尽心(じんしん)篇 / 孟子
※ 悪口:貉稽(はくけい)がこう言って訴えた。「わたしは何かにつけ
人から中傷されて困ります」
孟子は言った。「そんなことを気に病むことはない。俗物どもに悪口
のひとつも言われぬようでは、むしろ士ではないのだ。。悩みはたえ
ず 小人どもの悪口にかかるゆえと詩経にうたわれている。孔子のば
あいがこれだった。また、俗衆の非難はたえず されど誉れはとこし
えにともうたわれている。文王ののばあいがこれだったのだ。
※ 少ないほどよいもの:徴税には、織物税、年貢、労役の三種がある。
君子はそのうち一つだけを徴収し、あとの二つはごく軽くする。二つ
を徴収すれば餓死者がでる。三つともとりたてれば一家離散だ。
※ 三つの宝:諸侯には宝が三つある。土地と人民と政務とである。宝石
だけを宝と思ってい災難がぶりかかる。
※ 来たる者は拒まず:孟子が滕の国へ出向き、迎賓館に泊まったときの
ことである。館の人が作りかけのわらじを窓ぎわに置きっぱなしにし
ておいた。それが不意になくなり、探してもみつからなかった。「お
見事です。あなたのお伴の方もやりますな」
ある男がこう言うと、孟子は、「連中がわらじを盗むために、わたし
について来たと思っているのですか。あるいはそうかも知れません。
わたしは弟子をとるとき、去る者は追わず、来たる者は拒まず、とい
うことにしています。学ぶ意志さえあれば、だれでも弟子にしていま
す」
❦ なぜ、かまぼこ屋がエネルギーのことを考えたのか ❦ No.14
● 対談3 新しい現実をつくる
『3・11以降は、この国のありようを変えるチャンス』
河野太郎 衆議院議員・現外務大臣
自民党所属。1963年神奈川県生まれ。慶臆義塾大学経済学部中退。アメリカ・ジョージタウ
ン大学卒業。アメリカ滞在中、ワシントンで政治活動にもかかわり、アメリカの大統領選挙に立
候補したアラン・クランストン上院議員の遺財本部の財務部門でボランティアをしたり、リチャ
ード・シェルビー下院議員の下でインタjンを務めた。帰国後、富士ゼロックスに入社。2年間
のシンガポール勤務などを経て、日本端子に入社。1996年に衆議院選挙で初当選。核燃料サ
イクルには明確に反対しており「原子力は経済採算性は合わない≒原子炉の新設はしないという
ことを政治主導で決めるべき」と語っている。著書に『私が自民党を立て直す』(洋泉社新書/
2010)『原発と日本はこうなる南に向かうべきか、そこに住み続けるべきか』(講談社/2
011)『「超日本」宣言わが政権構想』(講談社/2012)、共著に『「原子カムラ」を超
てポスト福島のエネルギー政策』(NHKブックス/2011)などがある。
使用済み核燃料問題から考える
鈴木 今日はお忙しいなか、お時間をいただきましてありがとうございます。
河野 とんでもない、こちらこそ、よろしくお願いします。
鈴木 河野さんは「3・11]」以前から原発の危険性、いろいろな問題点について指摘を
されてきたわけですが、恐れていたことが「3・11」に続く福島第コ原発事故というか
たちで実際に起きてしまいました。いま、どのようにお感じになっておられますか。
河野 もともと日本の原子力は石油を補完するということでスタートしました。ウランは全
量輸入ですし、石油と同じで年数にかぎりがありますから、ウランを燃やした使用済み核燃
料を再処理してプルトニウムを取り出して、高速増殖炉をつくって、プルトニウムを増やし
ながら発電するのだから、電力は2000年は大丈夫という絵を描きました。
ところが、50年の歳月と2兆円以上の全をつぎ込んだ高速増殖炉は政府の一番楽観的な見通
しでも2050年まではできません。最初から高速増殖炉でプルトニウムを増やすんだとい
っておりましたから、使用済み核燃料はイギリスとフランスヘ持っていって再処理をして、
プルトニウムをどんどん取り出していて、日本が持っているプルトニウムはトータルで45ト
ン、アメリカの核弾頭に積んであるプルトニウムが38トンですから、それより多いプルトニ
ウムを持っています。でも、「もんじゅ」はとまっていて、高速増殖炉は早くても2050
年まではできません。じやあ、45トンものプルトニウムはどうするのか。それから、プルト
ニウムを取った残りのゴミは最終処分地が決まりません。
これは何万年という長い期間にわたって人類から隔絶しないといけないというくらい放射能
が強いものです。さらに原発から出てくる使用済み核燃料もプールに入れて冷やしているわ
けですが、プールがいっぱいになりつつあります。3月10日の時点で「あと10年くらいしか
