31 心のふれあい――恋 / 沢山咸(たくさんかん)
※ 咸(かん)とは感、感応することである。心のふれあいなくしては
人間の社会生活は成り立たない。その社会の最小単位ヽ心のふれあ
いの典型、それが夫婦である。この卦の上卦(兌)は若い女、下卦
(艮)は若い男を意味し、女の足下に男がひざまずいて愛を求める
形である。若い男女は、ふれあえぼたらまら恋の火花を改らす。最
も感応しやすいところから、この卦によって感応の原理を示すので
ある。「咸」の原理は、夫婦から社会一般、さらには天地宇宙にま
で敷衍(ふえん)することができる。
● 地震予測 南関東周辺 依然レベル5
【グリーンインフラ時代とは】
グリーンインフラ(グリーンインフラストラクチャー)とは、自然環境の幅広い機能を
活用した社会資本整備や土地利用の在り方のことを表す概念で、欧米では10年以上前か
ら公共事業の都市戦略や環境政策の文脈で使われていたものの、日本国内ではほんの数
年前から普及。そのグリーンインフラが最近、急速に注目を集めている。15年に、国
施策に位置付けられる。8月に閣議決定された、今後10年間の国土づくりの方向性を定
める国土形成計画に、「グリーンインフラ」という言葉が初めて使われ、同年9月には
第4次社会資本整備重点計画で、持続可能な地域社会の形成に向けて、グリーンインフ
ラの推進を明記。16年5月に決定される。「国土強靭化アクションプラン2016」でも
防災・減災につながる施策としてグリーンインフラの推進が盛り込まれている(出典:
「社会問題を丸ごと解決「グリーンインフラ」」日経コンストラクション 2017.02.16)
● 横断的な取り組みを必要とする
グリーンインフラの指す具体的な事業内容は。「緑の公共構造物」だが、対象は緑化し
たインフラそのものに限らず、例えば、水循環の機能を持つ貯留・浸透施設もグリーン
インフラの一つ。そのほか、多自然川づくりや遊水地、屋上緑化、浄化能力のある湿地、
再生可能エネルギーなど、グリーンインフラを構成する要素は多岐にわたる(上図参照)。
ただし、これらの構造物を個別に建設するだけでは、従来の事業と何も変わらず、グリ
ーンインフラの実現には、地域全体の便益の最大化を目指して、複合的、多面的に計画・
整備することがカギを握り、河川整備を例に取ると、河川敷内で事業を完遂するのが従
来型だとすれば、敷地の内外をトータルデザインすることで、様々な効果を生み出すの
がグリーンインフラと言われる。従来、個別の事業で解決しようとしていた防災・減災、
雨水循環、生物多様性保全などの課題に対して、横串を刺して一挙に解決するような効
果を狙うため、従来と異なり、分野横断的な取り組みが必要となる(定義は、欧米でも
異なる)。
その特徴は、自然環境を重視する一方で、人工構造物の存在を否定するものではなく、
人の手がほとんど入っていない自然環境から純然たる人工構造物まで、非常に広範な対
象を包括するのがグリーンインフラの特徴である。下水道やコンクリート三面張りの河
川のような人工構造物は、水を流すことに特化した点で単機能かつ高効率だが、一方で、
植栽や土壌の浸透を活用した雨水管理は、水資源の保全や流出速度の遅延などの多機能
性を持ち、時間を掛けて生育しなければ十分な効果を発揮できない。そのため、両方の
利点を生かして最適に組み合わせる。防災・減災の分野では、両方の利点を生かした事
例がある。東日本大震災で、防潮堤と防風林が互いに機能を発揮して、津波の威力を軽
減したのは記憶に新しい。
結局のところ、グリーンインフラではこれまで以上に、土地の条件や環境に応じたカス
タムメードの事業が必要になるといわれ、地元事情に詳しい地場の建設会社にも活躍の
場が見込めそうだ。もちろん仕事の受注には、発注者や住民のニーズ、地域が保有する
自然資源を普段から把握しておく姿勢が必要になる。現状では、国内でグリーンインフ
