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現代の歌姫考 Ⅰ

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      日本列島をヤポネシアと呼べば、スリランカ、インドネシア、ミクロネシア、
      ポリネシアなどの環南太平洋の島々の多島人の種族が少なくとも半分の日本
      列島人の要素とみなすことができる。

      また太平洋戦争での日本列島人の侵略、侵攻を一種の帰郷運動になぞらえる
      とすれば、インド以東のアジアの内陸とオセアニアの全域が包囲されること
      になる。

                          「島・列島・環南太平洋への考察:日本の島エッセイ」

                                             平凡社 2003年6月号

 

                               
                             Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar,2012    

 

  

  ● 今夜の三曲

現代の歌姫考 Ⅰ:シセル(Sisse)

現代で一番の歌姫は誰だろうと二人で食事しながらはなしていると。名前が出ないがあの女性よと
言うので、サラ。ブライトマン?そうじゃない、えぇっつとそのあのひとよ!タイタニックにのセ
リーヌ・ディオン?そうじゃない! しばらくして、スーダン・ボイル?というと、そう!スーダ
ン・ボイルよと彼女が応えるので、確かにね。僕はフィーリングヴォイスな北欧の白い妖精シセル
だな。アベマリアはイヤされる、賛美歌だからねと、ジュブリルタンでのたわいない会話を思いだ
しユーチューブする。そとは台風10号で大雨模様。


シセル(Sissel、69年6月24日 - )は、ノルウェー出身の女性歌手。もともと母国・ノルウェ
ーで国民的歌手として人気があったが、近年は「クリスタル・ボイス」とも評せられる透明感溢れ
る歌声と安定した歌唱力が世界的に高い評価を受け、国際的に広く精力的な音楽活動を続けている
。もともとシセル・シルシェブー(Sissel Kyrkjebø)名義で長らく活動を続けてきたが、近年はファ
ーストネームで出演。

69年6月24日、ノルウェー西岸に位置するベルゲン市に生まれ、8歳の時に聖歌隊に入り、歌
唱力を磨き、85年、アルバム「シセル」でCDデビューし国民的人気歌手となる。84年、リレ
ハンメル冬季オリンピックで同オリンピックのテーマ曲“Fire in your Heart”を歌うと共に、開会式
と閉会式で「オリンピック賛歌」の冒頭部分を民族衣装姿でアカペラで独唱。その澄んだ歌声が世
界に評判となる。97年には映画「タイタニック」のサウンドトラックで、ヒロインの回想場面で
使用されるスキャットを担当、一方、ジャンルもクラシックからポップス、ジャズと幅広い。

03年4月、六本木ヒルズでオープニングのコンサートを行い、05年9月、京都仁和寺で開かれ
た第18回JAL音舞台シリーズに参加。デンマーク人のタレントと結婚し、2児の子供を出産した
のち、本国ノルウェーをはじめとする北欧諸国とアメリカコンサート活動を行っている。

 

   

【帝國のロングマーチ 34】  

             

 ● 折々の読書  『China 2049』51       

                      秘密裏に遂行される「世界覇権100年戦略」  

ニクソン政権からオバマ政権にいたるまで、米国の対中政策の中心的な立場にいた著者マイケル・
ピルズベリーが自分も今まで中国の巧みな情報戦略に騙されつづけてきたと認めたうえで、中国の
知られざる秘密戦略「1000年マラソン( The Hundred-Year Marathon )」の全貌を描いたもの。
日本に関する言及も随所にあり、これからの数十年先の世界情勢、日中関係そして、ビジネスや日
常生活を見通すうえで、職種や年齢を問わず興味をそそる内容となっている。    

【目次】      

  序 章 希望的観測
 第1章 中国の夢
 第2章 争う国々
 第3章 アプローチしたのは中国
 第4章 ミスター・ホワイトとミズ・グリーン
 第5章 アメリカという巨大な悪魔
 第6章 中国のメッセージポリス
 第7章 殺手鍋(シャショウジィエン)
 第8章 資本主義者の欺瞞
 第9章 2049年の中国の世界秩序
 第10章 威嚇射撃
 第11章 戦国としてのアメリカ
 謝 辞
 解 説 ピルズベリー博士の警告を日本はどう受け止めるべきか 森本敏(拓殖大学特任教授・
     元防衛大臣)   

