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量子・ナノサイズ電子工学時代 Ⅲ

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     世界はオープンであればあるほどいいというのが僕たちの考えです。
                  情報が多ければ多いほどよい選択ができ、世の中に大きなインパクトを与えられます。

                                                                                              マーク・ザッカーバーグ

                                                                                                

 【量子・ナノサイズ電子工学時代 Ⅲ:テッペンを取りに行く】 


米国特許申請を調べていると、村上春樹の『羊をめぐる冒険』に登場する翻訳家の台詞を思い出すほど
だ。そのことはさておいて、下図の新規技術について概説する。表題は「CdTe / CDS / ZnSのコア/シェ
ル(核)/シェル(殻)なそのナノ結晶とのコーティング」、つまりその製造方法、さらに、生物医学
に使用する細胞中検体のセンサ、フォトニックアプリケーション、電界効果トランジスタの製造」と長
々しい。特に、CdTeのコアをもつナノ結晶を提供し、コア上にコーティングしたCdSのナノ結晶は、約
650ナノメータmから900ナナ光ルミネセンス(発光現象)の極大するCdS/ZnSコアの被覆に関す
る新規技術を掲載してみた。
(US9202867 Nanocrystals containing CdTe core with CdS and ZnS coatings)。

● 技術背景

(1)ナノワイヤ

励起子ボーア半径以下の極薄径の半導体ナノワイヤ(ナノワイヤ)、マジック・サイズ(すなわち、2
ナノメーの直径をもつが、得意な量子閉じ込め効果の量子コンダクタンス――バリスティック伝導、低熱伝導率、
増大した表面積特性、熱電装置、センサー、触媒などのナノデバイスや潜在的な原子球面マジックサイズの半導
体クラスタ(または超小型ナノ結晶種々の技術で製造されてきたが、マジックサイズの直径をもつ極薄半導体ナ
ノワイヤの達成の困難を極めた。導体材料は、広く、レーザー、エレクトロルミネセンスデバイス、フラットパ
ネルディスプレイフィールドエミッタ、赤外線ウィンドウで使用されますそしてUV光検出器. 2ミクロン以下
の直径を持つ高品質のZnSのナノワイヤ(NW)の報告はない。

硫化亜鉛(ZnS)は、室温で3.6 eVでの直接バンドギャップと40ミリeVでの大きな励起子結合エネ
ルギーの重要な半導体材料で、広く、レーザー、エレクトロルミネセンスデバイス、フラットパネルデ
ィスプレイ、フィールドエミッタ、赤外線窓、UV光検出器など使用されている。

ドーピングには、光学的、電子的、輸送、ピントロニクス特性は強力な制御法ができ、半導体の特性を
向上できる。 マンガン(Mn)をドープした亜鉛カルコゲナイド量子ドットは、CdSeの量子ドットの代替
として検討されている。また、鋭い励起子吸収ピーク――細かく調整可能な均一な直径、調整可能なレ
ベルピングレベル、高量子収量にの特徴をもち、高品質のマンガン(Mn)をドープしたZnS量子ドット合
成方法が求められている。

(2)量子ドット

コロイド量子ドット、または半導体ナノ結晶)ベースのナノテクノロジー分野では2大挑戦にある。その
1つがは、堅牢な非点滅量子ドットの実現、っもう1つは。単一粒子レベルで階層制御編成したナノアー
キテクチャな独自光学特性の異なる量子ドットの組み立てある。それのためのいくつかの課題が残ってい
える。


1)青から近赤外スペクトル範囲に調整可能な滅非点滅マルチカラー量子ドットの合成。。
2)生物学的イメージング用途使用でき、生体分子結合に、水溶性で非点滅動作な量子ドットの実現。
3)非点滅動作をのために、異なる組成と光学特性の非点滅QDの合成の研究。
4)量子ドット間の相互作用――蛍光エネルギー移動――の研究とバイオセンシング応用のナノデバイス
 の製造用プラットフォームを提供と、画像形成のアドレス指定のアーキテクチャの階層的なアセンブリ
 達成

(3) 量子シートとリボン

硫化鈴(SNS)は、重要なメイングループIV-VI族(IV=Ge、Sn、Pb、VI= S、SE、TE)で、その狭いバン
ドギャップと豊富な電子・光学的特性に注目されている。SnSはまた、安価な自然豊かな、環境に優しい
――カドミウム、鉛、水銀を含まない――として知られている。理論計算は、SNSは、クリーンエネルギ
ー転換素子の組み込みに適した太陽エネルギーの効率的変化特性をもつ。そのほか、光導電性、光触媒、
ペルチェ効果の熱電冷却、熱電発電など近赤外光エレクトロニクスなどの多機能性を持ち、豊富な資源
量をもつナノ構造合成利用が可能だが、高品質のSNSナノ構造体合成は硫化鉛やセレン鉛特性と比して
課題も多い。

● 課題と解決

ここでまで、単結晶のZnSナノワイヤ合成とのZnSナノワイヤードープした高品質のウルツ鉱型(例えば、
マンガンをドープしたZnSナノワイヤー)の、簡単で高速、無触媒コロイド法を報告している。ZnS(2.5
ナノメーター)の励起子ボーア半径以下の1.2ナノで、大きなブルーシフトUV /可視励起子吸収スペクト
ル、表面欠陥状態優なルミネセンス発光スペクトルや幾何学的X線解析(XRD)パターンと極薄のZnSナ
ノワイヤの固有の性質に関連する異常特性を観察した。特に、緑色及び空気中で安定な塩の硝酸亜鉛は
ZnSのナノワイヤ合成の亜鉛源に使用でき。この前駆体は、化学的により安定し、可燃性ジエチル亜鉛
(毒物)を超える。

例えば、高品質のウルツ鉱型マンガンをドープした硫化亜鉛(ZnS)の量子ロッド(QRS)は細かく、例
えば、1.6〜5.6ナノメートルに調整可能で、あるいは0.18%から1.6%の範囲でマンガン(Mn)のドー
ピングレベルの直径に調製可能である。これは鋭い励起子吸収ピーク、微調整可能かつ均一な直径、45
5%までの高い量子収率で、高品質なマンガンドープしたコロイドZnS量子ロッド合成の初事例である。
また、マンガンドープ硫化亜鉛の量子ロッドは、調整可能なデュアルカラー(オレンジ、青)の排出と
フォトニックデバイスとバイオイメージングアプリケーションを創製可能で、明るい多(二次元・三光
子)励起発光を実証する。

また、得意な準安定相転移過程を経て形成した単結晶IV-VI族の硫化錫ナノリボンコロイド合成を示す。ナ
ノ正方形、ナノリボンの両端と二相中間の硫化錫ヘテロ構造に、そして純粋な斜方晶相の単結晶の硫化錫ナノ
リボンに、閃亜鉛鉱相の硫化錫ナノスフェアから明確な相転移を観察し。 さらに、単一のナノリボン系電界効果
トランジスタ(FET)性能改善に、元の有機オレイルアミンリガンドを置換に、単純な無機硫化水素リガンドを使用
する(攻略)。 

 

 

 

  

字数制限で掲載できずに残件扱いとなった。時宜をえて連続けいさいしていく。このように米国関連特許申請質
量が膨大であることをご理解いただければ幸甚である。
 

 

【我が家の焚書顛末記 Ⅲ】

最近おかしなことがつづいている。『水木しげるの遠野物語』も焚書処分寸前だったが、急な訃報、デ
ジタル(ファイル)化することになり残ることとなったが、今度は、「テッペンを取りに行く宣言」を
したのがはよいが、『量子・ナノサイズ工学時代』をこのブログでシリーズ化を掲載することになり、
フッ酸によるエッチング――例えば、わたし(たち)は、吸光度法で数PPM能動(1リットル当たり
0.2ミリグラムの低濃度検出、あるいは不純物含まれていてもフーリエ変換吸光度法で検出の装置に
成功している――などのプロセス技術など半導体製造技術が頻繁に出てくるので、これも焚書寸前でデ
ジタル(ファイル)化することに決め、午後からその作業にかかるその図書とは上図(初版)の20年
前の『半導体デバイス工程評価技術―ライフライム、DLTS評価を中心として』をデジタル化する作
業に入る。(定価?その当時で約7万円弱?)。しかしまだまだ焚書対象は尽ず滞蔵されている。

  

 

 

 


ナノグラフェンのひこうき雲

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     僕は早くに会社を作ることには否定的だった。大学にいた頃、世界が    
                 進んでいく方向について友達とよく議論していて、それが起きるところを
                 見ることはもっと気にかけていた。僕たちはこれ(Facebook)を作った け
         れど、会社になるとは考えていなかった。ただ、最高だと思ったから作っ
         ただけだった。

                                                                           マーク・ザッカーバーグ

                                                                                   

 2015.12./04

【今夜も新技術がてんこ盛り】

 パネル設置角40度で積雪に耐えうるか?

シャープと芙蓉総合リースが共同出資する合同会社クリスタル・クリア・エナジーは11月30日、北
海道十勝郡浦幌町で「シャープ浦幌太陽光発電所」の商業運転を開始した。浦幌町の所有する6万千平
方メートルを賃借し、出力2.3メガワット分のシャープ製太陽光パネルを設置している。発電事業者
はクリスタル・クリア・エナジーとなる。EPC(設計・調達・施工)サービス)と完成後のO&M(運営・
保守)はシャープが担当する。太陽光パネルはシャープ製の多結晶シリコン型(出力250W/枚)、パワ
ーコンディショナー(PCS)は富士電機製を採用。積雪に備え、パネルの設置角は40度に傾けている。。

このことで、年間の予測発電量は約290万キロワット時で、一般的な家庭の年間消費電力量に置き換
えると約805世帯分に相当。買取価格は40円/キロワット時(税抜き)で北海道電力に売電すると
しているが積雪対策の切り札になるだろうか?超撥水性フィルム(塗装)の開発はどうなっているのだろ
うか――この件については残件扱いとして時宜をみて掲載する。

※ 太陽光発電の設置角度と発電効率の関係 l 太陽光発電比較サイト 
※ 冬期の太陽光発電の運営風雪時の対策と対応 浅川太陽発電所 2013.12.19

 

 

【量子・ナノサイズ電子工学時代 Ⅳ】

科学技術振興機構

● 大容量の蓄電が可能に:性能はリチウムイオンの6倍の

ナノ多孔質グラフェンとルテニウム系触媒が鍵

大きな電気容量を持つ炭素材料に少量のルテニウム系触媒(40wt.%:重量%,<5vol.%:体積
%)を添加することで電極自体が持つ大きな比表面積、空隙率や電気伝導性を損なうことなく、大きな
電気容量(2000ミリアンペア時/グラム)と充電電圧(4.0V以下)を同時に実現、かつエネル
ギー利用効率72%で100回以上安定して作動する空気電池開発に成功した公表(2015.09.02)。

最近、新しい二次電池の中に「リチウム空気電池」――従来のリチウムイオン電池とは異なり――正極
にコバルト系やマンガン系の化合物を用いることなく、リチウム金属、電解液と空気だけで作動し、リ
チウムイオン電池の5~8倍の容量を実現し注目されているが、正極に使用する多孔質グラフェンは、
グラフェンの持つ電気伝導性に加え、大きな空隙を持ち、大容量の電極材料となりうることに着目し、
リチウム空気電池の正極に新たに開発した多孔質グラフェンを使用し、電極の単位重量あたり2000
ミリアンペア時の大きな電気エネルギーを持ち、かつ100回以上の繰返し充放電が可能なリチウム空
気電池の開発に成功したというもの。このことで、充電1回あたりで500~600キロメートル走行
が可能となるから驚きだ――10年後にはトヨタ・フォルクワーゲン・フォードといつた自動車会社は
なくなっているぐらの衝撃(インパクト)をもってこの開発の行方を見守っている。

さて、開発に成功した空気電池は、RuO2ナノ粒子触媒をグラフェンで挟んだ窒素ドープナノ多孔質
グラフェンを正極電極とする(下図)。ナノ多孔質グラフェン電極は、100-300nm(ナノメー
トル ナノは10億分の1)の大きさの微細孔を持つため、リチウムイオン、酸素、電解質の輸送が円
滑に行われ、大きな空隙の中に生成物である過酸化リチウムが貯蔵され、さらにその大きな表面積の効
果により、過酸化リチウムの分解反応が促進される。この電極を用いて充電した後には、過酸化リチウ
ムが消失していることを確認、放電前の状態(過酸化リチウムの生成・分解の平衡状態)に戻ることが
明らかになる。さらに透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、使用前と50サイクル充放電後のRuO2
ナノ粒子触媒の状態を原子レベルで観察した結果、50サイクル充放電後でも、粒子のサイズが変わっ
ておらず、充放電過程で触媒に大きな変化、劣化がないことを確認している

 

 

※ 関連特許

・特許5585907 ナノポ-ラス金属コア・シェル型コンポジット及びその製造法  
・特許5034047 ナノ多孔質金属及びその製造方法 
・特開2015-063742  多孔質金属およびその製造方法並びにリチウム空気電池
・特開2015-085249  多孔質ニッケル合金化合物、その製造方法及び触媒

 

 尚、ナノグラフェン製造方法とその応用苦悩材料に関する技術は時宜をえて「研究所の鉄欄室」に入館させて
おくので希望者は自由閲覧して下さい。




● 変換効率向上の「光エネルギー損失」を大幅に引き下げる分子の開発

有機薄膜太陽電池は、シリコン太陽電池とは異なる利点がある。軽量化しやすく、製造時のエネルギー
が少ない。弱点は変換効率だ。理化学研究所と京都大学の研究チームは、変換効率向上の邪魔になって
いた「光エネルギー損失」を大幅に引き下げる分子の開発を公表。新開発の半導体ポリマー「PNOz4T」
を用いて、塗布型有機薄膜太陽電池の光エネルギー損失を、無機太陽電池並みに低減することに成功し
たと発表。同時に高いエネルギー変換効率も得ている。

このPNOz4Tは、同じ研究チームが2012年に開発した半導体ポリマー「PNTz4T」の分子構造を改良したも
の。いずれも吸収可能な太陽光エネルギー(バンドギャップ)は、約1.5eVでほぼ同等だが、PNOz4T
を用いたOPV(PNOz4T素子)は、1.0Vの出力電圧が得られ、これまで作製したPNTz4T素子の0.7Vに
比べはるかに高い出力電圧だ。同研究グループによれば、今後PNOz4Tの性質を最大限に引き出すことで
素子のエネルギー変換効率は、実用レベルといわれる15%まで引き上げ可能とみる。当面、研究チーム
は今回の成果に改良を加えながら、16年度中には12%達成を目指す計画である。

 ところで、有機薄膜太陽電池の変換効率が上がりにくい最大の理由は、太陽光から得たエネルギーの一部を
電力として取り出す前に失うことにあることはブログ掲載してきたが、(1)有機薄膜太陽電池では、無機系の太
陽電池と違って、分子が光を受けても即座に電子と正孔に分かれない。(2)数十ナノ秒間、励起状態にとどまり
励起状態を放っておくとエネルギーが熱に変わる無駄になるが、(3)分子のそばに、フラーレン(C60)を装飾
した分子で電子を受け取り電流を取り出すことができるが、(4) 励起子からフラーレン類分子へ電子を移動させ
るための駆動力が必要がその分、取り出すことできる電気エネルギーが減るが、この駆動力をゼロにでききれば
問題解決するがそこが難しい。


ところが」、上図左と比して、 図右は、開発したPNOz4T分子が太陽光を受けたときの状態変化だ。一
般的な有機半導体分子とは異なり、駆動力によるエネルギー損失がほとんどない。そのため、光エネル
ギーの損失を無機系の半導体に近い0.5電子ボルトに抑えることができる。しかり、理屈がわかららな
い――なぜ駆動力がゼロになるのかが分からない。伝導帯のエネルギー準位に段差がないのに、PNOz4Tか
らフラーレンへ電子が移動する。駆動力を少なくする設計指針で分子を設計したところ、ゼロになった。
て今後はゼロになるメカニズムの解明が焦点――になり高い変換効率を実現できる。

 

光エネルギー損失が少ないと何が起こるか。太陽電池セルから得られる電圧が高くなる。その様子を上
図に示した。しかし、これもブログでしてきしてきたことだが――電子顕微鏡観察や京都大学で実施し
た分光学的手法によって、PNOz4Tとフラーレンのそれぞれの粒径が大きいことが分かった。粒径が大き
いと界面の面積が小さくなる。電子の受け渡しは界面でしか起きないため、粒径を小さくして界面の面
積を増やす必要がある。混合プロセスの改善に加えて、溶剤に対する分子の溶解度を高める工夫で改善
できるだろう。今回のPNOz4Tは一般的なポリマーと比較して溶解度が低い。分子設計によってこれを高
めたい――と方針を語っているがこれは正しい。PNOz4Tのバンドギャップは1.52電子ボルト。この値な
ら、20ミリアンペア/平方センチメートル程度の電流密度を狙うことが可能だと。これは面白い。 

 

doi:10.1038/ncomms10085

 

   ● 今夜の四曲

acoustic guitar solo

      
acoustic guitar solo                   acoustic guitar solo  

  恋人よ

作業の手を止め、裏庭にでてラークのロング一本をくゆらとし空をみると、ひこうき雲が輝いていた。
その思いを夜ユーチューブで確認。馬場ひろふみの『いちご白書をもういちど』を聴、き、つどけて、
ギターソロー三曲を聴き最後の五輪真弓の『恋人よ』で聴き終えた。ピアノがあれば弾き語っていた
だろうと昔を懐かしむ。


   枯葉散る夕暮れは
   来る日の窯さをものがたり
   雨に壊れたベンチには 
   愛をささやく歌もない

   恋人よそばにいて
   こごえる私のそばにいてよ
   そしてひとことこの別れ話が
   冗談だよと笑ってほしい

   砂利路を駆け足で
   マラソン人が行き過ぎる
   まるで忘却のぞむように
   止まる私を誘っている

   恋人よさようなら
   季節はめぐってくるけど
   あの日の二人宵の流れ星
   光っては消える無情の夢よ

   恋人よそばにいて
   こごえる私のそばにいてよ
   そしてひとことこの別れ話が
   冗談だよと笑ってほしい

                         唄・作詞・作曲 五輪真弓 『恋人よ』

  

 

喪中葉書に慟哭

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       若さと技術力の大切さを強調したい。若い人間のほうが頭がいい。
                  チェスの名人がみんな20代なのは偶然じゃない。
     
                                                      マーク・ザッカーバーグ

                                                                                          

   

 

【中国の思想: 墨子Ⅴ】
 
  公輸――墨子と戦争技術者※
  尚賢――人の能力を正当に評価せよ
 兼愛――ひとを差別するな※
  非攻――非戦論※
 節葬――葬儀を簡略にせよ
 非楽――音楽の害悪
 非命――宿命論に反対する
 非儒――儒家批判
 親士――人材尊重
 所染――何に染まるか
 七患――君子の誤り七つ
 耕柱――弟子たちとの対話
 貴義――義を貴しとなす
 公孟――儒者との対話
 魯問――迷妄を解く  

  ※ シリーズとして掲載(途中も含め)した「編章節」はピンク色にしている。
     尚、段行末尾の※は、以前取り上げたことがあるもので、改めて記載するもの。

   魯問――迷妄を解く- 『墨子』   

  ● 技術の巧拙とは

  公輸子、竹と木を削って、おもちゃのカササギをつくった。さっそく飛ばしてみると、三日
 間も飛んでいた。「
  わたしほど腕の立つ技術者はいないだろう」
 と公輸子は自慢した。それをきいて、墨子は、
 「カササギをどんなに精巧につくったところで、大工が車のクサビをつくるのには及ばない。
 大工は見ているまに、長さ三寸の木を削ってクサビを作る。しかもそのクサビは重さ五十石三
 石は百二十斤) の荷物に耐えられる。人を利する技術が"巧"であり、あなたのような人を利さ
 ぬ技術は”拙"なのだ」

  
   科学技術の目的 

  これと似た話は、『韓非子』にもある。『韓非子』では、カササギがトビ(鳶)になってお
 り、つくった人間は公愉子ではなく、墨子自身となっている。弟子がその技術をほめると、「
 いや、車の把手をつくる者にはかなわない。一尺たらずの材木しかつかわず、一日もかけない
 で仕上げてしまい、それでいて三十石の重荷をのせて、遠くまではこぶ力がある。しかも何年
 も長もちする。わたしのつくったトビは、三年もかけながら、一日飛んだだけでこわれてしま
 った」とこたえている。墨子がつくったのか、公輸子がつくったのか、どちらとも決めかねる
 が、技術に対する墨子の見方は、一貫している。

  公輸盤削竹、木做成鵲、做成了就讓它飛起來。三天不從天上落下來。公輸盤自己認為很精巧。墨
  子對公輸盤說。你做的鵲、不如匠人做的車軸上的銷子、一會兒削成一塊三寸的木頭、可以擔當五
  十石重的東西。所以、平常所做的事。有利于人、可稱作精巧。不利于人、就叫作拙劣了。

 



【我が家の焚書顛末記 Ⅳ】

1995年に買った本だが、デジタル化して廃棄した。昔からプロとして通用しないがあるてい
どまでならいけるぞと変な確信(自信)を若い頃は持っていた――練習量が全く違うから無理は
承知の上とわかっているが――楽譜を見ただけで知らない歌を歌えるほどにはなっていた。今は
ピアノは分け合って椅子をぶち投げ傷だらけとなり二束三文で売却してしまった。この歳になっ
ても、「デジタル作曲」アプリがあるもののその打ち込みが気に入らないので放置したままにあ
る。親父が元気なころ、即興でピアノを引いていると、珍しく部屋に来てか「まるでジャズピア
ノみたね」と感心ししばらくして自室に戻っていたことを思い出す。時間にも(また金銭的にも)
余裕ができたら電子ピアノ買って、作曲活動の夢を実現したいと思っている。ヘッドフォ-ンを
使えば家族や近所に迷惑をかけずに専念できる時代だ。運がよければ動画アップし1億回以上の
再生を実現してみるのも面白いかもしれない(歌えるなら、英語・中国語・日本語・スペイン語
の4国語で録画発信してみようか?)。

 




※ジャズピアノはユーチューブにはないね(拝金主義もここまでくると何だかゆとりがなくなってしまうのが
哀しいね。) ”I Want To Hold Your Hand - The Beatles - Glee version - Piano” で今回は代用。

 



【喪中葉書に慟哭】  
師走に入り喪中葉書の舞い込み枚数も増えるような年格好となっている。ところが、その一葉に目を通す
していると、胸にこみ上げ慟哭する。

            師走に入りお忙しい毎日をお過ごしの事と存じます
          本来ならば夫 山口和彦と共に年末年始のご挨拶を
          致すべきところ 今はもう叶いません
          日常の出来事や季節の行事に夫を想い 唯一無二の
          存在であった事を痛感する日々ですが 家族や親戚
          友人同僚の皆様など大勢の方に支えて頂きながら
          少しずつ歩みを進めております
          本年中に賜りましたご厚情に心から深く感謝
          致しますとともに お健やかなる新年をお迎えに
          なりますようお祈り申し上げます。

           平成二十七年十二月                             山口 智子


          添え書 仕事ではもちろん休みの日に一緒に過ごして
              い頂いた事、ごちそうになった事等よく話
              してくれました。お世話になり有り難うご
              ざいました。

思えば、山口和彦さは後輩であったが、聡明で、私の方からあれしろ、これしれといったことは
なかったが、わたしが考案した、佐賀は有田市の企業を見学しネット式の超音波洗浄(シャドウ
マスク製品の再洗)装置の開発装置を、庄田さん、西川さん、山口さんなどが黙っていても組み
立て稼働させてしまった。その時、優秀な人たちのチームの仕事とはこのように、静かに完結さ
れることに感心してたことを思い出した。遠いところでは、中国のシャドウマスク工場建設のス
パーバイズ設計会議で南京市に出張したことや、最近では大見忠広東北大教授が主宰する「大型
液晶ディスプレイプロジェクト(上図クリック)で一緒したことがあったが、その折り、わたし
を参画させるようにチーフの村岡祐介さんに働きかけたことを後で知ることになる。ところで、、
仕事とは辛いこともいっぱいあるが、奇跡のような体験も結構している。その時、ひとりでその
畏怖に感嘆することもあるが、仲間たちと分かち合いながら感嘆することもある。あるいは、偶
然に現場でご一緒した人たちとで問題を解決をして奇跡のような畏怖体験する場合もあった。
沢山の若者が私の周りに立ち寄りまた別の職場に移動したり、あるいは悩み自死した若者や(仕
事とは関係ないが村田さんも含まれる)、若くして夭折した竹中さん、野村さんらの仲間もいた。
そんなとき、もう少し丁寧に接しておけばよかったと悔やむ数ことが、今思えばは星の数ほどあ
ったように思う。そのひとりが山口和彦さんである。小雨降る中、わたし、村岡さん、三宅さん
と彼の四人で彦根城内の桜を見物しながら交わした杯が最後となった。

                                       合唱



  愛しき日々

        


    Benjamin David "Benny" Goodman       【ジャジーな風に吹かれてⅢ: ベニーグッドマン】  

● 『カーネギー・ホール・コンサート』 CBS   ベニー・グッドマン、カウント・ベイシー、テディ・ウィルソン、ライオネル・ハンプトン、ボ
ピー・ハケット、ジョニー・ホッジス、ハリー・カーネイ。クーティ・ウィリアムス、バック・
クレイトン、ハリー・ジェームス、レスター・ヤング、ヴァーノン・ブラウン、フレディ・グリ
ーン、ウォルター・ペイジ、ジーン・クルーパ、マーサ・ティルトンほか。その手はないよ/ワ
ン・オクロック・ジャンプ/身も心も/私の彼氏/ブルー・ムーン/素敵な貴方/サボイでスト
ンプ/天使は歌う/シング・シング・シングほか全23曲 1938.16 NY カーネギーホール Pd
ジョン・ハモンド。   貧しいユダヤ系ロシア移民の子としてシカゴのゲットー(貧民地区)に生を受けたペニー・グ
ッドマンことベンジャミン・デイヴィッド・グッドマンが十二歳でプロ・デビュー、二十代でニ
ューョークに進出、スター街道を「キング・オブ・スイング」まで上り詰めるサクセス・ストー
リーは、日本のTVでも繰り返し放映されている映画『ペニー・グッドマン物語』55年/ヴァ
レンタイン・デイヴィス監督作品/スティーブ・アレン主演)を通じてジャズ・ファンのみなら
ず多くの知るところとんる。『カーネギー・ホール・コンサート』は、文字どおり、38年1月
16日のカーネギー・ホールにおけるペニー・グ。ドマン・コンサートの全貌を二枚のCDに完
全収録。1891年にチャイコフスキーの指揮でこけらを落とした〈クラシックの殿堂〉カーネ
ギー・ホールがジャズを受け入れた初めてのコンサートとして歴史に名を残す。

この夜、ペニー・グッドマンは、T・ウィルソン、L・ハンプトン、G・クルーパからなる自身
のカルテットにデューク・エリントンやカウント・ベイシーのオーケストラからスター・プレイ
ヤーを加え人種の壁を超えたスペシャル・バンドを結成、編成を組み替えるなど趣向を凝らしな
がら一大スイングの饗宴を張った。翌朝のニュー・ヨーク・タイムス紙は「ペニー・グッドマン
がステージに登場すると聴衆はトスカニーニを迎えるような万雷の拍手で彼を迎えた」と報じた
という。内容に求心性を求めるリスナーには同時期録音の『キング・オブ・スイング』(CBS
)の方が好まれると思われるが、本CDは右記の内容と、29年に始まる世界大恐慌から完全に
回復好景気に沸く世相をも反映したものとして推す。なお、この録音は、ワンポイント・マイク
でディスクに収録、後年、グッドマンの娘により偶然発見され初めて公開されたという。


 Benny Goodman small group with  Benson & Hammond (1975)
 

   

媒体依存の見直し

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     完璧を目指すよりまず終わらせろ。   


                                                      マーク・ザッカーバーグ

                                                                                          

 

 

    

【中国の思想: 墨子Ⅴ】
 
  公輸――墨子と戦争技術者※
  尚賢――人の能力を正当に評価せよ
 兼愛――ひとを差別するな※
  非攻――非戦論※
 節葬――葬儀を簡略にせよ
 非楽――音楽の害悪
 非命――宿命論に反対する
 非儒――儒家批判
 親士――人材尊重
 所染――何に染まるか
 七患――君子の誤り七つ
 耕柱――弟子たちとの対話
 貴義――義を貴しとなす
 公孟――儒者との対話
 魯問――迷妄を解く  

  ※ シリーズとして掲載(途中も含め)した「編章節」はピンク色にしている。
     尚、段行末尾の※は、以前取り上げたことがあるもので、改めて記載するもの。

   非儒 - 『墨子』   

  ● 儒家批判

  いつの世も、思想闘争は感情的な悪口雑言を伴うものとみえる。儒家に対する墨家のそれも、
 まことにすさましい。現代の目からみてピンとこない個所があるとはいうものの、この一編は
 形式主義に堕し、繁文御礼と化した儒家に対する墨子の憤りをヒシヒシと感じさせる。


 ことぱ

 「至私するところを厚くせんことを欲するために、至重すべきところを軽んぜば、あに大姦にあ
 らがらんや」
 「礼楽を繁飾してもって人を淫し、久喪偽哀もって親を漫り、会を立て貪に緩くして高く激則し、
 本に背き事を棄てて急激に安んじ、飲食を貪り、作務を惰り、飢寒に陥り、凍倣に危うきも、も
 ってこれを違ることなし」
 「孔某肉のよりて来たるところを問わずして食う」
 「孔某の行ない、かくのごとくなれば、儒士はすなわちもって疑うべし」

 
  ● 矛盾している儒者の礼

  儒者は、「愛情にも敬意にも、相手が誰であるかによって、ちがいがあるべきだ」と主張する。
 相手との親しさの程度、相手の地位の高さ、これを尺度とすべきだというのだ。
  そして、儒者の礼は、近親者の死に対する服喪期間を次のように規定している。父母の死には三年。
 妻、嫡男の場合にも三年。伯父、叔父、兄弟、庶子の死には一年、親類縁者の場合は五ヵ月。
 
 相手との親しさの程度を尺度として、期間の長短を親しさの程度と一致させたのであれば、妻と嫡
 男の場合が、父親の場合と同じなのはうなずける。だが、相手の地位の高さを尺度とした場合、父母
 が妻、嫡男と同格になり、伯父、叔父、宗兄(本家の嫡男)が庶子と同格になるのはどういうわけか。
 まったく矛盾しているといわざるをえない。また、儒者の礼では、親が死ぬと、柏に納める前に、霊
 魂を求めて、屋根に登ったり、井戸をのぞいたり、ネズミの穴を掻きまわしたり、水桶の中を探した
 りする。死者の霊魂がそういう場所に隠れていると考えているのだとしたら、実にバカげた話である。
 霊魂などないのを承知で探すのだとすれば、虚偽もはなはだしい。
 
 妻を迎えるさいには、儒者は親迎の礼を行なう。黒の礼服を着こみ、花嫁の従者となって、車にのる
 さい、紐(吊革のようなもの、単に乗るときこれに手をかける)を花嫁に渡してやり、みすがら手綱
 をにざる。まるで子どもが親にかしずくようである。しかも、挙式となると、祖先をまつる儀式のよ
 うに威儀をととのえる。

  このように、儒者は上下の関係をさかさまにし、父母をないがしろにしている。父母が妻子なみに
 扱われ、妻子が父母の座を侵しているのだ。これでも儒者は、親を大切にしているのであろうか。
  儒者は、「妻は、祖先をまつる協力者であり、子は、宗廟の守り手である。だから妻と子を犬切にI
 するのだ」と弁解する。だが、この弁解は成り立だない。
  宗兄が、宗㈲を数十年にわたって守り続けたとしても、かれの死に対しては一年間しか喪に服さな
 い。宗兄の妻に対しては、夫とともに宗廟を守るにもかかわらず、全然喪に服さない。ところが、自
 分の妻と子が死ねば、三年間も喪に服する。してみれば、祖先をまつる協力者だからというのは、単
 なる口実にすぎないのだ。妻子だけを特別あつかいにするというまちがいをおかしながら、その上さ
 らにぬけぬけと「親しい者をmんじているのだ」などという。最も重んずべきものをないがしろにし・
 て、私情を満足させているのだ。卑劣といわずしてなんといおう。


  〈儒者の礼〉 儒家の考えでは、礼には二つの効用がある。一は人の情を節すること、二は人の情
   を文ることである。そして、礼は人間相互の衝突を防ぐために差別を規定するものである。儒家
   は周の礼をたっとんだ。ここに出てくる服喪期問、葬儀法などは、周代の儀式・法制をしるした
   といわれる『儀礼』に細かく規定されてる。
  〈親迎の礼〉 結婚の当日、新郎が新婦を迎えに行く儀式である。妻を娶る場合、納采、同名、納
        吉、告期などを経て、最後に親迎の礼に至る。
1

 

  

● 日中食品汚染 20 中国の食品汚染地図 

 【目次】 

 第1章 見えない食品の恐怖
 第2章 中国の食品汚染
 第3章 食品汚染のヒトへの影響
 第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
 第5章 重金属汚染という新たな難題
 第6章 日本の食品は安全といえるか  

  消費者と消費者行政

  食品汚染というと消費″nはもっぱら被害者としてのみ扱われ、そのことに批判の余地は
 ないかのように思われるのは日中間でも大きな差はない,。しかし良品汚染の連鎖を断ち切
 るためには、結局は消費″nがその実態を白日の下にさらし、専門家とともにその原囚を探
 ることが、まず求められるのではないだろうか『それには、1960年代に自動申の安全性
 向Lにつとめ、…一…‥界の消費者運動をリードしたアメリカのラルフ・ネーダーのような
 活動が市民運動として社会的に認知されることが必要だ。

 、この運動は、消費者とメーカーやサービスを供給する側との相互の認知あるいは了解があ
 ってこそはじめて効果的なものとなる。一方、供給側や当局が消費片の意思を敵撹するよう
 な雰囲気があるところでは、こうした運動は反社会運動として、取締りの対象と化してしま
 うおそれもある.、これでは、どんな消費者運動も不毛な争いの渦中に埋もれるしかなくな
 る。

  このような角度から中国の消費者を見た場合、これほどの食品汚染が起きているにもかか
 わらず、ただじっと我慢をしているだけのように見受けられる。せいぜいのところ、隣近所
 の井戸端会議でうわさ話をする程度で、解決のための何の展望も生まれてこない。いやだっ
 たら買わなければいい、という売る側の横柄な態度さえ受け入れざるをえないのが現状だ。
  代わりの店舗や人手方法がほかにないからだ,どこの小売店やスーパーにも残る売り手市
 場意識に対する消費者の立場は、今なお弱い,

  どの国でもそうだが消費者運動には、さきほど述べたような相互の認知状況が最初から備
 わっていることはない。健康な生活や生きる価値を求めて立ち上がったり一ダーたちの人生
 をかけた闘いが徐々に理解を広げ、社会全体の認知を受けて独り立ちしていくものだ。この
 点、中国の消費者や市民は、当局が認めた組織や運動でない限り自由にならないハンディを
 負っている,つまり、自由な消費者運動がそもそも許されない国なのだ。前述した「信訪」
 だけが残された唯一の抵抗手段で、それも「信訪条例」が定めるきびしい規則に従った方法、
 内容でなければ当局に受け取ってもらえないし、読んでももらえない。

  当局や企業に集団で直接意見を申し述べることは本来禁止されている。最近各地で聞かれ
 るようになった反土地収用、反公害、反原発建設などを目的に集まる一般の農民や巾民は、
 必ずといっていいほど地元警官や警察が雇った、ならずもの集団によって排除されている。



 反食品汚染運動はロコミで、

 だから中国の消費者が食品汚染に反対して立ち上がり、農民や
 食品加エメーカーを啓発していくなどということはほとんど期待できない。しかしそこまで
 いかずともできる範囲内で行動を起こすことは可能なはずだ。中国の消費者はロコミやデマ
 に本当に弱い体質がある,あれがうまいとなれば大挙しておしかけ、きらいとなれば4歳5
 歳の子供まで動員して悪口を広める。2012年秋にみせた過激な反日暴動や日本製品の不
 買運動は、トップから最末端までが一体となって起こした運動の典型例だった。

  この体質を逆にいかした口コミ方式で、反食品汚染運動を起こせば、危険な食品を作り、
 売る業界は、黙って聞き流すことはできないし、当局もきびしい対応を起こすはずだ。何と
 いっても自身の健康を害することなのだから,そのためになすべきことは、消費者としての
 学習だ。目本には「消費者教育の推進に関する法律一などというものまであって、消費者が
 率先して学習することや、子供の頃から支援することを謳っている。

  中国にはこのような法律はないが、消費者教育制度を求める声は少なくない。食品の製造・
 流通を所管する国家工商行政管理総局や各地の消費者協会(1984年国務院が設置)が、
 最近、食品問題に関心を示すようになったことは歓迎すべきことだ。だが、これらの組織や
 行動は、消費者運動が反社会運動につながらないよう管理する役割の方が強い,ということ
 は、逆に消費者が食品汚染問題について危機感を強めている証左でもある。

  消費者運動に限らず、民間が取り組む組織的な運動すべてが反政府運動と取り違えられて
 しまう国で、普通の消費者が純粋な消費者運動を行うことは不可能である。そして、現に存
 在する消費者運動らしいものは当局の強い管理下におかれている。こうした現状は、農産物
 を作り、加工する食品加エメーカーにとっては都合がいいだろうが、それを輸入する国の消
 費者にとっては望ましいことではない。



  食品添加物大国・中国
 
  では、汚染の構造を解きあかすため、次に食品添加物について触れよう。すでに述べたこ
 とは省き、ここでは実際にどのような食品添加物が使われているのか、危険性はどうなのか
 を中心に見ていく,
  中国で許可されている食品添加物は日本同様、防腐剤、酸化防止剤、着色料、漂白剤、膨
 張剤、香料、うまみ剤、保水剤、栄養強化剤などに分類されている。この分類ごとおよび使
 用食品ごとに使用量が決められており、たとえばビタミンAはコメーキログラム当たり60
 0~1200マイクログラム、粉ミルクは同じく2000~1万マイクログラムなどとい
 うように定められている。

  p-ヒドロキシ安息香酸メチル

  コメにはビタミンAのほか一定量のB1、B2、ミナイアシン、葉酸、カルシウム、亜
 ナマリ、セレン、リシン(コメに含有が少ないアミノ酸)などを添加していいことになっ
 ている。なぜコメにこうしたビタミン剤を混ぜる必要があるのか理解に苦しむが、コメだ
 けでなく、万事がこういう状態なのだ。「p-ヒドロキシ安息香酸」は発ガン性が疑われ
 る物質を含む食品添加物だが、醤油、食用油、果汁、酢、炒めもの肉類など、広範に使用
 が許可されている。

  これらの食品添加物は、輸入される味付け惣菜順に添加されている可能性もある。許可
  添加物の中にはこれと似たものが多数含まれていることは想像にかたくない。しかしこれ
 らは政府が使用許可している食品添加物であることから、民間の業者が安全基準内で使用
 しているかどうかについては、少なくとも技術的には確認しやすい。


  摘発された危険添加物

  だが、使用が許可されている食品添加物のほかに、多数の違法な食品添加物が巷に氾濫
 している。違法添加物となると、そもそも検査の対象項目にないものなので、実際に使用
 されていたにしても発見する手立てが非常に限られている。極端なことをいうと、あらゆ
 る危険物質を調べない限り、危険で違法な物質が食品添加物として使用されているかどう
 かは正確にはわからないのだ。

  氷山の一角にすぎないが、現在、当局の捜査によってつぎの500種類の違法添加物が摘
 発されている,
  ホルムアルデヒド、スーダン紅(染料)、アストラゾンオレンジ(染料)、黄色塊(染
 料)、精子蛋白質、メラミン、ホウ酸、チオシアン酸ナトリウム、ローズレッドB、アル
 カリ性黄色、工業用ホルムアルデヒド、工業用苛性ソーダ、一酸化炭素、硫化物、工業用
 硫黄、工業用染料、ケシ、革の加水分解物、臭素酸カリウム、β-ラクタマーゼ(ハクモ
 クレン酵素)、フマル酸ジメチル、廃棄食用油、工業用鉱物油、工業用ゼラチン、工業用
 アルコール、ジクロルボス、毛髪水、工業用酢酸、クレンブテロール、ラクトパミン、ニ
 トロフラン薬、ゼラノール、抗生物質かす、鎮静剤、蛍光増白物質、工業用塩化マグネシ
 ウム、リン化アルミニウム、漂白剤、充填剤、アシッドオレンジH、クロラムフェニコー
 ル、キノロン、水ガラス、マラカイトグリーン、メテナミン、ペンタクロロフェノール、
 オラキンドックス、ベーシックイエロー、スルフアメタジン、トリクロルホン。 これら
 は中国語を翻訳したものだが、専門用語なので日本語として適切でないものもあるかもし
 れない。

  つぎに日本が輸入しているか、加工食品原材料として使っている可能性の高い食品に、
 どのような違法食品添加物が使われているのか、その一例を挙げる。

   違法着色料:漬物、冷凍果物、パスタ、ワイン、違法乳化剤‥月餅、パスタ
   違法防腐剤:パスタ、月餅、冷凍果物、漬物
   違法汁:味剤:漬物、パスタ、月餅、菓子
   違法漂白剤(硫黄):万頭
   違法光沢剤:菓子
   違法保水剤‥菓子
   違法膨張剤‥菓子、油条(中国風揚げパン)
   違法補色剤‥肉製品
   二酸化鉄∵小麦粉
   タルカムバウグー‥小麦粉
   硫酸鉄‥臭豆腐
   硫酸銅‥乾燥野菜
 
  また飼料添加物も要注意だ。使用が許可されているもの以外に、違法な成長ホルモン剤
 や違法抗生物質が流通している。
  タイロシン、バシトラシン、マクロライド、ポリペプチド、リスチン、エンラマイシン、
 アボパルシン、フラボマイシンン、オキシテトラサイクリン、サリノマイシン、モネンシ
 ン、アミノグリコシド、コクロルテトラサイクリン、ハイグロマイシンBな 以上は飼料
 添加物として許可されている抗生物質だが、種類も多く、中には日本の製薬会社が開発し
 たものもある。当然、抗生物質のすべてが悪いわけではない。しかし、牛や豚の病気を治
 すために一時的に使用するならともかく、長期間飼料に添加されると残留分がやがて人間
 の体内に入り込む危険性がある,

  食品添加物は日々増え、改良され続けている,需要に応じて、また一方で需要を作り出
 すために。以下はその背景だ。

  ①激しさを増す食品加エメーカー間の競争で生き残り、あるいは一層優位にを立つため
   (加工費用と加工時間の短縮に有効なため/ミクロ的要求)
  ②加工食品に良い他品種大量生産のため(マクロ的要求)
  ③食品・食品が食品モジュール化によって一層桐分化しているため(マクロ・ミクロ的.
   要求)
  ④食のグローバル化による食品添加物の政府間相互承認のため(国際的要求)
 
  このままでは、食品添加物は増加の一途をたどる可能性がある。食品安全問題はコーデ
 ックス委員会の仕事であるにもかかわらず世界中に増え続ける食品添加物を規制する動き
 は、ほとんど確認されていない。危険な食品添加物を規制するにはメーカーの自主性と良
 心に、安全を守るには消費者.人ひとりの判断と行動に期待するしかないのだろうか?




