13 用 間
「間を用うる」。間は間者、つまり情報活動である。兵法の基本である「彼を卸ろ」ためには、費用
をおしんではならない。
情報の重要性
間者が集めた情報が外部にもれたとわかったら、情報をもらした間者、および情報の提供を受けた者、
この両者を殺す必要がある。敵軍を撃つにも、敵城を攻めるにも、そして敵将を殺すにも、まず敵の
守備隊指揮官、側近、取次ぎ、門番、従者などの姓名を調べ、問者によってその動静を探索させねば
ならない。敵の間者が潜入してきたら、これをさぐり出し手なずける。そして、これを「反間」とし
て敵国に潜入させるのだ。この「反間」の働きによって、敵の住民や役人に関係をつけ、「郷間」「
内聞」とすることができる。こうしておいてから「死闘」をおくりこみ、偽の情報を流す。こうなれ
ば、計画どおりに「生聞」を使うことができる。
海棠にえうなくときし紅すてて夕雨(ゆふさめ)みやる瞳よたゆき / 与謝野晶子 『みだれ髪』
※ わたしのとは遙か遠極に位置する"彼女"の心象世界に感心し腑に落つ一首。
ハナカイドウ(花海棠、学名:Malus halliana)は、バラ科リンゴ属の耐寒性落葉高木。中国原産の落
葉小高木。花期は4、5月頃で淡紅色の花を咲かせる。性質は強健で育てやすく、花が咲いた後の林
檎に似た小さな赤い実は、食することもができる。結実しないことが多いとか。和名の由来は、中国
名の「海棠」をそのまま読んだもの。花言葉は「温和」「妖艶」「艶麗」「美人の眠り」。紅の蕾が
開花するとピンクに変わり、徐々に色が薄くなり白い花弁に変わり、散り際に葉が生える種類あり、
多花性を利用して、近縁のリンゴの受粉樹として利用されることもある。
【最新大型高品位蓄電池製造技術篇:リチウム-空気電池】
❏ 特開2018-067552 リチウム二次電池用硫化物系固体電解質 三井金属鉱業株式会社
概要
リチウム二次電池は、充電時には正極からリチウムがイオンとして溶け出して負極へ移動して吸蔵さ
れ、放電時には逆に負極から正極へリチウムイオンが戻る構造の二次電池である。リチウム二次電池
は、エネルギー密度が大きく、寿命が長いなどの特徴を有しているため、ビデオカメラ等の家電製品
や、ノート型パソコン、携帯電話機等の携帯型電子機器、パワーツールなどの電動工具などの電源と
して広く用いられており、最近では、電気自動車(EV)やハイブリッド電気自動車(HEV)など
に搭載される大型電池へも応用されている。
この種のリチウム二次電池は、正極、負極、及びこの両電極に挟まれたイオン伝導層から構成され、
当該イオン伝導層には、ポリエチレン、ポリプロピレン等の多孔質フィルムからなるセパレータに非
水系の電解液を満たしたものが一般的に用いられている。ところが、このように可燃性の有機溶剤を
溶媒とする有機電解液が使用されているため、揮発や漏出を防ぐための構造・材料面での改善が必要
であり、短絡時の温度上昇を抑える安全装置の取り付けや短絡防止のための構造・材料面での改善も
必要である。
これに対し、硫化リチウム(Li2S)などを出発原料として用いた硫化物系固体電解質を用いた全
固体型リチウム二次電池は、可燃性の有機溶媒を用いないので、安全装置の簡素化を図ることができ
、しかも製造コストや生産性に優れたものとすることができるばかりか、セル内で直列に積層して高
電圧化を図れるという特徴も有している。また、この種の固体電解質では、リチウムイオン以外は動
かないため、アニオンの移動による副反応が生じないなど、安全性や耐久性の向上につながることが
期待される。
ところで、この種の硫化物系固体電解質は、耐湿性に乏しく、乾燥空気中で取り扱っても、空気中の
水分と硫化物系固体電解質の硫黄との反応により硫化水素ガスが発生する。これにより固体電解質が
劣化し、導電率が低下するという課題を抱えていた。そのため、従来から、硫黄を含有する硫化物系
固体電解質に関し耐湿性を高める提案がされている。
P2018-67552A
リチウム、リン、硫黄及びハロゲンを含み、立方晶系Argyrodite型結晶構造を有する化合物は、水分と
の反応性が極めて高く、前述のように耐湿性向上の提案がなされていたものの、十分ではなかった。
そのため、大気中のみならず、乾燥空気に触れた場合であっても硫化水素を発生し、リチウムイオン
伝導性が低下するという課題を抱えていた。そこで、この化合物と水分との反応によって硫化水素が
発生するのを抑えることができ、リチウムイオン伝導性を確保でき、新たな硫化物系固体電解質を提