        

   第11章 戦国としてのアメリ力  

                         釜底抽薪――釜底の菱底の薪を抽く

                            『兵法三十六計』第十九計  

把柴火从锅底抽掉,才能使水止沸。比喻从根本上解决问题(お湯が沸いている釜の底から薪を抜け
ば、釜の湯はいずれ冷める。そうなれば簡単に処理できるという理)。  

   extracting the firewood from under the cauldron

  【第11段階】民主化寄りの改革をサポートする

  冷戦時代にアメリカが用いた戦略の多くは、少なくとも今のところは、中国に対して有効で
 はない。アメリカの脅威を誇張しようとする中国タカ派との新たな冷戦では、新たな戦い方が
 必要とされる。それは地球規模のイデオロギー闘争ではなく、また、帝国の拡大を阻止するた
 めにNATOのような同盟を作る必要もない。しかし、冷戦から得た教訓として、アメリカが
 心に留めておくべきは、中国国内の、民主的で文明化された社会集団を支援することの大切さ
 である。中国が新しい冷戦(注27)について語るときに懸念するのは、思想の力を利用してソ
 ビエト連邦を内部から打ち崩していった、冷戦時代の戦略をアメリカが再現することである。
 中国のタカ派の ほとんどは、中国の共産主義を滅亡させようとするこの計画は、冷戦中の
 1947年のソ連に対 して展開されていた程度には、すでに遂行されていると考えている。
 少なくとも2冊の中国の本が、CIAがその陣頭に立っていると主張している(注28)。

  June 20, 2016
威脅不是外部的“陰謀”的

  ロバート・ゲーツ元国防長官は、1975年に調印されたヘルシンキ宣言が、ソビエト連邦
 内の民E主義擁護団体を活性化させ、「冷戦においてアメリカを勝利に導く重要な役割を果た
 した」ことを見逃さなかった(注29)。中国のタカ派も同じ考えらしく、アメリカはすでに複
 数政党による民主的な選挙と自由市場の導入に未来の中国市民のリーダーになる人々を誘導し
 ようと取り組みはじめている、という懸念をたびたび書いている(注30)。2013年10月、
 中国のタカ派は別の懸念を明らかにした。

  それは、アメリカはゴルバチョフのような中国人、要するに、一党支配を終わらせる統率者
 を探し求めているというものだった。タカ派が中国の統率者を信用していないことは、201
 3年10月に発表された『音なき対決』という90分の映画に見てとれる(注31)。タカ派は、
 文官の指導者が、中国の複数政党支配と民主主義への移行を望む西側の指導者の影響を受ける
 ことを危惧している。

  オンラインでのインタビューに応じた羅援少将は、CIAの計画について語った。それは、
 中国軍の報道を傍受して「タカ派」を特定し、その名前を文官の有力なリーダーに教えて、降
 格か処罰を促すものだ。羅少将のインタビューでは、この計画が実行された三つの例を挙げ、
 それを喜ぶ者としてわたしの名前を挙げた。彼に名指しされたことは何とも思わないが、その
 ような計 画は存在しない(注32)。




  実際には、アメリカや西側諸国は、そのような中国の共産党支配を終わらせようとする共同
 作戦などは行っておらず、中国の民主主義化を支援するためのアメリカの歳出は、年間5千万
 ドルに満たない(注33)。実のところ、アメリカ政府は中国に市民社会を誕生させようとする
 計画をいくつか持っているが、いずれも資金不足で規模が小さく、また、CIAが関わってい
 るわけでもない。アメリカ労働総同盟・産業別組合会議や商工会議所、民主党、共和党など、
 アメリカの機関が、政府の資金を使って冷戦時代から進めてきた計画が少なくとも六つある。
 それらは亡命者だけでなく、中国国内のさまざまな機関に資金を提供している(注34)。

