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小形雀蜂退治

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         成公16年( -575) 鄢陵(えんりょう)の戦い   / 晋の復覇刻の時代 

                                  

       ※  晋からの亡命者:一方、楚の共王は兵車の上に組んだ櫓に登って晋軍の働きを
       観察した。子重が大宰(官名)の伯州犁(晋の伯宗の子、前年楚に亡命して来
       た)に、解説役を命じた。かれは共王の後に付き、質問に答え、晋軍の行動を
       逐一説明する。

       「馬に乗っていそがしく動きまわっているのは」
       「士官を召果しているのです」
       「おや、中軍に人が集まって来たぞ」
       「作戦を立てるためです」
       「こんどは、幕を張っている」
       「祖先の言にト(うらな)いを立てるのです」
       「幕をとりはらったが」
       「これから命令を下すのです」
       「何回かいやに騒がしくなってきた。土煙までたちのぼってきたが」
       「井戸を埋め、かまどをとりこわしているからです」
       「みな車に乗ったな。武器をとっこ。おや、御者だけ残してみな降りてしまったが」
       「出陣の誓いをたてるのです」
       「では、いよいよ米るのか」
       「いいえ、まだです」
       「みな車に乗ったな。……今度も御者だけ残して降りてしまった」
       「行使はいよいよ出陣の祈りです」

        このように伯州犁は晋軍の様子を王に教えた。

 

 ● 京都・福井・滋賀 警戒レベル5の要注視!

 

   

 【DIY日誌:コガタスズメバチ駆除Ⅰ】

 Vespa analis


       白藤の花にむらがる蜂の音あゆみさかりてその音はなし  佐藤佐太郎

8月22日(火)、午後、コガタスズメバチが2階玄関上の軒下からコガタスズメバチが出入りしてい
る騒ぐ。女王蜂が出入りしていることを現認。アヤハ南彦根店で専用殺虫剤スプレーと瞬間凍結スプレ
ーを購入し2階に駆け上がり、風上から蜂たち出入りする箇所に二つのを噴霧、気がついた蜂たち飛び
出してくる(おとなしいく攻撃する様子がない)。10分すると飛び出し飛散する蜂もいなくなり手探
り開口部を確認し、壁と軒棟の開口に殺虫剤を噴霧。羽音が騒がしくなり直に静かになる。雷と共に雨
が降り出しスプレーがなくなったので、一旦部屋に待避。彼女が買ってきたスプレー二本が届いたので
作業再開。飛散する蜂も見あたらなくなり、”二丁拳銃連射”の作業をやめる。程なく、専門業者が訪
問。壁との隙間に巣作りが残っているので、開口して排除する必要があると言い、後日作業見積書を提
出すると言い残し帰る。23日(水)夕暮れ前、1階の天板の一部から衰弱した蜂が這い出してきたと
騒ぐので、殺虫剤を天板海溝部から噴霧しガムテープで仮封止を施す。明日(24日)に業者が来る予
定。


           

 ● 読書録:高橋洋一 著「年金問題」は嘘ばかり   

      第5章 利権の温床GPIFは不必要かつ大間違い 

          第1節 年金積立金の「運用損失」五兆円の何か問題か

    2016年、GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人、旧年金福祉事業団)の問
   題がメディアでよく取り上げられました,
    GPIFとは、そのホームページの説明によれば「厚生労働大臣から寄託された年金
   積立金の管理及び運用を行なうとともに、その収益を年金特別会計に納付することによ
   り、厚生年金保険事業及び国民年金事業の運営の安定に資することを目的としている」
   組織です,つまり、国民年金・厚生年金の年金積立金を運用する組織です。
    年金積立金とは何か、そして、それをどのように運用するのか。それについてGPI
   Fは次のように解説しています。

