『尉繚子』
紀元前三世紀、秦の始皇帝に仕えた兵法家・尉繚の説を収録したものといわれる。
4.戦 威(せんい)
戦闘力を左右するものは、兵の戦意である。死を恐れずに戦い抜く精神力は、どこから生まれる
のか。命令の効果を諭し、政治を論じ、要は「人の和」であると断言する。尉組子の面目躍如た
る一章。
命令はやたらに変更するな
命令とは、全軍の心を一つに結集するための手段である。部下の心理を言言しない指揮官は、平
気で度々命令を変更する。命令が度々変更されれば、部下はまた変更されるだろうと考え、命今
に従わなくなる。
したがっていったん命令を下したなら、大筋に誤りのないかぎり変更せず、多少の疑念くらいは
押し切る強さがなければならぬ。指揮官が確信を持って命令を下せば、部下は疑念を抱かない。
指揮官が断固として指令すれば、部下は迷わずそれに従う。信じられない指揮官のために、全力
を尽くそうとする者はいないし、全力を尽くす気もないのに、死を階して戦う者がいるはずはな
い。
したがってこうもいえる。国内における上下の関係が礼節と俗談と親近と情愛とによって固く結
ばれているなら、命全一下、人民はたとい飢えであろうと甘受するだろう。国内に、孝悌と仁慈
と清直と廉恥の気風が確立しているなら、命合一下、人民はたとい死であろうと避けずに進むだ
ろう。古代の明君はどのように国を治めたか。かれらは何よりもまずわが身の徳を修めて人民を
感化することに心を用い、爵禄・刑罰・法律等の手段に訴えることは二の次としたのである。
このように、上に立つ者が率先して身を但し、士卒を発奮させること、それが戦闘指揮の第一条
件である。それでこそ、士卒は手足のように命今に従うのである。いかに節義のためであろうと
も、指揮官に敬服し、発奮するのでなければ、士卒は生命を投げ出す気にはならない。生命を投
げ出す覚悟がなくては、戦えるものではない。
世の中の厄をのがれて元のままかへすは天(あめ)と地の人形(ひとがた) 滝沢馬琴
馬琴82年の生涯は苦労の連続だったらしい,辞世の歌は、「生きることは厄災を受け続けるこ
とであり、今やっと寿命が尽きて厄災から解放され、元の人形となって自分を天地の間にお返し
する」と江戸深川生まれの馬琴が粋な辞世の句をう、今日は青ぼうどう葡萄。
第9章 中国の加エトマト産業の暴走――始まりと発展、強制労働
第6節
中国、疆橋ウイグル自治区ウルムチ
ウルムチのさびれた古いホテルのロビーで、ある男性と待ち白わせをした。中国の加エトマト業
界における重要人物のひとりだ。イタリアの商社の人間は、彼のことをファーストネームで呼ぶ。
だが、ここにその名前を書くことはできない。
その男性と会ってことばを交わしたとき、おもしろいことに気がついた。語す英語がイタリア語
なまりなのだ。そのことは、中国の加エトマト産業の歴史を象徴していろようにわたしには思わ
れた。
1990年代、中国に仕入れルートを確立するため、イタリア人が初めて新疆ウイグル自治区に
やってきた。そのころ、ウルムチにはあまりパッとしないホテルが一軒あるだけだった。イタリ
アからやってきたIマルコ・ボーロ」たちは中国語がわからない。すぐにでも通訳が必要だった。
白羽の矢が立ったのがこの男性だった。男性は若く、流暢な英語を話した。数年にわたって通訳
として雇われつづけ、パルマの機械メーカーや商社の人間たちといっしょに新疆の各地や北京を
訪れた。イタリア人の信用を得て、多くの商談を通訳した。高度に技術的な会話や、重要な交渉
にも立ち会った。そして次第に、この業界の技術や経営に関する知識を深めていった。
通訳として業界の有力者たちといっしょにいたおかげて、男性はこの業界について何もかも知り
尽くすようになっていた。現在は中国企業に勤めているという。濃縮トマトの二大メーカー中糧
屯河(コフコ・トンパー)とカルキス(中基)の内情にも通じている。
「中国の加工トマト産業は、3つの段階を経て成長しました。第1段階は1990年から199
3年まで。中国の加工トマト産業の黎明期です。当時、年間およそ40万トンの加工用トマトが
栽培されていました。イタリア人も中国人も、新疆ウイグル自治区の気候がトマトの栽培に向い
ているとわかると、工場をどんどん増やしました。第2段階は1999年から2003年まで。
加エトマト産業は急成長し、年間500万トンもの加工用トマトが栽培されました。
これらのトマトを加工することで、60万トン以上の濃縮トマトが生産されました。そして第3