  アメリカ国務省は、中国における「法の支配」と「市民社会」を発展させるために、さらに
 多くの計画に資金を提供すべきだ。例えば、刑法の修正、選挙で選ばれた村の役人の教育、裁
 決の向上、裁判官の独立性の支援といったことを、法的にも技術的にも援助していくのである
 (注35)。十分な資金があれば、選挙の監視、地方の選挙制度の整備、予算や政策決定の監視
 の向上も支援できるだろう。また、独立した非政府組織の権限を強めるための計画も進める必
 要がある(注36)。

  民主化を進める戦略と並行して、経済の自由化についても、中国が自ら進めることをあてに
 せず、本気で進めていかなければならない。例えば、アメリカ議会の資金は、全米民主主義基
 金や国際民間企業センターを通じて、民間のシンクタンク、北京天則経済研究所(注37)を支
 えている。同研究所は米中投資協定の締結を推奨してきた(注38),その協定は、「ナショナ
 ル・チャンピオン」を含む国有企業の優位性を縮小させるだろう,中国の強制労働の慣行にも、
 中国のNGOと、アメリカが資金援助する団体が関心を寄せてきた(注39)。



  アメリカ政府は、国内の中国に関する議論に関して、消極的だったり、無知だったりしたわ
 けではない。実のところ、これまでにさまざまなことに取り組んできた。1980年代には、
 ジョージ・シュルツ国務長官が中国に対して、核拡散を防ぐための国際規範に従うよう要求し
 た(注40)。また、アメリカ政府は、核兵器不拡散条約(NPT)への加盟をしぶる中国政府
 の姿勢を変えるために組織を立ちあげ、政府内の人間を教育することに力を貸した(注41)。
 ジョセフ・バイデン上院議員は中国を「国々のコミュニティのなかで急速に斧猛な大国になっ
 ていく」と評し(注42)、中国が核拡散防庄に同意し、実行しなければ、最恵国待遇を取り消
 すべきだと政府に要求した。

  アメリカ政府の交流プログラムは、マッカーサー基金やフォード財団などの民間の国際支援
 団体と1を結び(注43)、中国の軍縮を支持する団体を財政的に支援し、その能力を強化する
 取り組みを始めた(注44)。そして中国では、外国からの圧力と財政支援が推進力となって、
 企業が禁じられた技術を輸出することを監視し防止するための中国初の輸出管理体制が生まれ
 た(注45),



  アメリカ政府は常に消極的で中国国内の論争に気づかない、というわけではない。習近平は
 憲法の遵守に前向きな姿勢を見せ、「いかにして権力をオリに閉じ込めるか」という表現を用
 いて議論に火をつけた,憲法学の教授である張千帆が起草した請願書には、72名の学者が署
 名した,張は、中国の憲法は「いかなる組織も個人も、憲法と法を越えた特権を享受すること
 はできない」としている、と指摘した。この一文を遵守しようとすれば、現在の共産党による
 独裁的支配は、厳しく制限されることになる。習が憲法制定30周年の記念日に、「憲法は国
 民が自らの権利を守るための法律上の武器であるべきだ」と述べたことに後押しされ、議論は
 さらに続いた(注46)。ニューヨーク・タイムズは2013年2月3日に、共産党と国家機関
 の分離と、一層の市場改革を求めて「憲法遵守の必要性を訴えたことをはじめ、習主席の最近
 の談話は、改革を求める人々を鼓舞した」と報じた(注47)。これはまさに中国政府のタカ派
 が恐れているニュースである。この目的を達成するために、アメリカは傍観者ではなく協力者
 になるべきだ。

 Feb. 3, 2013

 【第12段階】中国のタカ派と改革派(修正主義者)の議論を監視し支配する

  中国は、アメリカに対する冷戦戦略を推し進めているため、アメリカ政府のさまざまな派閥、
 すなわち中国政府の支持者、懐疑的な人、操りやすい人、マラソン戦略を知っている人を注意
 深く監視している。アメリカは、この点において過去にはうまくやっていた。冷戦時代、アメ
 リカはソ連共産党政治局のさまざまなメンバー、つまりアメリカとの協調を主張する人、アメ
 リカを追い越すべき危険なライバルと見なす人の活動を監視するために、時間と技術と人員を
 注ぎ込んだ。しかし、中国に対して、アメリカはかなり遅れをとっている。

