我庵は松原つづき海近く 富士の高嶺を軒端にぞ見る
太田 道灌
気象衛星「ひまわり9号」を搭載したH2Aロケット31号機打ち上げ成功!
【日本/アメリカ 新時代:デタッチとは何か】
なにげなくというか、昨夜ネット検索していると、「デタッチ( detach )」という言葉に漂着する。意味は、分離する、
切り離す、取り外す、派遣する、などの意味を持つ英単語。対義語は「アタッチ」(attach)。特に、ソフトウェア開発
で、デバッガなどが監視・制御の対象としていた(アタッチしていた)実行中のプログラム(プロセス)を監視下から
外すことを「デタッチする」という。データベース管理システムなどで、管理しているデータベースファイルをシステ
ムの管理下から切り離すことをデタッチという。特定の形式のデータベースをファイルの形でコピー・配布したい
場合などに用いる。ファイルの形で手に入れたデータベースをシステムの管理下に置く操作はアタッチという。ア
タッチの対義語は映画やTVでお馴染みの「アンタッチブル」。
一言で言えば、村上文学はノーベル賞を受けてもいい、機は熟した、そのように思うのです。今回
はダメでしたが、受賞にはかなり近づいているのではないかと思います。そこには、2つ理由があ
ります。
1つ目は、この世界に距離を置く「デタッチメント」という生き方の意味です。村上文学が日本で
読まれ始めた1980年代から、人気が世界に拡大した2010年代までというのは、経済成長の結果とし
て生まれた「豊かな世代」が、経済成長に「コミット」して上の世代が作ってきた世界への違和感
を持ちはじめた時代でした。
その違和感が、村上文学の持つ「この世界への違和感」とシンクロする中で、世界的に爆発的な人
気を獲得してきたのだと思います。ですが、そうした読まれ方は悪く言えば「豊かさの帰結」とし
ての貴族性であり、一歩間違えば高等遊民の思想に近いものとなる危険をはらんでいました。
『ボブ・ディラン受賞の驚きと、村上春樹の機が熟した2つの理由』
冷泉彰彦、ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト、2016.10.14
このコラムの執筆者の冷泉彰彦(れいぜい あきひこ 1959.06.22 - )は、アメリカ合衆国の教員、作
家、翻訳家、鉄道評論家。東京大学文学部卒業。コロンビア大学修士課程修了。プリンストン日本語学
校高等部主任で本名、前田文夫である。その彼はこのコラムで、日本のある時代においては「就活」の
中で、「村上春樹のファン」を自称する学生は「評価しない」という会社があったそうですが、その良
し悪しは別として、経済成長へのコミットという生き方とは、村上文学の持つ「デタッチメント」とい
うのは、相性は悪かったわけです。村上文学の本質がそうかという点は別として、そのような読まれ方
がされた時代だったのでした。と書いた上で村上のを次のよう評価する。
ですが、現代は違います。日米欧をはじめとした先進国では、その経済は新しい段階、すなわち知
的な創造力が求められる時代になってきています。企業共同体などの集団に「コミット」するよう
な前世紀的な思想ではなく、一人ひとりが世界の現状と変化に距離を置きつつ冷静な見通しを持っ
ていく、そのような生き方が実現されなくては、全体の成長も不可能という時代に突入しているの
です。部分的には中国の社会もその段階に入りつつあります。
それは村上文学が保守本流になり、時代に追いつかれたということではありません。村上文学は、
さらにその先へと走り続けています。ですが、村上文学の持っている「デタッチメント」すなわち、
この世界に距離を置くことから生まれる、個人の自立した姿、無自覚な依存を拒否する生き方とい
うのが、現代はますます重要な考え方になっている、そのことは間違いないと思うのです。
第2の理由は、紛争とその解決という問題です。2009年にイスラエルで行われたエルサレム賞の受
賞式で、村上春樹氏は「卵と壁」というスピーチを行いました。また、2011年の福島第一原発事故
以降は、村上氏は原子力の平和利用への反対という立場を明確にしています。
『ボブ・ディラン受賞の驚きと、村上春樹の機が熟した2つの理由』
冷泉彰彦、ニューズウィーク日本版 オフィシャルサイト、2016.10.14
このように述べ、あらゆる対象に「デタッチメント」を貫いてきた村上が、パレスチナや反原発運動に
