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全てはエレクロードに繋がる

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        離婁(りろう)篇    /    孟子      

                                 

      ※  自暴自棄:自暴の輩とは、ともに語りあうことはできない。自棄の輩と
     は、ともに行動するわけにはいかない。口をひらけば礼と義を斜面する、
     これを自暴という。何をするにも、仁を守らず義を員こうとしない、こ
     れを自棄という。たとえていえば、仁とは人がくつろげる家であり、義
     とは人が途うことのない本道である。自暴自棄なる者は、この家に居つ
     こうとせず、この道を歩もうとしない。悲しいことだ。



【樹木トレッキング Ⅸ:トガサワラ】

トガサワラ(栂椹:Pseudotsuga japonica BEISSN.)は、マツ科トガサワラ属(Pseudotsuga CARR.)の
常緑樹である。ツガに似た針葉樹で、南日本の一部 大峯山脈と四国の魚柔順(やなせ)とに知ら
れている分布のせまい珍しい樹木である。ゴョウトガとかサワラトガなどとも呼ばれ、和歌山県、
三重県,奈良県の県境付近の山地には、胸高直径2mに近い大木もまれには見られるが、現在繁殖
力はきわめて弱く、他樹種に圧倒されやすく、保存するには相当保護が必要ではないかといわれて
いる。葉は線形、長さ2~2.5cmぐらい,先端はへこみ、枝は無毛である。球果は卵形、モミ類のよ
うに直立しない。材は軽くやわらかいので加工しやすい。 建築材、枕木(まくらぎ)、船材、桶
材、棺材などにする。 

  

  三之公川トガサワラ原始林

 
     No.116



【電気自動車篇:すべてはエレクロードに繋がる】

テルアビブのトランジット・サービスであるDan Bus Company社が、Electrooad社に220万ド
ル、日本円にして2億4800億円を投資する計画を発表。ワイヤレス充電用電気道路(Elect-
Road)は大きく前進。ElectRoad社の技術は、道路の下の電気コイルを埋め込み、電気自動車が
走行する際に無線で充電する。将来のEVドライバは、ElectRoadの技術を搭載した充電ステーシ
ョンでの停止を心配することがなくなる。数ヶ月前、投資管理会社のBiomedix Incubator Limited
がElectRoadを買収する意向を発表し、ダン・バス・カンパニーとの協力契約に調印。合併が完
了すると、Dan Bus CompanyはElectrooadに8百万ものイスラエル新シェケル(NIS)(約220
万ドル)の投資となる。

 

Globesによると、Danとの合意には、NISの初期投資310万ドルと、Biomedix株式のNIS 5,000
万株に対するオプションがNIS 9,000万の企業価値で含まれる。ElectRoadの技術は、磁気誘導によ
り電気自動車に電力を供給するために伝導コイルを使用。技術のメリットとしてゼロエミッショ
ン、高効率、低コストを指す。また、システムが車両とグリッド間のエネルギー共有を可能にす
ると語り、スタートアップは、バス路線などの公共交通機関に焦点を当て、徐々に市場に浸透す
る予定。担当者は、ダンの投資と企業間の合意は、公共交通機関が実際にこの技術に興味を持っ
ていると述べている。ダン・バス・カンパニーはすでに、出発駅のケーブルを経由して2〜3分
で30キロメートル(約19マイル)の範囲で料金を請求できる電気バスを用意しているとのこ
と。
 

【要注意:カーボンナノチューブなど繊維摂取の健康障害】

  

12月8日、Chernovaらの研究にグループはカーボンナノチューブ(CNT)は、自動車部品からコ
ンピュータまで、様々な商業的用途に使用されているが、これらのナノ材料へのヒトへの曝露の増
加は、CNTが石綿と構造的に類似しているため健康リスク懸念があり、これは難治性の癌性中皮腫
を引き起こすと警告している、マウスの胸膜腔に長繊維アスベストまたは長繊維CNTのいずれかを
送達し、両方の処置が慢性炎症を誘導し、同じシグナル伝達経路を活性化することを発見。暴露後
12〜20ヵ月で、各群のマウスの少なくとも10%が中皮腫を発症。これらの結果は、CNTがアスベ
ストと同様の健康リスクを示し、ヒトへの曝露を監視すべきであることを示唆する("The health ha-
zards of fiber intake",American Association for the Advancement of Science.Science Magazine Highlights -
14 December 2017)


【気候と気候に関する5つの優先事項】 

  Dec. 13, 2017

気象学は新しい時代に入っている。 暴風雨、洪水、干ばつの予測は、世界中で需要が拡大。 例え
ば、フロリダ州マイアミの世界気象機関 (WMO)地域専門センターが発行した西部大西洋の今年
の壊滅的な一連のハリケーン(Harvey、Irma and Maria)の警告は、被災地の住民に避難のリスク軽
減のアプローチである。環境変化によるリスク回避の要求が増大。2016年、保険会社は  自然
災害により世界中で1,750億ドル(約19兆7千億円)損失を計上。 この損失の4分の3は気
象学的、水文学/気候学的事象によって引き起こされたとする。気象情報と気象情報を収集/配信
する事業が進化し、企業や非営利組織の気象サービス提供が加速。 データは現在、携帯電話アプリ
やスマートデバイスなど、より広範な情報発信をカバーしつつある。このように気象学の集約/適
応が、全世界の気象機関の3分の2は、その基幹インフラを強化が求められている。環境情報の収
集/普及に新たなアプローチを模索が必要とされ、コミュニケーション/アライアンス/パートナ
ーシップは、双方向/非公式/包括的な改訂に迫られている。この作業過程の開始に、10月にス
イスはジュネーブで、WMO(世界気象機関)はインドネシアのバリ島はAgung火山噴火観測から移
転し大気/水文学/関連科学の百人以上の専門家を招集。会議の成果は現在、50カ国以上で合意
され2019年の世界気象会議に提出される予定。ここで、WMO 科学サミットの組織委員会とし
て合意した5つの優先事項を強調。

● 科学サービスの提供

天気予報、警告、環境情報は、企業、NGO、その他の団体により提供されているが、たとえば、イ
ンドネシアの官民パートナーシップでは、地元の天日の生産者、トマト、キュウリの生産者に天気
予報や水利用に関する情報を提供するSMART seeds 電話アプリを実施する。情報はタイムリーに適
切な形/適切に情報伝達に調整。例えば、水文学者は、都市洪水リスクのモデル構築すに、過去の
気候データと降水量の時間予測は都市では行政責任人者は数週間から数日前に大雨の警報を事前に
必要とし天候、交通量、脆弱な社会基盤のリアルタイム監視に利用する。どような状況で住民避難
誘導、水転用、避難所開設などの効果的機会を予測する必要があり、例えば、米国気象局はハリケ
ーンの上陸する沿岸沿いの暴風/高潮/氾濫の推定を含む、意思決定支援ツール開発を行っている。


科学を行政サービスに落とし込む、予測結果をより正確で有用かつ容易に利用できるようにするの
は困難である。データは専門用語にて公開され、信頼性の高いサービスをサポートするのに十分で
はないかもしれない。海氷/太陽光との相互作用の詳細は、船舶所有者に、例えば、北極海での艦
隊の操作方法を必ずしも伝えない。ルールは孤立機能し、運用センタとより緊密に連携させる必要
がある。データ共有に使用される規定さえも、天気/気候の事業体により異なる。気象学者は、さ
まざまな状況の因子/変数の同意が前提――地域の風況は都市の大気圧より重要かもしれない。地
域状況も考慮する必要があり、東アジアの気象情報には、チベット高原複雑な水文周期を含める必
要がある。また、キープレーヤーが誰であるのか不明確なことがある。暴風雨/ハリケーンの警報
システムの構築には、研究者/システム開発者/情報通信専門家/地方行政関係者/住民メンバー
が関与するかもしれない。異種のグループには、要件の明確にするメカニズムが必要とされる。民
間、公的、学術機関は、非政府組織とともに、情報の翻訳と伝達の戦略に合意形成が必要であり、
WMO  は、共同研究活動を促進する環境を作り出すべきである。この戦略の研究の資金源と、アプ
リケーションの優先順位付けプロセスの特定が必要であり、都市サービスの改善は急務となる。

● シームレスなモデルを構築する

予測モデルは現在、大気、海洋、陸域、氷圏を別々に考えている。 結合されたモデルは、惑星プロ
セス間の接続を、多くのスケールで、局所的に、グローバルに、そして数分から数百年に亘って接
続することにより、予測の精度を向上させる。中流緯度における天気や都市の風の流れに対する都
市ブロックの影響に及ぼす熱帯プロセスの影響は、製品に組み込むべきで、クラウドソースデータ
の使用する必要がある。モデルとデータをマージするための科学的戦略が必要です。モニタリング
から観察、データ同化、モデル、予測、普及とコミュニケーション、知覚と解釈、意思決定と製品
の創造に至るまで、情報提供のすべての段階にわたって働かなければならない。ここでもまた、水
循環や都市開発などの優先事項が出発点となる。

 WMOの世界気象研究プログラム 、世界気候研究プログラムと地球環境大気監視プログラム3など
の協力を通し、天候から気候、水文学から大気の質に至るまで、ドメイン間でモデルを組み合わせ
る努力が始まっている。水文学者、社会科学者、再保険会社、民間財団など、より多くのグループ
が参加する必要がある。

● インフラの改善

情報提供者、モデラー、およびユーザーには、より高度なコンピューティングインフラストラクチ
ャーと施設を必要とする。 これらは、エクサバイト(1018バイト)のデータをリアルタイムで分析
し、それらをサービス4に変えることができるはずです。 マルチプロセッサ、クラウドベース、分
散コンピューティングを活用には、モデルのアップグレードを必要とする。特に開発途上国では、
データ、ツール、インフラへのアクセスの拡大も必要である。例えば欧州委員会のコペルニクスプ
ロジェクトのデータと情報は、気候や大気質のサービスに合わせて、よりアクセスしやすくする必
要があり、データ、方法およびツールの発信者を引用するなど、データの公正な使用を推奨しなけ
ればならない。

より関連性の高い現象を捕捉するには、ネットワーク観察を必要とする。海洋、氷と大気の境界面、
または陸面と地下水の境界における水のフラックスは、よりよく追跡する必要があります。異なる
品質とタイプのデータを結合する方法論を必要とする。モバイルセンサによる汚染のマッピングな
ど、環境センシングの技術的なシフトが受け入れられるべきである。いくつかの自動車会社が収集
する風防ワイパーの速度(雨の強さを示す)に関するデータなど、群集による観測を含めることが
必要。標準とプロトコルは、相互運用可能なプラットフォームとともにWMO統合地球観測システム
を通じ推進すべきものである。官民協力の新しいモデルが必要になるだろう。 例えば、WMOは毎日
空気温度、風速および方向の70万回以上の観測収集に航空会社と協力している。このように湿度
と乱気流の測定値も収集されている。また、測定とモデルには長期間のデータ保存を必要として、
中規模の天気予報や中国気象局の欧州センターが主催するSubseasonal-to-Seasonal(S2S)予測プロジ
ェクトデータベースなど、仮想アーカイブと物理アーカイブを設定/共有する必要があり、アーカ
イブは、2017~19年の極地予測と2017~19年の海洋大陸の主要な取り組みに維持され
なければならず、それぞれ極地および熱帯地域の予測を改善している。



● 多様な労働力を育成する

今日の学生と科学者はこの分野の未来である。彼らの教育と訓練は、より総合的で、サービスに焦
点を当て、outlook5でグローバルになるはず。 国立気象学および水文学サービスと大学は、初期の
科学者がデータやツールを扱うのを支援に協力しなければならない。WMOの訓練活動は更新され、
例えばオンラインツールを通じて、幅広い参加者に利用可能にされるべきである。民間セクターと
データユーザーは、トレーニングとメンターシップの新しいモデルに統合を必要とする必要。女性
科学者と途上国の人々は支援が必要です。国連教育科学文化機関(UNESCO)の統計研究所による
と、全科学分野における女性研究者の世界平均の割合は約29%である。多くの国では、初期の気
象学者の約半数が女性だが、上級選抜に沿い数字が減少する。ジェンダー平等への障壁を特定する
必要があり、より多くの気象サービス組織は女性スタッフの維持のための戦略を立てなければなら
ない。女性の積極的な募集と昇進、柔軟性とモビリティの向上、偏見の解消である。WMOはまた、
異なる文化的背景を持つ科学者の決定を促す要因についてより多く知ることが必要とされる。彼ら
はどんな挑戦に直面し、何が繁栄するのに役立つだろうか?

WMOは、既存のネットワークとより緊密に連携する必要がある。たとえば、地球科学女性ネット
ワークには50カ国に2千人以上の会員を有し、80カ国ほどに1千人以上の会員が参加。WMO
は、特に発展途上国におけるクラウドコンピューティング施設へのアクセスを含む、科学的データ
とツールの利用を促進すべきである。優れた地域センターを設立する必要がある。例えば、中国気
象局は、南京情報科学技術大学を通じた訓練を提供し、WMOとの共同事務所を設立し、影響の大
きい天候イベントに協力している。

● アイデアを共有する

さまざまな種類の知識を持つ人々や問題に取り組む人々がアイデアを共有できるように、新しいネ
ットワークを構築する必要がある。スムーズな対話は、ステークホルダーを直接の関連性のある短
期的なプロジェクトに関与させることによって奨励されるべきである。彼らは長期計画にフィード
バックすることができる。例えば、衛星開発者、研究者、宇宙データのユーザーは、対流雲のよう
な観測の利用を改善し、地球システムをよりよく理解し、モデル化し、予測するために協力してき
た。もともと天空の状態でのみ使用可能な衛星データは、曇った地域や雨の多い地域のモデルに含
めることができ、雲の特性をシミュレートする能力が大幅に向上する。

WMOと関連するイニシアティブとの間には、国際的な科学基盤(国際理事会、将来地球、ユネス
コ政府間海洋委員会を含む)および国際的な援助機関(グリーン気候基金気候変動に関する国連枠
組み条約)。民間部門との作業の機会を検討する必要がある。これには、監視と観察、モデル、予
測、普及とコミュニケーション、知覚と解釈、意思決定とエンドユーザー製品の改善が含まれる。
観察の交換を制限するなどのリスクも考慮する必要がある。WMOの強みの1つは、基本的な研究課
題に関する長期的なプロジェクトを開発する能力である。たとえば、S2S予測プロジェクトでは、
数週間から数ヶ月のタイムスケールで季節的な予測が改善され、農業や食料安全保障、水災害リス
クの軽減や健康などの分野で早期の経営判断が可能になる。

ポーラー予測年の12ヶ月間の目標観測など、より短期的なプロジェクトは、技術開発とネットワ
ークを促進するだろう。幅広い協議を経てプロジェクトの優先順位付けと長期戦略計画の策定には
メカニズムが必要とされる。国連持続可能な開発目標、パリ気候協定、仙台災害リスク軽減枠組み
は、最高の才能を集め、ビジネスと技術分野を探究し、協力関係を構築するための触媒として使わ
れるべきである。地域のニーズは、国の気象サービスと学術機関との協力を通じて含めるべきであ
る。例えば、WMOが運営し、英国国際開発省の支援を受けているHIGHWAYプロジェクトは、5つ
の周辺国の気象サービスと大学を結びつけ、アフリカのビクトリア湖流域の早期警戒を改善してい
る。気候、気候、環境のコミュニティは、社会のニーズの高まりに対応するためのWMOの取り組み
を支援すべきである("Five priorities for weather and climate research ", Nature,· 13 December 2017)。

【変換効率30%超時代:2017年度 ペブスカイト KRICT 22.7%】 

 

 

【週刊地震予測:南関東周辺 依然 、要警戒レベル】

尚、詳細は上文クリック参照。

  ● 今夜の一曲

シェネル(Che'Nelle Cheryline Lim)

1983年3月10日にマレーシアに生まれる。父親はマレーシアの華人、母親はインドとオランダの
混血。10歳からオーストラリアで育つ 。現在はロサンゼルスを拠点とするR&Bシンガー。2005
年、MySpaceに公開していたデモを発掘され、キャピトル・レコーズとの契約。2006年にはカニ
エ・ウェストのオーストラリア・ツアーの前座に抜擢される。2007年、シングル「ラブ・ウィズ・
DJ」でデビュー。海外では芳しい反響は得られなかったが日本でブレイクし、1stアルバムが日
本国内でオリコン洋楽チャート1位を獲得。「ファースト・ラブ」「フィール・グッド」を収録
した2ndアルバムを日本で2010年に発売。ソングライターとしても精力的に活動しており、最近
ではレオナ・ルイスなどへの楽曲提供も手掛ける。 

  歌手   シェネル
  作詞   松尾潔
  作曲   川口大輔

  傷つくことには慣れているけど
  かなしむ人を無視できるほど器用にはできてない
  はじめから気づいていたの
  嘘で守れる真実なんて真実じやないことを
  罪と罰愛の定義さえ人が決めるものよ

   通りすぎた時間だけをただ恨かしむのは好きじゃない
  夢みていた末来たちとちがう景色を見てちがう人愛した
  それでもまだ運命(さだめ)を信じてる 

  lt's my, it's my destiny ・・・・・・ 



年末まで2週間。今年はヒット曲がなかったのかと疑うほど大ヒット曲がなかっような気がす
るもののそういえば「恋」「前前前世」などがあったが、邦楽、洋楽にしろ記憶になるヒット
曲はないねという感想しかたがないので今宵チョイスした曲がこれ。切ない歌声がいいねとい
うのがその理由。 

 


黄金の国 金神社

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        離婁(りろう)篇    /    孟子      

                                 

      ※  道は身近にある:遠は身近にある。だが人は遠くにあるものと思ってい
     る。それを実践するのはたやすい。ところが人はむつかしく考えている。
     各自が親を愛し、目上を敬いさえすればよい。それで天下は泰平となる。
     自暴の輩とは、ともに語りあうことはできない。

 




   かき数(かぞ)ふ 二上山に 神さびて 立てる栂の木 本も枝も 同じ常磐に 愛しきよし

  
                       大伴家持 / 万葉集 第17巻4006



         崖に張り出す栂の根に青大将    /    福田甲子雄


【樹木トレッキング Ⅹ:ツガ】 

ツガ(栂、学名:Tsuga sieboldii)は、ツガ属(ツガぞく、学名:Tsuga)――雌雄図株の常緑高木。
東アジア、ヒマラヤ、北アメリカに約10種が知られ、日本には次の2種がある。(1)1年枝
は尨毛,暖帯から温帯に分布するツガ、(2)A.1年枝は短毛がある。 2,000m付近の亜高山帯
に多いコメツガ――マツ科に分類される属の1つ ツガ属(Tsuga)、マツ科ツガ属に分類される
常緑性の針葉樹。別名をトガというが、これは、かつて咎人をはりつけるのに使ったためとの説
がある。直立する大木になり、高さ30m、胸高直径1mに達する。樹皮は灰色がかった赤茶色で亀甲
状にはがれる。葉は扁平な針状で、表面は深緑でつやがあり、主軸に沿って窪みがある。先端が
少しくぼんでおり、葉先が二つに分かれたようになっている。その点でモミにも似ているが、モ
ミは二つの先端が鋭く尖っているのに対して、ツガは丸まっている。また、枝からの葉の付き方
がモミとは若干異なっていることで識別できる。球果は小柄で楕円形、長さ2.5cm程度で、枝先に
やや下を向いてぶら下がる。日本の本州中部から屋久島にかけてと韓国の鬱陵島に分布する。暖
温帯(照葉樹林)から冷温帯(落葉広葉樹林)の中間地帯(中間温帯林)に主に分布する。その
範囲では比較的普通に見られる樹木であり、時に優占種となる。モミと混成することがあるが、
モミが山腹に生育するのに対して、ツガは尾根筋によく生育する。なお、一部の地域ではトガサ
ワラも混成する。建材として用いられるほか、樹皮からタンニンを取り、漁網を染めるのに使わ
れた。秋篠宮文仁親王のお印に用いられている。

 

 

  


【抗癌最終観戦記 12:尿1滴でがん診断】

12月16日、名古屋大学などの研究グループは、肺や膵臓、肝臓、膀胱、前立腺などのがんを
1ミリリットルの尿から特定する技術を開発したことを公表。生体機能を制御しているマイクロ
RNAが、がんの増殖や転移にも関わっていることに着目した成果。これまでも、尿中の細胞外小
胞体がマイクロRNAを内包することは知られていたが、尿中の細胞外小胞体は濃度が極めて低く、
効率よく捕捉する技術が存在しなかったが、尿中マイクロRNAによるがん診断は困難だと考えら
れていた。今回は酸化亜鉛を用いたナノワイヤーと呼ばれる微細構造を使って尿中の細胞外小胞
体を捕捉する技術を開発。尿中細胞外小胞体を99%以上捕捉に成功。



研究グループはこのナノワイヤーで捕捉した尿中細胞外小胞体を解析し、尿中に千種類以上のマ
イクロRNAが存在することを発見。人間のマイクロRNAは2千種類以上見つかっているものの、
尿中マイクロRNAについては従来、200~300種類しか明らかにできていなかった。さらに、
がん患者と非がん患者の尿を解析することで、がん患者と非がん患者で特異的に発現しているマ
イクロRNAが尿中にも存在することも明らかになった。

検出時間に40分ほど要しているが4分以下の時間で検査できればこの技術は世界を席巻でき革
命的な事例となる。恐るべし黄金の国(技術立国)のジャパングである。面白い。

今回、名古屋大学大学院工学研究科 教授の馬場嘉信氏と、同助教の安井隆雄氏らの研究成果。九
州大学先導物質化学研究所 教授の柳田剛氏、国立がん研究センター研究所分子細胞治療研究分野
分野長の落谷孝広氏、大阪大学産業科学研究所 特任教授の川合知二氏らと共同で取り組んできた。

 

Science Advances  15 Dec 2017:Vol. 3, no. 12, e1701133 DOI: 10.1126/sciadv.1701133

 Dec. 12, 2017


     No.117
 

【ソーラーエネルギー蓄電池篇】 

● 米国天然ガス発電所市場の10ギガワット以上を占める「ソーラ+蓄電池」

太陽光発電と蓄電池は、特定市場の最大容量天然ガス設備コストよりに安価である。新しい調査
では米国の2027年までに10ギガワットの天然ガス高電気需要発電所の存立を脅かされると
指摘。より積極的な提案は、米国で2020年以降にガス高電気需要発電所は存立できず「再生
可能エネルギー+蓄電池」の時代の幕開けを示唆する。1つのテスラ製バッテリー発電所と一般
的なピ高電気需要発電所は、電力需要が変化する時期(太陽が沈む時間)に、応答時間が速い電
気でギャップを実際、再生可能プラントから得られる安価な電力を使わずに蓄電池けでも、高電
気需要発電所とほぼ同じコストとなっている。

テスラの100MW / 129MWhプロジェクト使用の一例。 Aliso Canyon(テスラも参加した)の天然
ガスプラントを部分的に置き換えたカリフォルニア州のプロジェクトが実動。近い将来に2つの
追加の高電気需要発電所と1つの大型ガス発電所を置き換える議論があり、規制当局は蓄電池を
使い系統にとって重要である。2つのテスラのバッテリー発電所と一般の高電気需要発電所は、
電力需要が変化する時期に、応答時間の速い電気でギャップを埋めるために支払う電力市場に参
加。ミネソタ州の調査報告によれば、現在のところ、太陽光発電+貯蔵発電所の正味コストは天
然ガス高電気需要発電所よりも安くなっている(下図、右側2図示。 実際、再生可能プラント
から得られる安価な電力を使わずに蓄電池だけで、高電気需要発電所とほぼ同価格である)。

電力会社の大手CEOは、さらに積極的な時間枠で、高電気需要発電所が2020年までに米国で完全
廃止が検討されている。また、2015年に、2020年以降に建設されるもう1つの高電気需要発電所
がたらない場合、蓄電池量が現在の2倍以上になると危険にさらされ、太陽光は30~50%高
くなりった。昨日のプレゼンテーションで、@ shaylekannは、2018年から2027年の間に建設され
る予定の20ギガワットのガス高電気需要発電所のうち、その市場の10ギガワットが蓄電池に
よって消費される可能性がある。また、2025年以降に新たな高電気需要発電所が建設されない可
能性を示唆している。

しかし、重要なことは、電力貯蔵施設がユーティリティ規模の高電気需要発電所市場で大きな役
割を果たすことであり、すでに転換点を超えている。既に計画されている蓄電池プロジェクトが、
より大きな市場を占めることを可能にし、価格をさらに下げり続けることである。住宅の太陽を
考えるか、太陽を理解することで、地元の請負業者とつながるり、プロフェッショナルな住居相
談を受けることが可能となる。 

 

 

  ● 今宵の一曲

『北の漁場』

    作詞 新保カオル
   作曲 桜田誠一
   編曲 斉藤恒夫


   いのち温(ぬく)めて酔いながら

   酒をまわし飲む

   明日の稼ぎを夢に見て

   腹に晒(さら)し巻く

   海の男にやヨ凍る波しぶき

   北の漁場はヨ男の仕事場サ

   沖は魔物だ吠えながら

   牙をむいてくる

   風にさらした右腕の

   傷は守り札

   海の男にやヨ雪が巻いて飛ぶ

   北の漁場はヨ男の遊び場サ

   銭のおもさを数えても

   帰るあてはない

   二百浬(カイリ)をぎりざりに

   網をかけてゆく

   海の男にやヨ怒涛(なみ)が華になる

   北の漁場はヨ男の死に場所サ


〔韓国語〕

   생명 온도 (따뜻함) 메테 취기하면서

   술을 돌려 마시는

   내일 벌이를 꿈꿔

   배에 晒 (또한)하고 완화

   바다의 남자와 요 얼 물보라

   북쪽의 어장은 사나이의 일터

   바다는 마을마다 짖으면서

   송곳니를 내밀지

   바람에 맞은 오른팔의

   상처는 부적

   바다의 남자와 요 눈이 감아 비행

   북쪽의 어장은 사나이의 놀이터 지원

   쩐의 오모를 세 어서

   돌아 정처없는

   이백 浬 (해리)를 사위 ざり에

   그물을 걸어 간다

   바다의 남자 や요 노도 나미가 화된다

   북쪽의 어장은 사나이의 죽을 곳 지원

「北の漁場」は、北島三郎の歌。1986年6月5日にシングルが発売された楽曲。ところが、
故藤圭子が歌っているビデオを「You Tube」でみつけ観る。なぜ、聞きたくなったのか。ニュー
スで北朝鮮から続々と流れ着く木造船問題が原因――相次ぐ漂流船の正体は工作船などではなく、
一獲千金を狙い、海の荒れる季節に無理をして出漁した「水産基地」のイカ漁船(漂流漁船の正
体は何か? 荒唐無稽な工作船説、アジアプレス・ネットワーク、2017.12.04)――という情報も
あるが、国家の組織/計画/意図的な行為なのか、北朝鮮の政治経済的背景とした漁民の経済行
為なのかよくわからないが、貧相で困窮した国民生活があるのだと哀れさが覆っているように見
え、それを一時的にも払拭したい思いで鑑賞する。

 

ところで、韓国・朝鮮民主主義人民共和国は「金」の名字が多いのは王侯貴族の姓を平民・奴隷
が真似たといわれるが、金日成の系譜(世系)は定かでないといわれるが、スターリンの一国社
会主義政策に乗って最高指導者におさまったことだけは歴史的事実。その三代目にして身上を潰
すことになるのだが本人は逆らっている、というのが現状であり、韓国をはじめ近隣諸国が迷惑
しているという非常に情けなくも哀れな国情になっている。



話は変わるが、同じ金でも岐阜県岐阜市にある神社、金神社(こがねじんじゃ)が金の御朱印爆
発的人気で話題となっているという(金の御朱印爆発的人気SNSで話題、岐阜新聞 Web、2017.
12.17)。それによると、商売繁盛や金運招福で知られる岐阜市金町の金(こがね)神社で、毎
月最終金曜日のみ参拝者に授ける「金の御朱印」が爆発的な人気となっている。11月は、最低
でも2時間待ちとなる2500人もの参拝者が殺到した。御朱印は、参拝した証として手帳のよ
うな「御朱印帳」に神社側が記す墨書きの文字や印。近年は、御利益があるとして御朱印集めを
楽しむ女性「御朱印ガール」などが注目を集めている。金神社の金の御朱印は、5月末の金曜日
から実施。神社名などを金色の絵の具で書くユニークさが会員制交流サイト(SNS)で話題と
なり、テレビなどメディアが取り上げて人気に火が付く。いつか車を走らせることに。 

  

金神社(こがねじんじゃ)は、岐阜県岐阜市にある神社である。国史見在社で旧県社。鎮座地は
岐阜市の中心部に位置し、古くから金運、財運に利益があるとされる。また、付属施設である金
会館は地域の交流の場として利用されている。祭神は金大神(こがねのおおかみ)を主祭神に、
渟熨斗姫命(ぬのしひめのみこと)、市隼雄命(いちはやおのみこと)、五十瓊敷入彦命、日葉
酢姫命の4柱を祀るが、一説に渟熨斗姫命を金大神と称すとも、渟熨斗姫命以下4柱の総称が金
大神であるともいう。


  

カズオ・イシグロ入門

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        離婁(りろう)篇    /    孟子      

                                 

      ※  人を見わけるにはは:人を見わけるのに、瞳ほど正直なものはない。瞳
     は心の邪悪をおおい隠せない。心が正しければ瞳は澄んでいる。心が歪
     んでいれば瞳は濁っている。相手のいうことを聞くと同時に、瞳を見れ
     ば、相手はどんなに正体を隠そうとしても、隠しきれない。

 

 【樹木トレッキング 11:コメツガ】 

コメツガ(米栂、学名:Tsuga diversifolia)は、マツ科ツガ属の常緑針葉樹。日本の固有種。和名は
「葉が小さいツガ」の意味。「アメリカ産のツガ」を意味するベイツガ(米栂、アメリカツガやカ
ナダツガなどの総称)とは別種である。本州の青森(八甲田山)から紀伊半島(大峰・大台ヶ原)、
四国(石鎚山・剣山)、九州(祖母山)までの、冷温帯上部から亜高山帯にかけての山岳地帯に分
布する。特に亜高山帯の下部では純林状に密生することが多い。ツガと酷似するが、自生する高度
の違いと葉がやや小さい点で識別できる(ツガははるかに温暖地を好み、照葉樹林から落葉広葉樹
林の間の中間温帯林に分布の中心があるため、コメツガと混生することはない)。高さは20mから、
大きいものでは30mにも達する場合がある。樹皮は灰褐色で亀甲状にはがれ、トウヒ属とやや似てい
る。一方、葉はモミ属と似ている(ただし葉の付き方がモミ属とは異なる)。球果は長さ1.5-2.5cm
ほどと小型で、枝先にやや下を向いてぶら下がる。

 

      No.118

【ソーラータイル篇:生物模倣技術の応用】 

● 蝶の羽の構造をヒントに吸光度最大200%向上

11月14日、カールスルーエ工科大学(Karlsruhe Institute of Technology=KIT)の研究グループ
はるベニモンアゲハナノ構造を太陽光発電パネルに再現し、吸光度を最大で200%上昇させるこ
とに成功したことを公表。太陽光発電パネルの表面にあたる光のうち、反射されるものは未使用の
エネルギーとして失われていくことになります。インドから東南アジアにかけての熱帯域に生息、
近年では沖縄や奄美諸島でも見られるベニモンアゲハは、その羽の表面が無数の小さい穴に覆われ
るナノ構造を持ち、滑らかな表面よりも多くの光を吸収することを研究し応用する。 

ベニモンアゲハの羽は極限に近い黒色が特徴とされていますが、これは熱取得のために最適な色に
なったと同時にその構造自体も目に見えないレベルで太陽光を吸収しやすい形へと変えていった進
化の背景を特ちます。カールスルーエエ科大学では高い吸光度を特つ羽の構造を薄膜シリコンの表
面に加えたことで予想以上の結果を得る。パネルに垂直光に対し従来型と比較して9%高い吸光度
を持つが、注目すべきは入射角が低い状況での性能と言えます。入射角50°では吸光度が200
%以上高くなり、冬季の発電効率向上にもつながると予想している。ただし、吸光度の上昇度合いは
発電効率に直結しないが、太陽光発電パネル表面に細孔を作り出す前には、蝶の羽が特つ構造をナ
ルベルで穴の直径や並び方を顕微鏡で詳細に分析し、シミュレーションを使用して様々なバリエー
ションの吸光度が比較されました。細孔のサイズ(133~343nm)や並び方が不規則であるのは、吸光
度を入射角のような条件が変化しても安定させるために最適な方法あることが判明したことを背景
とする。

研究に使用されたのはアモルファスシリコンとなっており、各種の薄膜太陽光発電パネルヘと応用
が可能であることが期待されます。薄膜型のパネルは従来型と比較して吸先肩が圧倒的に薄くなる
ため、使用される原料も少なく、低コストで生産することが可能だが、発電効率が低いことが欠点
となる。この欠点が吸光度の上昇により改善するのであれば、将来的なポテンシャルは高くなる。ホ
ットスポットフリーモジュールパネル本体の発電効率を上げる技術の他に注目されているのは運営
上での効率。1年を運し発電する際に発生する問題の一つとして注目されているのはホットスポッ
ト。ホットスポットは落ち葉などがパネルの表面に付着して影となった場合、発電を行わないパネル
にも発電した電気が流れ、発電できない状態のセルを含む列が抵抗体となりその部分が発熱、セル
が破損する。ホットスポットの防止に発電回路の中にある欠陥セルを含む欠陥クラスタを回避させ
るバイパスダイオードという仕組みがある。これにより発電効率の低下や火災防止が実現されます
が、厳密に言うと、1つのセルの故障でもクラスタ全体をパスするため、パネル自体の発電効率は
下がる。

 

  

ホットスポットフリーモジュールでは、シッ欠陥セルが発生してもクラスタ全体ではなく、欠陥セ
ルのみの単体がパスされることになるため、発電効率の低下を最小限に抑えることができます。モ
ジュ(下写真:Radwanul H. Sjddique,KIT/CalTech)-ル1枚で欠陥セルが2か所に発生すると、従来型
でバイパスダイオードとなるとクラスタ2列が機能しなくなり、効率は3分の1程度に落ちること
もあり得る。ホットスポットフリーモジュールではクラスタ全体は発電を続けるため、発電効率は
最大限の時と比較しても90%以上を保つことも可能となる。太陽光発電パネル自体の技術はパネル
表面の構造からこうした発電回路の仕組みまで、改善の余地は少なくありません。限られた土地や
部分での発電量向上は今後も様々な形で継続することが期待される(出典:環境ビジネス、2017年
冬季郎、文・永井宏治氏)。 

 



【量子ドット工学篇:半導体ナノ粒子が光を電子へ変換する過程を解明】

● 高効率な太陽電池や光検出器への基礎メカニズム

12月14日、京都大学の研究グループは、直径5~6ナノメートルの半導体ナノ粒子にレーザーパ
ルス光を照射することで、光を吸収したナノ粒子内部の多数の電子が、量子力学的な相互作用によ
り特殊な状態を作り出していることを世界で初めて発見したことを公表。半導体ナノ粒子は化学合
成によって作られるナノメートルサイズの微結晶。高い発光効率を示す、すでに色鮮やかな液晶デ
ィスプレイの発光体に使用されている。ナノ粒子の多彩な色を作り出すのは「量子閉じ込め効果」
と呼ばれる量子力学的な現象で、電子を数ナノメートルの領域に閉じ込めることで生じる。この量
子閉じ込め効果を最大限に活かす研究として、光から電気エネルギーへの変換(光電変換)に利用
する応用研究が世界的に進められているが特に、ナノ粒子では1つの光子から多数の電子を生み出
すことができる「マルチエキシトン」という状態について研究が行われているが、ナノ粒子が光を
吸収して多数の電子を生み出す過程は直接的に観測することが難しく、これまで明らかでなかった。



同研究グループは、ナノ粒子の超高速な量子力学的変化を測定する手法を独自に開発し、ナノ粒子
が光を吸収した直後の状態を観測することに成功する。照射する2本のパルス光の位相を制御するこ
とで、ナノ粒子内に作り出したマルチエキシトンの量子力学的な干渉効果を測定を実現する。その
結果、マルチエキシトンが生成された直後は、レーザー周波数に追従して振動する量子力学的な状
態(コヒーレント状態)を作り出すことを初めて観測。さらに、マルチエキシトンを形成している
電子と正孔(電子が抜けてできた空孔)の個数に応じて、レーザー周波数の1倍・2倍・3倍の周波数
を持つ量子力学的な振動状態が生み出されることを世界初となる発見。これらの量子状態は、1つ
の光子から多数の電子を生み出す駆動力になるので、ナノ粒子を光吸収体として利用した太陽電池
や光検出器の高効率化につながると期待されいる。  
DOI:https://doi.org/10.1103/PhysRevLett.119.247401    

【世界初 伸縮式太陽帆】 
平和のボートは1983年以来、世界を航海してきました。教育によって平和の文化を構築する運動。
2020年に海洋航行用新型クルーズ船を公表。「世界で最も環境に配慮したクルーズ船」であるオリ
バーデザインでは、クローズドループの水系、クジラ系の流体力学的な船体、伸縮自在のソーラー
セイルが特徴。従来のクルーズ船、毎日約80,000リットルの下水を発生させ、最小限処理された下
水を投棄する。日本に拠点を置くPeace Boatは、10個の開閉可能な風力発電機と10個の伸縮式太
陽光発電帆からパワーを得る、エネルギー効率が高い環境配型クルーズ船。排水ゼロで、閉鎖され
た廃棄ループと閉鎖された水ループでほぼ廃棄ゼロを目標とする。スペインに拠点を置くオリバー・
デザインは、2,000人の乗客に適合する6万トンの海洋ライナー計画策定する。余分な水を吸収して
二酸化炭素を捕獲し、堆肥としての役割を果たす5の植物デッキを備え、垂直型農場では、航海者
用野菜つくられる。2000年以前に建設された典型的なクルーズ船と比較し約40%の二酸化炭素を
削減、現在設計に対して約30%削減を見込む。さらに、この船には、運動場と750キロワットの太
陽光発電を配置し、ハイブリッドエンジンは、液化天然ガス/ディーゼル駆動する。ライナーは推
進エネルギーの200%削減と電気負荷の50%削減の設計仕様となっている。現在Peace Boatの教
育旅行の主催意外に、海洋、気候、グリーン技術研究に専用浮動研究室とし機能させる他、2020年
のオリンピック大会に間に合わせ準備している。
 


【12月16日より豪州のバイロンベイでソーラー列車運行】

屋根の上にフレキシブルソーラーパネルを備えたウィンテージキャリッジ列車は、ソーラー充電鉄
道駅とバイロンベイのリゾート地の間を移動する(世界初)。バイロンベイ鉄道会社は、百%太陽
光発電の遺産列車で、未使用のトラックを再使用する。 非営利団体のバイロンベイは30キロワッ
トのソーラーアレイ、蓄電池システム、充電ステーションを配置、バイロンベイの町との間に、3
キロ軌道をバイロンベイリゾートとして改装する。ソーラートレインは、一度に最大100人の乗客を
運ぶ6.5キロワットソーラーアレイを備え 屋上のソーラーアレイは77キロワットアワーの蓄電
池に供給、また、駅のソーラーアレイも充電に利用するシステムとなつている(バッテリーはTesla
Model Sとほぼ同じ容量、ソーラートレインは運行は約4キロワットアワー必要だが12-15回の
走行には十分な電力となる。"回生制動機能は、ブレーキをかけるたびに電車が使用済みエネルギー
の約25%を回収する使用となっている。



【インド 世界最大級の太陽光/風力接合型発電事業を計画】

11月14日、印度の新再生可能エネルギー省は、アンドラ・プラデシュ州アナンタプール地区で、世
界最大の太陽光/風力ハイブリッドプロジェクトを計画していることを公表。このメガプロジェク
トは160メガワット容量、1000エーカーの土地面積に建設される。これにより約1000億クローネ
(約1億5,500万米ドル、約181億円)を投資( 世界銀行はこのプロジェクトに資金を提供)。こ
のハイブリッドソーラー風力発電プロジェクトは、インドのソーラーエネルギーコーポレーション
(SECI)、アンドラプラデシュの再生可能エネルギー代理店、NREDCAP、アンドラプラデシュトラ
ンスコの共同開発――120メガワットの太陽光発電と40メガワットの風力エネルギー設備――となる。

世界銀行がプロジェクトに資金を提供することに同意したということは、国内の既存の火力発電所
であっても、極めて競争力が高いことを証明する。世界銀行は、今年初めにMadhya Pradesh州で750
メガワットの太陽光発電所の資金提供している。このソーラーパークのオークションは、当時の同
国で最も低い太陽光発電関税記録を破ることになる。