  水売り商売
 
  何度も触れてきた水汚染だが、ここではその問題が農村に悪循環を及ぼしている例を上
 げる。
  黄河の総延長は5464キロメートル、長江についで中国第2の大河だ。この川の源流
 は、チベット族が羊やヤク(毛深い大を大きくしたような牛の.腫)を飼う標高約450
 0メートルの平原や湖、中小の河川が散在する西海省『三江源』である。
  2011年7月、わたしは同原3人と約10日問、碕河源流地帯に住むチベット族の牧畜
 や水環境調査をするため現地を訪れた。中国の研究者も含め、ひとりに付き大小合わせて
 3本の酸素ボンベ、食料とテント、寝袋などをパジェロとランドクルーザーに積み込んだ
 大所帯の旅だ。青海省の省都西寧巾から菜の花が二面に咲く青海湖畔を抜け、山岳道路を
 走り、三江源でチベット族の話を聞き、最後の目的地は四川地震の肢害が残る辺境、玉樹
 チベット族自治州に行くことだった。青い草と、はるか遠方にコメ粒のような羊の群れ以
 外は見えない大平原を走っていくと、あの濁った黄河につながっているとは思えない神秘
 的な美しさをたたえた水源にたどり着いた。



  その美しい水も大河に流れ込んでくる問に汚染される,北に向かって大きく蛇行して院
 西省・西安に近づいてくるに従って汚染は深刻になる,西安はその昔、長安と呼ぱれ唐の
 時代の作目部だったところだ.
  わたしは黄河に近い農村地帯へ向かい、農家の庭先で水売り商売をしている李東栄(仮
 名)に出会った。李は45歳で、水売り商売のかたわら、肥料や農薬などの農業資材を農民
 に売る什事や大手保険会社の代理店業務をして生活をしている。自然を相手にする農民の
 顔は表情に曇りがなく、笑顔が素直なのが特徴だが、そういった風情が李の顔からは感じ
 られなかった。とはいえ、どちらかというと人柄のよさそうな顔つきの男だ。彼の家の庭
 先に腰を掛けて話を聞いた。周りは一面トウモロコシ畑で、そのための井戸を掘って、農
 民に売ることが彼の主な仕事だという。

 「このあたりは水の豊富なところだったが、10年ほど前から不足するようになった。わ
 たしは農民に農薬を売ってきたのでこの地方のことは良く知っている。そこで、水を売る
 ことを考えたのさ」

  左手に強そうなタバコをはさみながら、彼はいった。
  この辺では井戸を掘るのは自由なのだろうか。
 「本当は県政府の許可がいるが、商売仲間はみな無許可で掘っている。自分の井戸は掘る
 のに1万元かかった。誰もができることではない,経済的なカがある者だけが掘れるのだ」
 農村地帯の農業用水は県の水利庁が管理するが、この地方では、他の地方にはあまりない
 農民の水利組合が水の配分の調整などを担っている。彼はその水利組合の幹部とうまくや
 っているのに違いない。

  李は「200から300メートル掘らないと水は出ないよ」と何事もなさそうにいう。
 しかも、「あまりにも地ドが深いので、塩害が出るんだよ」というではないか。地下水位
 の低下は中国全体の問題で、このために全国的に地盤沈下が進行している。農村ばかりで
 なく、都巾でも地盤沈下は深刻で、北京、上海は海抜ゼロメートルの場所も多いという。
 塩害が出るような場所の水で、農業には影響ないのかと聞くと、「この水以外に、代わり
 になる水はないよ。農民は皆、良くないと思っていてもこの水しかないのだ」という。 

  わたしと一緒に村を歩いている院生も驚きながら、では水はちゃんと出るのかと聞いて
 いる。
 「今のところは大丈夫だ。しかし、何年かすると、もっと深い井戸を掘ることになるかも
 しれない」というではないか。わたしは、おそらく地下水が枯渇する日もそう遠くはない
 のはないかと思う,そういう場所が中国の西部には少なくない,映西省の隣、甘粛省の農
 村を歩いてみるとわかるが、昔は生きていたにちがいない河や小川の跡が露出している。
  このあたりの農業用水はすべて、井戸の水を使う井戸漂流だ。以前は河から引いた水を、
 農村地帯を血管のように細かく張り巡らせた用水路に流したものだが、今は河から取った
 水ではなく片口水に代わったのだ。
 「流ほが減ったので河の水が取水ロよりも下がってしまったのだ。そのために河から水を
 取れなくなったのだよ」
 

                                  この項つづく  

【ひとりだけの料理Ⅰ:粉末茶】



月命日や法要が多くなり、お香、線香、蝋燭、粉末茶が残るようになり、毎朝、目を覚ますと、般若心
経を唱えお勤め、ティファーレで湯を沸かし、小さじ1、熱湯160グラムを注ぎ頂くことが定着して
いる。元来声が大きいのでご近所迷惑は承知の上、抹香臭い成果とパターンを送る。どうれじゃという
わけだけではないが、「ひとりメシ」?とはどこかで聴いたような――サラメシだったか――腕により
をかけ創作掲載することにする。今朝は緑茶カテキンが効いた「粉末茶」を取り上げた。

 


● マスコミ二ケーションでなくディスコミニケーション

この言葉の発電者は吉本隆明である。TPPやアベノミなどのマスコの質は急速に低下してから随分と
なる。国家官僚の言葉を「茶坊主」ように流し続けてひさしく、国民は「ロストスコア」で貧困と格差
の拡大で苦しんできた。いままた、千頁にも亘るTPPの詳細議事録が翻訳されずに、「要約文」のみ
が垂れ流されているのである。また、中東情勢では、テロ国家の頭目と直に話し合うことなく、問答無
用とばかりに空爆やミサイル攻撃を行っている。もし「墨子」が生きていたなら、即刻、彼ならばその
頭目たちと直接交渉しに出かけていただろうとわたし(たち)は考える。「媒体」はいらない。必要な
のは「直談判」なのだと、そのように考えているが「覆水盆に返らず」である。如何に?!



  

 

量子・ナノサイズ太陽電池時代

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     僕は自分の学生寮でFacebookを開発して、学生寮のパソコンからローンチしたんだ。
           月に85ドルのサーバーを借りて、広告費を取ってそれをまかなった。つまり未だ
      に、寮の時代からビジネスモデルは全く変わっていないんだよ。
 
                                                                       マーク・ザッカーバーグ

                                                                                          

    

【中国の思想: 墨子Ⅴ】
 
  公輸――墨子と戦争技術者※
  尚賢――人の能力を正当に評価せよ
 兼愛――ひとを差別するな※
  非攻――非戦論※
 節葬――葬儀を簡略にせよ
 非楽――音楽の害悪
 非命――宿命論に反対する
 非儒――儒家批判
 親士――人材尊重
 所染――何に染まるか
 七患――君子の誤り七つ
 耕柱――弟子たちとの対話
 貴義――義を貴しとなす
 公孟――儒者との対話
 魯問――迷妄を解く  

  ※ シリーズとして掲載(途中も含め)した「編章節」はピンク色にしている。
     尚、段行末尾の※は、以前取り上げたことがあるもので、改めて記載するもの。

   非儒 - 『墨子』   

 ● とむらい乞食、儒家の徒

  儒者はまた、宿命論をとる。長寿と短命、貧と富、治と乱、これらはすべて天が決定するのであっ
 て、人の力ではそれを変更できない、困窮と栄達、賞と罰、幸と不幸、これらはすでに定まったもの
 であって、人の知力ではどうすることもできないと主張している。
  この説を信ずると、どんなことになるか。伺をやってもむだだから、役人は職務を怠り、農民は働
 こうとしなくなる。役人が勤務をなまければ、国は乱れる。農業がおろそかになれば国は貧しくなる。
 貧困と無秩序とは政治の基礎を揺るがすものだ。儒者は、こういう宿命論を「道」だとか「教え」だ
 とかいっているが、これほど天下に害を与えるものはない。
  そればかりではない。儒者は、礼を煩雑にし、楽を派手にして人を堕落させる。長い間喪に服し、                                          
 悲しそうな素振りをみせて、死者の雲を冒涜する。人の迎合は天の決定することだといって、貧しさ
  から脱け出ようとせず、かえって、それを高潔だと思いこんでいる。なすべきことをなさず、そのく
  せふんぞりかえっている。たらふく飲み食いするくせに、労働を蔑視するから、いつまでたっても飢
  えと寒さになやまされている。

    まるで乞食が、香鼠(口の中に食物をたくわえる習性をもつ)のように食物をしまいこみ、羊のよ
 うにキEロキョロし、去勢豚のようにだらしがないのにそっくりだ。人がこれをからかうと
 「おまえなんかに、おれの偉さがわかるものか」
  と腹を立てる。
  だが、実際、かれらは、夏は穀物を乞い歩き、取入れが終われば、すかさず葬儀屋に早変りする。
 それも一族郎党がゾロゾロつきしたがって、たらふく飲み食いする。こうしていくつかの葬儀を請け
 負えば、それで十分やっていける。つまり、かれらは、他人に寄生して飲み食いし、他人の畑をあて
 にして頑張りかえっているのだ。金持の家に不幸があれば、「メシのクネができた」といって小躍り
 するわけである。
  また儒者は「君子たる者は、古人のことば、古人の服装にならうべきだ。それでこそ、仁である」
 と主張する。

  だが、この「古人のことば」「古人の服装」は、当の古人にとっては何であったか。時代の先端を
 いくものだったはずだ。古人は誰にならったわけでもない。とすれば、古人は君子でないことになる。 
 つまり、儒者は、君子でない者のことば、君子でない者の服装にならうことが、仁であると半張して
 いるのだ。
  儒者はまた「君子は、古人にまなべばいい。新しいものを作りだす必要はない」と主張する。
  では、その古人はどうしたのか。悍はらを作りだし、仔は鎧甲を作りだし、案件は車を作りだし、
 巧飽は舟を作りだした。儒者にしたがえば、今の弓師、鎧師、車大工、舟大工、こういう連中が君子
 であり、悍、仔、案件、巧僥、これらの古人は君子ならぬ小人ということになる。しかも、「まなぶ」
 対象は、小人が「作りだした」ものであるから、儒者は、小人にまなべと主張しているのだ。

  

 〈弄、仔、呉仲、巧俑〉 いずれも古代中国の伝説上の人物。卯は、亮のときの射官であり、『惑溺
  子』『列子』には、日を射た話や、西王母から仙薬をもらった話が伝わっている。
  仔は、夏の爾王の後裔であるといわれるが、詳しいことはわからない。
  昌仲は、両の時代にはじめて馬車をつくった人といわれろ。車はすでに、伝説上、中国最初の帝で
  ある黄帝の時代につくられていたといわれる。
  巧腫は、尭の時代に其工の官(工部長官)をつとめた。


  有強執有命以說議曰、壽夭貧富,安危治亂,固有天命,不可損益。窮達賞罰幸否有極,人之知力、
    不能為焉。群吏信之、則怠於分職、庶人信之、則怠於從事。吏不治則亂、農事緩則貧、貧且亂政
    之本、而儒者以為道教、是賊天下之人者也。且夫繁飾禮樂以淫人、久喪偽哀以謾親、立命緩貧而高浩
    居、倍本棄事而安怠傲、貪於飲食、惰於作務、陷於飢寒、危於凍餒、無以違之。是若人氣、鼸鼠藏、而羝
  羊視、賁彘起。君子笑之。怒曰、散人!焉知良儒。夫夏乞麥禾、五穀既收、大喪是隨、子姓皆從、得厭飲
  食、畢治數喪、足以至矣。因人之家翠、以為、恃人之野以為尊、富人有喪、乃大說、喜曰、此衣食之端也。
  儒者曰、君子必服古言然後仁。應之曰、所謂古之言服者,皆嘗新矣,而古人言之、服之、則非君子也。
  然則必服非君子之服、言非君子之言、而後仁乎?

 

 

【量子・ナノサイズ太陽電池時代: テッペンを取りに行く】

最初から言い訳するのだが、今抱えているrテーマの数と比較して圧倒的に時間が足らない。従って、 マーク・ザ
ッカーバーグの言葉を引用して「完璧」を最初から捨て、「開発研究スケルトン」のイメージ化を重点に行っている
ことをまず謝らなければないらないが、このスタイルは当面変えない。

● 今夜の事例1:高感度光検出画像装置の製造装置とその方法

 

 

US9209331 Materials, fabrication equipment, and methods for stable, sensitive photodetectors  and image sensors made the
refrom;Dec 8 .2015

上図の特許は、光学的に敏感なデバイスは、第1接点と第2接点は、それぞれが固有の仕事関数もつ装置
である。第1接触と第2接点の特定新語と関数をもつp型半導体の感光物質である。 回路は、第1、第2
接点の間にバイアス電圧印加し、この感光物質は、バイアスが第1、第2接点間に印加され第2接点最
初電子走行時間より長い電子寿命をもつ。第1接点は、電子注入しつつ正孔抽出を阻止する。第1接点
との界面は光学的に敏感材料で、表面再結合速度114センチメートル/秒未満である。そして、【特許
請求範囲】は9項目からなり、(1)光学的に敏感なデバイスであって、最初の接触。 n型半導体。 p
型半導体を備える感光物質。第2接触;感光物質の仕事関数の大きさは、第1接点仕事関数の大きさより
も少なくとも0.4 eVの大きいこと、 第2接点の仕事関数の大きさよりも少なくとも0.4電子ボルト
より大きく、バイアスが第1コンタクトと第2のコンタクトとの間に印加され用命電極ている第2接触
の最初の接触から電子走行時間より長い電子寿命を有する感光物質。 n型半導体の電子の注入を提供し、
正孔の抽出を阻止し、n型半導体と1センチ/秒未満の表面再結合速度を提供する感光物質との間のイン
ターフェースであり、(2)p型半導体は、化学的に還元された二酸化チタンを、二酸化チタンからな
る選択さた材料、酸化チタンを、CdTeを含む、請求項1に記載の装置、Cdは、CdSeで、Siはナノ粒子を、
PbSのPbSe、PbTe、CdS、CdSe、CdTeの、シリコン、ゲルマニウム、または炭素からなる群で選択する。
(3)バイアスは約ー2.8ボルトから約-0.1ボルトの範囲の請求項1の装置であり、(4)ナノ粒子の各々がそ
れぞれのナノ粒子の表面に酸化物を有する感光物質は複数のナノ粒子を含み、請求項1に記載の装置である。
(5)光学的に敏感な材料をPbS、のPbSe、PbTe、CdS、CdSの、CdTeの、シリコン、ゲルマニウム、または炭素か
らから選択したナノ粒子を含み、請求項1に記載の装置である。(6)感光物質は、相互接続された複数のナノ粒
子を含む、請求項1に記載の装置。(7)第1第2接点が2ミクロンから200ナノメートルの範囲の距離の請求項1
に記載のしたそうちfである。(8)第1と第2接点がそれぞれアルミニウム、銀、マグネシウム、カルシウム、リチウ
ム、銅、ニッケル、硫化ニッケル、スズ、窒化タンタル、酸化チタンらなる群から選択した料を含む、請求項1に記
載の装置であり、チタンxNy、透明電極、ルテニウム、ケイ化チタン、ケイ化チタンは、酸化チタンxは、コバルトを
ドープした炭素、酸化チタンにホウ素をドーピング。酸化チタンxは、鉄、、酸化チタンxをドーピンクしている。゙

これらの新機構案ソニーなどの第4次産業の雄である国内メーカ(ソニーなど)と激しく競合する領域
であることを補足しておく。

● 今夜の事例2: 量子ドット発光層で表面就職した発光装置

 

下図の発明は、発光ダイオードと面修飾発光体を含む発光素子に関するものであり、表面改質された蛍
光体は、量子ドット発光体と量子ドット発光体上に配置されたフッ素化コーティングを含む。この例示
形態は、水分安定性、放射線および他の環境の影響に対する安定性、動作寿命の改善がを供でき、ケイ
酸やは量子ドット発光体を用いた発光装置を提供するものである。このフッ素化された無機や有機剤で
表面処理が施された発光層の発光装置の提案。それによると、発光団面や発光物質を製造できる化合物
の表面ネットワーク形成を微細に分散したフッ化物やフッ素化合物の検出可能で、疎水性表面と表面欠
陥を直す方法を提供する。この発明特徴は、記第1の発光ダイオードと、光の第一発光ダイオードから
放出され、吸収された光とは異なる波長をもつ光放出構成し、この表面修飾発光体を含む発光素子の表
面修飾した発光層(塊)は、量子ドット発光団およびその発光体上に配置されたフッ素化コーティング
を含む説明は、以下ように記載した。一部は説明から明らかとなり、またはこの発明実施により確認で
きる。

US9196785 Light emitting device having surface-modified quantum dot luminophores

 ● 今夜の事例3:薄膜太陽電池及びその形成方法

下図の太陽電池は、光吸収層上にバッファ層を堆積し、基板の裏面上に保護層を塗布する、バックコンタクト層
上に吸収層を形成し、基板の表面側にバックコンタクト層を形成することによって作製する。過剰な緩衝材は、基
板裏面上に堆積され、そして過剰な緩衝材と保護層を除去する。
尚、太陽電池は、太陽光発電(PV)効果により、太陽光からの電流を発生させるための電気機器のため。
薄膜太陽電池は、基板上に堆積されたPV材料の薄膜の1つ以上の層をもつ。 PV材料の膜厚は、ナノメー
トルまたはマイクロメートルのオーダーである。太陽電池吸収層として用いられる薄膜PV材料の例には、
銅インジウムガリウムセレン(CIGS)及びテルル化カドミウムを含む。吸収材層は、電流に変換するた
めの光を吸収。太陽電池は、光トラッピングと光電流取出しを助け、太陽電池の電気接点を提供し、前
面および背面接点層を含む。多くの太陽電池はまた、層の界面特性を向上させ、更なる処理の間に吸収
体を保護に、吸収体と前面コンタクト層の間に中間層としてのバッファ層を含むが、薄膜堆積のための
一般的に使用されるプロセスは、薄膜下部構造に損傷を与える。  

以上、今夜も不十分ながら、、目的の「量子ドット・ナノスケール」の太陽電池をはじめとする電子デバイスの新規
考案事例を恣意的にピックアップし事例研究に供した。しかしながら、関連残件は箒で満点の正座を掃き清める
がごときさぎょうであった。

                               

【ひとりだけの料理Ⅱ:黒豆茶】

昨夜からシリーズ掲載しはじめた理由を掲載が。理由はそれだけじゃなかった。アロマの商品開発は、
労力と事業責任を考え即決で中止した(再会するときはそれなりの組織経営体となっているが)。それ
じゃ、そのほかの理由というのは?理由は2つある。その1つは、アロマ飲料水用や漢方薬調合のため
に通販で購入した「マジックバレット買っていたがハーブの粉末化ほどしか使っていたためがその理由
だ。2つめは便秘対策。緑茶粉末ではその効果がない。香りが好きだが嗜好は乏しいが、これは即効せ
いとして効果てきめん。ところがコーヒー豆は相対的に値段が高い。そこで代用品をさがすこととなる。
マーカーレシピには「黒豆茶」が紹介されていたので、黒豆(20グラム)、熱湯()400ミリリッ
トル)で、まず、黒豆を空入りしブレードしそれをカップに入れ、ディファーテの熱湯を加えてその効
果を試していみる。



しかし、コーヒーのカフェインがその効果の現任らしい――コーヒーの主成分はカフェイン。このカフェイ
ンは、腸の収縮を促進する神経を刺激する作用を持つ。その結果、腸の運動を促して、便が出やすい状態に
なる。便秘解消効果だけでなく、利尿効果にも優れ、トイレに行く回数が増えるという。その効果は下剤と
も呼ばれ、普段あまりコーヒーを飲まない方が飲むと、腸の動きを急激に活性化させる。その結果、急性の
便秘の改善に効果的とも言われているカェインには、アデノシンという神経伝達物質の妨害を行い、アデノ
シンという神経伝達物質のもつ眠気を誘発を特製する効果をもつ(軽微な覚醒効果?)。また、アデノシン
は膀胱壁の収縮や内尿道口の開閉にも関わる、膀胱括約筋と呼ばれる筋肉の作用を抑制作用もある――とい
うから、カフェインを多く含むオルガニックを探した方が早そうな気がする。  

  

 

アイスフォールとクレパス超え

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        歴史は時の経過を証明する証人である。歴史は現実を照らし、
                   記 憶と力づけ、われわれに古代の便りをもたらす。

  
         History is the witness that tcstifies to thc Passillg 
         of timc; it illumines reality,  vitalizes memory 
                        and brings  us tidings of antiqulty.

                                                                        キケロ    『デーオラトーレ』

                                                                       

                                                                                                                  Marcus Tullius Cicero   
                                                                                      (3 January 106 BC – 7 December 43 BC)

 歴史の効用を巧みに説いてある。翻訳でもその大河のような洋々とした量感の豊かな文体は感じられ
 よう。ルネサンス以後のラテン語の模範とされているのも、もっともであろう。「コップの中のあら
 し」とか、「友は第二の自己」とか、「老齢とは生命の冠、劇の終幕」などみな彼のことば。口ーマ
 の政治家・雄弁家(紀元前106~43)かアント・一ウス攻撃の演説後まもなく、その手下に暗
 殺された日。司法界の第一人者、統領。作の内に演説、ギリシャ哲学の紹介など多し。量感多い文体
 は、大きな影響を与えた(岩田一男)。



 

    

【中国の思想: 墨子Ⅴ】
 
  公輸――墨子と戦争技術者※
  尚賢――人の能力を正当に評価せよ
 兼愛――ひとを差別するな※
  非攻――非戦論※
 節葬――葬儀を簡略にせよ
 非楽――音楽の害悪
 非命――宿命論に反対する
 非儒――儒家批判
 親士――人材尊重
 所染――何に染まるか
 七患――君子の誤り七つ
 耕柱――弟子たちとの対話
 貴義――義を貴しとなす
 公孟――儒者との対話
 魯問――迷妄を解く  

  ※ シリーズとして掲載(途中も含め)した「編章節」はピンク色にしている。

    非儒 - 『墨子』   

  ● 天下を乱す賊、儒家の徒 

   儒者は、こうもいっている。「君子は、戦いに勝った場合、逃げまどう敵は追わず、首をすくめて
  いる敵は射たず、退却する敵の車には手を賃してやるものだ」と。

   これにはこうこたえよう。
   まず第一に、仁人同士であれば、理屈からいっても、たがいに争いあうわけがない。たがいに事の
  是非を話しあい、理がなければ理のあるほうに従い、無知であれば、知者に従う。いいわけの立たぬ
  ときは必ず服従しヽ善とわかれば必ずわが身を改めるJこれが仁人であるこ争いあう必要がどこにあ
  ろう。争いあうのは乱暴者同士である。逃げる者を追わず、隠れる者を射たず、退却する者を助ける、
  子 いくらこんなことをレてみても、そもそも争いをはじめたものが君子であるぼずがない。

   ここに暴虐非道の国があるとする。世のためにその害を除こうとし、軍を起こして洙罰を加えふ。
  これは聖人の戦いである。だがそのとき、例の儒者のやり方によって、逃げる者は迫うな、隠れる者
  は射つな、退却する者には手を賃してやれ、と兵士に銘じたならば、暴虐非道な悪人が死を逃れて、
  天下の害は除かれない。それは、天下の父母すべてを殺し、天下を害することを意味する。これはど
  の不義がまたとあろうか。

  儒者はまた、こうもいう。「君子は鍾のようなものだ。たたけば鳴るが、たたかなければ鳴らない」
 と。これにはこうこたえよう。
  仁人とは君には忠、親には孝を尽し、善をほめ、過ちを諌めるもののことであり、そうすることが
 人臣の道なのだ。たたけば鳴り、たたかなければ鳴らない。つまりこれは、知っていても教えず、力
 があっても出し惜しみし、知らぬ顔で相手が質問するのを待っている、ということだ。どんなに君生
 や親にとって利益になることでも、問われなければ発言しないというのだろうか。
  いままさに叛乱が起ころうとしている、盗賊がおし入ろうとしている。寸刻の猶予もない。しかも、
 それを知っているのは自分ひとりだ。こんな場合でも、君主や親がきかなければいわないというのか,
 とんでもないまちがいである。それでは臣下としては不忠、子としては不孝、兄につかえては不悌、
 人と交わっては不貞といわざるをえない。

  万事控え目を美服として、積極的に進言しないくせに、おのれの利益とみれば、おくれてならじと
 目をだす。君主が何かをきいても自分の得にならぬと思えば、手をこまねいてうつむいたまま、ノド
 にものがつかえでもしたかのように、もったいぶったそぷりで、
 [「たしはまだそれについて学んだことはございません」
 などという。国家の重大事に対して知らぬ顔の半兵衛をきめこみ、遠くに身を避けてしまうのだ。

  又曰、君子循而不作。應之曰、古者羿作弓,作甲,奚仲作車、巧垂作舟、然則今之鮑函車匠皆君
 子也,而羿、、奚仲、巧垂皆小人邪。且其所循人必或作之、然則其所循皆小人道也。又曰、君子
 勝不逐奔、揜函弗射、施則助之胥車。應之曰。若皆仁人也、則無說而相與。仁人以其取舍是非之理
 相告、無故從有故也。弗知從有知也。無辭必服。見善必遷、何故相 若兩暴交爭、其勝者欲不逐奔、
 掩函弗射、施則助之胥車。雖盡能猶且不得為君子也。意暴殘之國也。聖將為世除害,興師誅罰、勝
 將因用儒術令士卒曰毋逐奔。揜函勿射、施則助之胥車。暴亂之人也得活。天下害不除。是為群殘父
 母、而深賤世也、不義莫大焉 。
 又曰、君主若鍾,擊之則鳴,弗擊不鳴。應之曰、夫仁人事上竭忠、事親得孝、務善則美、有過則諫、
 此為人臣之道也。今擊之則鳴、弗擊不鳴、隱知豫力、恬漠待問而後對、雖有君親之大利、弗問不言、
 若將有大寇亂、盜賊將作、若機辟將發也、他人不知、己獨知之、雖其君親皆在、不問不言。是夫大
 亂之賊也。以是為人臣不忠,為子不孝、事兄不弟、交、遇人不貞良、夫執後不言之朝物、見利使己
 雖恐後言、君若言而未有利焉、則高拱下視、會噎為深、曰、唯其未之學也。用誰急、遺行遠矣。夫
 一道術學業仁義者、皆大以治人、小以任官、遠施周、近以脩身、不義不處,、理不行、務興天下之   利、曲直周旋,利則止,此君子之道也。以所聞孔丘之行,則本與此相反謬也。

 

 

【量子・ナノサイズ太陽電池時代: テッペンを取りに行く】

 

ソーラーフロンティア株式会社が、国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)との
共同研究を通して、CIS系薄膜太陽電池のセル(約0.5cm2)で、エネルギー変換効率22.3%となる世
界記録を達成。この記録は、過去の薄膜太陽電池の世界記録である217%を0.6ポイント上回る。な
お、この値は独フラウンホーファー研究機構(欧州最大の応用研究機関)で検証。同者は、今回の成果は
(1)CIS光吸収層表面品質の向上や(2)接合形成技術の改良により達成。この記録は、これまでの薄
膜太陽電池の世界記録を大きく塗り替えるとともに、多結晶シリコン系太陽電池も未達成のエネルギー変
換効率22%を世界で初めて超えた。CIS薄膜太陽電池技術が、長期的な目標である30%を超えるエ
ネルギー変換効率に向かって着実な一歩を刻んでいることを示す。今後もソーラーフロンティアは研究開
発の前線(フロンティア)に立ち、研究開発の成果を実際の生産現場に適用することにより、高い実発電
量と競争力のある発電コストを全てのお客様にお届けていきたいと語る。

エネルギー変換効率に加え、競争力のある発電コストを実現する要素は複数あり。CIS薄膜太陽電池は、
(1)高温下でも発電効率が落ちにくいなど優れた発電性能を有するため、(2)結晶シリコン系の太陽
電池と比較して実際の設置環境下で高い実発電量を発揮する。同社は今回の成果を礎として、さらに高出力
のCIS薄膜太陽電池モジュールの量産化を実現するとのこと。    

 

【概要】
基板上に、遷移金属からなる裏面電極層、光吸収層、透明導電膜が順に形成されたサブストレート型薄膜太陽電池のリ
サイクル方法であって、遷移金属が表面に露出して形成された遷移金属付き基板を準備する準備工程と、前記遷移金
属付き基板を酸素含有雰囲気中で熱処理する熱処理工程と、前記基板上の前記熱処理工程により酸化した遷移金属
を、前記基板から除去する除去工程と、を含む(【選択図】図2)。遷移金属付きの基板から、遷移金属をリサイクル可能
な形で容易に分離することが可能なリサイクル方法を提供する。    

【概要】

分割溝の形成により生じるデッドエリアを小さくし、相対的に発電面積を拡大して光電変換効率を向上
させる集積型薄膜太陽電池の製造方法等を提供するもの。本集積型薄膜太陽電池の製造方法は、基板上
に第1の電極層、半導体層、及び第2の電極層が順に積層された積層膜を製膜する積層膜製膜工程と、
前記積層膜を選択的に除去して前記基板の表面を露出させ、互いに平行な複数の分割溝を形成する分割
溝形成工程と、前記複数の分割溝により分割された隣接するセルの一方となる積層膜の第2の電極層と
、隣接するセルの他方となる積層膜の第1の電極層とを、前記複数の分割溝を介して導通させる導通工
程と、を有する(【選択図】図4)。開示の技術によれば、分割溝の形成により生じるデッドエリアを
小さくし、相対的に発電面積を拡大して光電変換効率を向上させる集積型薄膜太陽電池の製造方法等を
提供できる。

※ 関連特許
 
・特開2015-178096  サブストレート型薄膜太陽電池のリサイクル方法及び遷移金属付き基板のリサイクル方法 
・特開2015-170720  集積型薄膜太陽電池及びその製造方法 
・ 特開2015-060888  排水部材及び太陽電池モジュール
・ 特開2015-028993  薄膜太陽電池モジュールの製造方法
・ 特開2015-021315  細長部材 ソーラーフロンティア株式会社
・ 特許5762148  CZTS系薄膜太陽電池の製造方法 
・ 特許5745342  CZTS系薄膜太陽電池の製造方法 
・ 特許5725610  スパッタリングターゲット及びその製造方法 三菱マテリアル株式会社 他 

以上のように、「ネオコンバーテック」を駆使した「量子ドット・ナノサイズ電子デバイス工学」が『デジタル革命渦論』
の基本特性が貫徹されている新規考案事例である。このことは実験室で実際に身体論的に感得しない限りわか
り得ない者だと、わやし(たち)の経験から了解できることである。つまりは、この「一本道」(桶狭間の戦い)のみ
によってのみエネルギー革命が遂行されるろ確信している。変換効率30%超時代目前にせまっている。このチ
ャンスを見過ごすわけには行かぬと腹に据え邁進するのみであろう。   


【七つのにわかな俳句鑑賞】


   細き身にコルセット佩きわが妻のゆるりと歩むロボットのごと


   整形外科の予約の札は嫁が取り妻をはこぶはわれの役割


   踏切の線路にはまる前輪を持ち上げくれぬ若者飛びきて


   踏切を渡るは後向きに曳くべしと操作教へて去りし若者


   みどり濃き禅並木をまぶしみて車椅子押す朝のコースは


   ふり仰ぐ桜の梢に虫喰ひのレース模様の葉が揺れやまぬ


   車椅子押しゆく道に鶺鴒(セキレイ)の番降りきて長き尾を振る


                      横山三樹 『車椅子』


まだ、母の死から非嘆症かた完全に断ち切れていないが、まだ北野病院の股関節手術で歩けていたころ
――後に右足の股関節手術を豊里病院で前にあり、無理矢理、ロードスターに母を同情させ、滋賀大か
ら追手問でフルオープンしキャッスルロードまで暮れ時の花見を楽しんだことがあった。人混みで混雑
している中を、わたしたちだけが、ゆっくり堀端を走らせたが、物見遊山にのぞき込まれながも、桜吹
雪が時折社内に降り注ぎ込む風景を胆嚢した。母はどうかというと無表情で、むしろ人だかりにおびえ
ている風にもみえたが、宗安案まえまでくると、ハートトップを覆蓋させ帰宅した。しばらくして、彼
女は車いすなしにはあるくことができなくなった。

 

   ● 今夜の一曲

For the Peace of All Mankind  落ち葉のコンチェルト

 
【アイスフォールとクレパス超え】

今年は百名山盗聴は実現できなかぅたのはいたしかたがない。来年は5月6月に上越関東の山をいつもの弾丸
登山でなく一拍二日で党はする計画をしている。それはいいのだが、普段は普通の親戚や友人宅をも訪れよう
と計画している。ところが、百名山を踏破したなら、記念に3週間程度かけ、マッキンリー(デナリ)も挑戦し
ようと決めた(今夜、突然そう決めた)。実現できるかどうかわからないが、大きな夢を見ることにし
た。不思議な気分を経験している。 

  

 

 

 

法然の編集力

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        中国人は異民族が唱えた仏教を、なぜ理解できたのか。
             老荘の思想をたくみに受容器につかいつつ、
             そこで「無」から「空」への変換をはかったからだ。
             が、それだけではなかった。その老荘思想を
             逆にとりこんで、浄土教や禅に発展させていった。
             往時の長谷川如是閑の老子論に始まっている。
             とんでもなく痛快な見方だ。
             昔は、こういう傑物の見方というものがあったのだ。
             今は、仏教議論がせせこましくなっている。
             そろそろタオイズムと浄土教と禅とを、
             仏教と道教と儒教とを串刺しにしてみる必要がある。
                        

                                       1437夜『老荘と仏教』森三樹三郎
                                                   松岡正剛の千夜千冊

 

                                                                                    

                                                            Seigo Matsuoka                                                                                                                                          Jan 25, 1944-

 
【世界初 室温で実現できる“超電導”】

電気抵抗がゼロになり原理的に送電中の熱ロスがなくなることから、省エネルギー化につながるとして
期待される超電導技術。さらなる普及に向け超低温まで冷却せずに超電導状態を得られる物質の開発が
進んでいる。理化学研究所などの研究グループは新たな物質設計の指針となる研究成果を公開(2015.12.
01)。

理化学研究所と産業技術総合研究所の研究グループは、高温超電導銅酸化物の高圧力下電気抵抗測定の
結果から、より高い超電導臨界温度を実現する物質設計に新たな指針を示した。 超高速で走るリニア
モーターカーや病院での検査に用いるMRI(磁気共鳴画像)装置は、超電導と呼ばれる現象を応用してい
る。超電導状態になると電気抵抗がゼロになり、原理的には送電中の熱ロスが全くなくなる。また、従来
と同じ太さの電線に大量の電流を流せるという利点もある。そのため超電導体は、情報化社会において肥大化し
つづけるエネルギー消費を抑えることができる材料として研究開発が進められてきた。ただ、超電導状態の発現
には超電導臨界温度(Tc)まで冷却する必要があり、この温度をいかに上げるかが実用化への重要な課
題。



研究グループは、現在、大気圧下で最も高いTcを示す水銀系超電導銅酸化物のHg1223とHg1212のTcをさ
らに上昇させる試みを行った。理研のキュービックアンビル型高圧発生装置(高温用)を用いて、従来
のHg1223とHg1212よりも粒子間の結合が密接で強度が高く、高圧力下でひびなどが入らない試料を作成。
これは高圧力下での物理的性質の正確測定に重要なものとなる。また、適切な熱処理を行いキャリア量
を制御してさまざまなTcを持つHg1223とHg1212を得た。さらにHg1223とHg1212の異なるキャリア量を持
つ試料ごとに、圧力によるTcの変化を調べた。その結果、大気圧下で最も高いTcを示す化学組成を持つ
試料よりもキャリア量の少ない組成を持つ試料の方が、高圧力下でより高いTcを示す。大気圧でTcの最
高値はマイナス147度だったが、6万気圧では、Tcの最高値はマイナス134度C、Δp(大気圧下で最も高い
Tcを示す試料のキャリア量をゼロとし、その値からの差)はマイナス0.025となった。さらに12万気圧
でのTcの最高値はマイナス125度、Δpはマイナス0.051だった(上図)。この傾向はHg1223にも見られ
たという。

 共同研究グループは、Tcを室温レベルまで引き上げることができれば、エネルギーロスを極限まで抑えることが
でき、より高い超電導臨界温度を実現する物質設計の新しい指針を得た。今後この研究をきっかけに超電導臨
界温度をより高める実験的および理論的研究が促進され、“超省エネルギー社会”の実現につながる室温超電
導体の開発が加速すると期待されるが、商用化はだいぶん先の話になる。

 Nov 27, 2015

【京セラ滋賀、年間5700メガワット時の節電で地球温暖化を防止 】

京セラは太陽電池セルを生産する「滋賀野洲工場」において、工場屋根スペースへの太陽光発電システ
ムの設置や、製造設備の省エネ化、未利用エネルギーの活用といった省エネ活動に取り組んでいる。こ
れにより年間5659メガワット時の使用電力量と約43388トンの二酸化炭素の削減に相当。

京セラの滋賀野洲工場が、環境省が実施する「平成27年度 地球温暖化防止活動環境大臣表彰をこのほど
受賞。同表彰は、環境省が地球温暖化対策を推進する一環として、08年から毎年、地球温暖化防止月
間にあたる12月に、地球温暖化の防止に顕著な功績のあった個人や団体をたたえるもの。京セラは、
10年度(から今回6年連続受賞となる.