ラを意識して実施した事業はほとんどないとされるが、地域産業に大きく貢献したグリ
ーンインフラの好例――洪水対策のために河川敷を切り下げただけでなく、コウノトリ
の餌場となる湿地や水田を並行して整備。コウノトリが実際に野生復帰したことと相ま
って、そこで育てた米にブランド品として付加価値をつけた。地域固有の自然資源の活
用が、地元に経済波及効果をもたらした――としてよく紹介される兵庫県豊岡市の円山
川で実施した自然再生事業もあり、乞うご期待ということになる。
【RE100倶楽部:最新熱電変換素子講座】
● 事例研究:特開2017-034199 熱電変換素子及びその製造方法
今まで廃棄されていた熱エネルギーを電気エネルギーに変換して再利用することが可能
になる熱電変換素子が注目されている。一般的な熱電変換素子は、上図のように、p型
熱電変換材料のブロックとn型熱電変換材料のブロックとを交互に並べ、それらのブロ
ックを2枚の伝熱板の間に挟んだ構造を有している。p型熱電変換材料のブロックとn
型熱電変換材料のブロックとは金属端子により電気的に直列に接続され、終端のブロッ
クには引出電極を接続したものであり、「温度差発電」とも呼ばれたりしている。
また、成膜技術を使用して、基板上に熱電変換材料の薄膜を形成する熱電変換素子の製
造方法も提案され、さらには、種々の金属酸化物のn型熱電変換材料及びp型熱電変換
材料が提案されているが、一般的に、熱電変換材料の特性は、性能指数Zと絶対温度T
との積ZTで評価される。性能指数Zと絶対温度Tとの積ZTは無次元性能指数と呼ば
れ、下記(1)式で表される。無次元性能指数ZTの値が高いほど、熱電変換素子の熱
電変換効率を高くできる。
ZT=((S2×σ)/κ)×T …(1)
ここで、Sはゼーベック係数(V/K)、σは電気伝導率(/Ωm)、κは熱伝導率(
W/mK)である。上記(1)式からわかるように、熱電変換材料には、ゼーベック係
数S及び電気伝導率σが大きく、熱伝導率κが小さいことが望まれる。しかしながら、
現状では、無次元性能指数ZTの値が十分大きな熱電変換材料がなく、熱電変換素子の
熱電変換効率を高くすることができない。このため、この開示の技術では、以下の、熱
電変換効率が高い熱電変換素子及びその製造方法が提案されている。
【要約】
熱電変換素子は、基板11と、基板11上に配置され、熱電変換材料からなる第1の層
12aと第2の層12bとを交互に積層してなる熱電変換部材12とを有する。第1の
層12a及び第2の層12bは例えばランタンをドープしたチタン酸ストロンチウムか
らなり、第1の層12aの平均粒子径は例えば数μm、第2の層12bの平均粒子径は
例えば数10nm程度からなる(参照図3)。
【符号の説明】
10…熱電変換素子、11…基板、12,13…熱電変換部材、12a…第1の層、
12b…第2の層、14…接続電極、15a,15b…引出電極、20…エアロゾルデ
ポジション装置、21…成膜室、22…噴射ノズル、23…ステージ、25…ステージ
駆動部、26…真空ポンプ、27…メカニカルブースター、31…エアロゾル発生部、
32…原料粉末、33…加振器、34…ガスボンベ
【実施するための形態】
以下、実施形態について説明する前に、実施形態の理解を容易にするための予備的事項
について説明する。
前述したように、熱電変換材料には、ゼーベック係数S及び電気伝導率σが大きく、熱
伝導率κが小さいことが望まれる。ここで、前述の(1)式は、次の(2)式のように
表わすことができる。
ZT=((S2×σ)/κ)×T =((S2×σ)/(κele+κpho))×T …(2)
但し、κeleは電子による熱伝導、κphoは格子振動(フォノン)による熱振動である。
電気導電率σ及びフォノンによる熱振動κphoの値は、いずれも熱電変換材料の粒子径