供する。
リチウム、リン、硫黄及びハロゲンを含み、立方晶系Argyrodite型結晶構造を有する化合物の表面が、
リチウム、リン及び硫黄を含む非Argyrodite型結晶構造を有する化合物で被覆されていることを特徴と
するリチウム二次電池用硫化物系固体電解質を提案する。このように、リチウム二次電池用硫化物系
固体電解質は、リチウムイオン伝導性が極めて優れる立方晶系Argyrodite型結晶構造を有する化合物の
表面が、リチウム、リン及び硫黄を含む非Argyrodite型結晶構造を有する化合物で被覆されており、硫
黄の反応性が抑えられ、水分との反応により、硫化水素の発生を抑えられ、それでいてリチウムイオ
ン伝導性を確保できる。例えばドライルーム等の乾燥空気(典型的には、水分濃度100ppm以下であり
、露点にして-45℃以下)に触れても劣化が抑えられ、工業的に利用し易く、リチウム二次電池用
の固体電解質として好適に用いることができる。
【特許請求の範囲】
る化合物の表面が、リチウム、リン及び硫黄を含む非Argyrodite型結晶構造を有す
る化合物で被覆されており、前記非Argyrodite型結晶構造を有する化合物は、斜方
晶型又は三斜晶型の結晶構造を有する化合物であることを特徴とするリチウム二次電池用硫化
物系固体電解質。 前記非Argyrodite型結晶構造を有する化合物は、当該構造内でPS4-ROR(0≦
R<4)単位構造を構成するものであることを特徴とする請求項1に記載のリチウム二次電池
用硫化物系固体電解質。 前記非Argyrodite型結晶構造を有する化合物は、組成式:Li3PS4-ROR(0
≦R<4)で表される化合物を主相とすることを特徴とする請求項1又は2に記載のリチウム
二次電池用硫化物系固体電解質。 前記立方晶系Argyrodite型結晶構造を有する化合物は、組成式:Li7-x-2yPS
6-x-yHax(Haはハロゲンを表し、フッ素(F)、塩素(Cl)、臭素(Br)、ヨウ素
(I)元素の少なくとも一種である)で表され、且つ、前記組成式において0.4≦x≦1.7、
及び、-0.9≦y≦-x+2を満足することを特徴とする請求項1~3の何れかに記載のリチ
ウム二次電池用硫化物系固体電解質。 前記ハロゲンが、塩素(Cl)又は臭素(Br)であることを特徴とする請求項1~4の何れ
かに記載のリチウム二次電池用硫化物系固体電解質。 請求項1~5の何れかに記載のリチウム二次電池用硫化物系固体電解質を備えたリチウム二次
電池。
May 27, 2018
【最新太陽電池技術篇:従来の電荷寿命千倍、有機太陽電池の究極構造】
4月27日、京都大学の研究グループは、周期性の細孔空間を構造内に有する多孔性物質を利用して
これまで有機太陽電池の究極的な理想構造とされてきた2種類の異なる分子が規則的かつ交互に配列
した構造体を作り出すことに成功したとことを公表。有機太陽電池をはじめとするエネルギー変換デ
バイスの高効率化に貢献する成果となる。
要 約
有機太陽電池の材料として、電子を与える(ドナー)分子と電子を受け取る(アクセプター)分子が規則的かつ交互に配列した究極に理想的な構造体が求められていた。 周期性の繕孔空間を構造内に有する多孔性物質を利用することで、分子を交互に配列させた構造
体を創製し、光によって生じる電荷を、従来寿命の約1000倍と安定化することに成功 有機太陽電池をはじめとするエネルギー変換デバイスの高効率化につながることが期待される。
有機太陽電池は光によって電子を放出し、プラスの電荷を帯びるドナー分子と、電子を受け取りマイ
ナスの電荷を帯びるアクセプター分子で構成されるが、分離された電荷は、電流の担い手となり、非
常に不安定である。発電効率を高めるためには、電荷分離状態を効率よく作り出し、長く保つこと
が重要。そこで2種類の分子をどのように配列するかが肝となる。これまで、相互貫入型構造と呼ば
れる、ドナーとアクセプターが規則的かつ交互に配列した構造体は、高効率に長寿命の電荷分離状態
を作り出せるため、有機太陽電池の材料として究極的な理想構造であるとされていた。しかし一般的
にドナーとアクセプターはランダムに混ざり合うため、その配列を精密に制御することは難しい。
一方、研究グループは以前から、高分子を多孔性金属錯体(MOF)の細孔空間内に拘束することで、高
分子鎖の配向方向や集積数を分子レベルで精密に制御できることを見いだし、MOFは構成要素を適切