京セラは工場のある滋賀県の太陽光発電の普及にも積極的に寄与し、滋賀・矢橋帰帆島メガソーラー発
電所(草津市、8.5(MW)、野洲・吉川メガソーラー発電所(野洲市、1.8MW)では太陽電池モジュ
ールの供給および運営を担当し、滋賀食肉センター(近江八幡市、2.0MW)へは太陽電池モジュールを供
給(上図)。工場の屋根スペースでの太陽光発電システムの設置に加えて、工場内での冷却用の冷凍機、
空気圧縮機の台数制御とボイラーの小型化による運転効率の改善、シリコン鋳造炉の断熱強化による高
効率化での省エネを実施している。また、太陽電池セル製造工程や、空気圧縮機からの排熱を温水や純
水製造設備の熱源として利用するなど、エネルギーの再利用も推進中だ。これらの取り組みにより、年
間約5659メガワット時の使用電力量と、約4388トンの二酸化炭素削減を実現。



また、この他に地球環境保護への貢献活動も実施。地元の小学校に出向き、子どもたちに、太陽電池を教材に
未来の環境を考える機会を提供する環境出前授業の開催や、国際湖沼環境委員会を通じてアジアアフリカ地域
の将来の環境政策を担う若手技術者へ太陽電池の製造方法、設置事例紹介や排水処理方法などを知ってもら
う機会を提供している。この先、この企業はノーベル平和賞を授賞することが約束されているように思えるニュー
ズだ。

   Dce 8, 2015

a) 25wt%(重量%)CH3NH3I/PbI2のDMF溶液から従来法により製膜したペロブスカイト膜。 b) 25wt%CH3NH3I/PbI2のDMF溶液からFDC法により製膜したペロブスカイト膜。平均粒径と膜厚はともにおよそ100nm。 c) 45wt%CH3NH3I/PbI2のDMF溶液からFDC法により製膜したペロブスカイト膜。平均粒径と膜厚はともにおよそ300nm。 d) 55wt%CH3NH3I/PbI2のDMF溶液からFDC法により製膜したペロブスカイト膜。平均粒径と膜厚はともにおよそ500nm。

 【ペロブスカイト太陽電池の不安定性を改善】

ペロブスカイト太陽電池は、無機材料にもかかわらず有機薄膜太陽電池のように室温で有機溶媒に溶け
てインクのように扱えるため、印刷や塗布で作ることができるという製造面での大きな特長があります。
このため従来のシリコン太陽電池に比べて、はるかに安価に大量生産が可能になると期待され、次世代
の太陽電池として世界中で研究されている(宮坂力教授はノーベル賞に一番近い?)ます。現在、エネ
ルギー変換効率は20%を超えるものが報告されるようになったものの、製膜条件により発電特性にば
らつきが見られたり、電圧掃引方向によって異なる発電特性を示す(ヒステリシス)という現象が見ら
れるなど、再現性が悪く、発電機構の定量的な研究を系統的に行えなかったっが、近年急速にその改善
が進んでいる。

ばらつきの主な原因は、(1)無機結晶材料を溶液からの塗布プロセスにより急速に製膜による緻密で平滑なペ
ロブスカイト結晶の膜を再現良く作製するのが難しいこと、(2)緻密で平滑な結晶膜を作る比較的品質の良い結
晶を得る手法が開発――す。例えば、PbI2とCH3NH3Iが溶けたジメチルホルムアミド(DM
F)溶液からCH3NH3PbI3ペロブスカイトをスピンコート法により製膜する際に、クロロベン
ゼン溶液をスピンコート中に滴下することで、緻密で平滑なペロブスカイト膜が得られれている。(3)
急速な結晶化を促進することから高速結晶堆積法注の開発で、ペロブスカイト太陽電池の素子特性のば
らつきやヒステリシスはかなり抑制され、15%程度の変換効率が再現良くなってきている。




以上の結果では、(1)光電流発生過程には変換ロスはないが、電圧はトラップを介した再結合のロス
(変換ロス)が存在する。(2)この電圧ロスを抑制にはトラップなくす必要がある。(3)しかし、
ペロブスカイトの単結晶の作製でトラップ密度が1010cm−3程度であることがわかっている。(4)
このことからVOCは1.27 Vにまで向上できそうで、理論限界値に近い値であり、ペロブスカイト太
陽電池の(5)トラップ密度を単結今回の解析結果を基に、これまでに報告されている中で最もトラッ
プ密度の低い単結晶ペロブスカイトレベルにまでトラップ密度を下げることができたと想定した時のVOC
の予測ではほぼ理論限界値にまで向上する。(6)ペロブスカイトは再結合以外の新たなロス機構が関与
も考えられるが、(7)シリコン太陽電池に迫るエネルギー変換効率25%のペロブスカイト太陽電池の
実現も可能だと考えられる。これは益々面白くなるそうだ。

※ "Photovoltaic Performance of Perovskite Solar Cells with Different Grain Sizes”(ペロブスカイト太陽電池
  の発電特性の粒径依存性)doi :10.1002/adma.201504144

 

 

 

 

 ● 折々の読書 『法然の編集力』 1  松岡 正剛 著

  【目次】

   第一部 法然の選択思想をよむ

    忘れられた仏教者
    六字名号の伴/宗教は「編集」されてきた/法然に吹く風

    専修念仏への道
   父の遺旨/浄土思想との出会い/末法を生きる/法然の読暦法ノ専修念仏の確信/山か
   ら町へ/乱想の凡夫として

    法然のパサージュ
    兼実の「仰せ/「選択」とは何か/法然のブラウザトプリテラシーとオラリティ

    「選択」の波紋
    南都北嶺の逆襲/浄土でつながる……多重な相互選択/親鸞と空也


   第二部 絵伝と写真が語る法然ドラマ

    法然誕の地ノ突然の夜討ちノ時田の遺言/比叡山入山∠宝ヶ池越しに比叡山を望む/
    18歳での遁世/浄土信仰の象徴/一向念仏則に帰す/吉水での説法/念仏宛洋の地/善導
    との夢中対面/大原問答/大原問答の地/九条兼実の帰依ノ朗婉の計画ご弟fの死罪/
    遊女教化/法然の臨終/法然の眠る場所


   第三部 特別対談 松岡正則×町田宗鳳

    大震災を経て/辺境から生まれる希望/仏教の土着化/日本仏教の系譜/仏教とイメー
    ジ/法然の引き算/仏教を再読/「悪人」とは誰か/仏教における死

 

  忘れられた仏教者

   六字名号の謎
 
  ただ一心に「南無阿弥陀仏」と称えれば、往生が約束される――。
  法然の「専修念仏」の教えをごこでまとめれば、このようになります。心して「
 南無阿弥陀仏」と言えば極楽に行ける。ほかのことはせずとも、ひたすらそうしな
 さい。法然はそう教えたわけです。

  けれどもこれって、あまりにも簡単すぎる教えのようですし、それがお勤めだと
 しても、とても安易な勤行のように感じます。実際にも、仏教界ではこのような方
 法を「難行」に別して「易行にといいます。中国の六朝時代の僧・曇鸞の『往生論
 註』などによる分類です。その「易行」を法然は選んだ。なぜそんな大胆なことを
 思いついたのでしょうか。

  たしかに数多ある仏道修行のなかでも、念仏はとても身近に感じることができる
 ものだと思います。私は京都の具服屋に生まれ育ったのですが、日々の周りのいた
 るところでこの念仏が称えられていました。とくに母はたいへんな浄土観の持ち圭
 で、寝る前には必ず「ナンマイダ、ナンマイダ……」と呟いていましたし、何かあ
 るたびに「ああ極楽や、極楽や」と言っていました。毎晩のように同じ念仏を聞か
 されていた私は、私ども心に「ナンマイダって何やるな」と田心ったものですが、
 その念仏こそが法然の「発明」で、まさに誰しもが日々のなかで実践できる勤行だ
 ったのです。

  しかしその一方で、なぜ「南無阿弥陀仏にと称えれば浄Lへと往生できるのか、
  これを説明するとなるとたいへん難しい。あまりに簡潔であるがゆえに、かえっ
 てその奥行きが覗きにくいのです。
 
  だいたい「南無阿弥陀仏」にあたる用語は、サンスクリット文献やパーリ語の史
 料にはまったく出てきません。また、この洋字六欠字を名号とするように示唆して
 いる漢訳経典をさがしても、浄土三部経のひとつの「観無量寿経」にのなかでわず
 か二箇所に出てくるだけなのです。

  そこには「声をして絶えざらしめて、十念を具足して南無阿弥陀仏と称す。仏名
 を称するがゆえに、念念の中において八十億劫の生死の罪を除く」とあります。た
 しかに口称念仏を重視していますが、それが宗旨の基本になるということなど、何
 も説明されていません。それに本来、念仏とは「仏を念ずる」ということで、さま
 ざまな仏のイメージを思い浮かべる「鰻念」)ことだったのです。その方法には
 いろいろあって、多くは「観想の念仏’が中心だったのです。それをまとめて「観
 仏」というのですが、口に名号を唱えるというのは、そういう多種な念仏のうちの
 ひとつの手段にすぎませんでした。

  ところが、法然はその数ある念仏のなかの「称名念仏」のみに着目し、それを「
 修念仏」にまでもっていった。あまりに革新的といっていい転換で、そこに帰着し
 た根拠がすぐには思いつきません。
  私は長らく、法然がなぜ「南無阿弥陀仏」という六字名号を祢える念仏だけで浄
 上京をおこせたのか、わからなかったのです。きっと私が知らない経緯や思想があ
 っただろうに、それがなかなかつかめません。けれども、しだいにその秘密が解け
 てきました。この本ではその話をしたいと話をしたいと思います。

   法然が先鞭をつけた鎌貪新仏教といえば、栄西、道元、口速などの数々の個性的な唱
 導者が台頭してきたことで知られています。
 法 然の弟子だった親鸞もその一人ですが、それまで日本の仏教者でもっとも論じ
 られてきたのは、この親鸞にほかなりません。それは、浄土真字が今日最多の信徒
 を抱える宗派であるというだけでなく、著作ほとんどない法然にくらべて、親鸞に
 は「教行員証」や「歎異抄」にといったが著作あって、その言説にじかにふれられ
 ること、ふれてみるとそのエクリチュールの華麗さや.「悪人正機説」に代表され
 る逆説的不法に読み于を引きこむ魅力があって、それらに仏教思想という枠組みを 
 超えた奥行きや思想性を感じられるからです。

  ひとことでこ言てしまえば、とても現代的なのです。とくにマルクス主義や実存
 主義がはやっていか1960年代には、親鸞の思想が多くの文学者や思想家を剌激
 し、知識人たちの関心を挙って親鸞へと向かわせました。曹洞宗の祖である道元も
 論じられる機会の多い仏教者ですが、それもまた、足元の展開する時間哲学にアラ
 ンやハイデガーをとうに凌駕する試作感じてのことでした。

  その六〇年代に学生だった払も、爾多分にもれず俘在論や認識論のよ場から親鸞
 今週元の思想に関心をもちました。あるいは、明恵や大日能忍や日蓮らがもつ過激
 な言語的宗軟性に感応していた。そのなかにあって、ついつい法然をほったらかし
 にしていたのです。仏教思想としても、現代思想想としても、あるいは世界観の豊
 饒さからいっても、親鸞以降の仏教者だちから法然ヘル戻ることは難しかったので
 す。そのために「後同し」にしていました。

  ありていにいえば、法然っておとなしいのかと思っていたのです。さらにいうの
 なら私の場合は親鸞や道元に加えて空海も好さだったのですが、どうもそれらにく
 らべて法然は愚直な印象が強く、刺激矢欠けるように感じられかた。つまり、オン
 トロジック(存在学的)な関心やエクリチュールっぼい関心では、法然を読むこと
 がいまひとつ引っかかってこなかったというのが正直なところです。

  とはいえ、そういった見方は海外でも同じだったように思います。海外での翻訳
 が多いのもやはり親鸞のほうで、法然はずっと忘れられてきたといっていい。鎌倉
 新仏教をめぐる議論では、あいかわらず親鸞や道元や目蓮、そうでなければ明恵や
 一遍に強い関心が向けられてきました。鎌倉新仏教に「日本的霊性」を発見した鈴
 本人拙ですら、そういう見方をしていました。

  ところがそのうち、ちょっと考えを改めることになりました。ひょっとして日本
 仏教における根底的な転換をはたしたのは法然その人なのではないか。決然の「専
 修念仏」という先駆的確信には、何かよほどの理由かおるのではないか。ひょっと
 するとそこには、たんなる頑囚一徹を超えるクリティカルな方法が躍如していたの
 ではないか。それがのちのちの各派各祖をゆさぶったのではないか。だんだんそう
 考えるようになっていたのです。


この本と出会ったのは昨日の市立図書館で偶然にみつけたもので、「ヘンダーリン」の
図書の貸し出し延長手続きで、ついでに、「存在と時間」(ハイデガー)、「地熱工学
入門」(江原幸雄・野田徹郎)を新たに貸し出し申請したのが切っ掛けであった。松岡
正剛の著書でなけれとむことは一生手にすることはなかぅたたろう。それにしてもどう
だ。書籍類のの焚書処分はいっこうに捗らず彼女にしかられるばかだ。


                               この項つづく

 

 

    

どうする中国の環境破壊

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   人間、年とるにつれて、万事がまったく同じになってゆくことを発見する。
          違うのはかふっている帽子だけである。

                                        英国の劇作家ノエル・カワード/『個人生活』

        As one gets older, one discovers everysing's going to be exactly the same ――with
                     different hats on.
                                                                                                                                          Noel Coward

 

       ※ getolder「だんだん年をとってゆく」(「老人になる」とは同じでない)
      exactly は the same  にかかり「まったく同じ」の意。
           with different hats on「ただ、ちがった帽子をかふって」
                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                                            

                                               

 ● 日中食品汚染 21 中国の食品汚染地図 

 【目次】 

 第1章 見えない食品の恐怖
 第2章 中国の食品汚染
 第3章 食品汚染のヒトへの影響
 第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
 第5章 重金属汚染という新たな難題
 第6章 日本の食品は安全といえるか  

   水の利権構造

  李はトウモロコシ畑の穴ん中に掘った件.ロに、電動ホン,フを設置して水をくみトげ
 る いつも水をかけ流しにしておくわけではなく、必要なとき.電気のスイッチを入れ
 るのたという,
 「吸い上げた水を駄幹用水路に流すと、この水を貿う農家の畑に流れていく」
  この商売はどれくらい利益が上がるのかと水の売値を聞くと「Iキロリットル2元(約
 35円)」という答えが返ってきた。井戸水をIキロリットル水路に流すとその値段は2
 元、という意味である。北京の上水道並みに高い値段だ。
 「畑は年中、水が必要なわけではない。収穫期が迫り、トウモロコシが水を必要としなく
 なった時は、野菜畑やリンゴ畑に流す」
  水の売り上げが減る時期は、農業資材を売る商売に精を出す。水売り商売の方は1日5
 00元、これを年間100目売るだけで、井戸を掘ったコストは簡単に回収できたという。
 電気代や水利組合幹部への「心付け」を払っても、かなりうまみのある商売だ。
 
  李のような水売り商売をする者は何人くらいいるか、と聞くと、
 「この辺りで俺をいれて5、6人かな。昔、河から水を取っていたころ、水利権は奪い合
 いだった。それを調整していたのが水利組ハロだ。今その役目をしているのが俺さ」
 水の分配をするには強い権力か村の組織が必要だったが、代わりにその権力を握ったのが李だ。
 水の不足が村の権力構造にも影響を与えている事例だ。
  一方で塩害は徐々に農地を傷めつけていく。トウモロコシや野菜の収量は確実に落ちて
 いく。それを補おうと、農民は化学肥料や農家肥を大量にまき、さらに農薬をまく。なぜ
 か? 水不足は汚れた村の水を使う農民を増やし、汚れた土壌にわく害虫を殺す殺虫剤の
 量が増えるのだ。しかも、李はいう。

 「この地方では深耕(植物の根が深く広く張るように、土壌を深く耕すこと)はしない。
 土壌を浅くしか耕さないからますます土壌は空気を失い、悪化の一途だ」
  しかし、浅耕はこの地方だけのことではなく、中国全土に広がる問題なのだ。
 
  深刻な黄河の汚染

  水の汚染は、李の家の近くを流れる黄河の汚染にも現れている。
  表8は省都西安巾から北東へ約100キロメートル離れた涸南市の黄河の汚染状態を示
 すものである。化学的酸素消費量とアンモニア性窒素は低いほどよい。前者は水の汚染を
 測るための指標のひとつで低下する傾向もみられるが、近年は7~6の間にあり、コイや
 フナが生息するためにはかなり厳しい環境とされる。後者は人糞や化学 肥料による汚染
 状況を測るための指標で、改善する動きもあるが変動幅は大きくまだ低位安定とはいいに
 くい。

   こうしたことを勘案して決められる水質の総合的判断は、長期間にわたり「劣V」
  という最悪のランクになっている。中国で水質ランクは1~劣Vまであり、Iがもっ
  ともきれいな河川である。I(水源区)やH(主に生活用水)ランクの水質を持つ河
  川や湖沼は非常に少ない。
   あらためて中国全土の水問題の現状をみるとその深刻さが実感できる。中国政府に
  よると全土の水質は悪化がやまず、汚染の進んだⅣ類(主に工業用水、直接人体に触
   れない娯楽用水区)から劣V類(汚染が激しい水区)まで、つまり悪い水質の河川が
  全体の36%にも達している。

   また全国の主要な湖471のうちⅣ類から劣V類の占める割合は19%、富栄養化が
  進んだ湖が28%というから相当なものだ。汚染の中身はリン、窒素、酸化の強い過
 マンガン酸塩、化学的酸素消費量などの数値が高い場合が多い。地下水については汚
  染で飲めない水が全体の77%に達し、特に汚染がひどいのは黒竜江省、江蘇省、吉林
  省、遼寧省、広東省、寧夏回族自治区などの地下水だ。

  水量の減少にも注目する必要がある。この点はとくに北部において深刻で、201
 1年の1年間に、地下水だけで23億な方メートル減少した。この量は「湯水のように
 」水を浪費する日本の都市が年間に使う水の量が271億立方メートル(2013年
 3月)なので、その8・5%にも当たる,中国の国上総面積は日本の26倍だから当の
 中国自身にとってはあまり実感できないかもしれないが、量的にはけっして無視でき
 るものではない,中国で水汚染が生まれる背景はさまざまだ。解決の決め手はないが、
 有望な対策としてまず考えられることは水所有権を自由化することだ。中国水法は水
 を国有化しているため質と価格を分断してしまっている。
 
  水の需給を市場原理に任せるようにすれば、質と価格に運動性が生まれ、きれいに
 院う者により需要が集まるようになり、経済的利益の獲得機会を増大させることがで
 きる,
  現在は、水を汚す者にもきれいに使う者に対しても価格は同一だから、きれいに使
 おうとする動機が生まれにくい。価格が多少高くともきれいな水を使う者に需要が集
 まるようになれば、汚してきた者もきれいにして高く売るようになり、自らもきれい
 な承を使うようになる。
  水には、「物一価」ではなく市場原理が機能する「一物二価、一仏三価」の体系が
 必要だ。

 第5章 重金属汚染という新たな難題

  土壌汚染は表面化しにくい

  土壌汚染の中でも、重金属汚染は農産物や加工食品にまで甚大な影響を及ぼす食品
 汚染の元凶のひとつだ。この章では、重金属汚染を集中的に取り上げたい。
   2013年の夏、わたしは中国の農地の重金属汚染の実態を知ろうと、指導する大
  学院生数人とちょっとした調査旅行に出かけた,北京空港に出迎えてくれた留学生の
 
    父親の親切で、彼の運転する黒塗りの高級車に乗せてもらった。
  約束している北京市の農地土壌改良会社を訪問した。その会社のオフィスは北京市
   の中心にある大きな貸しビルの一室にあった。そこで、会社を経営する若い社長の
   王建中(仮名・35歳)に話を聞くことができた。社員数は少ないが、みな一流大学
   の理系を卒業した若者ばかりだ,王はあらかじめ準備していたスライドをスクリー
   ンに映しながら、仕事の紹介をしていった。
 
  説明を聞いて、北京近郊の土壌の寄生虫調査などを専門とし、合わせて土壌消毒を
 することで利益を出しているベンチャー的な企業であることがわかった。重金属検査
 が専門ではないかと思っていたが、追っていたようだ。
  中国には、重金属検査会社は少なく、まして土壌検査とその改良を指導する専門の
  企業も少ない。王によると、北京には同類の会社は他になく、今のところ独占的な存政であ
  る。そこで、なぜこの仕事をすることになったのか、業績はどうなのかなどを聞いてみた。

 「北京近郊の土は連作障害(同じ農産物を作り続けると土境内のバクテリアや菌類の
 でフェンスが崩れ、病気が発生すること)で線虫や雑菌が繁殖し、根菜類や葉物の収
 量が減り、病気の発生がひどいからです。経済的に少し余裕のある農民を相手にこの商
 売を始めたのです。業績はまあまあですよ。うちのような事業を行う会社はほかにあ
 りません」スライドに映し出された畑には、トラクターくらいの大きさの土壌検査機
 械があった。この機械は安くない。きっといい商売になっているのだろう。

  農地の重金属検査やそのための土壌改良については、「時間と資金、分析機器類な
 どの負担が大きく、うちの会社では、そこまでは無理」という返事だった,たしかに
 重金属検査は大学や公立の研究機関でなければできない難しさがある。重金属汚染検
 査には設備や技術の制約があるので、残留農薬検査のようなわけにはいかない。事業
 として行うには、政府の許可が必要でもある。許可を得る前の申請書類は膨大で、し
 かも審査基準は甘くなく、せっかく作った申請書類が無駄になることも覚悟しなけれ
 ばならない。王が重金属検査事業をためらう理由であ仕事を通じて持っている農地の
 重金属汚染の情報を聞いてみた。
  
  「話には聞くが、農民のほとんどは、よほどの実害が出ない限り関心は薄い。しかし経紀人
 (農産物を現金買いするために、トラックで農村を回り歩くブローカー)が神経を使
 って、重金属の危険性についての情報を流し歩いているようなところでは関心を持っ
 ている。うちでは重金属検査や土壌改良をしないのか、と聞いてくる村の幹部も最近
 増えている気がする」
 
  重金属汚染は、大気汚染、化学肥料、地下水汚染、生活汚水など四方ハ方からやっ
 てきているのだそうだ。調べられないまま放置されている重金属汚染農地が広がって
 いるということだろう。隠れた重金属汚染は少なくないと推測できる。
  北京を出たわたしたちは次に河北省唐山市遷安の農村地帯をめざした。高速道路に
 乗り、4時間かけて中国のどこでもありそうな地方都市に着いた。広い道路、にわか
 づくりの商店街、どことなくしっくりしない街並みを見ながら、こんなところにもP
 M2・5は押し寄せているのか、と車の窓に日をやった。ここは北京から約250キ
 ロも離れているので大丈夫かと思っていたが、外は100メートル先も見えないほど
 霞がかっており、思わず咳き込んだ。自分だけマスクをするわけにはいかない。大気
 汚染は、すでに中国全土を覆ってしまっている。クルマを長時間運転してくれた国有
 資産督管理委員会に勤める院生の父親は、「こういう状態が毎ロ続くようになった。
 日本はどうか?」と聞いてきた。わたしは「日本も診はひどかったが、今はきれいに
 なった。中国もそのうちきれいになりますよ」と、なんの根拠もない返事を返すしか
 なかった,
 
 鉱山だけではない汚染源

  2006年、中国農業部が全国24省320の重度の汚染地区合計548万ヘクター
 ルの農地を調査したところ、20%の土壌が汚染され、そのうちの80%が重余属汚染だ
 った。ざっと挙げただけでも、カドミウム、亜ナマリ、クロム、マンガン、水銀、ヒ
 素、銅、鉄、ナマリ、アルミ、コバルト、バナジウムなどがあり、全部で45腫を数え
 た,人体に特に悪い影響をIえる重金属は水銀、カドミウム、ナマジ、ヒ素、クロム
 だ。
  中国でも、これらはガン、脳細胞障害、肝臓疾患、視力障害、肢体麻疹、精神異常
 皮膚異常角質化、高血圧、心臓疾患、腎不全などと関係が深いと危険視されている。

 以下、重金属汚染の原因を述べていく。

 ○大気汚染

  空から農地に降り注ぎ、農産物の根や茎、果実にたまる重金属の腫類は多い。PM
 2・5のような微粒子が地上に落ちてくる。原因は自動車の排ガス、工場排煙、石炭
 排煙などさまざまだ。排ガスの場合、とくにナマリの害が深刻だ。中国の農地のそば
 にはたくさんの道路が走っている。道路の両側100メートルはナマリ汚染濃度が集
 中的に濃くなる部分で、通常は土壌30センチ深くまで浸透している,その結果、基準
 値の6倍以上のナマリが検出される農地が30カ所の観測地点でみられたという。

 ○工業化による汚染
 
  工業優先政策は重金属を大ほにまき散らしてきた。
  銅、カドミウム、水銀、ヒ素は基準値を超え、全体の10%を占めた。重金属は土壌
 中で移動し、滞留時間が長く、徹生物のバランスを崩す作用があると同時に、農産物
 を経由して人体へ入り込む。

  重金属汚染が深刻になった原因のひとつは、急速に進む工業化だった,ゴミの増
 加、その焼却による大気汚染は深刻だ。日本のようにゴミ処理施設が普及していない
 ことが原因として挙げられる。またエ場・鉱山排水や産業廃棄物工場が所有する石炭
 自家発電所などからの煤煙も近くの農地に降り注ぐ。中国では大きなエ場は自前の火
 力発電所を持つことが多いが、その煤煙や燃料の石炭灰が地下水や河川を汚すことも
 まれではない,
 
 ○潅漑水汚染

 地域の農・民全員が無償で用水路、排水路、ため池などの雑草や流木を取り除いたり
 補修したりする作業は、人民公社が解体された1980年代半ば以降すっかりなくな
 った。用水路やため池の多くは荒れ放題に任せている。農民は、作業料をもらえない
 仕事にはまったくfを出さなくなった,水田地帯を歩くと、用水路のあちこちの側壁
 が崩れ、水を水田ごとに配分する分岐点が埋もれかかっている光景を至る所で目にす 

 農村の都市化が進み、のどかな農村のイメージを保つところはすっかり減ってしまっ
 た。詳細な年代は不明だが、農業部が全国140万ヘクタールの漂流農地について行
 った調査によると、水銀、カドミウム、クロム、ナマリなどの汚染が65%に広がり、
 そのうち10%は重度の汚染状態にあるとの報告がある,

  重金属汚染は近くに鉱山や化学工場などがないところでも発生する。中国科学院は
 広西省、雲南省が洪水の被害にあったとき、はるか上流にある鉱山の採鉱現場に含ま
 れる屯金属が用水路を通ってド流地帯の農地を襲ったと報告した。
  河南省の省都鄙州巾の汚染された濯流地帯ではIキログラム当たり水銀濃度が0・
 242ミリグラムに達し、危険値とされるO・194ミリグラムを超えている。省と
 同じレベルの直轄巾である重慶市には揚子江が流れるが、農村地帯の土壌検査の結
 果、上流の用水路から流れてきたと思われるヒ素、カドミウム、銅、ニッケルが基準
 哨を超え、とくにカドミウム汚染の値が最大だったことがある。

  潅漑は農地に水を送り、一定の時間が経過してから排水するシステムだが、逆に農
 地に重金属を運ぶことにもなる。中国農村で盛んになったビニールハウス栽培では、
 ビニール製の細い管で野菜の根元に水を送る点滴潅漑方式をとっている。使われる水
 は、地下水がほとんどだ,多くの場ハロ、ビニールハウスには排水路や側溝がないた
 め、地下からくみ上げた水に化学肥料や農薬の成分の一部が溶け、地下にしみ込み、
 叫びハウスの上に戻ってくるという負の循環構造を作り出してしまっている。
  カドミウムは、邑界でも希少な燐鉱石(燐鉱石自体は重金属ではない)に含まれる
 が、中国には吸富にある。そのため、燐酸肥料を使いすぎる傾向がある。燐酸はカド
 ミウム形成に深く関与するとされており、カドミウム汚染が潅漑施設を通じて自動的
 に増えていくことが不可避だ。なぜ、中国の農地にカドミウム汚染が多いのか、理由
 のひとつに燐酸肥料のまきすぎがあるというのが専門家の見方である。 


中国の大気汚染(PM2・5)は、直接私の気管支と肺に異常を起こすのだ。わたしひと
りまら我慢するだけだが?そんな程度で収まることがないのは中国人も、韓国人も、日本
人もわかっている。国際的な協調体制と行動が必要だ(もっとも、」国内には、プロトニ
ウムと重水素、セシウムの内部被爆問題をかかえたただから他国のことばかりにかかって
いられないのだが、「内部被爆」もまともに理解できていな政治家やインテリにも困った
ものだが)。、      

                                                  この項つづく  

   ● 今夜の一枚

元2階級王者の長谷川穂積(34=真正)が、逆転判定で再起戦2連勝を飾った。WB
O世界スーパーフェザー級5位カルロス・ルイス(22=メキシコ)に3、5回に計2
度のダウンを奪われたが、不屈の闘志でポイントを稼ぎ、3-0の逆転判定勝ちした。
しばらく、何も言えないほど感動する。「歳はただの数字だ」とのアーネストホーネス
トの言葉をかみしめていた。

  ● 今夜の一品

 

若い頃は、三十歳過ぎれば「老境」との勝手な思いこみがあったが、それを遙かに超え
ると今度は逆に、テレビ出演している若者をみていても「このおっちゃん」(年格好は
三十から四十頃の若者)は何考えているやろと冷やかし?みることがある(例え、キム
タクでも)。そんなことに気がつくとは、とても不思議な気分だ。そうかと思うと朝日
テレビの「正義のミカタ」で高橋洋一教授が、「最低賃金を時給千円にすべきだと民主
党の枝野の発言を冷やかしていたが」、景気のよしわけと関わりなく、師恩の論理と労
働論理の熾烈な駆け引きできまるものだが、場内平和主義の選挙一辺倒の連合などの限
界を遙か昔に見切っていものにとって、わらず脳天気だねと冷やかし返すほど、世間知
な「おっちゃん」だとあきれる。「おっちゃん」という言葉は使いようにによれば・・・
だと。

 

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量子ドットとグラフェンの強襲

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   体をくねらせて滑らかに這うヘビの驚くべき秘密が明らかになった。
     ウロコの表面が極めて薄い潤滑油でコーティングされていたのだ。 

               ナショナル ジオグラフィック日本版 12月14日                                             

             

 

【悲願: 北陸新幹線「新三都物語」】

 

余談だが、朝鮮半島には地下資源が豊富に存在するがネオジムだけはなぜかなかった(昨夜
調べ)。その代わりモンゴル→朝鮮半島→敦賀のコースは有力だ(超伝導貨物列車)で輸送
か\可能だろうと誇大妄想。

 






 

【最新事例: 量子ドットを用いた電子装置】

従来、複数個配列した半導体量子ドット構造を用いて、多量子ビットを形成して量子計算を
行う方法が考案されているが、この半導体量子ドットを用いて多量子ビットを形成するため
の方法は、電子スピンを用いる方法が提案されている。強磁場下で電子スピンは本質的な2
準位系であり、電子スピン上向き、電子スピン下向きの2状態を1ビット状態に対応させる。
また、ビットの操作として電子スピン共鳴 (ESR) を利用する方法が提案されている。強
磁場下で高周波磁場を照射しESR制御で電子スピン状態を確定した後、量子ドット間相互
作用を変え量子演算をすることが提唱されている 。

特許5397905 量子ドットを用いた電子装置  

上図1は従来の量子ドットを用いた電子装置の上面図を示す。図2にはその電子装置の側面
概略図を示す。これらの図に示すように、ガリウムヒ素 (GaAs) 結晶基板11上にアル
ミニウム・ガリウム・ヒ素(AlGaAs)結晶層12をエピタキシャル成長させると、両
結晶のヘテロ接合界面に10nm程度の厚さの2次元電子ガス層(2DEG層)13が形成
される。この2DEG層13はAlGaAsエピタキシャル層であるAlGaAs結晶層12
表面より約100nmの位置にある。AlGaAs結晶層12上にはゲート電極2,3,4,
5(量子ドット結合制御電極2、右側量子ドット形成電極3、左側量子ドット形成電極4、
中央ゲート電極5)が形成される。これらのゲート電極2,3,4,5に負の電圧を印加す
ることにより、ゲート電極2,3,4,5直下より空乏層が伸びる。この空乏層が2DEG
層13まで伸び、さらにゲート電極2,3,4,5に印加する負電圧を増大させると、空乏
層が到達した部分より2DEG層13は電子キャリアを無くして行く。さらに負印加電圧を
増大してゆくと、2DEG層13に電子キャリアが島状(ほぼ円盤状) に取り残される。こ
れが量子ドット8,9である。さらに、半導体結晶基板1上面にカリックスアーレン絶縁膜
14を塗布する。このカリックスアーレン絶縁膜14上に高周波マイクロコイル34のパタ
ーンを電子ビーム真空蒸着してゲート電極2,3,4,5の表面から90nm離れた位置に
形成する。ゲート電極2,3,4,5への印加電圧を調整することで、両量子ドット8,9
には電子が1個のみ存在するようにすることができる。電子スピンのエネルギー状態を固定
するために外部磁場17を印加する。

 この電子装置を用いて量子ビットを形成するため、まず、全量子ドットの電子スピン情報を
初期化(イニシャライズ) した後、ESR操作を用いて最初の量子ドットに情報を書き込む
(A)。図1,図2に示された高周波マイクロコイル34に高周波電流を流し、高周波磁場
を誘起する。そして、量子ドット8中の電子スピンをESR操作する。このESR操作を、
図3に示すエネルギーダイアグラムに即して説明する。図3の(a)~(c)は、ESR操
作に伴い経時変化した状態を示している。ここで、35はドレイン電極のエネルギー状態を
、36はソース電極のエネルギー状態をそれぞれ示しており、塗りつぶした部分は電子が詰
まっているため上端面以下のエネルギー状態の電子は流れない。37はトンネル障壁で、38
は上向きの基底状態の電子スピン、39は下向きの励起状態の電子スピンを示す。

まず、左側の量子ドット8に電子を電極操作により入れる。十分長い時間(1ミリ秒~1秒) 待つと両
方の量子ドット8,9で電子スピンが揃い、パウリ原理により電流が流れなくなる。図3(a)において、
40は量子ドット8,9間に電流が流れなくなったことを示しており、電子スピン情報が初期化されたこ
とを示している。その後、高周波磁場を与えESR操作をする。図3(b)に示すように、ESRにより電
子スピン39が反転する。さらに、量子ドット間のトンネル確率が十分高ければ、ESR操作が行われ
たことが量子ドット間電流16の流れとして観測される〔図3(c)〕。このようにESR操作により電子ス
ピンの状態が変化することが分かる。

この電子装置を用いて、多量子ビットを作製するには、各量子ドット間の電子スピン結合
状態の精密制御と各量子ドット内の電子スピンの高速制御が必要である(B)。電子スピン
間の結合状態を制御する方法を図4に示す。デバイスは図1,図2とほぼ同じものであるの
で同じ図を用いて説明する。まず、図4(a)に示すように、初期状態で2つの電子スピン
38,39が逆向きであるものとする。上記記載の(A)とは異なり、電子スピン38,3
9のエネルギー状態はドレイン電極・ソース電極のエネルギー状態35,36よりも低く電
流は流れていないものとする。緩和して電子スピン38,39がそろい電子スピンブロック
が起きる前に、図4(b)に示すように、左側量子ドット形成ゲート電極4への印加電圧を
電荷の移動がない程度に少しだけ強めるか、もしくは相対的に中央ゲート電極5の下の空乏
層を弱めることにより、電子スピン間の相互作用20を強めることができる。その後、図4
(c)に示すように、電子スピンは相互作用し向きの揃った状態となる。このように電子は
相互作用し向きの揃った状態、逆向きの状態を往復運動する。相互作用の時間を一定にする
ことで電子の向きを始めの状態とはいつも逆向きにすることができる。この作用は、NOT
操作を表している。上記(A)と(B)とを組み合わせれば、量子ビット、量子計算は一見
容易なように考えられる。

以上、この装置は 多量子ビットの各々に個別にしかも省電力な方法でESR制御を行い量
子計算を実現するための強磁性体微小磁石を有する量子ドットを用いた電子装置を提供する。
複数個配列した半導体量子ドットの各量子ドット8,9近傍もしくは強磁性体微小磁石10
を配置した構造の電子装置であって、強磁場を印加して電子スピン共鳴(ESR)を生じさ
せ、強磁性体微小磁石10の配置を変えることにより、各量子ドット8,9の共鳴周波数を
制御できる。この各量子ドット8,9の共鳴周波数を制御した状態で、各量子ドット8,9
間の電子スピンのスワッピングを行い、量子計算に必要な量子ビット(QUBIT)を作る
ことで、 従来技術では困難であった量子ビット列からなる多量子ビットの各々に個別にしか
も従来の方法よりも省電力な方法でESR制御を行い量子計算を実現でき、強磁性体微小磁
石を有する量子ドットを用いた電子装置を提供することができる新規技術である。

 ※ 、ESR(Equivalent Series Resistance)と呼ばれる抵抗成分の低い積層セラミックコンデンサ

【最新事例: 二層グラフェンでバレー流の生成/検出に成功】

 

東京大学の大学院工学系研究科の樽茶清悟教授らの研究グループは15年11月、電気的に
反転対称性を破った二層グラフェンにおいて、バレー流の生成/検出に初めて成功したと発
表。電荷の流れを伴わないバレー流は、エネルギー消費を伴わない情報媒体になると期待さ
れる。このため、同研究結果は、二層グラフェンによるバレー流を用いた低消費電力エレク
トロニクスの開発に貢献する。

ところで、バレーとは、電子を区別することができる結晶の性質のことを呼ぶ。固体結晶中
の電子はスピン自由度に加えて異なる特性を持つ場合がある。電子は粒子としての性質を持
つと同時に、量子力学的な電子の波の性質も示すことだ。電子の波は一般的にさまざまな波
長や方向を持つが、一部の固体結晶中において安定な状態となる。この特定の波長や方向に
より結晶中の電子を区別することができ、その性質をバレーと呼んでいる。

