『呉子』
春秋戦国時代に著されたとされる兵法書。武経七書の一つ。『孫子』と併称される兵法書。前四
世紀楚の宰相であった呉子の言を集録したものという。
2.材 敵(りょうてき)
冷静に敵情を分析せよ。戦って勝てろ敵か、勝ち得ない敵か、その判断は、神にまかせてはなら
ない、頼るべきは自分の目だと呉子はいう。
敵の弱点を攻めよ
武侯がたずねた。 攻撃すべき場合についてたずねた。呉起はこたえていった。
「兵を用うるにさいしては、敵の副と実体とを十分観察し、その弱点を攻めることです。その実
例を示しましょう。
敵が遠くから到着したばかりで、隊形がまだ定まっていないとき。
食事が終わったばかりで、まだ戦闘態勢を整えていないとき。
あわてて移動している敵。疲労困言している敵。
地の利を得ていない敵。天の時に従わぬ敵。
長距離を行軍し、先頭と後尾とがバラバラになった敵。
川にかかってまだ渡りきらない敵。
険しい道、狭い道を通道中の敵。
旗じるしが乱れ動いている敵。陣がやたらに移動する敵。
将と士卒が離れ離れになっている敵。恐怖にとらわれている敵。
すべて、このような敵に対しては、わが精鋭を速技して虚を衝き、兵力を分けて次々にくりだし、
ためらうことなく速攻を加えるべきです」
☈『孫子』行軍篇(91ページ)。
【下の句トレッキング:急がば回れ 瀬田の長橋】
もののふの 矢橋(やばせ)の船は 速けれど 急がば回れ 瀬田の長橋 宗長
「もののふ」とは武士、「やばせの舟」とは失橋の渡しを意味する。「矢橋の渡し」とは、東海
道五十三次草津宿(滋賀県草津市失橋港)~大津宿(大津市石塔港)を結んだ湖上水運で、「瀬
田の長橋」とは、日本三大名橋のひとつ「瀬田の唐橋」。当時、京都へ向かうには、矢橋から琵琶
湖を横断する海路の方が瀬田の唐桟経由の陸路よりも近<で連いのだが、比叡山から吹き下ろされ
る突風(比叡おろし)により 危険な航路だったため、このような歌が歌われた。
☈It is a shortcut to cross Lake Biwa with a ship to go to Kyoto on Tokaido but it is a dangerous
route where a gust of wind blows, so take a detour but take a safe overpass.
☈宗祇の高弟でその旅にも多くつき従い,自らも高齢に至るまで旅に明け旅に暮れた宗長(1448
-1532)――戦国時代の連歌師。文安5年生まれ。駿河(静岡県)島田の人。守護今川義忠につか
え義忠死後、京都にでて一休宗純に参禅。宗祗に連歌をまなぶ。宗凪、肖柏との「水無瀬三吟百
韻」「肩山三吟」が有名。享禄5年3月6日死去。85歳。別号に宗歓、長阿、柴屋軒(さいおくけ
ん)、著作に「壁草」「宗祇終焉記」「宗長手記」など――の『手記上・下』と『日記』を収め
る.この地からかの地へと都の文化を伝播しながら戦国乱世を渡り歩いたこの連歌師の日記・紀
行文には,芭蕉などの泰平の旅行記には見られない生々しい生活の現実,動静が直截に描き出さ
れている。
● 8Kハイビジョン撮像器で生きたマウスの脳活動を大規模計測に成功
❦ In vivo wide-field calcium imaging of mouse thalamocortical synapses with an 8 K ultra-high-definition
cameradoi:10.1038/s41598-018-26566-3 Published:29 May 2018, Scientific Reportsvolume 8, Article
number: 8324
連載が終了した『エネルギー革命元年』を最新事業開発の考察を継続しながら、新しい事業開発
の考察として『再生医療』の事業開発を掲載していくことにする。ところで、再生医療こと、再