連帯するという、単純な「コミットメント」の立場ではなく、イスラエルの「壁」は、これは万里の長
城や、ベルリンの壁、あるいはトランプの夢想する「メキシコ国境の壁」とは根本的に違い、イスラエ
ルのそれは、複雑な「入れ子構造となっている」その入植地をテロから守ると称して作られた複雑な壁
であり、その撤去を行うには西岸地区における両民族の共存を可能にする厳格な法体系と、共生のルー
ルがなくては成立しないとし、また「卵」というのも単純な話ではなく、パレスチナ人が卵や石を投げ
る平和的な抗議とではなく、火炎瓶や自爆テロも伴い、イスラエル側の行動も実弾射撃から戦車隊の投
入へとエスカレートし、そのような複雑な紛争を解決に導くには、「一方が善で他方が悪」だというよ
うな原理主義的な思想ではなく、粘り強いリアリズムを前提としている(はず)だ。あるいは、エネル
ギー政策も同様で、原発に対して最初から否定する態度も、また依存を前提に行動する態度もどちらも
合意形成能力には乏しく、目に見えない放射線に対して人間が本能的に抱く危機回避行動を甘く見ない
一方で、絶望的に資源のない国家が、温室効果ガスの排出抑制という地球規模の使命を果たすためには、
どんなエネルギーの「ミックス」が適正なのかは、極めて複雑な議論を要求するとと援用し、現代の社
会的課題、国際的な紛争、「複雑系」として存在するがゆえ、「一方の立場にコミット」してしまう態
度では、もう問題解決が不可能で、世界に対して距離を置く「デタッチメント」の思想というのは、別
の意味での重要な価値が出てきていると結ぶ。ここで、その思想が、「デコンストラクション」(脱構
築)や「ポストモダン」の思想とどこが異なるのか?あるいは、「絶望的に資源のない国家」という先
入観で思考停止せず「再生可能エネルギー技術」で突破を試みるわたし(たち)の考え方と どのよう
に違うのか違わないのか明確でないという疑問を払拭させるには不十分である。ともあれ「デタッチメ
ント」が「アドホックなキルケゴール」の思想と相似していると認めるならこの蟠りは消失するであろ
う。
● テスラ「発電する屋根」を開発
いよいよ、電気自動車ベンチャーのテスラが、16年10月28日(現地時間)、住宅用の屋根タイル
と一体化した太陽光パネル「Solar Roof」を発表。同社が買収手続きを進める米国の太陽光パネルメーカ
ーソーラーシティと共同開発した製品で、17年夏から米国で生産を開始する。最も、瓦型ソーラーパ
ネルは旧三洋電機(現在、パナソニック)が世界で初めて開発しているが、テスラの説明では下図の価
格別商品シリーズを準備――Solar Roofの最大の特徴は太陽光パネルに見えないという点。主に強化ガラ
ス、ルーバーフィルム、高効率太陽電池セルの3層で構成されており、屋根に設置しても遠目からだと
一般的な屋根タイルのように見える。現時点では4種類のデザインを公開(下図)。尚、変換効率は、
22%と高性能。
テスラはSolar Roofとともに、新型の定置型蓄電池を発表した。家庭用の蓄電池「Tesla Powerwall」、業
務用蓄電池システム「Tesla Powerpack」のそれぞれについて新型モデルを用意。新型の「Tesla Powerwall
2」は容量14kWh(キロワット時)のリチウムイオンバッテリーパックを搭載。従来モデルの容量は 6.4
kWh で、容量は2倍以上に増加した。さらに温度管理システム、統合型インバーターなども統合、価格
は5500米ドル、日本円で61万7000円。同年8月にソーラーシティとの合併の合意に関する声明の中でも
この戦略を強調している。今回発表したSolar Roofと新型蓄電池が住宅向け市場を開拓していく上での主
力製品となっていく。さらに既存事業の電気自動車を組み合わせ、「太陽光パネル・蓄電池・電気自動
車」の3つをセットにした、統合的なエネルギーソリューションの提供を武器に市場開拓を進める狙い
をもつ。
こうしたテスラの戦略の中で、重要なパートナー企業となっているのがパナソニック。両社はリチウム
イオン電池の生産について既に提携を進めているが、さらに16年10月18日には、テスラがソーラ
ーシティを通して傘下に置くバッファロー工場での太陽電池セル・モジュールの生産についても協業の
検討を開始すると発表。パナソニックは結晶シリコン基板とアモルファスシリコン膜を組み合わせた独
自のヘテロ接合型の高効率太陽電池「HIT」シリーズを強みとして持つ。こうした技術がSolar Roofに直