バレーはスピン流と同様に電荷の流れを伴わず、エネルギー消費のない情報媒体として期待
されているが、スピン自由度と比較するとバレー自由度は制御が難しいという課題があった。
グラフェン中の電子もバレー自由度を持つことが知られており研究が進められていたが、エ
ネルギーギャップを制御することができず、電子密度のみを制御していたため、変換効率の
制御性には限界があった。

同研究グループは、二層グラフェンの電場での制御性に着目した。単層グラフェンのままで
は垂直電場により結晶の反転対称性を破ることはできない。二層グラフェンは上下の層にエ
ネルギー差ができるため、結晶の反転対称性を破ることができる。二層グラフェンは単層グ
ラフェンと同様に、幾何学的位相を持つため、結晶の反転対称性を破り、バレーホール効果
を誘起することができる。エネルギーギャップを垂直電場により制御することで、バレー流
への変換効率も広範囲で制御できる。

※ 幾何学的位相:電子がエネルギー的に安定な状態に従って変化する際に、電子の波の位相に生
  じるずれのこと。

 

 

 【最新事例:GaNの「最小」ACアダプター】 

● GaNの「最小」ACアダプター、充電時間も1/3に

富士通研究所は15年15月9日、窒化ガリウム(GaN)高電子移動度トランジスタ(HEMT)
パワーデバイスを用いて、モバイル端末などの急速充電を可能にする12ワット出力の小型
交流アダプターを開発。ACアダプターを高効率/小型化/高出力化するためには、スイッチ素
子のオン、オフの動作回数を増やしたスイッチングが求められる。スイッチ素子として、オ
ン、オフを決める閾値(しきいち)電圧が小さく、メガヘルツ駆動が可能なGaN-HEMTが適し
ている。 GaN-HEMTはシリコン(Si)半導体の10倍の周波数で動作し、動作抵抗も1/10以下
と高性能である。しかし、現状ではスイッチ素子の動作を制御するICでは、GaN-HEMTの性能
を最大限に引き出すことができていなかったという。同製品は、周辺回路を工夫してスイッ
チ素子に動作抵抗の小さなGaN-HEMTを使用可能にした。

 

今回、2次側の制御ICとGaN-HEMTの間に、新しくタイミングを制御する回路を導入。制御IC
が生成する電圧の波形を調整することで、高速動作による損失電流発生を抑制でき、GaN-H
EMTの低い動作抵抗を生かしながら、適切なタイミングで電流を出力できるという。これに
より、ACアダプターの効率を高め、小型/高出力化を実現している。さらに、GaN-HEMTの特
性を生かしたことで無駄な電力を削減。米国エネルギー省が16年2月に施行する外部電源
(EPS)の効率基準「Level-VI」にも対応可能になるという。二酸化炭素排出量が削減され、
環境負荷低減にも貢献するとしている。

 

 【最新事例:二層グラフェンでバレー流の生成/検出に成功】 

● 原理的には室温動作も可能

東京大学の大学院工学系研究科の樽茶清悟教授らの研究グループは15年11月、電気的に
反転対称性を破った二層グラフェンにおいて、バレー流の生成/検出に初めて成功したと発表。
電荷の流れを伴わないバレー流は、エネルギー消費を伴わない情報媒体になると期待されて
いる。そのため、同研究結果は、二層グラフェンによるバレー流を用いた低消費電力エレク
トロニクスの開発に貢献する。

ところで、バレーとは、電子を区別することができる結晶の性質のことを呼ぶ。固体結晶中の電子は
スピン自由度に加えて異なる特性を持つ場合がある。電子は粒子としての性質を持つと同時に、量
子力学的な電子の波の性質も示すことだ。電子の波は一般的にさまざまな波長や方向を持つが、一
部の固体結晶中において安定な状態となる。この特定の波長や方向により結晶中の電子を区別す
ることができ、その性質をバレーと呼ぶ。

しかし、バレーはスピン流と同様に電荷の流れを伴わず、エネルギー消費のない情報媒体として期待
されているが、スピン自由度と比較するとバレー自由度は制御が難しいという課題があった。グラフェ
ン中の電子もバレー自由度を持つことが知られており研究が進められていたが、エネルギーギャップ
を制御することができず、電子密度のみを制御していたため、変換効率の制御性には限界があった
という。

同研究グループは、二層グラフェンの電場での制御性に着目した。単層グラフェンのままで
は垂直電場により結晶の反転対称性を破ることはできない。二層グラフェンは上下の層にエ
ネルギー差ができるため、結晶の反転対称性を破ることができる。二層グラフェンは単層グ
ラフェンと同様に、幾何学的位相を持つため、結晶の反転対称性を破り、バレーホール効果
を誘起することができる。エネルギーギャップを垂直電場により制御することで、バレー流
への変換効率も広範囲で制御できる。

※ 幾何学的位相:電子がエネルギー的に安定な状態に従って変化する際に、電子の波の位相に生
  じるずれのこと。

 今回、上下ペアの電極を用いることで二層グラフェンの電子密度を制御すると同時に、垂直
電場を制御。この系でバレーホール効果によりバレー流を電気的に生成し、電流の漏れ出し
の寄与を無視できる3.5マイクロメーターの長距離にわたり伝送した後、逆バレーホール
効果によりバレー流を電圧に変換することで検出した。グループは、検出した電圧と注入し
た。電流の比を非局所抵抗として、バレー流の伝送の指標として評価。垂直電場で反転対称性
を破ったときに、巨大な非局所抵抗が出現することを発見する。

 

尚、同研究グループは、「今回は、ゲート絶縁層を破壊しない程度の大きさで垂直電場を制
限したため、室温での動作は実証できていない。しかし、加える垂直電場を増大すれば変換
効率はさらに向上し、原理的には室温での動作が可能になる」と語る。バレー流を生成する
ときに流れる電流のエネルギー消費も、変換効率の向上で改善できると考えられ、低消費電
力エレクトロニクスの実現が期待されるとしている。

 

10.1038/nphys3551

量子ドット・ナノカーボンがもたらす革命(強襲)は、すさまじいスピードで社会を変えていく可能性を
孕んでいる。わが『デジタル革命渦論』はいよいよ大爆発をもたらす。これは面白くなってきた。

 
 

LED省エネ世界席巻

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     森喜朗会長が「B案の方がいい」と発言したことについて、馳浩文部科学相が、
         閣議後で「そんなこと言っていいのかな」と疑問を投げかけたという。

                                                                         何かとお騒がせな新国技

 

 

 

【LED省エネ世界席巻】

原油価格についてこの式どうなるのかという旧友からの質問に、メールで、『デジタル
革命渦論』の効果で先物取引商品リストかなくなるだろうと答えたことがあった。勿論、
今起きていることは中国経済の減速によるものが大きいが、本質的には安値安定が基本
だと返事したことがあったが、その事例として急速なLEDの波及による省エネ・二酸
化炭素排出量の逓減、経費逓減のトリプル効果の実力を発揮している。一般の蛍光灯と
LED照明で二酸化炭素排出量を比較してみると、40,000時・4時間・365日点灯で約
4年半)あたり757キログラムも二酸化炭素排出量削減事例が報告されている。これ
ににより、熱線や紫外線などの有害光線の放出が少なく、人体に優しく、地球温暖化防
止に貢献するメリットが実績としてあがっている。

たとえば、センシング技術に強みを持つアイキュージャパンが、倉庫や工場などに使わ
れる高天井用LED照明市場でLEDセンサーライト「Lumiqs(ルミックス)MB-400』
で攻勢をかけている。センサーで自動点灯・消灯することで、水銀灯と比べ90%、通常のL
ED照明と比べても70%の節電を実現する。

 「簡単に施工できて、センサーで必要な時だけ点灯・消灯するLumiqs MB-400は、イニシャ
ルコスト、さらにはランニングコスト(電気代)まで含むトータルコストを、大幅に削減する
ことができる。それは、水銀灯からLED照明に替えれば約70%節電できるが、LumiqsMB-
400なら稼働率30%の場所ではさらに70%節電できる。大幅なコスト削減を可能にする
のは、Lumiqs MB-400の中央に組み込まれたセンサ一による。直下のエリアに入った人
やフォークリフトなどを検知して自動的に照明が点灯し、エリアから離れると自動的に
消灯する。真っ暗では支障を来たす場合は、明るさを通常の20%に抑える「ほんのり点灯」
機能が用意されているかだ。

 

センサー機能以外にもさまざまな工夫が取り入れられている。LED照明の寿命を縮める原
因となる高温対策として、煙突効果を利用した独自の放熱構造を採用している。放熱板に
よって温められた空気は、本体下部のすき間から外部の空気を引き込みながら、本体カ
バーの排気口から送り出されるようになっている。さらに、TIRレンズを使って指向性
の強いLED光を拡散させ、照度を落とすことなく、まぶしさを大幅に低減。その他、口金
はE39で既設の水銀灯ホルダーにねじ込むだけの簡単施工。重量は電源内蔵で2.2キログ
ラムと軽量だ。今後はE39口金タイプに加え、直付けタイブ、水銀灯700W相当の高出力タイ
プの発売を予定しており、市場のニーズに応えたラインナップの拡充を進める。

 

【バイオマスの真価が問われる16年】

15年4月から未利用木材使用の2メガワット未満の発電に限ってFITの質取価格が40
40円/kWhに引き上げられたことを受け、木質バイオマス発電事業を検討している事業者は多い。日
本の木質バイオマス発電の状況や最新機種の概要はどうなぅつてるのだろうか?

● 蒸気タービンプラントの発電コストは出力規模で大差

固定価格買取(FIT)制度の発足を追い風にして、木質バイオマス専焼の本格的な発電所が
あちこちでお目見えしている。本年6月末現在でFIT認定のプラント数は116基、うち
発電を開始したのは30基だが、今後かなりのスピードで増えていくことは間違いない。こう
したプラントの発電方式を見ると、はとんどが蒸気ボイラ・蒸気タービンによるもので、原理的に
は通常の石炭火力発電とまったく同じである。とここまで書いてきたが、次数制限にありこのつ
づきは時宜を得て掲載していくことにする(残念ですが限界です)。

 

 

 

                                             

 ● 日中食品汚染 22 中国の食品汚染地図 

 【目次】 

 第1章 見えない食品の恐怖
 第2章 中国の食品汚染
 第3章 食品汚染のヒトへの影響
 第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
 第5章 重金属汚染という新たな難題
 第6章 日本の食品は安全といえるか  

  ○家庭ゴミ汚染

  中国のゴミ排出ほは年間約3億トン。そのうえ、アメリカ、イギリス、日本などか
 ら数千万トンのゴミを輸入している。最近増えているゴミは、電子ゴミと呼ばれるコ
 ンピュータ部品の半導体や電f基板などについている金やレアアース、製紙原料とな
 る段ボールなどの回収をねらった輸入ゴミだ,現在、電子ゴミだけでも年間250万
 トン、2020年には加速度的に増え一億トンに達する可能性もあるという。しか
 し、現状では・1日当たりのゴミ処理能力は30万トンしかない。合わせての問題は「
 処理」の仕方だ。
 
  このゴミの内容物や種類は実にさまざまだし、出す側も家庭、企業とある。問題は
 ゴミ処理施設の整備が進んでいないことにある。最大の出し手である家庭からのゴミ
 は一応ゴミ収集車によって、街から出ていく,ところがその後が問題で、一部の地方
 では焼却し、その熱を地域暖房や工場の補助的な熱源や発電に使うところもある。だ
 が大部巾では処理が追いつかず、別の方法で処理するのが一般的である。
  人口700万人規模のある省都近郊の村には巨大なゴミ受け入れ施設がある。毎日
 さまざまなトラックや収集嘔で運ぱれてくるゴミを受け入れるのは民間の企業だ。そ
 の企業は一般の見学を受け付けない厳格な管理下にあるという。わたしはあるツテを
 たどってそこをじっくり見学する機会を得ることができた。

  じっくり見学とはいっても、生ゴミ、紙くず、金属くず、使われなくなった農薬や
 化学肥料、またその空き甑や袋類、布きれ、ビニールゴミ、さびた空き缶、壊れた傘
 やカバン煩など、見分けがつかないゴミの山を平らにならそうと、黒い排ガスをまき
 ながら走るブルドーザの悪臭と砂じんで、とても長居できる場所ではなかった。
  このように地中に埋めてしまうゴミ処理が、中国では全体の約80%に達しているの
 だ。 

  そのゴミ処理施設は甲子園球場ほどの面積の長方形の穴だった。深さ約10メートル
 はあろうかと思われる。その穴に、運ばれてきたゴミを平らにして埋めるだけのこと
 なので、厳密には処理施設とはいえずゴミ捨て場なのだが、そうするしか毎日出る大
 量のゴミを処理することはできない。処理ではなく、ただ目には見えなくしているだ
 けのことなのだ.

  ゴミ処理施設は、何度も何度もブルドーザで踏み固められ、やがてこれ以上は捨て
 られないほどのゴミで満杯になると、役目を終える。その後、ゴミで埋まった表面に
 は大量の上がかぶせられ、ゴミは完全に覆い隠される。そこに植林をするのだ。そう
 すると、何年か後には雑草や雑木が生い茂り、その場所がゴミ捨て場だったことを知
 る者は、この企業だけになる。
 
  やがて、ゴミが埋まった底から淮み出てきた汚染水が地下に向かって流れ、地下水
 を汚染する。ゴミから出た汚染水が、かつてゴミ捨て場だった場所の端の方から淮み
 出ている様子が見えるところもある。こうしたゴミ処理施設は各地にあり、どこも似
 たような問題を抱えている。環境問題でもあるが、地下水依存を強める中国にとって
 は深刻な重金属問題の発生源でもある,
 
  2011年に、武漢巾の同じ形式の処理施設から出たとしか思えないカドミウム、
 水銀、マグネシウム、ヒ素などの重金属が、基準値をはるかに超えて検出されて問題
 になったことがある。
  一方で家庭ゴミを焼却する施設は非常に少ないが、施設があっても、グイオキシン
 や重金属を大気にまき敗らす,ゴミ焼却炉から出てくる汚染物質を取り除く濾過技術
 が未発達なためだ。この点については、一部日本の環境技術が入っているがまだ十分
 とはいえない。

  ○鉱山汚染

  採鉱の際に出る水、上や商品化ができない鉱物などから排出される重金属は河川や
 地下水脈を通じて、農業用水を汚染している。
  中国には54種類の金属鉱物が各地に分散するように埋まっており、その採鉱に伴っ
 てさまざまな重金属汚染の原因が生まれている。主な鉱物資源はカドミウム、マンガ
 ン鉱石、クロム鉱石、チタン、バナジウム、銅、ナマリ、亜ナマリ、マグネシウム鉱
 石、ニッケル鉱石、コバルト鉱石、水銀、アンチモン鉱石、リチウム鉱石、ストロン
 チウム鉱石、セシウム鉱石、希土類元素、セレン鉱石などで、重金属汚染の原因とな
 るものである。

  これらの鉱山が農地に重金属汚染をもたらすルートはさまざまだ,ひとつは鉱山を
 採掘する際には水脈に当たることが多く、そこから出る水が鉱外に排出される場合に
 は地ドに蓄積する重金属が同時に流れ出る。その水は中小河川などに入り込み、地下
 水を汚染し、直接農地に使われる。また、鉱物資源を洗浄した汚染水が農地に流れ込
 む場合も多い。中国には日本では想像できないことが山ほどある。
 
  採鉱は目的の鉱物だけが採れることは少なく、多くの場合、土砂に混ざっている。
 レアアースはその典型で、土砂から採り出せるレアアースの割合は10%もないことが
 普通である。金・銀はさらに効率が悪いことはよく知られている。これほどではない
 にせよ、鉱物がむき出しになっている例はなく、鉱物資源を採り出すことは不要な土
 砂と水を取り出すことに等しい。
  重金属を含む中国の主要な鉱物資源は図制のように分布し、全国のどこでも採れる
 鉄を除くと一定の地域性があることがわかる。
  重金属のうち、とくに人体と農林畜水産物に悪影響を与える鉱物を産出する主だっ
 た省・自治区を挙げると以下の通りである。

 水銀:甘粛、青海、映西、重慶、貴州、雲南、広西、湖南
 ナマリ:黒屯江、内モンゴル、遼寧、河北、山東、江蘇、浙江、江西、湖南、広
    東、四川、雲南、新疆ウイグル
 クロム‥内モンゴル、廿粛、チベット、新疆ウイグル
 カドミウム:内モンゴル、遼寧、北京、江蘇、甘粛、院西、河南、安徽、浙江、
       咄咄、江西、峨慶、広西、広東
 ヒ素:内モンゴル、新疆ウイグル、青海、四川、雲南、貴州、湖南、広西、広
    東、江西、安徽
 銅:黒竜江、内モンゴル、遼寧、山西、安徹、湖北、江西、福建、広東、雲南、
   チベット、新疆ウイグル
 ニッケル:a口粛、四川、雲南、新疆ウイグル

 石炭は重金属ではないが、土壌や水汚染と深くかかわっているので掲載した。主な
 産地は黒屯江、遼寧、河北、山西、山東、内モンゴル、江蘇、河南、安徽、西川、
 貴州、江西、院西、寧夏である。
 

  各鮪鉱山が分布する地域の農林畜水産物の生産は重金属汚染の危険にさらされ、あ
 るいはすでに被害を受けている,特に内モンゴル自治区、甘粛省、青海省、寧夏回族
 自治区、映西省、安置省、江西省、湖北省、福建省、雲南省などで深刻な被害が出て
 いるという,
  加えて、燐酸肥料を多く使う地域ではカドミウム汚染が深刻になっている。特に南
 部を主とする8省・自治区(浙江省、江西省、広東省、広西チワン族自治区、湘南
 省、貴州省、四川省、遼寧省)の稲作地帯で目立っている。しかし、燐酸肥料を多く
 使う野菜産地でもカドミウウム汚染は広がりを見せている。これらの地域は二重の重
 金属汚染を受けているといえる,

 ナマリ、カドミウム、ヒ素、銅の産地

 「2012中国癌登記年報]によると、中国人は1年当たり312万人がガンにな
り、多い順に肺ガン、肝ガン、胃ガン、食道ガン、直腸ガンと続き、発生率の高い地
区は、肺ガンが遼寧、古林、黒竜江、雲南、肝ガンが浙江、広西、江蘇、古林、内モ
ンゴル、胃ガンが山東、遼寧、福建、甘粛、青海、寧夏、古林、江蘇、上海、食道ガ
ンが河南、河北、山西などだという。

 ガンの最大の要因としてこの年報が指摘しているのは食生活、食文化のあり方であ
 る。ただし、この資料の中には重金属との関係を意識した叙述はとくには見当たらな
 い。しかしガンはカドミウム、ヒ素との関係が強いことが癌症村の事例からも明らか
 となっている。たとえば広東省は、ナマリ、カドミウム、ヒ素、銅などの産地だが、
 ここは大勢の農民が尊い命を奪われた癌症村の舞台となったところである。日本の学
 界でもナマリ、カドミウム、ヒ素は発ガン性があることは知られている。 

  そうした危険性がある重金属を忿む食品が、生食あるいは加工食品として日本にも
 輸出されているとしたら怖い話である、そんな心配は不要だという声もあるが、だか
 らといってに川するに尼るたけの眼拠はほとんど..小されていない.本書の中で疫
 学的な関係を実証することはできないが、これまで指摘してきた重長居汚染のL壌に
 ガン患が‥か多いというj実を良重説を.小していただけたら人変にありかたい。

  第6章 日本の食品は安全といえるか         

  日本の食品が安全だというのは、真っ赤な嘘とはいわないまでも少なくとも疑わし
 い,わたしが水虫‥で提起したい論点は次の3つである,

  1.輸入食品は厳格に検査しており汚染食品はいっさい流人していないという
   が、これはに用できるかどうか,
  2.中囚人自身、中国産食品が安全だとt張する者は非常に少ないか皆無なの
   に、目本の識鳶の中に中国産食品は安全だとする主張があるが、この意見は信
   川できるかどうか.
  3.日本心食品は安全だという主張は信用できるか。


 以上Lをふまえて、輸入品、日本産を問わず汚染良品をなくすためにはどうすべきか
 提案したい,

  輸入食品の監視体制

  食のグローバル化か進展する中で、食料自給率が低い目本にとって、輸入食品の適
 正な監視体制の構築は、増々屯要になってきている。現実的な評価を下すと、非常に
 多くの問題があるといわざるを得ない,まず、監視体制の実態をみてみよう,
  政府による輸入食品の監視体制は、ア輸出国における生産・製造・加工等の適匝な
 管理体制の要請、イ目本におけるさまざまな汚染食品の流人防止と検査体制の整備、
 ウ汚染食品流人後の措置と罰則などを柱に、厚労省が毎年作る「輸人食品監視指導計
 画 に従っている,

  2013年度の監睨指導計画をみると、次の10の取り組みがなされることになって
 いた。

  ①日本の良品安全規制について輸出国の理解を得、それに対応する取り組みの推進
  ②食品衛生上において必要があると判断したときは輸入禁止揚置をとる
  ③違反を繰り返す輸入業者に、場八日により営業禁処分等の処分を行う
  ④違反事例を公式する
  ⑤輸入された食品については輸入届出等を義務付け、当該食品の規格や基準を日本
  の規格等と照蒔、確認する
  ⑥6輸入食品の安全性を検査する検疫所はモニタリング検査により状況を監視する
  ⑦検疫所は輸入規格違反が多い輸入食品について検査を命ずる
  ⑧検疫所は安全管理の推進のための講習会等を開催する
  ⑨検疫所は違反が生じた際は当該食品を廃棄し、再発防止指導を行う
  ⑩輸人後の国内流通過程でも都道府県や保健所を設置する市等が独自に監視指導を
  行い、違反発見時は回収等の適確な措置をとる

  日本の監視体制を採点する

  この監睨指導計画が、汚染食品の輸入を水際でとどめるための公的な取り組みとな
 る。だから、この取り組みがt分かどうかという点が、輸入検査が信用できるか否か
 の判断の分かれ道となる.判断を正確に行うためには、検査制度をもう少しくわしく
 理解する必要がある,最も基本的かつ重要なカギは、輸入食品の検査が信頼に足るも
 のであるかどうかだ,結論を先にいってしまうと、信頼性に乏しい。じつは、当の政
 府が、状況としてそのことを認めているのである。

 「⑩輸人後の国内流通過程でも都道府県や保健所を設置する巾等が独自に監視指導を
 行い、違反発見時には回収等の適確な措置をとるIという一項は、国が検査の危うさ
 を自ら認めていることにほかならない。もし、国レベルでの検査が針の孔ほどの隙間
 もないという自信があれば、流人後に地方自治体レベルの汚染食品の監視を期待する
 必要はなかろう。いや、これは国民の安全性を守るため、念には念を入れた対策であ
 り補完的な対応だ、というかもしれない。

  しかし、これは泥弁に近い。たとえば地方自治体レベルの検査で、国レベルでは問
 題がないとされた輸入食品が実は違反案件だったことを発見した乍例がいくつもある
 からだ,たとえば、2011年度に血京都M陸保健局が行った検査によると、違反品
 日数106品目のうち19品目が輸入食‥皿であった。検出された違反品目は冷凍食品、
 乳製品、野菜類・果物及びその加11品、清涼飲料水、缶詰・瓶詰、調味料などであっ
 た。また大阪府が2013年に行った抜き取り検査では、輸入ウーロン茶の中からフ
 ィプロニルという心性の強い残留農薬が検出された。これらの検査結果には輸出国は
 明記されていないが、品目からみて中国産食品が相当の割八日を占めることは想像に
 かたくない

  地方自治体が行う輸入食品についての抜き取り検査は、それぞれ都道府県や政令指
 定都市などが仙自に行っている,わたしが調べたのは東京都、大阪府、京都府、神奈
 川県、新潟県だが、そのうち2つの大部巾から違反した輸入食品が発見されているこ
 とが判明した。
  この事実は、本来は国の検査で発見されるべき違反輸入食品が、厳格なはずのその
 検査.をすり抜けて、国内に流人していたことを証明している。この一事を以てして
 も、国の検査体制にはけっして無睨できない欠陥があることが明白である。国の輸入
 食品についての検査体制は万全だという強弁は成り立たない,


                                                   この項つづく  

 

 

ロックンロールヒーロー

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    釣りは算術にじつによく似ているから、とても完全には覚えられない。

                                            『釣魚大全』で有名なイギリスの文人
                                            アイザッターウォルトソ(1593-1683)

                                                          




      Angling may be said to be so like the mathematitics that it can be fully learnt.

                                                Izaak Walteom

      
      ※ この本は、魚の釣り方はもちろん、魚の習癖、料理法など
        について、撫かれたウォルト流の滋味ゆたかな随筆である。         

 

【バイオマスの真価が問われる16年 Ⅱ】

15年4月から未利用木材使用の2メガワット未満の発電に限ってFITの質取価格が40
40円/kWhに引き上げられたことを受け、木質バイオマス発電事業を検討している事業者は多い。
日本の木質バイオマス発電の状況や最新機種の概要はどうなぅつてるのだろうか?と問
いかけ書き始めたのはいいが、すでに字数制限にある。そのため結論を先に書いておこう
わたし(たち)が考えるバイオマス発電システムは、(1)発電だけでなく給湯を併用す
る。(2)給湯温度は60℃である、(3)蓄電設備を付加した)太陽光発電には変換効
率およびコストでは勝てない。(4)給湯は酵素発酵方式も盛り込む。(5)タービン方
式あるいはガス化レシプロ方式(燃料電池も含む)だけでなく熱電素子発電も盛り込み、
(6)発電スケール事例に柔軟に設計を行うというのが新機構案の基本である。詳細につ
いては時宜掲載していく。

※ ブログ掲載したが、(7)水素菌などによる発酵・燃料電池発電も含まれている。



【デクスマニーの強襲Ⅰ:ナノホーラスに注目】

これも字数制限のため、明日掲載する。参考までに下図を参考添付しておく(こうご期待)。

 

                                   

              

                                             

 

 ● 日中食品汚染 23 中国の食品汚染地図  

 【目次】  

 第1章 見えない食品の恐怖
 第2章 中国の食品汚染
 第3章 食品汚染のヒトへの影響
 第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
 第5章 重金属汚染という新たな難題
 第6章 日本の食品は安全といえるか  

 

A global survey of changing patterns of food allergy burden in children   2013 Dec 4. doi:  10.1186/1939-4551-6-21

 日本の監視体制を採点する

  自治体検査にも限界

   しかし、だからといって地方自治体が行う独自の抜き取り検査が、国の検査をすり
 抜けた違反事例のすべてを見抜けるかといえば、これもまた無理と思った方がよい。
  自治体が行う抜き取り検査も文字どおりI抜き取り」して検査するものであり、す
 でに流通中の多数の食品の中からいくつかのサンプル検査をしたものにすぎないから
 だ。サンプル検査は一般には母集団(流通中の輸入食品全体)のどんな食品に、どの
 くらいの数の違反があろかを調べることを指しており、母集団の中から実際に違反し
 ている食品のすべてを探し出すことではない。

  たとえば、サンプルの件数が全体の10%として、うち3件に違反があった場合、サ
 ンプル中の食品の違反率は30%。したがって母集団(全体件数)が100件の場合、
 30件に違反があるはずだということがわかるにすぎない,100件のうちの30%
 に違反があることは分かっても、母集団100件のうちのどれがその30%に当たる
 食品を見つけ出すことは不可能だ,

  別の問題もある。それは、サンプルの一件数一の意味についてだ,国の検査にも当
 てはまるが、監睨体制や抜き取り検査でいうところの一件数」とは、輸入届出書(輸
 入業者が一定の様式を用いて、輸入食口1111や輸入先の概要を記載した書類)の件数
 だという点だ。.輸入された良品の個数や屯量のことではない,
 
  だから、50のサンプルについて検査したというのであれば、輸入届出50件につい
 て検査したという意味であって、輸入された500個のキャベツの中から50個を無作
 為に選んで検在した、という意味ではないことに注意が必要だ。
  「届け出件数50」は、キャベツ5万個がそれぞれ別人の50人の輸入業者によっ
 て輸入されたことを指す場合うこともある。たとえば50人の輸入業者がそれぞれ千
 個ずつ輸入し、険たした個数がそれぞれ1個にすぎなくとも、検査件数は50となる,

  これが今の検査制度におけるサンプル数だ。この場合の統計上のサンプル率は0・1
 %にすぎないので、はたしてどの程度、検査の効果があるのか疑問である。本来は、
 輸入個数5万個をけ集団とみなし、統計的誤差などを考虚した一定の精度のもとでサ
 ンプル数を定めるべきだろう。

 サンプル比率のまやかし

  また違反見込率によって、サンプルの比率も変わってくる。まず食品の品目によっ
 て、使う農薬も食品添加物も、それぞれの使用量も賢なるが、この点は検査するサン
 プル数に影響し、正確なサンプル比率を出すことを非常に難しくする要因となる,
 たとえば中国産の落花生と小麦を例に挙げよう(数字は架空のもの)。落花生は残留
 農薬の違反率が小麦より高いことが経験的に知られており、それぞれの想定違反率を
 落花生5%、小変―%とする。すると、落花生のサンプル数は、小麦の5分の1でよ
 いことになる。なぜなら、違反率5%の落花生はサンプルが20(1÷O・05)ごと
 に1つの違反を見つけることができるが、小麦は最大で100(1÷O・01)のサ
 ンプルを検査たしなければ1つの違反を見つけることができない勘定になるからだ,

  ここからいえることは、違反率が低いと想定されるほど、違反した食品を発見する
 ためには、輸入食‥皿のサンプル検査個数はより多くなければならないということだ。
  2012年度の実際の輸入届出件数は218万1495件だったが、仮に違反件数
 が1件しかないと想定すると、違反率は限りなくOに近く、その違反物件を探し出す
 にはすべての個体を検査する必要があり、個数が最大となる(個体を検査した結果、
 218万1495爵目にしか違反した1件を見つけることができない場合は全量検査
 が必要となり、検査の必要量は輸入個体数に一致、すなわち218万1495個でこ
 れが最大となる)。しかし、想定される違反件数が100件になると、想定違反率は
 約O・005%となり、訓算トは、100をo・005%で割った2万個おきに調べ
 ることによって1個の違反物件を見つけることができるようになる。

  非常に単純な設定だが、この例のように、政千ある輸入食品の品目を、経験的、統
 計的に把握されている想定違反率に応じて、適正なサンプル比率にもとづく検査を行
 っていくことはが難のワザといわざるをえない。皮肉なことではあるが検査当局にと
 って、想定される違反率が高いほど、違反検査業務の効率がよいことになる。

  実際には厚労省も農水古も、全体の違反率が1%として、サンプル数を299個取
 れば、統計学的に信頼できる確率(統計用語で信頼係数という)は95%以上となる、
 という考え方でIあるべきサンプル政一を設計している,しかし、この方法は母集団
 を届出件数として、輸入個数としていない点で、本来の使い方がなされていない。

  だから現行の輸人食品の検査結梁として判明した2012年度の違反件数、105
 3件という数字は本当に実態を反映しているかどうかはわからない。検査当局は一定
 の統計学的r法にもとづくサンプル検査の給田`というが、詳しい険呑データが公表
 されていないので、サンプル比率10・2‰(厚労省監現統計が示す数字で、「サンプ
 ル政」に対する届出件数の比率)が八日理的なものかどうか判断のしようがないから
 である.『たしかに届出件数に対して10・2%は小さな数字ではないが、検査件数2
 2万3380件に対する違反件数1053件はo・47%(100×1053÷22
 万3380)になり、検出数は100件調べてO・47件。1件の違反を検出するに
 は約200件(100÷O・47)の検在が必要となる勘定だ,

 


文部科学省は2013年12月16日、公立の小中高校などを対象にした各種アレルギー疾患に関する調査の中間報告

  0・47%という違反率が輸入個体の全鼠検査の結果であれば、わたしは輸入食品
 の汚染はかなり低いと認めるが、そうではなく全届出件数の10Sが検査された結果に
 すぎないとなると、厚労省などがいうサンプル比率をもっと高める必要があるように
 思う,もし仮にこれを20%に増やすとすれば、違反率は1%あるいはそれ以上に上昇
 するのではないかと思っている,

  統計学的な確率論では、母集団の個数を無限大にしても、サンプル数が1500程
 度あれば、誤差2・5%以ドで母集団特性値(数字で表した母集団の特徴)について
 の行意な推定が吋能だといわれているが、これが当てはまるには条件がある。客観的
 条件に変化がないことである。しかし、食品の場合、あまりにも客観的条件に変化か
 ありすぎることに留意すべきだ,統計学的な常識がここでは制約を受けざるをえな

 

  同じ畑の野菜であっても農薬残留量は一定ではありえない。食品汚染の条件は品腫
 が同じ場へ目も農地や気候、栽培方法や加工技術などから変化しやすい。農地の物理
 的条件や匝}Mごとの風の吹き方、気温なども異なるからだ。
  統計的な決めっけや経験的なデータに頼ることには慎重であるべきだ。

 

  農薬残留基準値は信用できるか

  現在の目本の残向田農薬の安全基準値を決めている方法についても同様なことがいえ
 る。日本の安全法准ぷ胆の決め方は、農永吉や厚労吉などのホームページ(「農薬の残
 留基準はどのようにして決められるか」)で説明されている,しかし、その説明は不正
 確だと思う,どう読んでも理解できない。そこで、農水省の担当者に電話して聞いてみ
 た。担当者は非常に親切に説明してくれ、わたしは感謝したが、その際、わたしの質問
 に対する答えに当たる説明自体に、かなり重要な間違いがあることがわかった,その間
 違いが訂正されたことで逆に、政府の農薬使用基準値の決め方あるいは考え方が、ます
 ます疑問が深まることにもなった。
 
  では、目本の農薬使出切摩防はどのように決められているのだろうか。

  ホームページと電話の説明にもとづいて、Aという農薬を仮想的に説明しよう。
  日本では、たとえば中国から輸入する野菜について、農薬Aの最大作物残留は(一
 定の使用方法を前提に行った試験による農作物への残留量。どのような試験なのかを
 示す目パ体的な情報公開はない)という指標(ppmで示される)を決め、この残留
 量にもとづいて、ここまでなら許しますよという残留農薬基準値(これが農薬Aが安
 全か危険かを決める分かれ口となる)をおおむね、最大作物残留量の2~3倍程度に
 定めている。2と3の根拠がどこにあるのか、説明はない。
 
  まず動物試験を行い、その結果、動物が安全だとわかった使用は(無毒性量という)
 を出す。次に、平均的な体屯の日本人が毎日摂取しても安全だという体重1キログラ
 ム当たりの1目の摂取ほを0・084ミリグラムと割り出し(どうやって割り出すの
 か.般大にはわからないし、信頼しにくい)、これに日本人の平均体重(電話では52・
 6キログラムとしている)を掛けたものを許容摂取量としている。これは4・418
 4ミリグラムとなる(52・6キログラム×O・084ミリグラム)。そして農産物と
 の推定摂取量全体を合計計した数字(説明ではO・2378ミリグラム)がこの許容
 摂取量4・4184ミリグラムの80%以内であればいい、という考え方なのだそう
 だ。80%の服拠の説明はない,推定摂取はは、それぞれの農産物ごとに国が推定し
 て決めた、体重1キログラム当たりの摂取は(フードファクターという。大豆 56・
 1グラム、小豆1・4グラム、人参24・6グラム、いちご0・3グラムなど)のこと
 である,

  許容摂取は4・4184ミリグラムの80%は3・5347ミリグラム。推定摂取
 量全休0・2378ミリグラムの15倍もある。これでは、最大作物残留量の2~3倍
 程度に定めるという意味がさらに理解しづらくなってしまう。
  理解を妨げている理由に、ホームページのミスもある。そこでは、日本人の平均体
 重が53・3キログラムとあり、電話で聞いた説明の52・6キログラムと異なる。
 ホームページ上、52・6キログラムという数字はどこにも見当たらない。このミス
 については、わたしが電話で質問するまで気づく人がいなかったようだ。もともとは
 この数字の迫いがもとで、ホームページの説明が理解できずに役所に問い台わせたの
 だった。

  政府が刊行される頃には、少なくともホームページが訂正されていることを願う。
 興味のある読者は、確かめてみるのもいいと思う。

  胃腸の中の反日暴動

  残留農薬私准ぶ胴の決め方はわかったとして、これで問題が済むわけではない。む
 しろ、この先が問題の本丸なのだ。
   第1に、残留農薬基準値の決め方の基本中の基本である、無毒性量の決め方に問題
 があると思う。人体実験はできないから、この腫の試験では、通常はモルモット類を
 代わりに使う。
  モルモットであろうがサルであろうが、そこから得られたデータを人間に当てはめ
 ることは危険だ。あくまでも、試験として使うにとどめるべきで、実際に、動物実験
 の数値を直接坊準に使うことは、人間と動物との問の生物学的な差をあまりにも軽睨
 した考え方というほかない。、
   しかし、政府関係当局や残留農薬基準値作りに参画している学者諸氏は、反駁する
 かもLれない。
  「人間に応用する際は動物実験値の危険性のI00倍みている。この結緊、残留農薬
 坊準値はまったく危険性がないようになっている」と。
  では聞くが、100倍にはどんな根拠があるのか? おそらくこの質問にも、窮する可能性が
  高い,

  第2に、日本人がそれぞれの農産物を摂取する平均鼠(フードファクター)は、ほ
  ぼ毎年のように変化する。たとえば、野菜類を例に、20~29歳の摂取量をみると、
 1日ひとり当たりの摂取ほは2002年の246・5グラムが2011年になると2
  34・4グラムと12・1グラムも減少している。おそらく同か別のものが増えてい
  るはずだろう,フードファクターの高い品目に変動があった場ハロ、残留農薬基準値
  に与える影響は小さくないと思う.、

    フードファクターの基礎データを提供する一国民健康・栄養調査」によると、多く
  の食品のフードファクターは期間的に一定ではないので、ある農産物のある農薬の推
  定摂取りも変化しなければならないはずだ,残留農薬基準値を定める際の肌本的な指
  標、すなわち農薬の推定摂取ほの変動が激しい場合、実態に即して、残留農薬基準値
  を見直すことが望ましい。動物実験の100倍危険性をみているというかもしれない
  が、やはりそれは乱励というものだ。.