【読書日誌:カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』】

カズオ・イシグロ(Kazuo Ishiguro OBE, 漢字表記:石黒 一雄、1954年11月8日 - )は、長崎県出
身の日系イギリス人小説家である。1989年に長編小説『日の名残り』でイギリス最高の文学賞ブッ
カー賞を、2017年にノーベル文学賞を受賞した。ロンドン在住。1995年に大英帝国勲章(オフィサ
ー)、1998年にフランス芸術文化勲章を受章している。2008年には『タイムズ』紙上で、「1945年
以降の英文学で最も重要な50人の作家」の一人に選ばれた。作品の特徴として、「違和感」「むな
しさ」などの感情を抱く登場人物が過去を曖昧な記憶や思い込みを基に会話・回想する形で描き出
されることで、人間の弱さや、互いの認知の齟齬が読み進めるたびに浮かび上がるものが多いとさ
れる。かれの著書を手にする初めてであり、ファーストライフを終え、セカンドライフに入り、街
に出て本屋で本を手にする、あるいは、電子出版時代に突入し、偶然手にする機会が極端に減った
せいもあり見過ごす典型例でもあろう。『火花』などはテレビ評判になり紀伊国屋書店から電子ブ
ックを配信入手していることと、現在続けている作業に埋没し、図書館に行く機会も激減している
こともある。そのことが今回の購読動機――村上春樹が今回もノーベル賞を逃した小さな波紋とな
って――直接原因かもしれないが、カズオ・イシグロのインタービューテレビで見て同調感が涌き
入門することになる。



『忘れられた巨人』(The Buried Giant)は、日本生まれのイシグロが、『わたしを離さないで』
(2005年)から10年ぶりに書いた長編小説。2015年3月にイギリス・アメリカで同時出版された。
侵入するサクソン人(アングロ・サクソン人)に対抗したという伝説のアーサー王が亡くなってし
ばらく経った、現在イングランドと呼ぶ地域を時代背景に、ブリトン人の老夫婦が息子を訪ねて旅
をする話だという。本書の全体は4部に分かれていて17章あるが、各部・各章の主な話題が分かり
づらく、読者はすぐに霧と森と鬼とファンタジーと不確かな追憶の世界へいざなわれると解説され
ているが、さて、イシグロの作品の最初の旅路となる。

  イングランドと聞けば、後世の人はのどかな草地とその中をのんびりとうねっていく小道を
 連想するだろう。だが、この当時のイングランドにそれを探しても、見つけるのは苦労だった
 はずだ。あるのは、行っても行っても荒涼とした未墾の土地ばかり。岩だらけの丘を越え、荒
 れた野を行く道らしきものもないではないが、そのほとんどはローマ人がいたころの名残で、
 すでに崩壊が進み、雑草が生い茂り、途中で消滅していることも少なくなかった。川や沼地に
 は冷たい霧が立ち込め、当時まだこの土地に残っていた鬼たちの隠れ潜む場所になっていた。

 もちろん、近くには人も-こんな陰気な場所に定住するとはどんな事情があったのかと思わ
 せるが-住んではいた。きっと恐怖におののいて暮らしていたに違いない。姿は霧で見えな
 くても、異形の者の荒々しい息遣いはいたるところから聞こえてきたはずだから。ただ、鬼と
 出くわした人々がそのたびに腰を抜かしていたかと言えば、そうではない。鬼は、日常に存在
 した危険の一つにすぎず、心配すべきことはほかにもいくらでもあった。硬い地面からどう食
 べ物を得るか。薪をどう切らさずにおくか。豚を一度に十頭余りも奪っていくうえ、わが子の
 頬に緑色の吹き出物までつくる病気をどう防ぐか………

  いずれにせよ、鬼は、人間の側から挑発しないかがりさほど大きな問題ではなかった。たま
 に、鬼どうしの喧嘩でもあったのか、怒り狂って人間の村に迷い込んでくることはある。だ
 が、それはそういうものとして受け止めるしかない。いくら大声で追い払おうが、得物で立ち
 向かおうが、鬼は暴れまわり、逃げ遅れた者を傷つけ、ときには子供を霧の中へ連れ去る。理
 不尽きわまりないが、この世では理不尽なことも起こる。当時の人々はそんな諦めをもって生
 活していくしかなかった。


                カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』第1部/第1章

                                  この格つづく 

 

革命渦の身体限界

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        離婁(りろう)篇    /    孟子      

                                 

      ※  天下を救うもの:淳于髠(じょうんうこん)が孟子にたずねた。「男女が
     物を手から手へと渡さないのは礼儀でしょうね」「もちろん」「では、兄
     嫁が溺れかかっているとき、手をとって救うのは?」「それを救わないの
     は畜生同然です。男女が直接手から手へ渡さないのが礼儀であっても、兄
     嫁が溺れかかっているとき、手をとって救うのは臨機の処置です」「いま
     天下は溺れかかっています。先生がお救いにならないのはなぜです」「天
     下の溺れるのは道によって救うものです。兄嫁が溺れかかっているときに
     は手をとって救うが、それと同じように、天下も手で救えとおっしゃるの
     ですか」

     〈淳于髠〉淳子が姓、髠が名。斉の弁舌家。ユーモアと風刺とを武器に、
     諸国に使いして斉のだめに活躍した。孟子の弟子との説もある。

     【解説】『礼記』に「男女親授せず」とあり、とくに兄嫁と弟との間では
     固く禁じられていた。淳于髠は、これを使って、孟子をへこまそうとした
     のである。ところが孟子は、まず軽くいなして兄嫁の生命を救うために手
     をにぎるのは非礼ではない、という。本章のほかに「権」(便宜の処置)
     を認めた言説は多く、後世の杓子定規的な儒家にはみられない態度を示し
     ている。 

 

 【樹木トレッキング 12:ハリラモミ】 

ハリモミ(学名:Picea torano)は、マツ科トウヒ属の常緑針葉樹である。樹形や葉の形状がモミ属
に似るが、葉先が針のように尖っているためこの名がある。日本特産種で、福島県から鹿児島県の
高隈山までの冷温帯に分布する。太平洋側に多く、日本海側の多雪地にはほとんど分布しない。日
本のトウヒ属中もっとも低高度・南方まで分布する種類である。いわゆるクリスマスツリー型の樹
形で、大きいものでは樹高35m、直径1mに達する。樹皮は灰褐色。葉は長さ15-25mm程度と日本
のトウヒ属の中ではもっとも大型で堅い。葉の断面は菱形である。球果も長さ7-15cmほどで、比較
的大型。富士山東北麓の山梨県山中湖湖畔近くに3万本と言われるハリモミの純林があり、「山中
のハリモミ純林」の名称で日本国の天然記念物に指定されているが、台風の被害や環境の変化など
により、近年は枯死したものが多い。

トウヒ属(唐檜属、英語: spruce(スプルース)、学名:Picea)は、マツ科トウヒ属の常緑針葉樹
の総称。いわゆる「クリスマスツリー」型の典型的な針葉樹である。樹高は生育環境によって大幅
に異なるが、条件の良い場所ではかなりの巨木になる場合がある。北米太平洋岸には樹高95のシ
トカトウヒがあり、世界最高の巨木の1つである。和名に「〜バラモミ」、「〜ハリモミ」と付く
ものが散見されることからも伺えるように、樹形や葉の付き方はモミ属とよく似る。しかし樹皮は
茶色で鱗状に割け、葉の先端が尖る、枝に「葉沈」と呼ばれる突起があってそこから葉がのびてい
る点がモミ属と異なっている。葉の断面は横に扁平(トウヒ節)の種類と菱形(バラモミ節とオモ
リカトウヒ節)な種類がある(下図参照)。

北半球の温帯から亜寒帯にかけて広い範囲に30種以上が分布する。分布の北限はシベリア・アラス
カ・カナダの北極圏、南限はユーラシアではビルマとヒマラヤ、北米ではメキシコ北部の高山地帯
に達する。タイガや中緯度山岳地帯の亜高山帯における重要樹種のひとつである。日本では、北海
道と本州中部山岳地帯の山地帯上部から亜高山帯を中心に分布し、一部の種は九州の山地まで分布
する。

      No.119

 
doi:10.1038/s41598-017-17036-3

【バイオマス篇:次世代の燃料候補】 

● シュウ酸からグリコール酸を連続的に合成

12月13日、九州大学のカーボンニュートラル・エネルギー国際研究所の研究グループは、世界
で初めてカルボン酸であるシュウ酸と水から電力を使ってアルコール様物質であるグリコール酸を
連続的に合成する装置の開発に成功したことを公表。下図のように、グリコール酸はエネルギー密
度が高く安定な化合物であり、貯蔵や輸送が容易な次世代の燃料として期待され、ピーリング剤(
Peeling agents)や生分解性ポリマーの原料として工業的にも広く使われている物質である。一方、
シュウ酸は大気中のCO2を吸収して成長する植物から得ることができる。従来のグリコール酸の合
成プロセスは、高温高圧条件を必要とするか、環境汚染物質となる有機物や塩の排出を伴うが、本
件では、電力のみを使ってシュウ酸からグリコール酸を連続的に製造する装置の開発に成功。この
技術により、効率的なグリコール酸の製造が可能になるだけでなく、再生可能エネルギーによって
作られる電気エネルギーを貯蔵性および輸送性に優れたグリコール酸に直接的に貯められるように
なる。同研究グループは、これまでに、二酸化チタン触媒がシュウ酸からの電気化学的なグリコー
ル酸合成に有効であることを発見。今回新たに基質透過性を持つ膜―電極接合体とそれを使った、
固体高分子型グリコール酸電解合成装置を作製し、この装置を用いることで、不純物を添加せずに
シュウ酸からグリコール酸を連続的に製造することに世界で初めて成功する。

Dec. 13, 2017
 図1 陰極上でのカルボン酸の還元によりアルコールが生成

※ 特開2008-224305  電子デバイス 国立大学法人九州大学  2008年09月25日
※ 特開2010-059082  シュウ酸の製造方法 王子製紙株式会社 2010年03月18日

【概要】

シュウ酸は、還元力が強く、硫酸酸性の過マンガン酸カリウム溶液を定量的に還元、脱色するなど、
分析試薬(還元剤)として使用される。工業的には、デンプンの酸加水分解による水あめおよびグ
ルコースの製造に使われるほか、染料製造原料、染色助剤、染み抜き剤グリセリン・酒石酸の精製
剤、麦わら・木綿の漂白剤などに使用される。また、シュウ酸の添加を含むパルプのオゾン漂白法
が開示されている。

シュウ酸の製造方法としては、(1)エチレングリコールを酸化する方法、(2)一酸化炭素を水
酸化ナトリウムに吸収させてギ酸ナトリウムを作り、これを加熱して生成するシュウ酸ナトリウム
を水酸化カルシウムによってカルシウム塩とし、硫酸で分解する方法が知られている。記以外の方
法として、(3)炭水化物の硝酸酸化法、(4)プロピレン酸化法、(5)一酸化炭素カップリン
グ法が知られている。また、シュウ酸は生合成されるため、(6)微生物を用いた製造方法が開示
されている(特許文献2)。また、前記(1)~(6)の方法で得られたシュウ酸には硫酸イオン
等の不純物が含まれるため、高純度シュウ酸の製造方法が開示されている。

また、無水シュウ酸を濃硫酸の存在下エタノールと加熱するとシュウ酸ジエチルが得られる。シュ
ウ酸ジエチルは、セルロースエステル、合成樹脂などの溶剤、染料、製薬、香料、有機合成試薬と
して用いられる。同様にして、シュウ酸のメタノール溶液から酸触媒の存在下で、シュウ酸ジメチ
ルを連続的に製造する方法が開示されている。シュウ酸ジメチルは、医薬、農薬をはじめ、汎用化
学品にも広範な用途をもつ。

このように工業的に重要で、製造方法も確立されているシュウ酸であるが、その製造原材料は、化
石資源に依存している。一方シュウ酸は、天然には植物界に広く見出されている。例えばカタバミ
(oxalis)の葉には、酸性カリウム塩(C2O4KH)として、藻類・菌類・コケ類などの細胞にはカルシ
ウム塩(C2O4Ca)として存在する。しかしながら、賦存量としては少ないために、これらの生物か
ら工業的にシュウ酸を抽出し、製造する方法は現実的でなかった。

本件は、未利用木質バイオマス特には樹皮より、工業原料として重要なシュウ酸を生産する方法を
提供にあっては、下図のように未利用木質バイオマス特にはシュウ酸カルシウムを大量に含む樹皮
を原材料として、酸処理してシュウ酸カルシウムを可溶化する第1工程、第1工程で得た処理液を
陰イオン交換膜により分離し、シュウ酸を含む酸を回収する第2工程、第2工程で得た回収酸から
シュウ酸を分離精製する第3工程から構成されるシュウ酸の製造方法である。

特開2010-059082 

【ソーラータイリング篇:水素製造技術】

● 海水電気分解配備メガフロート

12月19日、コロンビア大学の研究グループは、水素はきれいな燃料源は、現在は天然ガスを変
換し環境利益を取り戻すことができる。太陽光や水から水素を生成しても二酸化炭素は発生しない。
が、これを効率改善しコスト削減を下げることに成功したことを公表。その方法はこのブログの「
オールソーラーシステム」のテーマとし取り上げ、日本でも研究されている、海洋に浮かぶ「太陽
光発電装置」でそれを実用化するもの。太陽電池でエネルギーを取り込み、海水をポンプ揚水しな
い。この帆船(メガフロート)で電気分解し水素を製造する。この装置では2電極を分離する隔膜
を用いるが、隔膜の耐久性が悪く純水素の分離発生が困難である。同研究グループの開発装置は、
膜を必要とせずに海水でも水を水素と酸素に分離できる。

 海水代替硫酸電解質のプロトタイプ装置

隔膜なしで電解可能な装置の安全性の実証できれば海水電解の実用化が可能となる。太陽光発電は
本質的に人工光合成システムであり、植物が光合成と同じであり再生可能エネルギー社会を実現で
きる。ところで、隔膜の代わりに、このシステムは、非対称設計された2つのメッシュフロースル
ー電極を使用。それぞれには外縁部にのみ触媒がコーティングされ、これらの表面にはガスの気泡
が形成され、一方の電極には水素気泡が他方の電極には酸素が生成されるが、ガス回収は単純な物
理現象を応用。酸素は、表面まで気泡が吹き込まれ、空気中に散逸できる一方、水素気泡は、収集
チャンバ内に浮遊させる。


Dec. 15, 2017

この非対称電極に基づく装置は、1%という低いクロスオーバー率を達成(両側に触媒で被覆され
たメッシュ電極に基づく制御装置のクロスオーバー率が7%を超える)。次いで、非対称電極構成
をスタンドアローンの浮動式PV電解槽に組み込み、1太陽照度に対して5.3%の太陽 - 水素効率
を達成する。メンブレン、スキャフォールディング、または積極的にポンピングされた電解質が欠
如していることを特徴とする隔膜の膜のないプロトタイプの単純構造で水素製造のコスト削減が実
現できる。しかし、その手があったのかと考えさせる発明である。面白い!

【ソーラータイリング篇:ペロブスカイト系革新】

 ● 変換効率19%でグアニジン添加による太陽電池の安定性が向上!

 12月17日、EPFL(スイス連邦工科大学ローザンヌ校)の研究グループは、グアニジニウムを
ペロブスカイト太陽電池に組み込むことにより、全太陽光試験条件下で1000時間、19%の効率を
安定させることに成功したと公表。

シリコン太陽電池系が約25%に向上する中、簡素で低コストのプロセスで構築された 高効率ペロ
ブスカイト製造な多用途性を提供する研究のが全世界で進んでい中、ペロブスカイト場の主な課題
は、安定/長寿命に化が焦点となっている。シリコン・セルとは異なり、ペロブスカイトは可撓性
結晶質材料はり、時間経過とともに分解するため商業的にはシリコン系よりは高付加価値/機能性
の開発に求められている。したがって、長寿命で高効率を維持できるペロブスカイト材料の合成開
発が進展、今回異なるカチオン(正に荷電したイオン)をペロブスカイトの結晶構造のその材料と
して、セシウム/ルビジウムのような無機カチオンの組成物中混合の成功例が報告されているいる
が実用性には乏しい。

その一方で、効率/安定性の両方の改善できる有機物は合成されずにきたが、コルポバ大学のEPFL
Valais WallisのMohammad Khaja Nazeeruddin研究室で、大きな有機カチオン・グアニジニウム(CH 6
N 3 +)をヨウ化メチル鉛ペロブスカイトに導入することによって、ペロブスカイト安定性を改善で
きることを今回発見した。グアニジニウムがペロブスカイトの結晶構造に挿入され、材料の全体/
熱/環境安定性を向上させ、「ゴールドシュミット耐性因子限界」を克服。これは特定のイオンが
どれほど相溶性であるかを表わし、理想的なGoldschmidt耐性因子は1以下が求められる中グアニジ
ニウムはわずか1.03である。



図 最新のMAPbI3と比較して連続光照射下での新規MA(1-x)GuaxPbI3ペロブスカイト材料の安定性

この研究では、グアニジニウムの添加によりペロブスカイトの材料安定性が大幅に改善され、19
%以上の平均変換効率(19.2±0.4%)を達成、標準的な実験室試験である連続光照射下で1000時間
安定化した光起電力材料の効率を測定実証――実際使用時間は1333日(または3.7年)に相当。
これは、温度が10℃ずつ上昇するにつれて標準加速係数を2とすると、加速係数は25℃ではな
く55℃と推定され1000時間は8000時間になる。また、60℃作製処理しているので数値
数はもっと高くなる可能性があり、毎日6時間の日照、または平均放射照度250Wm-2(北アフリカ
相当)を仮定すると、総日数は1333日で、44.4ヶ月、3.7年の安定性に相当――標準太陽
電池認定には、温度サイクルや湿熱を含む一連のストレステストが必要――する。無機骨格内の水
素結合数を増やし安定性を改善した三次元構造を維持しながら、許容因子限界を超えるさらなる陽
イオン混成競争に打ち勝つ可能性があることから、ペロブスカイト設計の新しいパラダイム提供す
ることになるだろうと担当者は語っている。これは大変興味深い情報だ。





【電動バイク篇:クールな水上バイクで琵琶湖でリフレッシュ】

● びわイチは、陸上だけでなく水上も並行できる事業

退屈な古い道路でのサイクリングを忘れてしまう。 ニュージーランドに 拠点を置くManta5社は、
サイクリストが水上を滑走できるように水中翼車を作った。バッテリーと静かな400ワットの電
動モーターを装備したHydrofoiler XE-1は、サイクリング世界に衝撃をあたえている。海岸線と水路
を一瞥し、水上でのサイクリングを夢見てきたが、サイクリング愛好家や自転車デザイナーの仲間
で、6年間ウォーター・バイクの開発に取り掛かる。Hydrofoiler XE-1は、1回の充電で約1時間の
ペダル支援できで電気モータからブーストできる。Manta5は、最先端の防水技術により、バッテリ
ー/モーターは塩水と淡水の両方で長時間運転できると宣伝。炭素繊維で強化されたナイロンプロ
ペラが低速推力を生み、最高速度で抗力を低減。 自転車のフレームは、軽量で高強度の航空機用
アルミニウム合金で構成される。モジュラー設計で、Hydrofoiler XE-1を組み立て輸送が簡単となる。

同社は、来年年2月に販売開始予定。ウォーターバイクの価格は約6237ドル(約71万円)。
国際化する前にニュージーランドで少数の限定版モデルをリリースする計画だが、国外に住む人々
もアクセス可能。。



【バイオ態様電池篇:最新生物太陽電池技術】



12月10日、ビンガムトン大学の研究グループは、数平方センチメートルのラボ・オン・チップ・
デバイスに小さな生物工学太陽電池設計したことを公表。この太陽電池は、これまでの電池より時
間、より大きな出力密度を生成するとのこと。最近、強力な小型化生物太陽電池(BSCs)は、昼夜
のサイクルに渡り微生物の光合成/呼吸運動により電気を持続的発電、自立可能な再生可能な電源
に貢献できるが、これまで、電力消費量が比較的少なく、寿命が短いため、実用化が難しかった。
バイオソーラーセルは、HIVに対する血液サンプルの迅速分析や感染症診断など、 開発途上国にお
ける用途がある。これらの小さなツールは遠隔地や限られたリソースで動作するように独自のエネ
ルギーを生成できる。

 DOI: 10.1039/C7LC00941K

●  革命渦の身体限界

ガラ系からスマートフォーン(iPhone/Apple) 切り替える。朝からあわただしい。免疫力の低下
を実感している。凄い時代だ。

 
 

ヴィヴァルディとポリート

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        離婁(りろう)篇    /    孟子      

                                 

      ※  君子はわが子を教えない:公孫丑が孟子にたずねた。「君子は自分では
     自分の子を教育しない。これはなぜでしょうか」「自然にそうなるのだ。
     教育するほうでは、子供を正しい人間にしたいと思って努力する。とこ
     ろが相手が勉強に熱心でないと、つい復を立てる。腹を立てれば、かえ
     って子供を傷つける。子供のほうもまた『おとうさんはぼくに正しくな
     れといいながら、自分だってまだ正しいことができないしゃないか』と
     思う。これでは父と子が傷つけあうことになる。傷つけあっては良い結
     果は生まれない。むかしは自分の子供を人の子供と交換して教えあった
     ものだ。親子の問でたがいに善を強いるのはよくない。善を強いれば仲
     違いするからだ。親子の仲違いほど不幸なことはない」

     【解説】教育に、特別な感情や利害関係がからひとかならず失敗する。

 

 【樹木トレッキング 13:トウヒ】 

トウヒ(唐檜、学名:Picea jezoensis var. hondoensis)は、マツ科トウヒ属の常緑針葉樹。エゾマツ
の1変種で、北海道および北東アジアに広く分布する。本州の紀伊半島大台ヶ原から中部山岳地帯
を経て福島県の吾妻山までの、海抜1,500-2,500 m にかけての亜高山帯に分布する。本州中部の山
地を生産地とし,紀伊半島大峯山系にもある。エゾマツと同様にまっすぐな樹幹をもつ高木である。
尾瀬付近のものはトウヒと同様であるが,樹皮がエゾマツのようにあらく深くさけるので,オゼト
ウヒの新名を与えてもいる。材は各種の建築材,漆器木地,器具材,船舶材,包装箱,パルプなど
のほか,目がとおっていて,美しいのでヒノキの代用材としてエゾマツとともに賞用される。最終
氷期か、それ以前の氷期に本土まで南下して本州の広い範囲に分布を広げたエゾマツが、氷期の終
わりとともに本州中部の山岳地に取り残された群落の子孫である。当然、最終氷期には両者の中間
点である東北地方にも広く分布していたが、現在は吾妻山より北の東北には分布しない。これは、
トウヒがあまり大量の積雪には弱く、この地域の山岳が世界有数の多雪地域であるためと考えられ
る(最終氷期の日本は、現在より寒冷だが降雪量も少なかったと推定されている)。

 

本州のトウヒ属の中ではもっとも分布域が広く、数も多いが、それでも亜高山帯林の中ではモミ属
と比べるとかなり少数派である。ただし、倒木を苗床にして稚樹が育つ倒木更新によって生育する
場合が多いため、1カ所に数本がかたまって自生している場合が多い。大台ヶ原では、日本では珍し
いトウヒの純林があるが、鹿の食害のため危機に瀕している。

  
Bollito Misto in stile giapponese

【落合務さんの「和風ボリート」】

ボリート・ミストとはイタリア北部料理のことで、いろんなものを合わせ茹でたもの。肉。ボリー
ト・ミストはピエモンテ州の郷土料理で、ピエモンテ州では、肉の部位をいろいろお鍋に入れてぐ
つぐつと煮込む。日本では「イタリアのおでん」ともして紹介されているが、私が思うに、ボリー
ト・ミストは「イタリアの肉のおでん」、また、これにはサルサ・ヴェルデというイタリアンパセ
リソースをがかかせないという。12月19日、「あさイチ」のテレビ録画――夢の3シェフ競演 
オレのおでん――を再生すると落合務イタリアンシェフの「和風ボリート」にに注目する(上/右
下写真:他のシェフの料理が気に入らないというわけではない)。機会があれば、宅食一人鍋のア
レンジにチャレンジすることに。 

  ● 今夜の一曲

ヴィバルディといえば四季――「四季」(イタリア語:Le quattro stagioni、英語表記はThe Four Sea-
sons)は イタリアの作曲家・アントニオ・ヴィヴァルディによって作曲された、12楽章から成る
ヴァイオリン協奏曲集。その四季といえば、冬――協奏曲第4番ヘ短調RV.297「冬」(L'Inverno)、
第1楽章 アレグロ・ノン・モルト寒さの中で身震いしている。足の冷たさを振り解くために歩き
回る。辛さから歯が鳴る。ソロヴァイオリンの重音で歯のガチガチを表現している。第2楽章 ラ
ルゴ外は大雨が降っている、中で暖炉で満足そうに休息。ゆっくりしたテンポで平和な時間が流れ
る。第3楽章 アレグロ私たちはゆっくりと用心深く、つまづいて倒れないようにして氷の上を歩
く。ソロヴァイオリンは弓を長く使ってこの旋律を弾き、ゆっくりと静かな旋律に続く。しかし突
然、滑って氷に叩きつけられた。氷が裂けて割れ、頑丈なドアから出ると外はシロッコと北風がビ
ュービューと吹いていく。そんな冬であるが、もうすぐ楽しい春がやってくる叙景詩楽構成となっ
ている。この曲をBGMとして流して、モルトウィスキーではなくウイスキー焼酎?のトリスの自家
製レモンをホット・ウィスキーと「和風ポニート」に加えこれを頂く冬至の夜も乙なもの、いや格
別なものれはないか。ところで、この協奏曲第4番ヘ短調の基調旋律はきわめてシンプル、そこに
演奏者のアレンジメントで自由に追うよう展開できる楽曲である。恐るべしヴィバルディ、そうだ
ったのかヴィバルディ、である。

 

 【世界で一番美味いひとり宅めし Ⅴ】



● 5分で完成 激ウマ釜玉うどん 絶品オールラウンダー

①冷凍うどん1王を電子レンジ(500ワット)で4分10秒ほど加熱する。その間に丼に生姜チ
ューブ小さじ1、卵1個を入れてかき混せる。②この丼にうどんを加え、30秒放置する。③丼に
めんつゆおおさじ2をかけ混ぜ、鰹節3つまみと白ごま小さじ1をかける(合計:58円)。

● うどんチーノ 食感はうどん、味はペペロンチーノ

①冷凍うどん1王を電子レンジ〔500ワット)で4分10秒加畝し、その間ににんにく2かけをスライス
する。②熱する前のフライパンにスライスしたにんにくとオリープオイル大さじ2を入れ中火で焦げ目がか
つくまで1分30秒ほど炒める。③弱火にして、うどん①のうどん、塩こしょう1~2ふりかけ、フライパ
ン加えてあえる(合計:120円)

S君への追伸:寒さが厳しくなった、手軽で絶品のひとりメシレシピを連載しておく。君にパワーを!

● 今夜の寸評:ビットコインって信用できるの?

車を運転しながら突然彼女が、ビットコインって信用できるのと聞くので、自己責任で運営する決済手段な
んだよと返事をすると、リスクはあるの?とだめ押しするので、政府担保する通貨と同じ共同幻想をともな
うよ、為替管理に必要な膨大な?電気料金や管理費、例えば1兆円の取引の2%だとすれば200億円を捻
出しなければボランティア活動と同じ、度を超えると詐欺(背信)行為になるね。それにしてもスマホを翳
すだけで即時決済できるから便利だが、それもサーバー攻撃に曝されるリスクもあるねと答える。こんなこ
と言っても理解できているのかなと不安が涌く。といっても、政治家や上級国家公務員にも2つのタイプ―
暗記力抜群タイプと暗記力+応用力を備えたクリエイティブタイプがいて、後者は皆無に等しい(千人に一
人ぐらい?)から先を見通せるひとはすくないだろうとしゃべりながらそう想った。

 Mar. 5, 2014
ビットコイン 海外業者にもサイバー攻撃

 

東洋のジュネーブと櫻谷

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        離婁(りろう)篇    /    孟子      

                                 

      ※  親に仕える態度:仕えることでいちばん大切なのは、親に仕えること
     である。守ることでいちばん大切なのは、わが身を守ることである。
     わが身を正しく守った人が親によく仕えたという話は聞いたことがあ
     るが、わが身を守れないくせに親によく仕えたという例は、聞いたこ
     とがない。仕えるといってもいろいろあるが、親に仕えるのが根本だ。
     守るといってもいろいろあるが、わが身を正しく守ることが根本だ。
     むかし、曽子が父の曽晳(そうせき)に仕えていたとき、父の食膳に
     肉と酒を欠かさなかった。食膳を下げる際に食べ残しがあると、「こ
     れはだれに与えましょうか」とたずねた。食べてから「まだあるか」
     と聞かれると、かならずつあります」と笞えた。曽晳が死んで、曽元
     (曽子の子)が曽子に仕える番になった。曽元も食事ごとに酒と肉を
     添えた。しかし食膳を下げるときには、「だれに与えましょうか」と
     はたずねなかったし、「まだあるか」と聞かれても、「もうありませ
     ん」と答えた。まだあっても次の食事にとっておこうとしたのだ。曽
     元のこの仕え方は、親の口や身体を養うだけのもの、曽子の仕え方は
     親の気持まで満足させるものだった。親に仕えるには、この曽子の態
     度こそ正しいのだ。 

     〈曽子〉 孔子の高弟。『孝経』を書いたといわれる。

     【解説】 親孝行のお説教〃と解しては意味が半減する。人間関係は
     微妙なもので、物質だけが仲介するのではない。相手の気持まで考え
     るのでなければ、いくら物をやっても、それは本当の人間関係をつく
     ることにならない、というのである。まして親子の関係は物質面のみ
     では十分でない。精神を満足させてこそ真の孝養といえる。「子曰く、
     今の孝は、これよく養うことを謂う。犬馬に至るまで、みなよく養う
     ことあり。敬せんば、何をもって別かたんや」(『論語』為政篇)

 

 

 【樹木トレッキング 14:エゾマツ】 

 エゾマツ(蝦夷松、学名:Picea jezoensis)は、マツ科トウヒ属の常緑針葉高木。近縁のアカエゾマ
ツも含めて「エゾマツ」と総称することも多く、この場合にはアカエゾマツと対比してクロエゾマ
ツあるいはクロエゾと呼ばれる。千島列島、樺太、渡島半島以外の北海道、中国東北部、シベリア
東部、カムチャツカなどに分布する。本州の高山に分布するトウヒはエゾマツの変種とされている。
大きいものでは樹高40m、幹の直径は1m以上に達する。樹皮は黒褐色でうろこ状に割れ目が入る
のが特徴、当年枝の表面は滑らかでやや淡色である。天然には広葉樹やトドマツなど他の針葉樹と
混交して自生する。防風林や公園樹、庭木として植えられる。晩霜に弱くエゾマツカサアブラムシ
による被害もあることから人工造林は難しく、ほとんど行われていない。エゾマツ材は淡黄色で着
色した心材がない。木目もまっすぐに通っており美しく、建築材料に多く用いられる。また繊維が
長く製紙用原料(パルプ材)にも非常に適している。切削などの加工も容易で、家具、箱材、楽器
(ピアノ、バイオリン、ギター等)、経木、マッチの軸、碁盤など様々な用途に利用されている。
トドマツとともに北海道の針葉樹林の主要樹種であり、「北海道の木」にも指定されている。エゾ
マツの種子は1リットル約16万粒、370グラム、トウヒは約18万拉320グラム。

      No.120

【エネルギータイリング篇:窓ガラス一体型太陽電池】 

● 窓に「ガラス一体型太陽電池」旭硝子が鹿島工場にZEB施設

12月13日、旭硝子は茨城県神栖市の同社鹿島工場にネット・ゼロ・エネルギー・ビル(ZEB)
施設の建設を開始したと発表した。2018年12月に竣工する予定で、同社の「省エネ・創エネ」製品
を活用して114.7%のエネルギー削減を達成する見込み。今回建設する「鹿島工場本事務所棟」
は、「自社製品で省エネ・創エネ」をテーマに、同社の遮熱・断熱製品である❶Low-E複層ガラス
「サンバランス トリプルクール」や❷ウレタンフォーム断熱材原料「エクセノール」を採用した。
省エネ製品によるエネルギー削減率は50.4%。 ❸さらに、「創エネ製品」として、ガラス一体
型太陽電池モジュール「サンジュール SUDARE」を窓に採用した。単結晶シリコンのセル(発電素
子)を短冊状にレーザーカットすることで効率を維持しながらシースルー(透光性)を実現した。
1枚あたりの出力は60W/m2、変換効率は6%。 本事務所棟には、設置容量111kWの屋根上太陽光
パネルと同14kWのサンジュール SUDARE(片面受光タイプ)を備えた。発電した電力は全量を自
家消費する。エネルギー削減は64.3%を見込む。 地上2階建てで延床面積は1435m2。なお、同
棟の建設にあたり、環境省の委託を受けた静岡県環境資源協会が進める「ZEB実現に向けた先進的
省エネルギー建築物実証事業」の補助金の採択を受けている。




ところで、「サンルージュ」の関連特許については、「ソーラーファサードの風 Ⅱ」(極東極楽、
2017.06.26
)」で掲載しているので割愛、多結晶シリコン系のモジュール6%の変換効率を向上する
ことについて考案としみよう。これまた、「ソーラータイル篇:生物模倣技術の応用」極東極楽、
2017.12.18
)に掲載したカールスルーエ工科大学のグループらのベニモンアゲハナノ構造を太陽光
発電パネルに再現し、吸光度を最大で200%上昇させる技術の応用である(下図)。

対象は多結晶だけでなく単結晶シリコン、化合物半導体系なども対象にしてモジュールとして20%超変換
効率を目標とする。その参考技術事例として「US 9825193 B2 Photon and carrier management design for no-
nplanar thin-film copper」(非平面薄膜銅インジウムガリウムジセレニド太陽電池のフォトンおよびキ
ャリア管理設計)の下図のごとく、光起電力構造が開示される。構造は、無作為にまたは周期的に
構造化された層、電荷キャリアの逆拡散を低減する誘電体層、および光子を吸収半導体層に向かっ
て反射する金属層を含むことができる。この設計は、光電池構造の効率を高めることができる。こ
の構造は、ナノインプリントによって製造することができそうである。




ここで、図1は、微細構造化CIGS吸収体フィルムの代表的な断面、図2 TE及びTM平均電界強度及
び対応する光発生率と共にランダムにテクスチャード加工された吸収体の厚さの変化と光吸収度の
相関、図6 例示的なナノインプリント製造方法。

さらに、建材一体化太陽電池モジュールには意匠性も重要な商品価値でありその事例のひとつとし
て「防眩膜付付加技術」、ここでは、下図のような、テレビ、パーソナルコンピュータ、スマート
フォン、携帯電話、車両等の各種機器に備え付けられた画像表示装置(液晶ディスプレイ、有機E
Lディスプレイ、プラズマディスプレイ等)においては、室内照明(蛍光灯等)、太陽光等の外光
が表示面に映り込むと、反射像によって画像の視認性が低下する。外光の映り込みを抑制する方法
として、画像表示装置の表示面に防眩処理を施す方法がある。防眩処理は、表面に凹凸を形成する
処理であり、形成された凹凸によって外光を拡散反射する効果(防眩効果)が得られる。外光が拡
散反射されることで、反射像が不鮮明になり、外光が表示面に映り込むことによる視認性の低下が
抑制される。防眩処理としては、たとえば、ガラス等の透明基材の表面をエッチングする処理、表
面に凹凸のある防眩膜を形成する処理等がある。

この防眩効果は、一般に、凹凸が大きくなるほど高くなる傾向がある。しかし、凹凸が大きくなる
と、ヘーズが増大し、画像が白化してコントラストが低下し、それによって画像の視認性が低下す
る問題がある。凹凸を小さくしてヘーズを小さくすると、反射率が増大し、防眩効果が不充分にな
る。 低ヘーズと低反射率とを両立するために、たとえば、透明支持体上に、防眩膜と、少なくとも
1層の低屈折率層とをこの順序で設ける方法(特許文献1~3)、透明基材上に、電離放射線によ
って硬化して低屈折率のバインダマトリックスを形成する材料(フッ素系、シリコーン系等)と特
定平均粒径の粒子とを含む塗液から防眩膜を形成する方法(特許文献4)等が提案されている。 一
方、ガラス基体の少なくとも一面が、複数の凹凸を有する、表面のガラス部分が凹凸化されたガラ
ス基体において、このような複数の凹凸を特定形状としたガラス基体が提案されている。このガラ
ス基体は、表面付近の屈折率がガラスよりも低く、特定形状を有することで、優れた反射防止効果
を有するとされている。このガラス基体は、ガラス基体表面をフッ素化剤で処理することにより製
造される。ヘーズが低く、かつ視感反射率が低い防眩膜付きガラス基材、その製造方法およびこれ
を備える物品の提供にあっては、防眩膜付きガラス基材1は、ガラス基材3と防眩膜5とを備え、
防眩膜5を構成するマトリックスの屈折率が1.44~1.80であり、防眩膜5が複数の凸部を含
み、複数の凸部によって表面にうねりが形成され、前記うねりが形成された表面に複数の孔が開口
しており、所定に表面形状解析で求められるZ範囲が0.4~7μm、孔面積率が20~34%、
平均孔直径が200~600nmである。(「特開2017-077982 防眩膜付きガラス基材、防眩膜付
きガラス基材の製造方法および物品」旭硝子株式会社 2017年04月27日
)の応用でエンボス加工、
あるいはカラマント化及び遮光/断熱機能の付加などの商品選択肢の多様化対応も可能であろう。、


【符号の説明】 1 防眩膜付きガラス基材  3 ガラス基材  5 防眩膜  5a 凸部  5b 孔

このように、窓一体型ソーラータイル(エネルギータイリング)事業の市場性及びそれを実現する
技術知財を必要しており、果敢に挑戦する意義は大きく魅力的なプロジェクトにであると考える。




【木島櫻谷の世界への道】

● 東洋のジュネーブ大津市

12月23日、午前8時予定通り京都博物館に、ただし同伴する彼女は体調が優れないので単独行
動となる。途中名神の大津サービスエリア(下り)で朝食(カレーネギうどん)を取る。改装され
ていてトイレもすっきりしていた。二階のダイニングへはエスカレータであがるが、登り側からみ
みる琵琶湖、比叡・比良山系、ランドマークのプリンスホテルなどの景観はここ下り線でも十分に
堪能できる。前々から守山周辺のの湖岸道路から見上げ琵琶湖/比叡・比良山系はスイスのジュネ
ーブだと勝手に思い込むほど四季折々の景観は天下一である。 

午前10時少し回っていたが三条は高倉の目的地の一方通行道に迷いながらも当地区、周辺の自動無人
駐車料に愛車を止め参観、同時開催の「コロタイプ文化遺産複製技術展」も、足早に参観し、櫻谷を堪能し
12時半過ぎには帰ってくる。一期一会である。 

 ● 今夜の一曲

遠藤 賢司(1947年1月13日 - 2017年10月25日)は、茨城県ひたちなか市出身・東京在住のシンガー
ソングライター・ミュージシャン。自称「純音楽家」。愛称は「エンケン」。主に扱う楽器はアコ
ースティックギター、エレクトリックギター、ブルースハープ。ほかにも、ウクレレ、ピアノ、ド
ラムなどの楽器を演奏する。自身のほぼ全ての楽曲の作詞、作曲も手がけた。「純音楽」をキーワ
ードに活動。代表曲に、「夜汽車のブルース」「満足できるかな」「カレーライス」「東京ワッシ
ョイ」「不滅の男」「夢よ叫べ」などがある。好きな食べ物はカレーライス。猫好きで、歌詞中に
猫の登場する楽曲も数多い。「エンケン」の愛称で知られるシンガーソングライターの遠藤賢司が
10月25日早朝、がんのため都内の病院で他界、享年七十。

                                         合掌

『カレーライス』

歌/作詞/作曲:遠藤 賢司

   君も猫もみんなみんな
   好きだよカレーライスが
   君はとんとんじゃがいも・にんじん切って
   涙を浮かべて玉葱を切って
   ばかだなばかだなついでに自分の手も切って
   僕は座ってギターを弾いてる
   よ~んカレーライス

   猫はうるさくつきまとって
   私にもはやくくれにや~って
   う~んとってもいい匂いだな
   僕は寝転んでテレビを見てる
   誰かがお腹を切っちやったって
   う~んとっても痛いだろうにねえ
   はは~ん…カレーライス