段階は2009年から二2010年まで。この時期、トマトの生産量は年間1000万トンの大
台に乗りました。すべてが加工用、そしてほぼすべてが輸出用です。
ところがその後、中糧屯河とカルキスのシェア争いが激化しました。同社とも次から次へと工場
を建設し、膨大な量の濃縮トマトを生産しました。明らかに生産過剰です。でも、同社とも世界
第一位の座が欲しかった。それはもう苛烈な争いでした。イタリアは黙ってその様子を見ている
だけでした。二社が激しく競争するほど、イタリアは安く濃縮トマトを仕人れられますからね。
2014年になって、見るに見かねたわたしかとうとう和解の場を設けました。同社はようやく
市場がないのにたくさん作っても価格が下がるばかりだと気づき、生産を縮小しはじめました。
実際、バーター貿易協定の時期が終わると、中国銀行の資金はどんどん海外へ流出していったの
です。
新疆から濃縮トマトを買っている会社の名前を全部あげるのはちょっと難しいですね。あまりに
たくさんの食品メーカーがありますから。そういう食品メーカーは、大量に濃縮トマトを買って
います。とくに、ユニリーバ、ハインツ、ネスレの三社は、年間数万トン単位です。クラフトフ
ーズも多く買ってます。ヨーロッパでの主な販先先は、イタリア、イギリス、ポーランド、ドイ
ツ、オランダ。こうした国々でトマトソースやケチャップを作るのに使われます。ロシアにも大
量に輸出されます。アフリカの場合、いったんイタリアに輸出して、再加工されてからアフリカ
に再輸出されることもあります」
2015五年、中国国内でトップ、匪界で第2位だった中糧屯河は、3倍濃縮トマトを25万ト
ン以上生産した。国内第二位のカルキスは18万トンだった。さらに、国内第3位の見漢集団、
第四位の冠農果茸は、それぞれ八万トンと4万5000トンだった。これら上位4社だけで、中
国国内の濃縮トマト全生産量(73万7000トン)の4分の3を生産している計算だ。
現在、中国は世界観大の濃縮トマト輸出国だ。アメリカやイタリアより多いのを意外に感じるか
もしれない。だが、ほかの生産国は国内に大きな市場があるので、まずはそちらに供給しなくて
はならない。カリフォルニアの生産量の大半は、アメリカ国内で消費されている。イタリアも同
様で、まずはイタリア国内市場、次にEU圏内の国々に供給し、残りをEU圏外に輸出している。
ところが中国の場合、世界第2位の生産国でありながら、その生産量のほとんどすべてを輸出し
ている。これは濃縮トマト主要生産国では例外的なケースだ。
《トマト・ニュース》によると、2018年、加工用トマトの生産量は世界全体で3800万ト
ンだった。うち、アメリカ(ほとんどがカリフォルニア州)は1150万トン以上、中国は51
0万トン、イタリアも510万トン、スペインは290万トン、トルコは210万トンだった。
2015年は金額ベースで見ると、濃縮トマトの世界の総輸出額は六五億ドル近くに達し、19
97年の3倍以上になった。だが、濃縮トマトに関して貿易収支が黒字になったのは、世界中で
わずか13カ国だけだった。
第7節
取材で出会った複数の関係者によると、2000年代初め、中国が加工トマト業界で台頭しはじ
めた時期、中国人経営者に賄賂が渡っていたという。もちろん、取材に応じた人は誰ひとりとし
て、自分が関わったとは認めていない。ポルトガルのトマト加工品商社代表、パウロ・クーニャ・
リベイロは、中国人の要求があまりにしつこかったからやむをえずそうしたのではないか、と言
った。そう言うりペイロ自身も、自分はやったことはないと主張している。また、工場の建設や
食品機械の購入に関する契約書には、数字が水増しされたものがあったという。
水増し請求を使ってどのように賄賂がやりとりされるのか、リベイロがわかりやすく説明してく
れた。
「まず、機械メーカーが中国の会社に機械を売り、水増し請求書を作る。会社は中国政府の銀行
から融資を受けて、請求された金額をメーカーに支払う。取引が終了すると、経営者本人の名義、
または別名義の外国の銀行口座に、メーカーから水増し分のy手数料が振り込まれるんだ」
この項つづく
【抗加齢医療市場2022年856億ドルへ】
抗加齢(アンチエイジング)医療は、テクノロジーの進化に伴い、現在大きなパラダイムシフト
を迎えています。抗加齢医療は、寿命に基づいた観点からの対処から、健康寿命に基づいて予防