   第一に、残留農薬基準値は農薬ごとに、安全性に問題がない範囲として定められて
  いるが、人は、特定の農産物ばかりを食べているわけではない。世界中の農薬の随順
  は数えきれないほどあり、それが輸入された食品に残留して入ってくるので、農産物
  輸入駁や輸入食品の品目が多い国ほど、財界中の残留農薬が集中する傾向にある,日
  本はその典型であり、中国もまた、世界中から食品を輸入しているという意味では日
   参とさして変わりはない,

   これはどういうことを意味しているのだろうか? 仮に一つひとつの残留農薬基準
  饒が低くても(つまりできるだけ安全な水準に決めていても)、実際に食べたあらゆ
  る随順の食品に含まれる残留農薬をへ日計すれば、農薬摂取量全体は膨らむ。いい換
  えれば、危険性が幾何級数的に膨らむ。今のところは、総量がどのくらいになるかを
  推定したテータも研究もない,
   さらに、残留農薬を体内に取り込んだあとの蓄積の程度、排泄されるまでの時間や、
 体内に滞向田中にどういう変化をするか、どう作用するかなど未知の部分が多い。
   ちなみに日本人は、欧米人にくらべて腸が長いから危険度が増すという話に艇拠は
 な い。腸の長さは、ほとんど同じことが医学的に証明されるようになった。
 しかも危険性は、値の高い低いにかかわりなく、残留農薬が体内で坦互に化学反応を
 起こし、未知のリスクを誘発する点にもある。
  安息香酸とアスコルビン酸、亜硝酸塩とアミン類の組み跨わせの危険性が指摘され
 ているが、このほかにも、農薬同士の複合的な影響が懸念されている,これに、多鮪
 類の食品添加物や屯金Mが加わり、日本人の胃腸の中は、さまざまなリスクが入り乱
 れろあの反目¥動のようになっているのではないか,


 重金属検査はたったの5品目

  仮に目本の残留農薬拡準値には問題がないとしよう。それでも、輸入食品監視体制
 の問題は消えない。ここまで読み進めてこられた読者ならおわかりと思うが、輸入食
 品の汚染の元凶は、残留農薬に限らないからだ。もちろん残留農薬自体が大きな問題
 で、ほとんどの農薬は化学合成物質であり、時間が経過しても溶解したり自然に消滅
 することはない,一残留」というと、時間の経過とともに消滅していく一過程におけ
  る状態を指すかのように聞こえるが、そうではなく、農薬の危険性が消えることはな
  いのだ。

  同じように時がたっても消滅せず、危険性がそのまま輸入食品に持ち込まれるもの
 に化学ハ目成された食品添加物と重金属、そして遺伝f組換え食品がある。
  問題は中国と日本双方で許吋されていない危険な良品添加物が、主に加工食品に使
 われていることだ,食品添加物は食中毒から健康を守るのであって、危険なものでは
 ないという声を聞くが、あらゆる生物にとって危険でなければ保存料にはならないも
 のだ,人間には農薬を分解する生物学的資質があるという説もあるが、信頼性は薄い.

  食品添加物と食品の安全性は.二律岸背反的だ

  中国で違法扱いされている食品添加物については既述したが、これらの危険な添加
 物が、輸入良‥皿に混ざって入ってくる恐れがあるのはなぜだろうか? 中国で使わ
 れている危険性の高いものを含む2000陣順近い良品添加物のすべてを、輸出時の
 中国あるいは日本で検査することがほぽ不可能なためだ。

  しかも、残留農薬の法準値検査では,可能な一斉険査(ある良品ひとつについて1
 回の?検査で数百種類の農薬を検出できる検査方式。もちろん険査は有料で、ひとつ
 の農産物や加工品食品について400随順程度の残留農薬を一斉検査方式で検査する
 と8万~10万円、たくさんの随順の農産物を検査するとその数を掛けた料金になる)
 が、食品添加物に対しては技術的に非常に難しい,政府は畜産の肉を除く輸入食品に
 ついて食品添加物のモニタリング検査を行っているが、食品添加物の検出は農薬以上
 にコストと時間がかかる割に、違法な物質を使用して作った食品添加物を見分けるこ
 とが難しく、流人防i対策ができない問題がある。

  重金属のモニタリング検査についてはさらに深刻である,農水省の担当者にヒアリ
 ングした結果、次のことが判明した.


  現在、国が行っている重金属検査の対象輸入品目はトマト、キュウリ、馬鈴薯、ホ
 ウレンソウ、コメの5つだけである。加工食品や畜産物はすべて対象外となってい
 る。しかも、検査対象の重金属はナマリ、ヒ素、カドミウムの3種類で、野菜4品目
 についてはナマリとヒ素、コメについてはナマリとカドミウムだけである,
 
  中国ではナマリ、ヒ素、カドミウム汚染が非常に大きな社会問題になっていること
 は既に述べたとおりで、これらを検査の対象とすることは当然だ。しかし水銀、クロ
 ムなど、問題になっている重金属はほかにも多数あり、しかも汚染の不安のある食品
 のうち、□本に輸入されている食品は数えきれないほど多い。なのに、対象とする雁
 金嘱や良品の品目がこれだけ、というのではまことに心細さを禁じえない,
 
  輸入については遺伝f組換え農産物を使っているかどうかについてもモニタリング
 検査することになっているが、中国からの輸入食品をこの対象とする場合、次の点に
 留意が必要だ。


  ア.既述のとおり、中国では遺伝子組換え農産物の実験、一部実用化が行われて
   いるが、無認可のはずの組換え食品がすでに広く流通しているとの報道があ
   る-もし事実だとすれば、目本の輸入食品にも混ざっている可能性が否定でき
   ない

  イ.中国は食品中から遺伝子組換え食品を輸入しているが、それを原材料として
   作った加工食品が日本に輸入されている可能性がある。大豆を例にとると、組
   換え遺伝組み替え食品多岐にわたり、どの程度、正確に把握できるのか疑問が
   ある、しかし、モニタリング検査の対象としていること自体、国が疑いを持っ
   ている証左であるが、現実の複雑さを踏まえてより有効な険査体制をしく努力
   を上べきだ


  不明瞭なモニタリング検査
 
  最後に、輸入食品のモニタリング検査と検査命令の意味について、わたしなりの評
 価を加えておきたい,
  国、具体的には各地の検疫所が行っている輸入食品のモニタリング検査は厳密な意
 味では、汚染良品を探し出し、輸入食品全体に占める違反食品の正確な違反率を把握
 し、その是正に努めるという役割を持つものとはいいがたい、第一義的な役割は、違
 反した業者を見つけ出すことにあるのではないか。険査命令は、一度違反した業者が
 次に輸出あるいは輸入しようとする場合、その業者が扱った食品を対象として行われ
 る。現配阿っているモニタリング検査の意味は、すべての違反良品を水際で発見する
 という意味ではなく、違反食品を輸入する業者がいないかどうかをモニタリング、つ
 まり監睨することと考えてよさそうだ。そうでなければ、モニタリング検査にもとづ
 いて検査命令を出す意味が理解できない。

  モニタリング検査の際、もし違反食品が検出されれば法規にもとづいて処分される
 ことは当然だが、違反食品を検出することが主たる目的ではない。それは、違反貿易
 業者を見つける過程で把握できた副次的結果である,むしろ、それは付随的な結果た。

  これに対して検査命令は、モニタリング検査の結果発覚した違反貿易業者が輸入し
 た食品について検査することが核心であり、こちらが本検査といっていいものなの
 た,
  モニタリング検査は業者を、検査命令は食品を検査するという二段構えの仕組みを
 作っているのは、ほかならぬ理由、日本の食料自給率が低いことにより、輸入食品の
 種類と量が膨大なため、質を落とさずにしかも効率的な検査を目指しているためと考
 えられる,しかし、モニタリング検査と本検査(検査命令)という二段構えの仕組み
 には、理屈ト理解しがたい無理がある,整理すると、次のようになる。


いよいよ話は佳境に入る。次回にご期待を!


                                この項つづく

 

  ● 今夜の一曲

   米国 (アメリカ) は僕の Hero
   我が日本人は従順 (ウブ) な People
   Yes l 'm going to keep my faith in you all the time

   安保(まも)ってあくれよ Leader
   過保護な僕らの Freedom
   Yes l hope you' ll  be always there for me all th time

        Ah 国家(くに) 挙げての右習え
   核なるうえは Go with you.
   暗い過去も顧みずに
   ついて行きましょう…We∥
   ロックン・ロールでUpup と行こうじゃない Unlil we die,
   艶っぽいショーを人生のために Ah...begin.
   ノッって行こうぜ PopPop 「死のう」は辛い夢見たい
   青春の同志よ沈黙は愛じゃない
   一度は僕らも Hero (たった)
   極東の成り金 People
   Yes l'm going to keep my faith in you all the tilme....

                               唄・作詞・作曲 桑田佳祐
                             「Rock And Rol Hero」 

 

 

着実に太陽道を亘った15年

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    ナトリウムが消費され、海を介し私に戻ってってくる。亜鉛電池の2倍
      のもパワーもつナトリウム電池は発揮できることが派遣されているのだ。

                      ジュール・ヴェルヌ 『海底二万海里』

 

                                                                              

                                                                           Jules Gabriel Verne(8 February 1828 – 24 March 1905)

          Only the sodium is consumed, and the sea itself gives me that. Beyond this, I’ll
          mention that sodium batteries have been found to generate the greater energy, and
                         their electro-motor strength is twice that of zinc batteries.

 

 

【デクスマニーの強襲Ⅰ:ナノホーラスに注目】

● 着実に太陽道を亘った15年

師走、そして迎える雪降るクリスマス・イブ、そして、見えない深淵をのぞく込むように
締めの晦日を迎える季節。 ヒデオ君元気そうだね。安心したよ、そしてユウジ君も元気だ
よと伝えてくれて有り難う。クリスマスイブはいつものようにヒルトンホテルで「飛び切り
すてきなランチ?」をいただきながら馬鹿話などしよう。

ところで。届いた『環境ビジネス』を呼んでみて面白い事業を行っている。小田原市で11
月13日14日の両日「市民・地域共同発電所全国フォーラム2015小田原大会」で開催。
主催は、市民・地域共同発電所全国フォーラムin小田原2015、創発的地域づくり連携推進
センター酒匂川流域小田原支部。なかでも。開成町あさ公園発電所 あじさい公園東側の
農業用水路内に設置された開放型らせん水車―― 「開成町あじさい公園発電所」と呼び、
酒匂川から取水する文命用水の支流・武永田(ぶえいだ)用水を利用。高低差1・19メ
ートルの斜面に長さ4・6メートル、直径1メートルの開放型らせん水車を町が約350
0万円をかけ設置。県企業庁が技術支援した――事例だ。これをみて、兵神装備株式会社
の「ヘイシンモーノポンプ」を思い浮かべた。勿論、このように位置エネルギーがあれば
発電できる。もっとフレキシブルな軸心を開発し「潮流力」「波力」などの大きな湖沼や
海岸など回転エネルギーを電力変換も可能だと閃いた(構造特許とその変換効率が焦点)。

 

 

 ● リチウムより豊富なナトリウム  世界初のナトリウムイオン電池

ナトリウムはリチウムに比べて地球上に極めて豊富に存在し、コストが非常に安いメリッ
トがある。先月末、フランスの研究チームが、ノート型パソコン向けリチウムイオン電池
で標準の18650型(直径18mm、長さ65.0mm)と同じサイズのナトリウムイオン二次電池を開
発。標準形状のナトリウムイオン二次電池は世界初となるこの電池を2年がかりで開発し
たのは、フランス国立科学研究センター(CNRS)とフランス原子力・代替エネルギー庁(
CEA)、およびフランス電気化学エネルギーデバイス研究ネットワーク(RS2E)に所属す
る6つの大学・研究機関。電池1キログラム当たり90ワット時のエネルギー密度を持ち、
初期のリチウムイオン二次電池と同程度の性能という。充放電の回数も、性能が大幅低下
する前に、2千サイクルを超えた。



18650 Sodium-Ion Battery Developed At RS2E

電極の正極はナトリウムとしながらも、負極の活物質は「企業秘密」。申請特許によれば、
負極はチタン酸ナトリウム(Na2Ti3O7)をベースにした層状の構造と?している。電極素材
の最適化や信頼性の向上を進めとしているが、(1)テスラモーターズの電気自動車(EV)
が18650の汎用リチウムイオン電池を何千個も使っているのに対し、今回のナトリウムイオ
ン二次電池の試作品は、EVで使える二次電池のエネルギー密度には及ばず低い。(2)電
荷担体(キャリア)としての効率でもリチウムに劣り、電圧が0.3ボルト低い。(3)
そのため、コストの安さや拡張性を生かし、主に再生可能エネルギー用の蓄電池としての
用途を見込むとのこと。

 

※ Vanadium-based polyoxometalate as new material for sodium-ion battery anodes
   DOI: 10.1016/j.jpowsour.2015.04.009
※ Na2Ti3O7: an intercalation based anode for sodium-ion battery applications 
       DOI: 10.1039/C2TA01057G
※ Nanocrystalline FeWO4 as a pseudocapacitive electrode material for high volumetric energy dens-
   ity supercapacitors operated in an aqueous electrolyte   Doi:10.1016/j.elecom.2015.05.007

 

 

● 世代リチウム二次電池(シリコン‐硫黄電池)の開発に成功

  

● 世代リチウム二次電池(シリコン‐硫黄電池)技術を開発

12年前後のの特許公開より9年後株式会社、GSユアサは、金属リチウムの負極材料と「硫黄
‐多孔性カーボン複合体」正極材料とを備えるリチウム‐硫黄電池の充放電サイクル性能を飛躍的
に高めることに成功(下図)。今回のリチウム‐硫黄電池におけるサイクル性能向上の達成
は、従来のリチウムイオン電池の3倍のエネルギー密度を持つシリコン‐硫黄電池 ※の実用
化に向けて、大きく前進。今後は、負極にシリコン系材料を用いることで、そのサイクル性
能をさらに高めたシリコン‐硫黄電池の実用化技術開発を進めという。

正極材料に用いる硫黄は、低コスト、資源的に豊富、および環境有害性が低いことに加えて、
その理論容量(1675 mAh g-1 注2))は、従来のリチウムイオン電池用正極材料のものに
比べて非常に高いことから、次世代リチウム二次電池の正極材料として期待されています。
しかし、正極の放電反応により生成する反応中間体(多硫化物)の電解液への溶解度が高い
ために、正極から多硫化物が容易に溶出することと、その溶出した多硫化物が正負極間で酸
化還元反応を繰り返すために、自己放電が生じることから、充放電サイクルにともない容量
が大きく低下するので、実用化に至らない。

GSユアサは、電解液添加剤により多硫化物の溶出を抑制するとともに、カチオン交換膜を
セパレータに用いることによって、多硫化物の正負極間の移動に起因する自己放電を防止し
た結果、硫黄‐カーボン複合体正極材料あたりの容量を損なうことなく、この材料を用いた
リチウム‐硫黄電池の充放電サイクルにともなう容量低下を止めること、つまり、充放電サ
イクル性能を飛躍的に高めることに成功する。

 

同社は、従来のリチウムイオン電池用電極材料に比べて、8倍の容量(注1)をもつ「硫黄-多
孔性カーボン複合体」正極材料、および高い容量をもつシリコン系負極材料を備える次世
代リチウム二次電池の放電に成功した(下図1)。この電池の放電特性から、正負極材料質量
あたりのエネルギー密度(注2)は、従来のリチウムイオン電池(注3)のものに比べて3倍であ
ることがわかkつた。このことは、この電池を電気自動車に使用すれば、その走行距離が
大幅に延びることを意味します。今後は、シリコン系負極の耐久性能を高めたのちに、こ
の電池の実用化技術開発を進め、20年のサンプル出荷を目指す。

 

注1)「硫黄‐多孔性カーボン複合体」正極材料::従来のリチウムイオン電池用正極材料に
  比べて、8 倍の容量(1000 mAh g-1)をもつ正極材料 また、容量とは1g の電極材料から
  取り出すことのできる電気量
注2) mAh g-1(ミリアンペアアワーパーグラム) 容量の単位で、mAh/g とも表記する。
注3) カチオン交換膜:カチオン(Li イオンなどのように、正の電荷を帯びた原子)を選
  択的にとおす高分子膜
注4) 正負極材料質量あたりのエネルギー密度:電池を構成する電池ケース、集電板、セパ
  レータ、および電解液などの部材を除き、電極材料のみの質量から計算したエネルギー密
  度普及での使用等,今後の環境・エネルギー問題の解決に向けて大きな役割を果たすと期
  待されている。

『参考』

● リチウムイオン二次電池における空間・時間階層に基づく反応機構解明

リチウムイオン二次電池の反応場は図2 に示す電極・電解質界面である.電極・電解質界面
においては,電極の内部ポテンシャルと電解質の内部ポテンシャルの差によって決まる電位
(平衡電極電位)がかかっており,電荷分離が起こる.この電位差により,電極/電解質界
面の電解質側においては,電位勾配をもつ電気二重層と呼ばれる領域が存在する.この電気
二重層が反応場となり,イオンの移動と脱溶媒和,電極構造の変化等が起こっている.一方
で,電極側においても,電極・電解質界面の情報を得ることは,今後の蓄電池の発展にお
いて非常に重要である.電気化学計測による交流インピーダンス法は,電極・電解質界面に
おける現象解明に対して比較的簡便で強力なツールであるが2,界面の具体的な構造に関す
る情報は得られない.それ故に,電極・電解質界面を直接観察できる新しい手法の開発が
求められている.近年では,薄膜モデル電極を用いて,X 線反射率(XRR) 法による電極・電
解質界面のその場観察を行った例3,また,フーリエ変換型赤外分光(FT-IR) 法による電極・
電解質界面のその場観察の報告例がある4.XRR 法からは,電極表面の密度や粗さに関する
情報を得ることができ,またFT-IR 法からは電極表面に形成される有機物被膜に関する情報
を得ることができる.これらの解析手法は界面研究にとって重要であるが,リチウムイオン
二次電池における電極・電解質界面は未だにブラックボックスな面が多い.本研究では,電
極・電解質界面をその場観測する手法として,放射光X 線を用いた全反射蛍光X 線吸収分光
法(XAS) に注目している。

● 高エネルギー密度リチウムイオン電池用SiO 高容量負極の劣化メカニズム

充放電サイクルの経過にともなうSiO/Graphite 負極の外観の変化を調べた.BET 比表面積
の変化を下図3 に示す.図から,BET 比表面積は50 サイクル経過時までは初期と同程度で
あるが,その後増大することがわかる.この変化をさらに詳細に調べるために,細孔径分
布を測定した結果,サイクル試験前の電極と比較して初期容量確認試験後には全領域の細孔
が増加していること,さらに50 サイクル後には2 nm 前後の細孔が増加する一方で,3 nm
以上の細孔が若干減少すること,150 サイクル後には2 nm 前後の細孔は変化しないものの
3nm 以上の範囲の細孔が増加することを確認している.

 

SiO を負極に用いた電池の充放電サイクル試験における劣化要因を明らかにするために,負
極にSiO/Graphite,正極にLi(Ni, Co, Mn)O2 を用いた充放電サイクル数の異なる電池を解
体し,取り出した負極について詳細に調べた結果,電池容量は50 サイクルまでは急激に減
少し,その後穏やかに低下するのに対して,負極の容量は50 サイクル後には微増し,150
サイクル後には低下することがわかった.この負極の変化をSiO に着目して調べた結果の概
要はつぎのとおりである。

(1) 充放電サイクル初期における電池容量の低下は,負極容量の低下ではなく,負極の体
 積変化にともなって,被膜が崩壊しながら形成される不可逆な 電気量によるものと考え
 られる.
(2) SiO 粒子中のSi は,初期の充放電によってa-LixSiの網目構造を形成する.その構造は,
 充放電を繰り返すことによっても維持されるが,その充電状 態に形成されるa-LixSi は,
 充放電の繰り返しによって結晶化し,Li15Si4 に変化する。
(3) SiO 粒子は,充放電の繰り返しにより,粒子の表面から内部に向けて微細な'割れ' が
 生じる結果,粒子表面の大きな亀裂を形成する.
(4) SiO 粒子に生じる'割れ' の発生はSiO 中にLi15Si4が形成されることに起因する. 



ここで話をかえてみたい。量子サイズ・ナノサイズ加工技術が20年前より格段に進歩した
ことだ。この大本には『ムーア法則の限界』への挑戦があることは言うまでもない。また、
カーボンナノチューブ製造技術の進展も見逃せない。ナノグラフェン・ナノホーラスは電極
界面の確信に欠かせないどころか、電気配線が銅などの貴金属やアルミなどの軽金属にとっ
変わる寺内にきていることだ(最近事例では、ゼオン社カーボンのナノグラフェン・ナノち
チューブ・ナノワイヤの量産化が着実に進んできていることがわかる)。

20年前塩化第二鉄の再生を実現できなければ、シャッドウマスク製造事業は成り立たない
ところまで追い込まれつつあり、しかし、電力独占・ソーダー生産の副産物としての塩素と
コスト的に成り立たない。高価な白金などはつかえない。ならば黒鉛(グラフェン)しかな
いということで、堺化学などの協力を、実用性を確認することに成功する。しかし、ながら
経営環境の悪化は避けられず頓挫する。炭素繊維の日本の技術力と生産供給力は世界一レベ
ルにある。

    

この結論は決まっている。「安・軽・可撓・導電性・高機能性」のこの5つはもはやだれも否定できない
だろう。実に面白いことになる。「接合」「複合化」のこの2つの技術が確立ですれば「鉄は国家なり」
という言葉は死語となる運命にあるとは言い過ぎだろうか?どうだろう?以下、特許事例を掲載しておく。

とくに、1つめの「色素増感太陽電池」はいかにも現在的でユニークな提案だと思う。

 

 

 

 


15年はペロブスカイトではじまりペロブスカイトでおわったといっても過言でないだろう。
科学技術振興機構と京都大学は1日、「ペロブスカイト太陽電池」と呼ばれる高効率太陽電
池の不安定性を改善し、理論限界への設計指針を発見したと発表。ペロブスカイト太陽電池
は、材料となる溶液を印刷することで容易に作製でき、製造コストを大幅に低減できる太陽
電池として期待されている。20%以上の変換効率が報告されるようになり、次世代の太陽
電池として注目を集めた。 その決め手は、「トラップの密度を一定以下に減す」ことで電
流が発生する効率はほぼ百%で、電圧も理論限界――ペロブスカイト結晶の粒径が大きくな
るほど、短絡電流密度(JSC)、開放電圧(VOC)、曲線因子(FF)のいずれも大きな値を示
し、エネルギー変換効率は、粒径が最も大きな500nmの時に、世界最高レベルの19.4%を
示す―――まで向上する可能がある。

● ガスから作る太陽電池、効率23%でコスト半減

製造時に原料が無駄になり、消費電力も大きい。現在主流の結晶シリコン太陽電池の「弱点」
だ。長州産業は米Crystal Solarと共同でこの問題を解き、製品に直結する成果を得た。現在
最高水準にある製品と同等の変換効率23%を実現し、コストを半減できるという。シリコン
ウエハーを「ガス」から直接作り上げることで実現。「HIT太陽電池と同程度の23%という
セル変換効率を実現し、コストは従来の2分の1という高効率太陽電池を開発した。この太陽
電池が普及すれば、多結晶シリコン太陽電池の存在を脅かすことになるだろう」(長州産業)。
多結晶シリコン太陽電池は、HIT太陽電池のように単結晶シリコンを用いる太陽電池と比較し
て性能は幾分劣る。しかしながら、製造コストが低いために太陽電池市場の過半数を占めて
いる(下図)。太陽電池産業に与える影響が大きいという。ふぉうなるんでしょうね。「再
エネ百パーセント時代」は目の前にsまりつつあるようだ。

 

 

 

【量子・ナノサイズ太陽電池時代: テッペンを取りに行く】

 

 

 

 

   

ロードスターとペニーレイン

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    私は人生を――生活上の平凡なことどもを――まるでちょうど角
      を曲がって初めて人生にぶつかったように眺めたい。

                    イギリスの劇作家 クリストファーフライ

      I want to look at life――at the commonplaces of existence―as if
                     we had just turned a corner and run into it for the first time.




                                                                                                           
                                                                                               
                                                                                                                              Christopher Fry
                                                                                                 18 December 1907 – 30 June 2005  

 ※ いつも、そのように新鮮な目で人生を、人生の平凡なことどもを眺められれば、
   これに越したことはない。角を曲がって、はっと新しい風景が展開することが
   ある。
   the commonplaces of existence;「生活上の平凡なことども」、通勤電車とか、
   勤め先の机とか、同僚の顔とか。

 

 




【滋賀固有の乳酸菌が話題に!】

  

乳酸菌は、自然界に広く分布し、古くから食品の風味及び保存性を高め用いられてきた。ま
た、乳酸菌は日本の発酵食品とも馴染み深い細菌で、漬物や味噌にも存在し、食品保存や風
味の工夫を重ねる過程を通じて、乳酸菌が選択等されてきた。世界各地で植物、乳及び肉な
どの原料に基づいて様々な発酵食品の製造に用いられ、その土地及び風土に根付いた多様な
発酵食品が作られている。乳酸菌は、現在では、ヨーグルトや乳酸飲料などの発酵乳製品、
キムチ、ピクルスなどの発酵植物製品、発酵肉、醸造及び発酵豆乳など多くの飲食品に利用
れている。

そこで北村進一らの研究グループは、(1) 鮒寿司から単離され、FERM  P-2157
9とるLactobacillus  buchneri  FERM  P-21579菌株。
(2)同じく、FERM  P-21580であることを特徴とするLactobacill
us  buchneri  FERM  P-21580菌株。(3)FERM  P-21581
であることを特徴とするLactobacillus  buchneri  FERM  P-
21581菌株を用いた食品発酵成分・食品成分の特許取得している( 特許5319186  「乳
酸菌、それを利用して得られた発酵組成物及び漬物食品並びに食品組成物」)また、ガラク
トース、グルコース、およびラムノースを構成成分に含む多糖、または、ビフィドバクテリ
ウム属に属した多糖を菌体外に産生する微生物を含む。抗アレルギー剤(「特許5737646 「
抗アレルギー剤 森下仁丹株式会社 他 」)、さらには、変異体米やこの変異体米由来デン
プンで、血液中又は内蔵中の中性脂肪抑制効果や脂肪蓄積抑制効果を奏する食品として、あ
るいは加工食品の原料の使用に関する特許も取得している( 特許5768252「 抗脂血及び内
臓脂肪予防食品 公立大学法人大阪府立大学 他」 )。



これ以外にも、鮒寿司漬け樽を使った古漬けは、鮒んPアミノ酸香成分が微量に発酵され、
独特のコク・風味をもつ大変美味しい漬け物で、個人的にはこれが一番うまいと思っている。
これはいまは貴重品で町内の門野のおばさんかた頂いているものであるだけに貴重なものに
なっている。

 

【最新高効率太陽電池レーザ加工技術事例】

 December 15, 2015 /US9214585 B

”Annealing for damage free laser processing for high efficiency solar cells”

 【概要】

アニールレーザーで補助加熱利用したダメージフリーレーザパターニングの提供。半導体基板上の
アブレーションスポットの中または上に重なる透明なパッシベーション層のパルスレーザアブレーショ
ンパターニングし田植えでアニール処理する。

従って、加工対象は、ヘテロ接合およびホモ接合太陽電池を製造であり、ベース、エミッタコンタクト
開口部、前面と後面電界形成、選択的ドーピング、金属アブレーション、アニーリング、及び不動態
化を含み、アニールレーザーアブレーション損傷を受けた領域に補助加熱利用しダメージフリーレー
ザパターニングを提供。また、アモルファスシリコンアブレーション及びヘテロ接合太陽電池の選択的
ドーピングも対象とし、結晶シリコン半導体基板塗布、ワイヤ、ウエハリング、テクスチャー、エピタキ
シャル堆積プロセスで製造される結晶性シリコン基板を対象とする(後略)。上/下図に特許考案資
料を参考掲載(クリック)する。





                                             

 

 ● 日中食品汚染 24 中国の食品汚染地図  

 【目次】  

 第1章 見えない食品の恐怖
 第2章 中国の食品汚染
 第3章 食品汚染のヒトへの影響
 第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
 第5章 重金属汚染という新たな難題
 第6章 日本の食品は安全といえるか  

 

   不明瞭なモニタリング検査

    ア・モニタリング検査対象者および対象良品の抽出法が不明瞭である。そもそ
      も、モニタリング除?aはサンプル検査のはずで貿易業者全体ではないはずだ
       が、そのサンプル数をどうやって決めろのか、また対象者をどうやって具体的
            に選ぶのか不明瞭だ。
            検査対象となるサンプル食品の挿煩(たとえば野菜)、品目(たとえばホウレ
             ンソウ)、形状(たとえば乾燥ホウレンソウ、冷凍ホウレンソウの区別)の決
      め方、そしてそれぞれからのサンプルとなる個体の抽出方法も不明瞭だ。通常、
          モニタリング検査の結果、あるいは輸出関係国などからの通告により、その良
       品についてのモニタリング検査率を30%に上げたり、検査命令を発したり食
      るが、その前提となる検査対象者および対象食品の抽出法が分からないので、
      検査率の上げ下げの意味が理解できない。

    イ.モニタリング検査の結梁発覚した違反業者の輸入食品に対する検査命令に当た
      り、検査対象良品名を特定のものに定めるはずだが(しかし実際は、この点は
      明暗に説明されていない,食品名を特定化せずに、当該業者の輸入品目全体を
      対象にする吋能性もありうる)、特定化された食品名のうち、実際に検査対象
      とするサンプル数およびその検査対象個体の抽出法が不明瞭であり、検査結果
      の以来件に疑問がある。

    ウ.現在の1段猫えの万法は、モニタリング検査の対象者をまずサンプルとして選
      別し、そのサンプルの中から違反した業者の輸入良品のうち、特定のサンプル
      として選別したものを晩食するという方法だと思われる。もしそうだとする食
      品についての最終的な違反検査のためのサンプル比率は非常に小さくなるは
      ずだ。それだけ、汚染良品を把握できる範囲と検出の可能性が限られてしまう
      という問題がある。

  「輸入先許可制度」を日中連携で

  こうみてくると、日本の輸入食品は安全だと断片するには、かなりの問題があることが
 わかるだろう,だから、汚染食品を見つけ出すことを目的とする検査は、現在のように二
 段構えにせず、輸入食品全体を直接の対象にして、違反検出を目的とする検査体制でなけ
 ればならない。しかしこれを実施するには、前述した理由から、現実的に無理があること
 も事実だ。
 
  そこで、以上提起した疑問を解決したうえで、違反良品の輸入を防止するための、より
 効果的な対策が編み出されなければならない,具体的な案として、輸入食品については「
 輸入先許可制度」を採用することである,たとえば中国から日本向けに輸出できる業者を
 許可制あるいは条件制にし、価格を含む一定の条件をクリアした農場や加工食品メーカー
 が作った食品でなければ、日本に輸出できないようにするのである。

 

  そうした業者を維持、育成するためには、農法、飼育法、養殖法、加工製法の適正化と
 その検査・指導システムを構築することが有効だ。トレーサピリティの日中間連携と安全
 な食品貿易のための共同化も有効だろう。「一定の条件」を備えた具体的な例は、前述し
 た山東省の農業心頭企業であるA社のほとんどすべてが参考になる。すなわち、川上の中
 国と川下の日本というように1本の河川に見立て、食品の生産から消費までの一貫した体
 制を構築する努力が必要だ。

  そしてなお、安全性強化のために、現地生産者単位かつ一定の面積を最小区画とする農
 場、飼育場、養殖場ごとのサンプル検査体制を実現することだ。出荷後の物流管理体制に
 十分な監視を行うことは、補足的な仕事として不可欠なことも理解すべきだ,加工食品の
 場合には、加工食品メーカーの現場で検査する方法がよい,ここには、メーカーと検査機
 関との間に一定の信頼関係がないといけない。そして、このやり方はコスト負担が増える
 可能性もある。もし負担が増える場合、誰が負担するのか? それは現地の生産・加工業
 者、貿易業者、そして日本の消費者だ。安全確保はただではない。


  中国産食品に対する3つの見方

  ここまで、日本に輸入された中国産食品の安全性について、日本の検査制度の現状を踏
 まえて点検してきた。しかし、日本人の一般的な見方はまた異なる。次からは、日本国内
 でよく聞かれる3つの意見について評価をしていくことにしよう。
 
  ひとつ目の見方は、中国産良品は安全だというもので、食品貿易業者、食品加エメーカ
 ー、外食産業関係者、食品小売業者に顕著な傾向がある,日系の食品加エメーカーが輸入
 した冷凍加工食品の容器やパックなどには、産地を中国としたうえで、安全性にはまった
 く不安を持つ必要はないという説明書きが印刷されている場合もある。
  メーカーのホームページの「製品情報」などで詳しく説明されている例もある。しかし
 納得できる根拠が示されることはほとんどなく、単なる形式的説明といわざるを得ない,

  2つ目の見方は、中国産食品は安全性を疑うに十分な根拠があるが、輸入食品の場合は
 厳格な検査が行われ、すべて水際で処理しているので安心だというものだ。そもそも中国
 産食品の安全性については疑問があり、検査制度やその運用についても、本書で指摘した
 ような問題がある点は顧みられていない。

  3つ目の見方は、中国産食品は安全性に疑問があり、輸入食品の場合もこれに変わるも
 のではないというものだ。2つ目の見方と異なり、検査制度やその運用にも懸念があると
 する見方である。
  表9は厚労省の2012年度「輸入食品監視統計]から、中国の輸入食品のうち、日本
 の輸入検査で見つかった違反件数と重駁の比率を示したものである。役所が規定する違反
 率でも重量、件数の両方で1%を超える食品が少なくない。また、違反が見つかった中国
 からの輸入食品の重量と件数は、ほとんどの食品において世界1位である。食品汚染が起
  こる理由や氾濫する違法農薬と違法食品添加物、ますます深刻化する重金属汚染、食品の
  保管・衛生管理上の欠陥などについて、もはや、わたしの見方をあらためていう必要はな
  いと思う。

 

    中国政府も改善に乗り出すが

  しかし中国食品すべてが汚染されており危険だ、というのも問違いだ,中国にも安全な
 農林畜水産物、加工食品がある,これは、中国が安全な食品の普及を図るため取り組んで
 きた行政的努力の成果でもある。1995年の食品衛生法、その後、この法律を発展的に
 改正して2009年に公布された食品安全法、2012年の食品安全国家標準十二五計画
 (第12期5ヵ年計画において定めた食品安全基準)をはじめとする一連の施策は、これ
 までの不安材料を是正しようとするものだ。

  中国政府当局の食品安全管理行政は、国家食品薬品監督管理総局(CFDA)が実務機
 関となり、衛生・計画生育委員会、農業部、商務部などが中心となっている。中国の食品
 安全法は、日本の食品安全法を参考にしたと思われる内容となっており、それ自体は法文
 として充実している。食品添加物新品種管理法、良品添加物使用基準農薬使用基準、食品
 中農薬最大残留限度は規格、飼料使用基準などが定められてい今以上は中火レベルでの話
 だが、省・自治区などの地方レベルでもさまざまな取り組みがある。広東省では、副省長
 をトップに、農業、海洋漁業、環境、衛生、公安、教育、貿易などの関係部局を代表した
 委員から構成される食品安全委員会を設置、省内の食品安全監視、食品安全を脅かす各種
 情報の収集と発信など、食品安全に関する全般的行政が行われている。食品添加物や残留
 農薬についての啓蒙活動など、食品行政のかなめとして位’殴付けられている。化学合成さ
 れた食品添加物については、毒性を認め、適正な使用量を守ることの重要さを指摘するな
 ど、毒性自体を認めようとしないどこかの国よりも柔軟なほどだ。

  では日本意食品なら安全なのか?

   いよいよ、本書は、日本食品は安全かという問題を解くところまできた。
  この問題を考えるには、3つの角度から検討することが必要だ。

  ア.中国からのものを含めた輸入食品(冷凍惣菜、エキス、枝豆、ピーナッツ、ウナギ
   などすべて)
  イ.輸入食品を原材料の一部もしくは全部として、日本国内で加工して作った食品(冷
   凍政子、鍋物スープの素、カップラーメン、カレールー・、ウーロン茶など)
  ウ.すべての原材料・食品添加物が日本産であり、日本国内で作った食品(コメ、温
   州みかん、リンゴ、いちご、ダイコン、養殖ウナギなど)

  まずアについて,これも中国にある日系食品加エメーカーが作ったものかそうでないか
 によって、安全性に違いが出る。しかし概括的にいえば3つの分類の中で、危険性はもっ
 とも高い,イは日本国内の清潔な工場で加工されたものなので、その分、危険性は低くな
 る。また、.部国内産を使っているという面では、輸送途上の薬剤散布などのリスクは除
 かれる。ウは飼料を使う畜産や養殖魚を除くと、イよりも危険性はさらに低下する。ただ
 しウのように、すべてが日本産だとしても、牛や豚、ウナギなどを育てるための飼料の大
 部分は輸入品だ。これをどうみるかは問題だ。わたしは厳密な意味では、畜産物はイに含
 める方が定義になっていると思う。 以七はおおまかな目安だが、日本産食品の安全性を
 考える際のひとつとして活用してほしい。

  さて、これで本書を終わりとしてしまうならば、日本びいきだというレッテルを貼られ
 るだけとなる。日本産食品にも中国産食品に劣らぬ危険性がある、という点を述べておか
 なくてはならない。
  まず、日本食品の危険性を示す点を羅列してみる。中国食品の問題を指摘するだけでは
 日本人の健康を守ることはできず、日本食品の問題も同じように俎上にのせなければなら
 ないのだ。念頭におくのは、ウの純粋な日本産食品に分類されるものである。アとイは、
 ウの危険性が実証されれば、おのずと明らかになるだろう。

 


検査方法の困難さを考えさせられた。そこで「小型二酸化炭素超臨界前処理装置」「質量分
析装置」「遺伝子分析装置」を組み合わせシステムで(参考:下図クリック)、圧力と温度
要因を5水準にしすべての規制物質を質量分析でデータ取りしておいて、被検査食品を水準
別にデータを自動連続採取測定する(あるいは、場合により、標準添加法やダミー添加法
などを加える)。重金属などは光学的にあるいは、二酸化炭素を揮発させれば検出できる)
このようなシステムであらゆる食品添加物が判明できると考えている。

 
※ Lipidomics by Supercritical Fluid Chromatography Doi:10.3390/ijms160613868

                                                        この項つづく

 

 

 

 

【ジャジーな風に吹かれてⅣ: ペニーレイン通りをロードスターで】

 

 By John Di Martino  " Penny Lane "

ジョン・ジマチノの演奏を聴きながらロードスターSで

ペニーレーン通りをきみを乗せ走るなんて

思ってみみてもてわくわくするじゃないか?


   Penny Lane there is a barber showing photographs
    Of every head he's had the pleasure to have known
    And all the people that come and go
    Stop and say hello

    On the corner is a banker with a motorcar
    The little children laugh at him behind his back
    And the banker never wears a mac
    In the pouring rain...
    Very strange

    Penny Lane is in my ears and in my eyes
    There beneath the blue suburban skies
    I sit, and meanwhile back

    In Penny Lane there is a fireman with an hourglass
    And in his pocket is a portrait of the Queen.
    He likes to keep his fire engine clean
    It's a clean machine
    Very strange .... 



  

ノルウェーの森をロードスター

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    沖縄を、知れば知るほど書けなくなった。 /  野坂昭如

                                                     「みんな悩んで、大きくなぅた!」

                                                            

                                                                                                                        1930.10.10-2015.12.08

 

 

● いつか来た道コース? 