に選択することで、細孔のサイズや形を合理的にデザインでき、さらにさまざまな光電子機能部位を骨
格中に規則的に配置させることもできる。そこで今回、アクセプター部位を有したMOFとドナー性の高
分子を複合化し、MOFの骨格構造を反映したドナーとアクセプターが分子レベルで規則的に交互に並
んぶ構造体「MOF/ポリマーナノハイブリッド材料」の作製に取り組んだ。
MOFはチタンイオンとメチレンジイソフタル酸を混合し、酸化チタン部位を有するものを新たに合成し
た。このMOFは構造解析の結果、ごく細い物質構造である酸化チタンナノワイヤと有機部位で構成され
整列した1次元ナノ空間を持つことが分かった。光伝導度測定を行ったところ、酸化チタンナノワイヤ
の太さは1nm(ナノメートル)以下と極細でありながら、太陽電池材料として注目されている酸化チタ
ンと同様の良好な光伝導性を持つことが分かった。次にMOFの1次元ナノ空間内で、ドナー性高分子で
あるポリチオフェンを合成し、ドナーとアクセプターが分子レベルで規則的かつ交互に配列した構造
体であるMOF/ポリマーナノハイブリッド材料を作り出すことに成功する。
doi:10.1038/s41467-018-04034-w
合成した構造体の電荷寿命は研究グループの調査によると1ms(ミリ秒)を超え、これはこれまで報告
されているものよりも約1000倍長いという。これはMOF/ポリマーナノハイブリッド材料より長寿命電
荷分離状態を作り出し、電荷が飛躍的に安定したためとしている。研究グループは今回の成果につい
て、MOFの骨格構造を反映させることで、ドナーとアクセプターの集合状態を分子レベルで合理的かつ
緻密に作り出すことができることを初めて実証した。有機太陽電池などの光電子デバイスの高効率化に
向けた材料設計の有用な指針にな。今後はMOF/ポリマーナノハイブリッド材料を用い、実際にデバイ
スの作製に取り組む。
【ソーラータイリング事業篇:米国加州で住宅への屋根型ソーラー設置義務化】
5月9日、カリフォルニア州政府エネルギー委員会は、2020年に施行する太陽電池パネルの新築家屋
への義務化法案の投票を行うが、承認されれば、単身世帯の15~20%の家庭の太陽光発電に切り替わ
る需要急増すると予測されており、この法令の承認により従来の系統電力や天然ガスの需要はルーフ
トップソーラにより置き換わる。
◉ 新しい法令は、2020年1月1日以降に建築許可を得る3階建てのすべての住宅、コンドミニアム、マ
ンションに適用される。
◉ 家屋が木や建物で覆われている場合、または家の屋根が小さすぎて太陽電池パネルが収容できない
場合、例外や代替案を許容される。
◉ ソーラー設置条件は、ネットゼロの態達成を前提としない。
◉ Tesla Powerwallのようなバッテリー搭載家主は、太陽光発電システムのサイズをさらに小さくするで
き、遵法特権が付与される。
◉ この法例により、売電や天然ガスの消費削減促進され、技術向上により、電気式給湯の向上につな
がる。
◉ 新しく建設された建物は、2020年までに住宅で、2030年には商業ビルを切り替え達成を設定。
世界はわれわれの畑だ。 ヘンリー・ジョン・ハインツ(1844~1919)
第2章 「中国産」のトマトペースト
フランス、ヴオクリューズ県カマレーシュル=エーグ
初めて中国産濃縮トマトのドラム缶を見たのは、今から5年前の2011年だった。フランスのブロ
ヴァンス地方にある、トマト加工工場の敷地内に置かれていたのを発見したのだ。工場の入口には「
ル・カバノン」という赤い看板が謁げられていた。右手には古びた管理棟。左手の、柵の向こう側の
地面にはアスファルトが敷き詰められ、貯蔵スペースになっていた。アセブティック(無菌)パック
が詰まった、石油用と同サイズの大量のドラム缶が、パレットの上に高く積みあげられていた。吹き
さらしのままで、円柱形の容器の表面が直射日光を受けてキラキラと輝いている。
わたしは、なるべく至近距離からドラム缶を眺められる場所を探した。無断で敷地内に立ち入れない
ので、柵越しにラベルの文字を読もうとしたのだ。労働者たちを乗せたバスは、新疆ウイグル自港区
の北部、ウス市近郊を出発した。目的地は、これは重大な事件だった。買収前のル・カバノンは、フ
ランス人のトマトソース消費量の4分の1を地元産のトマトを使って生産していた。しかしカルキス
に買収されると、少しずつ、しかし確実に、過去のやりかたを捨てていった。所有していた生産手段