● 今夜の寸評:一触は百見にしかず

抵抗力/免疫力の維持策のひとつとして室内の湿度管理をおこなっているが、ハンガーに濡らした
タオルで湿度の微調整する方法。加湿空気清浄器の表示値が乾燥状態(相対湿度50~63%)を
表示していても、タオルの乾燥状態を手の感触湿乾状態を確認しているが、均一に保てているわけ
でないことを発見する。それ以来、濡れタオルの乾き具合を欠かさずチックし表示値と皮膚感覚と
で、室内空調を管理するというわけである(室内の書籍棚、情報通信器機、事務器、収納庫、家具
などが障害が主因)。「新幹線の台座亀裂重大インシデント問題」が頭を過ぎる。

百見は一触にしかず

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  最高責任者:臣下を無能呼ばわりするのは見当違いだ。その政策をとやか
     くいうのも見当違いだ。国は君主一人のヽ心がけで決まるからだ。その君
     王の誤りを正廿るのは、ただ人格のすぐれた大人物だけだ。君主が大人物
     の意見を受け入れ、仁・義・正を重んずれば、国じゅうすべて仁・混・正
     を重んずる。国が安定するのは、君主を人格のすぐれた大人物が正すこと
     によるのだ。 

 

    さつき雨寒く降りつつ落葉松のみどり茂みたつ信濃路の山   /  土田 耕平

   から松はいろづきながら散るものか枝々が今朝骨だちて見ゆ  /  半日 良平

 【樹木トレッキング 15:カラマツ】 

 カラマツ(落葉松、唐松、学名:Larix kaempferi)は、マツ科カラマツ属――カラマツ属(唐松属、
落葉松属、学名:Larix)は、裸子植物門マツ亜門マツ綱マツ科の属である。カラマツ Larix kaempferi
などの種が知られている。樹皮は暗褐色で鱗状である。葉はマツより短めの針葉で、20~40本が束状
に生える。葉はそれほど濃密ではないので、林内はそれほど暗くならない。なお、キンポウゲ科にカ
ラマツソウ属があり、これに含まれる植物にも~カラマツの名を持つものがある――の落葉針葉樹。
日本の固有種で、東北地方南部・関東地方・中部地方の亜高山帯から高山帯に分布し、天然林は少な
く日当たりのよい乾燥した場所が生育に適する。学名の種小名はエンゲルベルト・ケンペルへの献名
である。樹高20~40 mになる落葉針葉樹。日本の針葉樹の中で、カラマツはただ一つの落葉性の高木
である]。幹の太さは1mに達する。枝は長枝と短枝という二形性を示し、長枝は10-50 cmになる一方、
短枝はひとつの芽のみからなり、1-2 mmの長さしか無い。葉は針形で、白い粉に覆われた薄い緑色で
あり、長さは2-5 cm。秋には葉は黄色く色づき、褐色の冬芽を残して落葉する。成木の樹皮は灰黒色
から暗い赤褐色となり、表面は短冊状に剥がれる。松かさは長さ2.0~3.5 cmで 中に30~50個の種子
を生産する。松かさははじめ緑色であるが、受粉後4~6ヶ月が経過して十分に熟すと茶色に変化し、
種子を散布する。通常、古くなった松かさは樹にそのままついており、鈍い灰黒色に変色している。
下向きの雄花と紅紫色の雌花が同じ株の樹木で、花期は5月。基準標本は日本のもの。カラマツは、
森林を造林する際に用いる樹木として重要な種であるとされていた(Wikipedia)。



北海道では、明治30年代(1897年~)から本格的なカラマツの造林が始まった。折しも当時の北海道
は、大規模な山火事が各所で頻発から、明治から大正の10年間だけでも約48万haが焼失、育苗が
簡単で成長が速いカラマツの特徴が認められ、被災跡地や無立木地に一斉造林が盛んに行われた。
1923年の例では、全道で約1万haの植栽が行われたが、そのほとんどはカラマツであった。こうした
カラマツの造林は、第二次世界大戦後の中断を挟んで、年間2~4万haの規模で行われ、1950年代後半
以降には、エネルギー利用の変化から薪炭需要に陰りが見えると、雑木中心の薪炭林などを皆伐して
用材向けのカラマツへ樹種転換する拡大造林も行われる。また、長野県でも根づきやすく成長が速い
ことから戦後大規模な植林が行われ、造林面積の約50%がカラマツ林となった。このように各地で
造林に用いられたため、場所によってはその地域のカラマツが自生していたものであるのかが不明で
ある場合もある。材は硬く丈夫であるが、螺旋状に繊維が育つため乾燥後に割れや狂いが出やすく、
板材としては使いにくい材料であるが、現在は構造用合板やLVLに加工され、木造建築で幅広く用い
られている。電柱、枕木、橋梁などの土木素材として使われる他[9]、建築材、船舶材、バルブ原木
の材料としても用いられ、盆栽の材料としても広く利用される[15]。尾瀬では遊歩道の木道に用いら
れる。



2010年代に入り、北海道立総合研究機構森林研究本部林産試験場が新たに開発した「コアドライ」と
呼ばれる乾燥技術を用いることにより、従来問題とされていた乾燥後の割れ・狂い等を大幅に減少さ
せることができるようになり、従来不向きとされていた建築用構造材への適用が有望視されるように
なっている[16]。実際に2018年竣工予定の当麻町役場新庁舎では、「コアドライ」を用いたカラマツ
材を構造材として全面的に採用する。

 

      No.1210 

【小型水力発電篇:小布施松川小水力発電所】 

自然電力のグループ会社である長野自然電力(長野県小布施町)は、長野県が公募した補助対象事業、
「平成29年度自然エネルギー地域発電推進事業」への提案が採択され、このほど小水力発電所「小布
施松川小水力発電所」を小布施町内で着工したと発表した。2018年春からの運転開始を予定である。
長野県の自然エネルギー地域発電推進事業は、地域主導型の自然エネルギー発電事業を「収益納付型
補助金」により支援し、県内各地へ普及させることを目的としている。同発電所は、同地を流れる松
川から取水した用水路を活用する流れ込み式発電所で、約190キロワットの発電能力である。



水車は、自然電力の小水力発電事業におけるパートナーである、GUGLER Water Turbines(ググラー社、
オーストリア・ゴールドヴェルト)のフランシス型水車を使用する計画(上図参照)。最大使用水量
は約1.5立方メートル/秒、有効落差約14.4メートル。年間発電量は、約117万メガワット時を見
込んでおり、これは一般家庭約360世帯の年間使用電力量に相当する。発電した電力は中部電力へ売
電する予定だ。なお、同発電所は、自然電力グループにとって初の小水力発電事業という。 長野自
然電力は、自然電力が2016年12月に100%出資し設立。長野県内で再生可能エネルギー発電施設の開発
および電力の販売等を行う。自然電力は、今後も自治体等と連携し、地域に根ざした再生可能エネル
ギーの普及を積極的に行うとともに、ググラー社と小水力発電用水車とエンジニアリング技術の日本
市場への導入を促進し、国内の小水力発電用水車の供給不足の解消を図りながら、小水力発電事業の普
及などを目指す(「用水路で約360世帯分の電力、自然電力初の小水力発電が長野で着工」、スマートジ
ャパン、2017.12.22)。 

   

高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   

   第2章 高度経済成長はなぜ実現したのか? 

     第5節 通産省式「合法的カルテル」の栄枯盛衰

    民間企業は何かヒットするかわからないので、様々な分野で開発を進めています。通
   通産省は次のような手も、よく使っていました。たとえば業界から4社を集めて共同販
   売会社(共販会社)をつくるのです。4社にするのはシェアを25%ずつにするためです。
   3社にしてしまうとシェアが33%になって違法なカルテルになってしまいます。そこで
   4社にして、ぎりぎり25%を超えないようにしたのです。要するに「25%カルテル」で
   す。

    業者にとっては合法カルテルなので、利益が上がるように思えます。しかし、結果的
   にこのカルテルはうまくいきませんでした。国内でカルテルをつくっても、輸入品が入
   ってくれば太刀打ちできません。カルテルのために競争力がどんどん落ちていきますか
   ら、全社ともに輸入品にやられてしまうケースが多々ありました。
 
    最終的に共販会社はすべて解散しました。各社は「カルテルをしても、自社の競争力
   を落とすだけで、結局はうまくいかない」ということがわかったようです。カルテルの
   ような無益なことをするよりも、自社の競争力を高めたほうがいいということで、通産
   省主導の合法的カルテルは見向きもされなくなりました,

    カルテルはものすごくメリットかあるものに思えるかもしれませんが、一時しのぎの
   役割しかなく、最終的には企業や産業を弱めてしまいました。
    私が公取にいた1980年代後半は、通産省の合法カルテルの破綻が明らかとなり、
   後処理のような仕事ばかりでした。
    業界を育成するためにつくられた法律は、どれも効果がなかったので次々と廃止され
   ていきました,
    業界指導のなれの果ては、不振業界の構造改革です。特定産業構造改善臨時措置法と
   いう法律かあり、通産省は過剰設備の処理をさせようとしていましたが、もはや通産省
   のいうことなど誰も聞いていませんでした。同法は1988年に廃止されました。
    幼稚産業論としては、政府による業界指導は成り立ちます。しかし、それを産業基盤
   の整った日本でやるのは無埋かありました。幼稚産業を脱した一流産業国家では、産業
   政策において国の出る幕はありません。
    もし、通産省が業界指導をやりたければ、途上国に行ってやるべきでした。途上国で
   は業界指導が喜ばれますが、日本のような国でやってもうまくいきません。


   第6節 東京オリンピックの経済効果は、インフラ整備よりも貿易自由化

    高度成長期には1964年の東京オリンピック開催という大イベントがありました。
   東京オリンピックに向けて、日本国内では高速道路や新幹線が整備され、大きな経済効
   果があったといわれています。
    インフラが整備されたという点では、一定の効果はありました。しかし、公共投資に
   よる経済効果は、実はそれほど大したことはありませんでした。
   一番大きな効果は、「貿易の自由化」による経済効果です。
    オリンピックのような国際イベントを開催すると、政治家を含めてみんなの意識が外
   向きになります。「世界に恥ずかしくない国にしたい」と思うようになるのです。
   北京オリンピック(2008八年)のことを思い起こしていただくと、東京オリンピッ
   ク当時のことを想像しやすくなります。

    北京オリンピックが開催されたときに、中国は北京市内の工場の操業を停止して公害
   を防止し、青空の状態にしました。町中で痰を吐く中国人も減ったといわれています。
   外国人に見られて恥ずかしくない状態にしたいという気持ちが国民に広がったのです。
    1964年の東京オリンピックのときも、似たようなことが起こりました。身近なこ
   ととしては、東京の町中のゴミが問題とされ、環境が美化されました。
    どの国でも国際イベントを開催するときには、政治家は外国に対していいところを見
   せたいと見栄を張りがちです。

    また、1964年の東京オリンピック開催で、政治家の意識が外向きになり、オリン
   ピックを機に貿易の自由化が進みました。
    「貿易自由化を進めると輸入が増えて大変になる」という反対意見も多かったのです
   が、「オリンピックを開催するのだから、世界に恥ずかしくない国にしなければいけな
   い」ということが説得材料になり、自由化を進めることができたのです。下らない規制
   は世界に対して恥ずかしいということで、国内の規制も見直されました。
    こうしたことが起こるのがオリンピックです,

    オリンピックを契機に日本の貿易自由化は急速に進んでいきました。1960年に岸
   政権が「貿易・為替自由化計画大綱」をつくった時点では、貿易自由化率は40%でした
   が、東京オリンピックを目前に控えた一九六三年には、貿易自由化率は92%にまで上昇
   しています。また、一九六四年にはOECD(経済協力開発機構)に加盟して、資本の
   自由化も進めました。
    2020年の東京オリンピックでも同様の効果を期待できます。インフラ整備も進み
   ますが、外国人硯先客を迎えておもてなしをするために通訳が増えたり、語学学習をす
   る人が増えたりするでしょう。世界に目を向ける人が増えて、様々な規制が見直される
   可能性もあります,
    オリンピック開催が決まると、国民が国際化を比較的受け入れやすい状態になりま
   す。「外国から良く思われたい」という意識が改革の原動力となり、経済活動を活性化
   させます,
    そういう意味では、いろいろな国がオリンピックを持ち回りでするようになれば、世
   界の国々がさらに良くなるのではないかと思います。

このように、開発経済体制にはオリンピックなどは有効であり、国連本部の移設世界持ち回り制の導
入や国内的には、首都遷都や全国自治体本部(道州制/地方分権)の持ち回りなどは中央集権制(一
極集中弊害/税制改革)や格差是正に有用だと考える(ブログ掲載済み)。

     第3章 大可跡の終焉と「狂乱物価」の正体

     第1節 ニクソン・ショック前から金本位制はとっくに終わっていた

    1950年代から1970年代初めまで続いてきた日本の高度経済成長は「2つの
   ショック」で終焉を迎えたといわれます。1971年の「ニクソン・ショック」と、1
   973年の「第一次石油ショック」です。
    1971年8月にニクソン大統領は「ドルと金の交換停止」「10%の輸入課徴金の設
   定」などの発表をしました,これが「ニクソン・ショック」と呼ばれるものです,
    ニクソン・ショックの背景として、社会科の教科書ではアメリカの金準備が減少し
   て、ドルヘの信頼が揺らぎ始めたことが単けられています。ニクソン大統領はドルを防
   衛するために、ドルと金の交換停止を決めました。このニクソン・ショックによって金
   本位制が終わったかのように伝えられています。

    しかし、実際にはとっくに金本位制は終わっていました。
    金本位制というのは、貨幣の裏づけに「金」かおる制度です。金の量しか、貨幣をつ
   くることができません。経済活動の拡大に伴って、金の量が増えていくのであれば、金
   本位制は成り立ちます。
    しかし、経済活動はどんどん大きくなりますが、金の増え方はそれに追いつきませ
   ん。そうすると、金に裏づけられた貨幣の量が足りなくなっていきます。つまり、常に
   貨幣が過少気味で、デフレ基調になるということです。 

    このような制度では無理があるため、戦後まもなく管理変動相場制に移行していま
   す,アメリカは保有している金の量しかドルを刷らなかったわけではなく、金保有量と
   は関係なく、ドルを刷っていました。
    世界経済もアメリカの保有する金の信用で成り立っていたわけではなく、ドルの信用
   で成り立っていました。金の裏づけとは関係なく貿易が行われていました。
    形式上は金本位制が残っていましたが、実態は金本位制ではありませんでした。です
   から、ニクソン大統領がドルと金の交換停止を発表したのは、ただただ、実態に合わせ
   ただけのことだったのです。

    ニクソン大統領の目的は、アメリカにとって不利だったドルレートの修正です。戦
   後、アメリカは日本とはIドル=360円、西ドイツとはIドル=4・2マルクの固定
   レートで取引をしていました。日本と西ドイツは圧倒的に有利なレートを利用して稼ぎ
   まくり、国際収支が黒字になりました。
    西ドイツに対しては2回ほど切り上げ要求をしたものの、依然として西ドイツに有利
   なレートでした,日本とのレートはIドル=360円がそのまま続きました。
    アメリカ側から見ると、非常に不利なレートで取引していたため、これ以上は国内が
   持ちませんでした。為替レートの不均衡を調整するしかなかったのです。

    1971年に西欧諸国はそろって変動相場制に移行しましたが、日本は固定相場制を
   維持しようとしました。しかし、西欧通貨の上昇に伴って、日本円もIドル=320円
   台まで上昇しています。
    8月のニクソン・ショック後の動きとして、西欧諸国が為替市場を閉鎖したのに、日
   本は間いたままにしていたために、円買いドル売りが殺到して急激な円高になり、それ
   を修正するために日本は10日間で約40億ドルのドル買いをしました。この失敗が、のち
   の変動相場制移行につながったという説もありますが、些末な議論だと思います。

    固定相場制というのは、このあと詳述しますが、為替介入しない制度ではなく、相場
   を維持するために猛烈に介入する制度です。相場を間いていようが間いていまいが、1
   ドル=360円を維持したいのであれば、遅かれ早かれ介入すざるをえないのです。
   背景には、もっと大きな力が存在していました。アメリカ経済が不利なレートでは持
   ちこたえられなくなったことです。

    表舞台だけを見ていると突発的な現象に見えますが、起こるべくして起こった事象と
   捉えることができます。たまたまニクソン・ショックという形で出てきただけで、もし
   ニクソン・ショックが起こらなければ、別の形でショックが訪れたでしょう。
    歴史家の人たちは、出来事を中心に歴史を見ていますので、ニクソン・ショックとい
   う大きな事件が突発的に起こったかのように捉えています。しかし、私自身は、「ショ
   ック」という言葉を使って騒ぎ立てるほどの出来事ではなかったと見ています。
    無理が利かなくなって風船が破裂したようなもので、いわば自然現象です。

    その年の12月にワシントンのスミソニアン博物館で10カ国財務相会議が開催されて
   通貨の調整が行われました。「スミソニアン協定」を結び、日本は1ドル=360円か
   ら308円への円切り上げを受け入れました。そして、1973年2月に、形式上は固
   定相場制から変動相場制ヘ「国際金融のトリレンマ」を知れば経済を理解できる移行し
   ました。
   「国際金融のトリレンマ」というものをご存知でしょうか。これを知っておくとのこと
   を理解しやすくなります(下図2),

 

    ディレンマ(ジレンマ、ダイレンマ)という言葉はよく知られていますが、ラテン語
   で「ディ」は2つという意味で、「レンマ」は命題という意味です。2つの命題が両立
   しないときにディレンマが起こります。「あちらを立てればこちらが立たず」の状況で
   す。
    「トリ」は3という意味で、「トリレンマ」は3つの命題が一度には成り立だない状況
   のことです。トリレンマは、3つの命題のうち最大2つしか成り立ちません。
    国際金融のトリレンマの命題は次の3つです。

    ・自由な資本移動
    ・固定為替相場
    ・独立した金融政策

    資本移動が自由にできて、固定相場で為替レートが動かずに、国内の景気に応じて何
   にも左右されずに自由な金融政策をとれれば、経済にとって一番好都合です。しかし、
    3つのすべてを同時に達成することは不可能です,
    最大2つまでしか達成できないとしたら、どれを選ぶのか。
    資本主義の場合は、必ず「自由な資本移動」を選ばざるをえません。自由な資本移動
   は、各国で資本を融通するというもので、これができないと自由貿易体制は成り立ちま
   せん。先進国にとって「自由な資本移動」は必ず選ばなければいけない命題です。
    資本主義社会では「自由な資本移動」は絶対条件ですから、残りの2つのうち1つし
   か選べなくなります。
    固定為替相場を選べば、為替レートに左右されずに貿易ができますので、輸出入企業
   にとっては恩恵があります。その代わりに、国内で独立した金融政策を打てなくなりま
   す。

    一方、変動為替相場を選ぶと、貿易をしている企業は為替変動にさらされますが、国
   内で独立した金融政策をとることができるようになります。
   「固定為替相場」と「独立した金融政策」が両立しない理由は、為替介入です。固定相
   場というのは政っておいても相場が維持されるというものではなく、相場を維持するた
   めに介入し続けなければいけない制度です。
    介入のために嫌でも円を刷らなければいけないことかありますので、独立した金融政
   策を行うことができなくなります。日本の為替介入は円高を阻止する方向に働くことが
   多いため、円を刷る必要かおり、国内はややインフレ気味になります。

    高度成長期の日本は、Iドル=360円という為替レートの下、国内でインフレにな
   るという犠牲を払っても、輸出産業で稼ぐ産業構造でした。圧倒的に有利な為替レート
   ですから、輸出産業が稼ぎまくり、そのお金で賃金を上げて国内で回していました。多
   少のインフレになっても誰も文句をいわない世界でした。
    ただ、固定相場を続けていると、「輸出産業だけに恩恵を与えている」という文句が
   国内で必ず出てきます,貿易相手国からは「貿易で儲けすぎている」という批判が持ち
   上がります,

    日米間の場合は、日本が圧倒的に有利な為替レートになっていましたので、アメリカ
   の産業が不満を持ち始めました。繊維分野などで貿易摩擦問題が起こり、「不公正な貿
   易障壁かおる」というクレームが多くなりました。
    日米繊維交渉をしていた当時は、障壁の原因がよくわからず、双方がかなりエキサイ
   トしましたが、「為替に問題かおる」ということをアメリカが認識してからは、為替ヘ
   の圧力がかかるようになりました。
    アメリカはIドル=360円の不均衡なレートに不満を募らせ、変動相場制へと移行
   していったのです,

                                    この項つづく


【超加齢社会と医療費】

● 老衰多いと医療費低く 男性最多は茅ケ崎市全国平均を14万円下回る

老衰と診断されて亡くなった人が多い自治体ほど高齢者の1人当たり医療費が低くなる傾向があるこ
とが24日、日本経済新聞社の調査で分かった。男性の老衰死が全国最多の神奈川県茅ケ崎市は年間医
療費が全国平均より14万円低い。老衰死が多くても介護費に増加傾向はなかった。健康長寿で老衰
死が増えれば、医療・介護費を抑えることができるとみられる(日本経済新聞 電子版 2017.12.25)。
それによると下図表のように、人口20万人以上の約130市区を調べた。老衰死の自治体間格差は
男性で最大6.8倍、女性で4.3倍に上った。老衰死の割合は男性が高い自治体では女性も高くなる
関係があり、自治体による違いが大きかった。健康な高齢者の割合の多さや周辺の医療機関の対応の
違いが影響している可能性があるとしている。

さらに、男性で最も高かったのは神奈川県茅ケ崎市。年齢構成の違いを調整して全国平均を「100」と
する死亡率でみると、210.2で全国平均の2倍超。女性も172.1で2番目の高さだった。今回の調査で
算出した同市の75歳以上(後期高齢者)の1人当たり医療費は年間で約79万2千円で、全国平均(約
93万2千円)より14万円低い。高額の自治体の医療費が同市レベルになれば国全体で2兆3千億円の
医療費が減る計算になる。

これに対し、茅ケ崎医師会は「医療・介護の多職種が連携し、在宅などで暮らす高齢者を支える態勢
が充実している。健康を維持して『自宅で最期を迎えたい』という人が増えている」という。市は健
康診断や医療費のデータを詳細に分析しており、生活習慣病対策に力を注いでいるとのこと。一方、
男性で最も老衰の割合が低かったのは大阪府茨木市(30.9)で全国平均より7割少なかった。女性も
49.6で全国平均の半分にとどまり、全体で5番目に少なかった。医療費も全国平均を上回っており、
調査では死因別でみるとがんで亡くなる人の割合が多いと、医療費が増加する傾向がみられる。また、
老衰死は医師の診断差(バイアス)はあるもの、健康度と関係が深い可能性が高く、長寿は医療費全
体を押し上げるとされるものの老衰死が多く医療・介護費が低い地域の要因を解明し、好事例を全国
に広めていく発想と政策的アプローチが必要(国際医療福祉大大学院の埴岡健一教授)と、この記事
をむすんでいる。滋賀県の男性の平均寿命が全国1位となり滋賀県が調査中であり関心を惹く。 

                                         

   

超加齢と東洋医学

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  毀誉は気まぐれ:思いがけない誉め言葉をもらうことがある。万全を尽く
          しても非難されることもある。 

  

      No.122 

【小型水力発電篇:最新小型水力発電技術】 

 
❏ 特開2017-122430  多軸多段回転ピストン駆動装置 株式会社WGE

下図のように2軸回転ピストンを、自然エネルギーだけを取り込み、効率よくコンパクトな、発電装
置や動力装置に運用、分散型で都市型発電をも可能にする環境機器を提供すること。軸回転ピストン
は、金属ブロック内で密閉され、外部からの圧力流体注入で自動回転駆動する為の、自動吸排切り替
え機能・受圧機能・排反負荷回避の3機能を、規則正しく2軸が相関して作動する回転ピストン構造
であり、回転中は絶えず機密・密閉・密接の滑らかな機能が持続回転駆動する。この駆動装置ば、簡
易な省エネ循環ポンプ(連続流体移送装置)等で空気や溶液を導入し循環させる時に、2軸回転ピス
トンは自動的に回転を始め、その回転により、同時に開閉弁も作動し、連続回転稼動する構造は、駆
動装置が一定量の溶液に位置エネルギーに相当する圧力(mgh)を設定し(自在加圧装置)(90)
省エネ循環装置で圧力流体に流れを生み、この力学的エネルギーの注入・排出・循環をさせるだけで、
都市部でも簡単に電気エネルギーを取り出す事を可能にした。ことで、本駆動装置は単純安価でコン
パクトな発電装置として、幅広く運用され、また、適宜な場所への運搬設置が容易にでき、応用範囲
を限りなく広め多種多様な機器への活用ができる。

【効果】

本発明に係る駆動装置によれば、簡易な省エネ循環ポンプ(連続流体移送装置)等で空気や溶液を導
入し循環させる時に、2軸回転ピストンは自動的に回転を始め、その回転により、同時に開閉弁も作
動し、連続回転稼動する構造は、本駆動装置が、一定量の溶液に位置エネルギーに相当する圧力(m
gh)を設定し(自在加圧装置)(90)省エネ循環装置で圧力流体に流れを生み、この力学的エネ
ルギーの注入・排出・循環をさせるだけで、都市部でも簡単に電気エネルギーを取り出す事を可能に
した。ことで、本駆動装置は単純安価でコンパクトな発電装置として、幅広く運用され、また、適宜
な場所への運搬設置が容易にでき、応用範囲を限りなく広め多種多様な機器への活用ができる。

河川の包蔵水力を導入した場合は、落差エネルギー(mgh)が100%(利水量効率)電気エネル
ギーに喚取することができ、従来のペルトン水車(利水量効率34%)・カプラン(利水量効率21
%)・フランシス(利水量効率62%)等の包蔵水力の利水量効率を遥かに上回る性能を発揮し、大
きな工事費や立地条件(場所)を必要とせず、環境へのダメージは一切なく、未利用包蔵水力の活発
な活用を促せることを可能にした。

また、空気に可燃性ガスを混合注入し発火させると、コンパクトで、シンプルナなエンジンに応用で
きる事を可能にし、LPガスから水素を取り出し注入する場合は、排出物は水だけで、環境に優しい
エンジンとなり、車・船舶は簡素化され、機器が単純安価で軽量化される事で、応用される範囲を大
きくすることを可能にした。

並列・重ねの組み合わせ構成により、多軸多段回転ピストン駆動装置になり、組み合わせとシステム
化において、大出力を可能にし、設置場所スペースに合った出力運用を図ることを可能にした。



【図1】本発明の実施形態に係る2軸回転ピストンシリンダー装置の一例を示す部分概略平面図
【図2】本発明の実施形態に係る2軸回転ピストン装置の一例であり、部分原理を示す概略平面図
【図13】本発明の実施形態に係る2軸回転ピストン駆動装置システムの一例であり、作動の原理
を示す概略斜視立面詳細図

【符号の説明】

1r 円筒シリンダー半径  1y スパイラル流体移送装置シリンダー 2y  円筒シリンダー2分の1半径 
1n  シリンダー(金属ブロック可) 1  瓢箪型シリンダー 1a  瓢箪型シリンダー内壁  2  回転ピス
トンローター部 2e   回転ピストン外周と第二芯軸との距離 3  回転ピストン第2芯軸 4 回転ピスト
ン芯軸(シャフト) 5  シール  6 吸排口  6n ベンチュリ管バイパス口  6t  ベンチュリ管バイパス 
7  平ギア   8  心房(シリンダー) 8a  負荷重(回転方向前方) 9  機密・密閉された心房  9a  
作動荷重  10 ダイナモ(発電モーター)10a スパイラル流体移送装置初期始動モーター   10b  ス
パイラル流体移送装置初期始動モーター減速機   11a  受圧面  11 回転固定壁  12 フランジ12y 
 スパイラル流体移送装置フランジ  13  注入口  14  排出口  15 機密・密接  16 ピストン衝突回
避安全角(すみ)欠  17 左第1回転ピストン  18 右第2回転ピストン  19  圧力伝達口  20  回転
方向  21 配管  21a  配管接続口  23 芯線  24  円心平行線  26 バッテリー  30  回転ピス
トン受圧面  31 ピストン外周受圧面  32 回転ピストン背受圧面  33 軸回転方向  34 水道  35
流体流れ方向  36  排水収集フランジ  55 右巻きスパイラル羽  56 左巻きスパイラル羽  57 角切
り  60 左押し出し圧力負荷  60a 吸入圧  61 右押し出し圧力負荷  62 スパイラル流体移送装置
ギア  63 スパイラル流体移送装置シャフト(軸) 64  高圧室   64t 加圧シャフト  65  高圧伝
達配管戻し管   66 高圧伝達調整バルブ  67 高圧伝達調整バルブ   68 加圧シリンダー  69 自在
加圧装置シリンダー  70  スパイラル羽受圧面  71 スパイラル羽  72  吸引流路  73  スパイラル
流体移送装置  74 スパイラル軸受  75  狭い吐き出し部  76 吐き出し流体左右振り分け突起  77  
水道圧  78  自在加圧装置フランジ  79 自在加圧装置の圧力液の戻し過ぎ防止ストッパー  80 動力シ
ャフト  81  大歯車  89  逆台形配管  90 自在加圧装置  91 ケーシング内軸受(芯ンシールの構
造)  91a  高圧シール軸受け100  フライバランスギア101  スパイラルシリンダー 102 省エネ
モーター 103  スパイラルシャフト104  スパイラルシャフトギア105   総反力 106  フライバ
ランスギア支点 107 1/2フライバランスギア自重 108 フライバランスギア回転方向 109  ス
パイラルシャフトギア回転方向 110 スパイラルシャフトギア反力  回転方向 111 モーター回転方向
112 M  モーメント  113  中心線  114 ノンバランス錘 115 錘受フック 116 連結ギ
ア 117  錘移動ギア

❏ 特開2015-048844  羽根車を有する流体機械および流体機械を備えた流体発電装置

面白そうで参考掲載したものの実用化は疑問。比較に、「特開2015-048844  羽根車を有する流体機
械および流体機械を備えた流体発電装置」( 株式会社茨城製作所 2015年03月16日)の方がコンパ
クトで実用向き。下図のように流体の圧力によってケーシングが変形して、羽根車の羽根がケーシ
ングのディフューザ部に接触する不都合が生じる。ケーシングの変形を防止する。ケーシングに羽
根車を備えた流体機械において、ケーシングのディフューザ部の上外周、ディフューザ部の流体が
流れる内部およびディフューザ部の下外周を貫通するディフューザ部の前方に前支柱体を配置する。
前支柱体は上固定具と下固定具を有する。ディフューザ部の上外周、ディフューザ部の流体が流れ
る内部およびディフューザ部の下外周を貫通するディフューザ部の後方に後支柱体を配置する。後
支柱体は上固定具と下固定具を有する。ディフューザ部の上外周に配置されるアルミニウム製上プ
レート、ディフューザ部の下外周に配置されるアルミニウム製下プレートを備え、上プレートと下
プレートを対向させて配置した二重プレート構造。前支柱体と後支柱体は、アルミニウム製の座付
き両ねじボルトである。

 

【最新使い捨てカイロ技術】

今回、製品の表面には昇温フィルムが貼付してあります。使用中にこの“昇温フィルム”をはがす
だけで温度をさらに上げることができるというオカモト株式会社製の「快溫くん プラス」を肩こ
りと下半身の保温の用途で使ってみる(テスト中:詳細は下図参照)。そこで企業技術(オカモト
/桐灰化学の2社に加え、廃棄物のリユースなど(ゼロウエスト)を考慮し、素材メーカの出光ユ
ニテック社の特許技術を調べる。

 Jun. 15, 2015


❏ 特開2017-176632  発熱具 桐灰化学株式会社

【概要】

発熱具1は、図1及び図2に示すように、空気と接触することで発熱する発熱性組成物2が扁平状
の袋体3内に封入されてなるものであり、手に持って手足や腰部、背中、腹、足の裏、肩、臀部な
ど身体の種々の部位に当てることで温熱を与える、いわゆる身体に貼らないタイプのカイロである。
そのため、袋体3は、貼るタイプのカイロのように、使用時に衣服や皮膚に貼り付けるための粘着
剤層をその表面には有していない。発熱性組成物2は、空気との接触により発熱するものであれば
よく、例えば、被酸化性金属、活性炭、保水剤(木粉、バーミキュライト、けい藻土、パーライト、
シリカゲル、アルミナ、吸水性樹脂など)金属塩(食塩など)及び水をそれぞれ適宜の含有量含む、
従来から使い捨てカイロに用いられている公知の組成物を使用することができる。発熱具1は、使
用前においては、気密性を有する扁平状の外袋(図示せず)に収容されている。

袋体3は、表裏2枚の平面視長方形状の第1シート材30及び第2シート材31からなり、両シー
ト材30,31を重ね合わせ、外周縁(四つの方面の側縁)を公知の接着剤を用いてシール(接合)
する。あるいは熱接合(ヒートシール)することによって、内部に発熱性組成物2の封入空間を有
する袋状に形成されている。両シート材30,31は、発熱具1が手で揉みほぐされたり身体にフ
ィットしたりするように可撓性を有している。両シート材30,31のうち、少なくとも一方の第
1シート材30は通気性を有している。

第1シート材30としては、強度や発熱性組成物2の発熱に対する耐久性などを考慮すると樹脂フ
ィルムを用いることが好ましい。樹脂フィルムに使用される樹脂は、特に制限されるものではない
が熱可塑性樹脂を使用することが好ましい。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレ
ンポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビ
ニルポリ塩化ビニリデン、ポリカーボネート、エチレン-酢酸ビニル共重合体などを例示すること
ができるが、その中でもポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン酢酸ビニル共重合体を好ましく
例示できる。これらの樹脂は単独で使用してもよく、2種以上を組み合わせて使用してもよい。

第1シート材30に用いる樹脂フィルムには、通気性を確保するために、複数の穿孔が形成されて
おり、複数の穿孔を介して空気が袋体3の内外を連通して発熱組成物2に触れることで発熱性組成
物2が発熱する。穿孔は、樹脂フィルムの全域に形成されていてもよいし、一部に形成されていて
もよい。また、穿孔の大きさは、発熱性組成物2の袋体3外部への漏出を防止できる程度の大きさ
であれは特に制限されないが、0.1mm~0.3mmを好ましく例示することができる。穿孔の
外形及び数も特に制限されず、穿孔の大きさ、形状、数は、袋体3の通気度に応じた使用時の発熱
具1の体感温度を考慮して、適宜設定される。樹脂フィルムに穿孔を形成する方法は、従来公知の
方法を用いることができる。

また、第1シート材30は、発熱具1の肌触りを良好とすることを考慮すれば、通気性を有する織
布又は不織布をさらに用い、樹脂フィルムに織布又は不織布を積層されてなる積層体により構成す
ることが好ましい。この場合には、発熱性組成物2側となる内側に樹脂フィルムが、外側に織布ま
たは不織布が配置される。通気性を備えた織布又は不織布の繊維素材としては、ナイロン、ビニロ
ン、ポリエステル、レーヨン、アクリル、ポリエチレン、ポリプロピレン、アセテート、ポリ塩化
ビニル、ポリブチレンテレフタレートなどの合成繊維、綿、麻、絹、紙などの天然繊維、また、合
成繊維と天然繊維との混合繊維などを例示することができる。その中でも、肌触りを良好とする観
点から、繊維素材としてはナイロン、ポリエステル、ポリプロピレンなど、より好ましくはナイロ
ン、ポリエステルを例示することができるこれらの繊維素材は単独で使用してもよく、2種以上を
組み合わせて使用してもよい。織布/不織布の目付は、発熱性組成物2の袋体3外部への漏出を防
止できる程度の目付であれば特に制限されないが、20g/m2~70g/m2を好ましく例示する
ことができ、他方の第2シート材31は、上述した第1シート材30と同様に、樹脂フィルム単体
もしくは樹脂フィルムに織布又は不織布を積層させてなる積層体により構成することができる。樹
脂フィルムに使用される樹脂、及び、織布又は不織布の繊維素材としては、第1シート材30で例
示したものと同じものを好ましく例示することができる。

第2シート材31は、第1シート材30とは異なり、第2シート材31を構成する樹脂フィルムに
は通気のための穿孔が形成されていない。そのため、第2シート材31は、非通気性であってもよ
く、また、多孔質の樹脂フィルムを用いることで通気性としてもよい。第1シート材30及び第2
シート材の厚みは、特に制限されるものではないが、厚みが小さいほど発熱具1を柔らかくかつ手
になじみやすくできる一方で、厚みが小さすぎると袋体3の強度が低下するため0.1mm~2.0
mm程度であることが好ましい。上述した本発明に係る発熱具1は、第1シート材30が非延伸性
を有している一方で、穿孔が形成されていない第2シート材31は延伸性を有しており、第1方向
及び前記第1方向に直交する第2方向の少なくともいずれか一方向に延伸可能である。なお、「延
伸性」は、第2シート材31を構成する全ての層を重ねた状態での伸びやすさ(伸長性)のことを
言う。本実施形態では、第2シート材31が平面視長方形状であり、第1方向を長手方向としかつ
第2方向を幅方向としているので、第2シート材31は、長手方向及び幅方向の少なくともいずれ
か一方向に延伸可能である(詳細下図参照)。

 

❏ 特開2017-064029  使い捨てカイロ及びその製造方法 オカモト株式会社

【概要】

発熱体において特に粒径の小さい活性炭が袋体の通気面から漏れ出ることを防止しながら、繊維層と
発泡層の剥離強度を高める。
酸化反応によって発熱する粉粒状の発熱体1と、発熱体が収容されてその少なくとも一方側に通気面
20を有する袋体2とからなる使い捨てカイロAであって、袋体の通気面は、繊維21bの間に連通
孔21bを有する繊維層21と、連続した気泡22aを有する発泡層22と、を備え、繊維層及び発
泡層は、熱可塑性樹脂23が熱可塑性樹脂の融点よりも高く且つ繊維層及び発泡層の融点よりも低い
温度で溶融し圧着され、繊維層の連通孔及び発泡層の気泡に沿って形成される微細孔23aを有する。

❏ 特開2017-023368 使い捨てカイロ及びその製造方法 オカモト株式会社 

【概要】

従来の使い捨てカイロでは、摘み片を設けていない場合、非通気性シートの面全体が接着剤で袋の通
気面に貼り合わされるため、非通気性シートを剥離することが困難であり、使用者が通気量を簡単に
コントロールして発熱温度を調整できず、使い勝手が悪いという問題があった。特に、使い捨てカイ
ロの粘着面を使用者の背中側に貼り付けた場合には、非通気性シートの剥離開始位置が全く見えなく
なるため、視覚以外の勘で非通気性シートの剥離開始位置を推測して剥離することは極めて困難であ
り、事実上、使用者が発熱温度を簡単に調整することはできなかった。

そこで、非通気性シートの各区画に摘み片を設けているが、非通気性シートにおいて帯状に形成され
た各区画の全体面積に比べ、帯状の各区画の長手方向一端縁に一体形成された各摘み片の面積は遥か
に小さいため、視覚以外の勘で各摘み片の位置を推測して剥離することは困難であり、使用者が発熱
温度を簡単に調整できるものではなかった。
  また、使い捨てカイロの製造方法として、大量生産を可能にするために、複数の発熱体がそれぞれ
封入された一連の袋を作成する工程と、一連の袋を切断分離するための工程と、複数の非通気性シー
トが連続して形成された一連のシートを袋の通気面に貼り合わせるための工程と、一連のシートから
非通気性シートを裁断する工程と、を含むことが考えられる。しかし、非通気性シートの摘み片が袋
から外側へ突出するように一体形成される構造の場合には、複数の発熱体が封入された一連の袋を切
断分離する工程と、一連のシートから非通気性シートを裁断する工程と、を別々に行う必要がある。
そのために製造段階で生産性に劣り、大量生産に不向きである。簡単な構造でありながら使用者が通
気量を容易にコントロールして発熱温度が調整可能な使い捨てカ
イロを提供する。非通気部材3において、接着部3aが通気面2aとの密着で変形し難い状態である
のに対し、非接着部3bは通気面2aから離隔する方向へ変形可能で且つ非通気部材3の一端縁又は
両端縁に沿って長尺に形成される。これにより、非通気部材3において接着部3aと感触が異なる非
接着部3bを広範囲に配置可能となる。そのため、使用者が手探りでも非接着部3bを容易に探し当
てることが可能になる。使用者は非接着部3bを摘んで通気面2aから離隔する方向へ引っ張ること
により、通気面2aから接着部3aが界面剥離して、通気面2aの通気面積が増大し、発熱体1の酸
化反応が促進されて、発熱温度が上昇する。

 
【符号の説明】

A  使い捨てカイロ   1  発熱体   2  袋体   2a  通気面   3  非通気部材   3a  接着部  3b  非接着部                   L  袋体の長さ寸法