から症状の管理と治療を行うサイクルへ移行しつつあります。この様なヘルスケアのコンセプト
の変化は、抗加齢医療で新たな市場機会を生むことが期待されます。中でも、臨床医療、栄養補
助サプリメント、美容療法の領域で、デジタルテクノロジーを統合したヘルスケアソリューショ
ンが有望な市場となるという。
フロスト&サリバンはA4M.com社と共同で行った新たなリサーチ「抗加齢療法・サービス:2022
年に向けた市場トレンドおよび成長機会」を発行し、抗加齢医療の市場動向を公表。これによる
と、抗加齢医療のグローバル市場は、2017年から2022年に向けて年平均成長率(CAGR)6.5%で成
長し、同市場規模は2022年に856億米ドルに成長する予測です。今回のリサーチにおける抗加齢
医療市場には、加齢に伴う発病への対処と病気の予防を目的とする臨床医療・栄養補助サプリメン
ト・美容療法の3つのセグメントを対象とする。
連載が終了した『エネルギー革命元年』を最新事業開発の考察を継続しながら、新しい事業開発
の考察として『再生医療』の事業開発を掲載していくことにする。ところで、再生医療こと、再
生医学( Regenerative medicine)とは、人体の組織が欠損した場合に体が持っている自己修復力を
上手く引き出しその機能回復を行う医学分野である。
【風力発電篇:オランダで730メガワットの洋上風力】
6月29日、三菱商事株式会社はDiamond Generating Europe社(同社英国100%子会社)を通じて
参画する蘭Borssele(ボルセレ)Ⅲ/Ⅳ洋上風力発電事業建設を開始したことを公表。同事業は、
Eneco社、Royal Dutch Shell社、Van Oord社 と共に 4社で開発を進めてきたが、今後はPartners Gro-
upを加えた5社で事業推進。総発電容量は約730万メガワット、19年中に洋上据付工事に着
手し、21年の運転開始見込む。欧州では30年までに5万メガワットに上る洋上風力発電の導
入が見込まれており、ESG投資の気運が高まるなか、リスクが低減された段階で再生可能エネル
ギー事業への参画を図る事業者・機関投資家が多数。今回の譲渡は、建設前のリスクが下がった
段階で参画を希望するPartners Groupと、資産入替えにより発電事業のポートフォリオの最適化を
図る同社の戦略が合致する。
同社は、DGEを通じて欧州にて本事業を含め計4件の洋上風力発電事業(総発電容量3千メガワ
ット超:概要下表)に参画。これらを通じて蓄積した事業運営の経験を活かし、経済価値・社会
価値・環境価値の三価値同時実現に資する案件に取り組み続けることで、30年までに発電量の
20%超を再生可能エネルギー由来とする目標の早期達成を目指す。
Jun. 29, 2017
● ボルセレⅢ/Ⅳ プロジェクト概要
場所:オランダ沖合約22㎞の北海海域/総発電容量:約730メガワット(約82.5万世帯
の電力を賄う規模)/総事業費:約1,800億円
【エネルギータイリング事業:ソーラータイル篇】
ペロブスカイト積層型ソーラー技術開発 欧米でヒートアップ
● シリコン-ペロブスカイト積層型太陽電池で変換効率25.2% EPFL
6月12日、スイス連邦工科大学ローザンヌ校(EPFL)とスイス・エレクトロニクス&マイクロテ
クノロジーセンター(CSEM)の研究チームは、シリコンとペロブスカイトを積層したタンデム型
太陽電池で記録更新となる変換効率25.2%に達成。また製造方法が単純であり、既存の太陽
電池の量産ラインに組み込むことも可能であると公表。変換効率については、最終的に30%超
まで高めるとする(上図参照)。これは、ブログ掲載(「変換効率30%超時代」2018.06.30)
した6月25日のオックスフォードPVTM の世界最高の変化効率で27.3%を下回る。また、3
月22日の欧州のソーラーリサーチ機関であるSollianceとオランダのエネルギー研究センター(E
CN)が結晶シリコン太陽電池と組み合わせた透明ペロブスカイト太陽電池の効率を26.3%達成を
(下図)下回るものであるが、いかに精力的に研究開発されているかがうかがえる。
Mar. 22, 2018
さらに、米国でも盛んに開発成果として関連特許公開が(米国)が続いている(下図)。
【特許事例研究:最新ペロブスカイト積層電子デバイス技術】