    《日本の公的年金制度(厚生年金保険及び国民年金)は、基本的には、サラリーマン、
   自営業者などの現役世代が保険料を支払い、その保険料で高齢者世代に年金を給付する
   という「世代間扶養」の仕組みとなっています。つまり、現在価いている世代の人達が
   受け取る年金は、その子ども遠の世代が負担することになります(自分が積み立てた保
   険料が将来年金として戻ってくる仕組みではありません),
    しかしながら、日本は、少子高齢化が急激に進んでいます。現在価いている世代の人
   達の保険料のみで年金を給付すると、将来世代の負担が大きくなってしまいます。そこ
   で、保険料のうち年金の支払い等に充てられなかったものを年金積立金として積み立て
   ています,この積立金を市場で運用し、その運用収入を年金給付に活用することによっ
   て、将来世代の保険料負担が大きくならないようにしています。なお、年金積立金の運
   用にあたってば、「長期的な観点から安全かつ効率的に運用」することを心がけていま
   す。

    そのGPIFがニュースで騒がれたのは、「安全かつ効率的に運用」するとうたって
   いるのに、2015年度に5兆円を超える運用損失を出したからでした。
    実はGPIFは、2014年10月に運用基準を見直し、国債など国内債券の比率を
   60%から35%に引き下げ、株式投資(外国株を含む)の比率を24%から50%に
   引き上げていました。しかし、基準見直し後の2015年には株安となってしまいまし
   た。それで、2015年度の運用損失が五兆円を超えてしまったのです。
    これに対して、民進党が批判を繰り広げました。ところが、民進党の指摘はまったく
   レベルの低いものでした。株安によって起こった一時的な運用利回りの低下だけを捉え
   て、「5兆円も損失が出ている」という批判を繰り返すだけだったからです。
    株式で運用していれば、株価が上がれば運用益が出ますし、株価が下がれば運用損が
   出ます。そもそも、民主党政権のときには運用利回りが低く、安倍政権になってから大
   幅に運用益を伸ばしました。それが一時的に下がっただけです。なんと5兆円下がって
   も、民主党政権のときよりも、トータルでは収益を取れている計算になるのです(図7
   参照)。

    にもかかわらず民進党は、「年金損失5兆円追及チーム」なるものまでつくりまし
   た。しかし、その後、また株価が上昇し、収支が好転しました。すると民進党は、ほと
   んど批判しなくなりました。
    短期的な運用利回りの低下を捉えて批判するのは、まったくの無意味であることは、
   少し考えただけでわかりそうなものです。目先の数字だけを捉えて批判するから、民進
   党は「経済音痴」といわれるのでしょう。GPIFの運用損失を持ち出して、たんに政
   府を批判したかっただけではないかと思います。
    もし、本気で批判をしたいのであれば、「GPIFの存在そのもの」を問題にするべ
   きでしたが、民進党は、それはしませんでした。
    民進党はGPIFが不要だとは考えていないようです。民主党政権時代に、当時の原
   ロー博総務大臣が株や外債などへの積極運用を求め、長妻昭厚生労働大臣が国情での安
   全運用を主張したことかありました。どちらも、GPIFの存在を前提にした議論でし
   た。私は民主党政権に対して「GPIFの廃止」を提言しましたが、即座に反対されま
   した。
    5兆円の運用損失を批判した際の民進党の主張も、「損失が拡大したのは、運用基準
   を見直しだのが悪い」というものした。その対処法として、GPIFの廃止ではなく、
   運用基準を元に戻せといっていただけです,
    私は、GPIFそのものに根本的欠陥かおり、GPIFは不要だと考えています。


