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昇龍不可抗論

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                 公孫丑(こうそんちゆう)篇 「浩然の気」とは  /  孟子  

                                                      

     ※ 禍福はみすがら招くもの:仁は宋誉のもとであり、不仁は屈辱のもとである。屈辱
       を避けたいと思いながら、仁政を行なわないのは、濡れたくないと思いながら水溜
       りにつかっているようなものである。屈辱を避けるには、まず道徳を重んじ、有能
       な人材を詐取することだ。賢人が重要な地位につき、有能贈が官位を将れば、国の
       泰平は保たれる。そのうえで、政治と刑罰を明確にすれば、大国からも畏敬される。
       『詩経』に、「くもり雨ふるその前に 桑の根っこの皮をとり 巣の出入口を固め
       よう 木の下にいる人間どもが小鳥のわたしをいじめぬよう」とある。孔子は「こ
       の読の作者は道理をわきまえている」と言った。つまり国の政治がよければ、侮辱
       を加える者はない、というわけだ。泰平無事の時、それをよいことに安逸をむさぼ
       るのは、災禍を招いていろのも同然だ。禍にせよ、福にせよ、すべてみすがら招く
       ものだ。『詩経』に、末ながく天命とともにあり みずから幸せを求めよ」『書経』
       の太甲篇に、「天が降した災難は逃れることもできよう。だが、みずから招いた災
       難はけっして逃れられない」とあるのは、つまりこの意味である。
 
       【解説】「治にいて乱を忘れず」(『易経』繋辞伝)。泰平無事の時にも、常に非
       常事態に備えてねかねばならない。非常事態は突然飽ってくるものではない。泰平
       ムードのなかにその”胎児”がすでに生まれ育っているのだ。

  易経と十翼   

 

 Oct. 17, 2017

 

  

 

 

 

【昇龍不可抗論 Ⅰ】

● 帝國のロングマーチと強かな国家解体論の狭間

かって、ブログでも掲載したように、富国強兵をめざし突進していった戦前の日本のように『坂の上
の雲』(司馬遼太郎著)のように中国も帝國主義的覇権行動(=「帝國のロングマーチ」)をとめる
ことはできないだろう。かって、カールマルクスや吉本隆明がイメージしていた宗教としての最終形
態の緩やかな解体(国家の解放)に向かうことなく、多くの先進諸国の酷か構造の三権分立はおろか
国民によるリコール権(=自由民権)も付与することなく、少なくとも後、五十年、百年を維持し続
けていくだろうとの考えを書いている。また、このような現代中国の政治体制批判はたやすい。そこ
で、週刊エコノミストの『まるわかり中国』(毎日新聞社)に眼を通し、、下記のように『習近平の
中国百年の夢と現実』(林望著、岩波書店)に眼を通してみる。

  日本や欧米列強による侵略、そして国民党との内戦で味わった屈辱と苦難を再び繰り進さない
 という思いは、政治的な立場や貧富の差と関係なく、多くの中国人に共通する。政治や社会への
 不安や不満は少なくないけれども、改革開放の結果、衣食足り、贅沢もできるようになった今の
 暮らしを大事にしたいという思いも強い。個人としての自由や権利、尊厳への願いは消えていな
 いが、それらは中国かたどり着いた現状の上積みとして探求されるものであり、それを危うくす
 るためのものではないという意識の広がりも私は感じてきた。中国が空中分解することなく、よ
 りよい方向に前進することが今の中国に生きる人々の最大公約数的な願いであるとすれば、その
 ために最適な改革のテンポとはどういうものかということが重要になる,

  習はしばしば「我々は川底の石を探りながら、慎重に川を渡らなければならない」という言葉
 を口にする,2014年2月のロシア訪問を前にしたロシアメディアとのインタビューでは、「
 中国の改革は、始まって30年が過ぎ、深くて危険な水域に入っている。皆に熹ばれる改革はほ
 とんどやり、軟らかい肉はもう全部食べつくしてしまっている。残ったのはかみ砕くのに苦労す
 る硬い骨ばかりだ」と述べ、「たとえそうであっても我々は気持ちを強く持って前に進まねばな
 らないが、一歩一歩、危なげなく、正しい方向に進み続けなければならない。取り進しのつかな
 い間違いを犯すわけにはいかないのだ」と語った。彼らにとっても国家のかじ取りが手探りであ
 ることを示す言葉であり、表向きの「自信」の裏側にある深い危機感の吐露でもあろう。

  習近平の手腕は中国と世界を眩目させているが、その政策の多くは、共産党政権が積み上げて
 きた大きな流れの中にある。毛沢東の時代も郎小平の時代もすべて共産党の歴史であるとして肯
 定しようとする習は、その巨大な振り子が刻む長い時間を意識し、その流れの中で自分の仕事が
 評価されることを深く自覚しているように見える。
 「中国の夢」とは、そうした習の使命感を凝縮したスローガンだが、今後、厳しく問われていか
 なくてはならないのは、それがいったい誰のための夢なのかということだ。十三億人の夢ではな
 く、共産党政権の、あるいは習自身の夢でしかないのであれば、これほど危うい話はない,中国
 の行方にいや応なく影響を受ける私たちは、彼らが目指す 「百年の夢」がどのような像を結ん
 でいくのかを、予断や偏見にとらわれず、曇りのない目で見つめていく必要かおるように思う。
      
                             終章「形さだまらぬ夢」より

                      林 望 著『習近平の中国 百年の夢と現実』


とは言え、経済規模においては後数年もせずうちに、米国を抜き世界一になることになんの疑問もも
たないでいる。つまり、『昇り龍『』の勢いは止めることができないと考えるが、そのときにそれに
ふさわし『美徳』を携えた国であるのかどうかは定かでないとも考えている。また、それ以上の想像
についてはほとんどこれから中国で生じる必然性のため書かずにおいておく。