生医学( Regenerative medicine)とは、人体の組織が欠損した場合に体が持っている自己修復力を
上手く引き出し、その機能回復の医学分野である。
No.5
【目 次】
・はじめに
・臨床ラッシュ 他人由来の細胞で治験へ 難病治療に広がる可能性/インタビュー 岡野栄之
(慶応義塾大学医学部長)/ロボットで脊髄損傷を治療 脳と神経のループを再構築
・パーキンソン病 インタビュー 高橋淳 京都大学iPS細胞研究所教授(神経再生学)
・3大疾病 がん 再生医療の「オプジーボ」? 免疫細胞を増強する新治療
・3大疾病 脳卒中 細胞が「薬」になって脳を刺激 慢性期脳梗塞の新治療法
・3大疾病 心筋梗塞 ヒトの「心筋」シート化 2018年度に治験開始へ
・毛髪再生 再生医療でフサフサ? 資生堂、京セラが参入
・カナダ・トロントリポート 官民の資金で成長後押し
・関連銘柄24 再生医療で広がる市場 迫る医療の「産業革命」
【3大疾病 脳卒中:細胞が「薬」になって脳を刺激 慢性期脳梗塞の新治療法】
深刻な脳梗塞の後遺症を改善する医薬品の開発が進んでいる
宮城康史三井物産戦略研究所技術・イノベーション情報部マネージャー)/編集
脳梗塞を再生医療で治療する取り組みが始まっている。
バイオベンチャーのサンバイオ(東京都中央区)は、脳の神経細胞に働きかける再生細胞治療薬
「SB623」について、慢性期脳梗塞の患者を対象に臨床試験を進めている。米国で2011
年から実施した第1・2A相臨床試験では、運動障害がある18人の患者が参加し、全員に症状
の改善が見られた。結果を報じた米テレビ局は、麻疹していた右腕を肩の上まで上げられるよう
になった女性や、仰向けのまま左足を上げる患者の様子を伝えている。
SB623は、健康なヒトの骨髄から採取した間葉系幹細胞(骨、脂肪、骨格筋、心筋などを作
り出す大本の縦胞)から、神経細胞のもとになる前駆細胞に培養したものだ。患者の頭蓋骨に1
センチほどの六を開けて脳の損傷部分の周辺に注射する。投与することで損傷部位の機能を他の
部位で代替する力を高め、機能を回復させると考えられているが、詳しいメカニズムはまだ解明
されていない。有力なのは、SB623が神経細胞の再生を促す物質を分泌することで、遮断さ
れていた神経細胞のネットワークにバイパスがきて機能が再生するという見方だ(下図)。
動物実験では、投与した細胞は1カ月程度で消滅していた。SB623は死滅した神経細胞に置
き換わるのではなく、「患者自身の再生能力を高める役割を果たすイメージ」(古川尚史執行役
員経営企画部長)と考えられている。
外傷性脳損傷にも
脳梗塞は脳卒中の一種。脳内の血管が細くなったり、詰まったりして血液の流れが滞り、脳の組
織が壊死する病気だ。国内で年間23万~33万人が発症し、6・6万人が亡くなっている。患
者の6割が運動障害や言語障害などの後遺症が残るといわれ、患者本人のみならず介護する家族
の負担も大きい。
発症から数週間以内の急性期は、病院で薬物治療が行われる。だが、発症から数カ月程度たった
慢性期はリハビリテーションによる機能回復が治療の中心で、後遺症を根本的に治す医薬品はま
だない。慢性期脳梗塞の患者の期待は高いが、これまでのSB623の臨床試験は安全性を確か
める初期の段階のもので、有効性が確実になったわけではない。同社は効果や安全性をより詳し
く調べるため、大日本住友製薬と共同で156人が参加する第2B相臨床試験を米国で実施して
いる。日本では国内の開発・販売権を持つ帝人が臨床試験を検討中という。
サンバイオは他の疾患でもSB623を使った治療の治験に乗り出している。昨年9月には事故
などで脳の神経細胞が傷つき障害が生じる「外傷性脳損傷」の臨床試験を東京大学病院で始めて