に関係する。図1(a)に示すように、熱電変換材料の粒子径を例えば数μm程度また
はそれ以上にすると、電気伝導率σの値は大きくなるが、フォノンによる熱振動κphoの
値も大きくなる。その結果、ZTの値を十分に大きくすることができない。
一方、図1(b)に示すように、熱電変換材料の粒子径を例えば数10nm程度に小さ
くすると、フォノンによる熱振動κphoの値は小さくなるが、電気伝導率σの値も小さ
くなる。その結果、ZTの値を十分に大きくすることができない。以下の実施形態では、
熱電変換効率が高い熱電変換素子及びその製造方法について説明する。
図2は、実施形態に係る熱電変換素子の一例を示す平面図である。実施形態に係る熱電
変換素子10は、基板11と、基板11上に交互に且つ相互に平行に配置された複数の
帯状のn型熱電変換部材12及びp型熱電変換部材13と、それらの熱電変換部材12,
13を電気的に直列に接続する複数の接続電極14とを有する。
また、熱電変換部材12,13の配列方向の一方の側(図2では左側)に配置されたn
型熱電変換部材12には引出電極15aが接続され、他方の側(図2では右側)に配置
されたp型熱電変換部材13には引出電極15bが接続されている。基板11は表面が
絶縁性のものであればよく、例えば石英板又はSrTiO3板等を使用することができる。
n型熱電変換部材12は、図3の模式的断面図に示すように、大径の粒子よりなる第1
の層12aと、小径の粒子よりなる第2の層12bとを交互に積層した構造を有する。
ここで、第1の層12a及び第2の層12bの粒子は、いずれも金属又は金属酸化物よ
りなる。実施形態では、第1の層12a及び第2の層12bの粒子は、いずれもランタ
ン(La)又はニオブ(Nb)をドープしたチタン酸ストロンチウム(SrTiO3)よ
りなるものとする。
第1の層12aの平均粒子径は例えば0.2μm程度であり、第2の層12bの平均粒
子径は例えば数10nmである。なお、第1の層12aの平均粒子径の好ましい範囲は
0.2μm~0.4μmであり、第2の層12bの平均粒子径の好ましい範囲は20n
m~50nmである。また、第1の層12aと第2の層12bとの合計の層数は、例え
ば3層~5層程度である。但し、第1の層12a及び第2の層12bの厚さ及び層数は
任意であり、上記の例に限定されない。
p型熱電変換部材13も、金属又は金属酸化物よりなる。p型熱電変換部材13を構成
する金属酸化物として、例えばCa3Co4O9を使用することができる。p型熱電変換部
材13も、n型熱電変換部材12と同様に、大径の粒子よりなる第1の層と、小径の粒
子よりなる第2の層とを交互に積層した構造を有することが好ましい。但し、n型熱電
変換部材12及びp型熱電変換部材13の少なくとも一方が、大径の粒子よりなる第1
の層と、小径の粒子よりなる第2の層とを交互に積層した構造を有していればよい。
接続電極14及び引出電極15a,15bは、いずれも金/チタン又はその他の金属に
より形成されている。このように構成された熱電変換素子10において、熱電変換部材
12,13の長さ方向の一方の側(図2では上側)と他方の側(図2では下側)との間
に温度差を与えると、ゼーベック効果により熱電変換素子10に電力が発生する。そし
て、熱電変換素子10に発生した電力は、引出電極15a,15bから取り出すことが
できる。
図4は、ゼーベック係数S、電気伝導率σ、S2σ値、及び熱伝導率κの関係を示す図
である。この図4に示すように、ゼーベック係数Sと電気伝導率σとは相反関係にあり、
電気伝導率σの値が大きいほどゼーベック係数Sの値は小さくなる。また、熱伝導率κ
の値は電子による熱伝導κeleとフォノンによる熱振動κphoとの合計であるが、フォノ
ンによる熱振動κphoの値は電気伝導率σの値にかかわらずほぼ一定であるのに対し、
