僖公二十七・八年:城濮(じょうぼく)の戦い / 晋の文公制覇の時代
※ 晋・楚、開戦へ――楚の子玉、独走す:中原進出をもくろむ楚に対し晋はた
くみに諸国をあやつり、連合体制を整えた。楚の成王は戦争回避を考えたが、
令尹子玉は、あくまで戦おうとした。
※ 楚の成王は、いったん宋を攻撃したものの、情勢不利と見て、本国に引きあ
げ申(しん)に落ちついた。そして、斉の毀にあった申侯、および宋に残っ
た子玉に、兵をまとめて引きあげるように命じた。「晋軍を深追いしてはな
らぬ。文公は十九年の亡命生活の末、晋国の主となった人物だ。苦労という
苦労を嘗めつくし、人民の生活のすみからすみにまで通じている。そのうえ
かれは天から特別の加護を受けているようだ。その証拠にかれの兄弟はすべ
て世を去り、かれだけが生き残った。また、かれをつけねらった者どもはす
べて命をおとしている。文公が付言の位にあるのは、天の配慮といえよう。
これに軽々しく手を触れることはできない。
"彼我、兵力互角ならば退却せよ。
勝てぬと見たら退却せよ。
徳ある者を敵にまわすな"
兵書はこう敢えているが、この三ヵ条はすべて晋についてあてはまる」成王
はこういったが、子玉は伯棼(子越椒)を使者に立て、成王に戦いの許しを
詔うた。「手柄を立てたいわけではありません。わたしを無能力者呼ばわり
した酉貿の鼻をあかしてやりたいのです」成王は、子玉の命令無視に腹を立
て、ごくわずかの軍勢しかあたえなかった。子玉の指狸下にはいぅた軍勢は、
成王の西京、太子付の軍、それに子玉一族の手兵六百に過ぎなかった。子玉
は、まず大夫の宛春を台車の陣に派遣して、次のように通告した。「衛侯を
復位させ、曹の領地を返還されよ。承知いただければ、こちらは宋の包囲を
解こう」
晋の子犯はかんかんに怒って、「何たる無礼。臣下の分際で一国の君主にむ
かい、一つをあたえ二つを取ろうというのか。目にもの見せてくれよう」と、
いきり立った。だが、先翰(せんしん) はこれに反対した。「受諾する方
が礼にかなっています。なぜならば、相手の地位を安定させることこそ礼の
眼目だからです。子玉の申し入れの内容は、衛、曹、宋の三国の地位を安定
させようとするものであり、礼にかなっているといえましょう。わが国がこ
れを拒否すれば、この三国を不安定な状態に放置することとなります。礼を
わきまえぬのはわが方といわざるを得ません。これでは戦いの名目が立たな
いではありませんか。そればかりでなく、いま、この申し入を拒むとしたら、
宋を見捨てることになります。いったんたすけるといっておきながら、ここ
で見捨てたのでは、諸侯に対し顔むけができません。申し入れを拒否すれば、
結局、楚は三つの国に言を売り、わが晋は逆に三つの国から怨まれることに
なります。敵を有利にしておいて戦うとは、ばかげた話です。これらの点を
考えれば、ここはひとまず、千里の申し入れを受諾するのが得策でしょう。
そうすれば、曹と衛に言を着せ、楚からこの二国を切り離すことができます。
こうしておいて、宛春(えんしゆん)をとらえて子玉を怒らせ、戦いを交え
てこれを打ち破るのです。衛・曹二国の処置は、その後で考えればよろしい
でしょう」
文公は、この意見に従って事を運んだ。まず千里の使者宛春を衛に拘禁し、
子玉には知らせずに、曹と衛とを旧来の地位にもどした。はたして曹と衛と
は、楚と国交を絶った。これを知った子玉は、烈火の如く怒って晋軍を攻撃
した。文公はそれに立ち向わず、軍勢を後退させた。「あなたはいやしくも
晋の君主、子玉は楚の臣下に過ぎません。君主たる者が、臣下ふぜいの率い
る軍をさけるのは恥と串すべきです。そのうえ、楚の軍勢は疲れきっている
様子、ここで退却とは納得がいきません」軍目付が文公に不満を訴えたが、
子犯がこれに反論した。「いや、戦いが長びいたからといって、兵士が疲れ