❏ 特開2004-338103  積層体 出光ユニテック株式会社

【概要】

不織布と熱可塑性樹脂層とを貼り合わせた積層体について、使い捨てカイロ等の構成材料に適用した
場合におけるシール部の安定性に優れるとともに、外気温度の変化に対する人体の感知温度の変化が
小さく、かつ、リサイクル性にも優れ、リサイクル時における浮沈分離等による選別にも簡便に対応
することができる積層体を提供すること。
ポリプロピレン系不織布2とポリプロピレン系樹脂層3からなる積層体であって、前記ポリプロピレ
ン系樹脂層3のMD方向の引張弾性率が200MPa以上であって、かつ、前記ポリプロピレン系樹
脂層3同士をヒートシールした場合における当該ポリプロピレン系樹脂層3同士のシール強度が8N
/15mm以上であることを特徴とする積層体1。この積層体は、ポリプロピレン系不織布とポリプ
ロピレン系樹脂層という同一系の材料で構成されており、積層体を構成するポリプロピレン系樹脂層
が、高い引張弾性率を有し、かつ、シール層となるポリプロピレン系樹脂層同士のシール強度も高い
ため、例えば、ポリプロピレン系樹脂層をシール層として製袋化した場合においても、製袋のヒート
シール部の安定性が優れたものとなり、また、収納物の発熱体組成物の発熱によるデラミ現象も起こ
ることはなく、使い捨てカイロ等の発熱体組成物収納袋の構成材料として好適に使用することができ
るものである。
また、この積層体は、リサイクル時に各層を分別する必要もなく、また、構成材料の比重も1以下と
なるため、比重を利用した浮沈分離手段にも簡便に対応することができる。更には、積層体を構成す
るポリプロピレン系樹脂は熱伝導率が低いため、外気の温度変化に対する体感温度の変化が小さい使
い捨てカイロを好適に提供することを可能とする。従って、本発明の積層体は、使い捨てカイロをは
じめとして、温シップ、発熱シップ、エステ用発熱シート用の構成材料等として好適な積層体を提供
することができる

 【符号の説明】

1   積層体  2  ポリプロピレン系不織布  3  ポリプロピレン系樹脂層  4  層間樹脂(ポリプロピレン樹
脂)  10    ポリサンドラミネート装置  11   ホッパ  12   単軸押出機  13   ダイ  14   第1繰出機  
15  押圧ロール  16   冷却ロール  17   第2繰出機  18   巻取機  19    スリッター  20  ロー
ル   30    押出ラミネート装置  40   使い捨てカイロ(発熱体組成物収納袋)  41   発熱体組成物  
42   折り返し部  43  ヒートシール部

今夜で3日めとなるが問題なく経過。「使い捨て」という側面からの新技術の開発が是非とも欲しいと痛感す
る(残件扱い)。

 Dec. 13, 2016

【インフルエンザ/風邪の効果のある予防法】

加齢と共に免疫力が低下することは広く認知されているが、冬になると気温が低くなって体調を崩し
やすくなるうえに、空気が乾燥することでウイルスの活動が活発になってインフルエンザが流行する
ようになる。今年の冬はそれが顕著になることを自覚。病気にかからないためには「手を良く洗う」
「マスクを着用する」などさまざまな対処法がとられているが、その中にはきちんと効果が期待でき
るもの、そして逆に実は全く効果がないものなどが混在していという。実際にはどのようにしてイン
フルエンザなどの病気は伝染するのか、そして病気にかからないためにはどうすれば良いのか、スミ
ソニアン研究所が運営するSmithonian.com では6つのポイントについてまとめた記事を見つける(上
写真参照)。

① 会話やくしゃみはもちろん、息をするだけでもインフルエンザは伝染する
③ マスクはあまり効果がない
③ 手を握る程度ではウイルスはうつらない
④ 病気の人が触れたモノが危険
➄ ビタミンCを採りまくれば良いというわけではない
⑥.「万能ワクチン」に期待

  
March 7, 2013                         doi: 10.1128/AEM.02051-06

例えば、マスクはこれは日本でも広く知られるようになってきたことですが、マスクは病気にかから
ないようにするために着けるのではなく、病原体を持っている人が飛散を防ぐために使う、というの
が本来の目的です。インフルエンザウイルスの大きさは1ミリメートルの千分の1の、さらに千分の
1程度しかないため、マスクの編み目をいとも簡単に通過してしまいます。マスクが果たす役割とは
飛散物をせき止めることで、ウイルスが拡散されることを防ぐところにあるのです。もし病原体を持
つ人が近くにいたとして、マスクなどの措置をとっていないとすると、いくら自分がマスクを着けて
いたとしても防御効果はほとんど期待できない。しかし一方で、マスクをつけることによる保湿効果
で、粘膜からのウイルスの侵入を防止することにはつながる。

 Sep. 30, 2016

また、⑥はインフルエンザのワクチンは、その年に流行するウイルスのタイプを南半球での流行デー
タをもとに予測して生産。そのため、年によっては予測が外れて流行が拡大することも十分にあり得
るが、現在は、いくつものタイプのウイルスに効く「ユニバーサルタイプ」のワクチンも開発されて
おり、アメリカで流行するウイルスの9595%、全世界でみても88%のウイルスに有効なワクチン
の開発が計画されており(上図参照)、今後生産が始まるとワクチンの効果がさらに高まることも期
待されている。



彼女は、現在使い捨てのマスクは使い勝手が悪い、従来の個人向けの布製のマスクが欲しいと言うので、
考えてみたが、デジタルオーダーメイドマスク事業も悪くないが、保湿剤/保湿材をインナーする構造の問題
あるいは、使い捨てを避ける方法、例えば、保湿力の回復に電子レンジなどで除湿/殺菌できりょうな保湿
剤(材)の開発が必要となる(:残件扱い:参考までに関連特許を下記に掲載しておく)。

 ・特開2013-244153  衛生マスクインナーシート 株式会社ニチエイ 2013年12月09日
・特開2009-221136  糖誘導体製剤 金子 達雄 他 2009年10月01日
・特許6244007  マスク 株式会社無有 2017年12月06日
・特開2011-021001  水分補給剤又は保湿剤と組み合わせた、抗酸化剤としての高ポリフェノール植
 物抽出物の使用 エルブイエムエイチ レシェルシェ 2011年02月03日
・特開2011-167226  抗菌マスク、マスク用抗菌フィルタ及びそのマスク又はフィルタを用いる抗菌
 方法 中村 憲司 他 2011年09月01日

 


● 今夜の寸評:超加齢と東洋医学

長時間座っていると、胃腸に不具合が起こるということは体験しているが、腧を刺激するだけで矯正
できる、あるいは、免疫力アップや成人病予防にも費用がかからず予防できるということを耳目する
ことが多くなった。そこで、市立図書館で小雨降る中貸し出しに車を走らせる。これで正月(15日
までのの読み物は決まった。テーマは「超加齢時代と東洋医学(経脈療法)。 

                                            

  


ホットエレクトロンの慈雨

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  口が軽いのは:口が軽いのは、言葉に責任を感じていないのだ。

 

 

   

      No.123  

【最新光電変換技術篇:熱電子はソーラー変換効率を向上させる】 

  Dec. 20, 2017

12月20日、熱電子の研究は、エネルギーのアルゴンヌ国立研究所(上図参照)によると、太陽エネル
ギーと再生可能エネルギーの研究をヒートアップさせている。ナノ科学者らは、高効率に光をエネル
ギーに変換する方法を発見したことを公表する。アルゴンヌ研究者らのグループは、人間の毛髪のよ
りも小さいハイブリッドナノ材料で光子の完全エネルギー化に向け開発を行った結果、ナノ材料の構
成要素に衝突する光子と同じ量のエネルギーを運ぶホットエレクトロン(熱電子)❏ が生じ、太陽電
池や光触媒の大幅な進歩につながる可能性がる。関係者によると、より大きな粒子では、光子エネル
ギーに近いエネルギーを持つ高エネルギー電子はごくわずか。このため極小の粒子を必要とする。同
研究グループは、多くの光吸収させるため金属含有をゼロにし材料エネルギーの高い電子量を増加さ
せている。ホットエレクトロンの最大化する条件決定のため材料設計計算し、酸化アルミニウムスペ
ーサで分割した金膜と銀ナノキューブで解決する。アルゴンヌ研究では、このナノ構造はホット電子
を高密度生成できる。重要な進歩は、紫外から可視、近赤外に至るまで、非常に広いスペクトル範囲
高エネルギー電子を生成する能力にある。

❏ 半導体における衝突電離 

通常、半導体中の電子は、電圧の印加により低電圧側から高電圧側に移動する。電界が小さい場合は、
十分な速度まで加速される前に、半導体を構成する分子や原子に衝突するため、衝突と衝突の間の緩
和時間も長く、正のフィードバックが生じにくい。
電界強度を上げると、電子の運動エネルギも高くなり、緩和時間も短くなるため、衝突電離は生じや
すくなる(平均自由行程)。この衝突電離で生じた電子は電界で加速され、運動エネルギーが高い状
態になる、これをホット・エレクトロン (hot electron) と言う。 この衝突電離が生じると、キャリア
の量が増大するため、電流は急激に増加する。これを利用した素子が、アヴァランシェ・ダイオード
や、アヴァランシェ・光・ダイオードである。
その一方で、特に GaAs の MESFET や HEMT 等の電界効果トランジスタでは衝突電離で生じたホー
ルの流出先が存在しないため、単純な電流増幅だけでなく、蓄積されたホールによるポテンシャルの
変動による不安定現象(キンク現象と呼ばれる)が発生する。衝突電離は、半導体のキャリアの生成・
再結合の過程の一つであり、高電圧時の半導体物理を理解するには必須な項目である(Wikipedia)。



図1.イントラバント励起によるホットエレクトロン分布図
   a .イントラブランドポンプ条件下での貴金属の代表的な電子密度状態(N)図、spバンドの自
   由電子は、プラズモンディフェージングの間にポンプ光子(ψ)ポンプのエネルギーを捕捉
   し、電子 - 正孔対の分布を促進する。b.非熱(赤)キャリアは、最初に、励起時にフェルミ
      エネルギー(E F)に対して対称的な階段状の分布を形成する。電子 - 電子(e-e)散乱の後、
      フェルミ - ディラック分布を有する熱電子集団(シアン)が、非熱電子から、格子の電子温
      度より高い電子温度で形成される。

❏ 超広帯域プラズモニック・ナノパッチメタサーフェスの
                ホットエレクトロンの生成と異方性クーロン散乱  

Titol:Enhanced generation and anisotropic Coulomb scattering of hot electrons in an ultra-broad-
         band plasmonic nanopatch metasurface, Nature Communications. Oct. 17, 2017, doi:10.103
         8/s41467-017-01069-3                        

【要約】

熱エネルギー変換前のナノ構造体プラズモン励起によるエネルギー電子生成は、光エネルギー変換と
超高速ナノフォトニックスの広範な用途が提案されているが、「非熱的な」電子の使用は、主に、低
い発電効率と超高速減衰により制限される。過渡吸収分光法で測定する高濃度のホットエレクトロン
(=熱電子)を生成する銀ナノキューブに接合した金基板に含まれるブロードバンドプラズモニック
ナノナノチューブメタサーフェス(metasurface:超表面/超界面)の使用に関する実験と理論結果を
報告する。フェルミ面近傍のsp バンド内の異方性電子 - 電子散乱から生じる、非熱キャリアの3つ
のサブ集団の証拠を見つける。メタサーフェスのバイメタル特性は物理学に強く影響し、主に金中で
散逸が起こり、熱電子(ホットエレクトロン)生成の量子プロセスは両方の成分で起こる。この計算
は、強力な超高速非熱電子構成要素の作製にあたっては、幾何形状と材料の選択が重要である。


図2.地表面のジオメトリとキャラクタライゼーション
   a.薄いAl2O3スペーサーを支持する50nmの厚さの金膜上に150nm(エッジ長)のPVP被覆コロイ
      ド銀ナノキューブを堆積させ、過渡吸収分光法で調べることによりNanopatchメタ表面を作製し
      た。b.直径18mmのメタ表面フィルムの画像と、(c)表面上の離散ナノキューブの対応する走
      査電子顕微鏡写真(スケールバー= 500nm)


図2.実験的および計算された吸光度スペクトルによる表面電荷分布の3Dマップ

a. 実験的および計算された吸光度スペクトルによる表面電荷分布の3Dマップ。多極モード(M)、金
バンド間遷移(IB)、四極モード(Quad)およびギャッププラズモンモード(Gap)に対応する示さ
れた波長における8nm Al 2 O3試料の表面電荷分布(任意単位)


図4.メタサーフェス上における非熱電子の生成と検出の向上

a.ギャップ共鳴における25nmのAl2O3スペーサーと比較した8nmのAl2O3スペーサー上のAgナノキュー
ブの正規化された微分吸光度のキネティックトレース、および(b)透過モードのSiO 2上の露出したAg
ナノキューブへの超高速(約100fs) 応答の減衰。40,40および500μJcm-2の入射フルエンス(吸収フル
エンスを一定に保つ)を用いて、8 / 25nmおよびSiO2サンプルをそれぞれ1100 / 1120,900 / 920および
500 / 365nmでポンプ/プローブし、〜100fs応答は、高エネルギー非熱キャリアの緩和から生じる。
c、d.非サーマルキャリア発生率(c)とジオメトリとポンプ波長の関数としてのピーク非サーマルキャ
リア密度(d)の推定値との比較。NIRにおける興奮については、シグナルに対するより大きな寄与が
期待される。


図5.非熱的ホットエレクトロン生成の幾何学的依存性

表示された10個のナノ粒子構成の非熱的キャリア発生率は、対応するプラズモン共鳴波長でプロット
され、明確にするためにラベル付けされ色分けされている。赤いテキストは、ギャッププラズモン共
鳴に対応する。Agを用いるジオメトリーは、ダンピングが低く、運動量緩和時間が長いため、Auよ
りも高い速度を示し、間隙励起による生成は、裸のナノ粒子の共鳴よりはるかに効率的であることが
示されている。全ての場合において、ナノ粒子の体積は、ナノスフェアの直径185nmおよびナノロッ
ドの長さ340nm(100nmのエッジ)に対応する(150nm)に固定された。ナノパッチの幾何形状(5,7-10)
では、Al2O3スペーサーを使用し、対応する厚さを標識した。

 図6.UVからNIRに及ぶメタ表面の過渡吸収測定

a.約130μJcm-2のフルエンスで1100nmで励起された8nmのAl2O3 メタサーフェスの微分吸収スペクトル
マップ。b.図示のように、ナノキューブ多極、四極、およびギャッププラズモン共鳴および金IB
遷移に対応する特徴を有するポンプパルスに対して+ 35fsで得られた定常吸収スペクトル(紫色)と
示差吸収スペクトル(青色)。垂直の点線は、各遷移間のゼロ交差点に対応する。平面内電界配向の
IB遷移およびプラズモンモードのピークにおける表面電荷(c)および電界プロファイル(d)の断面図。
磁界強度スケールは、マルチモード(マルチ)モード、インターバンド(IB)トランジション、およ
び4極(クワッド)モードおよびギャップモードのための100×フリースペースの最大20×空きスペー
ス。 e選択された波長で(b)に示された4つの吸収特徴に対する対応する動態トレース。多極とIB
動力学は、熱電子 - フォノン散乱によって支配される応答を示すが、4極およびギャッププラズモ
ン共鳴は、非熱電子散乱から生じるはるかに速い応答を示す。

図7.超高速応答の寿命密度分析

図6の示差吸光度データに当てはめた対数尺度で表示される寿命密度マップ(LDM)。各共鳴で寿
命の全範囲にわたる複数の異なるピークが観察され得る。b、c 多極およびギャッププラズモン共鳴
における高速、中間(int)および遅い非熱電子散乱および熱電子散乱に対応する減衰関連スペクト
ル(DAS)の比較。1100nmでの小さな変動は、残留ポンプ散乱によるアーチファクト。d-g図6eの動
力学と同じ波長でのLDM(青色の円)の寿命トレース。 非熱電子 - 電子散乱および熱電子 - フォ
ノン散乱からの寄与(完全な適合応答(赤線))が示されている(陰影領域)。灰色領域はフォノン
- フォノン散乱(約10ps)と格子加熱による半無限減衰(約100ps)からの寄与。


図8.IB遷移からAuバンド構造内のキャリア位置特定の解決

a.ブリルアンゾーンのX、L、K対称点付近のフェルミレベルの3つのspバンド交差点を示すAuのバン
ド構造。ギャップ共振におけるイントラバンドポンプ(赤矢印)は、フェルミ面を横切るspバンド内
の非サーマルキャリア分布(円)を促進する。IBプローブの波長(青色の矢印)は、上のdバンドか
らX線とL点の近くのフェルミ面の交差点までの遷移のみを監視する。
b  Auと強い類似性を示すAgのバンド構造。 AgにおけるIB遷移は〜4eVより高いエネルギーで起こり、
プローブ(青色矢印)は測定範囲内のイントラバント遷移のみを監視する。赤い矢印は、再び、ギャ
ッププラズモン共鳴におけるイントラブランドポンプ光子を指す。 (a、b)のデータは文献42,43か
ら得られたものであり、分かりやすくするために最高エネルギーのdバンドと最初の2つのspバンド
のみを示す。
c.〜130μJcm -2で励起された8nm Al 2O3 サンプルのIB領域における減衰関連スペクトル(DAS)。各
DASは分かりやすくするためにオフセットされrる。高速非熱キャリアは、X点の近くのフェルミ準位
の下に存在するキャリアを示すX遷移を赤方偏移させ、L遷移で漂白剤も示す。中間の非熱キャリアー
は、それらが吸光度の漂白を誘発するX点のみに局在するようにある。ゆっくりと非熱的なキャリア
は、X点とL点の両方に近い遷移に摂動をもたらし、K点でのIB遷移ははるかに高いエネルギーで起こ
り測定範囲では分解されない。

 図9.ギャップモードでの非熱応答のスペーサおよびポンプエネルギー依存性

ポンプエネルギー(ポンプ)とAl2O3スペーサの厚さが変化、非熱電子散乱に対応する寿命分布ピー
クがシフトする。中間キャリアについては反対の傾向が観察される。3つの e-e 成分のピーク寿命対
ポンプエネルギーの異なる依存性は、非等方性崩壊を有する異なる非熱電子集団への帰属を支持。破
線は補間直線。

今夜もいっぱいいっぱいです。

                                          

   

仮想樹林園ロボ

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  説教ずき:人間の弱点は、ややもすれば教師面をしたくなることだ。
 

 


    爪よりもちいさくなったチョークたちヒマラヤスギにあつまりなさい  

    本棚のなかで植物図鑑だけ (ラフレシア・雨) ちがう匂いだ

                                         やすたけまり歌集『ミドリツキノワ』


 【樹木トレッキング 16:ヒマラヤスギ】  

ヒマラヤスギ(ヒマラヤ杉、学名:Cedrus deodara)は、マツ科ヒマラヤスギ属――雌雄同株の常緑高
木だが,若い木では異株のように見えるものもある。ヒマラヤ地方以西,北アフリカにわたり3種が
知られており,日本にふつう栽培されているのは1種である――の常緑針葉樹。ヒマラヤ山脈西部の
標高1500 mから3200 mの地域が原産地である。高さは40 m-50 m、時には60 mにまで成長し、幹の直径
は3mに達する。樹冠は円錐形で、地面に水平な枝と垂れ下がった小枝がある。針のような形をした葉
はほとんどが2.5-5 cmの長さで、時には7 cmに達することもある。細長く厚さは1mmほどである。芽
は長く単独で生えるものと、短く20から30個で集団を作るものがある。色は明るい緑から青緑に変化
する。雌花の松かさは樽形で、7-13 cmの長さで5-9 cmの幅がある。成熟(12か月)すると崩壊し、翼
状の種子を落とす。雄花の松かさは4-6 cmで、秋に花粉を放出する。

ヒマラヤスギは園芸植物として広く利用され、公園や大きな庭園に植樹されている。栽培できるのは
厳しい冬がない地域に限られ、-25℃以下で生育することは難しい。確実に成長できるのはハーディネ
スゾーン8(最低気温が-6.7℃から-12.2℃)より温暖な地域である[6]。西ヨーロッパ(スコットラン
ドが北限)、地中海と黒海沿岸、中国中南部、北米(バンクーバーが北限)などに広く分布している。
日本には明治初期に導入された。もっとも寒冷に耐えられる品種は、カシミールとパクティヤー州に
分布している。これらの地域から産出された品種は、Eisregen、Eiswinter、Karl Fuchs、Kashmir、Polar
Winter、Shalimarなどと呼ばれる。

ヒマラヤスギは建築材料として大きな需要がある。耐久性、難腐敗性に優れ、良質で緻密な木目は磨
けば美しいつやが出る。歴史的には、寺院とその周辺の造園に使われたことがよく記録に残っている。
腐りにくい性質はシュリーナガルやカシミールの水上家屋に適していることが知られている。パキス
タンとインドでは、イギリス領時代にバラックや公共施設、橋、運河や鉄道車両などに広く用いられ
た[5]。耐久性があるにも関わらず壊れやすい性質は、椅子のような頑丈さを必要とされるデリケー
トな加工には向いていない。ニューヨーク市ではヒマラヤスギで作られた伝統的な高置水槽を載せた
小型の給水塔が個々の建物に設置されており、街の景観の一部となっている。

アーユルヴェーダでは、ヒマラヤスギには病気を治す力があるとされている。木には芳香があり、香
料として用いられる。精油は防虫のために馬や牛、ラクダの足に使われる。また、カビを防ぐ効果も
期待されている。樹皮と幹には収れん作用がある。セダー油は芳香族性があり、特にアロマテラピー
で利用される。その特徴的な木の香りは乾燥によって多少変化する。天然のオイルは黄色、あるいは
黒っぽい色をしている。石鹸の香料や家庭用スプレー、床磨き剤、殺虫剤、顕微鏡用洗剤にも用いら
れる。 ヒマラヤスギの種名deodaraぱ‘神の樹"という意で,実は神聖なものとされている。従ってイ
ソドにはこれに関する伝説が多い。ヒマラヤにはヒマラヤモミ,ヒマラヤツガなどの重要な針葉樹も
知られている。問花期 10月 熟来期 翌年11月。





【仮想通貨のこれから】

● 12月25日 仮想通貨全体の時価総額は、5300億ドル、58兆円

 12月半ば、大学で講義をした際、20歳前後の女子学生から「ビットコイン投資を考えているので
すが今後も値上がりは続くんでしょうか」と尋ねられた。投資経験はほとんどないとのことだ。"B"の
刻印付きの金貨を売りつけるビットコイン詐欺も横行していると聞く。至る所で仮想通貨ブームが猛
威を振るっていることを実感させられる。しかし、一時期の急騰から一転、先週来、ビットコインの
価格は下落している。その一因となっているのが円による投資の激減だ。11月はビットコイン取引
額に占める円の割合が世界一だったが、この1週間で円の取引の全体に占める比率は30%を割り込
み、ドルに水をあけられている。仮想通貨相場は終わりを告げたのだろうかとあるが(「大暴落した
仮想通貨のリスクと将来性 "未来の金融"を制するのはビットコインか、それとも…」、東洋経済オン
ライン、2017.12.28)。1、2カ月、ビットコインの価格変動が話題にならない日はないくらいだ。
しかし、ビットコイン以外の仮想通貨、いわゆる「オルトコイン」の変動幅の前にはビットコインも
かすんで見える。ビットコインを2017年1月に1万円分購入し、ピークで売り抜けていたら20万円
になったが、たとえば日本発の仮想通貨「モナコイン」であれば600万円以上になった計算で12
月25日現在、世界には約1380種類の仮想通貨があり、価格が下落し始めてからも、毎日1~3
種類ずつじわじわと増え続けているという。

これらの仮想通貨全体の時価総額は、5300億ドル、58兆円 に上る(Coinmarketcap、12月25日時
点)。たとえば日本円の流通額は107兆円であるから 、すでにその半分は超える。内訳は、ビット
コインが25兆円と断トツで、仮想通貨市場全体の4割強のシェアを占める。そのほか、イーサリア
ム、リップルなど、7位のイオタまでで市場の8割を占める一方、小規模コインが1300以上存在する。

仮想通貨の増加の裏にあるのが、企業が仮想通貨を発行して資金調達を行う「ICO(Initial Coin Offering)」。
コインは原則として有価証券でないため、比較的簡易な手続きで発行できる。数億円程度の小額の発
行も可能。株式でも借り入れでもないので、既存の株主や債権者の地位を侵すこともない。このため
ICOは急拡大を続けており、11月時点で、世界のICOによる資金調達の累計額は4000億円を超
えた。日本でも今年9月、非上場フィンテック・ベンチャーのテックビューロがICOで100億円超を調
達して話題になった。金融関連以外でも、今月12日には、マンション建設のシノケンが、「シノケ
ンコイン(SKC)」を発行すると発表した。将来は同社の建設するマンションの家賃等の決済手段とし
て利用できるようにする。

 Oct. 27, 2017

● 国による規制や技術の進歩もリスク 

しかし、ICOは税金問題、税率課徴法とその課税率が問題となる。そこで、企業の株式発行/資金調
達にはそのほぼ全額資本として使えるが、ICOは、有価証券の発行には当たらないので、「コインの
販売」として売上高相当が対象となり、法人税が課される可能性が高いと視られている(この場合、
政府間の国際的調整が必要となるだろう)。現行の法人税が徴収されれば、使える金額は7割程度に
なってしまう。また、消費税扱いとなれば0~数10%相当となるだろう。

さらに、仮想通貨の取引についても、制度的にはまだ未成熟。当面最大の問題は、取引所の経営破綻
リスクである。今月19日にも韓国の小規模取引所であるYoubitがハッキング被害に遭い、総資産の
17%を失って倒産。顧客から預かった資産は25%カットされるという。ほかにも小規模のハッキ
ングは世界中で発生しているとか。このため、日本では、こうした取引所リスク軽減に、9月から金
融庁が仮想通貨交換事業者の登録を開始している。資本金が1000万円以上であることのほか、「サイ
バーセキュリティ対策」「マネーロンダリング対策」「顧客の預かり資産の分別管理」「利用者保護」
などをチェック 。現在15社が登録済みだが、国内最大級のコインチェックなど十数社は継続審査
中である。また、仮想通貨の中には、リップルのように、コインではなく取引所からの「借用書(IO
U)」を取引するものもあるが、この場合、取引所が倒産した場合、倒産手続きに巻き込まれる可能性が
ある。

一方、大国では取引に対して厳しい。主に、マネーロンダリングやテロ対策が目的である。すでに、
9月に中国がICOや仮想通貨取引所に対する厳しく規制を導入。離脱交渉でEUともめている英国も、
EU各国と協調し、統一的な仮想通貨規制を模索。ロシアも今月末までに規制案を発表するとしている。
自前の通貨を発行する可能性もある反面、取引所規制は厳しい内容になる可能性もある。微妙なのは
日・韓・豪州である。日本に次いで豪州も、取引所の登録制度を導入した。一方で韓国は、先週、検
討していた仮想通貨規制の見送りを決定した。日本の先例を見て、規制導入による取引増加を警戒し
たもようだ。米国は態度を明確にしていないが、今月、ビットコイン先物の上場を容認している。こ
のように各国のスタンスの違いが大きいことから、来年のG20先進国首脳会議では、仮想通貨への対
応が議題となる可能性が高い。もし主要国が取引を完全に禁止すれば市場への影響は不可避だろう。

  Finacial Review

● 技術で信任を得た覇者が金融を制す

そもそも、現在の貨幣システムは極めて非効率だ。たとえば、世界に300万台あるATMの維持管理費
は年間数兆円に上るとみられる。その他、現金移送費、盗難対策費などが日々のコストとしてのしか
かり、間接的に利用者が負担させられている(➲タンス預金)。また、海外取引の利用者負担はさら
に重い。たとえば、30万円を銀行から海外送金するには、送金銀行分、為替、受け取り銀行分の3
種類の手数料が、合計で1回1万円近くかかる。そのうえ、1回当たりの送金はおよそ100万円が
上限となる。技術者たちは、仮想通貨相場とは無関係な世界で、こうした金融の非効率さを改善しよ
うと開発に死力を尽くしており何らかの改革が起こる可能性は高い。しかし、インターネットのウェ
ブ・ブラウザの世界でも20年前に始まった時点で覇者を予測するのは不可能だった。先駆者は覇権
を握れず、利便性や技術に優れたものがさまざまな経緯を経て選別されてきた。仮想通貨の世界でも、
その覇者は世界中の信任を得て金融の仕組みを一変させ、大きな価値を生むだろう。ただ、それがど
のような技術が主体になるのかが見えるにはまだ時間がかかると予測されている。

 Dec. 26, 2017

● 「ビットコインの終わり」が告げるブロックチェーン

ところが、連日のようにメディアをにぎわせている仮想通貨ビットコインは、「通貨」としてはほと
んど使われていない。企業の関心は、ビットコインが残した基盤技術のブロックチェーンをどう使う
かに移ってきている。暗号通貨ビットコインをめぐる動きが異様だ。日本を中心に個人投資家が次々
と手を出したことで価格が急騰し、時価総額はわずか1年で23倍以上となる約2941億ドルにま
で膨らむ(12月13日時点)。ビットコインの世界の取引の4割は日本円建てとされ、値上がりを
期待する個人がいまも殺到していことは前出通りだが、さらに12月10日には米国で先物取引がはじま
ったことで、手元にビットコインがなくても売買ができるようになり、ビットコインの投機的な性質
はさらに高くなっている。連邦準備制度理事会(FRB)のジャネット・イエレン議長はビットコイン
について「極めて投機的な資産」であり、「法定通貨としての性質を持たない」。米大手銀行JPモル
ガン・チェースのジェイミー・ダイモンCEO(最高経営責任者)は、「ビットコインは詐欺」と発言。
実際、個人取引の9割以上は決済手段ではなく投機目的だとされ、日本銀行フィンテックセンターの
初代センター長を務めた岩下直行京大教授は、2017年7月に開催されたブロックチェーン関連のイベ
ントで「今のビットコインは、値動きが激しくて(通貨としては)実はとても使いにくい」と発言し
ている(「ASCII.jp:「ビットコインの終わり」が告げるブロックチェーン新時代の幕開け」、2017.
12.26)。

 Dec. 26, 2017

 一方、テック業界を中心に幅広い業界で急速に関心が高まっているのが、ビットコインで使われてい
る「ブロックチェーン」のテクノロジーである。ビットコインには否定的なJPモルガンも、ブロック
チェーンの技術的な可能性には注目しており、将来の金融取引での利用を見据えてブロックチェーン
技術に積極的に投資している。ビットコインの本質的な意義は、新たな金融商品などではなく、ブロ
ックチェーンという分散台帳技術を使って、通貨のような改ざんが絶対に許されないデータをやり取
りできるようにしていることが肝となる。

ここでお復習い。ビットコインは、サトシ・ナカモトと呼ばれるプログラマーが2008年に発表した
暗号通貨である。2009年前半にはビットコイン取引に使うソフトウェアが発表されたものの、すぐに
は注目されなく、ビットコインが実際に使用できる場所がほとんどなく、具体的な使い道がなかった
だ。だが、2013年にヨーロッパの小国キプロス共和国で起きた金融危機で向きが変わる。多くのキプ
ロス人がビットコインを資産の逃げ場として選んだことから需要が高まり、ビットコインは世界中の
投資家から注目を集め、自国通貨である人民元の不安定な状況から、中国の富裕層らがビットコイン
を「爆買い」し、ビットコインの価値がさらに高まっていった。日本でも2017年4月に資金決済法が
改正され、準通貨とし利用できるようになったことからビットコインの取引が活発になる。

● 暗号通貨を支えるブロックチェーンとは何か

その後、ビットコインの加速度的な成長は周知のとおりだが、そもそもビットコインに大量の資金が
なだれ込んだのは、ビットコインが「安全」であるという大前提。それまで世に存在しなかった新し
い通貨の仕組みを支えるには、絶対に破られないと言える強固なセキュリティが必要になる。その暗
号通貨を支えている技術が、ブロックチェーン。ブロックチェーンは、もともとビットコインを完全
な通貨として流通させるために生み出されたものだ。 

そもそものブロックチェーンとは、ビットコインのすべての取引履歴が記録されたシステム(台帳)。
ただし、従来のような中央集権的なデータベースではなく、ネットワークでつながれた複数のコンピ
ューター(ノードと呼ぶ)が取引の検証や更新を行なう。ブロックチェーンは、過去におけるすべて
の取引を個々のブロックに分け、それを1本の鎖(チェーン)のように繋げた形で記録している。新
しい取引が行なわれると、その取引を記録した新たなブロックが作られ、各ノードが持つチェーンの
最後に加えられていく。ブロックチェーンによる記録の典型的なプロセスは、次のようなものだ。ユ
ーザーとビットコインの売買の取引を行ったノードは、まずネットワーク全体にその情報を送信する。
次に、別のノードが複数の取引記録をまとめたブロックを作成し、あらためてネットワーク全体に送
信する。このとき、ブロックには1つ前のブロックの内容を示すハッシュ値が含まれる。このブロッ
クに対して、各ノードがあらかじめ定められたアルゴリズムに従って正当性を検証する。検証した結
果に問題がなければ、各ノードはそれぞれが保有するブロックのチェーンに、新しいブロックを追加
していく。

いったん、ノード間で交わされた取引の記録は、複数のノードのチェーンに記録されるので、過去の
取引記録の一部を改ざんしようとすると、すべてのノードにおいてそれ以降の取引記録を改ざんしな
ければならない。そのため、実質的に改ざんは不可能であり、ブロックチェーンが安全とされるゆえ
んとなっている。また、ブロックチェーンのシステムは、無数のコンピューターがピア・ツー・ピア
(P2P)で繋がっているため、ネットワークに接続されたノードの一部が故障しても、他のノードが
有効である限り機能し続ける。さらに、ノード間のネットワークが障害などによって分断されてもシ
ステムがダウンしないことが、高い可用性を担保している。こうした特性によって、分散型台帳であ
るブロックチェーンは、単一の中央管理システムに比べて、システムコストや取引の事務コスト、障
害時のメンテナンスコストなどを大きく抑えることができる。また、ビットコインのブロックチェー
ンの取引台帳は世界中に公開されているため、すべての取引が追跡できる透明性も備えている。

● 広がるブロックチェーンの可能性

高い可用性や安全性、低廉なコストなどを理由に、いまやブロックチェーンはさまざまな方面から注
目を浴びる。例えば、欧州では身分証明者などを持たない難民の生活を支援するために、ブロックチ
ェーンが利用されている。フィンランド移民局では2015年から難民にプリペイド式のマスターカード
を配布。このカードは通常の銀行口座としても機能するが、ブロックチェーンによって取引が管理さ
れているため、銀行などを通さずに個人間で送金ができる。マスターカードが使える店舗や銀行のA
TMでも使用でき、光熱費や家賃を支払ったりするほか、雇用主から給与の振込を受けることもでき
る。移民局はブロックチェーンの公開台帳によって、カードの所有者と支出の動向を把握する。

 ● ニーズに応じたブロックチェーンの進化

ここまでの事例を見て、「なぜブロックチェーンでなくてはならないのか?」との疑問を持つ人もい
るかもしれない。食のトレーサビリティーにしても医療情報の記録にしても、従来の中央集権的なデ
ータベースで構築したシステムであっても、問題はないように思えるからだ。「日本国内だけに目を
向ければ、その価値を実感するのは難しいかもしれません」と話すのは、暗号技術の専門家である
NEC セキュリティ研究所の佐古和恵技術主幹だ。佐古技術主幹は、グローバルに目を向けることで
ブロックチェーンへの見方は変わっる。その一例が、製造業である。製造業は日本企業であっても、
世界中から資材や部品を調達する必要がある。自動車を例に取れば、組み立てに必要な部品の数は2
万点にも上り、最終的に消費者に対して製造責任を負うメーカーは、それぞれの資材や部品について
どこでどのように製造され、どのようなルートを経て入ってきたのか、追跡する必要がある。そこに
ブロックチェーンのテクノロジーを使ってサプライチェーン全体の流れを正確かつ効率的に記録する。

だが、こうした企業でのブロックチェーンの利用を考えたときに、企業のニーズと必ずしもマッチし
ないことがある。具体的には、セキュリティの向上と処理スピードの両立、秘匿性の確保である。た
とえばNECでは、これらの課題を解決するために、既存のブロックチェーンの仕組みを改良し、独自
のブロックチェーンを開発している。まず、セキュリティについては、不正なデータの破棄に必要な
ノード数を従来の3分の2以上から2分の1以上に改良することでビザンチン障害耐性を強化し、より
少ないノード数でセキュリティを担保できるようにした。また、秘匿性について、企業では取引の中
身だけでなく、取引の存在自体が知られるだけでも都合が悪いこともあるため、取引当事者のみでブ
ロックチェーンを生成する「サテライトチェーン」という仕組みを考案。もともとはビットコインと
いう通貨のために生まれたブロックチェーンは、ビットコインの存在感が高まるにつれ、注目度を高
めていった。そしてビットコインの性質が通貨から投資商品へと変質していったように、ブロックチ
ェーンもまた、開発当初の想像を超えた領域で使われようとしている。セキュリティや秘匿性といっ
たニーズに応じたブロックチェーンが開発されたことで、ますます多様な分野においてブロックチェ
ーンのテクノロジーは利用されるようになると予想されている。

ここでお復習い。ブロックチェーン(Blockchain)とは、分散型台帳技術、または、分散型ネットワ
ークである。ブロックチェインとも。ビットコインの中核技術(Satoshi Nakamotoが開発)を原型と
するデータベースである。ブロックと呼ばれる順序付けられたレコードの連続的に増加するリストを
持つ。各ブロックには、タイムスタンプと前のブロックへのリンクが含まれている。理論上、一度記
録すると、ブロック内のデータを遡及的に変更することはできない。ブロックチェーンデータベース
は、Peer to Peerネットワークと分散型タイムスタンプサーバーの使用により自律的に管理される。フ
ィンテックに応用されるケースでは独占や資金洗浄の危険が指摘されることもある。

また、日本ブロックチェーン協会は、独自に技術としてのブロックチェーンを定義している。ブロッ
クチェーンは以下の諸点でビットコインよりも一般化された概念である。

❶ 管理者を置けるし、取引履歴も非公開の形で運用できる。
❷ 採掘者(マイナー)や、暗号通貨ないしトークンは設計次第で必ずしも要しない。
❸ 企業などによって運用されている既存の決済・ポイントサービスなどのシステムを、記録が非公
  開で運用されるブロックチェーンのシステムに代替することにより運用コストが削減され、決済
  手数料等が抑えられると期待されている。

わたし(たち)が仮想通貨(電子マネー)あるいは仮想現実に着目し研究をはじめたの1995年の
ことである。そこを起点にすると20数年で実際に運営されるようになった(「ブロックチェーンの
「信頼」は金融を民主化するか──日本から世界に打って出る金融コンサル集団の挑戦|WIRED.jp、
2017.12.27)。ここでも『デジタル革命渦論』が現実として展開されているというわけだ。実に面白
いことだ。

 

 ● 今夜のビデオ

 

Gatebox社は、ホログラム投影技術と各種センサを活用して、専用デバイスに表示されるデジタルキ
ャラクター「逢妻ヒカリ(あずまひかり)」)と、リアルなコミュニケーションを楽しめるホログラ
ムロボット。キャラクターデザインは恋愛シミュレーションゲーム「ラブプラス」などで知られる箕
星太朗氏が手がけた。ヒカリは、主人(ユーザー)の行動を認識して会話をしたり、接続した家電を
操作したりしてくれる。たとえば、朝になるとグーグルカレンダーと連携して、指定した時間に「お
はよう、朝だよ」という言葉とともに、部屋の照明をつけてくれる。また、主人が音声でお願いする
と、テレビやエアコンをつけてくれたり、その日の天気を教えてくれたりする。販売されるや30万
円という高額にもかかわらず則完売。



このニュースを知り、それじゃ『仮想樹林園ロボ』もあっても良いのではないかと思いつく。例えば、
「ヒマラヤスギ」と問いかければ、関連する情報(ヒマラヤスギの誕生と成長がホログラム表示され、
次に、詳細の部位や関連情報がマルチメディアで解説され、プリントアウト(二次元/三次元)でき
るというもの。これは植物だけれど動物の『仮想魚類水槽ロボ』など動きのあるもの面白いんじゃな
いかとも。デジタル図書館シリーズでありながら、「室内装飾ホログラム」シリーズも兼ねるという
もの。また、新しいホログラム表示デジタル書籍事業として創成できそうではないだろうか。

