人間自身もそうですが、すべてのものは善と悪を併せ持っています。
どちらの面が強く出るか、それだけの話です。物事のいい面だけを
見てもいけませんし、悪い面だけを見ても不十分です。
Takaaki Yoshimoto 25 Nov, 1924 - 16 Mar,2012
【地震予知工学の此岸:電離層の電子量変動観測で予知】
どの時点からの時間軸の範囲の議論は別として、「地震(もしくは海洋性地震)予知でき
る」とわたし(たち)は考えているが、その1つの手法として電離圏の電子数変動観測に
によるもので、9月30日、東日本大震災やその前後にあったマグニチュード(M)7・
0以上の地震が発生する20分~1時間ほど前に、上空300キロ付近の「電離圏」で電
子の数が増える異常があったことが京都大の梅野健教授(通信工学)のチームの分析で判
明し、米専門誌に30日発表。チームによると、M8・0以上の地震で電離圏の電子数が
増えていることは知られていたが、チームの手法は従来法と違い地震後のデータとの比較
が不要で、分析速度を上げられれば地震を予測できるという。梅野教授は「現在はパソコ
ンでの分析に時間がかかるが、将来は地震の警報システムに生かせるのでは」と話してい
る(東京新聞 2016.09.30)。
「11年東北地方太平洋沖地震前の全電子量異常値の相関分析」("Correlation Analysis for
Pre‐seismic Total Electron Content Anomalies around the 2011 Tohoku‐Oki Earthquake", JGR:Spa-
ce Physics, 10 September 2016, DOI: 10.1002/2016JA023036)によれば、衛星測位システムに
よる電離層内の全電子量(TEC)を(1)先ず、数時間処理し、衛星測位システム(GNSS)
の観測局の多項式関数で時系列モデル化する。(2)次に、数分間の遅延時系列モデルと
の逸脱する予測誤差を計算し、全電子量異常と定義する。(3)最後に、異常観測局とそ
の周辺の観測局間の相関を計算した。従来のスペクトラム拡散とS/N比改善の超長基線
電波干渉法(VLBI)を適用させることでノイズ除去達成する。結果、3月11日の東北沖
地震(マグニチュード9.0)の3月9日の前震20分前と4月7日の余震(マグニチュー
ド7.3)の40分前に異常検出すること成功(実証)する。この方法はマグニチュード7
以上の比較的短時間の範囲で予知として有効であることがわかる。
出典:村田製作所
● 津波予知工学の此岸:世界初、複合音波センサで感知
これに対し、8月25日、高知工科大学が開発した津波検知用のセンサが高知県幡多郡黒
潮町の5カ所に試験的に設置され、観測が始まっている。津波発生時に生じる音波の一種
「インフラサウンド」を捉え、津波対策に役立つ。インフラサウンドだけのセンサーは前
例があるが、今回のものは地震計や気圧センサーなどを組み込んだ津波観測用の複合型で、
世界初。インフラサウンドは地震や津波、雷などの際に発生する。人間には聞こえない低
周波で、数千キロ離れていても空気中を伝わるのが特徴。 センサーは約25センチ四方
の箱形で、24時間観測する。水面の高さが変わることで生じるインフラサウンドを感知
するとともに地震波を捉え、南海トラフ地震が発生した際には津波の規模や方向を予測で
きる。従来の観測方法を補完し津波警報の精度向上するとみられる。
開発したのは高知工科大学の山本真行教授(地球物理学)。04年からインフラサウンド
が津波検知に役立つと着目し、学生と研究を続けた。最近10年は千葉県の電子装置メー
カー「サヤ」と共同研究。16年、セコム科学技術振興財団の助成を受け、設置が実現。
全国で最も高い津波高が想定されている黒潮町は津波防災の関心が高く、光ケーブルの整
備で通信網が整っていることから設置場所に選ぶ。
Can electric signals in Earth’s atmosphere predict earthquakes? ↑
● 津波予知工学の此岸:世界初、海洋レーダー感知
今月29日、名古屋大学の田所敬一准教授らの研究グループは13年から3年間、和歌山
県新宮市の約百キロの沖合いの海底の動きを調べてきました。その結果、トラフ軸(海溝
軸)の近くにも歪みをためていそうだ、陸に向かって押されてそうだ、ということがわか
ってきたと話す。「トラフ軸」とは一般的には「海溝軸」と呼ばれているが、フィリピン
海プレートが陸側のプレートに沈み込む境界付近のこと。そこに歪みが溜まると、静岡県
の駿河湾から九州の東まで続く南海トラフの周辺では、100年から150年の周期で、
M7、8クラスの巨大地震が繰り返されてきた。巨大津波は駿河湾が震源の東海地震、そ
の西の、三重県沖までを震源とする東南海地震、そして四国沖までを震源とする南海地震
の、3つの地震が単独あるいは連動して起きたときに発生すると考えられてきたが、連動