るとはかぎりません。戦いの目的が道義にかなていれば、いくら戦っても疲
れるものではないし、逆に道義にはずれた戦いならばたやすく疲れるもので
す。考えてみれば、楚が亡命中のわが君をたすけてくれなかったとしたら、
今日の晋はありえないはずいま楚軍に対し九十里を退いたのは、その言返し
の意味です。恩を仇で返し、約東にそむいて、相手を敵にまわすとしたら、
道義にはずれるのはわが回、道義にかなうのは楚、ということになります。
そのうえ、楚章は兵糧のだくわえも十分あり、疲れたとは申せません。
わが方が退却したいま、子玉が軍を退けばそれまでのことですが、もし退か
ぬとなれば、楚は臣下がひきいる軍として、君主のひきいる軍に対し非礼を
犯すことになります。そのときこそ、わが方は道義的に優位に立つことがで
きます」こうして晋軍が九十里退却したので、焚平の内部には進撃中止の意
見が強まったが、子玉はそれに耳を傾けようとしなかった。
〈約束にそむく〉 文公は楚に滞在中、成王に、もし戦場で対峙した場合に
は、自軍を九十里退却させると約束した (「三舎を辟く」参照)。
【RE100倶楽部:太陽電池篇】
● 量子ドット工学講座 No.41:量子ドットで理論限界に迫る
このシリーズでは風力発電のエネルギー変換効率が理論限界に漸近していることを掲載(「リバプー
ル沖に世界最大の風力タービン稼働」2017.05.19)、あるいは、「量子ドット工学講座 No.39」(2017.
05.29)では、「太陽光パネルは、理論限界値に漸近する商用の量子ドット型アルファ器の出現を。
また、蓄電システム池や水電解型水素製造装置は最高品質の商用アルファー機の出現を、同じく、燃
料電池蓄電池やバイオマス発電/ボイラーのアルファ機を、併せて、ゼロエネルギー住宅/高層ビル
や省エネ推進を進める最終段階に入る。後5年もあれば逐次目標をクリアしていくだろう」と大見得
を切っている!?^^; 今回も、最新の量子ドット技術を俯瞰し今後の見通しを考える。
事例研究:特開2017-098496 光電変換置 京セラ株式会社
高効率の量子ドット太陽電池は、量子ドットに特定波長の太陽光が当たり励起される電子とその電子
が価電子帯から伝導帯まで励起されたときに生じる正孔とをキャリアとして利用する。この場合、量
子ドット太陽電池の光電変換効率は、量子ドット集積部内に生成するキャリアの総量に関係すること
から、例えば、量子ドット集積部の厚みを厚くして量子ドットの集積度を増やすことが発電量の向上
につながり、量子ドット内においてキャリアは、理論的には、エネルギー緩和が起こりにくく消滅し
難いと考えられていたが、量子ドットを集積させて形成した場合、量子ドット内の生成キャリアは、
障壁層及び量子ドット集積部内に存在する欠陥と結合し消滅し、電極まで到きる電荷量の低下が起こ
り、光電変換効率を高められなかった。
これに対し、量子ドット集積部内で、キャリアの集電性を高めるための構造が種々提案――例えば、
特表2009-536790の図6(※1)に示すように、複数の量子ドット101が集積された量子ドット集積部
103内に、ナノロッドと呼ばれるキャリア収集部105を配置させた例が示されている。
※1 説明図の符号番号が謝って記載されていると考えられるので参考として米国特許を参考添付し
ておく(US 9214590 B2 High fidelity nano-structures and arrys for photovoltaics and methods mark-
ing the same)
ところが、これまで開示されたキャリア収集部105は、その形状がシリンダー、カラムおよび線形構造といった
いわゆる柱状体の形状が一般的であり、水平方向の断面(以下、横断面という場合がある。)が円に代表され
るように等方的な形状である。このため、上記した従来のキャリア収集部105は単位体積に対する表面積が