メタ時代に花一匁

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  挨 拶:孟子が斉に滞在していたとき、弟子の楽正子が訪ねて来た。楽正
     子は魯に仕える身だが、魯を訪れた斉の使若子敖(しごう)が任務をはた
     して帰国するとき、かれに随行して斉にやって来たのだ。ところが、子敖
     は孟子がひどく嫌っていた人物、その人物に随行してきた楽正子に会って、
     孟子は不機嫌である。

    「おやおや、おまえもわたしに挨拶に来だのかい」
    「わたしがご挨拶にあがるのは当然なこと、どうしてそのような言いかたを
     なさるのですか」
    「では聞くが、おまえは一体いつ当地にやって来だのかね」
    「昨日です」
    「昨日? それならば昨日のうちに来るのが当然ではないか」
    「なにぶん、旅館がきまらなかったものですから」
    「ほほう、それでは、目上に挨拶するのは旅館がきまってから、こういう教
     えでも受けたのかい」
    「失礼いたしました。わたしが悪うございました」

 


 【樹木トレッキング 17:ヒメコマツ】  

ヒメコマツ(別名、姫小松、Pinus pentaphylla: マツ属――雌雄同株の常緑高木または低木。葉は短枝
に2~5葉衆生する。世界には約百種を産し、日本には7種がある。2葉のものはアカマツとクロマ
ツの2種だけだが、5葉のものはチョウセンゴョウ、ヒメコマツ、ハイマツ、ハッコウダゴョウおよび
屋久島に恋するヤクタネゴョウである)は、本州中部から北海道南部にわたって生ずるふつうの五葉
松。高山では時にハイマツと混生し、幹が斜上する場合もある。ハッコウダゴョウはこの形のもので、
幹は斜上またははう。ハイマツとヒメコマツとの雑種といわれ、種子のはねはごく短いか、またはな
い。南方形のゴョウマツ var. himekomatsu MAKINO よりやや女性的な感がある。どちらも20mぐらいに
達する高木で、庭木や盆栽として重要なマツである。この2種の区別は非常にむつかしいが,ヒメコ
マツの球果は熟するとりん片がよく開き、種子のはねはやや長いが、ゴョウマツのりん片はあまり開
かず,粒子のはねは短い。材は建築,器具,船舶,家具,楽器,彫刻などに利用され,特にピアノの
響扱として最適であるといわれる。ストローブマツ Pinus strobus は北アメリカの五葉松で、庭木とし、
また北海道では造林している。珍果は円柱形でまっすぐぶら下がっているので,日本のマツに比べて
特異な感がする。


● スマートフォンに変えて

 
買い換えてみたものの、操作はからっけしだめでひたすら彼女に教えてもらっている有様(言い訳が
ましいが年間換算1500~1800時間毎日の超過勤務である)。そんな折り手紙がメールに変わ
る『デジタル革命渦論』を歌った七首と出会う。

 

       茶屋街は夏のなごりの暑さとぞメールー通わが手に届く

       用件のありてなきごときメールなれよしなしごとの心に沁みて

       つれづれがメールの主題 添えられてほんのり溶むひとときの暦

       四時過ぎのバス停にバスを待つ間あり昭和行きなどあらば乗りたし

       手紙一通投函をしてバスを待つひとときの間の時の恋しさ 

       つながりの濃きはさておき淡けれどこころに沁みる絆もありぬ

       返信を送りて庭に降りたちぬゆうべ仄かに秋づく深空

                             『返信』三枝浩樹

  「誰が見てもノわれをなつかしくなるごとき/長き手紙を書きたき夕」は啄本の一首で、「我を
 愛する歌」に収められている。この心は広くわれわれ読者のものでもあろう。個の思いが個に留
 まらず同時に普遍のものでもあること。これは歌詠みの最終ゴールであろう。平凡に見えても非
 凡。啄木はやはりいい。 人恋しい思いでペンを執り手紙をしたためる。あるいは懐かしい人か
 らの手紙が届く。感受性のひりひりするようなアンテナが鈍くなっているせいもあるが、そうい
 うことが年と共に減ってきている。便せんに字をしたためて、封をし、近くのポストまで出しに
 行く。投函の音を確かめるなんてことも時にはあって。手間の掛かるこれらの一つIつが手紙を
 書く手応えであり、愉しみでもあると言えよう。一方、メールは簡便で、今はこちらを利用する
 ことが多い。慣れてしまえば、懐かしいメールをもらったり送ったりすることも少なくない。ど
 のツールを使うか。それも問題だが、犬切なのはやはり心。手紙の心でメールを送りたい。

                              「手紙とメール」三枝浩樹


この作品に触れ、「勝ってうれしい花一匁」ので校庭で遊んでいた光景が頭を過ぎる。やれラインだ
フェイク・ニュースだの喧ぎすましい世事であるが、この作家のように良き伝統をここでもつくりあ
げたいと思った次第。されど、歌を忘れたカナリア状態がいまもってつづいているが・・・。

   

      No.124

● メゾとメタ時代の幕開け

この一年を振り返ってみると、メゾ(mezzo)とメタ(meta)いう接頭語に集約され年であった。
メゾとはイタリア音楽用語であるとともに、メゾチントのように、金属凹版にロッカーという櫛の
ような刃がついた器具で版全体に無数の刻みを入れたり、ささくれ状態の線をつくったりする。さ
らにその上をバーニッシャーやスクレーパーという金属のヘラのような器具でささくれを削ったり
ならしたりして絵を描き、刷る際にはインクを細かな刻みに擦り込んだ後に、刻みのない部分から
は拭い落とす。これにより、刻みが残っている部分はインクの色が濃く現れ、刻みが削られたりな
らされたりした部分は白く浮き出るという効果が得られるグラデーション技法でもある。一方やメ
タは、メタ(meta-)とは、「高次な-」「超-」「-間の」(=mezzo)「-を含んだ」「-の後
ろの」等の意味の接頭語。ギリシア語から。例えば物質界の現象を超越した世界を取り扱う学問を
「形而上学」というが、これは英語でmetaphysicsであり、physics(物理学)の後の学問として存在
する。

尚、ある対象を記述したものがあり、さらにそれを対象として記述するものを、メタな○○、ある
いは単にメタ○○と呼ぶ。また、情報理論では、情報に付加されるそれ自身に関する情報がメタデ
ータ(メタ情報)と呼ばれる。さらに、ベンゼン環の2置換体の構造異性体のうち、2つの置換基が
炭素原子1つをはさんでいるものにメタ(meta-、イタリックで、ハイフンをつける)をつける。言
い換えれば、1位と3位の炭素原子に置換基があるものである(隣り合う番号は他にもあるが、命
名規則により1位と3位となる)。m- と略して書き、メタに対し、隣(1位と2位)をオルト (
ortho- , o-) 、反対側(1位と4位)をパラ (para- , p-) と表し、また、ある置換基に注目したとき、
その二つ隣の位置をメタ位と呼んでいる。さらに、ドイツ語のメタモルフォーゼ( Metamorphose)
は変化、変身の意。ギリシア語のメタモルフォーシス(μεταμόρφωσις, metamórphōsis;
複数形はメタモルフォーセス μεταμορφώσεις, metamorphṓseis)に由来する。

ところで、科学・工学・技術・産業分野でのそれは、このブログテーマの1つである『ネオコンバー
ティツク』(通称、ネオコン)事業とも密接する。例えば、メタフォトニクス(Metaphotonics」と
は、電気的相互作用と磁気的相互作用の両方を用いたナノエンジニアリング(メタ)材料の電磁場
の操作とそれらのクロスカップリングを扱う新興分野――光スイッチから、屈折率がゼロまたは負
の屈折率のメタマテリアル(nanomaterials)、キラル・バイオ( chiral bioimaging)イメージング、ク
ローク(cloaking)に至るまで、線形および非線形光学機能の前例のない制御を提供するが。このよう
な用途の実現には、自然発生材料を上回る調整したた可視/赤外線波長の電磁気特性の人工媒質の
物理学的誘導ナノエンジニアリング(physics-guided nanoengineering)を必要とする。ここで、メタ
マテリアル(nanomaterials)とは、光を含む電磁波に対して、自然界の物質には無い振る舞いをする
人工物質のことである。「メタマテリアル」という語句自体は「人間の手で創生された物質」を示
すが、特に負の屈折率を持った物質を指して用いられ、「電磁メタマテリアル」という表現も認め
られているが、メタマテリアルの人工的構成要素はメタ原子と呼ばれる。また下写真のようにメタ
従来のガラスガラスレンズより10万倍薄いマテリアルレンズが開発されているが、これらはまた、
メタサーフェス(metasuface:超界面/超表面)とも呼ばれている。

  Jun. 3, 2016    Apr. 12, 2016

また、太陽高発電のソーターモジュール領域では、量子ドットやペハイブリット型ロブスカイト、
アップバージョン型のように30%超のメタ光電変換効率(Metaphotoelectric conversion efficiency)
の太陽電池や量子コンピュータやメタ生命工学のように再生医療、蛋白表面修飾、遺伝子改変など
の技術開発が加速しているように、この20年間で新規の前例のない発明・発見が矢継ぎ早報告されてきた
年でもあった。

 Jul. 6, 2017

   Dec. 28, 2017

【エネルギータイルイング事業篇:最新舗装一体型ソーラータイル技術】 


 ● 特集|舗装型太陽電池

太陽光発電舗装は、太陽光を太陽光で集めることによって発電する舗道の一形態である駐車場、歩
道、車道、通りおよび高速道路はすべて、この材料を使用できる候補地である。2013年、ジョージ・
ワシントン大学ソーラーインスティチュートの学生たちは、太陽電池パネルと呼ばれる歩道を設置。
SolaRoadはオランダの応用科学研究機構(TNO)、Ooms Groep、Imtech、オランダのNorth Holland州で
開発されているシステム。2014年11月にオランダのクロメニーに100mのサイクルパスでパネルを設
置する予定。 Oven Avenhorn Holding AVがAvenhornに設置した「太陽道」のコンセプトは、家庭の
暖房に使用するために太陽光線と熱水を吸収するためにアスファルトと滑走路を使用。米国アイダ
ホ州のSolar Roadways社は、現在の道路、駐車場、進入路を電気を発生する太陽光発電ソーラーパネ
ルに置き換えるプロトタイプシステムを開発中である。韓国は自転車道の上のソーラーパネルで覆
われた中央値を持つ高速道路を建設。世界の最初の太陽光発電道路は、2016年にフランスのオルヌ
にあるトゥールヴレに建設。SocieteNouvelle Aeracem(SNA)により建設され、2016年10月25日にSeg-
oleneRoyalのフランス生態学大臣によって捧げられた "Wattway"と呼ばれ、 2016年12月22日に道路
の1km区間が開通している。

● ソーラーロードパネル

太陽道路の主な目的は、住宅のドライブウェイまたは企業の駐車場のいずれかからシステムに接続
されている地元の住宅や企業が使用できる太陽からのエネルギーを生成するソーラーパネルでアス
ファルト道路を置き換えることです。パネルはまた、もしその駅が太陽道に接続されているならば、
電気自動車の充電ステーションの数を増やすだろう。各パネルは、道路線として使用される独自の
LEDライトを備えた12インチと12インチのインターロッキングパネルで構成されている。また、
「Reduce Speed」や「Traffic Ahead」などの単語を使用してフローを支援しますトラフィックのーラ
ーパネルを構成する3の層がある

1.道路表面層 - 道路層は、太陽光線を引き寄せる光電池を持つ高強度層であり、車両が道路を
  滑らないように牽引力を持ち、下層は保護防水処理している。
2.電子層 - 電子層には、パネルの発熱体を制御するためのミニマイクロプロセッサー・ボード
  が含まれています。この技術は、パネル上の雪を溶かし、危険な道路状況が北部地域ではもは
  や問題にならないようにする。 この層は、パネル上にどれだけの重さがあるかを感知し、雪
  を溶かすように加熱要素を制御できる。
3.ベースプレート層 - ベースプレート層は、太陽からのエネルギーを集め、ソーラーロードに
  接続された家庭や企業に電力を分配する層。 これはまた、バッテリーを充電するためにストリ
  ップを駆け抜けて車にエネルギーを移すために使用される

● ソーラーロードパネル

ミズーリ州交通省(MoDOT)は、コンウェイ以外の休憩所で「スマート舗装」のテストを開始。2016
年後半に歴史的なルート66に沿ってミズーリ州に到着。パイロットプログラムは現在、ビジターセン
タで約200平方フィートの歩道をカバーし、連邦道路管理局(Federal Highway Administration)により
大部分補助された100,000ドル(Landers)。 ミズーリの交通インフラストラクチャーの新しい革新の
ズーリ州の道から道へのイニシアティブの一部である。 ミズーリ州はこれらの道路を利用し、他の
関連技術も実施する予定。パネルは道路を加熱し、雪と氷が蓄積するのを防ぐ。また、道路線の可
視性を高めるLEDダイオードを備えている。 LEDはまた、塗料が太陽光発電を阻害するのを防ぐの
に二重に役立てる。パネルには、耐久性、エネルギー効率、コスト効率を判断時間がないため、ま
だ実現可能性と将来の適用について結論に達してはいない(下写真詳細参照)。

 

❏ 事例研究:US 9837570 B2 Multiple layer solar energy harvesting composition and method, s
   olar energy harvesting buckyball, inductive coupling device; vehicle chassis; atmospheric i
   ntake hydrogen motor; electrical energy generating tire; and mechanical energy harvesting
   device:

【概要】

電気自動車が誘導結合によって充電することを可能にする、駆動表面上に太陽エネルギー収穫スト
リップ堆積の多層組成物および方法が提供。多層組成物は、磁界を生成の少なくとも1つの磁性材
料を、複数の層の少なくとも1つは磁性材料を含む。さらに、多層組成物は、熱および光エネルギ
ーの少なくとも1つを電気エネルギーに変換の少なくとも1つの太陽エネルギー収穫材料を含み、
複数層の少なくとも1つは、少なくとも1つの太陽エネルギー収穫材料を含み、少なくとも1つの
太陽エネルギー収集材料が、少なくとも1つの磁性材料に生成された磁場内に配置。層の1つはま
た、熱エネルギーを電気エネルギー変換の熱エネルギー収穫材料を含む(詳細は下図参照)。

図1、3

 

 



 

 

 

 

 

 

 

US 9837570 B2 Dec. 5, 2017



尚、この特許事例には水素内燃モータの記載(水素燃料電池代替用) が含まれているが、大量に発
生する窒素酸化物分解触媒装置にタイする記述が不十分である。

以上、舗装一体型エネルギータイリング事業ははじまったばかであるが、いずれこれらは世界標準化
されていくであろう。すべては「願う心は道をつくる」えある。



  ● 今夜のアラカルト 蜜柑の有田剝き

  ● 今夜の一曲

マリアンヌ・フェイスフル(Marianne Faithfull、1946年12月29日 - )は英国生まれの歌手・女優。
ロンドンで生まれ、父親は大学教授、母親はオーストリアの貴族の家系出身、先祖がハプスブルグ
家やレオポルト・フォン・ザッヘル=マゾッホの血筋を引いている(マリアンヌの母方の曾祖父母
の兄弟がレオポルト・フォン・ザッヘル=マゾッホ)。2009年、BBCのインタビューに於いて、従
兄弟の死によってザッヘル=マゾッホ男爵家の家督を相続。17歳の時にジョン・ダンバーと結婚
するが、ダンバーとローリング・ストーンズの当時のマネージャーアンドリュー・ルーグ・オール
ダムがちょうど知り合いであったがため、パーティに出席したのをきっかけに芸能界に入り、「As
Tears Go By(邦題:涙あふれて)」で、1964年にデビュー。その清らかな歌声とロリータ的な美貌で
人気を博し、ジャン=リュック・ゴダールに見出され映画デビューも果たす。その後ダンバーと離
婚し、本格的にストーンズのミック・ジャガーの恋人となる。この”This Little Bird”は、ナンシー・
シナトラ、ナッシュビル・ティーンズなどがカバーした60年代のヒット曲。作詞作曲は John D.Lo-
udermilk 、その後は壮絶な人生で、このきれいな声も、ハスキーボイスに変声、今年は彼女の死亡
フェイク情報が拡散したが(この手のデマ/意図的な人権侵害は現代の病理ですネ)、現在も健在
(下写真クリック)。なぜか今夜しっとりとした郷愁に包まれたくなりチョイスすることに。

 

     There's a little bird that somebody sends
     Down to the earth to live on the wind.
     Borne on the wind and he sleeps on the wind
     This little bird that somebody sends.      He's light and fragile and feathered sky blue,
     So thin and graceful the sun shines through.
     This little bird who lives on the wind,
     This little bird that somebody sends.      He flies…      He flies so high up in the sky
     Out of reach of human eye.
     And the only time that he touches the ground
     Is when that little bird
     Is when that little bird
     Is when that little bird dies.

   
                                                     Title                     This Little Bird                                                                                                                          Singer                  Marianne Faithfull    
                                                              Word & Music    John D. Loudermilk

金への執着

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  行動の基準:孟子が楽正子に面とむかって言った。「お前が子敖のお伴
     で斉に帰って米たのは、飲食のためだったとはな。聖人の道を学ぶ身で
     ありながら、飲食のために行動するとは。私には考えられないな」

     孟子謂楽正子曰、子之従於子敖来、徒餔啜也。我不意、子学古之道、而
     以餔啜也。

 

 Jan. 1, 2018

【金神社初詣記】

恒例通り、白山神社から北野神社の参拝をすませ、SNSで昨年話題となっていた岐阜市金町5丁目の
金神社に参拝。生憎、伊吹-関ヶ原-美濃-大垣は小雨――雪でないのが不思議――なのだが正午ま
でに参拝をすませ帰ってくる。さて、金神社の起源は、成務天皇(景行天皇の第4皇子)の時代(1
35年)に物部臣賀夫良命が国造としてこの地に赴任、国府をこの高台に定めて金大神を篤く尊崇さ
れた。金神社の主祭神 渟熨斗姫命(ぬのしひめのみこと)は景行天皇の第6皇女で、伊奈波神社の
祭神五十瓊敷入彦命(いにしきいりみこと)の妃。伊奈波神社に伝わる縁起によれば、五十瓊敷入彦
命の成功をねたんだ部下の策略でこの地で命を落とす。悲しみに暮れる渟熨斗姫命は夫の死を悼みこ
の地で御霊を慰めながら生涯を終えた。後世の人々は命を慈悲深い神として慕い、いつしか財宝をも
たらす神として信仰変遷する。その後幾度に亘って本殿等が建立されたが、1945年07月09日の岐阜空
襲で焼失。1958年に復興、1983年から開始された大造営は1988年に完成に至る背景をもつ。

  ● 我が家の特別金神符

 
早速、特別金神符を購入し神棚に飾り今年一年荒神とともに「願うこことが道をつくる」を秘めお祈
りを続けることになるが、それはまたこのとしを「金」執着し生きていこうという内なる表明も意味
する。

 

 【樹木トレッキング 18:ハイマツ】  

ハイマツ(這松、学名:Pinus pumila)はマツ科マツ属の常緑針葉樹。和名は漢字で這松と書き、おそ
らく形態的特徴(樹形)に由来する。種小名pumilaは「小さい」という意味。シベリア、カムチャツ
カ、中国東北部、朝鮮半島、日本にかけての寒冷地に分布する。日本は分布の南限に当たる。氷期に
北方から南下してきて、温暖化とともに日本に取り残されて高山に逃げ込んだ氷河遺存種である。日
本国内では北海道から中部地方の高山帯に分布し、その南限は赤石山脈の光岳、西限は加賀の白山で
ある。日本では高山の高木限界より上部(中部山岳地帯でおよそ海抜2,500メートル以上、北海道で
およそ海抜1,000メートル以上)に自生することが多いが、北海道東部ではまれに海岸近い低地にも
自生している例がある。道東、屈斜路湖の近くにあるアトサヌプリ(硫黄山)は山の標高は512メー
トルに過ぎないが付近の平地までハイマツや高山植物が見られる。これはこの山が常に硫黄の蒸気を
噴出する活火山であるため土壌が酸性化しており、平地に通常生育する植物が育つことができないた
めである。

 Wikipedia

  Nov.3, 2017

ところで、 これまで木々は光や場所を求めて生存競争をしていると考えてきたが、近年の研究では、
木々はハブとネットワークから構成される複雑な社会生態をもち、互いにコミュニケーションを取り
協力しあって生きていることがわかってきたという驚くべき報告がなされているという。さらに、木
々が使う「言葉」とはどういうもので、どうすれば人間が理解することはできるのかを科学者や専門
家らにより研究がすすめられているというのである。

例えば、『ミクロの森――1平方メートルの原生林が語る生命・進化・地球』」の著者のデヴィッド・
ジョージ・ハスケルは木々のネットワークつながりはコミュニケーションを必要とし、言葉を生み出
せる。自然のネットワークを理解するにはまず、木々のおしゃべりに耳を傾ける必要があると語る。
つまり、エクアドル・アマゾンに住むワオラニ族には、自然のネットワークの特性や生きとし生ける
ものはコミュニケーションを取っているという発想は自然なことと認識しており、ワオラニ族の言葉
の中にも木々と周囲のものとの関係が反映されているという。

例えば、多くの人は「セイボの木」を見た時に「セイボの木」として表現するが、ワオラニ族は「セ
イボの木が枯れている」という使い方をおこなわず、あのツタに覆われているセイボの木、「黒いキ
ノコと藻が多いセイボの木という言葉使いをし、単なる「セイボの木」という言葉遣いはなく、周囲
の草木との関わりあいなど、生態学的な背景なしに名前を呼ばばい。ある言語学者によれば、ワオラ
ニ族の言葉を翻訳する時に苦労すると語る。このように、木々が生き物として周囲の人間や他の生き
物たちと関わっていると認識しているワオラニ族は木は切られる時に叫び声をあげる、木々を痛めつ
けると人類によくないことが起こる表現する。また、森について30年間研究し続けてきた生態学者のス
ザンヌ・シマードも「木々は言語を持つ」という考え方を踏襲する。2016年6月にシマードはユーチュ
ーブで25万回、「TED Talk」の公式サイトでは250万回再生された(下図参照)。

シマードはカナダ・ブリティッシュコロンビア州の森の中で育ち、大学で森林学を学び、卒業してか
らは伐採産業で働いていました。しかし、木々を伐採することに抵抗を感じだしたことから大学に戻
って木々のコミュニケーションの研究を開始し、2017年現在はブリティッシュコロンビア大学で生態
学を教えつつ、「木々は地下の菌類によるネットワークを構築し互いにコミュニケーションする」と
の研究を続けている。シマードの研究で明らかになったのは、木々の根には特有の構造を持った菌根
との共生体が存在し、この菌根によりネットワーク形成し、同種の樹木だけではなく異なる樹木間で
もコミュニケーションを取っている。科学的には、木々は炭素・窒素・リン・水・防御信号・アレル
化物質・ホルモンなどを言葉として「会話」をしていると語る。木々が生存競争を行っていることは
明白だが、競争だけでなく「お手伝いしましょうか?」「少し炭素をわけてくれませんか?誰かが私
の上に布をかぶせて日陰になっているのです」といったような協力も行う。

 

また、木々の集合体にはハブとなる「母なる木」が存在し、ハブとネットワークによって森林は複雑
なシステムを形成しています。ほ乳類の母親と同じように、「母なる木」は子どもたちを自分の保護
下に置き、菌根ネットワークを広げ、自分の子どもたちには地下で多くの炭素を送る。また、自分の
根が広がりすぎないように子どもたちが根を伸ばせる場所を作ること(テリトリー)、この「母なる
木」が何らかの理由で痛手を負うと森は元に戻れなくり、森の複雑なシステム自体が崩壊する。シマ
ードは「森の考え方を変えて欲しい、地下は別世界、木々をつなげ、コミュニケーションを可能にし、
森を1つの有機体のように活動させている。まるで知性を持った有機体みたいだと指摘する。

山林学の専門家で、ベストセラー『樹木たちの知られざる生活―― 森林管理官が聴いた森の声』の
著者でもあるペーター・ ヴォールレーベンはドイツの古いカバ森林を管理していて、シマードらと
同様のことに気づいたと語る。ヴォールレーベンも500年以上続く森を管理することで、木々が複雑
な社会生活を送っていることに気づき、樹木の根を介して砂糖液を隣の木に送っている様子を見て
『木々は光や空間を求めて互いに競争している』ことを学び、正反対のことを目にしている。樹木は
コミュニティーメンバーを生かそうとしていると語る。 食べ物を確保し、住む場所を提供し、きれ
いな水と空気を与えて、多様性を生み出しくれ、貧困を撲滅し、気候変動を緩やかにしてくれるなど、
数々の問題にとって森は重要な要素。ハスケルは木々のことを「生態学の哲学者」と呼び、複雑なネ
ットワーク管理するコミュニケーションと繋がりの達人の木々の会話に人々は耳を傾けるべきだとい
主張する。この様に、歴史的に文学や音楽は、マツの木のささやき、枝の落ちる音、木々のさざめき
などを反映し、多くのアーティストたちは「木々の言語」という言葉を使わずに根本的なレベルで木
々の会話を理解する。私たち人間が木々の言語を理解することは可能であり、もし理解することがで
きれば「自分のいる場所から動かずして地球上に種を繁栄させる方法」を木々から学べるはずと指摘
する。

 Jan. 2, 2018

【EVgo と日産との提携により米国初の1,000機の高速充電器導入】

エゴゴは最近、ワシントンD.C.メトロエリアに1000回目のDC高速充電器を開設した。日産の北米との
提携により、2台の最新充電器が設置させた。この地区は、バズートグループが開発・運営するバ
ージニア州フォールズチャーチの最新アパート「ザ・ローレン(The Loren)」の1つにあるワシン
トンD.C.中心位置する。EVgoによれば、このネットワークは現在、新型電気自動車の90%が販売
される大都市圏をカバー、トップセールスのEV市場の66社で稼動。EVgoは、通常、CHAdeMOと
CCSの両方のコンボプラグと、別のACレベル2ステーションが設置された50キロワットのマルチ
スタンダードDC高速充電器を使用。比較のため、ChargePointには656のExpressスポットが、Teslaに
は480以上のSuperchargingステーションがある。



Dec. 11, 2017

図2  ROCKキナーゼによるNUP62のFG領域リン酸化修飾によるp63核内移行メカニズム  

【分子ナノゲート核膜孔複合体分子細胞の運命決定する仕組み解明】

金沢大学らの研究グループは核膜における「分子ナノゲート(核膜複合体)」が転写因子)p63の
核内移行を調節する仕組みを明らかにしたことを公表。核を覆う核膜には分子輸送をするためのナ
ノポア(核膜孔,直径約100 ナノメートル)が存在し、この核膜孔は30種類の分子から成る核膜
孔複合体により形成。ます(下図1)。幹細胞が適切に性質を維持し、機能するためには,核膜孔
複合体による分子輸送が秩序立って進められることが重要です。転写因子p 63 は多層上皮組織幹細
胞や、これらに由来するがん細胞の自己複製・未分化維持に関わる遺伝子の発現を制御することが
知られているが、p63が核内へ移行するメカニズムの不明だった。

今回,本研究グループは,核膜孔複合体分子がp63を核内へ移行する過程を詳細に解析し、p63が核
内へ移行する過程で,フェニルアラニン-グリシン(FG)-ヌクレオポリンの一つであるNUP62の
FG領域が介在していることを明らかにしました。さらに,上皮分化を誘導することで知られるROCK
キナーゼにより、G領域のリン酸化を受けたNUP62は、p63を核内輸送する能力が減少することを見
いだす(上図2)。これらにより、核膜孔複合体は細胞内環境に応じて変化し,効率良く細胞の運
命を方向づける分子ナノゲート機能であることを解明に成功する。






 ● 今夜の一曲

『よーそこの若いの 』

竹原ピストル(1976年12月27日 - )は、日本のパンクシンガー、ギタリスト、俳優である。本名、
竹原 和生(たけはら かずお)の名で活動することもある。千葉県千葉市出身。道都大学社会福祉
学部卒業。京都府八幡市在住。元野狐禅のメンバーであり、解散後はソロとして活動。俳優として
は熊切和嘉監督作品を中心に映画に出演しているが、本人によれば、気持ち悪いほど几帳面な性格
で、マイクが1センチでもズレているとずっと気になるという。

紅白歌合戦は圧倒的に白組だとおもっていたがそうなった。勝因の印象として、竹岡ピストルと桑
田啓介、よしきが強く響いた。そのなかでも竹岡ピストルが今後が楽しみである。

調査事初め

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

 

                                 

      ※  リズム:仁の真髄は、親に孝行すること、義の真髄は、兄に従順なこ
     とである。智の真髄は、この二つをわきまえ、忘れないこと、礼の真
     髄は、この二つを折り目正しく行なうこと、楽の真髄は、この二つの
     情操を音楽化することである。その音楽を聞けば、仁義の心が湧いて
     来る。湧いて来れば、抑えておけない。抑えておけなければついリズ
     ムにのって踊り出すように、自然に仁義を行なうものだ。 

 

       No.125

【量子ドット工学講座 No.51:最新波長変換粒子技術】

今回は急速に普及しつつある太陽電池工学で、結晶シリコン系太陽電池セルの感度スペクトルと太陽
光スペクトルのミスマッチによる損失を改善できる、高効率化材料の太陽電池モジュールの封止シー
トに応用されている波長変換粒子(Wavelength Conversion Partide:WCP) の最新技術をとりあげる。

現在、太陽電池モジュール以外で、高色再現性向けの量子ドットを含む光波長変換部材を画像表示装
置に組み込みが行われている。量子ドットは、光を吸収して異なる波長の光を放出。主として量子ド
ットの粒子径に依存し、さらに、単一波長域光を投射する光源を用いながら、種々の色を再現できる
が光波長変換部材は以下の問題がある。

量子ドットは水分や酸素によって劣化し発光効率が低下する。このため、量子ドットを含む光
波長変換層を備える光波長変換シートは、光波長変換層の両面に、水分および酸素の透過を抑
制するためのバリアフィルムを設けている。 このバリアフィルムは光波長変換層を挟むように設けられるので、従来の光波長変換シートは、
バリアフィルム、光波長変換層、バリアフィルムの順で積層された構造形成する。 しかし、光波長変換層の両面にバリアフィルムを設けた構造の光波長変換シートに、80℃の
環境下に500時間放置する耐熱性試験や60℃、相対湿度90%の環境下に500時間放置
する耐湿熱性試験を行うと、特に、光波長変換シートの周縁部、またはバリアフィルムにおけ
るピンホールやクラック等の点状の欠点部で量子ドットが劣化し輝度が低下―――これは有機
エレクトロルミネサンスと同じような―――する問題がある。 また、光波長変換シート以外の形態の光波長変換部材においては、光源または光源に近い位置
に配置されることもあり、光波長変換部材は、耐熱性向上や耐湿熱性向上が求められている。

そこで、下図「特開2017-201386 光波長変換粒子、光波長変換粒子分散液、光波長変換組成物、光波
長変換部材、光波長変換シート、バックライト装置、画像表示装置、および光波長変換粒子の製造方
法」のように、上記問題を解決するため、優れた耐熱性/耐湿熱性を有する光波長変換粒子――この
ような光波長変換粒子を含む、光波長変換粒子分散液、光波長変換組成物の提供あって、光波長変換
粒子1であって、硫黄、リン、および窒素からなる群から選択される1以上の元素およびカルボン酸
の少なくともいずれかを含む光透過性の樹脂粒子2と、樹脂粒子2中に内包された1以上の量子ドッ
ト3とを含む、光波長変換粒子1が提供されている(詳細は下図を参照クリック)。



【符号の説明】

1…光波長変換粒子 2…樹脂粒子 3…量子ドット 4…被覆層 10、20、30、40、50、
60…光波長変換シート 11…光波長変換層 16…バインダ樹脂 17…光散乱性粒子 18…
塗膜 70…画像表示装置 80、130、140、160…バックライト装置 154、171…光
波長変換部 120…表示パネル

【図面の簡単な説明】

【図1】実施形態に係る光波長変換粒子の概略構成図
【図2】実施形態に係る光波長変換シートの概略構成図
【図3】実施形態に係る光波長変換シートの作用を示す図
【図4】実施形態に係る他の光波長変換シートの概略構成図
【図5】実施形態に係る他の光波長変換シートの概略構成図
【図6】実施形態に係る他の光波長変換シートの概略構成図
【図7】図6の光波長変換シートのI-I線に沿った断面図
【図10】実施形態に係る光波長変換シートの製造工程を模式的に示す図

● 光波長変換粒子の製造方法

この事例によれば、以下の方法によって作製している。

まず、量子ドット、特定の化合物およびカルボン酸の少なくともいずれか、および重合性化合物を含
む光波長変換粒子用組成物を硬化させ、光波長変換粒子用組成物の硬化物を得る。そして、この硬化
物を、例えば、ビーズミルによって、粉砕する。これにより、表面が樹脂粒子の表面となった光波長
変換粒子を得ることができる。光波長変換粒子用組成物は、重合開始剤を含んでいることが好ましい。
なお、被覆層を備える光波長変換粒子は、樹脂粒子の表面に被覆層を形成するこ
とで得る。

また、光波長変換粒子は、以下の方法によっても作製することもできる。

まず、量子ドット、特定の化合物およびカルボン酸の少なくともいずれか、および重合性化合物を含
む光波長変換粒子用組成物を、水等の貧溶媒中で粒状に分散させる。そして、光波長変換粒子用組成
物を粒状に分散させた状態で、光波長変換粒子用組成物中の重合性化合物を、例えば懸濁重合または
乳化重合などによって重合させて、表面が樹脂粒子の表面となった光波長変換粒子を得ることができ
る。ここで、「貧溶媒」とは、光波長変換粒子用組成物がほぼ溶解しない溶媒を意味し、水等の極性
溶媒が挙げられる。光波長変換粒子用組成物は、重合開始剤を含んでいることが好ましい。

なお、この場合も、被覆層を備える光波長変換粒子は、樹脂粒子の表面に被覆層を形成することで得
ることができる。この樹脂粒子の表面に被覆層としてバリア層を形成する場合、バリア層はゾルゲル
法を用いて作製することができる。

具体的には、まず、樹脂粒子に、適量の例えばテトラエトキシシラン等の金属アルコキシド(1)を
添加して、適度に加水分解させることで、樹脂粒子の表面を金属アルコキシド(1)の加水分解物で
置換する。このような液体を有機溶剤Aとする。一方で、水溶液中に例えば3-メルカプトプロピル
トリメトキシシラン等の金属アルコキシド(2)を分散させ、部分的に加水分解することで水溶液B
を得る。ここで、金属アルコキシド(2)は金属アルコキシド(1)よりも加水分解速度が遅いもの
を選択する。そして、有機溶液Aと水溶液Bを混合することで、金属アルコキシド(1)が覆われた
樹脂粒子の表面にさらに金属アルコキシド(2)の層が形成される。樹脂粒子は、水相に沈殿する。
表面付近にある金属アルコキシド(2)は金属アルコキシド(1)よりも加水分解の速度が遅いので、
水相に沈殿したときに樹脂粒子の表面のアルコキシドが一気に脱水縮合し、大きな塊となることを防
ぐ。水相中の樹脂粒子にさらにシリカガラス層等の無機酸化物層を堆積させる。これは、通常のスト
ーバー法により、アルカリ性領域でわずかな量の金属アルコキシド(3)を、大量の水とアルコール
で加水分解し、核となる樹脂粒子に堆積させることで行える。これにより、バリア層を形成すること
ができる。

● 量子ドットが耐熱性試験や耐湿熱性試験で劣化しやすい原因

まず、上記したように、量子ドットの表面には硫黄系化合物やリン系化合物等からなるリガンドが配
位しているが、このリガンドは光や熱で脱離しやすい。リガンドが量子ドットから脱離すると、量子
ドットに水分や酸素が付着しやすくなるので、量子ドットは、酸化され、劣化してしまう。これによ
り、量子ドットが耐熱性試験や耐湿熱性試験によって劣化してしまうものと考えられる。これに対し、
量子ドット3を包む樹脂粒子2が硫黄、リン、および窒素からなる群から選択される1以上の元素お
よびカルボン酸の少なくともいずれかを含んでいるので、量子ドット3の近傍に硫黄成分、リン成分、
窒素成分およびカルボン酸の少なくともいずれかを存在させることができ、これにより優れた耐熱性
および耐湿熱性を有する光波長変換粒子1を得ることができる。

これは、リガンドが量子ドットから脱離した場合であっても、樹脂粒子2中に存在する硫黄成分、リ
ン成分、窒素成分およびカルボン酸の少なくともいずれかがリガンドの役割を補助するような機能(
例えば、リガンドの代わりに量子ドットに結合して、リガンドを代替する機能および酸素を捕捉する
機能の少なくともいずれかの機能)を発揮するので、量子ドットの劣化が抑制されるためであると考
えられる。

この様に、量子ドット3を包む樹脂粒子2が硫黄、リン、および窒素からなる群から選択される1以
上の元素およびカルボン酸の少なくともいずれかを含むので、このような元素やカルボン酸を含まな
い樹脂粒子に比べて、量子ドット3の劣化を抑制することができるが、量子ドットの中には、量子ド
ットの表面の一部が樹脂粒子の表面に露出しているものも存在する。被覆層4が、水分や酸素の透過
を抑制するバリア層である場合には、量子ドット3の一部が樹脂粒子2の表面に露出している場合で
あっても、バリア層によって樹脂粒子2から一部が露出している量子ドット3と水分や酸素との接触
を抑制することができるので、量子ドットの劣化をより抑制できる。これにより、より優れた耐熱性
および耐湿熱性を有する光波長変換粒子1を得ることができる。

量子ドットを直接ガラス粒子に内包させた場合には、水分や酸素の浸入を抑制できるものの、脆いの
で、製造時や加工時、または耐熱性試験や耐湿熱性試験の際にクラックによる欠陥が発生しやすく、
安定な品質を有する光波長変換粒子が得られにくい。これに対し、本実施形態においては、量子ドッ
ト3を樹脂粒子2に内包させているので、優れた柔軟性を有し、クラックによる欠陥を抑制すること
ができる。これにより、安定な品質を有する光波長変換粒子1を提供することができる。被覆層4が
バリア層である場合、量子ドットを直接ガラス粒子に内包させた場合よりも、柔軟性を有し、クラッ
クによる欠陥を抑制することができる、と。このように記載されている。


                                      この項つづく



【米国太陽発電の最前線:「単結晶」が「多結晶」を抜く】

「単結晶」が「多結晶」を抜く、2017年の太陽光パネル市場 - 日経テクノロジーオンライン(2018.1.03)

米太陽光発電市場のリサーチ・コンサルティング会社・SPV マーケットリサーチが2017年12月に発行
した太陽光発電市場レポートによると、2000年初頭、シャープ、京セラ、三菱電機といった日本企業
が太陽光発電市場のトップ企業として君臨していた当時、モジュール(パネル)の主流は多結晶シリ
コン型だった。当時、単結晶シリコン型は高効率だが高価なため、安価な「多結晶型」が価格競争で
優位性を示していたが、「単結晶型」が徐々にシェアを上げ、ついに首位を奪回したという。同レポ
ートによると、2017年における太陽電池セルの世界での生産容量は97.7GW、このうち出荷量は93.8G
W、設置容量は95.1GWと予測している。モジュールタイプ別シェア分析では、93.8GWの出荷量のう
ち、単結晶シリコン型のシェアは49%で、多結晶シリコン型は46%、化合物型のカドミウムテルル(
CdTe)タイプは3%である(上図)。

2016年における多結晶シリコン型のシェアは54%で、単結晶よりも13ポイントも多く、首位を保って
いた。しかし、2017年には、単結晶シリコン型のシェアが、多結晶型よりも3ポイント多くなり、初め
て逆転。その背景として同レポートでは、単結晶シリコンがシェアを増加させた要因として、モジュ
ールメーカーがプレミアムモジュールに移行したことを挙げている。その一つが、2016年にモジュール
メーカーが生産を本格化し始めたp型単結晶シリコンを使った「裏面不動態型セル」(PERC: Passiva-
ted Emitter and Rear Cell)である。2017年にはPARCの商業生産が拡大し、高効率化と共に価格が低下し
てシェア増加に貢献。このように、2015年には、米サンバワー社の「バックコンタクト(IBC)」、
パナソニックのヘテロ接合 (HIT)、韓国LG社の太陽電池パネルが市場でプレミアム価格を発揮。ま
た高変換効率のn型の単結晶シリコンを使ったパネルへの期待が高り、2016年に入ると、p型単結晶と
多結晶シリコンを使った「PERC」を使った太陽光パネルへの移行が顕著になり、2013年第3四半期に起
こった価格下落は、n型太陽電池のプレミアムをはぎ取り、太陽電池メーカーの方向性をp型単結晶シ
リコン型を促す。



●世界太陽光発電市場における太陽光パネル・タイプ別シェア推移(2006~2017年)

さて、n型の単結晶シリコン型の生産には高品質の材料と銀ペーストが必要で、そのため生産コスト
が他の技術より割高になる。太陽光発電産業における競争は、一貫して価格ベースであり、積極的な
価格設定が一般的な競争手段とされている。「高変換効率のn型単結晶シリコンのシェアはさらに増
加するものの、トップシェアを占めることはないとの予測がある。因みに、単結晶シリコン型におけ
るn型モジュールの出荷量シェアは38%で、残りの62%は「p型」となっている。現在2017年の「
n型」 対「 p型」のシェアはまだ公開されていないが、「p型」のシェアが大幅に拡大した予測され
ている。 

現在、n型の単結晶シリコン型パネルの生産量で、トップ企業は米サンパワー社だが、韓国勢がシェ
アを拡大している。p型の単結晶シリコン型パネルの生産量でトップとなるのは、中国のジンコソー
ラーとみられている。同社は昨年11月8日、PERC構造のp型の単結晶シリコン型太陽電池セルで、世界
最高となる変換効率23.45%を達成したと発表した。同社の広報担当者によると、PERCは成熟した技
術になりつつあり、2018年には量産規模がさらに拡大すると予測している。残念ながらここでも日本
メーカの名前はない。

  

【冬の味覚:日本の蟹鍋と造里】



冬といえば蟹鍋。蟹の殻向きは慣れないものはやっかいだが鍋も良し、焼きも良し。加えて刺身、に
ぎり寿司といえば豪華絢爛である。


 

読書事始め

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

 

                                 

      ※  一人一人渡してやるよりも橋を架けよ:子産は宰相として鄭の政治を司っ
     たが、溱水、洧水を渡る人たちを自分の車で渡してやった。 孟子はそれ
     をこう批評した。「思いやりはあるが、政治のなんたるかを知らない。八
     月に、飛び石をおいて人が通れるようにし、九月になって大きな橋を架け
     て車も遥れるようにしてやれば、人災は水の中を渡る苦労をせずにすむ。
     政治さえ公平周到に行なえば、道を行くとき、人々をよけさせてもかまわ
     ない。一人一人自分の車で渡してやることなど愚の骨頂だ。為政者が一人
     一人を喜ばせていたのでは、どれだけ時間があっても足りるものではない」

     〈子産〉春秋時代の部国の宰相。当暗部国は帽を争う百と楚の問にはさま
     れて苦しい立場にあったが、かれは内政、外交に手腕を発祥して、数十年
     も外国の侵略を許さなかったという。
     〈八月、九月〉 原文は十一月、十二月。陰暦の九月、十月にあたり、陽
     暦では八月、九月ごろになる。寒くなる前に、長閑期を利用して橋をつく
     っておけというわけである。

     【解説】個人的な道徳律を集団に及ぼすのが儒家思想の一つの特徴である
     が、孟子はそれを機械的に解釈しているのではない。政治の対象とするも
     のがマス(衆)であり、個人でないことをこの一節で強調している。つま
     り、個々の現象ではなく、基本的なものに着眼しなければならぬとする。
     そうでなければ、真の解決はあり得ないし、第一、非能率である。安価な
     ヒューマニズム、あるいは一時的な人気とりは、本当の政治ではない。こ
     れはまた、あらゆる場合にあてはまる。目前の現象にとらわれ、原則を忘
     れては、何事も成功しない。





【読書日誌:カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』】

 

  丘の連なりが鋸歯のような影を落とす大きな沼地の縁に、年老いた夫婦が住んでいた。名前
 をアクセルとベアトリスという。ほんとうの名前ではないかもしれない。もっと長い名前のI
 部だったかもしれないが、ここでは呼びやすいその名で呼んでおくことにしよう。夫婦二人だ
 けで暮らしていた。こう言うと、二人だけで孤独に暮らしていたように聞こえるかもしれない
 が、そうではない。そもそも、当時の村の形からして、孤独な暮らしなどはありえなかった。
 村人の多くは暖かさと外敵からの保護を求め、丘の斜面に深い横穴を掘って住み、その穴どう
 しを地下通路や覆い付きの廊下で結んでいた。だから、村は家の立ち並ぶ集落というより、む
 しろ兎の巣穴にでもたとえたほうが実際に近かったかもしれない。アクセルとベアトリスも、
 人口六十人ほどのそういう村にいて、そういう穴の一つに住んでいた。村を出て丘沿いに二十
 分ほど歩くと、別の村かおる。そこも外見はやはり菟の巣穴で、最初の村とたいして違わな
 い。だが、住んでいる村人の目には違いが歴然とあって、その一つ一つが自慢の種だったり、
 恥ずべき汚点だったりした。

  当時のブリテン島はその程度の島だったのか、と思われるかもしれない。世界のどこかでは
 壮麗な文明が花開いていたのに、イギリスはまだ鉄器時代を引きずっていたのか、と。そんな
 印象を与えたとしたら本意ではない。気ままに田古道を歩いていけば、不意にお城や修道院が
 出現することもあったろうし、そのお城では音楽が奏でられ、おいしい食事が出て、武術試白
 なども行われていたかもしれない。修道院では憎たちが学問に没頭していただろう。だが.....