持たない」「あと10年で原子炉はとまるよ」という状態でした。つまり、全部のステージで
問題です。だからコ院、立ちどまって考え直さないと行き詰まりますよ。
そういうことをずっと申し上げてきたところに「3・11」が起きました。安全だといわれ
た原子炉が事故を起こして、爆発までして、それで、みんな目が覚めたというか、お金を握
らされて黙っていたマスコミも、もはや、黙っていられなくなって報道するようになって、
世の中にこの問題がインプットされるようになりました。特に核のゴミは使い始めたときか
ら何万年も「この放射能どうするの」という問題があるけれど、技術が進歩したら何とかな
るさと思っていて、いまだにこれがどうにもならない。何とかなるではなくて、何とかなら
ないかもしれないから、いま、打てる最善の手は何だろうということをきちっと考えなけれ
ばならなくなりました。
鈴木 何とかしないといけないと思いますが、いまだにどうにもならないことを認めていま
せんね。「もんじゅ」にしても、高速増殖炉にしても、勤きますということを前提にしてい
ます。
河野 そうですね。核のゴミも処分地は何年に決めますという目標はありますけれども、も
はや、それには問に合わないというタイミングになっていますし、余っているプルトニウム
もどうしていいかわからない、高速増殖炉は目標では2050年までにと言ってますが、そ
れまでにできるとはだれも思っていない。ぎりぎりまで「できます、できます」と言ってお
いて、いざ、ぎりぎりになったら「ごめんなさい」という「できない体質」みたいなものが
ある。
鈴木 世の中の常識としてできないことを「できるかもしれない」と言って放っておいて、
将来の世代に先送りしてしまう。責任ある大人のやることではありません。
河野 そうですね。特に核のゴミの処理には何万年もかかるものですが、10万年前といった
ら人類もいなかったわけですし、10万年後も日本列島が今のかたちをしていることは、たぶ
ん、ない。それなのに、何万年という気の遠くなるような長さの話を普通にしているという
こと自体、ちょっと大丈夫かなと思ってしまう。
鈴木 フィンランドのオンカロという原子力廃棄物処理施設を取り上げたドキュメンタリー
映画『100、000年後の安全』では廃棄物が埋められていることを10万年先の人類にど
うやって伝えていくか、科学者が一生懸命説明しようとしている、笑えないブラックユーモ
アというか、観ていて背筋が寒くなりましたね。
河野 フィンランドはそこへ哲学者や宗教家、いろんな人を入れて、「ほんとにどうする?」
という議論をかなりオープンにやっています。ところが、日本の場合は専門家といわれる、
いわゆる「原子カムラ」と鄭楡される住民ばかり集めて「なんとかなります」という結論だ
けを外に出してやってきました。
なぜ原発を続けていく必要があるのか
鈴木 どうして、それまでして原発を続けていかなければならないのでしょうか。
河野 スタートは石油ショックなんです。石油一本足では不安だというので原子力をスター
トさせたんです。そこは問違っていなかったと思います。
あのころ、太陽光とか、風力といってもサイエンス・フィクションみたいなものでしたから。
ただ、高速増殖炉が20年後にできるはずだったのが、いつまでたってもできない。計画がど
んどん後ろへ押していく。その一方、原子力の発電所をつくらなければいけなくて、そこに
どんどんお金が流れ込んで、利権化してしまいました。つまり、スタートはよかったんだけ
れども、だんだん状況が変わってきて、状況の変化に合わせて政策を変えるべきなのに、ま
ったく変えられなかった。
今度はその利権を守るために、「原子カムラ」と呼ばれる構造体ができて、外の人間にはわ
からないようないろんな文書をつくって、自分たちの既得権を強引に守ろうとしたのが現実
で、そこに手を入れるはずの専門家もムラの一員、経産省も天下りでムラの一員、マスコミ
も広告宣伝費でムラの一員になりました。こういう構造になってしまったんです。
鈴木 本来なら、そういう原子カムラがあったとしたなら、いろんな利害関係が存在するわ
けですから、政治がそこにきちっとしたメスを入れて判断をしないといけないわけですね。
河野 中曽根さんの強いりIダーシップでやろうよということで始まった。ところが、途中
でおかしくなって「どうする」となったとき、実は政治も電力業界からお金をもらっており
ました。当時の野党は電力の労働組合からも票をもらっていました。結局、関係の深い議員