さほど大きくない形状となっている。その結果、従来のキャリア収集部105は表面に接触する量子ドット数が
少ないことから電荷の収集効率が低く、未だ光電変換効率が低いという問題がある(下図参照)。 この対策
として、複数の量子ドットが集積された量子ドット集積部と、該量子ドット集積部内に設けられた複数のキャリ
ア収集部とを有する量子ドット層を備えている光電変換装置であって、キャリア収集部は、量子ドット集積部を
厚み方向に延伸する柱状部を有するとともに、柱状部は、側面に柱状部の長手方向に延伸する凹部を有しす
構造/構成にすることで、電荷の収集効率が高く、光電変換効率を向上することのできる光電変換装置 を得
るように改良している。
【符号の説明】
1 光電変換層 3透明導電膜 5ガラス基板 7電極層 9半導体基板 11量子ドット層 13
量子ドット集積部 13a量子ドット 13an n型の量子ドット群 13pn p型の量子ドット
群 15キャリア収集部 15a(キャリア収集部の)開放端 15s(キャリア収集部の)側面
15A柱状部 15B基部層 16a光の入射面 16b光の出射面 21導体膜 23マスク
Cキャリア
【面の簡単な説明】
【図1】本発明の光電変換装置の一実施形態を部分的に模式的に示す分解斜視図
【図2】柱状部の幅方向における断面を示すもので、柱状部に形成された凹部の底面が丸くなってい
る状態を示す模式図。
【図3】基部層側の幅が開放端側の幅よりも広い柱状部を示す斜視図である。
【図4】(a)は、量子ドット集積部がn型の量子ドット群とp型の量子ドット群とから構成されて
おり、柱状部側にn型の量子ドット群が配置され、n型の量子ドット群の周囲にp型の量子
ドット群が配置された状態を示す断面模式図、(b)は、(a)のA-A線断面図である。
【図5】本実施形態の光電変換装置の製造方法を示す工程図
【図6】(a)は、従来の光電変換装置を示す断面模式図であり、(b)は、(a)のA-A線に沿
った断面図
【実施例】
上記した柱状部を有する光電変換層を1層備えた光電変換装置を図5に示した方法により作製し、Voc
を評価。このとき、透明導電膜にはインジウム錫酸化物(ITO)を用い、電極層には金(Au)を用い
る。量子ドットにはPbS粒子(平均粒径:5nm)を用いた。図4に示す光電変換装置を作製する際には、
p型、n型に変成させたPbS粒子を用いた。キャリア収集部および基部層には酸化亜鉛を用いる。半
導体基板としてはシリコン基板を用いる。作製した光電変換装置は、シリコン基板の平均厚みが100μ
m、量子ドット集積膜の平均厚みが1.2μm、基部層の平均厚みが0.05μm、キャリア収集部の厚み方向の
平均長さ(基部層の表面からキャリア収集部の開放端までの長さ)が1.0μm、電極層の平均厚みが0.1μ
m、透明導電膜の平均厚みが0.3μm、ガラス基板の平均厚みが100μmであった。次に、作製した光電変
換装置の横断面を走査電子顕微鏡によって観察し、キャリア収集部の形状を確認した。次に、得られ
た光電変換装置の透明導電膜と電極層間にリード線を接続し、I-V特性を測定した。 開放電圧(Voc)
は、従来構造の試料No.5が0.35Vであったのに対し、図1の構造の試料No.1は0.36V、図2の構造の試
料No.2は0.40V 、図3の構造の試料No.3は0.39Vおよび図4の構造の試料No.4は0.42Vであり、柱状部
の側面に長手方向に延伸する凹部を有するようにした試料は、横断面の形状が円形状の試料より高い
開放電圧を示し、電荷の収集効率が高い値を示す。
以上のように、量子ドットを集積させて形成する時に起きる量子ドット内の生成キャリアが障壁層及
び量子ドット集積部内に存在する欠陥と結合し消滅回避が着実に実行されている。
● 次世代高効率窒化物量子ドットLED実用化に道