        第2節 インフレヘッジされた公的年金に「株式運用」はまったく不要

    日本の年金制度は、昭和36年に国民皆年金になりました。それ以前は皆年金では
   ありませんでしたが、厚生年金制度かおり、積立方式で行なわれていました。自分が積
   み立てた分を受け取る方式です。
    ところが、急激なインフレが発生したため、給付が厳しくなりました(どうして急激
   なインフレが発生したかは、ぜひPHP新書の拙著「戦後経済史は嘘ばかり」をご一読
   ください)。積立方式はインフレに弱い方式です。そこで、積立方式を修正し、将来世
   代につけ回すことによって、当時の老齢世代への給付を増やすようにしました。部分的
   に事実上の賦課方式が取り入れられた状態です。
    その後、昭和36年に国民皆年金の仕組みにして、全員が年金に入りましたが、
   「今まで積み立てていない人には払いません」というわけにはいきませんでした。すべ
   ての老齢世代の人に年金が給付されることになり、現役世代の保険料を老齢世代の給付
   に充てる賦課方式が主体となりました。
    ただ、制度が未成熟なうちは、給付を上回る保険料を課して「積立金」を持ち、運用
   収入を得て、制度が成熟するにつれて徐々に賦課方式に移行する方式がとられました。
    この「積立金」を巡って、金融機関が財テクビジネスにつながると目を付けました。
   これが、GPIFの積立金運用問題につながっています。
 
    私が大蔵省にいた1990年代には、積立金の額はこ一五兆円くらいになっていまし
   た。年金積立金は厚生省から大蔵省の資金運用部に預けられました。このうち100兆
   円は国債の金利で運用され、残りの二五兆円は厚生省の特殊法人・年金福祉事業団(現
   GPIF)に貸し付けされて、市場運用されていました。
    厚生省に貸し付けるわけですから、形式としては財政投融資事業です。厚生省は、大
   蔵省の国債金利での運用よりも高い運用利回りを出すことが必要でした。もちろん、実
   際に運用するのは、年金福祉事業団から委託された金融機関です。
    当時の大蔵省理財局長は、「なぜ、年金運用を株式でしなければいけないのか」と、
   非常にシンプルな疑問を我々職員に投げかけてきました(この局長は、あの「火砕流」
   といわれた人です)。誰も考えたことがなかったので、多くの職員は「えっ、それは当
   たり前でしょ」という反応でした。

    私は、こういう質問を突き詰めて考えるのが好きなので、年金のバランスシートをつ
   くって考えました,

    左側の「資産」の欄には積み立てられた保険料と運用資産を書きました。右側の「負
   債」の欄には、約束した年金の支払い(債務)を書きました。
    通常、年金給付は物価スライドの仕組みを入れています。インフレが進んだときに
   は、年金給付額を増やしてあげないと、お金が目減りしていて受給者は生活できなくな
   ります。したがって、インフレが進んだときには「負債」が膨らみます。
    右側の「負債」が膨らむのであれば、それに合わせて、左側の「資産」を増やさなけ
      ればなりません。バランスするようにしないと、債務超過になってしまい、年金を給付
      できなくなります。
       左側の「資産」は、インフレに備えて運用する必要が出てきます。債券と株のどちら
      がインフレに強いかというと、株のほうが少し強いことがわかっています。だから、株
      式を待つ必要がある、という結論です。これが「積立方式の年金がなぜ株を待つ必要か
      おるのか」という理論的基礎です。インフレに備えて積立金を株で運用するのです。
       次に、日本の公的年金のバランスシートを考えました。日本の公的年金は、賦課方式
      ですから、たとえば、第二章に掲載したようなづフンスシート(下図5)になります,
   積立金      は一割未満で、九割以上は将来にわたって徴収する保険料です。



    完全な賦課方式のバランスシートの場合は、「資産」の将来保険料と「負債」の将来
   給付が一致します。将来の給付額はインフレによって上がりますが、将来集める保険料
   もインフレに連動して上がります。ですから、インフレヘッジをする必要かおりません。
    つまり、「賦課方式の場合、株式で運用する必要はない。株式で運用する必要がない
   のは、将来保険料が入ってくるから」という結論になります。
    この話を理財局長にしたところ、「目からウロコだ」といって喜んでいました。