を次々と手放したのだ。まずは従業員が解雇され、続けて「一次加工」に使われる道具が廃棄された。
もはやこの工場には、「ル・カバノン」というブランド名と濃縮トマトを希釈する「二次加工」用の
機械しか残っていない。
「一次加工」用の機械は、すべて個別に競売に出された[1]。トラックに積まれたトマトをプラッ
トホームで洗浄する機械、遠心分離機、高温圧搾機、蒸発濃縮装置、ベルトコンベア、パッケージン
グ用設備、フォークリフト………そして、地元のトマト生産者は転職を強いられた。ル・カバノンは、
新疆ウイグル自治区から輸入した濃縮トマトを使いながらも、フランスらしさを前面に打ちだす従来
通りのイメージを守りつづけた。ヴォクリューズ県の老舗工場で生産されたトマト缶やトマトソース
として、原産国名「フランス産」と、ルーカバノンのロゴが記されたラベルを使いつづけたのだ。フ
ランス人なら誰でも見たことがある、プロヴァンス風民家とイトスギが描かれたロゴだ。
それは決して違法行為ではない。原材料の産地が変わっても、商品にその記載を義務付ける法律はフ
ランスに存在しないからだ。ル・カバノンは、自社ブランドやプライベートブランドのもとで「プロ
ヴァンス風トマトソース」を販売しつづけた。これらの商品は、ヨーロッパ中に支店を展開する大手
スーパーチェーンの店頭に並べられた。カルキスはどういう理由から、フランスのトマト加エメーカ
ーに興味を抱いたのか? この業界のフランス人たちが今も記憶しているように、パレード用の軍服
を着た中国の将官たちがアヅィニヨンで開催されたトマトの展示会を訪れたのはどうしてか?どうい
う経緯で、プロヅアンス地方のトマト加工メーカーが中国に買収されるにいたったのか?そして、交
渉をまとめたとされる、要職にあるらしいリウ将官とは何者なのか?わたしはまだこのとき、この件
を報じた小さな新聞記事しか読んでいなかった[2]。トマト加エメーカーの買収のニュースはほと
んど話題にならなかったからだ。だが、どうしても詳細が知りたくてたまらなかった。
Feb. 13, 2018
それから数年後、ル・カバノンに起きた出来事はちっとも珍しいことではなく、むしろ世界の通例
になっていることを知った。とくにアメリカ、ヨーロッパ、西アフリカではよくあることだった。1
990年代頃から、地元で収穫されるトマトを加工して国内で販売している会社は、世界中各地で倒
産していた。価格競争に負けたからだ。グローバル経済において、遠い国から激安価格で輸入される
ドラム缶入り濃縮トマトとは、どうがんぼっても張り合えない。いまや輸入濃縮トマトで食品やソー
スを生産するのは、世界のアグリビジネスではふつうのことになっていた。そのもっとも象徴的なの
はオランダのケースだろう。現在、オランダは年間約こ1万トンの濃縮トマトを輸入し、ケチャップ
やトマトソースを年間19万トン以上輸出している。イギリスの有名なブラウンソース、HPソース
もオランダで作られている。1895年にイギリスで開発された、トマトとモルトビネガーをベース
にしたスパイシーなソースで、イギリス入家庭の食卓には必ず置かれている。
1988年、HPソースブランドは、1億9900万ポンドでダノンに買収された。2005年、今
度はハインツが同ブランドを買収する。イギリスの監督機関は、2006年4月にこの取引を正式に
承認した。すると翌月、ハインツはHPソースの生産拠点をイギリスからオランダヘ移すと発表した
のだ。HPソースはこれまでずっと、イギリスのウエスト・ミッドランズ地方にある、バーミンガム
郊外アストンで生産されてきた。バーミンガムといえば、産業革命で重要な役割を果たし、19世紀
には「世界の工場」と異名をとった都市だ。ところが今後は、オランダのヘルダーラント州郊外、エ
ルストの工場で生産されることになったのだ。この工場は、ハインツが世界中に所有するソースエ場
でもっとも大規模なもののひとつだ。
イギリス人はこの決定に猛反対し、ボイコット運動が起きた。HPソースのHPは、イギリス国会議
事堂(Houses of Parhment)の頭文字で、国会議事堂の食堂で使われていたことからそう命名された。
王室御用達ブランドでもある。イギリスを象徴するこのソースがオランダで生産されるなんて! 国
会議員をはじめとするイギリス国民は激怒したが、ハインツは取り急わなかった。現在、オランダで
作られるHPソースのラベルにも、イギリス国会議事堂付属の時計台、ビッグ・ベンが描かれている。