6月23日、北大学材料科学高等研究所(AIMR)/流体科学研究所(IFS)らの研究グループは、バイ
オテンプレート技術と中性粒子ビーム加工技術を融合し、世界で初めて高均一・高密度・超低損傷の
直径5ナノメートル(以下、nm)の3次元窒化インジウムガリウム/窒化ガリウム(InGaN/GaN)量子
ドット(量子ナノディスク構造)を作製することに成功したと公表。これは、トップダウン加工(ド
ライエッチング)で作製された量子ドットとしては世界最小寸法です。さらにフォトルミネッセンス
法により、量子ドットの発光および発光強度温度依存性を測定したところ、ドライエッチングによる
量子ドットとしては初めて、従来の窒化物量子井戸構造の 100倍の量子効率が確認。作製された高均
一・高密度・超低損傷のInGaN/GaNナノディスク構造は、究極のグリーンテクノロジーと言われる全
波長領域の高効率量子ドットLEDやレーザの実現に向けて大きく前進するための新技術である。
【概要】
化合物半導体量子ドットレーザ/発光ダイオードは、低消費電力光素子/超高速光変調素子として、
飛躍的に高まる通信需要に応えユビキタス情報化社会を支える重要な技術。これらのデバイスの実現
にはナノメートル単位でサイズや密度、位置などを制御した量子ドット構造の作製が求められている
が、従来のトップダウン型のリソグラフィ技術とプラズマエッチング技術の微細加工技術では不可能
領域である――22nmよりも微細なパターン形成には、技術的・経済的な大きな壁があり、ナノスケー
ル構造形成のプラズマエッチングでは、プラズマ紫外線照射の表面欠陥生成が大きな問題となる。
特に化合物半導体はシリコンに比べ不安定な材料でプラズマに対し脆弱なため、プラズマエッチング
の欠陥のないナノ構造作製が不可能とされてきた一方、ボトムアップ法で量子ドットを形成手法は、
格子ひずみを利用した自己組織的な量子ドット作製法が一般的ですが、この手法では、寸法のばらつ
きを十分制御できない、ドットの密度に限界(109~1010㎝-2)がある、「サイズに制限がある(数10
nm程度)」、「材料を自由に選択することができない、ひずみに伴う格子欠陥が不可避であるなどの
諸問題があります。そのため、十分な性能の量子ドットレーザやLEDの実現には、良好な量子効果を
持ち、ナノ構造の再現性が良い「欠陥の発生しない作製技術」の確立が急務となっていいる。
現在、その最有力な手法として、ボトムアップ技術とトップダウン加工技術の融合(プロセスインテ
グレーション)が注目され、多くの提案がされつつあります。ボトムアップ技術の中でも、バイオテ
クノロジーは極めて急速に進歩しており、奈良先端科学技術大学院大学の山下一郎教授らは遺伝子操
作により改質されたフェリティン変異体などを用いてナノサイズの金属を内包したたんぱく質を作製
し、それらの自己組織化によるナノ構造作製を実現しています。一方、トップダウン加工技術では、
プラズマから放射される電荷や紫外線を抑制し、超低損傷で高精度のエッチングを可能とする中性粒
子ビーム技術を世界で初めて寒川誠二教授(東北大学材料科学高等研究所/流体科学研究所)が開発
し、最先端超LSIを用いてその効果を実証。
DOI: 10.1021/acsphotonics.7b00460
本件では、有機金属気相成長装置(MOVPE)を用い作製したInGaN/GaNのウェハをバイオテンプレー
ト極限加工法で、超低損傷中性粒子ビームエッチングを実現し、量子効果を示す厚さ2nm、直径5nm
程度の量子円盤構造を積層した高さ30nm程度のナノピラー構造を、無欠陥に、均一に、高密度(1011
㎝-2以上)に、等間隔(20nm)で2次元配置できることを初めて示しました。図3に作製したナノピ
ラーの概略図を示します。透過型顕微鏡写真から直径5nmの量子ナノディスク構造作製を実現。設計