    《株式運用が必要か》

    ・積立方式↓インフレヘッジのために株式運用必要
    ・賦課方式↓インフレヘッジされているから株式運用不要

    こうした内容をペンネームで雑誌に書いたため、私が書いたことがほぼバレてしまい
   ましたが、もちろん私は「知りません」といい続けました。
    GPIFについての結論をいえば、「賦課方式では積立金は必要ない。せいぜい流動
   性確保のために10兆円程度の積立金があれば運営できる。したがって、GPIFは不
   要」です。
    積立金がゼロならば、運用リスクゼロです。積立金を集めたとしても、その年金の運
   用をするのであれば、年金制度の根幹である「安心・安全」が最優先です。運用する必
   要のない積立金を集めて、しかも株式で運用するのはまったく間違った考え方です。

       第3節 許認可や税制を決める政府が、民間企業の株を買っていいのか?

    1998年から、私はアメリカのプリンストン大学に留学し、日本経済などを教えて
   いました。英語はあまり得意ではありませんので言語障壁の少ない数学や年金数理を
   使って、年金の講義をしていました。
    当時、アメリカ政府の関係者から日本の年金積立金の運用を教えてほしいと依頼があ
   りました。「アメリカも日本と同じように運用をしたいと思うが、どう思うか?」と聞
   かれたので、即座に「ノー」と答えました。
    アメリカの年金制度は、老齢・遺族・障害保険( OASDI:01d,‐Age, Survivors, and Dis-
     ability lnsurance)  が積立金を持っていましたが、すべて非市場性国債引き受けで、市場運用
   はしていませんでした。
    日本の場合は、GPIFの前身の年金福祉事業団が積立金を市場運用していました。
    運用方法は、複数の民間金融機関への運用委託。言い換えれば「丸投げ」です。
    私は公的年金の市場運用ほど、国が行なう事業として不適切なものはないと考えてい
   ました。国が国民から強制徴収したお金を、民間金融機関に丸投げして、国民に代わっ
   て財テクをする必要はありません。年金は安全運用すべきものです。積極運用したい国
   民がいれば、自分自身で財テクをすればいいのです。
    私はアメリカ政府関係者に、市場での運用はしないほうがいいと伝えました。そうこ
   うしているうちに、当時のクリントン大統領が公的年金の株式運用を発表しました。
    ところが、グリーンスパンFRB議長をけじめとして、市場運用への反対論が相次い
   だため、クリントン大統領は、あっさりと提案を徴回しました。
    グリーンスパン議長の言い分は明快でした。私が主張したような「政府の活動として
   市場運用は不適切だ」という一般論に加えて、次のような論理を展開しました。

    「政府は健康のためにタバコ会社に対して厳しい措置をしなければいけないが、その
   ときに、公的年金でタバコ会社株を持っていたらどうするのか」
    とてもわかりやすく、インパクトのある論理です。

    もし政府が、公的年金の株式運用を気にしてタバコ会社への厳しい措置をためらった
   ら大問題ですし、逆に、タバコ会社に厳しい措置を取ることを公表する前に公的年金の
   タバコ株を売ったらインサイダー取引になってしまいます。
    日本の運用関係者は、「情報の遮断をしている」とか「個別株ではなくインデックス
   運用をしているから問題はない」といいます。しかし、2009年の予算編成期に厚労
   省が、たばこ税の大幅アップを主張したときに、JT株が15%くらい低下したことか
   あります。大幅なたばこ税の増税にはなりませんでしたので、株価は戻りましたが、株
   価が下がれば、JT株を持っている年金は運用損失が発生するところでした。運用損失
   を出さないために、たばこ税増税を見送るということになれば、政策がゆがめられてし
   まいます。公的年金の積立金を政府が運用すべきではないのです。