ぱ原子カムラのなかにいて、むしろ、政治が原子カムラを護送船団で守ってしまった。そう
いう体制を与党としてつくってきたのは自民党ですから、自民党として真摯に反省しないと
いけないし、なんでそうなったかを点検しないといけないと思います。政治が見ていて「こ
の選択はズレてきた」と思ったときにとめて点検をするという機能が働かなかったのが現実
であり、残念です。
鈴木 自民党時代もそうであったように政権が民主党に代わってからも、私たちからは見え
ないことが多い。スタートで働いたりーダーシップが、「どうする」となったとき働かない
のはなぜでしょうか。
河野 自民党時代は利権構造というか、当時、与野党双方にお金と票がばらまかれていたわ
けですが、実はマスコミもその構造のなかに絡め取られていたわけですね。実はいろんな方
が声をあげていらっしゃったんです。当時の佐藤栄佐久・福島県知事ですとか、学者でいえ
ば石橋克彦さんのように浜岡原発が地震で危ないとか、あるいは坂本龍一さんのように再処
理工場はこれでいいのかとか、いろんな方々が警鐘を鳴らしておられたんですが、利権の構
造が堅くて、たとえば芸能人が「反原発」を言おうものなら干されるといった状況すらあっ
たわけです。
鈴木 そのような経験を文化人からもよく聞きますよね。
河野 原子カムラから「批判をしろ」みたいな指示が出て、コ介に攻撃されてしまう。
鈴木 いま、国民の間には、いろんな認識レベルがあると思いますが、河野さんが言われた
ようなことを知るにつけて、原発を使うのか使わないのかの問題を含めて、国民的議論がな
された形跡がないように思います。国民的議論は可能なんでしょうか。
この項つづく
【湖底に大量核廃棄物の時限爆弾】
毎年、ユタ州とアリゾナ州の国境をまたぐ巨大な人工水域であるパウエル湖には、300万人も
の人々が訪れる。輝く赤い岩崖の下では、貯水池はジェットスキー、モーターボート、ウイニバ
ーゴ族のボートハウスがひしめく観光の湖だが、これは表面上話、夢のような南西部の4千万人
の人々に飲料水を提供するパウエル湖だが、暗い湖の下には不吉な遺産――推定2万6千トンも
の放射性廃棄物――が潜んでいる。
Lake Powell
1940年代から1950年代にかけて西部からのウラン流入時には、コロラド川のほとりに巨大な鉱床
が隆起している。例えば、1949年、米国のバナジウム社が建設したホワイト・キャニオン選鉱所
は、米国情報の自由法( Freedom of Information Act request)に準拠し、1日あたり20トンの鉱
石を粉砕し、硫酸、リン酸トリブチルなどで処理。失われた魂の川の著者であるジョナサン・ト
ンプソンによれば、1トンの鉱石で約2.3~2.7キログラムのウランを生産すると、河川周辺
1日に1万7,690キログラムの尾鉱が堆積する。 1953年の工場閉鎖にともない、バナジウム
社が廃業したにもかかわらず残鉱は置き去りにされていた。約10年後にグレンキャニオンダム
に貯水し始め残鉱が浸水する。
● 2000年~2005年の干ばつで平均水深の約5分の1のほぼ30メートルまで低下
パウエル湖を楽しむ観光客を汚染しなかったとユタ州環境省ウラン工場及び放射性物質部門の管
理責任者は話す。ウランの掘削は、放射性物質の重金属とラジウム226/228を含む土砂の老廃物
を堆積するが、これらの尾鉱は1950年頃から湖底堆積する。1~2メートルの堆積し、水は減速
材あるいは遮蔽材として機能すると説明されている。環境保護庁はパウエル湖から直接水を汲み
取る2つの公共水道――ナバホー発電所とアリゾナ州ページ市――があると付け加える。第9EPA
地区の広報官は、すべての地域の水道システムは、総アルファ線、複合ラジウム226/228、ウラ
ンの放射性核種群の飲料水基準の監視し求められており、ページ市の水道水、放射性核種の飲料
水基準を満たすことが定められており、ウランやラジウムなどの放射性元素が人の肺の内面に入
り込むと、貧血、歯牙破折、白内障、がんなどのリスクを喚起するが、湖底の放射性廃棄物がた
だちに憂鬱されるレベルにないと関係者は説明する。
それは影響を受ける可能性のある発電所と小さなアリゾナ都市だけでなく、パウエルは「貯蓄口
座」のようなもので、4つの上流域州(コロラド、ワイオミング、ユタ、ニューメキシコ)は、
1922年のコロラド川コンパクト(Colorado River Compact)のもと、下流域の州とメキシコに年間
給水義務を果たせる。パウエルに到着する前にた上流域水の使用制限し、下流域の要求に合わせ