した量子ナノディスク構造発光波長対応する420nmから明瞭な発光を確認する。この量子ナノピラー
構造アレイでは、従来困難であった均一なサイズのナノ構造を数10nm間隔で均一かつ高密度に材料を
問わず形成できることから、あらゆる波長帯域を実現できる高効率な量子ナノディスクLEDおよびレー
ザを実用構造として有望である。
【今後の展望】
中性粒子ビームによる加工・表面改質・材料堆積技術は、現在の半導体業界が直面している革新的ナ
ノデバイスの開発を妨げるプロセス損傷を解決する全く新しいプロセス技術であると考えられている
(※「ナノを制するもの世界を制す」=「ネオコン創業論」)また本技術を用いた装置はプラズマプ
ロセスとして実績があり、最も安定した装置用のプラズマ源を用い、中性化のためのグラファイト製
グリットを付加し実現、今後、数10nm以下のナノデバイスにおける革新的なプロセスの実用化に貢献
するものであり、中性粒子ビーム技術は既に均一大面積プロセスを実現、プラズマ源を基盤に装置化
でき、最先端ナノデバイス製造プロセスにおける中性粒子ビーム加工技術とその応用である表面改質・
修飾技術を駆使し、新たなデバイスを開発推進していく予定である。
● 完全人工光型植物工場:80億円(63.3%増)、植物育成用光源:43億円(2.0倍)
6月16日、総合マーケティングビジネスの株式会社富士経済は、植物工場及び施設栽培において導入
される資機材やシステム、サービスの市場を調査した。その結果を報告書「アグリビジネスの現状と
将来展望 2017」にまとめた。それによると、養液栽培関連プラント及び養液・施設栽培関連装置・機
器・資機材の市場については、民間企業の農業分野への新規参入や農業施設の大規模化といった要因
により拡大。また、栽培関連IT・ネットワーク技術市場については、施設環境制御・モニタリングニ
ーズの高まりを受け急拡大している。こうした背景によりアグリビジネス関連の2016年の市場は、前
年比4.1%増の590億円となった。一方で、燃料価格の低下及び電気代値上げなどの影響で、施設栽培
向けのヒートポンプ市場が縮小傾向にあること、また関東地方での雪害に伴う復興需要が一巡したこ
とによる施設栽培関連機器の需要減など、市場拡大を阻む要因もみられた。今後しばらくは、民間企
業による栽培ビジネスへの新規参入や農家の法人化に伴う大型施設導入案件が増加し、付随するIT・
ネットワーク技術も高度化していくと考えられるため、市場は拡大していくとみられる。国内農業は、
一般の農業従事者の高齢化に伴い耕作放棄地の増加が今後予想されるが、国策としてこれらの農地をいか
に有効利用し、効率的な農業生産システムの仕組みを作り上げていくかが、今後のアグリビジネス関連市場
拡大のポイントになると考えている(上グラフ参照:これはわたし(たち)が関心を寄せる注目事業)。
● 今夜の注目記事
世界の「葉の面積」が増えているが、それは温暖化の兆候だというレポートである(上写真ダブクリ
)。葉面積のほかに太陽光や降水量といったさまざまな要因の影響を別々に示す統計モデルを使った
結果、葉面積の増加が温暖化に大きな影響を与えている――この30年間に起きた約1.5度の気温の上
昇は、北半球の寒い地域での葉面積の増加が原因であることがわかった。葉が増えると、色がより濃
くなった地表はより多くの太陽エネルギーを吸収する。それが温暖化をもたらす。さらにこうした影
響は、極端な乾燥や酷暑、降水量があった年には、より拡大したことを欧州委員会共同研究センタの
科学者たちが明かした。そして、現在の気候変動についての議論では、このような地表の生物物理学
的な側面は考慮されておらず、今回の結果は、葉面積が重要な要因であり、将来の議論の対象に組み
込まれるべきであるとしてきする。さて、どう考えようか?