        第4節 一般国民の年金を株で運用している国はほとんどない
      
    1986年ごろの日本は「財テクブーム」でした。その財テクブームに乗じて、政府
   は年金資金を市場運用する方向へと転じました。年金資金の運用を行なったのが、厚生
   事務次官の天下り指定席であった年金福祉事業団です。「官の財テク」として1986
   年度からスタートし、2000年度まで財政投融資の中で行なわれていました。
    年金福祉事業団は、ありあまるほどの金を使うことから、「満腹事業団」と郵楡され
   ていました。ちなみに、巨額の年金資金をつぎ込み、各地でリゾート施設をつくり、不
   良積権化させたグリーンピア事業も年金福祉事業団の仕事でした。
    国会では、当時の厚生省年金局長が「1・5%の利差稼ぎ」と豪語していました。と
   ころが、2000年度までの財テク事業の最終的な収支は、累積損失約2兆円。官の財
   テクの運用実績は上がりませんでした。しかし、グリーンピア事業と同じく、誰も責任
   を取っていません。

    2001年度からは、厚労省の責任で資金運用される方式になり、2006年からは
   GPIFと名を変えましたが、「官の財テク」としての性格は変わっていません。
    いうまでもないことですが、官僚には自前で運用する能力などありませんので、民間
   金融機関への「丸投げ」です。

    民間金融機関としては、巨額の運用資金を獲得できます。100兆円を超える資産を
   運用し、その信託報酬をI%得られるとしたら、金融機関には1000億円が転がり込
   むおいしいビジネスです。実際、業界では「カ予不ギ」とまでいわれていたとか。今で
   はそれはどの報副はないのですが、公的年金資金を運用しているというステータスで、
   他の業者の売買を誘発できるので、受託金融機関はそれなりに儲かっています。
    では、海外ではどうなっているのか。一般国民に対する公的年金で、市場運用をして
   いる国は多くはありません。
    2008年の経済財政諮問会議に提出された資料では、積立金の割合が多い国の中
   で、カナダ(積立金万12兆円、以下カッコ内は積立金額)、スウェーデン(15兆円)
   が株式投資比率の高い国となています。

    積立金が多い国の中でも、日本(149兆円)は株式投資比率の高くない国、アメリ
   カ(244兆円)は、市場運用をしていない国です。イギリス、フランス、ドイツは、
   そもそも積立金の少ない国です。
    同会議の有識者資料では、ほかに市場運用を行なっている国として、ノルウェー政府
   年金基金(36兆円)、オランダ公務員総合年金基金(34兆円)、アイルランド国民
   年金積立基金(3兆円)が挙げられています。
    ノルウェーの場合は、石油収入かおり、石油収入を将来の年金財源にしようとしてい
   るのであって、国民から強制徴収したお金を財テクすろのとは意味が追っています。ま
   た、オランダは公務員の年金であって一般国民の年金ではありません。アイルランドの
   場合は、積立金の規模が少額です。
    公的年金の市場運用の例としてよく持ち出されるのは、カルパース(カリフォルニア
   州職員退職年金基金)です。カルパースは、国の年金ではなく、州の年金です。しか
   も、州公務員の年金であって、州民が加入している年金ではありません。「公的機関」
   の年金は、すべて「公的年金」と考えられがちですが、それは間違いです。
    各国の例を見るかぎり、国レベルで一般国民の年金を市場運用している国はほとんど
   ないことがわかります。


            第5節  民間レベルのリスク管理すらできていないGPIF

    賦課方式の年金は、子供の世代が親の世代に仕送りをするものとしてたとえられま
    す。このたとえを使えば、GPIFのしていることは、財テクして増やしてから仕送り
      をすることです,
    子供が「10万円を仕送りしようと思うけど、まず、10万円を財テクで増やしてか
   ら仕送りするよ」と親にいっているようなものです。このロジックは、もっと極端な言
   い方をすれば、こうなるでしょう。
   「10万円を仕送りする前に、株でパーツと儲けて、倍にして送ってあげるよ」
   ほとんどの親御さんは、そういう子供を叱るか、苦言を呈するのではないでしょうか。
   財テクをしてお金が増えればいいですが、仕送りする前に減ってしまう可能性もあるか
   らです。そんなことで虎の子の資金がなくなってしまったら一大事です。

