Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar,2012
【白蟻と片道切符:その2】
昨日のその1で、この問題に関わる場合の基本的な視点を整頓。今回はまず「新国立競技場に始まり、
建設費の膨張が目立つ東京オリンピック。膨らむ予算の原資が、都民の税金となれば、厳しい精査が必
要なのは言うまでもない。五輪を仕切る大会組織委員会の森喜朗会長と受注業者はどのような関係なの
か}(「週刊文春」16.09.15号)との設問を以下のように俯瞰してみる。
9月2日、都庁で開かれた東京五輪・パラリンピックの重要事項を協議する調整会議。この日で12回
目を迎える調整会議がそれまでの森喜朗会長(79)から小池百合子都知事(64)に座長が交代し、会議
が初めて報道陣に公開され、同会合で森五輪組織委員会々長は「築地市場を通る環状二号線の工事は、
五輪に間に合うようにきちんと着手できるのか」と釘を刺している。
「以前(所属していた派閥の)清和会の会合で、環境大臣を勝手に受けたと面罵されました。総裁選に
も勝手に出馬した。私は旧来の派閥のお作法に関心がないので、(森氏の)お叱りの対象になるのでし
ょう」と言う関係にあるという小池新知事の関心は、①五輪予算の透明化、②五輪事業を巡る都議会の
古参内田茂都議(77)と五輪組織委員会の森会長の影響力の排除、③
※99年の都知事選頃から内田―森結びつく。森会長が明石康元国連事務次長を擁立するが内田都議は
これを支援、石原慎太郎元都知事当選。森会長は五輪招致を悲願とし 五輪のメインスタジアムの霞
ケ丘と競技場の建て替え、神宮外苑の再開発を主張、石原元都知事は、メインスタジアムを臨海部建
設を主張し臨海案で挑んだ16年招致はリオに敗退。再挑戦の20年招致で、森の国立建て替え案が
浮上。
だが、国立建て替えには、①神宮外苑が、風致地区指定に該当、建築物には15メートルという高さ
制限があり、13年6月、都は容積率を緩和し、高さ制限を75メートルに改訂。新国立建設を中心
とした神宮外苑が再開発可能となるが、この計画に内田都議が協力し、新国立案で挑んだ20年招致
が成功。組織委は政府や都、財界ほか関係団体と共にオールジャパン体制の中心となる組織。その会長
に治まるが安倍晋三首相にはスポンサーを集められる財界人が念頭にあったとされる。