電子による熱伝導κeleの値は電気伝導率σの値が大きいほど大きくなる。
一般的に、導電材料が同じであるとすると、粒子径が大きいほど電気伝導率σの値は大
きくなる。また、粒子径をフォノンの平均自由行程に近いサイズ(例えば、数10nm)
まで小さくすると、電気伝導率σにあまり影響を与えることなく熱振動κphoの値を小
さくすることができる。実施形態では、図3に示すように、大径の粒子からなる第1の
層12aと小径の粒子からなる第2の層12bとを交互に積層した熱電変換部材12を
使用している。大径の粒子からなる第1の層12aにより、電気伝導率σの値を大きく
することができる。また、小径の粒子からなる第2の層12bにより、熱振動κphoの
値、延いては熱伝導率κの値を小さくすることができる。
図5は、横軸に熱電変換部材12中の小径の粒子(以下、「小径粒子」ともいう)の割
合Rをとり、縦軸に電気伝導率σ、熱伝導率κ、及びσ/κ(以下、「特性値割合」と
いう)をとって、小径粒子の割合Rと電気伝導率σ、熱伝導率κ及び特性値割合σ/κ
との関係を示す図である。ここで、小径粒子の割合Rは、R=(各第2の層12bの厚
さの合計)/(熱電変換部材12の厚さ)である。また、第1の層12aの出発原料の
平均粒子径は約1μm、第2の層12bの出発原料の平均粒子径は約0.3μmである。
図5に示すように小径粒子の割合Rが0.2未満の場合、及び0.8を超える場合は、
いずれも特性値割合σ/κの値はほぼ1である。一方、小径粒子の割合Rが0.2~
0.8の場合は、特性値割合σ/κの値は1よりも大きくなる。このため、小径粒子の
割合Rは、0.2≦R≦0.8を満足することが好ましい。図5に示す例では、小径粒
子の割合Rが0.4のときに、特性値割合σ/κの値が約1.75と大きくなっている
。
前述の(1)式からわかるように、特性値割合σ/κの値が大きくなれば、それに比例
して無次元性能指数ZTの値が大きくなり、熱電変換効率が向上する。すなわち、実施
形態のように熱電変換部材12(または、熱電変換部材13)を、大径の粒子からなる
第1の層と、小径の粒子からなる第2の層とを交互に積層した構造とすることにより、
熱電変換素子10の熱電変換効率を向上させることができる。
図6は、本実施形態において熱電変換素子10の製造に使用する成膜装置(エアロゾ
ルデポジション装置)の一例を示す模式図である。図6に示すエアロゾルデポジション
装置20は、メカニカルブースター27を介して真空ポンプ26に接続される成膜室
21と、エアロゾルを発生するエアロゾル発生部31とを有する。成膜室21には基板
11が搭載されるステージ23と、ステージ23を水平方向(XY方向)及び垂直方向(
Z方向)に駆動するステージ駆動部25とが設けられている。また、成膜室21内には、
ステージ23に搭載された基板11に向けてエアロゾルを噴射する噴射ノズル22が配
置されている。
成膜室21の内部空間は、真空ポンプ26及びメカニカルブースター27により減圧さ
れる。成膜室21とメカニカルブースター27との間、又はメカニカルブースター27
と真空ポンプ26との間には、成膜室21内に噴射された原料粉末のうち膜の形成に寄
与しなかった分を回収する集塵機(図示せず)が設けられている。
エアロゾル発生部31内には原料粉末(出発原料)32が格納される。また、エアロゾ
ル発生部31には、エアロゾルの生成を促進するための加振器33が取り付けられてい
る。加振器33によりエアロゾル発生部31に超音波振動又は機械的振動を加えて原
料粉末32を飛散させ、エアロゾルの生成を促進する。エアロゾル発生部31には、原
料粉末32の乾燥を促進するためのヒータ(図示せず)が設けられている。このエアロ
ゾル発生部31の内部空間は、配管44及び開閉バルブ44aを介してメカニカルブー