❑ US 10003037B2 溶液処理可能な金属酸化物バッファ層を含むオプトエレクトロニクス
デバイス
【概要】
有機発光ダイオード(OLED)、有機光電池(OPVセル)またはペロブスカイト型太陽電池などの
有機エレクトロニクスにバッファ層を使用して、デバイス効率および寿命を増加させることが知
られている。そのようなバッファ層は、亜鉛ドープ、チタンドープ、タングステンドープ、ニッ
ケルドープ、ニオブ酸化物またはAlドープZnO(「AZO」)またはCuドープNiOのようなドープ金
属酸化物などの金属酸化物を含む。一般に、粒子状のこのような金属酸化物は公知である。典型
的には、上記の酸化物バッファ層は、高真空下での熱蒸発または高温アニーリング工程を必要と
する湿式化学(前駆体に基づく)方法によって製造される。低コストで大面積の製造プロセスの
点で不利である。有機太陽電池(OPV)は、10%を超える認証された効率で、低コストで柔軟な
光起電力技術のための有望なアプローチを提供することも知られている。広範囲に商品化する前
に、大面積生産と安定性の問題を解決しなければならない。高歩留まりおよび低シャントでの信
頼性の高い大面積生産のためには、厚く安定した丈夫で印刷可能なバッファ層が前提条件である。
一般に、粒子状のこのような金属酸化物は公知である。上述したように、このような酸化物層は、
高真空下での熱蒸発により製造。低コストで大面積の製造プロセスの点で不利である。このよう
なプロセスは、比較的高い温度を使用する。アニール工程を含むことにより、バッファ層に先行
する層が温度に敏感な場合には不利である。従って、本発明者らは、温度感受性層/材料に適合
するバッファ層、特に金属酸化物バッファ層の製造プロセスを提供する必要があることを確認し
ている(後略)。
下図のように、有機エレクトロニクスのような電子デバイスの分野に関し、前記デバイスは基板
および多数の層を含む、少なくとも1つはバッファ層(金属塩)で、電子デバイスの製造に適し
た中間品および材料、特定の製造方法および特定の用途を提供する。
❑ US 9,911,935 Transparent conducting oxide as top-electrode in perovskite solar cell by
non-sputtering process:非スパッタリング法によるペロブスカイト型太陽電池の上部
電極としての透明導電性酸化物
【概要】
低温プロセスを用いて透明導電性酸化物(TCO)上部コンタクトを形成する技術が提供される。
本発明の一態様では、基板上にTCOを形成する方法が提供される。この方法は、電子ビーム蒸着
を用いてTCOの原料ガスを生成するステップと、 RFプラズマを用いて原子状酸素を発生させる。
基材上にTCOを形成するのに十分な条件下で基材をTCO原料ガスおよび原子状酸素と接触させるこ
とを含む。ボトムセルを含む光起電力装置も提供される。 およびケステライトベースのボトム
セル上のペロブスカイトベースの上部セルを含む。 ペロブスカイトベースの上部セルは、TCO
から形成された上部電極を含む。
ということで今夜は2件のみ掲載。
【五坐踏破計画 2017】
日本列島を異常降雨で混乱の内にあり計画変更は必定。そこにきて、作業量の多さのため「宅ト
レ」も2日間さぼっている。これではいけないとリックを背負い30分間最大毎時4キロ、最大
斜度10%で模擬登山トレッキングを行う。結構な負荷だと実感する。話はそれるが、携帯電話
で、知人や親戚に入れ罹災の海を確認する(通話料金が心配だ)。大阪で宅配をしている知人は
淀川水位が危険だいう連絡があり、ダムの放流許容量が問題があるねというと、ラジオ状況放送
されているという返事。それからしばらくして京都の日吉ダムの放水量を上げたことをテレビ放
送されていた。「人為的温暖禍」(地球の金星化)であることはすでに想定済み。大量の雨で地
中内部での浸食/地質形状による流出差により、密度が急速に低下しスカスカ状態が進行してい
るはず。「嵐(動乱)の時代」であり「混沌」が引き寄せているのだが、何が/誰が?!
● あの日の一曲
Santana ” Europa ”
米国のラテン・ロック・バンド、サンタナの曲。アルバム「アミーゴ」(1976年)に収録。日本独
自のシングルとして発売されヒットした。原題《Europa (Earth's Cry Heaven's Smile)》。