのだ」というアリストテレスの
 警告を無視するものだ。

  アメリカに取って代わって、地政学土の最大勢力になろうとする中国の戦略には、アメリカ
 の善意と援助が欠かせない。アメリカは、かつて自らが徐々に台頭していった時期に、代わり
 に衰退していった大英帝国と同じ行動をとるだろう。中国が必死になってアメリカの中国に対
 する見方を形作ろうとする理由の一つはそれだ。『中国の夢』の中で劉明福は、アメリカが中
 国に抱くイメージを形作ることを推奨する,中国はアメリカを「悪魔ではなく天使」にしなけ
 ればならないと劉は言う。劉の姿勢は、4人のタカ派が書いた『新戦国時代』のそれに似てい
 る(注59)。この本の著者たちや他の中国のタカ派は、今後の数十年間に延々とつづくのは、
 戦争や領土侵略ではなく、経済、貿易条件、通貨、資源、地政学的協力をめぐる攻防だろうと
 断言する。

  問題の本質の理解を妨げる落とし穴が三つある。一つは、早くから中国の脅威を恐れすぎる
 ことだ,2012年に刊行されたマーティン・ジャックの著書が主張するように、中国はまだ
 「世界を支配」する状態にはいたっていない(注60)。また、アいない。さらに、中国通貨が、
 世界の準備通貨としてドルに取って代わる見込みも今のところは皆無だ(注61)。ジョージ・
 ワシントン大学のデーヴィッド・シャンボーが述べたように、中国は単に「局地的な強国」に
 すぎない(注62)。アメリカ国防総省はすでに、中国に対応するための大々的な戦略的計画に
 着手しており(注63)、それに刺激された評論家が、「Who Authorizcd PrcParations for War with
   China?(だれが中国との戦争の準備を認めたか?)」というようなタイトルの記事を書いてい
 る(注64)。

 


今回で完結する段取りだったが後二回にわけて切りあげる。読者もお分かりのことだろうが、ピル
ズベリーの主張(段階的内政干渉)の先に想定されるリスクである。ハードパワー(軍事力)、ソ
フトパワー(財政力・経済制裁)、メゾパワー(サイバー攻撃・情報戦)をにらみ敵国を追い詰め
る方法は太平洋戦争、冷戦、イラク戦争などその手口は基本的に同じであるが、中国の冒険は即国
内崩壊を意味するだろうと、このブログで掲載してもいる。そのようなこともあり、ジーン・シャ
ープ
の『独裁体制から民主主義へ―権力に対抗するための教科』あるいは『非暴力行動の198の
方法』(TEDの「効果ある非暴力運動」参照)を併せて考察を始めるものの、「戦争が露呈」いる
段階にあるこという認識は変わっていない。また、それは同時に、ドラッガーの「戦争は外交の失
敗」を意味する。

                                     この項つづく

      

  

 


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