いる。将来的には脊髄損傷、パーキンソン病の治療にも応用できる可能性があるという。
【関連知財】
❑ WO2008/538103 中枢神経系病変の治療のための物質の使用
【概要】
病変は、多数の理由のために、中枢神経系(「CNS」)組織に生じ得る。CNS病変の主因の
1つは、卒中である。卒中は、脳の領域への循環の突然の損失により特性化され、神経学的機能
の対応する損失を生じる。脳血管性偶発症候または卒中症候群とも呼ばれる卒中は、雑多な群の
病理生理学的原因、例えば血栓症、塞栓症および出血を包含する非特定的用語である。近年の報
告は、年間、すべての種類の500,000例を超える新規の卒中の発生率を示す。卒中は、主要な致死
因子および不能因子である。すべての型の卒中を組合せると、それは死亡の第三の誘導原因およ
び不能性の第一の誘導原因である。最新の傾向では、この数は2050年までに年間100万に急増す
ると推定される。卒中の直接経費(看護および治療)および間接経費(生産性損失)を合わせて
考えた場合、卒中は米国社会で年間433億ドルを要する。卒中は一般に、出血性または虚血性とし
て分類される。急性虚血性卒中は血栓症または塞栓症により引き起こされる卒中を指し、そして
全卒中の80%を占める。
4つの主な神経解剖学的虚血性卒中症候群は、それらのそれぞれの脳血管分布の崩壊により引き
起こされる。❶前方脳動脈閉塞は主として前頭葉機能に作用して、精神状態変容、判断障害、対
側性下肢衰弱および感覚減退、ならびに歩行失行症を生じる。❷中脳動脈(MCA)閉塞は一般
に、対側性片側麻痺、対側性感覚減退、同側性半盲(視野の半分の失明)、ならびに病変側に対
する注視偏好を生じる。失認症がよく起こり、そして病変が優性大脳半球に起こる場合には、知
覚性または表現的失語症が生じ得る。MCAは上肢運動ストリップを供給するため、腕および顔
面の衰弱は通常は下肢の衰弱より悪化する。❸後脳動脈閉塞は視覚および思考に作用して、同側
性半盲、皮質盲、視覚失認症、精神状態変容および記憶障害を生じる。❹椎骨脳底動脈閉塞は、
それらが広範な種々の脳神経、小脳および脳幹欠損を引き起こすため、検出するのは周知のよう
に困難である。これらの例としては、眩暈、眼振、複視、視野欠損、嚥下障害、構音障害、顔面
感覚減退、失神および運動失調症が挙げられる。疼痛および温度感覚の損失は、同側顔面および
対側身体で起こる。それに反して、前方卒中は、身体の一側面のみに関する知見を生じる。これ
らの閉塞は、種々の理由のために起こり得る。塞栓は、心臓、頭蓋外動脈、あるいはまれに右側
循環(奇異性塞栓)から生じ得る。心原性塞栓の供給源としては、①弁膜血栓(例えば僧帽弁狭
窄、心内膜炎、人工弁における);②心壁血栓(例えば心筋梗塞(MI)、心房細動、拡張心筋
症における);ならびに③心房粘液腫が挙げられる。MIは、塞栓性卒中の2~3%の発生率に
関連し、この85%はMI後1ヶ月で起こる。❺ラクナ梗塞は全脳梗塞の13~20%を占め、
そして通常は皮質下大脳および脳幹の小末端血管構造に影響を及ぼす。ラクナ梗塞は一般に、小
血管疾患、例えば糖尿病および高血圧症を有する患者に起こる。小塞栓または脂肪硝子様変性症
と呼ばれるin situプロセスは、ラクナ梗塞を引き起こすと考えられる。最も一般的なラクナ症候
群としては、純運動、純感覚および運動失調性片側麻痺性卒中が挙げられる。それらの小サイズ
および明確な皮質下位置のために、ラクナ梗塞は、認知、記憶、発語、または意識レベルの障害
をもたらさない。
血栓性閉塞のもっとも一般的部位は、特に内頚動脈の分布における脳動脈枝点である。動脈狭窄
(即ち、乱流血流)、アテローム硬化症(即ち、潰瘍化プラーク)ならびに血小板粘着は、動脈
を塞栓形成するかまたは閉塞する血餅の形成を生じる。血栓のあまり一般的でない原因としては、