  中国政府の繊細な国内問題に関する、さまざまな立場の人を理解することがきわめて重要で
 ある。マラソン戦略が急速に進んでいるとはいえ、中国政府は一枚板ではない。タカ派が多数
 派なのは確かだが、周辺には今なお、改革や自由化を純粋に擁護する人もいて、彼らは中国が
 アメリカ風のモデルに近づくことを望んでいる。そういう人々がいるのだから、それが誰であ
 るかを突きとめ、支援しなければならない。問題は、アメリカの情報コミュニティが真の改革
 者が誰であるかを(紛らわしい改革論を主張する指導者たちと区別して)突きとめるための投
 資をしていないことだ。これは、情報機関の大きな課題だ(注48)。

  この課題は、かねてより存在していた。1980年代のカーター政権時代に、マイケル・オ
 クセンバーグはわたしを国家安全保障会議の集まりに招いた。オクセンバーグが国家安全保障
 問題担当の大統領補佐官ズピグネフ・ブレジンスキーに宛てて書いた極秘の覚え書きについて
 話し合うためだ。その覚え書きは、中国に関する諜報活動は非常に貧弱なので、1979年に
 イラン国王が失脚したときに「イランで犯した諜報上の大失敗を再び起こしかねない(注49)」
 と警告するものだった。その後数年間にいくらかの進展はあったが、大きなものではなかった。

  1996年に行われたアメリカ議会での証言で、元駐中大使で27年間CIAに勤務したジェ
 ームズ・リジーが問題の大きさについて次のように述べた。「中国には、2500年前に書か
 れた『孫子』に「力を隠し、無力なふりをせよ』という言葉があります。中国の予算、ソビエ
 トから得たもの、技術の移転、戦力投射能力、これらすべてが秘密にされています。それを知
 るには、秘密情報の収集活動と、諜報技術によるしかありません。けれども、最も重要なのは
 常に人間の働きです(注50)」

  天安門の虐殺事件から12年後の2001年8月に、リリーは議会の委員会で、一番残念に思
 うのは、中国がどこまで民主化したか、抗議が共産主義政権の崩壊にどれだけ近づいていたか
 を明かす中国語の文書を理解するのが10年遅かったことだ、と語った10年前にそれを知っ
 ていれば、中国政府の首脳部にだまされて味方になるのではなく、ジョージ・H・W・ブッシ
 ュ大統領を説得して、本物の改革論者を支持して強硬に介入したはずだ、と元大使は続けた
 (注51)。

  中国の近隣諸国に対するアメリカの意図について、中国のタカ派と改革派の読みはまったく
 異なる。タカ派はアメリカの動きのすべてを、中国を包囲しその脅威を制圧しようとする囲碁
 の作戦のようにとらえている。この数年で最も重要な動きと見られているのは、オバマ大統領
 の2012年11月のミャンマー訪問と、翌春のミャンマーの指導者らのアメリカヘの答礼訪
  問だった。実際、ミャンマーはアジアにおける米中競争の主眼になっており、ニューヨーク・
 タイムズがその年の初めに書いたように、「アジアで勢いを盛り返したアメリカと、軍事力と
 経済力をかつてないほど誇示する中国は、経済的に苦しんでいるものの戦略上重要な位置にあ
 るミャンマーに気に入られるために、できることは何でもしている(注52)」。

 May 17, 2012

  2013年、わたしはヤンゴンのアメリカ大使館を訪れて、友人のデレク・ミッチェルと会
 った。彼は二十余年ぶりに置かれることになった駐ミャンマーアメリカ大使に任命されたばか
 りだった(注53)。ミッチェルとわたしは1996年に国防総省で一緒に働いたが、そのとき
 肢は、最初で最後となる国防総省の「東アジア戦略評価」を起草した。近年では、オバマ政権
 下でアジアヘの方向転換を促す戦略の立案に加わった。国防総省を辞した彼は、自ら志願して、
 この地政学上のホットスポットで大使として働くことになった。ミャンマーでは、人権保護の
 促進に特に関心を寄せていた。

                                    この項つづく  


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