    これは国民の誰もがわかる論理だと思うのですが、なぜかGPIFは、運用リスクの
   認識が不十分です。
    通常は、年金保険を運用するときには、年金ALM(資産負債総合管理)というもの
   でリスク管理をします。仮に運用損失が出るとしても、「リスク許容バッファー」の範
   囲内に収まるようにする必要があります。
   前列の図5のように、バランスシートの左側に資産、右側に負債を書き、資産が負債
   を上回る状態でないと、年金を支払えなくなります。
    積立方式の私的年金の場合は、支払う年金債務(負債)よりも、積立金(資産)のほ
   うが少し多くなるようにしています。その差額が「リスク許容バッファー」であり、仮
   に運用に失敗して損失を出したとしても、この範囲内に収まるようにリスク管理をしま
   す。損失が許容範囲内に収まれば、年金を支払えなくなることはありません。

    これは、年金ALMの常識として知られていて、アメリカ企業会計FASB87号(年
   金会計)や生保のソルベンシーマージン(支払余力)の考え方です。
    日本の厚生年金のバランスシート(図5参照)は、資産と負債が一致しています。こ
   れはリスク許容バッファーが存在しないということです。保険料をギリギリまで低く抑
   えた結果ともいえます。
    厚生年金のバランスシートには、リスク許容バッファーがないのですから、市場リス
   クを取る余地はありません,
    結論として、「厚生年金では、積立金の市場運用が不要であり、そのために積立金を
   保有する必要がない。GPIFは不要」ということになります。


昨日も掲載したように、今体験していることと流布されている言説は、付和雷同せず、すべて懐疑して
おく必要がある。従って、「愚図にあやかり」(内村剛介)の物言いに従っていくことにする。ここは
自分を信じ、最後まで熟っくりと読み進めていくことにしよう。それにしても、この著者の『戦後経済
史は嘘ばかり』を早く読みたいという衝動に駆られているが。

                                       この項つづく

 



【ZW倶楽部とRE100倶楽部の提携 Ⅳ】

  August 23, 2017


❏ 139カ国の百パーセント再生可能エネルギーロードマット/2050

・139カ国の「風力+水力+太陽光」の百%クリーンで再生可能エネルギー
・1.5℃の地球温暖化と大気汚染死亡者(数百万人)の回避
・社会的エネルギーコスト削減と2430万人の雇用創出
・停電事故を削減するとともに世界的なエネルギーアクセス増を実現

100%の再生可能エネルギーの将来への最新ロードマップは、すべてのエネルギーセクターの電化の後、
2050年までに139カ国が風力、水力、太陽光によって完全に動力を与えられるインフラストラクチャー
の変化を概説しています。そのような移行は、清潔で再生可能な電力の効率のために世界的なエネルギ
ー消費が少なくなることを意味し、2400万人以上の長期雇用の正味増加をもたらすと言う(How 139 co-
untries could be powered by 100 percent wind, water, and solar energy by 2050。Cell Press、August 23, 2017)。

❏ バクテリアをサイボーグ化、光と二酸化炭素から酢酸を高効率に生成

8月22日、米国化学学会は、バクテリアに光合成の機能を付加することで、光と二酸化炭素(から高
効率に酢酸を合成することに成功したことを公表。この人工光合成の標準太陽光(AM1.5G)に対する量
子効率は、2.0~2.5%。植物の多くは太陽光に対する光合成の量子効率が0.2~1.6%であるため、植物
を大きく超える効率を実現できたとする。光合成機能付加に利用するカドミウム(Cd)を環境に優しい
材料で代替できれば、バイオ燃料、または人工光合成の利用にとってブレークスルーとなる。

   


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