赤血球増加症、鎌状赤血球貧血、プロテインC欠乏症、脳動脈の繊維筋性異形成、ならびに片頭
痛障害による長期血管収縮が挙げられる。脳動脈の切開を生じる任意のプロセスは、血栓性卒中
も引き起こし得る(例えば外傷、胸大動脈切開、動脈炎)。時折、狭窄または閉塞動脈に遠位の
低還流、あるいは2つの脳動脈領域間の傷つき易い分水領域の低還流は、虚血性卒中を引き起こ
し得る。
出血性卒中に関しては、脳内出血(ICH)および出血性卒中という用語は、この考察では互換
的に用いられ、そして虚血性卒中の出血性転換とは別個の存在であるとみなされる。ICHは
全卒中の約20%を占め、そして脳梗塞より高い死亡率に関連する。出血性卒中患者は類似の病巣
性神経学的欠陥を呈するが、しかし虚血性卒中患者より加減が悪い傾向がある。脳内出血患者は
たいてい、頭痛、精神状態変容、癲癇発作、悪心および嘔吐、および/または顕著な高血圧を有
する;しかしながらこれらの知見の中で、出血性卒中と虚血性卒中との間を確かに区別するもの
はない。
ICHにおいて、出血は直接、脳実質中に生じる。通常メカニズムは、慢性高血圧により損傷さ
れた小脳内動脈からの漏出であると考えられる。その他のメカニズムとしては、出血素因、医原
性抗凝血、大脳アミロイドーシスおよびコカイン乱用が挙げられる。ICHは、脳のある種の部
位、例えば視床、被殻、小脳および脳幹に見出される傾向がある。出血により損傷される脳の領
域のほかに、周囲の脳は血腫の質量作用により作り出される圧力により損害され得る。頭蓋内圧
の全般的増大が起こり得る。出血性卒中に関する30日死亡率は、40~80%である。全死亡の
約50%は、最初の48時間以内に起こる。
CNS病変に関するその他の原因、例えば外傷およびCNSの種々の疾患は、寛容的に既知であ
る。CNS病変の治療は、神経形成、即ち問題の患者の組織の領域におけるニューロンの(再)
生成、例えば中枢神経系病変における損傷ニューロンの置換(これに限定されない)に関係する。
残念ながら、ニューロン(CNS)組織は、その限定修復/再生能力に関して周知である。成人
における新規のニューロンの生成は、2つの領域、即ち側脳室を裏打ちするSVZおよび歯状回の
顆粒下域に大きく限定される。SVZから移動した内因性前駆体幹細胞に起因する限定ニューロ
ン置換が実証されている。
ある種の神経形成方法を用いていくつかの初期の成功が報告されているが、しかしこれらの方法
は臨床的に上首尾であったわけではない。したがって必要なものは、中枢神経系の治療のために
当該技術分野で特筆された問題を克服する方法および組成物である。下図のように、中枢神経系
病変の治療のための方法および物質が開示される。好ましい方法および物質は、ニューロン前駆
体細胞および/または骨髄付着幹細胞由来ニューロン細胞を含む。
WO2006/096640
❏その他関連特許
✪ 特開2016-188235 細胞と生体適合性高分子を含む組成物
✪ 特開2012-219100 細胞と生体適合性高分子を含む組成物
【再生医療と産業技術:スーパーハイビジョン技術】
5月29日、東京大学らの研究グループは、8Kスーパーハイビジョンカメラを世界で初めて脳
神経活動の計測に用いることで、運動中のマウス大脳皮質から、軸索終末とよばれる神経細胞の
一部における活動を大規模に計測する事に成功しことを公表している(この項の冒頭に記載)。
生きた脳の中にある神経細胞内のカルシウムイオン濃度を光として測定する「カルシウムイメー
ジング法」の発展により,生きたマウスの脳神経細胞の活動を数百から数千個単位の計測に成功
しているが、これを応用し神経細胞が他の神経細胞へと情報を伝達するシナプス部位の前部にあ
たる軸索終末の活動の計測も可能になっているが、軸索終末は,通常カルシウムイメージングで