することが3・11の東日本大震災でわかったのである。
ここで注目されているのが、海洋レーダー。50キロ離れた沖合の海面の流れを観測して、
津波の発生をいち早く検知し、避難時間を確保する技術を開発したと、三菱電機が昨年2
月17日発表。現在、津波観測に使われている光学センサーや周波数の高いレーダーでは
20キロ以上離れると観測できない場合がある。三菱電機が99年から開発してきた「海
洋レーダー」は、周波数が短く、50キロ先の沖合の流れを捉えることが可能だ。しかし、
本来は津波を監視するために開発されたレーダーではないため、津波が発生しても、海流
や潮の満ち引きと区別できなかっが、通常の海流を除去し、津波に関わる部分だけを抽出
する技術を開発。津波発生時に沖合で通常と異なる速さの波ができると、レーダーが検知
して、波の速さや地形データ、潮流などから津波の規模、到達時間を正確に予測すること
が可能になる。これも、ブログ掲載しているので参考されたし。先を急ぐ。
● 海底地殻変動観測工学の此岸:GPS/音響測距結合方式
このプレート歪みを観測方法のGPS/音響測距結合方式については、ブログ掲載済みだ
と記憶しているが、お温習いするしておこう。陸上では、GNSSの普及により、地殻変動観
測が広く、かつ密に行われている(例えば、地震科学探査気候:JESEA)。しかし、海底で
の地殻変動観測は技術的に難しく、これまでほとんど実施されいない。例えば、GPSの電
波や光は海底までは届きませんので、ある海底の地点の位置を決定するためには、測量船
を介して、GPSで測量船の位置を決定する(GPS測位)とともに、 音波で測量船と海底の
点との距離を測る(音響測距)、というように電波と音波を組み合わせた複雑な観測シス
テムが必要で、音響測距では、測量船―海底間の音波の往復伝搬時間から距離を求めてい
る。そのためには海中の音速度(音波の伝わる速さ)を知ることが必要で、 この音速度は
水温や塩分濃度によって変化、時々刻々と変化する海中の音速度を、時間的・空間的に正
確に把握することが難しかった。
海上保安庁は、「GPS測位」と「音響測距」を結合した手法による海底地殻変動観測システ
ムを構築し、さらなる技術開発・海底基準点の展開及び観測を実施し(観測手法のアイデア
は、米国カリフォルニア大学サンディエゴ校スクリップス海洋研究所のSpiess教授による)。
音響測距観測のシステムは、上図のようになる。各観測点にはその海域の水深程度の範囲に
広げて複数の海底局を設置、その海域で測量船を用いて観測を行うというもの。ブログで掲
載した改良案は(1)自律型ブイで定点静止させる。(2)音波をトリトン波(鋸波)のよ
うなものに変更し精度を上げるというような点を掲載したと思うが(時間がないので後で確
認)、それ以外に、各海底局を海底ケーブルでネット網を形成、時系列で歪み電位変化量を
GPSと結合させ観測しする方式も考えられる(要特許申請)。
※ 富山東部、小規模地震4百回超 8月以降(東京新聞 2016.09.20)
【折々の読書 齢は歳々にたかく、栖は折々にせばし】
● 朝日新聞「迫る2025ショック取材班」
『日本で老いて死ぬということ』2
[目次]
はじめに
第1部 日本で老いて死ぬということ
第1章 生きがいの喪失と回復
第2章 難しい「平穏な在宅死」
第3章 口から食べたい
第2部 介護の現実~在宅・施設それぞれのリアル
第4章 三人介護
第5章 遠距離介護
第6章 ダブルケア
第7章 虐待を防ぐ
第8章 在宅でみる
第9章 訪問看護師の力
第10章 特養で看取る
第3部 老いは地域社会で見守れるか
第11章 地域で暮らす
第12章 コミュニティ再生
最終章 未来へつなぐ
おわりに
第1章 生きがいの喪失と回復
孤独感募らせ、高齢者がうつに
2016年1月中旬の夜、川崎市中原区にある木造2階建てアパートの一 室,独り
で住む笹沼松fさん(78)は、精神科の長谷川洋医師(45)の訪問 診療を受けていた。
うつ病を患っていた。
「家の前の踏切に行くと、いっそ飛び込もうかと思ってね……]。笹沼さんが、ぼそっ
と言った。
「今の状況はつらいですよね,でも、そう言わないで、一緒にやっていきましょう」。
長谷川医師は優しく語りかけた。数年前から、笹沼さんは「おなかが張る」「目が痛い」
といった症状を訴え、内科クリニックや専門病院を受診した。何度も検査をしたが、結
果は「異常 なし」だった。
2012年3月、長谷川医師のクリニックを紹介され受診した。長谷川医師は「仮面
うつ病」を疑った。うつの症状が、体の痛みに現れるタイプだ。お年寄りに多いという,
抗うつ薬や抗不安薬を処方したが、あまり改善しなかった。笹沼さんは60歳すぎまで働
いた。ラーメン屋や雀荘を経営し、ほとんど休みなく働いた。雀荘では客の徹夜マージ
ャンにつき合い、朝ご飯を作ってあげたこともある。コツコツためたお金で、長男らに