スター27に接続されている。
エアロゾル発生部31内には、ガスボンベ34から配管41、開閉バルブ41a及びマ
スフローコントローラ41bを介してキャリアガスが供給される。キャリアガスとして、
He(ヘリウム)等の不活性ガスや、酸素又は空気等が使用される。キャリアガスは、
エアロゾル発生部31内で原料粉末32と混合されてエアロゾルとなる。エアロゾル発
生部31で生成されたエアロゾルは、配管42及び開閉バルブ42aを通って成膜室
21内の噴射ノズル22に送られる。
以下、上述のエアロゾルデポジション装置20を使用した熱電変換素子10の製造方法
の一例について説明する。まず、基板11を、エアロゾルデポジション装置20のステ
ージ23に搭載する。ここでは、基板11として、石英板を使用するものとする。基板
11の表面には、n型熱電変換部材12の形成領域に対応する部分が開口されたマスク
を配置する。
また、n型熱電変換部材12を形成するための原料粉末(出発原料)として、ランタン
がドープされた平均粒子径が1.0μmのチタン酸ストロンチウムと、同じくランタン
がドープされた平均粒子径が0.3μmのチタン酸ストロンチウムとを用意する。これ
らの原料粉末は、予め約130℃の温度で30分間加熱しながら真空脱気し、粉末表面
に吸着されている水分を除去しておく。
ここでは、平均粒子径が1.0μmのチタン酸ストロンチウムを入れた第1のエアロゾ
ル発生部31と、平均粒子径が0.3μmのチタン酸ストロンチウムを入れた第2のエ
アロゾル発生部31とを使用するものとする。それらのエアロゾル発生部31はガスボ
ンベ34と成膜室21との間に配置され、成膜時にはいずれか一方のエアロゾル発生部
31のみがガスボンベ34及び成膜室21に接続されるものとする。
まず、大径の粒子よりなる第1の層12aを形成するために、平均粒子径が1.0μm
のチタン酸ストロンチウム(原料粉末)を入れたエアロゾル発生部31を成膜室21に
接続し、成膜室21及びエアロゾル発生部31内を減圧する。その後、バルブ44aを
閉じた後、ガスボンベ34からエアロゾル発生部31にキャリアガスを供給する。これ
により、エアロゾル発生部31内にチタン酸ストロンチウムのエアロゾルが発生し、噴
射ノズル22からエアロゾルが噴射される。そして、基板11の表面にチタン酸ストロ
ンチウムが堆積して、第1の層12aが形成される。
このとき、原料粉末(チタン酸ストロンチウム)の粒子径が小さすぎると、電気伝導率
σの値を十分に大きくすることができないだけでなく、基板11に対する密着性が悪く
なる。一方、原料粉末の粒子径が大きすぎると、原料粉末の粒子が基板11の衝突する
際の衝撃により、基板11の表面を削り取ってしまうおそれがある。このため、第1の
層12aを形成するときの原料粉末の平均粒子径は、0.5μm~3μmとすることが
好ましい。
なお、チタン酸ストロンチウムの粉末は基板11に衝突するまでに粉砕されるため、第
1の層12a中の粒子径は原料粉末の粒子径よりも小さくなる。次に、小径の粒子より
なる第2の層12bを形成するために、平均粒子径が0.3μmのチタン酸ストロンチ
ウムを入れたエアロゾル発生部31を成膜室21に接続する。そして、第1の層12a
の形成時と同様に、ガスボンベ34からエアロゾル発生部31にキャリアガスを供給す
る。
これにより、原料粉末を含むエアロゾルが噴射ノズル22から噴射され、第1の層12
aの上に小径のチタン酸ストロンチウムからなる第2の層12bが形成される。この場
合も、チタン酸ストロンチウムの粉末は第1の層12aが形成された基板11に衝突す
るまでに粉砕されるため、第2の層12b中の粒子径は原料粉末の粒子径よりも小さく
なる。
第2の層12bを形成するときの原料粉末の粒子径が0.1μmよりも小さいと、第2