計測の対象が、神経細胞の細胞体の直径約10µmに対してさらに小さく,直径は約0.5µmしかない。
カルシウムイメージング法で一般に用いらる2光子顕微鏡は,視野1点1点を1本のレーザーで
順番に走査する仕組みであるため,軸索終末の活動を広い範囲で高速測定できないかった。今回、
ハイビジョンの16倍にあたる3,300万画素の高解像度を有す8Kカメラでマウスの脳の視床とよ
ばれる部位に蛍光タンパク質を導入し、その視床に位置する神経細胞が大脳皮質の運動野に投射し
ている軸索終末のイメージングをスピニングディスク型共焦点顕微鏡と8Kカメラを組み合わせた
システムにより,従来の2光子顕微鏡の25倍広い視野でありながら2倍高速に撮影することに成功
した。また,実際に測定された活動について解析することで,1mm以上離れた場所における軸索
終末の同期的な活動を計測することにも成功している。
このように再生医療と高度画像処理技術をはじめとする遺伝子解析、蛋白構造解析、内視鏡技術
などいまや不可分となってきており、2025年の4K・8K関連市場だけでも17兆円規模と
見込まれている(株式会社富士キメラ総研「4K・8Kの関連機器やデバイスなどの世界市場を
調査」)。参考までに下図に詳細を掲載しておく。また、参考までに日本放送協会等の最新技術
を掲載しておく。これらの我が国の技術は、ノーベル賞級に値するとわたし(たち)は考えてい
る。
❑ 特開2018-013416 MTF測定装置及びそのプログラム 日本放送協会
【概要】
解像度テレビジョンの最大特徴の高い空間解像度、カメラの解像度特性であり、現行のハイビジ
ョンカメラの解像度測定として、下図6に示すように、複数の空間周波数を有する矩形波が空間
的に配置したインメガサイクルチャートを用いる手法が知られている。
図6
このインメガサイクルチャートを用いる手法は、波形モニタから矩形波の変調度の空間周波数特
性を表すCTF(Contrast Transfer Function)を読み取る。インメガサイクルチャートを用いる手
法は、波形モニタから目視で読み取れる手軽さはあるが、サンプリングの位相やカメラノイズの
影響で波形の振幅が変動する。また、インメガサイクルチャートを用いる手法は、レンズ中央と
周辺でカメラの解像度特性が異なるため、800TVL/phに相当するチャート中央における
矩形波応答だけ測定することが多い。さらに、インメガサイクルチャートを用いる手法は、所望
の空間周波数特性を得るために撮像画角を正確にチャートサイズにフレーミングする必要がある
が、4K/8Kカメラでは広角レンズを使うことが多いので、サイズの大きいインメガチャート
が必要になり、非現実的である。
そこで、インメガサイクルチャートに代わり、Slanted-edge法が提案されている。このSlanted-edge
法は、チャートサイズが比較的小さくてフレーミングが不要な手法であり、僅かに傾いたエッジ
画像を撮像して、そのエッジの広がりから、正弦波の変調度の空間周波数特性を表すMTF(Mod-
ulation Transfer Function)を算出する。まず、Slanted-edge法では、チャートを撮像したチャート画
像からエッジを含む長方形の関心領域(ROI、下図7)を選定する。次に、Slanted-edge法では
ISO12233に準拠したアルゴリズム、または、より精度の高いアルゴリズムを用いて、関
心領域からエッジを検出する。次に、Slanted-edge法では、関心領域の各画素を、エッジ傾きに
沿って、サブピクセルで等間隔に区分した水平軸に投影する。そして、Slanted-edge法では、それ
ぞれの区分けに投影された複数の画素の画素値の平均値を求め、オーバーサンプリング(ISO