車をプレゼントした。めまぐるしい日々だったが、「周りの人たちを支えること」に充
実感があった。
夫に先立たれ、数年前には、頼りにしていた長男が騨臓がんのため、亡くなった。
「今でも、息子とパチンコに行く夢を見るんです」と笹沼さん。毎朝起きると、線香を
あげ、長男の写真に「おはよう」と声をかける。最近は、親族ともほとんど連絡をとっ
ていない。2016年の正月も独りで過ごした。
「体さえよけりや、また働くんだけどね」,今も、内科クリニックや病院に通い続ける
が、症状は思うように改善しない。
長谷川医師は、こう指摘する。「笹沼さんは猛烈に働きお金を稼ぎ、周りの人にふる
まってきた。元々『支える厠』だった人が、今はそういうことができないのは、つらい
と思う、そこに息子さんの死が、追い打ちをかけた」
2015年初め、長谷川医師は、地域包括支援センターの担当者と相談し、笹沼さん
にデイサーピスでマージャンをするよう勧めた,そこで「仕切り役」をしてもらい、昔
の雀荘時代のことを思い出してもらおうという意図だ。
笹沼さんは最近、マージャンの解説本や小説を読みだした,以前は、本を読む気力も
なかった。一歩ずつだが、笹沼さんは前に歩き始めている。
仮面うつとは、専門医でさえも見間違えるほど、「まるでうつ病が他の病気のマスク(仮面)
をかぶっているかのように見えてしまう」ことから、『仮面うつ病』という名が付けられた
という。老人性うつなら経験しているぞ。体験から言うと沈鬱で寡黙になり、割ることばか
りしか考えなくなるというもので、体調不調や疲れからくる。だから、強めのお酒を飲むこ
とにし気分転換する。余り酷いと、自分の頬を叩き相撲取りのように鼓舞する。体力があれ
ば腕立て伏せを軽くする。要するに気分転換だが、生き甲斐を見つけることが一番。「楽隠
居」などは寿命を縮める。
そこで、仮面うつ病の本質はうつ病であり、「内因性うつ病」であることがほとんど。内因
性うつ病は、「ストレス・環境」などの外的要因ではなく、「遺伝・体質」などの内的要因
が主な原因となって生じるうつ病で、メランコリー親和型の性格傾向を持つ人に多いという。
・秩序や規則を重んじる
・完璧主義で責任感が強い
・他者との衝突を避ける
このような性格傾向を持つ方は、「自分に厳しい」方が多いようです。そのため、自分自身
が
・落ち込み
・興味を持てない
・やる気が出ない
・集中できない
などの精神症状が出現していること、精神的弱さをさらけ出すことが耐えられないため、行
き場を失ったストレスが身体症状として現れているのではないかと考えられると指南されて
いる。特効薬はなさそうだが、自殺に追い込まれることもあり要注意(わたし体験から)。
この項つづく
Let's push up !
アニマルズ 朝日のあたる家
The Ventures : House of The Rising Sun ↑
ちあきなおみ
アニマルズ(The Animals)は、英国のロックバンドである。60年代半ば、ビートルズなど
と共に世界的に人気を博す。米国では、いわゆるブリティッシュ・インベイジョンの代表
格。アメリカのブルースに根ざした作風が特徴的で、ロックシーンにも多大な影響をもた
らしたバンドである。60年代後半には、サイケデリック・ロック的な作品も発表。63
年、英国のニューキャッスルでエリック・バードン(ヴォーカル)、アラン・プライス(
オルガン、ピアノ)、ヒルトン・ヴァレンタイン(ギター)、チャス・チャンドラー(ベ
ース)、ジョン・スティール(ドラム)の5人で結成。ライブがあまりにもワイルドだっ
たため、観客から「Animal!」という声かかったことがバンド名の由来となる。音楽性はブ
ルース色が非常に強く、ジョン・リー・フッカーの「Boom Boom」などをコピーしている
。対照的に、シングル曲にはヒットを意識してブリル・ビルディング系の作曲家の作品が
多く取り上げられる。この「The House Of The Rising Sun(邦題は「朝日のあたる家」)」
――米国トラディショナルなフォーク・ソング。Rising Sun Bluesと呼ばれたりするが、娼
婦に身を落とした女性が半生を懺悔する歌で、暗い情念に満ちた旋律によって注目された
。"The House of the Rising Sun" とは、19世紀に実在した娼館、または刑務所のことを指
すといわれている(確証なし)。「朝日楼」とも表記――は最大ヒット曲となる。これは
米国の伝統的なフォーク・ソングを、ブルース的な解釈でカバーしたもので、「朝日のな
い街」は、全英2位に輝き、ヴァン・ヘイレンなどもカバーする。因みに、同じ時期に活
躍していたビートルズとも仲が良かった。また、チャス・チャンドラーは、ジミ・ヘンド
リックスを見出している。
※ Bob Dylan - House of the Risin' Sun (1962)
いつも、ど素人からはじめていたのだが、素人が地震予知などに手をだすんじゃない!?
もう、へろへろだ。