先週、米軍爆撃機が先週、南シナ海で訓練中に、中国が造成する人工島の12海里の中を
飛行し、中国政府が抗議した。米国防総省の当局者は、南シナ海で訓練中の米軍の爆撃機
B52が、南沙(スプラトリー)諸島のクアテロン礁で、中国が造成する人工島から12
海里の中を飛行し、その後、中国政府から抗議を受けた。これに対し国防総省は、「12
海里以内飛行は意図せず、爆撃機は誤って12海里以内を飛行した」という。米国有力紙
ウォール・ストリート・ジャーナルは国防総省高官が、悪天候が原因だったという見方を
伝えているという。戦前の日本の侵略に執拗攻められ戦争に突入していった歴史を思い出
し、9日に他界した故野坂昭如氏の「非戦・反戦の誓い」の言葉をかみしめることとなっ
た(享年八十五)。

                                     合唱

 

   
Crystal Solar Direct Gas to Wafer™ Technology

【ガスから作る太陽電池、効率23%でコスト半減】

● シリコン系ガスから直接製造して低コスト化

製造時に原料が無駄になり、消費電力も大きい。現在主流の結晶シリコン太陽電池の「弱
点」。長州産業は米Crystal Solarと共同でこの問題を解き、製品に直結する成果を得た。
エハを「ガス」から直接作り上げることで実現したという。へぇ~そんなことができる
のかと正直驚く。

 

 

そんなことが実現すれば京セラの多結晶系は、パナソニックは競争力をなくす。多結晶シ
リコン太陽電池は、HIT太陽電池のように単結晶シリコンを用いる太陽電池と比較して、性
能は幾分劣る。しかしながら、製造コストが低いために太陽電池市場の過半数を占めてい
る。太陽電池産業に与える影響が大きいだ。同社は年12月4日、太陽電池セルを新手法
で製造することで、製造コストを半減できると発表した。同時にセル変換効率は世界最高
水準だという。米Crystal Solarが開発したDirect Gas to Wafer技術を適用してウエハー
を製造、太陽電池セルにまとめ上げて実現(上図クリック)。用いたシリコンウエハーは、
研究段階の数ミリメートル角というものではなく、一般的な太陽電池と同じ寸法156ミ
リメートル角。今回のウエハーは量産一歩手前の段階にある。製品化(量産)の条件は、
23%という変換効率をウエハーごとに安定して出せる状態になる。これは、Crystal So-
larが導入中の量産設備が稼働すれば、安定した発電性能を実現する前提である。ウエハー
の成長速度は安定しており、同社の生産規模は年間100メガワット相当に達する予定だ。当
社が販売する太陽電池をまかなうことができる規模。

Crystal Solarの技術では、ワイヤソーを使わないため、材料が無駄になりにくい。ケイ素(
シリコン)を含んだ化合物ガスから、いきなり固体のシリコンウエハーを作る。ウエハー
の成長速度は毎分4マイクロメートルを超える。約30分で必要な厚さに達する計算だ。ウエ
ハー品質を落とさず、コストが上がらない条件下でこの成長速度を実現できる。

Crystal Solarは2008年の創業後、高速エピタキシャル膜成長実験を続けていた。13年11月
に長州産業が開発に参加。太陽電池向けの技術開発を開始。その結果、「高スループット
エピタキシーによるダイレクト単結晶シリコンウェハー成長法」(Direct Monocrystalline
Silicon Wafer Growth by High-Throughput Epitaxy)を開発。

※ "High efficiency heterojunction solar cells on n-type kerfless mono crystalline silicon wafers by
   epitaxial growth", E.Kobayashi, Y.Watabe, R.Hao, and T.S.Ravi,Appl.Phys.Lett. 106,223504(2015)

今回の技術の特徴は、ウエハを成長させる際、単結晶シリコン基板を数十回再利用できるように
したこと。基板を1回しか使えなかったとしたら、エピタキシャル成長の「うまみ」がほとんどない。再
利用できるようにするための工夫は、単結晶シリコン基板の表面を多孔質化処理したことだ。これ
により、成長したエピタキシャルウエハーを機械的に剥離できるようになる。つまり、多孔質だと、
ごく小さい面積ではエピタキシャル成長によって単結晶膜が作られるものの、穴の上で左右から
成長してきた膜がぶつかり、結晶欠陥ができる。エピタキシャル成長は横方向と同じように上方向
にも原子が積み上がる。そこで、上方に成長するに従って結晶欠陥がなくなる条件を探した。完成
したウエハーの底面側には欠陥が残るものの、太陽電池用セルに必要なテクスチャー形成工程
で数マイクロメートル分を取り除くため、残ったウエハは単結晶になる。

さぁ~、テッペンもう少しがんばれば手にすることができるぞ?!

 

※ 特許5779654  原料シリコン破砕装置 長州産業株式会社
※ 特許5600125 複数のウェハを同時に処理するためのリアクタおよび方法 クリスタル
  ・ソーラー・インコーポレーテッド  


                                         

  ● 日中食品汚染 25 中国の食品汚染地図  

  【目次】   

 第1章 見えない食品の恐怖
 第2章 中国の食品汚染
 第3章 食品汚染のヒトへの影響
 第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
 第5章 重金属汚染という新たな難題
 第6章 日本の食品は安全といえるか   

  農薬消費大国・日本

  まず日本が農薬消費大国であることをどれだけの人が知っているだろうか,日本国
 内の農薬企業の農薬生産量とその出荷蹴は長期的な傾向として減少している。201
 1年度の出荷鼠.は23万3000トン・キロリットル(農薬の量を測る単位で、農薬
 には液体と粉末の両方があることからトンとキロリットルで表す)で、20年前の約
 半分でしかない。これは主には国内農業生産の縮小の結果であり、日本人全体が農薬
 から離れつつあることを示しているわけではない,
 
  国内への出荷が減っても、輸入飼料、輸入農産物、輸入畜産物や輸入養殖魚類、こ
 のほかの輸入食品などの生産には、輸入先で大量の農薬が消費されている。繰り返す
 が、農薬はこれら輸入食品についてくるのである。その量が基準値以下であろうが、
 農薬は輸入食品に、ほぼかならずついてくる。正確な量は不明だが、日本の食料自給
 率から逆算すれば約58万3000t・ぼくらいにはなる。ただし、これは輸出国の農
 薬効率が日本並みであることを前提としたものだ。日本の農業技術の効率性は高いの
 で、実態はこれより多いはずだ。

  ちなみに中国の2011年度(中国の会計年度は1~12月)の農薬消費量は18
 0万トンキロリットルで世界レベルでは多い方だが、中国の食料自給率は約90%な
 ので、ここから推定される中国全体の農薬消費量は210万トン・キロリットルだ。
 日本の消費量は中国の3・6分の1である。だが口本の人口が中国の10分の1であ
 ることを考えると、日本人ひとり当たりの農薬消費量は膨らみ、中国2・8倍にもな
 る。つまり、日本人は中国人の2・8倍の農薬のついた食品を口にしている計算にな
 る,

 「多くの殺虫剤は虫に効いてもヒトに対して毒性はありません。現在の殺虫剤は虫に
 作用するが、ヒトには毒性がないものが多い。殺虫メカニズムとヒトに毒性を示すメ
 カニズムが異なること、それぞれの体の大きさが迫うために毒性を示す作用濃度が異
 なること、また、取り込まれた農薬に対する代謝・分解に迫いがあることによります。
  ただし、全ての殺虫剤が完全な選択性を有している訳ではありません。したがって、
 使用方法を守ることで、ヒトや散布された作物に対する安全性が確保されています」
  これは目本の農薬工業会のホームページから抜粋したものだが、安全といっておき
 ながら、使用方法によっては危険だともいっている内容で、あまり信頼性のある説明
 とは思えない。

 食品添加物消費大国・日本

  データとしては古いが、厚労省が2000年に「食品添加物一目摂取量総点検調
 査」結果を公表したことがある,この調査結果をもとに計算すると、日本人20~
 64歳の年齢層ひとりが1年間で摂取する食品添加物100腫の合計は、最大で7・
 75799038935キログラムにもなる。日本の食品添加物は指定添加物だけ
 で438種類なので、実際は少なく見積もっても10キログラムを優に超える可能性
 がある。

  なぜこんなに小数点以下の数字まで書くかというと、食品添加物には年間で0・1
 ミリグラム程度しか消費しないものも含まれるからである。こまかいことを無視する
 と1日当たり、なんと21・254グラムを消費している計算になる。
  しかし食品添加物のおかげで、食中毒や伝染性の細菌などから食品が守られている
 という見方があると同時に、安全性が疑われる食品添加物が多数あると専門家が指摘
 していることも忘れてはいけない。

  働き盛りの日本人が年間、7~10キログラムもの食品添加物を摂取しているとは
 驚きだが、これは附…鳶一の量に違いない。中国の人口ひとり当たりの消費量は5・
 64キログラムだ。だから、日本と中国は甲乙つけがたい食品添加物の2大消費国と
 いってもよいだろう。

 日本でも重金属汚染は深刻

  日本は狭い国土で、昔から多くの鉱山開発が行われてきた。福島、兵庫、群馬、長
 崎、岐阜、愛知、富山、福岡、長野、熊本、秋田、青森、山形、石川、岩手、宮崎、
 島根、栃木、宮城、北海道など、都道府県の約半分にはなんらかの鉱山があり、カド
 ミウム、銅、ヒ素などが農地や河川・湖沼に流れ込み、甚大な健康被害をもたらして
 きた。とくにカドミウム汚染はこれらの地域ほぼ全域にわたっており、最も危険視さ
 れてきた重金属だ。日本も中国に劣らないほどの重金属汚染大国なのである。このこ
 とは環境省が作った重金属汚染地図(図5)からもうかがうことができよう。

 

  環境省水・大気環境局の資料によると、これらの重金属によって汚染された農地面
 積は134地域で7592ヘクタールに及んでいる。内訳はカドミウム汚染が最も多
 く7050ヘクタール、次いで銅1405ヘクタール、ヒ素391ヘクタールである。

  これらの農地のうち2012年度までに汚染対策が施された農地は6906ヘクタ
 ールに達した。しかしなお686ヘクタールが汚染されたままの状態だ。この数十年
 のあいだに多くの商情に対策が施されたが、未対策地が無くならないのは新しい汚染
 農地が発見されているからである。
  たとえば2012年度に、1196地点で玄米のカドミウム汚染調査が行われた結
 果、6地域27地点で基準値を超えるカドミウムが検出された。土壌については313
 地点で調査が行われた結果、非常に高い濃度の農地が見つかった。

  具体的な調査地は秋田、群馬、富山、愛知、島根、福岡、大分、宮崎などで、コメ、
 土壌、農業用水、降下煤塵について高い濃度のカドミウム、ヒ素が検出されたのだ。
  日本は高度経済成長時代に世界最悪ともいわれた公害病を体験し、その教訓から安
 全な国上を回復したかにみえたが、実際はまだまだ未解決の問題が多い。そのもっと
 も重大な影響が農地汚染として現れているのだ。

  輸入食品の検査体制の個所で述べたとおり、輸入食品に関する重金属汚染検査で対
 象としている食品はほんのひと握りだ。国内に長い年月にわたって除去しきれていな
 い屯金属汚染農地がある一方で、なんとも心もとない輸入食品についての検査体制、
 どこに安心できる材料があるというのか。

 氾濫するインスタント食品

  画期的なインスタントラーメンの発明は、わたしが子どもの頃のことだった。当時
 は、簡単におなかを膨らますこれといった食べ物がなく、母親に塩や味噌のおにぎり
 を作ってもらった,そこに突如として現れたのがインスタントラーメンだった,以
 来、インスタントラーメンとの付き合いは数十年におよぶ。学生時代には、インスタ
 ントラーメンに生卵を入れ、それをおかずに炊飯器で炊いたご飯を食べたものだ。
 
  各種のインスタント食品の中で最もなじみの深いものはインスタントラーメンだろ
 う。日本即席食品工業協会という団休によると、インスタントラーメンの生産量は、
 袋麺に加えてカップ麺が市場に登場した1971年の36億5400万食が、2012
 年には1・5倍の54億7600万食となった。生まれたばかりの赤ん坊を含めた日本
 人のひとり当たり年間消費量は、今や43食に達している。韓国、インドネシア、ベト
 ナム、マレーシアに次ぐインスタントラーメン愛好国家なのだ。

  インスタント食品はラーメンだけではない。日本では実にさまざまなインスタント
 食品が輸入、製造、消費されている。ラーメン、うどん、パスタ、そばなどの麺類、
 白飯、カップめし、カレー、シチュー、雑炊、チャーハンなどのご飯もの、野菜の煮
 物、ハンバーグ、咬子、ワンタン、中華料理、お茶漬けの素、味噌汁、吸い物、コ-
 ヒー、お茶、各挿スープ類など、あげたら切りがないほどである,どの家庭の台所に
 も、封を切ったままの食べ残しや非常食として保存しているものなど、なにかしらの
 インスタント食品があるはずだ。

 新しい食品表示法について、以前、「週刊文存」(2013年9月5日号)の取材に
 答えたことがある。発売後間もなく日本即席食品工業協会専務と名乗る方から電話を
 いただいた,その電話は業界の利益を代表する姿勢の強いものだった,わたしの指摘
 は、2013年6月に国会を通過した栄養成分の表示方法の統一を謳った食品表示法
 (農林物資の規格化及び品質表示の適正化に関する法律)を検討した結果、このままで
 は関係法律である食品衛生法、JAS法、健康増進法などに屋上屋を架すだけで、効
 緊が乏しいというものだった。その法律の施行は数年先というのんきなものだが、そ
 れでも改善すべき時間的余裕があると思ったのだ。

  記事では、合わせてカップ麺の原材料の多さとその原産地表示の不足についても指
 摘した。法律では原産地表示や原材料表示についての規制は緩く、そのことが消費者
 利益に反するという内容だ。食品表示については、零細食品業者を守るとか容器や袋
 のスペースが小さくすべての情報を記載できないとかの口実のもと、非常に無意味な
 ことが当たり前のようにされてきた。

  カップ麺も例外でなく、容器の側面に小さな文字で書いてある原材料や食品添加物
 を見て、自分が食べようとするものの本当の中身が理解できる消費者は皆無に違いな
 い。このような無意味さを改善し、ウェブサイト上で、中身がわかるようにすべての
 情報を公開したらどうかと、その専務さんに話した。提供された情報を見て、安心で
 きないと思えば買わないだろうし、安心できると思えばおおいに食べるだろう。カッ
 プ麺に限ったことではないが、本当に必要な情報が消費者に提供されていないことが
 問題なのだ。

  納得してくれたかどうかはわからないが、反論はなかった。

  この記事が載ったりが発売されて間もなくのこと、いまは倒産した三重県のコメ卸
 業者、三瀧商嘔が中国産のミニマム・アクセス米(1993年のガット・ウルグアイ
 ニフウンド農業へ口意により、最低の輸入量が義務付けられた米)をご飯向けに販売、
 産地偽装に問われる事件が発覚した。食品表示の問題点を従来にない視点と方法で明
  らかにした記頃が、そのためにI役買ったといえる。その後、一流のホテル、レスト
 ラン、食品加エメーカーによる。誤表一yとぶり芦問題が立て続けに発覚した。表示
 や偽装の問題は、いまだに終止符が打たれていない。

 食品汚染の事件に共通するもの

  さらに2013年末には、大手食品加エメーカーのマル八二チロホールディングス
 の子会社アクリフーズ群馬工場で製造された冷凍食品に、基準値の150万倍の了フ
 チオン(通称了フソン。アブラムシ、ハダュ、カメムシ、ハエ、蚊などの駆除に使う
 殺虫剤,液状100グラム3000円程度で市販されている)が検出されるという二
 ュースが流れた。公表は内部で事件を掌握してからIカ月半も経っていた。

  マラチオンは毒性が低いかのように報道した例もあるが、そうではない。体重50
 キログラムの大人が、この農薬が検出されたコーンクリームコロッケを4分の1食べ
 ただけで吐き気、腹痛などの症状が出るという決して軽視できない毒性がある。コロ
 ッケを4分の1個しか食べないと想定することは非現実的で、1個ならいったいどん
 な症状になるのか、会社は明らかにしていない。

  この事件は、会社に不満を持つ一従業員の犯罪として幕を閉じようとしているが、
 従業員とエ場の安全管理に問題があったこと、輸入農産物を原材料として使い、加工
 に加エを重ねる食品の作り方にこのような犯罪が生まれる要因のひとつがあることを
 指摘しておきたい。
  この会社は実にたくさんの種類の冷凍食品を製造しているが、わたしが調べたとこ
 ろ、そのほとんどに中国産の食品が原材料として使われている。また中国姻台にある
 グループ工場で製造した野菜料理が多数輸入されている,今回問題となった食品のひ
 とつに「ミックスピザ3枚入り」があるが、この原材料のひとつ、ピーマンは中国産
 である。
  この事件は、10月に起きたはごろもフーズの缶詰「シーチキンマイルド」672
 万個の回収騒動、.流ホテルのレストランで起きたメニュー誤表示や偽装事件の報道
 に続いて、日本の食品の安全性がゆらいでいる事件として中国人民日報でも速報され
 た。
  中国ではマラチオンは毒性が非常に強い農薬とは考えられていないが、注意すべき
 障害が起こる農薬として認識されている,小売値段はIキログラム15~18元(240
 ~290円)だ。安いので農民にとっては使いやすい農薬のひとつだ。
  日本の食品業μというところは、概して情報公開を好まない。大手食品メーカーの
 工場見学に出かけたときのこと、実際の見学に費やした時間は20分、しかも工場の中
 ではなく、見学者用のたまり場の小さなのぞき窓を通じて、エ場のほんの一部、長さ
 にしてIメートルもあるかなしかの工程を眺めるだけだった。そこは何をする工程な
 のか、まったくわからない。
  それが済むと、DVDによる15分間程度の会社紹介を見て、その後は敷地内に生息
 するシラサギをウオッチングするために設けた施設に40分問いただけだった。案内嬢
 には、工場内の道を案内する以外は専門的知識などまったく備わっていなかった。

                                この項つづく 

 

  

【ジャジーな風に吹かれてⅤ: ノルウェーの森でロードスター】

   

 

パトリシア・バーバーの歌とピアノの演奏を聴きながらロードスターSで

セントラルパーク通りをきみを乗せ走るなんて

考ただけでも素敵じゃないか?

 

    I once had a girl, or should I say, she once had me...
   She showed me her room, isn't it good, norwegian wood?

   She asked me to stay and she told me to sit anywhere,
   So I looked around and I noticed there wasn't a chair.

   I sat on a rug, biding my time, drinking her wine
   We talked until two and then she said, "It's time for bed"

   She told me she worked in the morning and started to laugh.
   I told her I didn't and crawled off to sleep in the bath

   And when I awoke, I was alone, this bird had flown
   So I lit a fire, isn't it good, norwegian wood.


    ● 今夜の一曲
  Simon & Garfunkel 

    

 


                                   
                                  

フォースの覚醒

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    違う!やるか、やらぬかだ。ためしなどいらん。 


                           ヨーダ(スターウォーズ)

       No! Try not. Do. Or do not. There is no try.

                                                                                                        
       

       

 

 

【スター・ウォーズ/フォースの覚醒】

『スター・ウォーズ/フォースの覚醒』(スター・ウォーズ/フォースのかくせい、原題:
STAR WARS: THE FORCE AWAKENS)は、15年に公開されたアメリカ映画で、SF映像
作品『スター・ウォーズ』シリーズの、主要実写映画第7作目。シリーズ主要9部作の中で
は、レイを主人公とする3部作の第1章『エピソード7』に当たる。ウォルト・ディズニー・
カンパニーによるルーカスフィルム買収後に製作された初の『スター・ウォーズ』映画。
公開日はフランス・イタリアで16日11時30分(現地時間)。香港・台湾で17日。中国
(16年1月9日)を除くその他の地域は18日(金曜日)9時30分(UTC)に同時刻一斉
公開。

さて、そのストーリーは、遠い昔、はるか彼方の銀河系で…。『エピソード6/ジェダイの帰
還』から約30年後。銀河帝国の残党により「ファースト・オーダー」と呼ばれるグループ
が結成され、再び圧政を始めていた。最後のジェダイであったルーク・スカイウォーカー
は数年前から行方を絶っており、ルークの双子の妹、レイア・オーガナ将軍はファースト
・オーダーに立ち向かうためにルークを探す。ルークの所在が記載されている地図を手に
入れたレジスタンスのポー・ダメロンは砂漠の惑星「ジャクー」でファースト・オーダー
に捕まるが、その直前にその地図を自分のドロイドであるBB-8に託す。その後BB-8は、ジ
ャクーで孤独な少女レイに出会い行動を共にする。一方、ポーの捕獲作戦でジャクーにお
けるファースト・オーダーの殺戮に参加していたストーム・トルーパーの1人フィンは、
あまりの残虐さにファースト・オーダーの存在に疑問を持ち、ポーと共にファースト・オ
ーダーのファイナライザー(スター・デストロイヤー)からTIEファイターで脱走し、ジ
ャクーでレイとBB-8に出会う。

その後すぐに、BB-8を捕らえようとするファースト・オーダーの追手に襲われたレイとフ
ィンは、たまたま近くにあった宇宙船でジャクーを脱出する。その船こそ、盗まれたため
ハン・ソロの手から離れていたミレニアム・ファルコンだったという。しかし、映画館で
みる日取りはまだ決めていない。

 

 

                                         

  ● 日中食品汚染 26 中国の食品汚染地図  

  【目次】   

 第1章 見えない食品の恐怖
 第2章 中国の食品汚染
 第3章 食品汚染のヒトへの影響
 第4章 なぜ汚染連鎖が絶ちきれないのか
 第5章 重金属汚染という新たな難題
 第6章 日本の食品は安全といえるか   

  食のグローバル化時代

  2013年秋は、国内の食品についても安全性や信頼性を裏切る事件が数多く発覚
 した季節だった。日本の食に対する安全と信頼を大きく揺るがし、それが幻想にすぎ
 なかったことを思い知らされた消費者も多かったはずだ。事件は場末の食堂で起きた
 ことではなく、「グルメブーム」を牽引してきた一流のホテルや旅館、そして有名な
 レストランで起きたことだから余計にショックが人きかったことだろう。

  2013年11月22日、阪急阪神ホテルズのレストランでメニュー偽装表示や誤表
 示が47件もあったことが発覚し、その後、事件の大きさに気づき、ホテルの当時の
 社長が引責辞任した。この時以降、全国のホテル、レストラン、有名旅館、デパート、
 食品加工業者、小売店に至るまで、約一〇〇件の類似事件が次つぎに発覚あるいは自

  主申告し、その勢いはやや弱まったとはいえ、とどまるところを知らない。
  これらの事件は次のことを明らかにした。ア消費者は食に関しては概して無知で、
 そこに業者はつけ込んで利益を得ていた。イ業者のなかには自分も無知だったと言い
 訳し、責任逃れを図った。ウ消費者行政は業界に甘い,
  わたしはもともと食の問題は中国も日本も人差ないと思っていたが、この集団的な
 贋件をみて、いっそうその思いを強くした。中国と日本との問では、汚染食品や問題
 食品のキャッチボールをしているようなところがあって、どっちがきれいでどっちが
 汚いとは断一.aできない構造ができつつあるのだ。

  最近、わたしが調べたところによると、日本からモジュール化された食品が中国に
 輸出され、中国から別のモジュール食品が入ってくる貿易構造ができつつあることが
 判明した。食品を汚そうと思って汚している人は、日中に共通して多いわけではな
 い。現代のグローバル化した食品モジュール貿易が複雑化する過程で、保存性の強化
 や付加価値を高めようとする経済的動機から自然に生まれた副産物なのだ。わたした
 ちは今、そうした時代に生きている。

  この時代を作ったのは、農林畜水産物の生産者、食品メーカー、消費者、国であ
 り、どれかひとつだけに責任があるとはいえない。しかし、消費者の立場はつねに弱
 く、しかも受け身である。食品メーカー、ホテル、レストラン、小売業者などは供給
 側にあり、それらを指導・規制するのは国である,従って、これらには、責任を自覚
 してもらわなければならない。その意味で、今回の一連の偽装・誤表示事件は彼らの
 モラル、責任意識を喚起し、強める非常によい機会となったといえるだろう。


 予防のEU、結果の日本


  食品安全委員会は2009年の消費各庁の設置と同時に、内閣府から移管されるべ
 きであったが、従前どおり内閣府にとどまることになった,それは、食品安全基本法
 という食の安全を守る基本的な法律の消費者・国民側に立つべき行政を、為政者の側
 に立ったものとする疑念を抱かせる。食の安全は、一体誰のためのものか。
  農薬・食品添加物・遺伝子組換え食品の側に立つ業界関係者が思っていることは概
 して次のようなことだ。
  遺伝子組換え食品、食品添加物・残留農薬が食べ物と共に摂取された場合に体内に
 蓄積するという考え方は誤っている。体内に摂取されたこれらの物質は直ぐに代謝さ
 れ、健康に悪い影響を与えることはない。このような誤った認識を持つ消費者を教育
 することが食品安全委員会の役割である(ある農薬会社勤務・農薬研究経験者の意
 見)。
  わたしは、これら物質のすべてに問題がなく、無条件に安全だという科学的な証明
 書をこれまでに見たことも聞いたこともない。
  食品安全委員会は、食品の健康に対する影響評価、つまり、ある食品が日本で安全
 か安全でないか、またどの程度の摂取量なら安全かについて判断を行うのが主な任務
 で、公式の権限を持つ唯.の機関である。ただし、国際的な食品安全検討機関である
 コーデックス委員会との連携のもとで活動しており、まったく勝手な判断をすること
 は許されないはずだ。

  しかし、この委員会の主流は遺伝子組換え食品は安全だという前提のもとで活動し
 たり、多くの種類の農薬や食品添加物は安全だという認識を持ち、問題になっている
  放射能汚染食品の判断などについては基本的な姿勢が業界寄りだとの批判があるこ
 とも巾実だ。
  この委員会は食品安全基本法が根拠法だが、この法律自体、食品の安全性確保の責
 任について、製造業者と消費者が同等であるかのような書き方をしている点で、そも
 そも問題がある。消費者は食品問題が生じる根拠を事前に知ることはできず、常に受
 け身の斌場にならざるをえない。食品の安全性確保の責任はまず製造業者が負うべき
 で、この点を明確にしないと、この委員会の業務の半分は、製造業者責任を追う姿勢
 からそれてしまうことになりかねない。

 時代についていけない検査体制

  また、輸入食品の検査を担う各地の検疫所および都道府県の輸入食品安全検査を担
 当する部署等との業務上の連携が重要であるにもかかわらず、この連携についての業
 務規定は明記されていないなど、食のグローバル化と地域化に対応できていない面が
 ある,都道府県の食品安全担当部署が企画する研修会への委員の参加と交流などだけ
 でなく、食品のモジュール化などの変化に応じた安全性の確保策について、いかに協
 働を実現するかが、大きな課題となっている。これらの問題をふまえ、早急に時代に
 合ったものにしていく必要がある。

  食品安全委員会には7人の委員がおり、そのうち4人は常勤職扱いで、大部分が大
 学の教授クラスだ,大学に籍があって同委員会の常勤職というのは一般消費者の理解
 を超えるが、その説明はない。委員構成は、消費者代表を少なくとも2~3名とする
 ことが望ましい。なおこの委員会には多数の専門委員会があるが、時代に合った幅広
 い積極的な活動をしている構成員かおり、そのような人材の拡充が望まれる。
  
 さらに内閣府に設置されている委員会事務局には、事務局長と次長以下4名の課長
 職と数名の専任職員が配置され、現在の事務局長と局次長はいずれも農水省出身(あ
 るいは出向)の中堅官僚で、その指定席となっているようだ。
  つまり、食品安全委員会という組織は、お役所、さらにいえば農水省の意を体して
 活動する特定省庁の外郭機関にほかならないのではないか。農水省は農業生産者のた
 めの省庁であり、消費者の利害と対立することがある。はたしてこの委員会は、中立
 性を維持できているのか疑問を持つ人も少なくない。
  
  食品の安全性に関して厳しい目を持つEU版の食品安全委員会、欧州食品安全機関
 (EFSA)と比較をすると、目本の食品安全委員会の性格が浮かび上がる。EFS
 AはEU内部の食品の生産・流通・販売など、あらゆる組織と関連する行政機関から
 完全に独立した中な組織だ,その守備範囲も非常に広く、動物の健康と福祉から植物
 の健康、食品の生産・加工・流通に関わるすべての事項を受け持ち、予防的な観点か
 ら、EUに対して勧告できる強い権限を持っている。

  EFSAの根底に流れているのは、危険が起こる前から対処するというヨーロッパ
 の哲学だろう。これが予防原則になっていると思われる。科学的な危険性あるいは安
 全性についての結論が不確実な場合、それは使用しないでおこうという考え方であ
 る。だから、旧西ヨーロッパを中心に、日本のような深刻で広域的な公害病は起きに
 くい環境を備えている。この点は農薬、遺伝子組換え食品、食品添加物など多くの食
 品に対する厳しい姿勢にみることができる。

  日本の食品安全委員会の立場は、少しでも危険性のある物質を探すというよりは、
 同委員会が危険だと疑うものでなければリスク評価の対象にしない傾向がある。20
 13年のBSE問題に関連して、48カ月齢以下は検査不要と判断したときのように、
 専門家の問で反対意見が強いことについてさえ、行政の追認をするようなところがあ
 る。このような姿勢では、消費者の支持を広く集めることはできないだろう。
  既述のように日本では、食品表示を統一化するための法律が成立したが、その理念
 はけこうなことである。しかし、この法律に対しては、多くの批判的なパブリック
 コメントが寄せられている。その問題点のくわしい内容などについては、「週刊文巻]
 前掲号を参照していただきたいが、JAS法、食品衛生法、健康増進法などの既存の
 法律との関係が不明瞭で効果が疑問脱される、法律としての内容が薄く具体的な施行
 は行政機関や食品安全委口会、つまり官僚の絨ほに任されることになっており、法律
 を作った意義が間われるのではないか、などの批判的意見がみられる。

 
  ネットでつながる食の安全運動
 
  安全な食品を守っていくためには、消費者自身の努力によるところも大きい。消費
 を支援する中央・地方行政、地域社会の理解や協力も必要だ。この努カには、組織的
 なものと個人的なものの2つがある。
   最近の日本には食の安全を目的とする社会運動が消えつつあり、それが生協活動の
 停滞、消費者運動グループの衰退となっても現れている。背景には、共稼ぎ夫婦の増
 加、地域連携の弱体化、飽食化とその結果生まれた食への無関心などがある。
  
    日本の消費者運動の女性グループに呼ばれて、中国の食品問題を話す機会をいただ
 いた,みなさん勉強家で熱心、学校の教材にもなりそうな内容豊かな会報を発行して
 いた。リーダーのMさんは83歳で、食品に関する正義感に溢れる上品で知的な女性だ
 った。彼女が語ってくれた話は印象的だ。
 「わたしのグループのメンバーは23人で、平均年齢は70歳くらいです。娘やお嫁さん
 たちは、わたし達の活動にまったく関心を持ちません。誘っても相手にしてくれない
 のですよ」

  それなら農協の女性部と一緒になってはどうでしょうと、水をむけると、話をした
 ことはありますが、農協も若い人は入ってこないそうで、うちと同じです」
 という返事が返ってきた。食の安全を担う消費者を以前のかたちで組織化すること
 は、本当に難しいことになったように思う。彼女たちのように消費者運動で頑張る人
 ちが減り、社会的な弱体化が進んだことで、官と民との緊張関係やバランスが崩れ、
 情報公開や安全行政が後退する要因となった可能性もある。

  一昔前のような消費者運動の復活を期待することは現実的ではなく、今の時代を反
 映したインターネットによるSNSの活用しかないのではないか。この点、多くのネ
 ットユーザーが食品に関係するテーマでブログやツイッター、Facebookなど
 のソーシャルネットワーキングサービスを使ってつながり始めている。知らない者同
 士がネットを通じて寄り添い、食の安全を求めてつながりあう組織化は、より広い社
 会で力強い運動になっていく可能性が期待できる。団塊の世代が退職期を迎えている
 が、彼らの中に、何らかの消費者行動を起こそうという人びとが出てくることもあり
 えるし、期待できるのではないか。


  わたしの防衛策

  他方、一人ひとりが食の安全を求めて、自分ができることに取り組んでいくことも
 不可欠だ。それは、自分や自分の孫fどもを守るための義務であるという一面も持っ
 ている。
 .番よい方法は、家庭で調理する機会を増やすことである。それによって、危険な
 加工食品を食べる頻度を減らすことができる。
  共稼ぎ世帯の増加、料理が苦手な若者の増加、外食ブーム、コンピニ店の乱立など
 は、人びとを家庭で調理する習慣から遠ざけてしまった。ときに外食は楽しいし、普
 段とは別の味覚や食材に接することができるプラス而もある。大も歩けばコンビニに
 当たる、といわれるくらいコンピニ店もいたるところに店を出している。文字どお
 、便利なこと右に出るものはない,今や歯科医、床屋、コンビニ店は3大競争業腫
 だ。
 
  わたしは自分で調理することが好きだし、たとえばパスタ作りにかけては、プロに
 負けない自信がある。素材はすべて自分で買いそろえ、味付けも本場の作り方を真
 似、パスタのゆで方も本場をf本とする。もちろん、調味料や食品添加物の入った食
 品はいっさい使わない。準備から火を通して味付けをし、いざ食べるまでの調理時間
 は、たしかに買ってきたものやインスタントよりもかかる,しかし、食べたときの満
 足感は何ものにもかえがたい。
  言いたいことは、自分で調理することが食の安全確保のためにも大事だということ
 だ。どんな調理器具を使おうが、大した問題ではない。
  自分ですると食材を買う際や調理する際、安全性確保のために一層気を遣うし、そ
 の積重ねが、安全で洗練された調理法となって花開くはずだ,

  ある調査によると20~40代女性の81%が平日の夕食は自分が作った料理を家
 で食べ、そのためにかける時間が42分、働いているかどうか、子供があるかどうかに
 はほとんど無関係だという,忙しいときによく作る料理の第1位は野菜炒めなどの炒
 め物、第2位カレー、第3位パスタ・スパゲティだそうだ(2012年9月、JA全
 中(「みんなのよい食プロジェクト」調べ)。
  しかし16%は、家で自分が作った料理を食べる頻度が週に2~3回あるいはそれ
 以下でしかないそうだ。こう答えた女性は、週のうち外食する機会が多いことになる
 が、わたしの見方からすれば、食の安全性を確保できるかどうかについて最も不安の
 ある人たちだ。ぜひ、家で作った料理を食べる頻度を少しでも増やす努力をして欲し


 むすび

  本書は、中国と日本の食がおかれている現状、危険な状況をもたらす両国の恒常
 的、長期的、換一.昌すれば構造的な原因と背ほを探ることにねらいを定めたものだ。
 このようなことに焦点を当てた著書は初めてだと自負している。
 .般に危険な食品が生まれる原因と背景には突発的・一時的なものと恒常的・長期
 的なものとがある。

  前者は予想を超える気温や湿度の上昇だったり、誤って異物を混入してしまったな
 ど食品管理上の事故が主なもので、そうした事象に機敏に対応できなかったという原
 因が考えられるが、一時的な現象で済むことが多い。これに対して後者は、農薬、食
 品添加物、重金属など危険因子に転化する恐れのあるものに対する認識の欠如あるい
 は希薄さが原因となり、さらに危険防止や安全管理に関する社会全体の姿勢やモラル
 の甘さが背景となって起こる。

  現在起きている問題の多くは後者に属し、容易になくすことができない。わたしは
 日中両国で食の安全性を脅かす事件や問題は引き続き起こると思う。
  こうして最後のページを書いている間にも、中国の西安市の食品加エメーカーでは
 違法添加物を使ったモヤシ加工品や、大腸菌が基準値を大幅に超えるペットボトル入
 りの水が摘発されたなどの報道があり、日本ではノロウイルスに汚染された食パンが
 原因で多数の児童が集団食中毒にかかるなどの、報道が相次いでいる。

  課題はこうした構造的な性質を持つ事件をいかに少なくするかということであり、
 そのための有効な対策を持つことができるかどうかだ。この点について、本書は随所
 で具体的な提案をすることができたと思う。その有効性については読者の判断におま
 かせしたい,

  本書執筆の機会を作っていただいた「週刊文春」編集部の寺島史彦氏、そして文藷
 春秋新書編集部の松下理香氏には衷心より感謝中し上げたい,松下氏は、面倒な資料
 の収集とその解釈、そして労を惜しまない丹念な編集に汗を流してくださった。
  両氏に深甚なる感謝の意を表するものである。

  2014年2月
                                  高橋五郎

 ※ 高橋五郎(たかはし・ごろう)

 新潟県生まれ。愛知大学現代中国学部教授・同人国際中国学研究センター所長。愛知大
学法経学部経済学利卒業、r葉大学大学院自然利学研究利博L課程修了(農学博h),専
門は現代中国の経済問題、特に農村経済・食料問題。中国を中心に海外農村訓改歴40年、
主著に『中国経済の構造転換と農業』(日本経済評論吐)、『農民も土も水も悲惨な中国
農業』(朝日新聞出版)、「新型世界食料危機の時代-中国と日本の戦略-』(論創社)
など。

前回のブログ掲載したように検査方法の研究開発はそれほど問題にならないと感が手いる
が、このシステムの検出物質種と量の検出は可能だが、これを是とするおか非とするのか
合意形成には「学際」「国際」上の協力が必要になるとともに、またその前提となる「共生」の認識
の深化が重要になると考えている。        
                                   この項了 

 

   Wikipedia

 

 【三国争乱 春秋炎城】

疲労を癒すためビデオ鑑賞する。今夜で全30話中12話を鑑賞。
ところで、『三国争乱 春秋炎城』(さんごくそうらん しゅんじゅうえんじょう、原題:春
秋淹城、英語題:Spring and Autumn Herind Of Yancheng)は、江蘇衛星テレビにて08年
に放送された中国の歴史ドラマ。全30話。古代中国の春秋時代末期(紀元前496年頃
)、諸国の秩序は乱れ、侵略し利用するために謀略の数々が渦巻いていた。大国「呉」「
越」「楚」に挟まれた小国「淹城」は、平和な生活を送っていたが、各国から狙われてい
た。

越の軍師范蠡は呉からの侵略を防ぐため、その侵略経路となる淹城に間者(工作員)とし
て公孫宇を送り込む。淹の公子・羅敷を助けたことから伯淹の信任を得、大夫(現代で言
う閣僚)の地位を得た公孫宇だが、淹城と伯淹、そして羅敷に惹かれていき、いつしか心
の底から淹城の発展を願うようになっていたが、賀子丹によって間者であることがばれて
しまう。出世のきっかけを手にした賀子丹は、家族を幸せに出きると喜ぶが、姉は出世が
不幸を呼び込むと考えていた。

次々と起こる問題や謀略、仲間内での不信などに振り回され、疲れ果てていた公孫宇は旅
先で老子と、そして力不足を悩んでいた賀子丹は孫子と、そして羅敷と伯淹は孔子と出会
う。淹城を戦国時代でも戦争が無い平和な国にしようと誓う伯淹は、罪を許された公孫宇
や賀子丹らと協力し、理想の国作りに着手するが、各国の悪意ある謀略と侵攻は近づいて
いくというストーリー。

   春秋時代

2500年以上前に作られたと推測される淹城(えんじょう)は、現存しており、中国最古の
城とされる。位置は江蘇省常州市武進区淹成路で、おおよそ上海の西160km、南京-上海
のほぼ中間に位置する。1935年に考古学的調査が行われ、それ以降20を超える青銅器、多
数の陶器、4つの丸木舟(独木舟)が出土している。88年には文化的遺産となり、03
年より世界遺産登録を目指していることが、本作の最後で紹介されている。作中に出てく
る「三輪青銅盤」は677年に発掘され、金文から周平王元年とあるため、紀元前770
年の鋳造と予想される。古代であるため文献等が不足しており、城主名ははっきりしてい
ないが、史実と発掘物を照らし合わせた上での脚本となっている。 

予想していたより面白い作品だ。全話を通してみないと感想はかけないが、動機は明確で
『中国思想』シリーズの焚書が目的である。現在の所、第5巻『墨子』を処理中ではある
が次巻は第2巻の『戦国策』においているためにビデオ鑑賞している。

これで少しは癒しになったかな?そして「フォースの覚醒」が成就できる?甚だ疑問だ?

   

   主演  舒畅

 

  


法然力の覚醒

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    彼は、太陽は自分かつくるときを聞くために昇ったのだと思っている鶏のような人だ。

                イギリスの女流作家、ジョージ・エリオット『アダム・ヒード』

 

                                                                                      

  

        He was like a cock who thought the sun has risen to hear jim crow.