12233の場合、4倍オーバーサンプリング)されたエッジ広がり関数を求める。さらに、
Slanted-edge法では、エッジ広がり関数を微分することで線広がり関数を算出し、線広がり関数を
フーリエ変換して絶対値を求めることで、DC成分からサンプリング周波数を超える帯域のMT
Fを求める。
カメラの解像度の空間周波数特性は、僅かなフォーカスのずれで正確に測定できなくなる。その
ため、MTFの測定では、フォーカスを微調整して、その都、ROIの指定及びエッジ傾きの検
出を繰り返し、最良の空間周波数特性を探索する必要がある。このように、Slanted-edge法では、
ROIの指定及びエッジ傾きを検出するのに時間を要し、MTFの測定が煩雑になるという問題
がある。
図7
下図1のように、 本件に係るMTF測定装置は、エッジの位置及び傾きが不変とみなせるとき、
時間を要するROIの指定及びエッジ傾きの検出を省略するので、高速にMTFを測定すること
ができるMTF測定装置1は、異なるフォーカス値で撮像系2がチャートCHを撮像した複数の
チャート画像のそれぞれから、境界をエッジとして含んだROI画像を抽出するROI画像抽出
手段20と、複数のチャート画像のうち、エッジ傾きの検出対象となるチャート画像である検出
対象チャート画像を指定するチャート画像指定手段30と、検出対象チャート画像に含まれるR
OI画像からエッジ傾きを検出するエッジ傾き検出手段41と、検出したエッジ傾きに対応した
エッジ傾き情報を生成し、複数のチャート画像に含まれるROI画像にエッジ傾き情報を適用し
、Slanted-edge法によりMTFを測定するMTF測定手段60と、を備える。 特開2018-13416
【符号の説明】
1 MTF測定装置 10 チャート画像記憶手段 20 ROI画像抽出手段 21 ROI
指定手段 23 ROI抽出手段 30 チャート画像指定手段 40 演算手段 41 エッ
ジ傾き検出手段 50 エッジ傾き情報記憶手段 60 MTF測定手段 61 エッジプロフ
ァイル生成手段 63 MTF算出手段 70 グラフ生成手段
❏関連特許
✪特開2018-074463 画像生成装置、画像表示システム及びプログラム他
✪特開2018-067768 受信機、再送信装置、およびプログラム
✪特開2018-032815 光電変換素子、撮像装置、および光電変換素子の製造方法
●今夜のエンディングソングス
『洋楽篇:朱夏に天命帯びぬ慣性に舞う天使』
Live - Selling the Drama
Candlebox - Far Behind
Green Day - Basket Case
Non Blondes - What's up
Betther than Ezra - Good
Blind Melon - No Rain
Collective Soul - Shine
Creed - My Own Prison
Deadeye Dick - New Age Girl
Foo Fighters - Big Me
Gin Blossoms - As Long as It Matters
Goo Goo Dolls - Iris
Nirvana - Smell Like Teen Spirit
Oasis - Champagne Supernova
Pearl Jam - Alive
R.E.M - The One I Love
Red Hot Chilli Peppers - Otherside
Stone Temple Pilots - Interstate Love Song
The Cranberries - Zombie
Smashing Pumpkins - Bullet with Butterfly Wings (Sin Audio)
Ugly Kid Joe - Cats in the Cradle