 そう、現実をありのままに言えば、仮に天気のよい季節に頑丈な馬に乗って旅をしたとして
 も、縁一色の風景の中に城や修道院を目にすることなど、数日に一度もあったかどうか。通り
 過ぎる集落のほとんどは、いま述べたような村たったはずだ。しかも、たまたま贈り物にでき
 るような食糧や衣服を待ち合わせていないかがり-あるいは恐ろしげに武装してでもいない
 かぎり-旅人は歓迎されなかったはずだ。当時のイギリスをこんなふうに描写するのは不本
 意だが、そこはそれ、やむをえないところもある。

  アクセルとベアトリスに戻ろう。言ったとおり、この老夫婦は巣穴のような村の外縁に住ん
 でいた。当然、それだけ外界の影響を強く受けたし、夜、村人全員が大広間に集まって火を焚
 いていても、暖かさのかこぼれに恵まれることが少なかった。昔はもっと大の近くに住んでい
 たような気がする、とアクセルは思った。それはまだ息子らと一緒だったころではなかろう
 か………夜明け前の何もない時刻、ぐっすり眠る妻を横に感じながらベッドに横たわるアクセ
 ルの心に、しきりにそんな思いが忍び込んできた。その思いは正体不明の喪失態をともない、
 アクセルの胸をいらだたせて、眠りに戻ることを許さなかった。

  だから、この朝、アクセルはそっとベッドを抜け出し、音を立てないよう注意して外に忍び
 出ると、村の入り口のわきに置いてあるベンチに腰をれろした。古いベンチで、ゆがみが出は
 じめている。ここで夜明けの最初の光を待とうと思った。季節は春。だが、まだ寒い。出しな
 に手にとってきたベアトリスのマントを体に巻きつけ、ひとしきり物思いにふけった。やが
 て、肌を刺す空気にあらためて寒さを意識したとき、ふと見ると空の星はすでに消え去って、
 いま地平線上に明るさが広がりつつあった。薄明りの中で、鳥のさえずりも聞こえはじめてい 
 少し長く外にいすぎたか………アクセルは後悔しながら、ゆっくり立ち上がった。もうすっか
 りよくなったとはいえ、熱がひくまでにしばらくかかって、それからまだ間がない。脚が冷た
 く湿っていろ感じがする。ここでぶり返しでもしたら大変だ,だが、中に戻ろうと振り向いた
 とき、アクセルの心には多少の満足感もあった。ここしばらく忘れていたことをいくつか思い
 出せたから。それに、もうすぐ重大な決定を-長く引き延ばしてきた決断を-するという予感
 があった。アクセルは少し興奮し、この興奮を早く妻と分かち合いたいと思った。

  中に入ると通路はまだ完全な闇に沈んでいて、自宅のドアまでのほんの短い距離を手探りで
 進んだ。村を構成する各戸の戸口は、粗末なアーチーつだけのものが多い。つまり、アーチを
 くぐれば、そこはもう家の中だ。じつに簡単な構造だが、村人はそれをプライバシーの危険と
 は考えず、むしろドアなどないほうが都合がよいと思っていた。大広間では焚き火が燃え、村
 内の許されたあちこちでも小さな火が燃えている。せっかくの暖気が通路を伝わってくるのに、
 ドアで締め出したらもったいないではないか………ただ、アクセルとベアトリスの家はどこの
 焚き火からも遠すぎた。だから、この家には実際に「ドア」と呼べるものがあった。大きな木
 枠をはめ込み、そこに小枝や蔓を縦横に渡して、中にアザミなどを編み込んである。出入りの
 際には、このドアを片側に寄せる手間がかかるが、その代わり、冷たい隙間風は防がれる。ア
 クセルとしてはドアなどないほうが好ましかったが、ベアトリスは違う。ドアを作りつづけて
 いるうち、しだいにそれが自慢の腫になってきているようだ..アクセルが外出から戻ると、
 よく、しおれた枝や蔓を引き抜き、日中に築めておいた新しい材料で置き換えていた。

  この朝、アクセルは体がぎりぎり通るほどにドアを寄せ、できるだけ音を立てないように中
 に入った。外壁の小さな隙間から夜明けの光が部屋に漏れていて、前に伸ばした手がぼんやり
 と見えた。草のベッドには、厚い毛布にくるまれて横たわる人の姿が見える。ベアトリスはま
 だぐっすり眠っているようだ。

  妻を起こしたい気持ちに駆られた。いま、この瞬間、妻が目覚めてくれて、話し合うことが
 できれば、なすべき決断への最後の障壁、この身に残るためらいが完全に払拭されるような気
 がする-アクセルの一部はそう確信していた。だが、村全体が起き出して今日の仕事を始め
 る時刻までに、まだしばらく間かおる。だから、妻のマントを体にきつく巻きつけたまま部屋
 の隅に行き、そこの低いスツールに腰をおろした。
  今朝の霧の濃さはどうだろうか、と思った。この闇が薄れるとき、外壁のひび割れから霧が
 部屋に侵入してくるさまが見えるだろうか………だが、思いはしだいに霧から離れ、さっきま
 で心にあった疑問に戻っていった。それは、自分たちはいつもこうして暮らしてきたのだろう
 か、ということだ。いつも二人だけで、この村の端っこでこんなふうに暮らしてきたのか。そ
 れとも、以前はまったく違っていたのだろうか。さっき外にいるとき、記匪の断片がいくつか
 戻ってきた。その中に、村の長い中央通路を歩いていく一瞬があった。片腕を子供の背に回
 し、やや前のめりの姿勢で歩いていた。あれは老いて背が曲がったのではなく、通路の薄賠さ
 の中で、天井の梁に頭をぶつけないよう用心する歩き方だった。それとも子供が何か話しかけ
 てきた直後だったろうか。子供が何かおもしろいことを言い、それでニ人して笑っていたのか
 もしれない、だが・・・・何をどう考えても、どこか落ち着かない気分が残る。さっき外にいると
 きもそうだった。集中して考えようとすればするほど、記憶はしだいにぼやけていく。ぼけた
 老人の頭に根拠もなく浮かんだ妄想なのだろうか。そもそも、神様は二人に子供を授けてくだ
 さったのか………

  過去を確かめたければ周囲に問うてみればよい、と思うかもしれない。なぜ尋ねてみないの
 か、と。だが、それは言うほどやさしいことではない。まず、この村では過去がめったに語り
 合われない。タブーというのではなく、ただ、過去を語り合うことに意味が見出されない。村
 人にとって、過去とはしだいに薄れていき、沼地を覆う濃い霧のようになっていくもの。たと
 え最近のことであっても、過去についてあれこれ考えるなど思いもよらないことだった。
  たとえば、ここしばらくアクセルが頭を悩ませている問題かおる。そう遠くない昔、この村
 には赤い髪を長く伸ばした女がいて、村の宝物のように扱われていた。その赤毛の女はすぐれ
 た治療の技を持っていて、誰かが怪我をしたり病気になったりすると、真っ先に呼ばれてい
 た。アクセルはそう確信しているが、その女はいまいない。不思議なのは、いなくなったこと
 を残念がる者がいないことだ。いや、それどころか、その女がどうしていなくなったのか、い
 ぶかる者さえいない。ある朝、霜の降りた畑に鍬を入れながら、一緒にいた三人の村人にその
 疑問をぶつけてみた。だが、三人からは、何のことか見当もつかないという反応しか返ってこ
 なかった。一人は仕事の手をとめてまで思い出そうとしてくれたが、結局、首をひねり、「そ
 り ゃ、ずいぶん昔のことだったに違いないな」と言うだけで終わった。
 
                 カズオ・イシグロ著『忘れられた巨人』第1部/第1章




本の題名の「巨人」は15章の最後の方に、ウィスタン――6世紀ごろ、いまはイングランドと呼
ばれるブリトン人の居住地区にサクソン人が侵入し、ブリトン人は伝説上アーサー王の下で勇敢に
戦い、彼の死後も小康状態を保っている時代に、ブリトン人の老夫婦アクセルとベアトリスが村に
いづらくなり、息子と一緒に住むために旅に出る。サクソン人の村に一夜泊まり旅を続ける。アー
サー王の甥のガウェイン、サクソン人のウィスタン騎士とエドウィン少年に会い一緒に旅をしてい
る――が「かつて地中に葬られ、忘れられていた巨人が動き出します」。「二つの民族の間に結ば
れた友好の絆など、強さはありません。国が一つ一つ、新しいサクソンの国になります。あなた方
ブリトン人の痕跡など … 羊の群れ一つ二つくらいしか残りません」というところに記述されてい
る。この小説の時代の後、ブリトン人、ピクト人などケルト人はアングロ・サクソン人にほぼ完全
に駆逐され、数少ない文化的遺産が残るのみとなり、サクソン人のキリスト教化もほぼ完成する。
その後11世紀に「ノルマン・コンクエスト」を経て"イギリス原国家"が形成される。第一の読手
イギリス人)はこうした歴史をわきまえ、作者(イシグロ)が記録が乏しい時代の老人夫婦の旅
路をどのようにファンタジーとして読む解く意図をもち展開していくという(Wikipedia)。ともあ
れ、各部・各章の主な話題が分かりづらく、霧と森と鬼とファンタジーと不確かな追憶の世界へい
ざなわれることとしよう。

                                     この項つづく 

【「食」の図書館:『トリュフの歴史』】

  トリユフとはなにか

  哺乳類なのに卵を産むカモノハシや、光合成だけでなく虫を食べて栄長を得るハエトリグサ
 はどの分類に当てはめようとしてもしっくりこない動植物だが、トリユフにも同じことが言え
 る。だからこそ、何世紀にもわたってトリユフの定義は迷走を続けてきたのである。たとえば、
 古代ローマの植物学者、大ブリニウスは1世紀にまとめた博物誌にこう記している。

  なによりも驚嘆すべきことは、植物のなかには根を持たずに発生し、しかも枯れずにいる
  ものがあるということだ。トリユフないは秋雨と頻繁な雷雨により発生する。発育にとり
  わけ影響をおよぼすのは雷だ。この不完全な大地の植物――そうとしか表現のしようがな
  い――は果たして正常に生育するのか、そもそもこれは生物なのかそうでないのか、とい
  う疑問に私は容易に答えられない。

 16世紀のドイツの植物学者ヒエロニムス・ボヅクは、トリュフの発生について犬ブリニウス
 と同様に誤った自説を展開している。トリュフは草でも根でも花でも種でもない 土や樹木、
 または腐った木片の余剰水分から発生したものである」 19世紀初頭になると、トリュフヘ
 の理解はまだ完璧なものではないにせよ、少ななくとも好ましいものとして受け止められるよ
 うになった フランスの政治家で食通としても知られたジャン・アンテルム・ブリア=サヴァ
 ランは、トリュフを「台所の宝石」と表現している……作曲家ロッシーニも同意見だったのだ
 ろう、トリュフを「キノコのモーツァルト」と呼んだ。

 トリュフはキノコ――正確には菌類の子実体――の一種だ、光合成はおこなわないが、大半の
 キノコは植物と同じく地上部と地下部で生育する。外皮膜とよばれる保護層と基本体と呼ばれ
 る胞子形成部分があり、その色や質感はさまざまだら こうした色や質感の違いが、厖大な種
 類のなかからあるひとつのキノコを特定する。最初の手がかりとなる。
 厳密に言えば、すべてのトリユフは「生殖体」、つまり胞子を生みは子嚢という小さな袋のな
 かにあり、じつに多様な形をしている(円形や梢円形、八面がでこぼこしたものや滑らかなも
 の等)。トリュフの種類を特定する第犬段階は、顕微鏡での確認だ。外皮膜れ拡大してみれば
 子襄内の胞子の数や形自体、がかなり異なっていることがわかる。

 キノコは胞子が風や生き物によって繁殖する,子実体の大半は地上にて繁殖するが、孤独を愛
 するキノコ、繁殖するのは地下部分だ。氷と共生し(これはほかのキノコ類でも見られる)そ
 の根に寄生するのである。この関係は木にとってあまり得るものはないと考りえる菌学類者も
 いるが、いずれにせよ、木はトリュフが糸状の細胞を自分の根に巻き付けることを「容認する」。
 
 網の目の緩い手袋を想像してほしい。木の根っこと菌糸で編んだ手袋、つまり、ハルティニヒ
 ネット(外菌根)を通してトリュフの網を広げて水分とミネラルを土中から吸収し、木にそれ
 を取り込ませて大きく成長させるのだ。この共生関係によってトリュフは地下の闇の中でも生
 育でき、誰にも発見されずに枯れるまで地下に引っ込んでいられるのである。

 ただし、あらゆる生命体は繁殖して生息地を広げる必岑があり、植物の繁殖はその多くは植物
 の繁殖はその多くが動物を媒体としておこなわれる。トリュフと木の共生関係性に近いのは、
 種子植物とミツバチの関係だ。種子植物はミッバチに蜜を与え゛へツバチは花の蜜を吸うとき
 に脚についた花粉を別の花に運ぶことで受粉がおこなわれる。また、蜜だけでなく甘いごちそ
 う(果実)を動物がついばみ、その種を別の場所に運ぶ場合もある。種は勤物の内臓を通過し、
 排泄物という有機肥料に包まれて別の離れた場所で堆積する。

 トリュフもまた動物を媒体として繁殖する。あの有名な独特の芳香は、いわば動物を魅了する
 香水である 胞子が熟すとトリュフは香りを放ち、菌食性の生物を呼び寄せる 生物はトリュ
 フを掘り当てて食べ、数時間後に森の別の場所に胞子を堆積さぜるのだ。このような生物には
 ブタがいる。もっともでブタとトリュフという組み合わせはおなじみではあるものの、現在ト
 リュフ採集にはブタよりも犬が重宝されている。しっかり訓練すれば探し当てたトリュフを食
 べずに人間に知らせ、代わりのごほうびで満足するという点で、犬はブタよりもすぐれている
 からだ。犬は人間の親友だとよく言われるが、トリュフの親友は「ホモ・サビエンス」だ。ト
 リュフーの外来種は100年前には生息していなかった場所でも生育することがあるが、これ
 を可能にしたのは人類なのである。菌類を好むほかの生物と同じく、人間もその香りに惹きつ
 けられる。本書では、トリュフが単にキノコの一種――それも異彩を放つ――から高級食材へ
 と変化を遂げた過程を探っていく。トリュフの香りはありふれた品をごちそうに変え、その稀
 少性ゆえ今なお高値の食材だ。この特別な食材を味わう機会を得た人々は、自分が特別な人間
 だという気分にさえなるのである。

 世のなかの歴史書の大半は狂犬な戦いと突出した指導者を中心に描いたものだが、トリュフの
 本は一種類のスーバースター、フランスのペリゴール産トリュフ(学名:Tuber melinosporum )
  とイタリアのアルバ産白トリュフ(学名:Tuber magnaturm)を取りトげることが多い。しかし、
  トリュフ全体の歴史を紐解くならばあらゆる種を取り上げるべきだろう。本書ではふたつのス
 ーハースクー以外の種にも触れながらアメリカ大陸や第三世界に出会ったヨーロッバ化の変遷
 についても追っていく。

 フランス人はトリュフについて「大いなる謎(La grande mystique)」というと言葉をよく使う。
 トリュフの謎といえば、かつてはフ「トリュフとはなにか?、どうやって生育するのか?、な
 ぜ人工栽培ができないのか?」というものだった 今は科学が発達し、こうした疑問の大半に
 答えが出ている。すなわち、トリュフとは地下生菌類の子実体だ、胞子を成熟させて菌食性の
 生物を引き寄せ、胞子を拡散させて生育する、今では人工栽培可能なトリュフもある。

 現代ではトリュフにまつわる疑問は変化した そ典型はが、「われわれはトリュフをどう扱う
 べきか?」というものだぺ自然にまかせ、犬を連れた老人が晩秋に森で採集するにとどめるべ
 きなのか? それとも人工栽培の万法を精力的に開発するべきなのか? もし自然にまかせる
 のであれば、トリュフを食卓で拝めるのはごく一部のグルメだけという状況は変わらない。ト
 リュフはヨーロッバで誕生した種と――法的に――定義するべきか、それとも北アメリカとア
 ジアの地下生菌の子実体も「トリュフ」と見なしてよいのだろうか? なぜ地味でありふれた
 存在のはずのキノコが高級食材として需要が高まり、懐かしい農村と国際化する未来の両方を
 象徴する存在になったのだろ?本書『トリユフの歴史』ではこうした疑問ひと.つひとつにス
 ホットライトを当て.く謎に追っていく。 

              序章「台所の宝石」(雑貨リー・ノワク著『トリュフの歴史』)

第二の人生に入り、セイヨウオショロつまりトリュフ栽培に興味があり、この三が日にこの本に手
をつける。ところで、原書房の『「食」の図書館』シリーズは数多くの食品が取り扱われており、
感想が良ければさらに愛読書に加えていくことも考えている。ともあれも、それも時間次第、体調
次第である。

 

   

高橋洋一 著 『戦後経済史は嘘ばかり』   

     第3章 奇跡の終焉と「狂乱物価」の正体

     第3節 固定相場を維持するには膨大なドル買い介入が必要になる

   今、述べてきたように、固定相場制についての最大の誤解は、相場を決めれば自動的に相場
 が維持されると思っている人が多いことです。何度もいいますが、固定相場制とは、「為替介
 入をしない制度」ではなく、「常に為替介入をする制度」です。
  1ドル=360円という数字を決めただけでは相場は維持できません。実際には、相場を維
 持するために猛烈な介入が必要になります,円安気味になりそうになったら、円を買い込んで
 1ドル=360円が保たれるようにします。円高に振れそうなときには、ドルを買いまくって
 1ドル=360円を維持します。介入をし続けることで維持されるのが固定相場制です。

  詳しい仕組みを説明しますと、相場を維持する責任を負っているのは大蔵省(当時)です。
 大蔵省は特別会計で外貨を買うために、為券(外国為替資金証券)という政府短期証券を発行
 します。為券を発行して資金を調達して、その資金で外債を買って、為替相場を維持します。
 為券は大蔵省の発行する国債ですが、市中に為券を出してお金を調達すると、国債増発と同じ
 で金利が高くなってしまうことかあります。実体経済に影響が出てしまうといけないので、為
 券は日銀がすべて大蔵省から買い取っていました,

  固定為替相場維持のために、日銀は大蔵省に指示されるままに、円を発行し続けます。日銀
 からお金が出ていく形になりますので、その分だけインフレ気味になる現象が起こりました,
  日銀の独立性などまったくありません。大蔵省が「為替介入する」といったら、インフレに
 なろうがどうなろうが、日銀は円を刷らなければいけなかったのです。「国際金融のトリレン
 マ」で説明したように、固定相場を維持するために、独立した金融政策が犠牲になっていたと
 いうことです。
 「為替政策」と「金融政策」を別のものと考えてしまう人が多いのですが、実際には表裏一体
 の政策です。
 1ドル=360円のときには、輸出産業は非常に高いゲタを履かせてもらって有利な取引をし
 ていました。そのゲタを維持するために、日本経済はインフレ基調を甘受せざるをえませんで
 した,それでも、高いゲタの恩恵のほうがけるかに上回っていたため、国民経済全体がうまく
 回っていたのです,

 第4節 1985年のプラザ合意までは、実は、実質的な「固定相場制」だった

  固定相場を続けている限り、独立した金融政策を打つことはできません。固定相場制から変
 動相場制に移行することで、初めて日銀は独立した金融政策をとることができるようになりま
 す,では、いつから変動相場制に移行したのでしょうか。
  社会の教科書では1973年2月から変動相場制に移行したとされています。しかし、国民
 には知らされていない裏があります。制度上は1973年に変動相場制になったのですが、実
 際には猛烈な為替介入が続いていました。「ダーティ・フロート」とい立畏の介入が続いてい
 たのです。もちろん国民にはわかりにくい形にされていました。
 「ダーティ・フロート」を完全にやめて、宣]の変動相場制に移行したのが1985年の「
 プラザ合意」です。1ドル=360円時代は、360円から上下への変動をまったく許さない
 為替介入をし、1973年2月からプラザ合意までは、上下への変動をある程度許す為替介入
 をしていました。プラザ合意以降は「クリーン・フロート」にして為替介入をやめました。

  日本が固定相場制から、為替介入しない変動相場制に移行したのは、1973年2月ではな
 く、1985年9月のプラザ合意です。ここを見誤ると、1973年から1985年までの日
 本経済を正しく理解できなくなります。為替介入をやめて変動相場制にすると、為替は計算上
 の均衡レートとほぼ一致した数値になります,下図1のグラフをもう一度見て下さい。グラフ
 の2つの折れ線が急激に近づいていくのは、1985年以降です。それまでは両者には開きが
 あります。これは介 入を続けていたことを意味しています。


  整理しますと、

 ・プラザ合意まで → 固定相場制(1973~1985年は実質的固定相場)
 ・プラザ合意以降 → 変動相場制

 となります,
 「国際金融のトリレンマ」に則していえば、1985年までは固定相場制だったため独立した
 金融政策をとることができず、1985年に変勤相場制になってようやく独立した金融政策を
 とれるようになりました。
 「マンデル・フレミング」を知れば、財政と金融のどちらが効果的かわか均衡レートは、19
 71年までさかのぼって計算することができます。1970年代における均衡レートは、1ド
 ル=140円程度です。それ以前の均衡レートは私の試算ですが、1970年代と大きくは追
 っていないはずです。グラフを見ていただくと、1ドル=360円時代が日本の輸出産業にと
 っていかに有利な為替レートだったかがわかります。1ドル=140円程度のところを1ドル
 =360円で取引できるなら、「楽勝レート」です。1960年代の高度成長期には、非常に
 有利なレートで輸出をすることができました。

 1ドル=360円のレートは、一九回九年に設定されて以来ずっと続きました。なぜアメリカ
 が日本にとって有利な為替レートにしてくれたのかはよくわかりません。かつて田中角栄が「
 円は360度だから、1ドル360円だ」と冗談めかしていったという話はありますが、1ド
 ル=360円に決めてくれた人に感謝するしかおりません。日本のことをアメリカがナメてい
 たのかもしれません。この有利な為替レートが戦後の高度経済成長の最大の要因です。196
 0年代の高度成長期は、高いゲタを履かせてもらっていましたので、輸出企業の競争力が圧倒
 的に高まり、高収益を上げることができました。 

    第4節 為替レートが有利なうえに、技術力がついてきた

  日本の輸出企業は圧倒的に有利な為替レートの恩恵を受けていました。もちろん、日本企業
 に基礎的な技術力があったのも事実です。いくら為替レートが有利でも、粗悪品をつくってい
 たのでは海外では売れません。昔は日本製品は低品質と見られていましたが、徐々に技術力が
 高まり、アメリカ製品と似たようなレベルの物をつくることができるようになりました,その
 過程で、海外から多くの技術を学んでいます。海外企業と提携して技術力を高めた企業もたく
 さんあります,

  もちろん、実力を超えた円安の時代ですから、海外から技術を導入する経費は大変なもので
 した。本田技研は、あまりに高額の工作機械を購入したことも響いて資金難に陥り、倒産しか
 かっています。松下電器がフィリップスと提携したときも、イニシャル・ペイメント(前払い
 実施料)55万ドル、株式参加30%、ロイヤルティー(技術指導料)7%を要求されました。松
 下幸之助が、この技術指導料に対して「経営指導料」を逆に要求したことは有名な話です。結
 果としてフィリップスの技術指導料4・5%に対して、松下電器の経営指導料3%で契約が成
 立しています。

  たしかに、当時の名経営者たちはこのような果断な判断を次々と下し、技術力を格段に向上
 させていったのです。1950年代は価格の安さが最大の売りだったのでしょうが、利益を上
 げながら品質を高め、一丸八〇年代には日本製品の品質は世界最高レベルになっています。
  それを端的に物語っているのが、アメリカの映画「バック・トゥ・ザ・フユーチャー」です。
 主人公が一九八五年から1955年にタイムスリップするストーリーですが、1985年のシ
 ーンでは、身の回りの家電製品は日本製ばかりです。主人公の少年があこがれる自動車もトヨ
 タのピックアップトラックです。

  ところが、30年前の1955年のシーンはまったく追います。シリーズ三作目で、195
 5年当時の人物が、「メイド・イン・ジャパンじゃ、壊れても不思議はない」というのに対し
 1985年から来た主人公が、「何をいっているんだい。日本製は最高だよ」というシーンが
 あります。1950年代の日本製品と1980年代の日本製品ではまったくイメージが追って
 います。
  ともあれ、果断な経営判断と、不断の努力で製品の品質を上げていったことが、日本製品の
 最終的な勝利を招来することになったわけですが、日本企業の躍進を支えた大きな要因は、や
 はり「1ドル=360円」の為替レートだったことは間違いないでしょう。有利な為替レート
 のおかげて、「品質の良いものを、割安の値段で売る」ことができたのです。おかげで、日本
 製品はどんどん海外で売れました。さらにいえば、当時の経営者たちが果敢に決断できた背景
 に、「1ドル=360円」という為替レートがもたらしてくれる高収益に対する安心感があっ
 たことも、間違いありません。


                                    この項つづく 

 ● 今夜のアラカルト

 

色彩と形状

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  臣下の態度は君主次第:孟子が斉の宣王に説いた。「君主が臣下を自分
          の手足同様に扱えば、臣下は君主を自分の腹や胸のように大切にします。
          君主が臣下を犬か馬のように扱えば、臣下は君主をただの路傍の人ぐら
          いにみなします。君主が臣下を塵芥のように扱えば、臣下は君主を仇敵
     のようにみるものです」「そうでしょうか。儀礼に、旧君のために長に
     服す、とあるが、それはいったいどんな場合ですか」。「王が、臣下の
     諌言をいれ、進言をとりあげ、その結果、人民に恩恵が行きわたったと
     します。その臣下が、事情あってその国を立ち去るとき、王は道案内を
     つけてやって国境まで見送り、行く先々の諸国に紹介の労をとり、去っ
     てから三年だつまでは家屋敷をそのままにしておく。これを『三百礼』
     といいますが、このような場合にこそ、旧臣が旧君のために喪に服する
     のです。ところが現状では、臣となっても、諌言はいれられず、進言は
     打ち捨てられ、そのため人民に恩恵が行きわたらない。事情あって国を
     立ち去ろうとすると、王はすぐ追手を差し向け、行く先々でも迫害し、
     家屋敷はその日のうちに没収してしまう。仇敵とはまさにこのこと。仇
     敵に対して喪に服するいわれがありますか」


   〈儀礼〉 周の冠婚葬祭や朝見、居間などの作法を書いたもの。司書の喪服
        伝に「正当な理由で君主のもとを去り、まだ関係の切れていない
        とき君主の死にあえば、三ヵ月の服喪をする」とある。

   【解説】 宮王の反問は、君臣関係をあまりにもドライに割り切る孟子に対
        する不満である。権力者は臣下に絶対的忠誠を期待する。「君、
        君たらずとも、臣、臣たり」のほうが都合がよい。しかし君臣関
        係においても、人格的には対等なのだ、と孟子は言う。臣下の人
        格を無視するものは、臣下にそひかれる。後世の。忠君‘という
        言葉がもつリゴリスティック(厳格主義)な匂いは、ここにはな
        い。 

    

      No.126 

 Dec. 22, 2017 

【省エネ篇:最新量子ネットワーク技術】

● 新しいダイヤモンド量子発光体の作製に成功

昨年12月26日、東京工業大学らの研究グループは、錫を加えたダイヤモンドを高温高圧下で加熱
処理し、錫と空孔(本来あるべき原子が抜けて孔となっている格子)からなる新しい発光源(カラー
センタ:ダイヤモンドなどの固体物質中に形成される欠陥構造で、光の吸収や外部励起による発光を
示す)の形成に成功したことを公表している。これによると、イオン注入法により、錫を導入したダ
イヤモンドを高温高圧下に置き、錫と空孔が結びついた錫―空孔(SnV)センタを作製。理論計算や
低温計測により、従来のカラーセンタの課題――❶小さい発光強度、❷外部電界ノイズによる不安定
発光、❸短いスピンコヒーレンス時間(スピンに保存された量子情報が消失してしまう時間)をすべ
て解決する可能性がある。今後、長いスピンコヒーレンス時間注4)を実証することで、長距離量子
ネットワーク通信に必要な量子メモリーへの応用が期待されている。整理すると、❶2000℃を超
える高温高圧条件で加熱処理することにより、❷選択的にSnVセンタのみを形成ダイヤモンド結晶
内で錫と空孔からなるSnVカラーセンタを創製したことで、❸長記憶時間をもつ量子メモリーなど
量子ネットワークへの応用できる。



【量子ネットワークとは】

量子ネットワークは、量子暗号技術から発展してきた通信ネットワークである。 量子テレポーテー
ション実験における成功の後、量子通信を行うためのネットワークという概念が提唱された。さらに、
2つの会社(スイスのidQuantique社、アメリカのMagiQTech社)が量子力学に基づいた実用的な通信デ
バイスを発売したとき、量子力学の原理を利用した量子暗号化による安全なネットワークの必要性が
認識された。量子ネットワークでは、エンタングルメント(量子もつれ:quantum entanglement)の
技術によって、データは量子状態として光ファイバーリンクまたは空気中を経由して通信が行われる。

【量子ネットワーク国内特許事例】

❏ 特開2017-130932 通信システムおよび方法 株式会社東芝

【概要】

量子通信システムでは、単一光子などの符号化された単一量子により送信機と受信機との間で情報が
送信される。各光子は、その偏光、位相、またはエネルギー/時間など光子の特性に基づいて符号化
された1ビットの情報を搬送する。光子は、たとえば、角運動量などの特性を使用することによって、
1ビットより大きい情報を搬送することさえできる。

量子鍵配送(QKD)は、しばしば「アリス」と呼ばれる送信機と、しばしば「ボブ」と呼ばれる受
信機の2つの当事者間での暗号鍵の共有をもたらす技法。この技法の魅力は、しばしば「イブ」と呼
ばれる不正な盗聴者に知られている可能性がある最大情報の定量化を可能にすることである。QKDの
多くの形態において、アリスとボブは、ビット値を符号化するための2つ以上の非直交基底を使用す
る。量子力学の法則は、それぞれの符号化基底の事前の知識なしのイブによる光子の測定が、光子の
うちのいくつかの状態へ不可避の変化を引き起こすことを定める。光子の状態のこれらの変化は、ア
リスとボブとの間で送信されるビット値にエラーを引き起こす。したがって、それらの共通のビット
列の一部を比較することによって、アリスとボブは、イブによって取得される可能性のある情報を決
定し得る。測定デバイスに依存しないMDI-QKD(mesurement device independent  QKD)もまた、測定
デバイス(ボブ)の安全性が疑わしい場合がある状況に備えて開発されている。MDI-QKDでは、2
人の送信者、通常はアリスとカールが量子をボブに送信する。アリスとカールは、ボブによって作成
された公表された測定値から秘密鍵を抽出し得る。

量子鍵配送(QKD)と、2つの送信機が受信機により公表された測定値から秘密鍵を共有できるMDI-
QKD(mesurement device independent  QKD)の両方の実装が可能なシステムを提供にあたり、下図の
ように、2個の送信機1、3の各々は、光の符号化パルスを出力する光源7、9と符号器を備える。
受信機は、第1の素子を備える。タイミング回路は、第1の送信機から送信された光パルスと第2の
送信機からの光パルスとの間の干渉が第1の素子で干渉するように、送信機によって出力された符号
化パルスを同期させる。各送信機は、2つの送信機が符号化パルスを出力し両方のパルスが干渉素子
で干渉するMDI-QKDモードと、一方の送信機のみが受信機に光パルスを送信するQKDモードとの間
でシステムが切替え可能であるように、送信機のうちの一方から出る光を停止させる阻子回路31、
33を備える。



【図6(a)】QKD/MDI-QKDの両方を実装するように構成され、アリスとカールとの間のMDI-QKD                               用に構成された、本発明のある実施形態による通信システムの概略図
【図6(b)】異なるタイプの抑制素子を用いた図6(a)のシステムの変形例

【特許請求の範囲】   

n個の送信機と1個の受信機とを備える通信システムであって、nは少なくとも2の整数であ
り、前記n個の送信機の各々は、各送信機が光の符号化パルスを出力するように適合されるよ
うに光源と符号器を備え、前記受信機は第1の素子を備え、前記システムはタイミング回路を
さらに備え、前記タイミング回路は、前記第1の送信機から送信された光パルスと前記第2の
送信機からの光パルスとの間の干渉が前記第1の素子で干渉するように、前記送信機によって
出力された前記符号化パルスを同期させるように構成されており、各送信機は、2つの送信機
が符号化パルスを出力し、両方のパルスが前記干渉素子で干渉する第1の動作モードと、一方
の送信機のみが前記受信機に光パルスを送信する第2の動作モードとの間で前記システムが切
替え可能であるように、前記送信機のうちの一方を出る光を停止させるように適合された抑制
素子をさらに備え、前記抑制素子は、他方の送信機を出る光を停止させるように制御されてい
る、通信システム。 前記受信機は、第1のセンサと第2のセンサとをさらに備え、前記センサは、光パルスが前記
第1の素子から前記センサに向けられるように提供され、前記センサは、測定基底を使用して
光パルスの測定を行うことができる復号器を備え、ここにおいて、前記第1のセンサで使用さ
れる前記測定基底は、前記第2のセンサで使用される前記測定基底とは異なる、請求項1に記
載の通信システム。 前記受信機は、第1のセンサと第2のセンサとをさらに備え、前記センサは、光パルスが前記
第1の素子から前記センサに向けられるように提供され、前記センサは、測定基底を使用して
光パルスの測定を行うことができる復号器を備え、ここにおいて、前記第1のセンサで使用さ
れる前記測定基底は、前記第2のセンサで使用される前記測定基底と同じか、または異なるか
の間で切り替えられ得る、請求項1に記載の通信システム。 前記測定期間を通じて、前記第1の動作モードと第2の動作モードとの間で連続的に切り替え
られるように適合される、請求項1~3のいずれか一項に記載の通信システム。 前記nは少なくとも3の整数であり、前記システムは、前記第1の動作モードで前記n個の送
信機から送信機のペアを選択するように適合されている、請求項1~4のいずれか一項に記載
の通信システム。 前記第1の動作モードで、前記2つの送信機と前記受信機との間、および前記2つの送信機の
間に第2の通信チャネルが提供され、前記第2のチャネルは従来の通信チャネルである、請求
項1~5のいずれか一項に記載の通信システム。 前記第1の動作モードで、前記受信機は、2つの検出イベントが同じ測定基底で登録されたそ
れらの測定の結果を前記第2のチャネルを介して通信するように適合され、前記送信機は、検
出イベントが前記第1のセンサと第2のセンサに登録された場合、使用した前記測定基底を前
記第2のチャネルを介して通信するように適合される、請求項6に記載の通信システム。 前記第1の動作モードにおいて、前記受信機は、ベル状態測定がうまく実行された場合、それ
らの測定の前記結果を前記第2のチャネルを介して通信するように適合される、請求項7に記
載の通信システム。 前記第2の動作モードにおいて、前記パルスを送信するために選択された前記送信機と前記受
信機との間に第2の通信チャネルが提供され、前記第2の通信チャネルは従来の通信チャネル
である、請求項1~8のいずれか一項に記載の通信システム。 3つ以上のノード間に量子ネットワークを提供するように適合され、ここにおいて、1つのノ
ードは前記受信機を備え、他のノードはそれぞれ前記n個の送信機のうちの1つを備える、請
求項1~9のいずれか一項に記載の通信システム。 前記符号器は偏光を使用して前記光パルスを符号化するように適合され、前記干渉素子はビー
ムスプリッタを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の通信システム。 前記第1の測定基底と第2の測定基底との間に45度の回転がある、請求項11に記載の通信
システム。 前記システムは偏光回転子をさらに備え、前記偏光回転子は、前記センサのうちの1つの前記
測定基底を変更するように適合されている、請求項1~12のいずれか一項に記載の通信シス
テム。 前記符号器は、位相を使用して前記光パルスを符号化するように適合され、前記干渉素子はビ
ームスプリッタを備える、請求項1~10のいずれか一項に記載の通信システム。 通信システムのための受信機であって、前記受信機は、前記干渉素子に同時に到着する2つの
光パルス間に干渉を引き起こすことができる第1の素子を備え、前記受信機は、第1のセンサ
と第2のセンサとをさらに備え、前記センサは、光パルスが前記第1の素子から前記センサに
向けられるように提供され、前記センサは、測定基底を使用して光パルスの測定を行うことが
できる復号器をそれぞれ備え、ここにおいて、前記第1のセンサは第1の測定基底を有し、前
記第2のセンサは前記第1の測定基底とは異なる第2の測定基底を有し、前記受信機は、前記
第1のセンサと第2のセンサの前記測定基底が前記受信機で受信された一連のパルスに対して
固定されるように構成されている、受信機。 通信システムのための送信機であって、前記送信機は、前記送信機が光の符号化パルスのスト
リームを出力するように適合されるように光源および符号器を備え、前記送信機は、前記パル
スの一部について前記送信機の前記出力を阻止するように制御されるように適合された抑制素
子を備え、前記送信機は、前記送信機の前記出力が阻止されたときに関する情報を記憶し、こ
の情報を出力するように適合されたコントローラをさらに備える、送信機。 符号化された光パルスを準備するように適合された第1の送信機を提供することと、 符号化さ
れた光パルスを準備するように適合された第2の送信機を提供することと、ここにおいて、前
記光パルスは、2つの測定基底のうちの一方において定義する2つの状態のうちの1つで符号
化され、前記測定基底は、正しい測定基底での前記光パルスの測定が正確な結果をもたらし、
他方の基底での測定が不正確な結果をもたらすことになるように選択され、両方の送信機から
の出力パルス間で切り替えること、または前記送信機のうちの1つからの出力を選択すること
と前記光パルスを受信機で受信し、前記符号化された光パルスを復号することと、ここにおい
て、両方の送信機から受信された光パルスは干渉素子で干渉され、第1および/または第2の
センサに向けられ、ここにおいて、前記第1のセンサは前記一方の測定基底を使用し、前記第
2のセンサは他方の測定基底を使用するを備える通信方法。 両方の送信機からの出力パルス間で連続的に切り替える、または前記送信機のうちの1つから
の出力を選択するように適合され、前記方法はイベントを後選択することによって前記復号さ
れたパルスから鍵を導出することをさらに備える、請求項17に記載の方法。 第1の通信プロトコルは、前記2つの送信機の間の暗号鍵を抽出するために実装され、第2の
プロトコルは、前記送信機のうちの1つと前記受信機との間の暗号鍵を抽出するために使用さ
れる、請求項17に記載の方法。