水を貯め供給することで、4千万人全員へのサービスを提供すると、コロラド川地域管理責任者
がこう説明する。
しかしながら、状況は現在制御されているが、現状を揺るがすシナリオがある。パウエル湖が非
常に低い水位になったり、湖が流出したりすると当然、尾鉱が問題となり、尾鉱が露出する。こ
の場合、誰かが掘り起こしたり、強風による外乱、オフロード車で荒らしたりすると健康被害が
生じるとの考えは専門家らにより否定されているが、湖の排水や土砂を盛り上げる浚渫作業など
でそれは変わる可能性があるとされる。湖の排水は馬鹿げたように思えるかもしれないが、貯水
量は1990年代後半から減水し、2000年から2005年にかけての過度の荒廃と干ばつは、水深は30
メートル近く下がり平均水深の約5分の1までになる。研究者たちの中には、気候変動が西部干
ばつのサイクルを激化させ、長期に渡るものと予測する(下図参照)。もしそれが起こり、パウ
エル湖がもう一度赤岩峡谷になれば、汚染堆積層を取り除かなければしれない。
※ Source:Does a Ticking Time Bomb Lurk Beneath Lake Powell? | Acumen | OZY, Mar. 6, 2018
Feb. 12, 2015
※ Report Titol:Unprecedented 21st century drought risk in the American Southwest and Central Plains
※ 米国は米国はウランの3/4を輸入しており、ロシアは最大のサプライヤーの1つ。2016年の
生産は725,747キログラムで、1979年のスリーマイル島事故以来、米国では原子力プロ
ジェクトが完了しておらず、ウランの製造コストが海外生産品よりも高くなっている。昨年、
韓国の文新大統領は、原子力発電量世界5位にランクされた国で原子力発電やめることを誓
い、エネルギーの4分の3をまかなうフランスは、2025年までに原子力エネルギーを半減さ
せる計画を策定している。
● 金属シリコン電極開発によるリチウムイオン電池の高エネルギー密度化
ニンニクをインドアーで安く生産できないか調査をはじめ、このブログテーマの1である「植物
3月6日、株式会社 GSユアサは、大型電池での実用化に課題の多い金属シリコンを主体とする
負極の高エネルギー密度化と長寿命化の両立を実現しました。これにより、電気自動車に実際に
搭載されるサイズの電池において、従来のリチウムイオン電池に対して約3倍となる高エネルギ
ー密度化技術の改良の成功を公表。
それによると、極材に用いる金属シリコンは、理論容量が非常に高く(4200 mAh/g)、また、資
源量が豊富であることから、リチウムイオン電池の新規材料として多くの研究が行なわれてきた
が。金属シリコンは充放電にともなう体積変化が約400%と非常に大きく、充放電を繰り返す
過程において微粉化および孤立化といった劣化が生じる。その結果、充放電効率およびサイクル
寿命特性が乏しく、特に長期での使用が前提となる電動化車両用の大型電池では、金属シリコン
電極の実用化は困難とされてきた。これに対して同社は金属シリコンを用いた電極の好適な粒子
径および電極組成などを見出し、それらの特性を改善、従来の約3倍となる高エネルギー密度化
技術の改良に成功。
なお、この金属シリコン電極は今後の技術革新と普及が見込まれる全固体電池へも適用可能な技
術である。
また、今後の展開として、金属シリコン電極のサイクル寿命特性をさらに改良し、2025年頃の電
動化車両への適用を目指す。
❦ どこが違うのか
①金属シリコンの好適な粒子径の選択による初期充電効率の向上およびサイクル寿命特性の改善
➲粒子径が小さい場合は初期充電効率が低く、また、大きい場合には微粉化が顕著となるためサ
イクル寿命特性が低いという問題があり、最適な粒子径の金属シリコンを適用することにより、
これらの2つの特性が改善する。
➁種々の導電助剤を組み合わせることによる放電特性の向上
➲通常、電極には1種類の導電助剤を用いますが、金属シリコン電極においては、導電助剤を複数
用いることにより、電極成型性が向上。さらには、電極の導電率改善による放電特性の向上。
③水溶性結着剤の適用による量産性の向上
➲金属シリコン電極を作製するためには、不活性雰囲気下で高温の熱処理を加えるなど量産に
は不向きな工程が生じる場合があるが、水溶性結着剤を適用することで、その工程の簡略化が可
能になり、その結果、高い結着力を維持しつつも量産性に優れる電極組成化に成功。