                                                                                               George Eliot : Adam Bede

 

 

 

【まるっぽ豆腐革命】

参集の土曜日に「アグリの郷栗東」につれていけというので、午前10時から車で目的地の「道
の駅」に行き、ゴボウの太巻き寿司やまるっぽ豆腐、小アユの佃煮など買って、水が浜「シャーレ
」に立ち寄りミルクティーを頂き――大阪の八尾からスバルのオールドファッションカーでやって
きた同年配の方、通常は天候がよければ綾羽からライトプレーンでやってくる常連の話を聞かせて
いただきの帰ってきたのだが、話題は「全粒大豆の豆腐」で試食。全然問題なし、後はレシピ開発
や加工種の開発といったところ。日本もやっとここまできたのかと感心しながら頂いた。

  

豆の主な機能性成分としては、大豆タンパク質、イソフラボン、レシチン、サポニン、大豆油など
がある。そのうち大豆油は、リノール酸やリノレン酸等の多価不飽和脂肪酸を含む一方、コレステ
ロールを含まないため、動物油とは対照的に健康に良い油として評価が定着している。ところがこ
のように健康に良い大豆という評価がなされているにも関わらず、大豆加工食品市場が活性化は、
ドイツをはじめとした欧米から比較して遅れいている?(1)調味料を除く大豆加工食品市場が、
豆腐、油揚、納豆のような伝統的大豆加工食品中心で、新たな分野での利用、定着が進まず、製品
の展開幅が広がらない。(2)一方、乳業分野においては、通常牛乳の他に低脂肪牛乳から生クリ
ーム、バターに至るまで、脂質含量の異なる基本素材がラインナップしており、幅広い用途への応
用が実現している。大豆加工分野においては結局、乳業分野のように種々の食品に利用可能な基本
素材がこれまで存在しなかったということが、製品の展開幅が広がらない大きな理由の考えられる。

さらに、大豆を原料とする流動性飲料として、古くから豆乳が知られている。豆乳は、水に浸漬し
た大豆をすりつぶし、加熱してろ過することにより一般に製造することができ、飲料や食品原料・
添加剤として幅広く用いられている。この豆乳を濃縮すれば粘度を高くすることができるため、ペ
ーストかペーストに近い状態の食品原料を提供することが可能である。また、豆乳を製造する際の
ろ過の方法を工夫することによって粒度がある程度そろった食品原料を提供することも可能である
が、これらの食品原料を製造する際には副産物としておからが出ることから歩留まりが悪く、おか
らの処理や濃縮工程やろ過工程に伴う製造ラインの煩雑化などにコストがかかるという問題があり、
おからを除いてしまうため、大豆に由来する健康成分をあまねく含む食品原料とすることができな
いという問題もある。このため、全粒大豆を含み、おからを除かずに製造される食品原料の提供が
望まれている。

下図の新機構案4によると、固形分が20重量%以下であって、平均粒度が25μm以下であって、
粘度が50mPa・s以上であることを特徴とする全粒大豆ペースト化することで滑らかでザラザ
ラした粉っぽさが無く、口当たりと保形性が良好な全粒大豆ペーストを提供新規技術が提案され入
れいる。

  JP 2013-252064 A 2013.12.19

※ 特開2015-146764 大豆粉末の製造方法及びその製造方法により製造された大豆粉末、並びにそ
  の大豆粉末を含む大豆加工食品 学校法人関東学院

豆乳製素材5は、含脂大豆1より加熱抽出した豆乳2中に、豆乳2よりも高密度でありかつ脂質を
高濃度に含有した脂質含有凝集物3が分散した状態に調整された液状の豆乳製素材5であり、脂質
含有凝集物3は豆乳2由来の成分である。豆乳製素材5を基礎として、これに含まれる脂質含有凝
集物3が分離されて、クリーム状、固形バター状、ペースト状またはムース状の物として豆乳製二
次素材10が得られ、豆乳製二次素材10により豆乳製加工品20――乳化剤や増粘剤のような品
質改良剤や他の食品油脂を添加せず、半固体状(クリーム状、固形バター、ペースト状またはムー
ス状)の形態で生クリームのようなテクスチャーを有し、脂質含量が比較的高い新たな豆乳製食品
素材及びその製造方法が製造(下図参照)方法が提案されてる。

 

 

● ポストまるっぽ豆腐革命

このようなことを考えていくと、無害な。オーガニック大豆以外の植物性タンパク質や脂質、粟・
薭などの炭水化物のペースト化が可能となり牛食肉偏重食文化を根底的に変えていく近未来図がみ
えてくる。そして、そのトップランナーがクールジャパンであることも間違いないだろうと考えて
いる。

 

 

 

 ● 折々の読書 『法然の編集力』 2  松岡 正剛 著

 

 【目次】

   第一部 法然の選択思想をよむ

    忘れられた仏教者
    六字名号の伴/宗教は「編集」されてきた/法然に吹く風

    専修念仏への道
   父の遺旨/浄土思想との出会い/末法を生きる/法然の読暦法ノ専修念仏の確
   信/山から町へ/乱想の凡夫として

    法然のパサージュ
    兼実の「仰せ/「選択」とは何か/法然のブラウザトプリテラシーとオラリティ

    「選択」の波紋
    南都北嶺の逆襲/浄土でつながる……多重な相互選択/親鸞と空也


   第二部 絵伝と写真が語る法然ドラマ

    法然誕の地ノ突然の夜討ちノ時田の遺言/比叡山入山∠宝ヶ池越しに比叡山
    を望む/18歳での遁世/浄土信仰の象徴/一向念仏則に帰す/吉水での説
    法/念仏宛洋の地/善導との夢中対面/大原問答/大原問答の地/九条兼実
    の帰依ノ朗婉の計画ご弟fの死罪/遊女教化/法然の臨終/法然の眠る場所


   第三部 特別対談 松岡正則×町田宗鳳

    大震災を経て/辺境から生まれる希望/仏教の土着化/日本仏教の系譜/仏
    教とイメージ/法然の引き算/仏教を再読/「悪人」とは誰か/仏教におけ
    る死

 

  宗教は-‘編集’されてきた

  そのきっかけは、私が「編集」という方法の重要さに気がつき、編集方法のすぐ
 れた思想的実践者を古今東西にさがすようになったことにあります。一九八〇年前
 後のことでした。
  一般に「編集」というと、雑誌や映画やテレビなどで川いられるエディティング
 技法をさす用語ですが、私の場へ目はそんなふうに狭めて兄てはいない。もっと「
 編集」の意味と作用を拡張しています。ごくごく簡単にJ‥ってしまえば、いろい
 ろな情報を受けとめる方法のすべてが’編集゛なのです。ですから、日記やブログ
 を書くことも、俳句を詠むことも、シンガーソングライターすることも、会社での
 会議も新商品の開発も、ラグビーの試合や各種のレフェリングも、すべてが「編集」
 であると考えているのです。

  フランスの文化人類学者レヴィ=ストロースは、その研究において「プリコラー
 ジごという概念を用いました。ブリコラージュというのは「修繕する」「取り繕う」
 [直すにといった意味をあらわします。こんなものが重要だなんて誰も気づいてい
 なかったのですが、冲詰変叱や婚姻制度を研究していたレヴィ=ストロースは、先
 行して成立するものが、そのあといかに加にされ、変更され、修繕されていったか
 を見ることが、文化や人類の活動の奥にひそむ先駆的な「構造」を見抜くうえで大
 事であると気がつきました。人類の歴史はブリコラージュされてきた、という見方
 たです。

   私がいう「編集」の重要性も、ブリコラージュの重要性と同じようなところがあ
 ります。
   ただ私は、ブリコラージュの適用範囲を冲話や習慣だけではなく、歴史から現ぴ
 におよぷ情報や知識の全般に拡張したのです。
  たとえば、生命はATCGの塩基配列で成りなつ情報高分子であるわけですが、
 これは生命というしくみが情報編集のしくみであることを暗示しています。神経系
  や消化管や運動器官を分けたのも、体の中と外を行きかう情報をたくみに編集した
  工夫によるものです。歴史だって編集です。人煩が言個と文字をもって文明と文化
 をきずいたということは、「人類の歴史は情報編集の歴史だった」ということなの
 です。このように、多くの出来事は、もとをたどればすべては「情報」であり、そ
 れはなにがしか「編集にされることによって価値づけられてきた、というのが私の
 考えなのです。

  宗教だって同じです。世界のあらゆる宗教は『編集』と無縁に成立することは
 ありません。たとえば古代ペルシアのゾロアスター(ザラスシュトラ)は諸般の神
 々を公‥]と「悪」の系譜で編集しなおして光神アフラ・マズダと闇の神アングラ・
 マイニュとを対比させました。ここには古代宗教に特有の二元的編集術をみてとる
 ことができます。なんでも二分法で分類してしまう是非を問うことはここではおき
 ますが、ユダヤ教などはあきらかにその影響を受けています。

  世界最大の宗教であるキリスト教はどうでしょうか。十字架にかけられたイエス
 は、なにか著作を残していたわけではありません。しかし、その亡骸からキリスト
 教という花が咲いたのは、パウロやペテロをはじめとする伝道者が強烈なエディタ
 ーシップを発揮したことに資するところが大きいのです。とりわけイエスが死んで
 から三日後によみがえったと強調する編集術がみごとでした。キリスト教はユダヤ
 教の一派から生まれた宗教ですが、この[イエスの復活」によって完全に独立をは
 たしたととらえることができます。しかも、ご存じのように「新約聖書」は、マタ
 イ伝やマルコ伝といった福音書、あるいはローマ人やコリント人などの信徒に宛て
 たパウロの「手紙」によって構成されているわけですから、いわばメールやブログ
 を束ねて聖書にしていったようなもので、とても果敢な情報編集を重ねてきた宗教
 といえるでしょ。

  仏教も例外ではありません。ゴータマ・ブッダは八〇歳のときに入滅なさるわけ
 ですが、イエス同様、ブッダ自身が書いた書物はひとつもありませんでした。
  しかし、ブッダの教えは十大弟子のマハーカーシャパ(家居迦葉)やアーナンダ
 (阿難陀)らによってまとめあげられていきます。語り継がれるだけだった「生き
 た言葉」が、しだいに言語すなわちテキストによっていちいち記録され、スートラ
 (経典)になっていくという流れです。その端緒は第一次仏典結集にあるわけです
 が、「結集」とは人々の記憶のなかに散在するブッダの河葉を集めて、そこに舞台
 や起承転結を加えてまとめていく過程なのですから、これは「編集」以外のなにも
 のでもありません。それがおよそ百年おきにおこなわれ、第四次仏典結集まで続け
 られているのです。



  これらの例を鑑みても、経典は例外なく編集されていると見たほうがいいのです
 が、さらに日本仏教の場合は、サンスクリットやパーリ語の経典ではなく、それが
 いったん中国語に漢訳されたものを読んできたという歴史があります。安世高や支
 婁迦臓、さらにはクマーラジーヴァ(鳩摩羅什)といったシルクロードを渡ってき
 た訳経憎が『妙法蓮華経』や『維摩経』や『華厳経』などを中国語に翻訳してきた
 のですし、その後の唐代になって、玄奘や義浄らの手によって大きな仏典はあらか
 た漢訳されてきたのです。日本仏教はそれを読み継いできたわけですから、中国仏
 教と並べて論じないわけにはいきません。しかも中国仏教は、道教や儒教の教義と
 まじりあいながら発展してきたので、経典の漢訳をすすめるにあたっては、当代の
 文化や国家思想にあわせた「意訳」という編集がおこなわれていました。

  ですから、日本の仏教がほかならぬ漢訳仏輿とともに歩んできたことの意味は、
 決して無視できません。その歴史をたどるだけでも一冊の本が書けてしまいますか
 ら、ここで論じることはいたしませんが、い宗教は編集されてきた」という経緯を
 ここに確認しておきたいと思います。さて、いくつかのわかりやすい例をあげてき
 ましたが、宗教を成り立たせている要素もつまるところ「情報」であり、誰かが何
 らかの意図をもって「編集」してきたのです。宗教者や宗教改革者とは、すなわち
 宗教編集者であるということもできるのです。そして、そういった脱点で鎌倉新仏
 教の祖師たちを眺めてみると、これまでとはすこし異なった風景が見えてくるので
 す。

  たとえば、法然と親鸞の関係についてよく聞く話のひとつに、「法然が準備した
 ものを弟子の親鸞が完成させた」というものがあります。具体的な例をあげるとな
 ると、「悪大正機説」がそれにあたるでしょうか。阿弥陀仏は悪人の教済こそを本
 願とするという教えは、法然が先行して説いていたのですが、一般的には、親鸞の
 説として流布されています。

  もちろん私には、ひとつの思想の萌芽を敷街して完成させた親鸞の偉業を軽んず
 る意図はまったくありません。私はかつてもいまも親鸞にめろめろです。とはいえ、
 その基本のシナリオと約束事を用意した法然の革新性を決して見過ごしてはいけな
 いと思うのです。
  では、なぜ法然は革新的な信仰方法に気がつけたのか。詳しいことはあとで説明
 いたしますが、まずもって法然の生きた時代が亀裂を生じやすいところにきていた
 ということが言えます。
  第一には、平安後期の仏教が比叡山を中心に制度化されて、そろそろ制度疲労が
 おこっていた。第二には、「末法の世」が到来するとされていた。第三には「武者
 の世」が近づいていた。これらの動向が重なって亀裂が生じやすくなっていたので
 す。そのようなとき、法然が仏教の編集可能性に気がついたのです。法然登場の意
 義はここにあるのです。

  日本仏教の主流が京都の王朝仏教に切り替わるにつれて、しだいに比叡山を中心
 にした守旧派のパフォーマンスやコンプライアンスが重視されるようになっていき
 ました。律令国家として制度化された仏教をいかに確立するか。それが平安仏教に
 とっての切実な課題だったのです。それをなしとげたのが最澄、円仁、円珍、安然.、
 良源と続いた天台宗(台密)で、みごとな思想と制度の組み合わせに成功するので
 すが、そのあと円傍系が園城寺(ニ井か)派になって、山門(延暦寺派)と対立す
 るなど、いろいろ硬直化もします。天台思想はとても興味深いものなのですが、し
 かし当時の叡山は宗教的パワーポリティクスと無縁でいられなかったのです。

  というのも、平安後期になると、さすがの藤原氏による社会文化にも綻びが目立
 ってきます。そこへもってきて末法の世になった。仏教史観では、ブツダの教えが
 力を発揮する「正法」の世から、しだいに悟りが得にくくなっていく「像法」の世
 をへて、ついには仏教の心が乱される,末法にの世になると予想されているのです
 が、その末法の世に入った。

  計算法がいろいろあるのでアジア共通の末法入りの年代は決定できませんが、日
 本では1052年の永承七年に末法の世が始まったとされて、その噂が広まります。
 これは慌てます。おまけに叡山のセンター機能にもヒピが入っています。このよう
 な事態のなか、旧来の仏教をどうやって転換するのか。事態がだんだん深刻になる
 なか、そこに法然が登場してくるのです。

  法然が前半生で「武者の世」の痛哭の洗礼を受けたことや、叡山に入ってどんな
 学習に徹したかということは、のちにお話しするとして、法然が最終的に決断した
 ことが何だったかというと、経典から決定的な編集中枢を抜き出すことと、どんな
 凡夫にもこれからの世の信仰に向かえる方法を伝えようということでした。これを
 時代的に大きくいえば、いかにして「悟りの仏教」から「救いの仏教」へと切り替
 えるかということです。このことを突き詰めて、仏教を「編集」しなおして、断固
 として専修念仏を「選択」したのが法然だったのです。

  ちなみに弟子の親鸞は、法然の「編集」に同調するようにして、よりピュアな言
 説で説得力を増すことができました。法然と師弟関係にはありませんが、栄西、道
 元、日蓮たちも同様です。先行して日本仏教の「編集」を試みた人物がいたからこ
 そ、後続に思想のうねりがおきたと見るべきなのです。


                               この項つづく


【再エネ百パーセント時代:片貝別又発電所水力発電稼働】

北陸電力が新設の水力発電所としては規模の大きい「片貝別又(かたかいべつまた)発電所」を富
山県の魚津市に完成させた(上図)。魚津市内を流れる片貝川の上流と下流を水路でつなぎ、3百
メートルの落差を生かして発電する。発電能力は最大で4400kWだが、まず12月11日から3千キロワ
ット以下の出力で営業運転に入った。北陸電力は20年度までに水力による発電量を07年度と比
べて1億kWh拡大する計画を推進中だ。出力が3万キロワット未満の中小規模の水力発電所を新設す
るほか、老朽化した水力発電所の設備を更新して出力を増強しながら発電量を増やしていく。

 

  

 

 

ナノサイズ電子工学 Ⅰ

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    歴史は王侯のご落胤の名前は記録するくせに、小麦の起原については語ることができない。

                         『昆虫記』の篆者 ジャソ・アンリ・ファーブル

                               
     History records the names of royal bastards,
                  but cannot tell us thc origin of wheat.

                                               Jean Henri Fabre
                                                December 22, 1823 – October 11, 1915 

    ※ royalは「王侯の」。bastardは「庶子」「正式の妃の腹から生まれたの
      でない子」。お家争い、王位継承に絡んでしばしば紛争の種になってき
      たことは人の知るところ。しかし、そんな連中は場合によっては、どう
      でもいい。ところが、それにくらべてパンの材料の小麦の起原などは、
      ずっとだいじではないか、と、自然観察の名人はいう。

                                                                                        

    

【中国の思想: 墨子Ⅴ】
 
  公輸――墨子と戦争技術者※
  尚賢――人の能力を正当に評価せよ
 兼愛――ひとを差別するな※
  非攻――非戦論※
 節葬――葬儀を簡略にせよ
 非楽――音楽の害悪
 非命――宿命論に反対する
 非儒――儒家批判
 親士――人材尊重
 所染――何に染まるか
 七患――君子の誤り七つ
 耕柱――弟子たちとの対話
 貴義――義を貴しとなす
 公孟――儒者との対話
 魯問――迷妄を解く  

  ※ シリーズとして掲載(途中も含め)した「編章節」はピンク色にしている。

   非儒 - 『墨子』   

  ● 陰謀に荷担した孔子 

 道も、学問も、仁義も、目的はひとつである。いずれも大は天下を治め、小は官吏となって政務に
つき、遠くはあまねく徳をほどこし、近くはわが身を修めるためのものである。義に反することは遠
ざけ、理にはずれたことは行なわず、天下の利を興すためには陰に陽に努力を借しまず、天下に不利
をもたらすことはいっさい行なわない。これが対子の道である。伝えられる孔子の行跡は、まったく
この君子道に反している。

 斉の景公が晏子に孔子の人柄をどう思うか、たずねたところ、晏子は返事をしなかった。
 景公はくりかえしたずねたが、やはり返事はなかった。
「孔子についてわたしに罰るものはたくさんいる。みな目をそろえて賢人であるという。ところが、
 あなたは、わたしがたずねてもこたえない。なぜか」

 景公がこういうと、晏子は、

「わたしのようなものは、賢人にはほど遠い存在です。しかし、ともかく賢人とは、招かれた国で君
主と臣下の聞を親密にし、上下の対立をなくすよう努力するものでなければなりません。
ところが、孔子は楚に招かれて行きながら、白公の陰謀を知って止めようとせず、かえって石乞を派
迫してこの陰謀に荷担させました。さいわい、君主は危ういところを助かって白公は殺されましたが。
 また、賢人とは、君主の期待にこたえるものです。君主が賢人の意見をききいれれば、かならず人  
民にとって利益になり、臣下が賢人の教えにしたがえば、かならず君主にとって利益になります。賢
子 人はわかりやすい言葉をつかい、はっきりと行動してみせます。そこで、人民は賢人の行動を模
範とし、君主、匝下は賢人の考えを理解することができるのです。

 孔子はどうでしょう。謀略をめぐらして謀叛人の片棒をかつぎ、悪知恵をはたらかせて不正を行な
い、人民を扇勤し君主をたぶらかし、あげくのはてに臣下をそそのかして君主を殺させようとしたの
です。これは賢人たるものの行ないではありません。
 招かれた国で君主の知遇を得ながら、謀叛人の肩をもつ、これはとうてい義ではありません。臣下
の不忠を知りながら止めるどころか、そそのかして謀叛を起こさせる、これは仁義ではありません。
 また、孔子は、いつも人目を避けています。これでは人民が模範にしようとしてもできるわけがあ
りません。君主、臣下が考えを知ろうとしても、わかるわけがありません。孔子のどこがあの陰謀家
の白公とちがっているのでしょうか。口にするのもけがらわしい奴です」

 これをきいて、景公は、

「ああ、あなたは実に多くのことを教えてくれた。あなたがいなかったならば、わたしは孔子と白公
とが同じ穴のムジナであることに、一生気づかずに終わったろう」
 といったという。

 

 

※ 晏子:名は嬰、字は平仲。斉の雷公、荘公、景公につかえた宰相。節倹力行の士として重んぜら
     れた。こういうエビソードがある。

   ある日、晏子が外出したさい、その御者の妻が門の隙間から夫のようすをみていた。夫は宰相
  の御者であることを鼻にかけて得意気にふるまっていた。それをみて妻は、
  「晏子は身のだけ六尺にもたらぬ方なのに、その身は斉の宰相となり、その名は諸侯のあいだに
  知られていますが、それでも思慮深く、いつもひとにへりくだっています。一方あなたは身のだ
  け八尺もあるのに、ひとの御者となり、しかもそれに両足しているとは、なんと情ないひとでし
  よう。」
   といって夫に暇をくれるようにいった。夫はこれを恥して身を慎しひようになり、のちに晏子
  はかれを大夫に推挙した(『史記』管晏列伝)。



※ 白公の陰謀:白公の叛乱は、魯の哀公十六年(前四七八年)七月に起きており、孔子は、同年四
  月に没したとされているので、もし事実ならば、この話はつじつまが合わない。『左伝』によれ
  ば、白公は、七月に兵を挙げ、令尹子西と司馬子期とを殺し、同時に楚の恵正をつかまえた。
  石乞は、白公に楚王を殺すようにすすめたが、白公はきかず、その結果、恵正に逃げられ、つい
  に一敗地にまみれて、「山に奔ってくびくくった」。石乞は白公の死後いけどりにされ、白公の
  死に場所をいわなかったために、カマゆでの刑にあったといわれる。白公その人について令尹子
  西は、「信にして勇を好み、不利とならず」とほめ、葉公でさえ、「言を齢ひを好みて勇士を求 
  む、ほとんど私あるか」と述べている。郭沫若はこの点をとらえて、白公を、当時の民意を代表
  した新興勢力とみなし、高く評価している。

※ https://zh.wikipedia.org/wiki/%E7%99%BD%E5%85%AC%E4%B9%8B%E4%BA%82

   

   夫一道術學業仁義也,皆大以治人,小以任官,遠施周偏,近以脩身,不義不處,非理不行,務興
  天下之利,曲直周旋,利則止,此君子之道也。以所聞孔某之行,則本與此相反謬也。
  齊景公問晏子曰:「孔子為人何如?」晏子不對。公又復問,不對。景公曰。以孔某語寡人者衆矣,
  倶以賢人也。今寡人問之,而子不對,何也。晏子對曰。嬰不肖,不足以知賢人。雖然,嬰聞所謂
  賢人者,入人之國,必務合其君臣之親,而弭其上下之怨。孔某之荊,知白公之謀,而奉之以石乞,
  君身幾滅,而白公僇。嬰聞賢人得上不虛,得下不危,言聽於君必利人,教行下必於上,是以言明
  而易知也,行明而易從也。行義可明乎民,謀慮可通乎君臣。今孔某深慮同謀以奉賊,勞思盡知以
  行邪,勸下亂上,教臣殺君,非賢人之行也。入人之國,而與人之賊,非義之類也。知人不忠,趣
  之為亂,非仁義之也。逃人而後謀,避人而後言,行義不可明於民,謀慮不可通於君臣,嬰不知孔
  某之有異於白公也,是以不對。景公曰。嗚乎!貺寡人者衆矣,非夫子,則吾終身不知孔某之與白
  公同也。

 

 

 【ナノサイズ電子工学Ⅰ】

● 最新高変換効率ソーラー技術

次世代の太陽電池として期待されているペロブスカイト太陽電池の性能を大きく向上させ
る技術を、京都大化学研究所の若宮淳志准教授らのグループが開発した。正電荷を効率よ
く取り出せる新材料を作製することで、光を電力に変換する効率を従来より2割高めた。
同電池を実用化に近づける成果で、米化学会誌で12日に発表。

それによると、ペロブスカイト太陽電池は、立方体の中に八面体が入るような形をした結
晶構造(ペロブスカイト)の半導体が光を吸収し、電荷を生み出す。ペロブスカイト半導
体の層を、正電荷を取り出す層(p型バッファ層)と、負電荷を取り出す層(n型バッフ
ァ層)で挟み込み、電池として機能させている。フィルム型のために印刷技術によって低
コストで作製できるが、p型バッファ層が正電荷を運ぶ効率に課題があった。研究グルー
プは、水平方向に骨格が伸び、板状の形をした有機半導体の新材料を新たに開発した。こ
の材料は積み重ねた際、鉛直方向に正電荷を運びやすい性質があり、p型バッファ層に用
いることで光電変換効率を従来材料による電池の13・6%から16・5%まで高めるこ
とができ、現在主流のシリコン太陽電池は変換効率が20%を超えているが製造コストが
高いことが課題になっているが、若宮准教授は「今回開発した新材料は、従来の材料に比
べ価格が5分の1で済み、製造コストも削減できる。同様の技術をn型バッファ層にも適
用し、さらなる変換効率の向上につなげたい」と話す。



そこで、研究に関する新規技術を調べ、1つは、吸収波長範囲の広い色素の開発(特開20
15-172131|ポリマー、光吸収材料、光電変換材料、電荷輸送材料、有機太陽電池用材料お
よび化合物 )と2つめは、ハロゲン化鉛ととアルキルアンモニウムハライドの水分含有量
を千ppm(ミリグラム/立方メートル)以下にすること――電子と正孔のトラップ(滞留)
防止――で(特開2015-138822| 高効率ペロブスカイト型太陽電池の製造方法)などの改
良により実現させと推測。

 今月(22日現在)で国内公開された「最新高変換効率ソーラー」の新規技術はこのほか以下4つ
に注目。

1.特開2015-228413 高変換効率太陽電池およびその調製方法 国立大学法人神戸大学
2.特開2015-226064 ナノ構造材料の方法および素子 ザ・ボード・オブ・トラスティー
  ズ・オブ・ザ・ユニバーシティ・オブ・イリノイ 他
3.特開2015-226062 ゼロ次元電子デバイス及びその製造方法 張 宇辰
4.特開量子ドットアレイの製造装置及び製造方法 富士通株式会社

このうち、4つめの富士通の「量子ドットアレイの製造装置及び製造方法」は原理的な理
解にはうってつけではないかと思えたのでその概要を掲載する(下図)。

量子ドットアレイを含む太陽光発電装置の変換効率は理論的には60%以上にまで高められると
され、太陽光発電装置の実用化の期待が高まっている。量子ドットに吸収される光の波長は量子
ドットの直径に依存する。このため、直径が異なる複数の量子ドットを含ませることにより種々
の波長の光を電力に変換することができるが、所望の直径の量子ドットを所望の間隔で安定して
形成することはが難しく、量子ドットアレイの特性が安定しないため、、以下6の特徴をもつ新
規技術を提案する。

1.数の量子ドットが配列した量子ドット層を含む量子ドットアレイを製造する装置て、
 シリコン化合 物膜に熱処理を施した場合に当該シリコン化合物膜から得られる、直径
 がシリコン化合物膜の厚さと等しい複数の量子ドットの間隔と熱処理の条件を反映する
 パラメータと、シリコン化合物膜の組成と、の関係を示す関係式を記憶した記憶手段と
 量子ドット層内での量子ドットの直径と間隔取得手段と、関係式に基づき、取得手段で
 た直径と間隔からシリコン化合物膜の組成及び熱処理の条件を計算する計算手段で実現
 するシリコン化合物膜を、プラズマ化 学気相成長装置と、形成されたシリコン化合物
 膜の熱処理を行う熱処理装置をもつ量子ドットアレイの製造装置である。
2.この関係式は、直径をパラメータと組成で表した第1の関係式と、間隔を、パラメー
 タと組成で表した第2の関係式と、を含むことを特徴とする。
3.手得手段は、複数の量子ドット層内での量子ドットの直径及び間隔を取得し計算手段
 は、各量子ドット層に共通の熱処理の条件、量子ドット層毎のシリコン化合物膜組成を
 計算することを特徴とする。
4.複数の量子ドットが配列した量子ドット層を含む量子ドットアレイの製造法であって、
  シリコン化合物膜に熱処理を施した場合にシリコン化合物膜から得られる、直径がシリ
 コン化合物膜の厚さと等しい複数の量子ドットの間隔と、熱処理の条件を反映するパラ
 メータと、シリコン化合物膜の組成と、の関係を示す関係式に基づき、形成する量子ド
 ット層内での量子ドットの直径と間隔からシリコン化合物膜の組成及び熱処理の条件
 を計算する工程と、このシリコン化合物膜を、プラズマ化学気相成長装置を用い直径と
 等しい厚さで形成する工程と、熱処理の条件で、プラズマ化学気相成長装置で形成した
 シリコン化合物膜の熱処理を行う工程とで構成されることを特徴とする。
5.この関係式は記直径を、パラメータと組成で表した第1の関係式と、間隔をパラメー
 タと組成で表した第2の関係式とを含むことを特徴とする。
6.量子ドットアレイは複数の量子ドット層を有し、シリコン化合物膜の組成と熱処理の
 条件を計算する工程は、各量子ドット層に共通の熱処理の条件と量子ドット層毎のシリ
 コン化合物膜の組成を計算する工程をでこうせされていることを特徴とする。

 

 【太陽光と蓄電池、直流給電でオフィスの電力需要を自活】

日本テレネット(京都市)は、村田製作所、CONNEXX SYSTEMS(コネックスシステムズ、
京都市)と共同で、太陽光発電と蓄電池、直流給電システムを導入した「自活型スマート
オフィス」システムの実証実験を開始したと発表。日本テレネット子会社のエコリンクス
(京都府木津川市)のコールセンターなど、実際に実務をおこなう事務所を使って実証実
験を行う。 

具体的には、15年12月7日から、太陽光発電システムと直流給電インフラを結合した
試験運用を始める。具体的には、出力12キロワットの追尾式太陽光発電システムとパワ
ーコンディショナー(PCS)を接続し、実験オフィスに直流給電する。16年1月から、
鉛蓄電とLiイオン蓄電池のハイブリッド蓄電池システムを接続し、夜間や曇り、雨天時の
需要を賄う。

16年2月から6月の間に、LED照明、空調のほか、コピー機器などのOA機器を直流対応
の機器に順次、置き換える。そして、16年4月以降、トータルシステムによる効果、例
えば、追尾式太陽光発電システムによる発電量向上効果や、直流給電による省エネ効果な
どを検証する。日本テレネットがサーバーシステム、CONNEXX SYSTEMSが蓄電池システム。
村田製作所が直流給電システムを担当す。追尾式システムの導入により、太陽光の発電量
を30%増加させることを目指す。また、直流給電システムと直流対応の省エネ機器を導入
し、トータルに管理する効果で消費電力を50%削減することを目標にする。

 

 

 

バロウバッグで仮想登山

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   あなたといっしょに歩くとき、 胸のボタン穴に花―さしているような気分です。

                   ウィリアム・メイクピース・サッカレー 『虚栄の市』

 

      When I walk with you I feel as if I had a flower in my button hole.

                                                                                      William Makepeace Thackeray
                                                                                    18 July 1811 – 24 December 1863 

                                                                                                                         

 

 

 

【省エネ実践記: バロウバッグを試してみる】 

『最新ロギング工学』(2015.09.29)で掲載していたように、スリーピングバッグを竜王のアウト
レットはモンベルでいわいる寝袋(バロウバック)を購入――だいぶんさきになるが、ビバーク:
登山野営の訓練も兼ねて、勿論ダウン仕様を使うので今回のものより数倍高架になるが――書斎の
ソファーでいつもなら毛布を被り暖房も入れて睡眠しているのを、暖房せず一晩テストする。する
と、最初着込んでいたパジャマは不要で下着だけで十分保温されることを確認した。メーカーのう
たい文句――メンテナンスが容易で、優れた快適性を実現。保温性と速乾性を併せ持ったモデル。
国内の3,000m級の冬山で使用できる保温性の高いモデルということっだ。仕様は、【素材】表地:
40デニール・スーパーマルチ・ナイロン・タフタ[超耐久撥水加工]、【重量】2,040g(2,179g)
【カラー】サンライズレッド(SURD)【サイズ】R/ZIP / L/ZIP ※R/ZIP:右ジッパー、L/ZIP【収納
サイズ】φ22.8×45cm(14.9L)【コンフォート温度】-7℃【リミット温度】-14℃【適応身長】~
183cm――従って、従来より熟睡でき、途中目を覚ますこともなく、ぐっすりと睡眠がとれるが、そ
の分、朝方になると夢を見ている時間が長いように思える?それと、眼精脳疲労がきつかった分目
をさまし、洗面・歯磨き後もしばらく眠気がとれずにいた。ともあれ、仕事や作業効率も上がるも
のと期待できる。これは愉快だ。

  

 

 ※  特許4913114  寝袋 株式会社モンベル

この構成を備えた寝袋は、布帛の織目の方向が、布帛片の経方向に対し斜めの方向(バイヤス方向
)となるよう裁断。伸縮可能な糸により縫製されているため、縦方向(身長方向)及び横方向(横
幅方向)に伸縮させることができる。したがって、寝袋を着用した際に、使用者の身体に密着させ
ることができ、内部の暖かさを向上するこ び易い構造であるため、動きやすい。さらに、見かけ上
の縦方向及び横方向の長さが、使用者の身長や幅よりも多少短い寝袋であっても、着用した際に身
長方向及び横方向に伸びるため、着用者の体型にフィットさせることができ、好適に着用すること
ができ、同時に、寝袋の重量や嵩の増加を必要最低限に抑えることができる。また、この構成を備
えた寝袋は、使用者が着用した際に、縦方向及び横方向に伸また、本発明にかかる寝袋は、布帛片
が、表側となる表布帛片と、裏側となる裏布帛片を含み、表布帛片と裏布帛片との間に、表面に毛
細繊維を有する毛細繊維体――例えば、羽毛、わた、薄いスポンジ類等――を介在させた構成とす
ることができるなどの5つの技術特徴をもち構成し機能性を発揮する。

 

 

【血栓をレーザー光で溶解する技術】

また1つ医療分野でで画期的な医療法が開発されようとしている。浜松ホトニクスは、脳梗塞など
の原因となる血栓をレーザー光で溶解する技術「レーザー血栓溶解治療システム」を開発した。従
来の薬剤などを使う方法と比べ、出血などの副作用リスクが低い。浜松医科大学などと共同で早け
れば来春にも治験を開始し、5年後の実用化を目指す。レーザーによる血栓溶解技術が実用化されれ
ば世界初という。同システムは光ファイバーが入ったカテーテルを患者の大腿部の血管から挿入。体内を経
由して目的の血栓まで移動し、レーザー光を照射する。レーザー光は血栓だけを選択的に溶解できる波長
532ナノメートル(ナノは10億分の1)。短時間照射を断続的に繰り返して血栓を細かく切削する。この波長
は血管壁には吸収されにくいため「血管を傷つけるリスクがほとんどない。カミオカンデといいトップランナー
ですね。

上図は ワイヤーを通すための孔を有する樹脂製の細管と、細管の先端部に取り付けられたマーカと、
細管内に埋め込まれ、前記マーカとの位置関係が固定された光ファイバと、光ファイバと細管との間
に介在する弾性材料である樹脂材料とを備えるカテーテルと、カテーテルの光ファイバに入力する
光を出射する光源とを備え、光源はレーザ光源であって、レーザ光の中心波長λ、パルス幅T、繰
り返し周波数fは:520nm≦λ≦590nm1μsec≦T≦100μsec、1Hz≦f≦
10Hzのように、設定されることを技術特徴をもつ血栓溶解装置である。

 
上図の血栓除去装置は、血管内の血栓に光を照射し該血栓を除去する装置。(1) 波長λの光を出力
する光源と、(2) 光源から出力された光を第1端に入力して導光し、その光を第2端から出力する
光ファイバと、(3) 光ファイバを内部に収納するカテーテルと、(4) カテーテルの先端部において
カテーテルの内部空間を封止し、光ファイバの第2端のコア端面に対して離間して設け、光ファイ
バの第2端から出力された光を第1面から第2面へ透過させて該光を外部へ出力する窓部材と、(5)
光源から出力された光が光ファイバおよび窓部材を経て外部へ出力されるまでの光路の何れかの箇
所で生じた反射光の強度を検出する光検出器とを備える。

また、光ファイバの第2端の端面に波長λの光の反射を低減する反射低減膜が形成され、窓部材の
第2面に血液が接しているときに波長λの光の反射を低減する反射低減膜が形成されて、窓部材の
第2面に血液が接しているときに窓部材の第1面および第2面それぞれで反射されて光検出器によ
り検出される反射光の強度をI1とし、窓部材の第2面に気体が接しているときに窓部材の第1面
と、第2面それぞれで反射されて光検出器により検出される反射光の強度をI2とし、光ファイバ
が破断した場合に、破断面で反射されて光検出器により検出される反射光の強度をI3としたとき
に、これらの強度I1~I3が互いに異なるように、窓部材の第1面における波長λでの反射率と
窓部材の第2面に気体が接しているときの窓部材の第2面における波長λでの反射率が設定されて
いる。

さらに、光ファイバの第2端においてコア端面が周縁部に対して窪んでおり、周縁部が窓部材の第1
面に接し、光ファイバのコア端面と窓部材の第1面とが互いに離間しているのが好適で、窓部材の
第1面において光ファイバのコア端面に対向する領域が周縁部に対して窪んでおり、光ファイバの
第2端の端面が窓部材の周縁部に当接しており、光ファイバのコア端面と窓部材の第1面とが互い
に離間しているのも好適で、光ファイバの第2端のクラッド端面と窓部材の第1面との間に環状部
材が設けられて、光ファイバのコア端面と窓部材の第1面とが互いに離間しているのも好適である。
また、光ファイバのコア端面と窓部材の第1面との間に透明部材が挿入されているのも好適という
3つの技術特徴をもち――光ファイバの出射端面から出力された光が血液に照射されると気泡が発
生し、その気泡により血栓が破壊される。血液および気泡それぞれの屈折率は互いに異なるので、
光ファイバの出射端面に気泡が接しているとき、光ファイバの出射端面に形成された反射低減膜ま
たは反射増加膜は設計どおりの反射特性を有しなくなる。光ファイバの破断の有無だけでなく、光
ファイバの出射端面に接する媒質が血液および気泡の何れであるかによっても、反射光の強度が変
化する。このことから、光ファイバの破断の検知を高精度に行うことができない――という問題を
解決し、光ファイバの破断を高精度に検知することができる。

※ 特許4409499  血栓溶解装置 国立大学法人浜松医科大学 他
   特開2014-004219  血栓除去装置 浜松ホトニクス株式会社

 

 

  

 

【ジャジーな風に吹かれてⅥ: ロードスターで太陽を追って】

 

 

 

 

この局は64年12月4日に発売された4枚目のイギリス盤公式オリジナル・アルバム『ビートル
ズ・フォー・セール(ビートルズ '65)』のA面5曲目に収録。レノン=マッカートニーの作。
演奏しているチェット・アトキンス(Chester Burton Atkins、1924年6月20日-2001年6月30日)は、
アメリカのギタリスト。基本的にはカントリー・ミュージシャンだが、ジャズやブルースからの影
響も吸収、また、後のロック・ギタリスト(ジョージ・ハリスン、スティーヴ・ハウ等)にも大き
な影響を与える。詩の印象といえば、自由に羽ばたきたいという自覚が表現されている。そうとら
えれば、歌詞は正鵠を射る。「もしかして明日は雨降りかもしれないが、それでも晴れることを信
じ、一人でロードスターを走らせるよ」という風な気分を誘う。