【ソーラータイル事業篇:ソーラーファサード表面意匠化技術】

● カメレオンソーラー社のカラーブラスト技術

 オランダに拠点を置くカメレオンソーラー社(Kameleon Solar)は、BtoB にて下写真の太陽電池モジュ
ールに独自のカラーブラスト技術で意匠性を付加させたソーラーファサードを請け負い販売する企業
である(上/下写真参照クリック)。どのような技術アプローチを選択するにしても、発電量を削が
ず、表面意匠設計条件(基本は色彩/形状)を満たせることができるかに掛かっている(コスト/耐
久性/意匠性/発電量)。いずれにしても、ここでの事業開拓実績がが再生可能エネルギー(=自然
エネルギー)の総電力需要に占有率を決定する。そこで。下記に、その一例として大日本印刷社の特
許事例(特開2017-216766 太陽電池受光面用の印刷画像作成装置)を掲載しておく(ソーラータイリ
ング、外装表面の質感などの形状形成に関する考察は視られない)。 

 

   

 Adaptive Solar Facade


❏ 特開2017-216766太陽電池受光面用の印刷画像作成装置

【概要】

近年、屋外設置型の大型な太陽電池だけでなく、屋内設置型や携帯型の電子機器に対する電力供給用
の中型や小型の太陽電池の需要も増えている。従来の電子機器は、化学電池(放電のみを行う一次電
池や、充放電を繰り返し行うことができる二次電池)からの電力供給を受けて動作するのが一般的で
あったが、今後は、太陽電池を組み込んだ電子機器も広く普及していくが、一般に、太陽電池の発電
量を大きくするためには、その受光面の面積を広くする必要がある。したがって、たとえば、何らか
の表示媒体の表示面に太陽電池を埋め込むことは、大きな発電量を得る上では理にかなっている。し
かし、太陽電池には、その受光面が意匠性に劣るという潜在的な欠点がある。これは、発電効率を高
めるため、太陽電池の受光面は光を吸収しやすい色(黒色・青色・茶色などの濃厚色)にせざるを得
ない。また、屋外に設置される大型の太陽電池の場合、屋外構造物として把握されるため、見た目の
悪さは許容される。さらに、電卓などの小型機器であれば、太陽電池受光面の占有面積は比較的小さ
く、製品全体の意匠性をそれほど損なうことはない。これに対して、今後普及が見込まれている中型
機器(屋内で利用される卓上機器、壁掛機器など)の場合、発電効率を高めるために受光面を大きく
すればするほど、製品全体の意匠性を低下させてしまう。

太陽電池の意匠性を向上させるには、その前面(受光面)に何らかの意匠層を配置するのが最も効果
的である。特に、文字、絵柄、キャラクターなどの任意の画像からなる意匠層を配置すれば、チラシ、
ポスター、カレンダーといった一般の商業印刷物と同程度にまで、意匠デザインの自由度を向上する。
この場合、意匠層は、既存の印刷技術を利用して形成することができ、既存設備を利用した量産化も
可能だが、太陽電池としての機能面を考慮すると、意匠層の配置は好ましくない。意匠層は所望の色
をもったインキ層から構成されるため、観察者に対しては、何らかの画像を提示して意匠性向上でき
るが、太陽電池は、その受光面に入射する光の一部を反射したり吸収するため、発電効率低下すると
いう変換効率と意匠性はトレードオフの関係にあり意匠性向上させる工夫がいる。

ただし、太陽電池の回路設計技術者と意匠デザイナーであり、設計技術者が原画像のデザインを意図
しながら回路設計を行うことは無理があり、産業上は、多種多様な製品にそれぞれ最適な性能をもっ
た太陽電池を組み込み、かつ、そこに多種多様な意匠デザインを施すことが要求されるため、設計技
術者とデザイナーとにおいて密なる連携作業を行う必要があり多大な労力を必要とする。


太陽電池の受光面に画像を配置して意匠性を向上させる際に、必要な発電性能の維持が可能な印刷画
像を作成するにあたり、下図のごとく、原画像データD(A)は、データ変換部220を経て、イン
キ層形成に適したデータD(B)に変換される。プリント部300は、データD(B)に基づいて透
光性シート5に印刷画像11を形成し、印刷シート10を作成する。設計条件格納部240には、太
陽電池30の発電特性に関する設計条件が格納され、相関情報格納部250には、プリント部300
によって形成されるインキ層の被覆面積と太陽電池30の発電特性との相関情報が格納されている。
条件判定部230は、相関情報を用いて、印刷画像11を配置したときの太陽電池30の発電特性を
予測する。予測結果が設計条件を満たしていない場合は、データ修正部210が画像データに対して、
所定の修正アルゴリズムに基づく修正を施すことで発電効率低下をできる限り避けm所望意匠性の向
上を実現できる。

【選択図】図10

 【特許請求の範囲】

太陽電池の受光面に配置する印刷画像を作成する装置であって、原画像を形成するためのデジ
タルデータを原画像データとして入力する原画像入力部と、前記原画像データに対して所定の
変換処理を施し、インキ層からなる印刷画像を形成するのに適した変換画像データを得る画像
変換部と、前記変換画像データに基づいて、前記太陽電池の受光面もしくは前記太陽電池の受
光面に配置するための透光性シートの表面に、インキ層からなる印刷画像を形成するプリント
部と、を備え、前記画像変換部が、前記変換画像データを前記プリント部に与えた場合に形成
される印刷画像の光の透過特性に基づいて、受光面に当該印刷画像が配置された太陽電池の発
電特性を予測し、予測した発電特性が前記太陽電池に関する所定の設計条件を満たすように、
前記原画像データもしくは前記変換画像データまたはこれらに対して修正を加えた画像データ
に対して必要な修正処理を施すことを特徴とする太陽電池受光面用の印刷画像作成装置。 請求項1に記載の太陽電池受光面用の印刷画像作成装置において、画像変換部が、原画像デー
タを変換画像データに変換するデータ変換部と、太陽電池の発電特性に関する設計条件を格納
する設計条件格納部と、プリント部によって形成されるインキ層の被覆面積と太陽電池の発電
特性との関係を示す相関情報を格納した相関情報格納部と、前記相関情報を用いることにより、
判定対象となる画像データに基づいて形成される印刷画像を受光面に配置したときの太陽電池
の発電特性を予測し、予測した発電特性が前記設計条件を満たすか否かの条件判定を行う条件
判定部と、 前記条件判定部により否定的な判定結果が得られた場合に、肯定的な判定結果が
得られるよう前記判定対象となる画像データに対して修正処理を施すデータ修正部と、を有す
ることを特徴とする太陽電池受光面用の印刷画像作成装置。 請求項2に記載の太陽電池受光面用の印刷画像作成装置において、条件判定部が、データ修正
部による修正前の画像データを判定対象とする条件判定を行うとともに、データ修正部による
修正後の画像データを判定対象とする条件判定を行う機能を有し、データ修正部が、条件判定
部により肯定的な判定結果が得られるまでデータ修正を繰り返し実行することを特徴とする太
陽電池受光面用の印刷画像作成装置。 請求項2または3に記載の太陽電池受光面用の印刷画像作成装置において、プリント部が、変
換画像データに基づいて、網点インキ層からなる印刷画像を形成し、相関情報格納部が、網点
面積率と太陽電池の発電特性との関係を示す相関情報を格納しており、条件判定部が、前記相
関情報を用いることにより、判定対象となる画像データに基づいて形成される印刷画像を配置
したときの太陽電池の発電特性を予測することを特徴とする太陽電池受光面用の印刷画像作成
装置。 請求項4に記載の太陽電池受光面用の印刷画像作成装置において、原画像入力部が、RGBも
しくはCMYKなる各色別の画像データを有する原画像データを入力する機能を有し、プリン
ト部が、CMYKなる各色のインキ層からなる印刷画像を形成する機能を有し、相関情報格納
部が、CMYKなる各色の網点面積率の組み合わせと太陽電池の発電特性との対応関係を示す
相関情報を格納しており、条件判定部が、判定対象となる画像データに基づいて特定の網点面
積率の組み合わせを決定し、前記相関情報を参照することにより、決定した組み合わせに対応
する発電特性を認識し、認識した発電特性に基づいて、判定対象となる画像データに基づいて
形成される印刷画像を配置したときの太陽電池の発電特性を予測することを特徴とする太陽電
池受光面用の印刷画像作成装置。

以降、第53項まで紙面の制約のため割愛。

                                    この項つづく


昨日は、朝から大阪に所用で車を走られ話をすませ正午に帰ってくる。やはり疲れているせいか、集中力を欠
き、残件を今日処理、墓参りと昼食をすませ残件処理する。

                                                              

 


最新無隔膜電解工学

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  人なさざることあり: 人は、なすべきでないことをわきまえてこそ、
     なすべきことをやりとげられる。

   【解説】 悪いと思ったことは絶対しない。そのくらいの決心がなければ、
        よいと思ったことに死力を尽くすことができない。

   ※ 大人とは:大人は、おのれの発言に必ず忠実だというわけではない。
     また、おのれの行為を必ず遂行するというのでもない。言葉にしろ行
     為にしろ、ただ義のあるところに従うのだ。

     大人(だいじん)とは、嬰児のときの、あの純真無垢な心を持ちつづ
     けている人のことをいうのだ。

   ※ 自得:君子が、より深く道を究めようとしてけっしてやかことがない
     のは、自ら体得したいからだ。体得したものならば、確固として揺ぐ
     ことがない。揺ぐことがなければ、それを基礎に、さらに深く達を究
     めようとする。深く究めれば、どんな卑近なことをとりあげても、す
     べてその本源に到達できる。君子が、道を体得しようとするゆえんは、
     まさにここにあるのだ。 

     
      No.127

【水素エネルギー篇:最新無隔膜海水電解技術】

今夜は、昨年12月20日に記載したこのシリーズ No.119「海水電気分解配備メガフロート」で紹介
したコロンビア大学の研究グループの開発した「無隔膜(メンブランレス)電解装置Ⅰ」をさらに、
改良し三次元プリンタで電解槽(「無隔膜電解装置Ⅱ」)――2017年12月15日、同研究グループが、
ポンプや無隔膜でシンプルで低コスト型浮体式太陽電池による海水電解水素造デバイスの開発したこ
とを公表。デバイスレベルの研究の2つの重要側面は、❶電気化学的/光電気化学的試験容器と反応
器開発加速に重要な付加装置(スリーディプリンタ)と、❷これらのデバイスの窓および電気化学セ
ンサを組み込みことにある。前者は高速ビデオを用いて装置内の流体力学と動的発泡の観測評価が特
徴――を作製した話題を取り上げた。

 Dec. 15, 2017


その前に来るべき水素エネルギー社会について考えるところがあり、この構想を自分なりに膨らませ
てみた(お陰で随分と手間どる)。従ってこのブログにそれを掲載しきれないとき連載になるかもし
れない。さて、風力、ソーラーの再エネ(再生可能エネルギーの略)で水素を海水電解製造しても液
化/貯蔵/搬送までのコスト/保安は大きくなる(手許に資料がないのでまとまり次第公開したい)
。それなら、水素をプロトンと言い換え「固体プロトン」「液体プロトン」に事業分類。ここで「固
体プロトン」とは水素吸着材で固定したものや海水電解水素あるいは酸素を燃料電池/内燃機関/ガ
スタービンで発電しそれを世界共通企画させた高密度/軽量固体蓄電池に貯蔵し直接消費ポイントに
配送/交換すればいいのではと考えた(尚、世界の電気消費量は2万5千テラワットアワー、平均単
価20円/キロワットアワーで金額にして25兆円/年、将来10分の1に価格下落したとして2兆
5千億円/年と試算)。

出典:世界の電力消費量 電力消費量  Enerdata



次に、メガ/ギガフロートの分類を考えてみよう。嘗てブログの「縄すてまじ」で考察したように自
律航行型/繋行・繋留型フロート(浮体)の分類、あるいは下図(詳細はクリック参照)のような円
形など形状による分類が考えられる。多目型/専用型の用途からの分類も考えられる。

 ❏ 参考:特開2016-141983 浮体式海洋構造物の海上構築方法および浮体式海洋構造物

 【概要】

 従来の浮体式海洋構造物の施工方法では、以下のような問題があった。 すなわち、ジブクレーンを
浮体構造物上に設置して所定の高さのタワー部の躯体を施工し、完成後に躯体の構築と海中への下降
を順次繰り返して施工している。そのため、高層または超高層となるタワー部の場合には、外径寸法
も大きくなり、1層あたりの施工に時間がかかることから、工期の短縮が求められており、その点で
改善の余地があった。た、上述したような大規模の浮体式海洋構造物では、有効的な空間を確保する
目的でタワー部の外周からタワー軸に直交する径方向に張り出す外周構造物が設けられる構造が知ら
れている。このような外周構造物は、タワー部の躯体全体を浮体構造物上に自立させた後に、施工さ
れるため、作業員や資材を高層部に搬送する必要があり、しかもクレーンの高所への移設作業などが
生じることになり、作業効率の点で課題があった。本発明に係る浮体式海洋構造物の海上構築方法は
海上に浮かぶ浮体構造物と、該浮体構造物に支持され、平面視で中心に中空部を有する筒状のタワー
部と、該タワー部の外周部に径方向の外側に広がる外周構造物と、を備えた浮体式海洋構造物の海上
構築方法であって、前記タワー部を上下方向に挿通可能に配置する挿通孔が形成された前記浮体構造
物を水面上に浮かべて係留する第1工程と、前記挿通孔において、前記タワー部における所定高さの
躯体を施工する作業、および施工した前記タワー部を下降させて海面下に沈める作業を順次繰り返し、
前記タワー部の全体を施工し、該タワー部の上部を残して海面下に沈降させる第2工程と、前記第2
工程の後に、施工済みの前記タワー部を浮力により引き上げ、前記タワー部における前記外周構造物
の接合部分が前記浮体構造物上に浮上した状態で引き上げを停止し、該浮体構造物に前記外周構造物
を施工する第3工程と、該外周構造物の全体を施工した後に、残りの前記タワー部を引き上げて前記
浮体構造物上に自立させる第4工程と、を有することを特徴としている。



● 隔膜の有無の理由

海水電解を隔膜なしの電解槽で行う理由は構造の簡素化と高価な隔膜と膜交換などのメンテナンスを
なくすことで、電解水素/酸素の製造コストを引き下げることにあるが、電解電流密度や電解液(海
水)の流路間隔(イオン移動時間)がキーパラメータの阻害要因であれば逆効果となり、それら含め
システム全体の総合的なイニシャル/ランニング費の計算により決定される(下記の資料参照)。

W.G., James, B.D., Moton, J.M., Saur, G., Ramsden, T. (2014). Techno-economic Analysis of PEM Electrol-
 ysis for Hydrogen Production in Electrolytic Hydrogen Production Workshop. NREL, Golden, Colorado. Ava-
 ilable online:

S. Dillich, T. Ramsden and M. Melaina, Hydrogen Production Cost Using Low-Cost Natural Gas, U.S. Depar-
 tment of Energy Hydrogen and Fuel Cells Program, 2012. Available online:
H2A Production Model. Available online:
U.S. Energy Information Agency, U.S. Natural Gas Industrial Price. Available online:
U.S. Bureau of Labor Statistics CPI inflation calculator. Available online:

● 無隔膜水電解装置の特徴と技術事例

無隔膜(メンブランレス)電解装置の実用の典型事例として、東陶株式会社の「特開平05-245473 電
解イオン水生成器」に求めることができる(世界初かどうかは別として)、それを参考に米国でも特
許公開されている。下記に参考事例として掲載する。

❏ 特開平05-245473 電解イオン水生成器

【概要】

従来、イオン水生成器は対設した電極の中央を不織布、素焼き板等の水の通過を一部制限する隔膜で
仕切り、両電極に電圧を印加することで水の通過を制限しつつイオンを電界の作用で該隔膜を通過さ
せて夫々の電極に吸引して酸性イオン水とアルカリイオン水とに電解するようになしている。しかし、
隔膜を使用したイオン水生成器の課題は、該隔膜に細菌・微生物が付着繁茂する恐れを有し、さらに
は長期の使用によって該隔膜が絶縁物によって目詰まり発生し、電流の流れを遮断して電解効率を低
下させることである。すなわち、水で濡れる隔膜には大腸菌等の細菌等が棲息しやすく、また、隔膜
は電極に吸引されて陰極側に向っては陽イオンが、陽極側に向っては陰イオンが通過することになる
が、このイオンは水酸基イオンや水素イオンに限られるものではなく、水に含まれるカルシウムイオ
ン、マグネシウムイオン、珪素分をも含み、珪素分はそれ自体絶縁物であるし、カルシウムイオン、
マグネシウムイオンは隔膜に付着して炭酸マグネシウムイオンや炭酸マグネシウムイオン等の不溶性
で絶縁性の物質となって堆積するためである。 そこで、本発明は上記課題を解決するためになされた
もので、隔膜を省略して細菌・微生物の繁殖源を有さず、効率的な電解を長期間に渡って保証できる
イオン水生成器を提供することを目的としたものである。 


【符号の説明】

1 電解槽 1a 一方側容器部 1b 他方側容器部 2 水道水流入口 3 酸性イオン水流出口 
4 アルカリイオン水流出口 5 堰 6 タンク室 7 電解槽室 7a 電解流路 8 陽極電極板 9
陰極電極板 10 スリット状狭窄流路

【図面の簡単な説明】

【図1】本発明イオン水生成器の主要部である電解槽の正面図
【図2】電解槽の他方側容器部1bの正面図
【図3】A-A線断面図
【図4】実施態様に使用される水圧スイッチ部の断面図
【図5】電源回路図

❏  US 5534120A Membraneless water electrolyzer:メンブレンレス水電解槽


【概要】

アルカリ性水と酸性水とが互いに分離される流路の下流領域において乱流の形成を抑制するか、または
少なくとも最小限に抑えることができる独立した回復のために。本発明の他の目的は、薄層の酸性水
を層流の残りから選択的に分離して殺菌および細菌の消毒の目的で殺菌水として使用できる高酸性水
を回収することができる改良された無隔膜電解槽を提供することである。さらに別の目的は、高度にア
ルカリ性の水を回収することができる改良された無電解電解槽を提供することである。更なる目的は、
無電解電解槽の種々の水圧パラメータを最適化して、アルカリ水及び酸性水の分離効率を高め、高度
の電解を達成することにある。また別の目的は、水を電気分解して、電極間に膜を置くことなくアル
カリ水および酸性水の流れを形成することができ、それでもアルカリ水および酸性水の流れを効果的
に分離することができる水電解方法を提供することである。互いに形成されている。その最も単純な
形態では、本発明による無電解電解槽は、水入口と、一対の対向する表面によって画定された狭い流
路とを有するケーシングを含む。流路表面は、水が流路を流れるときに層流を確立するのに十分に近
接して配置される。一対の平面状電極は、その作用面が流路面と同一平面上に配置され、水が層流の
形態で流路を流れる際に電解することにより、層流に沿って流れる酸性水の層を生成するアノード -
水界面と、カソード - 水界面に沿って流れるアルカリ水の層とを含む。電極間に膜は設けられていな
い。

主な特徴は、酸性またはアルカリ性の水の層が分離され、層流が流路内で維持されている間に、層流
の残りから剥離されることである。この目的のために、一方の流路面には、流路の下流端の上流に位
置するスリット状開口が設けられている。この構成では、流路表面の1つに沿って流れた酸性または
アルカリ性の水の層は、乱流の形成を誘発することなく、層流の残りの部分から層流に垂直な方向に
円滑に除去される。本発明の好ましい実施形態では、流路の下流端は、流路の流速に比べて十分に大
きな容積を有する第1のバッファ貯蔵チャンバと連通している。同様に、スリット状開口部は、開口
部の流量に比べて十分に大きな体積を有する第2のバッファ貯蔵チャンバと連通することが好ましい。
これらのバッファ貯蔵チャンバは、有利には、分離点における乱流の形成を低減するのに役立つ。好
ましくは、これらのバッファ貯蔵チャンバの深さは、流路の幅およびスリット形開口の6倍よりも大
きい。スリット状開口の幅は、流路の幅の3倍未満であることが好ましい。流路内に強く発達した層
流を確立するために、流路の横方向の広がりは、好ましくは、流路の流速の0.09倍より大きい、
より好ましくは0.14倍より大きい(詳細は下図クリック参照)。

 

❏ US 9011651 B2 Apparatus and method for the electrolysis of water : 水電気分解装置および方法


【概要】

水素ガスは、多くの産業用途に大量に使用されている。特に水素が理想的な燃料源として追求される
につれて、水素の需要が増加している。水素ガスを製造するための最も一般的なプロセスは、化石燃
料の反応と分解である。これらのタイプのプロセスのいくつかの例には、天然ガスの水蒸気改質およ
び石炭ガス化が含まれる。しかし、これらのプロセスは、再生不可能で汚染性の高い資源に頼ってい
るという重大な欠点を有する。特に、大量の一酸化炭素および二酸化炭素は、一般に化石燃料に基づ
く水素製造方法で製造される。従って、大規模な水素製造のためのより清浄な方法を見出すことには
かなりの関心がある。1つの可能な代替方法は、水の電気分解である。水の電気分解は、有毒で環境
に優しい副生成物を生成することなく、水素および酸素ガスを生成する。さらに、電解方法は電源を
電力源として使用するので、炭化水素プロセスに対する電解プロセスの別の利点は、太陽光、風力ま
たは水力などの再生可能な電源から電力を受け取ることができることである。

水の電気分解は、逆極性の電極を横切って水に印加される電圧(すなわち、電流)の作用によって、
水が酸素および水素ガスに分解(すなわち、「分裂」)することを含む。陰極(陰極)には水素が生
成され、陽極(陽極)には酸素が生成される。陰極(陽極)には、以下の周知の化学式で示されるよう
に酸素が生成される。

・陰極(還元):2H +(aq)+ 2e H 2(g)
・アノード(酸化):2H 2 O(1)→O 2(g)+ 4H +(aq)+ 4e .-

電解プロセスは、よりきれいに水素を生成するという利点を有し、再生可能な供給源によって給電さ
れることができるが、電解プロセスは、従来の電解槽の労働集約的で材料コストのために、従来の炭
化水素プロセスと比較して非競争的であり、当該技術分野の電解槽で使用される現在の貴金属電極(
例えば、複雑な白金板またはハニカム)のコスト。従って、化石燃料から水素をより手頃な価格で製
造することができるため、水素を製造するための電解プロセスは、一般に、小規模な操作に限られて
いた。しかし、将来の水素経済においては、今日の最大規模の10~100倍の電解槽が必要とされると
推定されている(Ivy、J.、「電解水素製造の概要」、国立再生可能エネルギー研究所、NREL / 560-367
34)。さらに、このような大規模電解槽は、現存する水素製造技術の代わりに現在非常に有益であろう。
明らかに、最先端の電気分解技術は、このような大量の水素と酸素をきれいで費用対効果の高い方法
で製造するにはかなり不足している。

第1の態様では、本発明は、水を水素および/または酸素ガスに電気分解するための装置に関する。い
くつかの実施形態では、本明細書に記載の電解装置は、表面上に複数の微細化された触媒電極(すな
わち、微小電極)を利用する。他の実施形態では、微小電極のアレイによって提供されるのと同じま
たは同様の利点を達成するために、微小電極の機能的模倣物(例えば、触媒ホットスポットの分布)
がバルク電極上で使用される。マイクロ化された触媒電極またはその機能的模擬物は、カソード(す
なわち、水素が生成される)またはアノード(すなわち、酸素が生成される)として機能することが
できる。特定の実施形態では、マイクロ化電極の各々は、独立してアドレス指定可能であり、すなわ
ち、独立して電力供給され、調整され、および/または監視される。

第1の特定の実施形態では、電解装置は、(i)表面を有する少なくとも1つのリソグラフィ的にパタ
ーニング可能な基板と、(ii)表面に埋設され、触媒アノード電極または触媒カソード電極のいずれ
かである複数の微細化された触媒電極と、(iii)表面に近接しているが表面にはない少なくとも1
つの対電極であって、微視的触媒電極が触媒アノード電極である場合には少なくとも1つの触媒カソ
ード電極を含み、または対極が少なくとも1つの触媒アノード電極を含む場合、微細化された触媒電
極は触媒カソード電極であり、(iv)放出された水素および/または酸素ガスを回収する手段と (v)
複数の微小化された触媒電極と少なくとも1つの対電極との間に電圧を印加するための電力供給手段
と(vi)水性電解質を保持し、複数の微細化された触媒電極および少なくとも1つの対電極を収容す
る容器である(詳細は下図クリック参照)。



つぎに、電気分解された水素/酸素の使途を考えてみよう。生成された水素を分離精製し吸着あるい
は液化する方法については、「オールソーラーシステム」として特許研究室に保管ないしはこのブログ
でも掲載しているのでそちらを参照(割愛)してもらうこととして、ここでは、プロトンの固体化(
=蓄電池)法として、①水素燃料電池、②水素/酸素の直接燃焼法(内燃機関/ガスタービン/水蒸
気タービン)による発電による蓄電池への充電方式を考察することにする。まず二次電池への充電法
としては、高エネルギー密度、大きい耐久性、火災・爆発リスクのない安全性、超軽量/コンパクト
化が求められる。

❏ 特開2017-142884 アルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池   

【概要】

二次電池には、代表的なものとして、鉛蓄電池、ニッケルカドミウム電池、ニッケル水素電池、リチ
ウムイオン電池等があるが、電圧、容量、エネルギー密度の観点から、現在では、リチウムイオン電
池の用途が拡大しており、パソコンや携帯電話等のあらゆる携帯機器に採用されている。今後は、電
気自動車の電源、震災等の緊急時のライフライン確保のための非常用電源、定置用電力貯蔵として、
その役割が一層重要となってくるものと推測される。そのため、容量やエネルギー密度の更なる向上を
目指した電極材料、電解質、セパレータ等の要素技術開発が継続されている、このようなリチウムイ
オン電池にも、解決することが困難な問題がある。①第一に、エネルギー密度に限界があり、電気自
動車等には不十分であるという性能の問題である。②第二に、正極材料にリチウム(Li)やコバル
ト(Co)等のレアメタルを使用しなければならず、高価であるというコスト及び資源枯渇の問題が
ある。?第三に、リチウム(Li)やコバルト(Co)は毒性があり、環境の二次破壊を引き起こす
可能性がある。第四に、電解液として非水系の有機溶媒を使用しており、内部短絡で高温になると発
火・爆発するという安全性の問題がある。第五に、従来の二次電池では繰り返し使用するためには充
電を必要とし、充放電を繰り返すことによる電池の劣化が著しく進行し、最終的には廃棄処分もしく
はリサイクル処理が必要になるという問題がある。そこで、革新的二次電池として期待されているの
が、金属空気電池及び金属空気燃料電池である。これは、次のような根拠に基づいている。まず、従
来の2次電池と異なり、メカニカルチャージという負極金属や電解質を機械的に外部供給する方式で
発電で消耗した金属であるアルミニウムを交換するという、いわゆる、充電ではない方法で容量回復
を可能にする。更に、燃料となる金属であるアルミニウムを化学反応させない方式で保管することが
でき、これまでの二次電池の課題の一つである自己放電による容量の減少を発生することがない。そ
の他に、従来の二次電池の性能、コスト、資源、環境、及び、安全性の問題を理論的には解決できる
可能性がある。例えば、金属空気電池のエネルギー密度は、理論的にはリチウムイオン電池の数倍以
上、すなわち、リチウム(Li)-空気電池で、11,400Wh/Kg、アルミニウム(Al)-
空気電池で、8,100Wh/Kgと計算されており、ガソリン車のエネルギー密度(12,722
Wh/Kg)に肩を並べることができる。又、正極の活物質は大気中に無尽蔵に存在する酸素(O2)
であり、負極の活物質は地球に広く分布している鉄、亜鉛、マグネシウム、及び、アルミニウムのよ
うに安価な卑金属材料を用いることが出来る。電解質は反応性が高いリチウムやナトリウムでは使用
できない水系を用いることができるため、発火、発熱、爆発の心配がなく、安全性が高い。

更に、金属空気電池は、フランスのフェリーが1900年代初期に考案し、ル・カーボン社が改良し
て製造した亜鉛空気電池で、一次電池として利用されていたが(非特許文献7)、1996年、米国の
Abrahambにより、リチウム空気電池が蓄電池として機能することが報告されて、二次電池を目的とし
た金属空気電池の開発が活発化し、次世代の二次電池として期待されるようになった。特に、金属空
気電池に特徴的なことは、従来の充電方式だけでなく、再生可能な電解質及び金属電極を入れ替える
メカニカルチャージを採用することが可能で、一種の燃料電池ともなる。

しかしながら、金属空気電池には、負極材料の金属の種類、電解質の種類(有機系又は水系)、及び
、正極材料の種類に応じてそれぞれ克服しなければならない課題を数多く内在している。特に、空気
極と、安価なアルミニウム又はアルミニウム合金とする負極と、安全性を確保できる水系電解質とか
らなるアルミニウム空気電池の場合、電極反応及びそれに付随する化学反応等に起因する種々の問題
が生起する。自己腐食や分極等の問題を解決し、エネルギー密度や電圧等の電池性能に優れ、寿命が
長く、安全性の高いアルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池を提供することを目的とす
る。アルミニウムまたはアルミニウム合金を活物質とする負極と、酸素を活物質とする正極(空気極)
と、中性水系電解質とからなるアルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池において、電解
質が中性水系電解質に有機脂肪酸塩を溶解したものであることを特徴とする。【選択図】図2



                                  
                                       この項つづく                                                                                   

  

 

最新無隔膜電解工学Ⅱ

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                 

      ※  水をたたえる: 弟子の徐子が孟子にたずねた。「孔子は、折りにふれて、
          『おお、水よ、水よ』と言ってこれを称賛してやまなかった。いったい、
          水の性質のどこを称賛したのでしょうか」「泉から滾々(こんこん)と
     湧き出す水は、昼も夜もけっして絶えることがない。そして、低地をひ
     たしては流れつづけ、ついには海に注ぐ。源のあるものは、すべてこの
     水のようなもの。孔子が称賛したのはこの点なのだ。水源がなければ、
     六、七月の雨期のあいだ、いくら集中的に降って、水路という水路をあ
     ふれんばかりにしても、雨がやめばまたたくまに干上がってしまう。実
     の伴わない名声は、この水源のない水と同様だ。だから君子は、このよ
     うな名声を受けることを恥とするのだ。」

   ※ 私 淑: 良きにつけ悪しきにつけ、伝統の感化力というものは五代も
     たてばおのずと消滅するのが通例だ。わたしは残念ながら、孔子に直接
     教えを受ることはできなかった。しかしわたしは、孔子の学問を受け継
     いだ人々を通じて、自分なりに向上しようと努めている。

   〈孔子の学問今・・・・・・・努めている〉この部分の原文は「私淑」。「私淑する」
   といえば、今日でも、直接には教えを受けられないが、自分なりに模範とし
   て仰ぐ意味に使われている。

      No.128

【水素エネルギー篇:最新無隔膜海水電解技術】

● 高性能電池開発事情:最新金属空気電池技術事例

昨夜の「特開2017-142884 アルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池」に引き続き、金属
空気電池の技術事例に参考にする。

❏ 特開2017-142884 アルミニウム空気電池及びアルミニウム空気燃料電池   

【概要】

アルミニウム金属を活物質として含有する負極を用いた金属空気電池では、自己放電反応によるアル
ミニウム金属の減少や、放電により生成する水酸化アルミニウムが負極表面に蓄積すること等に起因
して、アルミニウム反応率が低下するという問題がある。この実情をふまえ、本件はアルミニウム反
応率が向上した金属空気電池の提供にあたり、自己放電や、放電により生成する水酸化アルミニウム
の負極表面への蓄積を抑制し、アルミニウム反応率が向上――空気極と、負極と、空気極と負極の間
に配置する電解液層と、電解液が循環する循環路とを備え、この循環路は電解液層及び電解液の収容
部を備え、負極に用いられる活物質は純度が99.5%の平板状のアルミニウム金属で、電解液層は
前記電解液で満たされ、前記電解液は1.0mol/Lの水酸化ナトリウム溶液であり、外部環境温度が
25℃、放電電流が400mAの条件で放電した場合に、電解液が0cm/sを超えて13.3cm
/s未満の流速で電解液層を流れることを特徴とすることで自己放電や、放電により生成する水酸化
アルミニウムの負極表面への蓄積を抑制―――することを提供する。【選択図】図5



● 水電解要の炭素触媒に注目!