【中国初無軌道電車の登場!】

今年6月、中国のCRRC社が非軌道電気トラックが登場し、社会実験を開始している。このことはブ
ログでも掲載しているが中国で開始されたことになる。Autonomous Rail Rapid Transit(ART:自律型高
速鉄道/無軌道電車)は地下鉄や路面電車のシステム構築コストのほんの一部で、温暖化ガスの排出
や交通量を減らすことができきることが唱い文句である。百パーセントの電車は時速70キロメート
ルで乗客3百人を目的地まで運送する。この自律型高速鉄道は、湖南省株洲市で実証実験が行われて
いる。走行原理は、従来の軌道ではなく路面上に描かれている案内点線を自動検出し百パーセント電
気で走行する。Channel NewsAsia 社は、この自律型高速鉄道で公共交通機関のスピードアップが図れる
と報じている。この新交通システムは10分間充電した後、時速24キロ以上で走行する。同列車に
はリチウムチタン電池とフラッシュ充電装置で充電する。新列車全長は31メートル以上で車輪の代
わりにゴムタイヤを装備、ツイン・ヘッド・システムにより、電車は非Uターン運行・非軌道電車、
寿命は約25年。人民日報オンラインは、自律型高速鉄道は、中国では4億~~7億元、キロメートル
当たり約6010万~1億330万ドルの従来の地下鉄よりも安価であると報じている。新型列車は
1億5千万~2億元、または1キロメートルあたり約2250万~3千万ドルの電車に比べ、投資額
のわずか5分の1。列車は2018年に一般に公開する前に珠洲市で実験に入っている。

 

  CNN Oct. 30, 2017
 
【2016年 大気中の二酸化炭素濃度過去最高を記録】

 昨年は記録を破る年となった。2016年の最初の6ヶ月間は、現代の気温記録で最も暖かい記録を
更新。新しい大気汚染地帯のC二酸化炭素レベルが80万年のうちに最高点を記録。「世界気象機関
(WMO)が発表した報告書によると、過去770年の間に目撃された大気の急激な変化には、前例は
ない。この組織は、毎年、年間温室効果ガス報告書のデータを収集、2016年のデータを見直しな
がら、二酸化炭素レベルが急激に上昇した原因を「人間活動」と「強いエルニーニョ現象」の複合に
よると表明している。

また、CNN社は、地球が大気中の二酸化炭素濃度の経験は、気温が2~3℃上昇し、現在の海面水位
が10~20センチメートル上昇した3~5百万年前。二酸化炭素やその他の温室効果ガスの排出量
を急速に削減しなければ、パリの気候変動に関する協定の目標をはるかに上回り、今世紀末までに危
機的な気温上昇に向かうだろうと、Petteri Taalas WMO事務局長は語り、未来の世代ははるかに不快な
惑星を継承するだろうと結ぶ。。2015年には1195カ国がパリ気候協定に調印し、気候変動が
悪化するのを防止するために各国が満たす必要のある排出目標の概要を説明している。トランプ大統
領は、米国は唯一の先進国でありながらパリ合意から離脱。その結果、いくつかの米国州が反発しパ
リ条約に沿った排出目標を合意設定している。10月に、国連環境計画は別個の排出ギャップ報告を
発表する予定のWMOレポートでは、各国が温室効果ガス排出量を削減するために行った政策コミッ
トメントを追跡。また、現在の政策がどのように2030年目標を達成するかを分析している。数字
は嘘でなく、いまだ大量の温暖化ガスを放出している。いずれこれを反転する必要がある関係者は述
べている。また、ここ数年は再生可能エネルギーの莫大な恩恵を受けてあいるが、これらの新しい低
炭素技術が普及するように努力しなければならず、すでにこの課題に取り組むためのソリューション
の多くを持っているとし、グローバルな政治意志と新たな緊急性の必要性を強調している。

  Oct. 1, 2017

 【気候変動と火山噴火は、夏のない年を招来させるかも】

科学者たちは、気候変動が現在のペースで継続すれば、海洋が過去に行ったように火山性硫黄やエア
ロゾルによる大気の影響を減らす能力(=吸収能力)を失う可能性があると警告している。これは、
インドネシアのタンボラ山の今年4月噴火したように、1815年の火山噴火のように「夏のない年」
につながる可能性があると。米国の大気研究センター(NCAR)が主導した新しい研究は、地球の気
候を変える際の特定の噴火の役割と、海氷の融解や地球規模での上昇により影響を受け続けた場合、
気温変動に影響する<だろうと予測している。それによると、海洋は、暖かい水が表面に上がってい
る間に、海のより寒い水が沈み、周囲の土地や大気を暖かくするプロセスを通じ、気候を相対的な正
常に戻す重要な役割を果たしているが、気候変動に起因する海洋温度の変化で、2085年にタンボ
ラ山に似た噴火が起きた場合、海洋は気候の安定化をもたらさない可能性が高いと危惧する。同研究
者(Otto-Bliesner)は、インドネシアのタンボラ山地の1815年噴火に対する気候システムの反応は、
将来の潜在的な異変の視点を与えるが、気候システムがはるかに異なった対応をするかもしれないと
いう。「夏のない季節」それはわたしたちには考えられないことだが。


doi:10.1038/s41467-017-01302-z Nature Communications 8,  Published online:31 October 2017



  ● 今夜の一品


習近平の「虎も叩くが蠅も叩く」ではないが金星社のアイフォーンK7iは超音波を発信し「蚊も叩
く」機能がついてマラリアの予防に役立つとしてインドなどの亜熱帯圏に同機種の拡販中とか。これ
は面白いと注目。 

 


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