の層12bの密着性が悪くなる。また、第2の層12bを形成するときの原料粉末の粒
子径が0.5μmよりも大きいと、第2の層12bの粒子径が大きくなり、κphoの値を
十分に小さくすることができない。このため、第2の層12bを形成するときの原料粉
末の平均粒子径は、0.1μm~0.5μmとすることが好ましい。上述のようにして
第1の層12aと第2の層12bとを交互に、且つ所望の層数形成しることで、n型熱
電変換部材12の形成が完了する。
次に、Ca3Co4O9等のp型熱電変換材料を使用してp型熱電変換部材13を形成す
る。p型熱電変換部材13の形成方法は基本的にn型熱電変換部材12の形成方法と同
じであるので、ここではその説明を省略する。このようにしてn型熱電変換部材12及
びp型熱電変換部材13を形成した後、エアロゾルデポジション装置20から基板11
を取り出す。その後、基板11の表面に、接続電極14及び引出電極15a,15bの
形成領域に対応する部分が開口されたマスクを取り付け、基板11をスパッタリング装
置内に配置する。そして、スパッタリング装置により基板11上に例えばチタン及び金
を順次スパッタして、接続電極14及び引出電極15a,15bを形成する。
このようにして、本実施形態に係る熱電変換素子10が完成する。上述した例ではエア
ロゾルデポジションを使用して熱電変換部材12,13を形成しているが、その他の方
法で熱電変換部材12,13を形成してもよい。エアロゾルデポジション法を使用した
場合は、粒子径が大きく異なる第1の層と第2の層との積層構造を比較的容易に形成す
ることができる(後略)。
以上、富士通株式会社の特許事例を、光電変換素子に続く、熱電変換素子の実用化の波
を実感しながら掲載した。
※ 参考文献:M.Takashiri et al., Fabrication and characterization of bismuth-telluride-based alloy
thin film thermoelectric generators by flash evaporation method, Sensors and Actua-
tors A 138(2007)329-334
ブラームス: ピアノ三重奏曲 Piano Trio No.1, in H, Op.8
ピアノ三重奏曲第1番ロ長調作品8は、ヨハネス・ブラームスが1854年に作曲したピアノ
三重奏曲である。作曲者自身による改訂版が1891年に出版されている。ブラームスの作
品中で2つの版が現存するのは、出版された作品の中ではこの作品のみであり(ブラー
ムスは曲を改訂すると、初版はすぐに廃棄するのが常であった。尚、初期の歌曲など数
曲は破棄を免れた初版が現存する)、今日ではもっぱら改訂版が演奏されることが多い。
長調で始まり、同主短調で終わる、多楽章の大規模な作品としては最初のものである(
メンデルスゾーンのイタリア交響曲に他の例を認めることができる)。1855年11月27日、
ニューヨークにおいてウィリアム・メイソンのピアノ、セオドア・トーマスのヴァイオ
リン、カール・バーグマン(後のニューヨーク・フィルハーモニー指揮者)のチェロに
よる。
モト)2分の2拍子、ソナタ形式、ロ長調。 第2楽章:Scherzo Allegro molto スケルツォ、アレグロ・モルト4分の3拍子、三
部形式、ロ短調。 第3楽章: Adagio アダージョ(初版はアダージョ・ノン・トロッポ)4分の4拍
子、三部形式、ロ長調。 第4楽章:Allegro アレグロ(初版はアレグロ・モルト・アジタート)4分の3拍子、
再現部第1主題を欠いたソナタ形式、ロ短調。
「そこではトンボが飛んでいますか」という故堤清二(小説家・詩人・経営者)の言葉
が頭を過ぎる。あの時代すでに堤の頭にはそれがあった「グリーン・インフラ時代」。