 

   One day you'll look to see I've gone
   For tomorrow may rain, so I'll follow the sun
   Some day you'll know I was the one
   But tomorrow may rain, so I'll follow the sun

   And now the time has come
   And so my love I must go
   And though I lose a friend
   In the end you will know, oooh

  

 

米国で太陽はまた昇る

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     入相の鐘は去りゆく日を悼んで鳴る。    トマス・グレイ 『墓畔悲歌』

                

           The curfew tolls the knell of parting day.            Thomass Gray 

                                                  

● 北海道に18万枚のシャープ製パネル「苫東の森太陽光発電所」

 

【百%水素で発電するガスタービンの実現か】

“水素専焼”ガスタービンの実現には、まだ複数の課題が残る。その1つである燃焼
時における窒素酸化物(NOx)の発生量を抑える燃焼技術を川崎重工が開発した。百
%の水素を燃料とした水素専焼ガスタービンについて、従来不可欠であった水や蒸気
を用いずに低NOx燃焼が可能な水素専焼ドライ・ロー・エミッション(DLE※) 燃焼技術を
開発し、ドイツで実施した燃焼試験において低NOx性能を確認。

ガスタービンでの水素燃焼は、水素の燃焼速度が速いことから燃焼が不安定になりや
すく加え火炎温度が高くなることから、NOxの発生量が天然ガス燃焼時の2倍近く
になることが課題であった。これらの課題を解決するため、微小な水素火炎を用いる
ことで逆火等の不安定燃焼を抑制し、かつ低NOx燃焼を可能とするDLE燃焼の基
礎研究を実施してきた。さらに昨年度からは、内閣府の総合科学技術・イノベーショ
ン会議による戦略的イノベーション創造プログラムの1つである「エネルギーキャリ
ア」を所掌する国立研究開発法人科学技術振興機構から委託を受け、この微小な水素
火炎を用いたガスタービン燃焼器の開発に取り組んでいる。



このたび、アーヘン工科大学(ドイツ・アーヘン市)の高温/高圧燃焼試験設備にて
水素燃焼試験(水素100%)を行い、NOx発生量が大気汚染防止法のNOx規制
値84ppm(O2=15%換算)を大きく下回る40ppm以下になることを確認。
今後、研究開発を進め、17年を目標として燃焼器の完成を目指すとともに、ガスタービンに
搭載しての技術確立にも取り組む。将来の水素エネルギーの普及を見据え、水素のサプラ
イチェーンの要所を担う様々な製品開発に取り組んでいるが、なかでも水素ガスタービンは、
将来の社会において、水素を燃料とする環境に優しいエネルギー供給システムを構築する
ための重要な製品と位置付けてきた。 

 

 

 

 

 ● 折々の読書 『法然の編集力』 3  松岡 正剛 著 

 【目次】

   第一部 法然の選択思想をよむ

    忘れられた仏教者
    六字名号の伴/宗教は「編集」されてきた/法然に吹く風

    専修念仏への道
   父の遺旨/浄土思想との出会い/末法を生きる/法然の読暦法ノ専修念仏の確
   信/山から町へ/乱想の凡夫として

    法然のパサージュ
    兼実の「仰せ/「選択」とは何か/法然のブラウザトプリテラシーとオラリティ

    「選択」の波紋
    南都北嶺の逆襲/浄土でつながる……多重な相互選択/親鸞と空也


   第二部 絵伝と写真が語る法然ドラマ

    法然誕の地ノ突然の夜討ちノ時田の遺言/比叡山入山∠宝ヶ池越しに比叡山
    を望む/18歳での遁世/浄土信仰の象徴/一向念仏則に帰す/吉水での説
    法/念仏宛洋の地/善導との夢中対面/大原問答/大原問答の地/九条兼実
    の帰依ノ朗婉の計画ご弟fの死罪/遊女教化/法然の臨終/法然の眠る場所


   第三部 特別対談 松岡正則×町田宗鳳

    大震災を経て/辺境から生まれる希望/仏教の土着化/日本仏教の系譜/仏
    教とイメージ/法然の引き算/仏教を再読/「悪人」とは誰か/仏教におけ
    る死



  忘れられた仏教者
                                     法然に吹く風
 
  法然というと、漠然としたイメージでおとなしい人物として語られることが多い
 ように思います。しかし、たったひとりの「編集」で日本仏教の流れを大転換させ
 てしまうような人物ですから、かなりのラディカル・ウィルを持ち合わせた人物だ
 ったはずです。
  明治近代以降、神仏分離令を受けた仏教分離令では、この苫難を超える仏教者の
 探究が始まりました。歴史上の仏教者に注目が集まったのです。空海や最澄が再発
 見され、親鸞や道元や日蓮にも光があてられました。しかし、法然の革新性を論じ
 る仏教者や思想家の登場には、しばらく時間を要することになります。

  むろんのこと、浄土宗の各宗派やその周辺では、宗祖たる法然は長く熱く詰られ
 てきましたし、生身の親鸞をはじめて小説として描いた『出家とその弟子』で知ら
 れる倉田百三などは、早くに「法然と親鸞の信仰」を書いています。けれども昭和
 の戦前戦後を通じても、法然思想はなかなか浮上してこなかったのです。例外はあ
 ります。田村圓澄さんや大橋俊雄さんなど、すぐれた研究者もいらっしやいました。
 とくに大橋俊雄は一貫して法然を研究し、日本の浄土思想と念仏思想をほぼ独力で
 渉猟(しょうりょう)しています。

  しかし、だからといって、法然が日本仏教史や日本思想史の中央ステージに躍り
 出ることは、なかなか見られなかったのです。やはり、どうにも親鸞に引っぱられ
 ていってしまうのです。
  ところが、近年はやっと風向きが変わってきたようです。私の感じた印象でいえ
 ば、一九八九年に宗教学者の阿満利麿さんが『法然の衝撃――日本仏教のラディカ
 ル』(人丈書院)を発表したあたりからのことでしょうか。阿満さんは、日本では
 じめて「宗教的価値の絶対化」をはたした点に法然の革命性を見るのですが、この
 本でとくに強調されているのは、法然の本願念仏とは「死者の冥福」を祈るための
 ものではなく、「死」の本質を見据えた「普遍宗教がもつ救済原理」を根本的に提
 唱するものである、という卓見でした。

  さらに10年ほどたつと、新しい風が法然に向かっていることがはっきりとして
 きます。一部の思想界で、法然こそが革命的な宗教者であり、真のアヴアンギャル
 ドであったと評価されるようになってきたのです。とくにプリンストン大学で日本
 仏教を教えていた仏教界のアウトサイダー、町田宗鳳さんによる法然諭はかなり新
 鮮でした。日本仏教は、法然の登場をもってはじめて、現世的な「生の宗教」から
 本格的な「死の宗教」に向かって革命的転換をはかったという議論が展開されたの
 です。

  さらにこの時期になると、町田さんの登場とほぼ時を同じくして東京堂出版の『
 法然辞典』なども刊行され、日本思想大系に収録されていた大橋俊雄校注の『選択
 本願念仏集』も入手しやすい岩波文庫に入りました。近年では、「太陽」の別冊や
 「図解雑学」のような入門シリーズでも法然をテーマにした本が出版されてきた。
 こうして見てくると、法然戦線が出揃ってきたのはつい最近だったというべきです。

  それにしても、です。なぜ鎌倉新仏教をりードした法然という偉大な仏教者の再
 発見に、これはどの月日を要したのでしょうか。それはやはり「念仏とは何か」「
 なぜ念仏で往生できるのか」「法然はどうやって念仏を選択したのか」ということ
 がわかりにくいためだったと思います。

  さて、これから私なりに法然を語っていこうと思うのですが、結論の一端を先に
 申し上げておくと、法然という人はきわめて編集的にインターフェースする能力に
 すぐれていた、ということです。そうでなければ、専修念仏という革新には至らな
 かったでしょうし、浄土宗の根本聖典たるぷ心択本願念仏集』は成立しなかったと
 思います。
  
  どういうことか。編集的仏教諭とでもいうべきハ選択本願念仏集』における法然
 の主張は、念仏で往生することができるのは、ほかならぬ阿弥陀仏がそのように「
 選択」なされたからだということですが、その境地にたどり着くまでには法然自信
 の「選択」も多重にはたらいていました。私はその「多重さ」に注目したいのです。

  法然の「選択」の重ね方は、ちょっと真似のできないような芸当でして、私は、
 中世日本におきた仏教改革は、法然の「選択」する力、いうなれば「法然の編集力」
 によってなしとげられたものであると見ています。
  その編集術を垣間見るには、やはり『選択本願念仏集』をひもとくことがなによ
 り重要であろうと思います。しかし、まずは上人の生涯をたどっていくことから始
 めたい。法然の行状にはその思想をのちに決定づけるような場面がいくつも見てと
 れるからです。

  

   専修念仏への道 

                                                  父の遺言

  法然は幼名を勢至丸といい、美作(岡山県)の稲岡荘に生まれています。長承二
 年(1133)のことですから、末法の世に入ってからハ○年。世の中はすっかり
 濁世に染まっていました。時代のイニシアティブをめぐる勢力図も大きく変化しつ
 つある。鳥羽上皇の院政が始まって、平氏が台頭しつつあったころで、平忠盛が院
 の昇殿を許された時期でした。

  子宝に恵まれなかった父母が仏神に析った末に生まれた子どもであるとか、偉人
 伝によくあるような誕生時の逸話や幼年期の話は、ここでは省くことにします。し
 かし、わずか九歳のときに父を失ってしまったことは、法然の思想を読み解くうえ
 でとても重要です。

  父は押領使の漆間時国です。在地の任官としてそれなりに力をもっていたようで
 すが、稲岡荘の預所・明石定明と衝突してしまったらしく、夜襲をかけられます。
 保延七年(1141)のことです。自分の生家にとつぜん弓や刀をもった武者たち
 が襲撃してくるわけですから、九歳の少年にとってかなりのショツクだったことで
 しょう。現在でいう小学校三、四年生くらいの男の子が、目の前で父親の死を見て
 しまったわけです。しかも惨殺に近かった。

  この事件でもうひとつ目立つことは、武者が襲ったということです。のちに天台
 座主になった慈円は『愚管抄』のなかで、「鳥羽院ウセサセ給ヒテ後、日本国ノ乱
 逆ト云コトハヲコリテ後、ムサノ世ニナリニケル也ケリ」と、保元元年(1156)
 におきた保元の乱をもって「武者の世」に変わったのだと記しましたが、時国が襲
 われた1141年といえば、まだ源氏と平氏のどちらが武家の棟梁になるかもわか
 らない、公家社会から武家社会へと移りゆくことの予感が漂いはじめた時期です。

 ですから、実際にはまだ貴族中心の公家社会に近く、父の時国はそういう社会の地
 方役人として美作の地に赴いていたのです。そのなかにあってこの襲撃は新たな武
 家社会の到来を告げるようなもので、勢至丸に「時代の死」を意識させるに十分な
 ものでした。

  時国には、自らの最期を予感しているようなところがありました。少年勢至丸に
 対して「自分の死はいつ来てもおかしくない」と言い聞かせていたとともに、「怨
 親平等」や「自他不二」という考え方をわかりやすく語り聞かせていたようです。
 法然の一代を描いた『法然上人行状託図』によれば、「敵を恨むことなく、私の菩
 提を弔ってほしい」という遺言をのこしたともいいます。

 父親の死が、九歳の勢至丸の心に何をもたらしたのか。勢至丸はのちに出家して
 法然となり、ゆくゆくは浄土門に目が間かれていくわけですが、そのきっかけが父
 の死にあろうことは想像に難くありません。この事件において勢至丸は、父の死、
 時代の死、そして自分の生と死というご二つの死〃を引き受けざるをえなかったの
 です。

  勢至丸の母親は渡来県の秦氏の家系といわれています。その母は当然ながら、遺
 された一人息子の将来を案じます。ふたたび武者たちが討ち入ってくることも考え
 られる。そこで、弟の観覚が院主をしている高円の菩提寺というところに勢至丸を
 あずけることにします。こうしてすぐに仏門に入ったのは、時国の遺言が念頭にあ
 ったためだったと思います。

  勢至丸をあずかった観覚は仏教の基本を教えていくわけですが、この少年の一途
 で優しい人柄と卓越した才能を見て、美作の小さな寺にいるよりも比叡山で学ばせ
 たほうがいいと判断します。観賞もかつて比叡山で学んだ人物でした。そこで、旧
 知の間柄だった比叡山西塔の北呑に住か持宝房源光に勢至丸を託します。それが天
 養二年(1145)、勢至丸が十三歳のときのことです。遠く叡山の地へと移るこ
 とは心許なかったはずですが、叔父の観覚がうまく言って聞かせたのでしょう。か
 つて空海が伯父の阿刀大足によって学道に専かれ、精神的にも行動的にも鍛えられ
 ていったように、当時は代父のような器量と能力をもつ叔父が多かったですし、そ
 ういう慣わしが強かったのです。”変なおじさん”ではなくて、”大きなな叔父さ
 ん”の時代です。

  観賞の紹介で勢至丸を引き受けた源光は、この少年に『法華経」をはじめとした
 天台仏教の基礎をみっちり教えると、二年ほどしてから東塔西谷の皇円のもとで受
 戒させました。皇円という人物は、「粟田の関白」ともいわれた藤原道兼の五代目
 で、のちに歴史書『扶桑略記』三〇巻を著したことでも知られる碩学の学僧です。
 だいたい延暦寺というのは当時すでにして日本最大の宗教センターであって、かつ
 現在の東京大学と京都大学をあわせた総合大学のようなところですから、そういっ
 たごつい学僧がどんどん輩出するのです。そうでなければ暴れん坊の荒法師たち、
 すなわち「僧兵」とよばれる集団ばかりでした。

  延暦寺の授戒は戒壇院で執行されます。「山」の授戒です。もとはといえば、最
 澄が大乗菩薩戒(附睨が)のために始めたシステムでヽ六年の予備教育を経てから
 ようやく受けられるものでした。また、ひとたび受戒すれば、それから十に年間は
 山を下りてはいけないという決まりがありました。それほどまでに厳しいものだっ
 たのです。

  とはいえ、勢至丸もそれが当然のことだと思っていました。授戒の戒師は西塔の
 黒谷にいた慈眼房叡空が当たります。叡空がいた黒谷は当時は「別所」とよばれて
 います。叡空は融通念仏宗を興した良忍の弟子で、一説には太政大臣藤原伊通の子
 とも伝えられ、黒谷のりIダーでした。法然もこの黒谷と縁を深めていくのですが、
 それは受戒の機縁と無関係ではありませんでした。

                           浄土思想との出会い    

   さて、よろこんで受戒出家した勢至丸がなすべきことは、叡山においてはただひ
 とつしかありません。天台三太郎をひたすら読みこむことでした。天台三太郎とい
 うのは『法華玄義』『法華文句』『摩河止観』のことをさしますが、いずれも中国
 南北朝時代の天台智頭が著したもので、天台法華のバイブル中のバイブルといって
 いい経典です。
  とくに『摩詞止観』は智頭の重要な著作で、日本仏教思想史において特異な位置
 を占める天台本覚思想を知るためにも必要不可欠な文献です。私も二〇代のころか
 ら『摩阿止観」の大ファンで、かつて「遊』というすこし変わった雑誌を編集して
 いたときには、いろんなスタッフに岩波文庫三冊本の『摩訶止観』をぜひとも読む
 ように勧めたものでした。「空・仮・中」の三観をめぐる思考法がたいへん刺激的
 なのです。中国の天台止観にはこのようなて七三観のほか、一念三千、十乗観法、
 三諦円融といったイデアルな思想の動かし方が明示されていて、私もいっとき凝っ
 たのですが、これがやや柔らかくなって日本に入ってきたわけです。また『摩阿止
 観』は和歌の歌論を読むのにも必須の本です。

  天台三大部の次はその注釈書に進みます。これは智頭直系の湛然が著した注釈書
 が中心になりますが、これもまたひたすら読むだけ。儒学や朱子学で四書五経を注
 釈書とともに学ぶのと似ていますが、これこぞが比叡山の学問の王道だったのです。
 どんな学問だったのかというと、一言でいえば「悟り」の教えです。自覚の哲学で
 す。天台思想独自の深遠さをもっていましたが、そこには「救い」の教えまでは言
 及されていなかったのです。

  およそ三〇年後、法然は比叡山を後にして京の町へと下りていくのですが、この
 「救い」の欠如が大きな問題意識にあっただろうと思います。また、突然の夜討ち
 で父親を失った法然にとって、はやく仏性に目覚めなくてはならないという思いと、
 膨大な天台の経典を読みこむということが、自分のなかでうまく重ならなかったの
 ではないかと推測します。

  しかし、それでもこの青年の才能は際立っていたようで、皇円は勢至九に「円宗
 の棟梁となり給へ」とまで言っています。円宗は円教ともいって、天台宗では『法
 華経』をベースに菩薩道を究めることです。皇円はその円宗のりIダーになるとい
 いと勧めたのだから、これはいずれ衷台座主になりなさいと言ったわけです。たい
 へんな推挙です。しかし勢至丸はそんな栄達の道に入ることを固辞し、受戒の戒師
 をつとめた黒谷の叡空のもとに移ります。

                               この項つづく

 Wikipedia

 

 

【米国で太陽はまた昇る】

12月18日。米国で「Investment Tax Credit(ITC)」と呼ばれる「再生可能エネルギ
ー導入投資税控除」の延長法案が、米連邦議会の土壇場で可決された。「ITC」はこれ
までも米国太陽光発電市場の重要なドリブンとして貢献してきた。実際、太陽光発電
システムの急速な価格削減で、州政府などによる補助金制度がなくなっていくなか、
ITCの市場への貢献度は大きく、米国太陽光発電産業のITCへの“依存度”も極めて高
くなっていく。

ITCは、06年から始まった連邦レベルの制度で、太陽光発電システムを含む、再生可
能エネルギーの設備投資に適用される。太陽光発電システムの購入者であるホームオ
ーナー、発電所所有者、システムリースを提供するプロジェクトデベロッパーは、シ
ステム設置にかかった投資額の30%を税額控除できる。

同制度は08年にブッシュ政権下で延長・拡大されたが、16年末に住宅用について
は終了し、非住宅用(商業、産業、そして発電事業用)は現在の30%から17年1
月1日から10%に下がる――国内外の太陽光発電市場のプレーヤーが恩恵を得るに
は、16年までに建設完了する必要があり、16年は駆け込みによる建設ラッシュが
すすみ、その後17年以降、市場は急速に冷え込む(下図参照)。

 

可決された法案の中身は、延長期間は「5年間」となった。ただ、これまでと違い、
控除される比率が段階的に下がるようになっている。17年から19年の3年間は現
在と同じ30%、20年には26%、21年には22%、そして22年以後は10
%(住宅用は0%になる)に漸減する仕組みになっている。ITC延長可決は、5年延
長により、20年までに太陽光発電産業は1330億米ドル以上の民間投資を米国経
済に呼び起こすとし、さらに、20年までにこの国の太陽光発電は3倍以上の百ギガ
ワット相当し、一般家庭約2千万世帯分の年間使用電力量、または米国の全電力発電
量の3.5%に匹敵――GTMは、ITC延長により、17年から21年の5年の間に25
ギガワットの新たな設置容量をもたらす予測を早々に公表し、米国太陽光発電市は2
0年には20ギガワットに達すると大きく上方修正している(下図参照)。

野党・共和党側は、数年前から「原油の輸出解禁」を目指す動きを強めていた。一方
で与党・民主党は、解禁により、「フラッキング(水圧破砕法)」と呼ぶ、シェール
オイルを採掘する方法が引き起こす環境破壊や地球温暖化を問題視していた。こうし
た対立の打開を模索するなか、歳出法案に民主党が求める「ITC延長」を盛り込むこと
で、折り合いがついた。つまり、フラッキングまたは石油消費によって増加するであ
ろう二酸化炭素の排出量を、ITC延長で導入が拡大される再生可能エネルギーで「カー
ボンオフセット」するようなイメージが背景にあるが、結果的に、過去何十年もの間
太陽光発電市場の右肩上がりを維持している先進国は、世界で米国だけである(中国
は?)。

 

量子ドットソーラ量産工学前夜

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     完璧を目指すよりまず終わらせろ。   


                                                      マーク・ザッカーバーグ

                                                                                          

 

【不定期日本列島地震予測】

 

 

 ● 折々の読書 『火花』7 又吉直樹 著 

  薄暗い店内にいくつか置かれた照明が、温もりのある灯りで白い壁を照らしていた。
  静かにクラシックが流れていて、先程までの馬鹿騒ぎが夢のように感じられた。窓
 際の席に着くと、小走りで駅の方角へ走って行く人達が見えた。僕はブレンド珈琲を
 注文し、神谷さんはチーズケーキを注文したが、珈琲専門店なので珈琲を一人一杯は
 注文しなければならないらしく、神谷さんは「そういうこだわりは好きや。俺も漫才
 師や言うてんのに替え歌だけを要求されたら嫌やもんな」と言って、意外とごねずに
 一番高価なブルーマウンテンを注文した,公園では興奮状態にあったのだが、珈琲を
 飲みながら先程の状況を思い出すと、急に笑えてくるのが愉快だった。 
  神谷さんは降り続ける雨を背景に「美しい世界を、鮮やかな世界をいかに台なしに、
 するかが肝心なんや」と言った,

  そうすれば、おのずと現実を超越した圧倒的に美しい世界があらわれると迷いのな
 い言葉で語った。あの不思議な楽器を本気で叩かない世界は美しくない。男がどのよ
 うな経緯であの楽器を手に取ったのかはわからない。しかし、男は世界のために人生
 を賭して楽器を叩くべきなのだ。その美しい世界を台なしにするのも、また本気の刃
 でなくてはならない。

 「太鼓の太鼓のお兄さん、真っ赤な帽子のお兄さん」しやがれた声で神谷さんがつぶ
 やいた。
  急に大声で叫んだので喉を潰してしまったのだろう。
 「龍よ目覚めよ!太鼓の音で!」という部分が際立って阿呆であったことと、語呂も
 悪かったことを僕が指摘すると、神谷さんは、「龍というのは本来、えげつないくら
 い格好良過ぎるものやからな。過ぎるのがいいんやろな。大き過ぎるのも面白いもん
 な。なんでも過度がいいねん。やり過ぎて大人に怒られなあかんねん]と語り、満足
 気に珈琲を啜った。
 「大人に怒られなあかんねん、という表現も、もはや月並み過ぎな不良ですもんね」
 神谷さんの前だと、なぜか僕は自分の思いを正直に話せた。神谷さんは少し考え込
 む表情になった。

  神谷さんが砂糖もミルクも使わないので、なんとなく僕も慣れない珈琲を苦いまま
 飲んだ。マスターがカップを洗う音が響いていた。

 「正直、そこは難しいとこやな。月並みであっても格好良さの純度を保つもんもある
 もんな」
 「どういうことですか?」
 「大人に怒られなあかん、って確かにどこかで聞いたことあんねん。でもな、聞いた
 ことあるから、自分は知ってるからという理由だけで、その考え方を平凡なものとし
 て否定するのってどうなんやろな? これは、あくまでも否定されるのが嫌というこ
 とではなくて、自分がそういう物差しで生きていっていいのかどうかという話やねん
 けどな」

  僕が知っている限り、神谷さんの作る漫才は誰もが知っている言葉を用いて、想像
 もつかないような破壊を実践するものだから、この話は神谷さんの根幹を示すものな
 のかもしれない,
 「平凡かどうかだけで判断すると、非凡アピール大会になり下がってしまわへんか?
 ほんで、反対に新しいものを端から否定すると、技術アピール大会になり下がってし
 まわへんか? ほんで両方を上手く混ぜてるものだけをよしとするとバランス大会に
 なり下がってしまわへんか?」
 
 「確かにそうやと思います」僕は率直に同意した。

 「一つだけのの基準を持って何かを測ろうとすると眼がくらんでまうねん。たとえば、
 共感至上主義の奴達って気持ち悪いやん? 共感って確かに心地いいねんけど、共感
 の部分が最も目立つもので、飛び抜けて面白いものって皆無やもんな。阿呆でもわか
 るから、依存しやすい強い感覚ではあるんやけど、創作に携わる人間はどこかで卒業
 せなあかんやろ。他のもの一切見えへんようになるからな。これは自分に対する戒め
 やねんけどな」と一語一語噛みしめるように言った。

 「何かを批評するのって難しいですよね」

 「論理的に批評するのは難しいな。新しい方法論が出現すると、それを実践する人間
 が複数出てくる。発展させたり改良する人もおるやろう。その一方でそれを流行りと
 断定したがる奴が出てくる。そういう奴は大概が老けてる,だから、妙に説得力があ
 る。そしたら、その方法を使うことが邪道と見なされる。そしたら、今度は表現上そ
 れが必要な場合であっても、その方法を使わない選択をするようになる。もしかした
 ら、その方法を避けることで新しい表現が生まれる可能性はあるかもしらんけど、新
 しい発想というのは刺激的な快感をもたらしてくれるけど、所詮は途上やねん。せや
 から面自いねんけど、成熟させずに捨てるなんて、ごっつもったいないで。新しく生
 まれる発想の快感だけ求めるのって、それは伸び始めた肢を途中でポキンと折る行為
 に等しいねん。だから、僻陶しい年寄りの批評家が多い分野はほとんどが衰退する。

 確立するまで、侍てばいいのにな。表現方法の一つとして、大木の太い一本の枝にな
 るまで。そうしたら、もっと色んなことが面自くなんのにな。技を落として、幹だけ
 に栄養が行くようにしてるつもりなんやろうけど、そういう側面もあるんかもしらん
 けど、遠くからは見えへんし実も分からへん。だから、これだけは断言できるねんけ
 ど批評をやり始めたら漫才師としての能力は絶対に落ちる」

  神谷さんの発言は世間に対する批評ではないか、という旨葉は呑み込んだ。神谷さ
 んの言葉に正義はあるが、それは例外的な人間や事例を潰さずに救済するためだけの
 ものだと思った。やはり、よくわからない新興の流派は、その分野を護るために排斥
 するのも正当な防護だと思う。ただし、全てが上手くいった場合、どちらが面白いか
 を考えると圧倒的に神谷さんの考え方だ。博打ではあるけれど。

 「でも僕、物事を批評することからは逃れられへんと思います」

  神谷さんは右手で珈琲カップを持ったまま両目を見開き動かなくなった。薄暗い店
 内には相変わらず静かに音楽が流れていて、同じフレーズを何度も繰り返すこの曲に
 は聴き覚えがあった。題名はなんだっただろうか。
 「せやな。だから、唯一の方法は阿呆になってな、感覚に正直に面白いかどうかだけ
 で判断したらいいねん。他の奴の意見に左右されずに。もし、俺が人の作ったものの
 悪口ばっかり言い出したら、俺を殺してくれ,俺はずっと漫才師でありたいねん,こ
 の珈琲美味いな」と神谷さんは珈琲の表面を見つめながら言った。

 「美味しいですね。でも、師匠の感覚には寄り添っていいんですよね?」
 「今は、寄り添え,寄り添え?」と囁いて、神谷さんは少しはにかんだ,神谷さんは、
 普段使わない言葉を僕に釣られて使ってしまうことを恥じていた。その感覚も信用出
 来た。神谷さんの言葉とは矛盾するかもしれないが、流行の言葉を簡単に使いこなす
 器用な人間を僕は恐れていた。

 「なあ、さっきから俺が珈琲カップを皿に置く時、一切音が出えへんようにしてたん
 気づいてた?」と神谷さんが言った。
 「気づいてましたよ」
 「ほな、言うて。やり始めたものの、お前が何も言わへんから、やめるタイミングな
 かったわ」と神谷さんは掠れた声を出した。

  喫茶店を出る時に、マスターが「これしかないのですが、返さなくていいので」と
 言って、一本のビニール傘をくれた。神谷さんは一本しかない傘をくれたマスターの
 優しさに感動していた。階段を降りて通りに出ると傘を差すほどでもない小雨になっ
 ていた,しかし、冲谷さんは迷わず傘を開き歩き出した,僕も鞄から自分の折り畳み
 傘を出して開いた。すぐに雨は上がってしまった。雲はとても速く流れていて、その
 奥にある黒い空が見え始めていた。濡れた路面には街の灯りと車のヘッドライトが反
 射して煌めいていた。

 「八十二番!」と神谷さんが急に謎の数字を叫んだ。自分の仙にも、突発的に意味の
 わからない言葉葉を放つ人が存在することが嬉しかった。
 「太鼓の太鼓のお兄さん! 真っ赤な帽子のお兄さん!龍よ目覚めよ! 太鼓の音で!」
  どちらが先に唄い出したのか、僕達は神谷さんが生み出した、ろくでもない歌を唄
 っていた。
  雨が上がり月が雲の切れ問に見えてもなお、雨の匂いを残したままの街は夕暮れと  
 はまた違った妙に艶のある表情を浮かべていて、そこに相応しい顔の人々が大勢往来
 を行き交っていた。傘を差しているのは神谷さんと僕だけだ。そんな僕達を誰も不思
 議そうには見なかった。神谷さんは傘を差し続けている理由を説明しようとしなかっ
 た。

  ただ、空を見上げ、「どのタイミングでやんどんねん。なあ?」と何度か僕に同意
 を求めた。喫茶店のマスターの好意を無下にしたくないという気持ちは理解出来る。
 だが、その想いを雨が降っていないのに傘を差すという行為に託すことが最善である
 と信じて疑わない純真さを、僕は憧憬と嫉妬と僅かな侮蔑が入り混じった感情で恐れ
 ながら愛するのである。

この節では、難解な会話が交わされている。師匠と尊敬されている神谷が「美しい世界を、
鮮やかな世界をいかに台なしに、するかが肝心なんや」「そうすれば、おのずと現実を超
越した圧倒的に美しい世界があらわれる」との件である。「あの不思議な楽器を本気で叩
かない世界は美しくない。男がどのような経緯であの楽器を手に取ったのかはわからない。
しかし、男は世界のために人生を賭して楽器を叩くべきなのだ。その美しい世界を台なし
にするのも、また本気の刃でなくてはならない」「平凡かどうかだけで判断すると、非凡
アピール大会になり下がってしまわへんか? ほんで、反対に新しいものを端から否定す
ると、技術アピール大会になり下がってしまわへんか? ほんで両方を上手く混ぜてるも
のだけをよしとするとバランス大会に なり下がってしまわへんか?」と。そして、主人
公は「予定調和の破壊」ことこそが、話芸技量の”コア”であることを率直に同意する。
しかし、神谷が「だから、これだけは断言できるねんけど批評をやり始めたら漫才師とし
ての能力は絶対に落ちる」との意見に、「物事を批評することからは逃れられい」との主
人公の反質に、「唯一の方法は阿呆になってな、感覚に正直に面白いかどうかだけで判断
したらいいねん」と神谷は応じ、次のの描写に移るが、著者の力量が十分い感じ取れるシ
ーンtなっている。
                                 この項つづく

 

 

【最新地熱工学Ⅰ】 

● ”日の丸”科学掘削船の大冒険

NATIONAL GEPGRAPHIC日本版で地球深部探査船「ちきゅう」が特集されている(第9
回 倉本真一 「ちきゅう」は未来を掘っている)。

現在、そして過去だけでなく、これからの我々の未来にも光を当てる。地震・津波の掘削
研究からは、これまで教科書を鵜呑みにしてきた、地震・津波を起こさない領域と信じていた
プレート沈み込み帯先端部で地震性滑りの証拠を発見し、それは次の南海トラフ沿いの巨大地震
の監視と防災・減災指針に反映されようとしている。また沖縄トラフでの掘削研究では、
これまた予期しなかった“熱水湖”が発見され、人工的な熱水噴出孔を作ったことから、
新たな海底資源マネージメントの可能性を示す。さらに下北八戸沖では、驚愕の地下生命
圏の存在を明らかにし、微生物の生き残り戦術に圧倒されながらも、その能力を使って新
たなエネルギーサイクルを創造できる可能性をしめす。

「ちきゅう」はさらに技術開発を行い、4千メートル級の水深のところから、海底下7千
メートル掘削する能力を持つ。その目的は「マントル掘削」。600年代に米国の研究者に
より提案されたマントル掘削は、未だに実現されていない。月よりも遠いマントルとも表
現されたりされているが、自分たちの足元の下10キロメートル先に手が届かない。

最近の研究によると、マントルには大量の高圧炭素物質(ダイヤモンドに代表される鉱物)
や水(水素)が含まれていることが示唆され、同位体組成が東西で異なったり、その流動
についてもこれまで考えられていたよりもより流動して、上に乗っているプレートを動か
している示唆もされている。マントルを通してみる地球観が大きく変わろうとしている最
前線の現場で決定的証拠が掘削でしか得られつつあると紹介している。このシリーズは、
「最新地熱工学」を考えていく上で大変面白い。 

※ 「ちきゅう」がマントル掘削を行うには、大水深用の軽量かつ強靭なライザーパイプ、
  12,000メートル対応の掘削パイプ、長寿命の掘削ビット、高温対応観測機器など様々
  な技術開発が必要だがその開発の一部はすでに始まっている。


1.地球的熱史 

地熱工学を学ぶには、まず地球そのものの熱的特徴を理解した上で、その熱的変動史と地
球内部の温度、さらに地球の全体的な熱構造をを踏まえ、地殻熱流量を理解し全般的な基
礎知識を獲得する。まず、地球が生成以来、どおような過程を経て現在に至っているかを
熱学理解、つまり「熱史の研究」に入る。実際にはそれぞれの時代に知られている地球内
部の熱的状態がどのように変化するかについて熱輸送方程式を解くことにより、現在する
地球の熱的状態を説明する熱史モデルをどのように組み立てるかに帰結する。

熱歴研究の歴史的展開をまずみる,なお,地球熱史の研究は、独立で存在するというより,
それぞれの時代における地球形成成論に基づき、合理的な熱史が組み立てられろかどうか
という観点から進んできた。ギリシア時代の思弁的な地球観・宇宙観はともかくとして、
それまでのみ各時代における地球の形成ロンに基づいて、地球の熱史を初めて科学的に扱
つたのは,19世紀半ばの英国物理学者ケルビンである。

01 熱の流れの3のタイプ

地球の熱の流れの共体的課題に入る前に、最初に必要な基本知l識、特に熱伝導を話して
おこう。熱の流れには伝導・輻射(放射)・対流の3つがある。熱伝導とは、物質内の異
なる場所で、温度が異なる場合において、温度差をその2点間の距離で割った熱購買に比
例して熱が流れる現象であり、この場合物質中を熱が流れるが物質そのものは動かない。
運ばれる熱量は、物質の熱の伝えやすさ(熱伝導率)と温度勾配との積による。また、熱対
流とは、ある熱をもつた物質自身が動くことによりで熱を運ぶ現象である。運ばれる熱量
は物質の持つねつとその移動速度との積により決まる。放射・輻射とは、その物質の表面
温度に応じて、電磁波(赤外線)で形で物質表面から熱が放出されることをいう。運ばれ
た熱量は、絶対温度との4乗と物質表面の熱放射能力(放射率という、0かた1の間の物
性定数)との積による。この放射の場合は介在する物質は存在する必要はなく、従って、
真空中でも放射による熱は伝わっていく。

さて、この伝導、対流、放射であるが、いずれも地球内外で生じている。伝導が卓越する
現象としては以下のようなものが挙げられる。(1)高温地球の冷却、(2)プレートの
冷却、(3)マグマの冷却、(4)通常地域の地殻の熱の流れ、などである。対流が卓越
する現象としては、(1)核内対流、(2)マントル内対流、(3)マグマ内対流、(4)
地熱地域下の熱水対流、などである。放射が卓越する現象としては、(1)溶岩湖表面か
ら大気中への伝熱、(2)高温マントル内の熱様相、(3)太陽から地球への放射(日射)
などである。実際の現象では、3つの熱の流れタイプが混在しているが、多くの場合、そ
のうちの1つであるは2つがかなりの部分を占めている。そこでこの状態を「卓越」と表
現した。たとえば、マグマの冷却の場合、マグマ内に溶融部分がおよび放射による熱の流
れも存在するが、マグマ自身の対流による熱輸送がが卓越する。冷却するに伴い溶融部分
が減少すると(たとえば半分以下程度)、マグマの対流は停止し対流による熱輸送はなく
なる。さらに温度低下すると、法syあの高架も少なくなり、放射の効果も少なくなり、熱
伝導による冷却か卓越する。

 

02 熱伝導とは

熱伝導は、物質中で場所によって、温度が異なっているとき、物質内を熱が高温から低温に流れ
る現象をいう。この熱の移動は、ミクロにみれば、原子あるいは分子運動エネルギー交換(伝播)
により説明されるが、地球内部の伝導的な熱の流れを考えるような場合は通常そこまでは
立ち返らない。さて、伝導的に流れる熱の量はは理論的に予測できるものではなく、実験
的に決定されるものである。いま、上図に示すような、ある厚さ(x)の無限こ広い平行
板を考えると、この平行板一方側温度T1 としてもう一方の温度をT2(>T2)のとする。
平行板中のある面積Aの部分を通して、t時間後(秒)にQ(ジュール)の熱が流れたと
すると、実験的に以下のような関係が成立する。

      
このとき、比例定数をΚとする。地球内部の伝導的な熱の流れ(単位面積・単位時間当た
りの)は地層内伝導率Κと地温勾配dT/drとの積で表現されることとなる。

                                  この項つづく

 

  

 

【オールソーラーシステムの実用化着々】

ホンダは25日、高圧水電解システム「Power Creator」を採用したパッケージ型「スマー
ト水素ステーション(SHS)」を埼玉県和光市の和光本社ビルに設置し、稼働を開始した
と発表。「スマート水素ステーション」は、太陽光発電による電力を使い、水を電気分解
して水素を製造するシステム。二酸化炭素フリーの水素を供給する設備としてホンダが独
自に開発。これ以外にも同社は、東京都内の青山本社ビルにも「スマート水素ステーショ
ン」を設置する準備を進めている。

ホンダは、01年から再生可能エネルギーを活用した水素製造に取り組んでいる。10年
から、Power Creatorを用いた実証実験を米国ロサンゼルスで開始した。12年に環境省の
委託を受け、日本で初めてPower Creatorを搭載した水素ステーションを埼玉県に設置。14
年には水素の製造、貯蔵、充填機能を世界で初めてパッケージ型に収納した「スマート水
素ステーション」を開発し、岩谷産業やさいたま市、北九州市とともに実証実験開始。和
光本社ビルに設置した「スマート水素ステーション」は、まず主に自社保有の燃料電池自
動車(FCV)への水素充填に活用する。将来的に、自治体や企業が保有するホンダ製FCV
にも開放していく予定という。

 

 

【量子ドットソーラ量産工学前夜】

鬼が笑う来年の話。高30%超の変換効率太陽電池実用試作・量産に向けて、具体的に行
動を取ることを、昨夜、急な腰痛に見舞われながらも、腹を決めた。少しわからない部分
もあるが、「完璧を目指すよりまず終わらせろ。」というマーク・ザッカーバーグの言葉
もあるじゃないかと、やって行く中だめ詰めを行う。ここは第二の桶狭間の「一本道」だ。

 



【概説】

スパッタリングにより基板上にナノサイズ突起物を形成するナノ構造薄膜の製造方法であ
って、基板とスパッタリングターゲットとを60mm以上離した状態でスパッタリングを
行うことにより、ナノサイズ突起物を広い領域に安定的に形成する、ナノ構造薄膜の製造
方法――ナノサイズ突起物を広い領域に安定的に形成できるナノ構造薄膜の製造方法を提
供。

 

 

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