一方、アストンの工場は2007年存に閉鎖され、翌年夏に解体された。「HP」と書かれた旧工場
の看板は、歴史的遺物としてバーミンガム博物館に収蔵されている。
ハインツはオランダのエルストエ場で、輸入したドラム缶入り濃縮トマトを原材料にして、西ヨーロ
ッパ向けのトマトケチャップを生産している。ハインツは加工食品の生産のために、年間45万トン
の濃縮トマトを使用しているという。トマトだとおよそ200万トン分だ[3]。2016年、世界
中で年間3800万トンのトマトが加工された。つまり、ハインツー社だけで、世界中のトマト加工
品の約5パーセントを生産している計算になる。
ハインツは、ケチャップのおかげで加工トマト業界の帝王に君臨した。キャンベル・スープに並ぶ、
アメリカ流ライフスタイルのアイコン的存在だ。ハインツ印のトマトケチャップは、何十年もの間、
多くのアーティスト、ジャーナリスト、広告クリエーターたちを魅了してきた。だが、わたしたちは、
こうしたケチャップやトマトスープについて、いったい何を知っているのだろう。資本主義の発展に
おいて、トマト加工品はどういう役割を果たしてきたのだろうか。
2015年7月2日、食品大手のクラフトフーズとハインツが合併した。合併後に誕生したクラフト・
ハインツ・カン八二ーは、傘下に13ものブランドを擁する超巨大企業になった。売上高は年間28
0億ドル以上で、これは食品業界で世界第5位に相当する。ちなみにアメリカ農務省によると、世界
の食品産業の総売上高はおよそ4兆ドルだという。クラフト・ハインツの主要株主は、投資ファンド
の3Gキャピタルとバークシャー・ハサウェイだ。バークシャーは、アメリカ入投資家で世界第2位
の資産家、ウオーレン・バフェットが運営する持株会社だ。まずハインツが2013年2月に、3G
キャピタルとバークシャーによって280億ドルで買収された。その前年の2021年、ハインツは
110億ドルの売上高を達成し、世界のケチャップ市場で59パーセントのシェアを獲得したばかり
だった。この買収は食品業界史上で最高額の取引になったため、当時は大きな話題になった。だが、
それだけではすまなかった。2015五年の合併で、クラフトーハインツはまた新たな世界記録を生
みだした。バークシャーが、この合併を実現するために100億ドルもの追加投資を行なったのだ。
食品業界における大手独占はどんどん進んでいる。現在、クラフト・ハインツを含む世界の食品メー
カー上位15社だけで、世界中のスーパーマーケットで販売される食品の30パーセントが作られて
いる。
[1]«lnvitation a la vente aux enchères,Roux Troostwik,Sociètè de ventes volontaire de meubles aux en-
chères publiques » brochure descriptive de la vente aux enchèes,CoIlection de l'auteur.
[2] Pierre Haski, Les Chinois croquent la tomate transformèe francaie Libèration, 12 avril 2004..
[3] Tomato News, avril 2015,
この項つづく
Céline Dion “Ashes”
Céline Dion ” Ashes ”
What's left to stay?
These prayers ain't working anymore
Every word shot down in flames
What's left to do with these broken pieces on the floor?
I'm losong my voice calling on you
[Pre-Chorus]
‘Coause I`ve been shaking
I've been bending backwards till I'm broke
Watching all these dreams go up in smoke
[Chorus]
Let beauty come out of ashes
Let beauty come out of ashes
And when I pray to God all I ask is
Can beauty come out of ashes? .....