接適用されるかは不明だが、パナソニックの技術力とテスラの販売力を組み合わせたシナジーによる市
場開拓に向け、着実に提携領域は拡大するとみられる。
ただし、この太陽電池生産における提携については、テスラによるソーラーシティの買収が完了するこ
とが条件となり、テスラはソーラシティ買収で製品販売におけるコストを最初の1年間で1億5000万ドル
削減できると見込むる。今後の事業収支や販売ネットワークの強化などにも影響するものであり、テス
ラとしては早期にこの買収を完了したい考え。買収が遅れれば、製品開発や生産計画に影響が出る可能
性もある一方、この買収については株主から疑問視する声も挙がっている。今回の新製品の発表は、ソ
ーラーシティの株主に両社のシナジーをアピールし、買収手続きを前進させる狙いもある。この買収に
関する投票を行うソーラーシティの株主総会は、16年11月17日(現地時間)に予定している。
● 東芝 光で二酸化炭素をエチレングリコールに変換
東芝は、光で二酸化炭素をエチレングリコールに変換する光電気化学システムを開発し、エネルギー変
換効率0.48%を達成。電気化学的に二酸化炭素をエチレングリコールに還元する分子触媒の開発
を進め、今回、光起電力素子としてシリコン系太陽電池を用い、光で二酸化炭素をエチレングリコール
に変換する光電気化学システム。
分子触媒は金属表面上にイミダゾリウム塩誘導体を高密度に吸着させたものです。金属表面に吸着した
イミダゾリウム塩誘導体が分子上で二酸化炭素分子と相互作用をすることで、従来実現できなかった反
応を可能にしました。これは、分子触媒が、二酸化炭素の反応を促進するとともに、2電子還元反応よ
りも複雑な多電子還元反応の反応場としての役割を果たしているからと考えている。得られたエチレン
グリコールは、PETボトルやポリエステル繊維・樹脂の原料にも使用できる汎用性の高い工業原料。分子
触媒の吸着方法を見直して二酸化炭素還元の性能を向上させた電極を利用し、触媒が最も効率的に作用
するように光電気化学システムを制御した事により、光によるエチレングリコール生成が可能となる
(特許出願中)。
【琵琶湖ワイナリーへGO!:道灌物語を紐解く】
葡萄栽培に最適な土壌づくりを目指して、滋賀県栗東市浅柄野の広大な荒蕪地を開墾し、表土と底地を
取り替える天地返しの大工事を成し遂げた結果、見事完成した理想的な葡萄園が当、琵琶湖ワイナリー。
昼夜の温度差が激しく日照の良いブドウ畑で、除草剤をいっさい使わずに徹底した有機農法によリ丹精
こめた栽培している。琵琶湖ワイナリーとして数多くのワインを現在までに世に送り出している。ここ
で生み出されるワインは一流ホテルをはじめ、各方面から高い評価を受けているという。
永源寺のヒトミワイナリーにつづき、今度は琵琶湖ワイナリーを訪れよう彼女が提案。即決で明日現地
に出かける予定に。
ところで、ここの経営太田酒造で大田道灌(1432-1487)――室町時代中期の武将。資清の子。幼名は鶴
千代麿。源六郎と称し、持資、のち資長と改名。左衛門大夫,備中守,正五位下に任じ,入道して春苑
道灌と号した。父資清は武蔵国都築郡太田郷に住み,扇谷上杉氏に仕えた―――の末裔が営むというか
ら面白いではないか。
● 木曽駒ヶ岳残照記
ホテル千畳敷まで下山し、喫煙にデッキへでて、富士を眺望しながら、ケントメントールを吸っていた
時、年格好が60歳を超え五郎丸歩並み大柄の男性と今日の体験や計画のいきさつをわたしの方から話
しかけ、これで冥土への良い土産ができましたと結んだ。暫くするその方の奥様が来られたが、そのバ
ックパックがあまりにもベストヒットしている様を見て、よくお似合いですね、自分にぴったりしたバ
ックパックは疲労を感じさせないといいますが、よくお似合いですねと話かけると、彼女はでもここが
(背中とバックパックの間)空いているのよ。こうすることで汗を外部発散させているのようねと説明
してくれた。最近のスポーツ用品はハイクオリティーだと感心しホテル内に戻り、ロープウェイとバス
を乗り継ぎ下山し、管の台バスセンターに戻り、駐車場から出ようとすると、先ほどの男性が、窓越し
に、それは優しく微笑みかけ、別れの会釈を交わし駐車場を後にした。話はそれだけで終わらない。翌
朝、眼をさますとその男性の「優し微笑み」が心臓から五臓六腑に染み渡るかのように感じられ、目頭
が熱くなる。山を愛するひとたちはかくも優しく素敵なのかと初めての体験に感嘆し涙する。