❏ 特開2017-210638 水電解用炭素触媒及びその製造方法、及び該炭素触媒を用いた
                     水電解用触媒インキ並びに水電解装置   

【概要】

水素製造方法の一つに水電解。とりわけ、再生可能エネルギー由来電力は、二酸化炭素の排出を伴な
わず注目され、水電解の方法としては、一般に、アルカリ水電解と固体高分子水電解――アルカリ水
電解ではアルカリ水溶液を電解質とし、固体高分子水電解ではイオン交換膜を電解質――があり。固
体高分子水電解は、アルカリ水電解と比べて電流密度を上げられ、高い効率が得られるという特長が
あり、固体高分子水電解装置構成は、固体高分子電解質膜の両側に触媒層を設け、さらにその外側に
給電体と通電板の構成が代表的である。イオン交換膜は、主として、デュポン社製Nafionなどのスル
ホ基を有するフッ素系高分子が用いまた、触媒層は電極反応の反応場となる部分であり、一般に、電
極用の触媒と固体高分子電解質との複合体からなる。

このような電極用触媒には、従来、白金やイリジウムなどの貴金属微粒子、カーボンブラックなどの
炭素担体上に貴金属微粒子を担持したもの、電解質膜表面にメッキやスパッタなどの方法で形成され
た貴金属の薄膜などが用いられているが、白金などの貴金属は、高い触媒活性(プロトン還元活性)
とその活性安定性を示すが、非常に高価であり、資源的にも限られ、コスト高要因となっている。

この課題解決に、大環状化合物をカーボンブラックなどの電子伝導性炭素担体表面に担持し、炭化さ
せた炭素触媒、大環状化合物を含まない有機高分子材料を炭化させた炭素触媒などあるが、電池性能
は、比表面積の大きさや電子伝導性が重要であるのに対し、これらの有機高分子材料を原料とした炭
素触媒は、電子伝導性が低く、比表面積が小さいといった問題があり、充分な触媒活性を有する触媒
ではない。コスト、資源量などから使用量低減が求められる貴金属触媒の代替として、高電子伝導性
及び比表面積の大きい炭素担体を含む安価な水電解用炭素触媒や炭素触媒を用いた水電解用触媒イン
キと水電解装置を下図のように提案されている。その特徴は、窒素を含有し、X線光電子分光法(X
PS)により測定した、触媒表面の全元素に対する窒素原子のモル比をNとし、触媒表面の全窒素量
に対する、XPSのN1sスペクトルのピーク分離により求めたN1型窒素原子量の割合とN2型窒
素原子量の割合の合計(%)を(N1+N2)としたときの、表面末端窒素量{N×(N1+N2)}が
1.0~13.0であることを特徴とする水電解用炭素触媒よりて解決するものである(詳細は下図ク
リック参照)。

 Nov. 30, 2017

ここで、電極触媒だけでなく、蓄電池/電極/正極活物質粒子の重量あたりの容量を高め、高いエネ
ルギー密度を実現し電池反応の安定化を図る――例えば、二次電池の正極の活物質として、リチウム
と、マンガンなどの元素と酸素で構成されるリチウムマンガン複合酸化物を用い、還元された酸化グ
ラフェンで被覆することでこの活物質と、酸化グラフェンと、導電助剤と、バインダーで構成する活
物質層を形成し、活物質層を、アルコールに浸した後、加熱処理をすることで、酸化グラフェンが還
元された電極を作製するという「特開2017-045726  電極、及びその製造方法、蓄電池、並びに電子
機器
」株式会社半導体エネルギー研究所)のようにグラフェンを使ったエネルギー分野だけでなく半
導体、カラー表示装置分野などの電子器機材料のイノベーションが急速に進展してきており、高エネ
ルギー密度、急速充電、安全でコンパクト(高・軽・薄・小・安)な全固体型蓄電池の実用化が目前
に迫っており、「グラフェン工学時代」(言い換えれば「ネオコンバーテック時代」)であることを
強調しておきたい。

● 水素モータ技術とは

ここで、海水電解方式での製造された水素/酸素は、蓄電池あるいはガス/蒸気タービン、燃料電池
だけでなく、水素モータ(あるいは水素/酸素ガス混合モーラ)つまり内燃機関(エンジン)発電技
術も触れておく。水素ガス直燃はエネルギー効率が高いが、騒音や窒素酸化物の排出などの対策をセ
ットしクリアーしなければないらない。例えば、「特開2017-122424  排気浄化装置」(株式会社デ
ンソー
) 「特表2017-538573  排気システム用の一酸化二窒素除去触媒 ビーエーエスエフ コーポレ
ーション)を参考に掲載しておく。

 ❏ 特開2010-106798 動力発生装置  

【概要】

動力発生装置は、下図のように、電力供給装置と、所定量の水を保持する貯水装置と、電力供給装置
から供給される電力により、貯水装置から供給される水を加熱して水蒸気にする加熱装置と、加熱装
置で発生した水蒸気を電気分解して水素と酸素を生成する水蒸気電解装置と、水蒸気電解装置で生成
された水素を貯留する水素タンクと、水蒸気電解装置で生成された酸素を貯留する酸素タンクと水素
タンクから供給される水素と前記酸素タンクから供給される酸素とを反応させて動力を発生させる水
素-酸素エンジンと、水素-酸素エンジンで生成された水蒸気を水蒸気電解装置に排出する水蒸気排
出通路と、水蒸気排出通路に配置され、水蒸気から排熱を回収して動力を発生させる排熱回収装置と、
の構成が特徴である。

水蒸気を水素と酸素に分解する水蒸気電解装置と、水素と酸素を燃料とする水素-酸素エンジンと
を搭載しているので、特殊な燃料や燃料電池のような複雑な装置を必要とせず、二酸化炭素や窒素酸
化物が排出されないクリーンでより安定した作動が可能な動力発生装置を提供できる。また、動力発
生装置は、排熱回収装置を備えているので、水素-酸素エンジンで発生した高温の水蒸気からさらに
動力を回収することができ、一層高効率な動力発生装置を提供される。エネルギー効率が高く、クリ
ーンな動力発生装置をが提供できる。

動力発生装置1は、電力供給装置12と、所定量の水を保持する貯水装置13と、貯水装置13から
供給される水を加熱して水蒸気にする加熱装置14と、加熱装置14で発生した水蒸気を電気分解し
て水素と酸素を生成する水蒸気電解装置5と、水蒸気電解装置5で生成された水素を貯留する水素タ
ンク16と、水蒸気電解装置5で生成された酸素を貯留する酸素タンク17と、水素タンク16から
供給される水素と酸素タンク17から供給される酸素とを反応させて動力を発生させる水素-酸素エ
ンジン8と、水素-酸素エンジン8で生成された水蒸気を水蒸気電解装置5に排出する排出マニホー
ルドP6と、排出マニホールドP6に配置され、水蒸気から排熱を回収して動力を発生させる排熱回
収装置2と、を有する。【選択図】図1(詳細は下図クリック参照)。



【ソーラーフロート型海水電解水素製造システム】

● 再生可能エネルギーの低コスト水素生産のための無電解電解槽

電気分解装置は、電気を使って水を酸素と水素に「分割」する。これは、クリーンエネルギーの将来
における主要なエネルギーキャリアとして役立つ貯蔵可能な化学燃料である。工業規模の水電解は、

在の電気価格では一般的に経済的でないが、このパラダイムは、再生可能エネルギーは将来的に電力
価格が非常に安くなり低くなる。太陽光や風力により過剰電力が発生した場合、部分的に無料利用で
きる。このシナリオでは、水電解の経済性は、電解槽の資本コスト支配され、電解槽の資本コストは
現在価格より大幅減額させる必要がある。この目的のためにこのレポートは、無隔膜電解槽の課題と
機会について開設する。これらのデバイスがうまく最適化され、スケールアップされれば、再生可能
エネルギーの水素製造費の破壊的低コスト化技術となるだろう。

水素は、貯蔵可能でエネルギー密度の高い燃料であり、幅広い産業および民生用アプリケーションに
有用となる1。 同様に重要なことに、太陽光発電(PV)などの再生可能な技術で発電される水電解由
来水素は、非常に低カーボンフットプリントとなる。しかしながら、水蒸気メタン改質(SMR)由来
水素より遙か衣に高価である。現在のところ、SMRより厄介な水電解の最大コストは、電解工程での
支出(opex)に依存する。2 米国の平均工業用電気代で電解水素製造の必要電力は、SMR(約1.59 $ [
kg H2] -1)でH24を製造するコストを大きく上回る。電解槽効率が100%でもこれは図1Aに示されいる
とおり、電力と電解装置の効率関数として電力運用を示す。カーボン価格がない場合、図1A(水電解
の経済学)
は、水電解米国の現在の天然ガス価格でSMRと競合する可能性がある場合、平均電力価格が
2~3kWh-1未満でなければならないことを示している。


幸いにも、太陽光発電と風力によって発電される電力のコストは引き続き減少し、これらの再生可能
資源からの非常に低コストの電力(≦3kWh-1)が遍在するまでには時間の問題である。再生可能な太
陽光および/または風の非常に高い市場浸透し、電力料金が無料になっている。 すでに、世界中の多
くの場所で、発電量と需要の不均衡のために、太陽光や風力発電所の発電電力が削減されている5
このようなシナリオは、水電解による水素製造の巨大な経済的機会を創出する。しかし、重要な注意
点がある。この低コストまたは無料電力は、太陽光発電の電力生産が最大になる日のごく部分的利用
でしかない。結果として、この再生可能なエネルギーの将来的に作動する電解槽は、容量係数(CF)
が低く、寿命の間にはるかに少ないH2を生成する可能性が高い。

図1Bに示すように、電解槽の寿命を10年間一定とすると、今日の商用高分子電解質膜(PEM)電解槽
システム(1,000-1,500 $ kW-1)6の資本コストに基づく設備投資(設備投資)は、電解槽は風力発電
機と太陽光発電機のCFに似たCF(約20~40%)を持つ。電力フリーの限界では、図1Bの電解槽設備曲
線は、H2の価格の下限を設定し、安価な電気および低CFを特徴とする将来の電解槽資本コストの重要
性を強調する。この観察は、光電気化学セルおよびPEM電解槽を異なる構成で使用してH2を製造する
コストを分析した最近のテクノ経済分析と一致する。この研究では、グリッド接続されたPEM電解槽(
7%kWh-1で97%CF)を6.1kg-1とするH2の生産コストを推定し、同じ電解槽を太陽光発電プラント(CF
= 20.4%)は12.1 $ kg-1.3。Shanerら3の分析と 図1Bの曲線は重要なメッセージを示す。破壊的な電
解槽技術は、再生可能な太陽光または風力で駆動する水電解がSMRと競合水準まで資本コストを下げ
る開発を前提とする。電解槽のコストを削減する機会を理解するために、商業的に利用可能な電解槽
のタイプを簡単に見直すことは有益である。

現在、PEM電解槽とアルカリ電解槽の2つの低温電解槽技術が市場を支配する。7 市販のPEM電解槽は、
ナフィオン(Nafion)のようなプロトン伝導性固体ポリマー電解質を多孔質電極層の間に挟む「ゼロ
ギャップ」膜電極アセンブリ(MEA)設計に基づいている(図2A)。このアーキテクチャにより、高
い動作電流密度(0.6-2 A cm-2)が可能となり、純水から高純度H2が生成される。8.9.10


図2 低温電解装置技術の簡略側面図

従来のアルカリ電解槽は、液体25-35重量%KOH電解質中の0.1-0.4 A cm-2の水を分離し、ダイヤフラ
ムとして知られている微孔性仕切りを用いて2つの電極を分離した(図5B)。8 両方のタイプの電
解槽において、膜とダイヤフラムは、電極間でのイオンの輸送を可能にすると同時に、爆発性混合物
を形成する可能性のあるH2およびO2生成物種を物理的に分離する重要な作業を行う。PEM電解槽運転
における重要な役割にもかかわらず、膜は、かなり複雑なMEA構造の必要性、膜の汚れまたは不純
物の存在下での分解による装置の故障の危険性を含む欠点をもたらす。

膜の耐久性の問題は、装置の寿命および/または維持コストに直接影響を及ぼす他に、電解槽システ
ム内で使用される水の純度および材料に厳しい要件を課すことにより、電解槽システムの資本コスト
に影響を及ぼす。この懸念の一部に起因して、いくつかのPEM電解槽部品は、典型的には耐腐食性で
あるが高価なチタンで作られる。アルカリ電解槽に使用されるダイヤフラムは、高分子電解質膜より
も高価ではなく、PEM電解槽よりも簡単な装置構造で使用されるが、不純物による妨害を受けやすく
、これらの仕切りおよびバブル - 電極間に充填された液体ギャップは、典型的には、動作電流密度
を0.4Acm-2.11 従来のPEMおよびアルカリ電解槽に代わるものとして、O2-およびH2-発生電極の間に
膜またはダイヤフラム仕切りが配置されていない電解槽構造の開発への関心が高まっている。これら
のいわゆる膜を持たない電解槽は、一般に、強制的な流体の流れ(移流)および/または浮力を利用
し、O 2およびH 2生成物を分離して対向電極に渡すことができる生成物の流れまたは浮力に起因する
分離に依存する。無電解電解槽は、使用される電極のタイプに基づいて分類することができる。

タイプⅠの装置(図2C)は、水性電解質が電極表面に平行に流れ、H2およびO2生成物を別々の下流流
出流路に運ぶフローバイ電極に基づいている。これらの装置は、層流燃料電池およびそれを前提とし
たフロー電池と同様の構造を有している。それらの動作の基礎となる流体力学は、気泡の存在により
異なることがある。具体的には、過飽和条件下で操作されるⅠ型デバイスは、Segre-Silberberg 効果を
利用でき、流体速度勾配は、電極表面の発生気泡の集中に役立つ。流通電極の代わりのⅡ型電解槽は、
流れる電解液が多孔質電極を通過するメッシュ形電極を使用(図2Dの挿入図)。図2Dは、新電解質が
加圧され外部室から電極間隙に流入間に、2つの円形金属メッシュ電極が対面配置構成を示す。新鮮
な電解液が電極間隙に押し込まれると、生成H2とO2を別々の流出経路に流し発散する。 生成H2 純度
が99.83%および4Acm-2に近くの電流密度を達成。14. 最近は、デバイス本体の一部の絶縁バッフル
により分離された斜めのメッシュ貫通形電極のⅡ型が実証された。3次元プリントで一体型にした簡
素な装置を実現、さらに、高速ビデオ解析によりクロスオーバー現象と不均一な電流密度の「その場
観察撮影」を実施する。

● 無隔膜電解電解槽

隔膜電解電解槽は、従来装置に比べ、いくつかの潜在的利点がある。第1に、膜を除去することで、
装置の複雑さ、材料コスト、アセンブリコストを低減することで、資本コスト削減機会が生まれる。
上記で言及した無隔膜電解槽のいくつかは、わずか3つの必須構成、すなわちアノード、カソード、
および装置本体から作製される。膜およびアノード/カソード触媒だけでなく、ガス拡散層、バイポ
ーラプレート、ガスケット、イオノマー、電流コレクタなどを含む単一のPEMセルとは対照的であ
る。典型的なPEMスタック中で最もコストがかかる部材を表1にリストアップする。一般に、より
少ない数の部品/より少ない種類の部品をもつデバイスは、組立て工程数の削減により低い製造コ
ストを実現する。構造材料の融通性が高い、単純なデバイス設計は、代替製造技術の使用機会を創
出する可能性、例えば、付加製造(AM)は、膜のない電解槽の迅速な試作および製造のための興
味深い機会を提供する。商用デバイスの低コスト製造にAMを使用する可能性は、関心のある特定
のデバイス設計およびAM技術のさらなる進歩に大きく貢献するだ
ろう。

膜のない電解槽の第2の利点は、長い作動寿命、不純物に対する高い耐性、および膜に害を与える極
端な動作条件に対するより大きな弾力性/耐久性をもつる装置である。隔膜を基材とする電解槽の主
な関心事は、供給水流より進入またはシステム自体内の構成要素から溶出するカチオン不純物に暴露
された場合、膜抵抗を増大することである16。例えば、ステンレス鋼部品は、膜または電極触媒に悪
影響を及ぼす可能性があるFe3 +などの不純物が滲入しやすい16 。無隔膜電解槽は、水道水で動作す
る不純物耐性器機能であり、浄水ユニットのコストを削減し、低コスト材料をシステム構成要素に配
置する。

無隔膜電解槽の第3の利点は、電解質が十分に導電性である限り、多種多様な水性電解質で動作する
能力。この多様性は、電極間の液体電解質ギャップを直行するイオン移動が、電解質のpH及びイオン
種に対し柔軟なことである。PEM電解槽のイオン選択膜は、特定装置で使用可能な電解質の種類を大
きく制約されるが、無隔膜電解槽は、酸性、アルカリ性、中性溶液でその融通性が実証されている。
13,15,17

                                      この項つづく

 ● 世界最大の太陽熱発電

 

  

最新無隔膜電解工学Ⅲ

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        離婁(りろう)篇    /    孟子  

                                    

      ※  兼・恵・勇をたたえる:もらってももらわなくてもよい贈り物をもらうのは、
     清兼を傷つける。与えても与えなくてもよい、贈り物を与えるのは、真の恵
     みを傷つける。捨てても捨てなくてもよい場合に命を捨てるのは、勇気の尊
     さを傷つける。 

 

     No.129 

【ソーラーフロート型海水電解水素製造システム】

● 再生可能エネルギーの低コスト水素生産型無隔膜電解槽

水電解は、ほとんど常に強酸性またはアルカリ性の環境で行われるが、pH中性電解質での操作も重要
である。なぜなら、❶強い腐食性または酸性の液体電解質と比較して安全性の問題が少なくなければ
ならず、❷pH中立環境は、通常、酸または塩基で腐食する、より低コストの触媒/低コスト資材使用
を可能にする。無隔膜電解槽の電解質への融通性は、二酸化炭素電気分解、海水の18酸/塩基生成19
は他の電解プロセスでも魅力的である。それらの利点にもかかわらず、無隔膜電解槽はまた多くの課
題残こしている。PEM電解槽と比較した場合の欠点の1つは、より高い溶液IR損失(作用電極と対極
間の電流が電圧降下ロス)のために高い電流密度(約0.5Acm-2以上)の電圧効率が低いことにある。
濃硫酸/水酸化カリウム電解質は、イオン選択性膜よりも高導電率があるものの、イオン移動距離が、
今日まで無隔膜電解槽で実証されてきた(典型的には数ミリメートル)で移動しなければならずPEM
電解槽内のナフィオン膜の厚さ(約100~ 200μm)よりはるかに長い距離である.8。手頃な価格の微
細加工とスケールアップにおいて、難しい課題となるが、狭い電極ギャップを持つ微細加工無隔膜電
解槽は注目すべき例外事例となる20。したがって、ほとんどの無隔膜電解槽では、イオン輸送の距離
の長い、電解液の大きい全オーム抵抗(Rs)、その後の大きいオーミック電圧損失のが実情である。

上図3A見られるように、5mmギャップ距離を0.5Acm-2電解中の濃縮ベースの電解質を通るイオン
輸率から生じる電圧損失は約400mV。PEM電解槽の場合、厚さ100μmのナフィオン(Nafion)膜を通
過する電圧損失が発生する前の約1.5Acm-2で動作する。水素製造技術の経済性に関する操作電流密度
の重要性を図3Bに図示、一定のηで1.59 $ kg-1のH2(LCH)生産の目標均整化コスト(75%より高発
熱量(HHV)、寿命(10年)、電流密度、電力価格、面積正規化資本コスト(CCA、$ m-2)である。
3つのタイラインのいずれかを見ると直感的な結果が得られる。特定の電解槽の動作電流密度が競合
技術の電流密度(1 / N)thの場合、面積正規化資本コストは(1 / H2)に同じ電流密度の電解槽コストを
乗じたもの。

※ 参考資料(出典:NEDO)




しかしながら、この分析が無視しているのは、低コスト電気/低CFシナリオでは、より高いオーミッ
ク/電圧損失が完全な許容範囲にある。図1Aに見られるように、電解槽効率(η)は、H2生成コス
トに影響することはない。この場合、電流効率は、製品純度/寿命許容を超える器機寿命を低下させ
ることなくできるだけ高くする必要がある。高電流密度への工場により、低CFで動作する器機で可能
な耐用年数利益を相殺する可能性のため器機寿命に対する電流密度/断続動作の影響を注意深く考慮
する必要がある。熱管理は高電流密度で懸念されることであり、無隔膜電解総は電解液が熱冷却除去
機能を果たす。図2Dに示すタイプⅡ無隔膜電解槽は、3.5 Vの印加電圧(H2のHHVに基づいてη=
42%)14 で約4 Acm-2の電流密度を達成することを実証した。 高電流密度に達するこの能力は、従
来のアルカリ電解槽と比較して、無隔膜装置にとって大きな利点となるものである。

無隔膜電解槽のその他の2つの課題は、❶製品純度と❷安全性である。市販PEM電解槽は、高純度、
典型的には99.99%のH2を生成すると同時に、H2を150bar9まで高圧圧縮できる固体電解質膜能力によ
り、O2およびH2生成ガスに対する物理的障壁として役立つ。無隔膜電解槽は、高圧液体電解質中で電
解を行うことにより高圧H2を生成することが可能であるが、電極間に大きな圧力差を維持することが
できないので、H2を電気化学的に圧縮できない。しかしながら、この利点は、ポンプ輸送コストを高
め、液相におけるH2生成物の溶解が大きくなりことから部分的に相殺される。 生成物の純度に関し
ては、99.4%13および99.8%14という高い水素純度それぞれⅠ型およびⅡ型の無隔膜電解槽で達成でき
る。これらの純度は水素の爆発限界の下限と上限、より高い純度を必要とする用途では、下限純度を
あげる必要がある。すべての無隔膜電解槽では、動作電流密度、電気分解効率、製品の溶解ロス、反
応後の製品損失、および製品純度を設計プロセス中に考慮する必要がある。H2 / O2のクロスオーバ(
混合)の他に、別の安全上の懸念として、電極間の電気放電があり、非常に小さな電極ギャップに大
きな電圧が印加されるとアーク発生の可能性があり、このような動作条件の回避が重要となる。これ
らの理由から、①センサ、インターロック、電解槽が安全動作条件下動作が大前提となる、②電解槽
の誤動作の際にO2およびH2生成物が分離状態であることを担保するフェイルセーフ(信頼性設計の1
つ)を、例えば、ポンプの故障などの設計を徹底しておく必要がある。

無隔膜電解槽のプロトタイプの規模拡大は、この技術の成功のもう1つの潜在的課題である。一般に、
現在までに実証されたタイプⅠの無隔膜電解槽は、実際にはマイクロ流体であり、パラレル化または
(限定的な方法で)面積スケーリングを介してこれらの器機の規模拡大することは可能である。さら
に、5mA cm-2.18の二酸化炭素電解に使用される平行平板電解セルについて最近示されたように、電
極ギャップが大きく、器機がより低い電流密度で動作する場合、より大きな電極が実現可能となる。
大面積(≧1 cm2)の流体透過電極は、タイプⅡの電解槽で高電流密度で運転され14.15大規模なアプ
リケーションとして、より大きなセルサイズとモジュールの開発を必要とする。両方の無隔膜電解槽
では、結合した多相流体力学のより、優れた知見を発展させたシステムの電気化学は、大量移送のモ
デリング、その場観測、最高の安全性と製品純度を持つ無隔膜電解槽設計を導く経験的研究が必要と
なる。無隔膜電解槽と従来の電解槽との比較で、スタック技術選択が表1に示す対費用効果システム
(BOS)コンポーネントのバランスに強く影響しシステムの総価格の見積りが重要となる。商用PEM
およびアルカリ電解槽のBOS備品価格は、それぞれ40%および50%であり、無隔膜電解槽の資本コス
トが既存の電解槽よりも低い場合でも、 ポンプ、コンプレッサー、相分離器などのBOS備品の高コス
ト化により、これらの利益が相殺される可能性がある。

● 開発に欠かせないその場評価:日本の撮像/受像処理技術

このように、無隔膜電解槽に関連する多くの材料関連の課題も存在する。従来の電解槽と同様に、低コ
ストおよび大量に存在する電極触媒の開発は、特に、大規模な電解槽プラントの無隔膜電解槽の設備
投資削減に重要で、プラントコストのバランス10は、総投資額の不純物耐性器機の実現した場合、不
純物耐性水素発生反応および酸素発生反応電極触媒開発を促進さす必要がある。これらの電極触媒は、
従来の電解槽で操作される触媒と比較し、局所的高電流密度および異なる流体力学的環境下でも安定
でなければならない。高速ビデオ、中性子ラジオグラフィ、および他の技術の使用によるその場撮像
技術は、これらの現象をよりよく理解に刺激的な機会を提供する。また、触媒設計には、不均一な電
流密度、局所pH勾配、および電極支持体上への電極触媒装填物の最適な配置を含む。安定した不純物
耐性電極触媒がこの用途で実現できる場合、通常は考慮されていないプラスチックや複合材料などの
低コスト材料から電解槽セルおよびモジュールの本体を構築する可能性が開かれる。結論として、膜
のない電解槽は、断続的な再生可能エネルギー源に結合された電解槽が非常に低い資本コストを有し
ていなければならない将来のH2の生産の有望な技術であるが、新しい無隔膜電解槽技術を必要とする。
これは、多くの時間と長さのスケールにまたがる複雑な問題解決に、多くの学問分野にわたる科学者
やエンジニア協働(あるいは学際/業際/官民の協働)を必要とする。

以上で、「最新無隔膜電解工学」の他面的な考察は終了した。「最新無隔膜電解工学Ⅰ」で事例紹介
した「US 9011651 B2 Apparatus and method for the electrolysis of water : 水電気分解装置および方法」(
下図参照)の同グループの無隔膜電解槽に関する特許「US 9222178 B2 Electrolyzer 電解槽」(2015年1
2月29日)が公開されいるので理解の一助に参考記載しておく。

❏ US 9222178 B2 Electrolyzer :電解槽

【概要】

高純度水素および酸素の電解生成は、電解装置のカソードおよびアノード区画内のガス圧を調節する
ことを含むことができる。装置への水の供給は、装置の表面上の少なくとも1つの開口を通るもので
あってもよい。電解装置に装置内外の大きな圧力差を与えることなく、高圧水素及び酸素ガスを生成
することができる。これは、電気分解装置全体を高圧流体に実質的に浸し、それにより装置の内外圧
力を実質的に等しくすることによって達成され得る。 この目的を達成するための2つの構造例が開示
されている。第1に、装置は、それ自体が加圧された流体含有容器内に配置され、カプセル化されて
もよい。 第2に、装置を深水環境に浸漬することができる。電気分解を行うのに使用される電気エネ
ルギーの一部は、管、例えば酸素中を流れる高圧ガス中の運動エネルギー及び運動量を捕捉し、電気
に結合された羽根車を回転させることによって電気に変換するジェネレータ。
図12A/Bは、水中に浸漬された電解槽装置の一実施形態の図

電気化学分野で電気分解や電気紡織は、30年目から塩化第二鉄の隔膜電解再生と高温アルカリ溶液
薄膜用防食で開発従事していたもので懐かしいといえばそういうことになる。この無隔膜海水電解シ
ステムもそうだが、2011年01月11日の福島第一原発事故以降、再エネ環境工学の調査研究を精力的に
行ってきて昨年後半から「エネルギーフリー社会を語ろう!」というスローガンを打ち出したがそれ
が実現できるという確信しえるというか肌身で実現できそうな予感包まれ、エキサイティングな日々
を過ごしている。思えば1995年の阪神大震災、2011年の東日本大震災時に個人的にも大きな
転機に遭遇して、ある種の武者震いのような感覚に襲われたり、強運のようなものを感じ、そして、
広大猛将かもしれないが関連する技術開発課題のすべてに手が届くような感触にとらわれている。そ
れにしても、その場撮像技術でハイビジョン、4K・8Kの貢献を考えると、日本のNHKの開発
チームがノーベル賞を授与されても良いほどの実績はあるように思うがいかに。 

 Jan. 12, 2018

   ● 今夜の寸評:AIも人間次第

AI時代に突入し色々と話題は絶えない。基本的にはホモサピエンス。機械に振り回わされることは
あっても所詮、アクセルとブレーキは人類次第である。

 

最新量子熱電変換子技術

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        離婁(りろう)篇    /    孟子   

                                    

       ※ 本当の教え方:逢蒙(ほうもう)羿(げい)に弓術を学んだ。奥儀
         をきわめてから考えた。おれにまさる者は天下に昇ただ一人だ、と。
         そこで羿を殺してしまった。この故事を孟子が批評した。「羿にも
         罪がある。公明儀(曽子の弟子)はりは見ていないのだが、わたし
         は、罪が軽いうだけで、ないとはいえないと思う。鄭君が子濯孺子
         (したくじゅし)に命じて衛を攻めさせたときのことだ。衛は、廙
         公之斯(ゆうこうしし)に命じて鄭郡を撃退させた。敗走する子濯
         孺子が、『今日は持病の発作で弓が引けぬ。もうこれまでか』と、
         つぶやいて、御者に、『わしを追っているのは誰だ』『庚公之斯で
         す』『それなら命びろいじゃ』『どうしてです? 庚公は衛国の弓
         の達人ですが』『かれは尹公之他(いんこうした)から弓を習った。
         ところが尹公にはこのわしが敦えたのだ。尹公は礼儀正しい男だっ
         たから、弟子を選ぶにもきっと礼儀正しい人物を選んだにちがいな
         いのだ』そこへ庚公之斯が追いせまり、子濯孺子に呼びかけた。『
         どうして弓をお取りにならぬ』『持病が出たのだ』『わたしは尹公
         之他から弓を習い、尹公之他はあなたから習った。あなたの弓術で
         あなたを殺すにはしのびません。とはいえ今日は君命による戦いで
         す。戦わぬわけにはまいりません』 そう言って、矢をえびらから
         抜くと、車輪にたたきつけてやじりを取り、四本放って引きあげた」

       〈逢蒙 羿〉羿は弓の名人。夏王朝時代の有窮国の君主。逢蒙はその臣。 

 

 

 

     No.130 

【ソーラータイル事業:最新シリコン単結晶系技術】 

 Jan 11, 2018

● 変換効率19.4%の真っ黒なシリコン単結晶型ソーラーパネル

韓国のSolaria社は、真っ黒な米国加州に高変換効率19.4%のモノシリック型太陽電池パネル(mono
PERC「PowerXT®-350R-PD:上ビデオクリック参照)。同社の生産ラインは現在、カリフォルニア州フリ
ーモントにある40メガワット/年と韓国の60メガワット/年ラインの2つが稼働中である。また、
同社は200メガワットの太陽光発電生産計画を発表しており、今朝の見込みでは2300万ドル(約
26億円)の資金調達が見込まれている(生産場所は未公表)。同社の話によると、近い将来ペロブス
カイト層を組み込み3~8%(トータルで22.4~27.4%)の高変換効率のパネルを生産供給する
とのことである(下図参考)。

  Tiled solar cell Apr. 8, 2017

【ソーラータイル事業:最新量子熱電変換子技術】

❏ トヨタ自工北アメリカ株式会社の特許事例

● US 9865790 B2 Nanostructure Bulk Thermoelectric Material :ナノ構造バルク熱電材料

【概要】

熱電素子には、温度勾配(例えば、ゼーベック効果を使用する熱電発電機)から電気エネルギー
を得るため、または電気エネルギーから熱勾配を生成するために使用され得る(例えば、ペルチ
ェ効果を用いる熱電冷蔵庫)がある。典型的な熱電デバイスは 典型的には熱伝導性P型(P)お
よびN型(N)半導体の対であるいくつかのユニカップルから構築される。これらのユニカップルは
、直列に電気的に並列接続されている。理論的には、熱エネルギーの電気エネルギーへの変換
の最大効率は次式で算出される。

ただし、Tave=(T H + T C)/2は平均温度であり、ZはZ =S2σ/κして定義される性能指数t)であ
る。性能指数Z は、材料の巨視的な輸送パラメータ、すなわちゼーベック係数(S)、導電率(σ)、
および熱伝導率(κ)に依存する。大きなゼーベック係数、高い導電率、および低い熱伝導率を有する
熱電材料により大きな性能指数をえる。ゼーベック係数は、ゼーベック効果を示す回路のホット接点
とコールド接点との間の温度差に対する開放電圧の比、または S = V /(T h -T C)としてさらに定義さ
れる。Zは温度に応じて変化するので、有用な無次元指数をZTと定義できる。

1950年代の終わりまでに、最良のバルク熱電材料は、テルル化ビスマスとアンチモンとの合金であり、
これは室温ZT〜1を与えた。熱電界の労働者は過去40年間に性能指数の向上を試みる。 ZTを増加さ
せることは困難である。というのも、3つのパラメータS、σ、およびκ は、すべて自由キャリア濃度に
関連し通常は独立していない。例えば、ドーピングは、典型的には、半導体の電気伝導度を増加させる
が、ゼーベック係数を減少させ、熱伝導率を増加させる。合金化による格子熱伝導率を低下させる努力
は、余分な散乱機能を付与すれば導電性も低下できる。理論的には、MITのDresselhausおよび研究グル
ープは、熱電材料のナノワイヤ内の電子およびフォノンの量子閉じ込めがZT値を増加させる実証を行
っている。ナノワイヤの直径が5~10ナノメーターの範囲にある場合、特に1次元ナノワイヤはZT ≒
2~5いくつかの構造が研究されており、例えば, Heremans.J.P et.al., "Thermoelectric Power of Bism-
uth Nanocomposites"; Phys。 Lett。 2002、88、216801; Venkatasubramanian、R.et.al., "Thin-film thermoelectric
device with high room temperature figures of merit; Nature; 2001, 413, 597-602; Harman, T0. C, et al., "Thermoel-
ectric quantam dot superlattices with high ZT"; Electron Mater,;2000, 29L1-L4;Rabin, O. et al., "Anoma-lously
high themoelectric figure of merit in Bi1-xSbx nanwires by by carrier pocket alignment"; APL;2001, 79, 81-83; a
nd Dresslhaus, M. S. et al., "Low - domensional themoelectric materials"; PSS; 1999, 41, 679-682.

しかしながら、これらのアプローチは、大規模で低コストの熱電装置を生産の簡単なアプローチではな
い。従来の半導体デバイスの製造方法は、バルクサンプルを製造するには不適切であり高価である。自
動車では、燃料から得られるエネルギーの約70%が熱と装置冷却として失われる。燃料燃焼ではるエ
ネルギーの一部しか使用されず大量の熱エネルギーが排気される。廃熱エネルギー回収は、エネルギー
危機の増大により自動車産業においては大きな課題であり、熱エネルギーから電気エネルギーへの熱電
変換は有効な方法となるが、直接熱変換から電気変換(DTEC)技術は、現在、2つの大きな課題、❶
変換効率が低く、❷電力密度が不十分であるという問題に直面しており、高熱電変換効率へのる改良が
緊急な課題となっている。 

熱電複合材料は、少なくとも1つが熱電材料である2つ以上の成分を含む。熱電複合材は、熱電構成要
素の性能指数を高めるナノスケール構造を有する。一例では、熱電複合材は、第1の成分および第2の
成分を含む。第2の成分は、第1の成分よりも実質的に少ない導電率と、第1の成分よりも高い溶融温
度ともち、熱電材料は、第2成分のナノ粒子をネットワークに分散させた第1成分のネットワークを含
む。また、別の態様では、熱電材料製造工程は、第1/第2成分と同じ工程であり、第1/第2成分は
混合され分散混合物を形成してよい。分散された混合物は、第1の成分融点付近の温度が焼結され、第
2の成分のナノ粒子がネットワーク中に分散された第1の成分のネットワークを形成できる。第1の成
分は半導体材料でもよく、第2の成分は無機酸化物でもよい(詳細は下図クリック参照)。 

 Jan. 9, 2018

図1 発電モードで動作する熱電ユニツプの概略図、T H  およびT C  はそれぞれ高温壁および低温壁温
      度を図示、
図2 高効率熱電装置に使用されるナノ構造材料構造の概略図。図2Aは、図1の装置に使用するこ
   とができる可能なナノ構造物質の構造の詳細を図示。 

【特許請求範囲】  

熱電素子であって、第1の電気接点と、第2の電気接点と、第1の電気接点と第2の電気接点との
間の電気経路内に配置されたバルク熱電材料とを含み、バルク熱電材料は、粒子を連続ネットワ
ークに固結させることによって形成される半導体である第1の成分と、第2の成分の連続的なネ
ットワークと、2つの双連続の相互浸透ネットワークを規定する第2の成分の連続的なネットワ
ークとを含む熱電材料を含む。 熱電素子であって、第1の電気接点と、第2の電気接点と、第1
の電気接点と第2の電気接点との間の電気経路内に配置されたバルク熱電材料とを含み、バルク
熱電材料は、粒子を連続ネットワークに固結させることによって形成される半導体である第1の
成分と、第1の成分の連続的なネットワークと、2つの双連続の相互浸透ネットワークを規定す
る第2の成分の連続的なネットワークとを含む熱電材料を含む。 熱勾配が熱電材料を含むデバイスの少なくとも一部の上に延在するとき、第1の電気コンタクト
と第22電気コンタクトとの間に電位を提供する、請求項1に記載の熱電デバイス。 粒子を連続的なネットワークに固化させることによって形成された半導体である第1の成分と、
電気的に絶縁性の無機酸化物である第2の成分とを含み、第1の構成要素の連続ネットワークと、
2つの2連続相互貫入ネットワークを規定する第2の構成要素の連続ネットワークとを含むバル
ク熱電材料。 前記熱電材料が、1mmを超える最小の物理的寸法を有する厚膜またはバルク材料である、請求項
3に記載の熱電材料。 前記第1の成分の導電率が、前記第2の成分の導電率より百倍以上大きい、請求項3に記載の熱
電材料。 前記第1の成分の前記連続的なネットワークは、3次元の連続的なネットワークである、請求項
3に記載の熱電材料。 前記第1成分は、テルル含有半導体、セレン含有半導体、およびシリコン - ゲルマニウム合金
からなる群から選択され、前記第2成分は、第2の成分は、アルミナ、コバルト酸ランタン、コバ
ルト酸ナトリウム、シリカ、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化イットリウムおよび
酸化チタンからなる群から選択される材料を含む。 前記第1成分がテルル化ビスマスを含み、前記第2成分がシリカを含む、請求項3に記載の熱電
材料。 前記第1成分がテルル化鉛を含み、前記第2成分が二酸化チタンを含む、請求項3に記載の熱電
材料。 前記熱電材料内の前記第1成分の熱電係数は、量子サイズ効果によって高められている、請求項
3に記載の熱電材料。

【詳細説明】

この実施例は、高い変換効率を有する熱電装置に使用できる高い性能指数を有する熱電材料を含み、本
発明による例示的な熱電材料は、第1の成分と第2の成分とを含む複合材料である。第1の構成要素は、
半導体または他の導電体であってもよく、量子閉じ込め効果が第1の構成要素の特性を変更するように
ナノ構造である。第1の成分の例には、従来のバルク熱電材料(すなわち、バルクで著しい熱電特性を
発揮する材料)が含まれる。材料は、必要とされる所望の動作温度範囲に基づいて選択することができ
る。第1成分のために選択され得る材料には、テルル化ビスマスおよびその合金、ビスマス - アンチ
モン化合物(ビスマス - アンチモン合金またはテルル化ビスマスと呼ばれ得る)、テルル化鉛(PbTe)、
AGS(TeGe SiGe)、およびLaFe 3 CoSb 12およびCeFe 3 CoSbのようなスクッテルダイト材料からなる群
から選択される、請求項1に記載の方法。第1成分は、任意の半導体セレン化物またはテルル化物であ
り得る。その他の資料については、他の場所で説明する。 


                                       この項つづく

 ● 今夜の一曲

めずらしく彼女が口ずさんでいたが、CMのBGMでもリバイバルしている。


 Source; Wikipedia

最新量子熱電変換子技術Ⅱ

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                  離婁(りろう)篇    /    孟子   

                                    

       ※ 本当の教え方:逢蒙(ほうもう)羿(げい)に弓術を学んだ。奥儀

 

 

     No.131 

 

【ソーラータイル事業:最新量子熱電変換子技術】

❏ トヨタ自工北アメリカ株式会社の特許事例

● US 9865790 B2 Nanostructure Bulk Thermoelectric Material :ナノ構造バルク熱電材料

詳細説明】

半導体または他の導電体であってもよく、量子閉じ込め効果が第1の構成要素の特性を変更するように
から選択される、請求項1(前出)に記載の方法。 第1成分は、任意の半導体セレン化物またはテルル
化物であり得る。その他の資料については、他の場所で説明する。 

例えば、第1成分は、テルル化ビスマスとアンチモンの合金、または無次元の性能指数 ZT ~1をバル
クの他の材料でもよい。第2の構成要素は、好ましくは、低い熱伝導率の値を有し、例えば、電気絶縁
体または電気導体不良であってもよく、第2成分は、熱電材料である必要はなく、第2の材料のバルク
試料が、バルク試料中に有用な(または感知可能な)熱電効果を示す必要がない。この成分は、以下の
実施例では、マトリックス材料またはマトリックスとも呼ばれるつの成分の組み合わせ、または複合体
は、低い熱伝導率、高い導電率および高いゼーベックの組み合わせのために、第1の成分のバルク試料
の性能指数と比較して、改善された熱電性能指数を提示できる。またはナノメートル(またはナノスケ
ール)範囲、例えば約 0.5~1000nm、2 ~20nmの範囲内の特徴サイズ(ナノワイヤ/ナノ粒子直径)の
他の構造を含んでもよい。すべての範囲には一定の制限があり、この明細書で使用される用語「メソス
ケール」「メソポア」「メソポーラス」などは、5nm~100nmの範囲のフィーチャサイズを有する構造を
指す。ここで使用されているメソスケールという用語には、特定の空間構成や製造方法は含まれずメソ
ポーラス材料は、5nm~100nmの範囲の直径の規則的またはランダムに分布する細孔を含み、ナノ多孔質
材料は、0.5~1000nmの範囲の直径の細孔を含む。

例えば、半導体粒子と半導体ナノ粒子との混合物をホットプレスするなどして、半導体およびセラミッ
ク粒子から形成された複合体が挙げられる。本件の例には、熱伝導率の値が低い、マトリックス材料中
の半導体ナノ構造のネットワークが含まれる。マトリックス材料は、セラミックなどの電気絶縁材料、
または他の電気絶縁材料とすることができる。本件による熱電材料は、従来の薄膜よりも物理的寸法が
最小である厚膜またはバルク材料であってよく、例えば 0.1mmより大きく 例えば1mm以上である。第
1成分の導電率は、第2成分の導電率よりも 100倍以上大きくすることができ、より大きなオーダーの
大きさであってよい。導電性ナノ構造ネットワークは、連続的な3次元連続ネットワークである。

本件によるナノ構造熱電材料は、半導体(または金属などの他の導電体)ナノワイヤまたはナノメッシ
ュのネットワーク構造に起因して高い電気伝導度(σ)を有し、ゼーベック係数(S)これは、量子閉じ
込めによるナノワイヤまたはナノメッシュ構造のフェルミ準位近傍の状態密度の増大のためである。ナ
ノ構造の熱電材料は、マトリクス材料の低い熱伝導率のために、またナノ構造に起因するフォノンの境
界散乱の増大により、非常に低い熱伝導率κもありえる。これは、無次元の性能指数ZTを提示する。前
述したように、熱電材料の性能指数Zは、ゼーベック係数(S)、電気伝導度(σ)、熱伝導率(σ)お
よび熱伝導率(κ)から、Z = S2σ/κ を有する。したがって、良好な熱電材料は、Sおよびσの大き
な値および/またはκの低い値を有することができる。高熱電性能指数()は、低次元半導体構造によっ
て提供することができる。

量子サイズ効果は、電子および熱特性を調整し、熱電効率を増加させる。しかしながら、従来の半導体
デバイスの処理技術を用いて量子細線、量子ドット、超格子構造を製造するには、複雑かつ高価な製造
技術および装置が必要である。さらに、これらのアプローチは、従来、熱電材料の薄膜のみに提示する。
量子サイズ効果には2種類の影響がある―― (1)閉じ込められた次元は、電子のバンド構造とフォノ
ン分散関係を変更し、状態の離散電子密度と減少したフォノン群速度(閉じ込め効果)をもたらす。(2)
低次元構造に存在する高表面積および(時には)界面領域は、電子およびフォノンの両方についてより
多くの境界散乱(表面効果)を導入する――これらの効果の一方または両方は、この発明による材料に
おいて重要であり得る。ナノ構造および他の低次元構造によって得られる利点は(1)ゼーベック係数を
増加させるフェルミエネルギー準位に近い状態の変化した密度ドーパント不純物をキャリアチャネルか
ら物理的に分離する。この実施例によるナノ構造複合材料は、これらの利点を組み合わせることを可能
にし、加えて、セラミックマトリックスなどのマトリックス材料によって低い熱伝導率を提示できる。

本件による方法は、厚膜またはバルク熱電材料の調製に使用できる。このようなバルク材料は、従来の
方法で調製された薄膜よりも厚く、従来は10~100ミクロンの範囲である。本件は、熱電材料および熱
電装置の大規模で低コスト製造を実現する。以下の実施例では、「セラミック」という用語は、アルミ
ニウムと酸素などの金属元素と非金属元素との間に形成される化合物を含む無機非金属材料、典型的に
は電気絶縁体(例えば、アルミナAl 2 O 3)、カルシウムおよび酸素(例えば酸化カルシウム、CaO)。
セラミックスは、シリコンと窒素との間に形成される化合物(例えば、窒化ケイ素、Si 3 N 4)、ケイ素
と酸素(シリカ、SiO 2)、ケイ素と炭素(例えば炭化ケイ素) 好き。本明細書で使用される場合、セ
ラミックという用語は、ガラスを指すこともできる。セラミックという用語は、焼成プロセスによって
形成される材料に限定されない。

 

 

 

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